第84回 消費者委員会 議事録

日時

2012年3月27日(火)16:00~17:45

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

 松原内閣府特命担当大臣
【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、稲継委員、小幡委員、川戸委員、
 田島委員、夏目委員、細川委員、吉田委員
【事務局】
 原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.松原内閣府特命担当大臣ご挨拶
3.住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題について
4.食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定について
5.消費者基本計画の検証・評価・監視について
6.特定保健用食品の表示許可制度専門調査会、原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会及び
  製品事故情報の公表等に関する調査会の廃止について
7.消費者安全専門調査会の運営について
8.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:8KB)
【資料1】 住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題についての概要、提言(案)及び関連資料 【資料2】 食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の変更について(案)(PDF形式:18KB)
【資料3】 消費者基本計画の平成23年度の実施状況に関する検証・評価及び計画の見直しに向けての意見(案)(PDF形式:179KB)
【資料4】 消費者安全専門調査会の運営関連資料 【参考資料1】 食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の変更について(諮問書)(PDF形式:217KB)
【参考資料2】 第2回地方消費者委員会(松山)実施結果(PDF形式:17KB)
【参考資料3】 特定保健用食品の表示許可に係る答申関連(PDF形式:123KB)
【参考資料4】 委員間打合せ概要(PDF形式:72KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、定刻になりましたので、始めさせていただきます。
本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会(第84回)」会合を開催いたします。
なお、本日は18時30分までとご案内しておりましたけれども、できましたら、てきぱきと進めて18時ぐらいで終了したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
なお、本日は、松原内閣府特命担当大臣にお越しいただいておりますので、開会に当たり、大臣より、ごあいさつをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

≪2.松原内閣府特命担当大臣ご挨拶≫

○松原大臣 本日は、お忙しい中をお集まりいただき、誠にありがとうございます。第84回の消費者委員会の開会に当たり、一言、ごあいさつを申し上げます。
昨年9月に第2次消費者委員会がスタートして以降、委員の皆様には、積極的に調査審議を行っていただいており、先般は公共料金問題について建議を行っていただくなど、着実に成果を上げていただいているものと考えております。
また、本日は、住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題等について、委員会としてのお考えをお示しいただく予定と伺っております。
更に、この24日(土曜日)には、松山において、「第2回地方消費者委員会」を開催し、消費者団体や消費生活相談員、消費者行政担当者等との意見交換を行うなど、消費者委員会に地方や消費者等の声を反映することにも、御尽力をいただいているものと認識いたしております。
平成21年9月に消費者庁及び消費者委員会が設置されてから、約2年半が経過し、こうした新しい仕組みが消費者の皆様方にお役に立っているのか、その検証・評価を行うべき時期となっております。このような中、今後の消費者行政の発展のために、消費者行政全般に対する監視機能を有する消費者委員会が、消費者のための建議等を積極的に行っていくことが極めて重要であると考えております。
私といたしましても、いただいた建議等についてはしっかりと対処するとともに、消費者庁と消費者委員会が適切に協力し、それぞれの役割を果たしていけるよう、全力で取り組む所存であります。
委員の皆様におかれましては、日々発生する消費者問題に適切に対処するため、引き続き積極的に御審議いただきますよう、お願い申し上げます。
以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
大臣におかれましては、まだしばらく会議に御出席いただけるということでございます。よろしくお願いいたします。
続いて、配付資料の確認をしていただきます。事務局よりお願いします。

○原事務局長 配付資料は、「議事次第」と書かれた紙の下に一覧を載せておりますけれども、資料1といたしまして、「住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題についての概要、提言(案)及び関連資料」。
資料2といたしまして、「食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の変更について(案)」。
資料3といたしまして、「消費者基本計画の平成23年度の実施状況に関する検証・評価及び計画の見直しに向けての意見(案)」。
資料4といたしまして、「消費者安全専門調査会」立ち上げについて、運営関連資料と委員名簿をおつけしております。
参考資料1といたしまして、「食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の変更について(諮問書)」。
参考資料2といたしまして、「第2回地方消費者委員会(松山)実施結果」。
参考資料3といたしまして、「特定保健用食品の表示許可に係る答申関連」。
参考資料4といたしまして、この間、委員間打合せを3月21日に行っておりますので、その概要をおつけしております。
以上です。

○河上委員長 本日は、当初予定しておりました議題に加えて、「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会、原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会及び製品事故情報の公表等に関する調査会の廃止について」というテーマと、「消費者安全専門調査会の運営について」という点を議題として取り上げていきたいと思っております。

≪3.住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題について≫

○河上委員長 それでは、議題に入ります。
初めに、「住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題について」であります。住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題につきましては、第81回の委員会において、国民生活センターからヒアリングを行い、第82回委員会において、消費者庁及び経済産業省からヒアリングを行っております。併せて、消費者委員会としまして、本消費者問題の概要等について、これまで独自に調査を行ってきたところであります。本日は、これまでの調査審議の結果を踏まえまして、消費者委員会として一定の提言のとりまとめを行いたいと考えております。
お手元に資料1として、「住宅用太陽光発電システム販売等に係る消費者問題についての概要、提言(案)及び関連資料」を配付しておりますので、これについて、吉田委員から説明をお願いしたいと思います。

○吉田委員 それでは、「住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題についての提言(案)」につきまして、配付資料1-1を使って御説明いたします。
資料1-1の2ページをごらんください。近年、住宅用太陽光発電システムの単価の低下に加えて、補助金制度や余剰電力の買取制度等の政策的対応や、消費者の環境問題への関心の高まりと相まって、住宅用太陽光発電システムの導入件数が増えています。この傾向は今後も続くことが見込まれております。これに伴って、全国の消費生活センターに寄せられる相談件数も増加しています。太陽光発電システムの市場の一層の拡大のためには、適切な施工を確保するとともに、悪質業者を排除し、太陽光発電システムそのものに対する消費者からの信頼を得ながら、消費者の利益に資するようにすることが重要です。
このことから、消費者委員会として関係各省庁に対し、次の3つの事項を提言することを提案いたします。
資料1-1、11ページをごらんください。「提言1.法執行等の強化」「提言2.業界団体を通じた販売方法の適正化、品質の向上のための取組」「提言3.支援制度等に関する分かりやすい情報提供」、以上です。
それでは、「提言1.法執行等の強化について」、その提案理由と提案の詳細を御説明いたします。全国の消費生活センターに寄せられる相談の概要につきましては、資料1-1、3ページ以下をごらんください。相談は、首都圏を中心に全国的に広がっている状況が書かれてあります。
資料4ページをごらんください。相談情報の7~8割が訪問販売によるもので、相談事例を整理しますと、5ページに挙げているような不実告知に関する相談、迷惑な勧誘等に関する相談、施工等に関する相談と整理されます。このように、相談の多くは訪問販売における典型的な問題事例であります。
6ページをごらんください。これらのことから、特定商取引法の行為規制の枠組みを最大限活用することが、太陽光発電システムの販売に関する消費者問題の解決あるいは被害防止にとって有益であると考えられます。また、太陽光発電システムの利点や特徴が、消費者にとっては決してわかりやすいものではなく、このため、実情に比べて不当な表示をしている場合において消費者にとって一層誤解が生じるおそれがあり、景品表示法の適切な執行が重要となります。しかし、実績は表のとおり、低調にとどまっております。
このため消費者庁は、太陽光発電システムの販売に係る相談等を十分注視し、販売等において不適切な勧誘や広告を行う事業者に対し、違反の事実が認められる場合には、特定商取引法や景品表示法による行政処分等を厳格に行うことが必要であります。また、消費者庁は、都道府県に対し、違反の事実が認められる場合には、特定商取引法や景品表示法による行政処分等を厳格に行うよう要請することが必要であります。
7ページをごらんください。消費生活センターに寄せられた相談の支払い方法は、個別クレジットによるものが多くなっており、平成20年の割賦販売法の改正に伴い個別クレジットの加盟店管理が強化されたことにより、悪質業者の排除に効果が見られたという意見もあります。このことから、個別クレジット業者の厳格な加盟店管理を通して悪質業者を排除していく等の働きかけが有効であると考えられます。
このため、経済産業省は、引き続き個別クレジット業者の指導監督を通じて、悪質な業者が排除できるよう割賦販売法の厳格な運用に努め、クレジット業者の厳格な加盟店管理を推し進めることが必要であります。
次に、「提言2.業界団体を通じた販売方法の適正化、品質の向上のための取組」について、その提案理由と提案の詳細を御説明いたします。8ページをごらんください。
消費者から太陽光発電システムの信頼性を維持するためには、業界から悪質な業者を排除し、品質確保に向けた自主的取組も重要です。一般社団法人太陽光発電協会では、「太陽光発電消費者相談センター」を開設したり、会員企業に対し法令遵守の徹底を要請したり、PV、これは太陽電池という意味ですが、PV施工士認定制度の検討をしています。
このような取組は、販売品質、施工品質、メンテナンス品質等の確保を通じて、被害を未然に防止する観点から大いに評価できます。今後、太陽光発電システムの普及が高まる中、悪質業者の参入の可能性が高まることからも、寄せられた相談等被害の実情を把握し、自主的な取組の実効性を高めるとともに見直しを行うことが重要であります。
このため、経済産業省は、太陽光発電協会等に対し、消費者から相談窓口に寄せられた相談内容等を踏まえながら、現在行っている取組について見直しを行い、販売品質、施工品質、メンテナンス品質等を確保するような仕組みを検討することなど、悪質な事業者の排除に向けた自主的な取組を要請することが必要であります。
最後に、「提言3.支援制度等に関するわかりやすい情報提供」について、その提案理由と提案の詳細を御説明いたします。資料9ページと10ページをごらんください。
消費者に対しわかりやすい情報を提供することは、消費者トラブルを招かないための基本的な環境整備であります。相談の中には、消費者が事前に正確な情報を持っていたなら防止できたかもしれないものも散見されます。このため、補助金制度、実際の発電量などについて、十分にわかりやすく、できる限り具体的かつ正確な情報を契約前に提供する必要があります。
このため、経済産業省は、余剰電力買取制度や補助金等の支援制度を含め、消費者のわかりやすさに資する観点から情報提供の在り方について見直しを行い、きめこまやかな情報提供の実施に向けた検討を行うことが必要であります。
以上が、住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題についての提言(案)に係る説明となります。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 提言で、賛成ですけれども、前回、経産省と消費者庁からヒアリングをしたときも申し上げましたが、太陽光パネルは原子力発電がいろいろ言われる中で是非伸びてほしい分野なのですが、3つ、難しい問題がございます。
一つは、パワーコンディショナーとソーラーパネルを設置する工事、これが単なる電化製品の設置工事と違って、結構複雑なのです。業界として伸びているだけに、実際にこの中身をわかった施工士が不足しているということで、経験不足からさまざまなトラブルが起こっているので、今、提言にありましたPV施工士のスキルアップというのは緊急の課題であります。
2番目に、説明資料1-1の9ページをごらんいただきますと、一覧が出ていますのでわかりやすいのですが、国と県と市町村でそれぞれ補助金を出していますので、それぞれの地元の方々にとって、自分の市町村で一体幾らの補助金が出るかというのが必ずしも明白ではない。そこで施工業者、販売側がややこしい説明をすると、そこに誤解を生じかねないという実態がございます。一番多いところは59万8,000円というところもありますし、少ないところでは16万8,000円というところがある。また、支給要件も居住地域によって違いますので、この辺、自治体もわかりやすい説明を住民にしないと、問題のもとになるかと思われます。
3番目が売電のシステムです。要するに、自分の家に設置されたソーラーパネルからどのくらい発電がなされて、どのくらいの売電のお金が入ってくるのか。7月からまた売電の電気料金の改定があるようなので、その辺で値上げがあれば、より一層消費者の関心は高まると思いますが、今のところ、わかりにくいところがある。これは本当は、あなたの家でどのくらいの電気料金を買ってくれそうですという、文書で説明するぐらいのことがあってもいいと思いますが、その辺のシステムが必ずしも業界でも確立していません。その意味でまだ開発途上の業界だと思いますが、伸びてほしいと思うだけに、是非この提言を、庁や経産省、それから、これはリフォームの問題にもかかわってきますので、国交省でも関心を持っていただいて、安定的な発展に寄与してほしいと思います。
そういう点から言って、いろいろ議論はしたのですが、今回はこの程度の提言にとどめようということで議論いたしましたので、私としては是非これで実行していただきたいと思います。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。
細川委員、どうぞ。

○細川委員 今日の案は提言ということですけれども、私自身は、個人的にはこれだけしっかり調べて問題点を指摘しているのだから、法律で定めた建議でいいのではないかと考えたのですけれども、新しい制度の提案というよりも運用の強化というところなので、提言というふうになっております。
ということは、逆に言うと、法律も制度もしっかりしているのにその運用が図られていないということですので、そこは問題だと思います。特に今日は大臣もお越しなので、ちょっと言いたいのですけれども、特商法も景表法も運用を強化するために消費者庁に持ってきた法律です。ところが、消費者庁に持ってきたのに強化されない。あるいは景表法ですと、逆に運用実績が公取のときよりもむしろ劣ってしまっている、そういう状況にあるわけです。これは非常に大きな問題です。
今、ちょうど参議院の消費者問題特別委員会でも、預託法の議論とかされていましたけれども、消費者庁に持ってきたがゆえに消費者のための活動がかえって萎縮しているというのは、これはとんでもない話です。そこは何が原因なのか、やる気とか、体制の問題も確かにあると思いますけれども、これでは、せっかく国民・消費者のためにつくった消費者庁が意味をなさないことになってしまいます。特商法、景表法は消費者庁の所管の法律です。お膝元ですので、是非しっかりやるように大臣の方からも指示していただきたいと思います。
もう一点、こういう消費者被害の救済というのは、ややもすると弱者の救済とか、事業者あるいは経済の発展の足を引っ張るような政策だと思っている政治家とか官僚が非常に多いのですけれども、私はそうではないと思います。適正な規制、適正なルールに基づいて適正な処分をすることが、市場において悪いことをする者を排除し、結果として真っ当な事業者のビジネスチャンスを広げるという、その理解が日本には非常に少ないのです。だから、こういう規制、処分というものも萎縮してしまうのではないかと思います。
逆に、こういうのを野放しにしておくと、本来発展させるべき産業が、市場が荒らされて消費者の信頼をおけず、かえってその産業がだめになってしまう。そういう一つの例だと思いますので、この提言、後からこれは採決すると思いますけれども、認められた後は、是非、大臣の下で対応をお願いしたいと思います。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
ほかには、よろしいでしょうか。
「建議」にするかどうかということは前にも議論をしたところですが、今、細川委員からもありましたように、現有の法規制の強化というか、執行の強化を促すということで、今回のものは一応「提言」にしておりますが、その心は建議と変わらないということで、あて先となった関係省庁にとっては、十分この提言の意味を理解いただいて、しっかりとした執行をお願いしたいと思います。
それでは、ほかにないようでしたら、特に文面に関しては修正はなしということで、このような形で了解をいただいたと考えます。あて先ですが、隣におられるので、今、お渡ししてもいいぐらいですけれども、消費者担当大臣・経済産業大臣あてに提言を行うというふうにしたいと思います。どうもありがとうございました。

≪4.食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定について≫

○河上委員長 続きまして、「食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の改定について」であります。食品安全基本法の第21条第1項に規定する基本的事項につきまして、今回、消費者庁の方で改定を行うということで、参考資料1のとおり、3月2日付で消費者委員会委員長あてに諮問が行われています。前回の83回委員会において消費者庁から諮問内容について説明をいただきまして、議論を行ったところですが、本日は、これまでの議論を踏まえて消費者委員会としての意見をとりまとめたいと思います。
資料2のとおり、意見案を作成してまいりましたので、田島委員から説明をお願いいたしたいと思います。

○田島委員 それでは、資料2に従いまして御説明したいと思います。先ほど委員長からもありましたけれども、参考資料1の諮問書に対する回答でございます。あて先、発遣名は省略させていただきます。
「食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項の変更について。平成24年3月2日付け消安全第36-2号で諮問があった基本的事項の変更(改定案骨子)についての消費者委員会の意見は、下記のとおりである。また、本意見に基づき作成された基本的事項案についても、意見を述べる機会を得ることを求める」となっております。諮問に対する回答をするだけでなく、改定案が出てきた段階で、もう一度委員会として検討させていただきたいということを記しました。
「記」でございますが、第1、食品健康影響評価の実施(食品安全基本法(以下「法」という)第11条関係)について。
1、現行の食品健康影響評価の対象となる危害要因は、微生物や農薬、食品添加物等の外部からの汚染や異物混入等を前提に作成され、食品そのものが危害要因となることもあるという視点が欠けている。このため、食品アレルギー並びにこんにゃく入りゼリーのような物性・形状についても危害要因として評価対象とすべきである。また、評価の際は、乳児や高齢者など特定の年齢層・人口集団にも配慮すべきである。なお、潜在的リスク要因として、遺伝子組換え食品に配慮すべきである。
例として、(1)食品の危害要因について、(2)食品そのものに起因する危害要因(食品アレルギー、物性・形状等)について。
2枚目にまいりますが、2番としまして、「『農林水産物の生産段階』において留意すべき要因に、『放射性物質』を加える」点については評価するものの、海洋汚染による魚介類等への影響については、今後、長期にわたり影響を及ぼす可能性があることから、特別に配慮すべきである。また、「放射性物質」については、「食品供給工程」の各段階における留意すべき要因とすべきである。なお、「放射性物質」に関する評価結果の公表に当たっては、消費者の理解度を高めるため、平易でわかりやすい解説にするよう要望する。
第2として、国民の食生活の状況等を考慮し、食品健康影響評価の結果に基づいた施策の策定(法第12条関係)。
1、国際化の進展にともない、今後、海外から輸入される食品のさらなる増加が見込まれる中、国民の健康への悪影響の未然防止という基本的理念の実現のため、輸入食品の安全性の確保に向けた管理体制整備を検討すべきである。
飛びまして、第5、関係行政機関の相互の密接な連携(法第15条関係)について
1、リスク管理機関が所管している審議会の委員構成に関して、「ステークホルダー(幅広い関係者)の参画」を明記すべきである。
第7、国の内外の情報の収集、整理及び活用法(法第17条関係)について。
1、食品健康影響評価やリスク管理において、「放射性物質」に係る規格基準値の設定に関し乳児用食品に特別な配慮をしたように、乳児や高齢者など特定の年齢層・人口集団に配慮すべきである。
第8、表示制度の適切な運用の確保等(法第18条関係)について。
いわゆる健康食品の表示については、今後とも検討を続ける必要があることから、表示制度の中に、いわゆる健康食品の表示を加えることを検討すること。
私からの説明は以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
この「基本的事項」の部分というのは、現在あるものについて更に必要な修正を加えて基本的事項案として最終的には閣議決定を受ける、そういう流れになっているもので、基本的事項のところだけに関するものですから、第1から第8の事柄について、一応意見を申し上げたという段階です。その後、基本的事項の閣議決定案ができ上がりましたら、またそれについても一度、委員会としても御報告を受けて審議したいと考えております。何かこれに関して、御意見ございますでしょうか。
川戸委員、どうぞ。

○川戸委員 この案を是非よろしくお願いしたいということを申し上げたいと思います。第1の1ですけれども、そもそもこの消費者庁ができたのがギョーザ事件です。異物の混入。こういうところからできたわけですけれども、そのときに同じように問題になったのがこんにゃくゼリー。ところが、こちらの方は一向に解決がつきません。というのは、物性・形状については法律の範囲ではないということで、ずっとはねられてきたわけです。そういう意味でこの基本法、また法律事項そのものをもっときちんと変えられるように、ここが意見を言ってもいいのではないかと思います。
それから、もう一つの放射性物質の問題。「乳児や高齢者など特定の年齢層・人口集団に配慮すべき」ということが第7に書いてありますように、今回、認められたわけですから、これもきちんと入れることができると思います。そういう意味でもここに書かれたことはもっともだと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思っております。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 私も、この消費者委員会の意見を是非反映させていただきたいと思います。1の1のところで、「潜在的リスク要因として、遺伝子組換え食品に配慮すべきである」と盛り込みましたのは、遺伝子組換え食品の健康影響につきましては未知の分野がまだまだ多いということですから、きちんと今後も影響評価をしていくことが必要であろうということ。同じように、今、川戸委員から御発言がありましたけれども、放射性物質の影響につきましても未知の分野でございますので、引き続き、両面につきましては食品安全基本法できちんと施策に反映していただくよう、お願いするところでございます。
以上でございます。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
小幡委員。

○小幡委員 この意見には、こんにゃくゼリー等について常に議論してきたものが盛り込まれておりますので、是非お願いしたいのですけれども、「記」の上にございますように、改定案骨子についての意見を求められ、それについてこのように意見を述べさせていただいたので、これから具体化される改定案についても、いろいろ文章表現上の問題もあると思いますので、やはり消費者委員会として意見を述べる機会が得られればと思っております。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。
ここで書いてあるように、以前は、外から毒物が食べ物に入ってくるとか、そういう話だったわけですけれども、もう一つ発想を転換して、食品自身が何らかの危害要因になる可能性がある場合、物性・形状、アレルギーのものとか、そのような点についても配慮してほしいというところがみそになります。遺伝子組換え食品は、確かにそれ自体が正面から「危害要因」という話にはなりにくいわけですけれども、しかし、未知の潜在的な危険があるという点では、やはりきちんと監視をしないといけないものです。なかなかこういうのは書きづらいところもあるのかもしれませんけれども、特によろしくお願いしたいと思います。
では、大体このような形で委員会の案をまとめるということで、よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、この案については皆様の御了解をいただいたということで、答申を行いたいと思います。ありがとうございました。

(松原大臣退室)

≪5.消費者基本計画の検証・評価・監視について≫

○河上委員長 続きまして、「消費者基本計画の検証・評価・監視について」です。消費者基本計画につきましては、平成23年度の施策の実施状況についての検証・評価及び計画の見直しを予定しており、今後の進め方等について、前回の83回委員会において消費者庁からヒアリングを行ったところであります。
本日は、昨年秋に消費者委員会で行った関係省庁ヒアリングや、関係諸団体から随分要望書をいただいておりますが、そういう要望書、それから、消費者団体との意見交換の中からもさまざまな要望をいただいております。そのような要望を一覧にして、これを検討いたしまして、これを踏まえた上で、今後の検証・評価及び見直しに向けて意見をとりまとめていこうと考えているものであります。
資料3といたしまして、「意見(案)」を配付しておりますので、山口委員から説明をお願いいたしたいと思います。

○山口委員長代理 委員会の内部でさまざまな意見を出し合って、一応こういう形でまとめましたので、報告させていただきます。
消費者委員会としては、次のような形で、消費者基本計画の見直しに盛り込んだらどうかということで意見を述べます。
総論または新規施策等につきましては、東日本大震災への対応について、実施された施策の検証と今後の施策について明記されたい。また、以下に記載するように、放射線測定器の機器の精度に関して消費者の誤解を防ぐための施策や、放射線測定器の貸与、消費者が必要としている情報を一括して提供すること、リスクコミュニケーションを充実させること等、具体的施策として明記されたい、ということです。
次に、既存の各項目についてでありますが、まず、消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援という観点から、施策番号1などにつきまして、PIO-NETの運用や入力負担、費用負担の在り方の見直しを行い、より多くの消費生活センターからより有益な情報が届けられ、それを活用できるようにすることについて明記されたい、ということであります。
4番目ですが、「消費者安全行政の抜本的強化に向けた対応策についての建議」(当委員会が建議したわけですが)における指摘事項を踏まえて、具体的な施策の実施について明記されたい。例えば、学校における消費者事故が消費者庁に迅速に寄せられる体制確立の実現、福祉用具の事故収集体制の整備、茶のしずく石鹸の事案を踏まえた関係省庁との迅速な連携等であります。
21番等は食の安全・安心を確保するための施策の関係ですが、関係省庁等は、リスクコミュニケーションについて、消費者への周知が十分に行われていたかどうかという観点で検証・評価を行われたい。また、放射性物質の食品への影響について、食品の安全性の基準をよりわかりやすく明示し、その検査体制を充実して、消費者の不安を図るための施策の実施について明記するとともに、消費者の正しい理解のための機会・情報を提供することについて明記されたい、ということであります。
施策番号22あるいは新規施策ですが、食品衛生法の適用対象に食品の物性・形状を加えるなど、窒息事故防止体制の整備を図ることを明記されたい、ということです。これは、先ほどの食品安全基本法の基本的事項との関係もございます。
32番、33番については、日本の農産物の輸出において、風評被害が生じないよう、各国政府・国際機関と協議を行う等の施策の実施について明記されたい、ということであります。
39番あるいは新規施策、これは、消費者の安全・安心の確保のための施策の関係であります。当委員会で建議いたしました、エステ・美容医療サービスに関する分野についてでありますが、建議をどう実施したか、具体的な施策の実施について明記されたい。また、美容医療・歯科インプラントを含む自由診療について、事前説明の徹底、書面での確認、原則として一度目の来診では施術しないなどの対応策について、消費者保護の視点から検討を行うことについて明記されたい、ということです。
41番以下は、消費者の自主的かつ合理的な選択の機会を確保という視点ですが、改正特定商取引法の施行5年後の見直しに向けて、有償取引全体をカバーすること、指定権利制を外すこと、適用除外の見直し、不招請勧誘の導入等、検討を行うことについて明記されたい、ということであります。
44番は、当委員会で建議したことに、指摘事項を踏まえて、具体的な施策の実施について明記されたい、ということであります。
新規施策でありますが、先ほど提言をとりまとめました、太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題に関して、法執行の強化、割賦販売に対する適切な対応、業界団体を通じた販売方法の適正化、品質の向上のための取組、支援制度等に関するわかりやすい情報の提供等、具体的な施策の実施について明記されたい、ということであります。
45番につきまして、あるいは153番にもかかりますが、決済代行の提言を既にしておりますけれども、提言における指摘事項について、既に実施している施策の検証も踏まえて、具体的な施策の実施について明記されたい、ということであります。
47以下は、消費者取引の適正化を図るための施策ですが、投資詐欺への総合的対策の実施・検討をするとともに、以下の点について、明記されたいということです。第1に、詐欺事犯のツールとして使われるレンタル電話・IP電話、バーチャルオフィスへの対応、及び法人登記手続簡略化の見直し等。2番目として、犯罪関与口座凍結措置の、消費生活センターと警察の連携による、より効果的運用。3番目に、犯罪摘発の実効性をあげるための関係省庁等の協力体制の整備。4番目に、ファンドへの投資を名目とした詐欺への対策。こういう点を明記されたいということです。
次に、新規施策ですが、これは再三問題になっております、CO2排出権取引に関する儲け話のトラブルへの対応について明記されたい、ということです。
53番は、既に法案は上程されながらまだ採択されていない課題ですが、家賃債務保証業のことです。その登録制度の創設。家賃に係る債務の弁済に関する情報の収集及び提供の事業を行う者の登録制度の創設。そして、家賃関連債権の取立てに関する不当な行為の禁止等の措置を講ずるための法律について、引き続き実現を図る旨について明記されたい。
次は施策55番等の関係です。これは、住宅リフォームに関する消費者委員会の建議における指摘事項を踏まえて、具体的な施策の実施について明記されたい、ということです。
58番も、当委員会の有料老人ホームの前払金に関する建議の指摘を踏まえて、具体的な施策の実施について明記するとともに、入居一時金の透明性を高めるための施策について検討されたい、ということです。
次に59番は、旅行業に関する広告の適正性を高めるべく、事業者への指導や消費者への情報提供に努めることを明記されたい。また、日本から海外、あるいは海外から日本への旅行者の消費者トラブルへの対応に関して、諸外国との連携等、検討を行うことについて明記されたい、ということです。
67番あるいは新規でありますが、これは、先般の当委員会の「公共料金についての建議」を踏まえて、以下の施策の実施について明記されたい、ということです。
1番目に、消費者庁において、デフレ時代の公共料金を適正なものにするための仕組みづくりを進める。その際、消費者に情報提供すべき情報の範囲と方法、消費者の意見を反映させるための方策、消費者の視点からチェックするための第三者機関設置の必要性、既存の料金を適正水準へ値下げさせることができる仕組み、総括原価方式における原価の厳正な査定について考慮すること。
2番目に、国土交通省においては、運賃改定の際の事前の情報提供や運賃改定後の消費者によるチェックが可能となるよう「鉄軌道の情報提供ガイドライン」を見直すこと。
鉄道において加算運賃を導入している区間について、既に加算運賃の必要性がないか減少している場合には、廃止あるいは減額を当事者に求めるという内容の見直しです。
運輸審議会の審議過程の透明性を図るという観点で、軽微認定事案の取扱い、審議会の委員の選任のこと、更に、審議会一般規則に定める「利害関係人」の解釈の問題などについて検討することを、基本計画の中に盛り込むことでどうかということです。
新規施策として、安愚楽牧場の事案を踏まえて、特定商品等の預託等取引契約に関する法律の運用の見直し等の検討を明記されたい、ということです。
78番、79番については、地方農政局の食品Gメンの活動領域の拡大や他の関係機関との連携により、食の安全を含めた、より総合的視点に立った、効果的な食品表示の監視が実施できるような体制や具体的な方策について明記されたい、ということです。
80番は、美容医療・エステ、投資詐欺、今日、提言をまとめました太陽光パネル等に関する広告・表示について、被害抑止のために、景品表示法の効果的な運用を行うなど、これまでの運用を踏まえて、必要に応じて景品表示法の見直しを行うことについて明記されたい。
また、放射線測定器の性能に関して、消費者が誤った判断をすることがないよう、景品表示法の厳正な執行を行うなどの対応について明記されたいということで、景品表示法の在り方について、基本計画の中にきちんとした形で盛り込んでいただきたいということです。
87番あるいは新規施策ですが、消費者教育の具現化のために、具体的に何をいつまでに行うのか、実施時期を含めて明記されたい。また、海外で行われている消費者教育についての調査・分析を行うこと、大学の教育学部等における消費者教育の担い手の育成、若年層への消費者教育の実施についても明記されたい、ということであります。
106番以下でありますが、これも消費者教育にかかわる問題です。後見制度の充実とともに、コスト面で後見制度を利用できない高齢者がいることを踏まえて、追加すべき方策について検討することを明記されたい、ということです。
108番は、消費者の声の反映等のことでありますけれども、審議会に消費者の意見をより反映させる仕組みづくりや、基準づくりについて検討することを明記されたい、ということです。
109番は、消費者からの情報・相談を受け付ける体制について、充実させていくことを明記するべきだということです。
121番、122番は地方消費者行政の関係ですが、これも当委員会で建議したことにおける指摘事項を踏まえて、具体的な施策の実施について明記されたい。特に、集中育成・強化期間後の地方消費者行政の支援の充実、財政措置について、明記されたい。また、消費生活センターや相談窓口のない市町村への支援(広域連携も含む)や、モデル事業化、相談窓口対応者や消費生活相談員の確保と質の向上に関する施策の実施について明記されたい、ということであります。
127番は、適格消費者団体についての支援の在り方。これは前から基本計画に入っているわけですが、見るべき成果がございませんので、なお具体的な方策や実施時期について明記されたい、ということであります。
153番以下はインターネット関係です。インターネットによる消費者被害抑止のため、より総合的な対策の検討を行うことを明記するとともに、プロバイダ責任制限法の見直し等により、実効性のある措置を講ずることについて明記されたい、ということです。
165、166は、社会保障・税に関わる番号制度が検討されていることを踏まえ、個人情報保護の体制の在り方の検討を行うことについて明記されたい、ということであります。
以上、よろしくお願いいたします。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。皆さんからいただいた意見をここに盛り込んでいって、整理をしたというもので、相当欲張っていろいろ書いている方かとは思います。この時点で、何かお気づきの点がありましたら、お願いいたします。
よろしいですか。委員会ではほとんど議論の初めのところしか出ていないのですけれども、例えば消費者被害の救済基金なんていうのも創設して、場合によっては、適格消費者団体が訴訟をするときに、その基金から一定の経済的支援をしたり、一定の貸し出しをしたり、そういう形での支援もあったらいいのではないかという議論なども以前したことがございます。今回は入っておりませんが、ほかにもいろいろと、検討だけはしてもらったらいいのかなというものが、あるのはありますけれども、差し当たりこういう形で意見を述べるということで、よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○河上委員長 ありがとうございました。特に文案については修正なしということにしまして、この意見案については皆様の御了解をいただいたということで、消費者庁長官あてにこの意見を提出したいと思います。
なお、今後、消費者庁において、更に消費者教育の検証・評価及び計画の見直しの作業を進められると聞いております。委員会としても、今後、素案がまとまった段階などに、再び消費者庁を含む関係省庁からヒアリングを行って、注文すべき点があれば、また注文するということを考えておりますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

≪6.特定保健用食品の表示許可制度専門調査会、原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会及び製品事故情報の公表等に関する調査会の廃止について≫

○河上委員長 引き続きまして、「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会、原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会及び製品事故情報の公表等に関する調査会の廃止について」でございます。
これまで消費者委員会において設置しております、特定保健用食品の表示許可制度専門調査会、原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会及び製品事故情報の公表等に関する調査会につきまして、それぞれ、調査審議が終了、あるいは今後終了することが確定しておりますことから、今年の4月からは、特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の廃止を行うことについて決定いたしますとともに、原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会並びに製品事故情報の公表等に関する調査会を廃止することについて、確認をとりたいと思います。
事務局から、詳細について説明をお願いしたいと思います。

○原事務局長 お手元に資料がないままで恐縮ですけれども、口頭で説明させていただきたいと思います。
3つの会議体につきましては、いずれも、第1次の消費者委員会において立ち上げをしておりましたけれども、特定保健用食品の表示許可制度専門調査会につきましては、平成23年1月から6月まで審議を重ねておりました。内容的には、再審査手続の迅速化を図る再審査手続を開始した後の対応、それから、特保の許可制度ですけれども、更新制の導入ということを提案いたしまして、消費者庁にその審議の結果は実現化を図っていただくということで、作業をお願いをしているというところで、一つの役割を終えているところです。
2つ目の原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会については、食品表示部会の下で、原料原産地について、個別、黒糖とこんぶ巻について検討をしたのが一昨年だったと思いますけれども、そのときに、原料原産地表示そのものについてもう一回検証してみようということで、部会の下に調査会を設置いたしまして、平成23年1月から7月まで議論を重ねました。現行、JAS法の下での問題点、課題の洗い出しと、今、食品表示一元化の検討を消費者庁で進められておりますので、それに向けて、更にその課題を深掘りして整理をしていただけないかということで、これも報告ということでとりまとめて、消費者庁に、食品表示一元化の検討を深めていただきたいということでバトンタッチをしている案件になりますので、一つ役割を終えているかと考えております。
3つ目の製品事故情報の公表等に関する調査会については、消費生活用製品安全法の第35条第1項の規定に基づいております。それに基づいて報告のあった重大製品事故に係る公表において、製品起因か否かが特定できない事故及び製品起因による事故ではないと考えられる案件について、第三者が評価・点検を行うために消費者安全専門調査会に設けられた調査会です。なお、具体的な審議は、経済産業省の審議会である「消費経済審議会」の製品事故判定第三者委員会と合同で行っておりまして、これも第1次の消費者委員会が立ち上がってすぐに、合同会議ということで設けて審議を進めてきたところです。
ただ、これについては、消費者委員会が直接そういった判断をする場面で意見を述べるというのは、消費者委員会の本来の監視的な機能とそぐわないのではないかという意見もございました。消費者庁との合同会議という整理の方がいいのではないかということで、この4月以降、経済産業省と消費者庁との合同会議ということで整理をし直し、廃止したいと考えているものです。
この3つの会議体の廃止について、御審議、それから結論をいただければというふうに思います。

○河上委員長 ということですけれども、この点について御意見、御質問等ございますでしょうか。
山口委員。

○山口委員長代理 やむを得ないというか、これでいいと思いますけれども、一つだけ、私自身、製品事故情報の公表等に関する調査会、これは経産省の審議会と合同の会議を開かれておりまして、第2期になって9月以降、いろいろあったのですが、今週末にも開かれます。第二期の委員会として3回だけ会合に参画いたしました。プロパンガスや風呂釜のこと、高齢者用のベッドとか、さまざまな製品事故につきまして、これが製品起因事故としてきちんと扱われるべきなのか、それとも使用上の瑕疵、要するに利用者側の問題なのか、どっちも言えない問題なのかという切り分けをいたしまして、NITEが調査したものをこの調査会で議論するということですが、短時間の中で100件以上の案件を実際に調査するといいますか、議論するといっても、実際はなかなか難しいなというところがあって、こんな調査会があるのかと、正直言ってびっくりしたような実情であります。
今後、消費者庁が引き継いでやっていただけるということなので、私どもとしても、関心を持ってその運営を見守っていきたいと思います。廃止すること自体は、当委員会としては適正ではないかと思います。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。
調査会で廃止すると申しましても、委員会として検討すべき問題がこれでなくなるという話ではないわけでして、消費者委員会としても、場合によっては、個別の事故に対して言うべき点があれば意見を申し上げることになります。ただ、個々の事故の案件に関する事故の調査・評価といったことは、予定されている消安法の改正で事故調ができ上がりましたら、そちらの方に引き継いでいくことにして、その上で、個別の案件の調査や評価からは一歩退いた形で、全体的に言うべきことを言うというスタンスで役割を切り分けていこうということです。
消費者庁の方にバトンタッチできるものとして、食品表示の問題も確かにあるわけです。これもやはり同じ発想でして、個別の表示に対してどうこうということにもやはり問題があります。消費者委員会で一たんお墨付きを与えて、後で文句を言うということはなかなかしづらいわけですので、むしろ一歩退いて監視機能を果たすということにして、今はこれを閉じることにする。
ただ、後でまた問題にいたしますけれども、消費者安全委員会というものを別途立ち上げて、そこで恒常的に、消費者安全に関する問題について扱う体制にするということです。、今回のことについては、このような廃止でお認めいただくということで、よろしゅうございましょうか。
細川委員。

○細川委員 今、委員長から御説明いただいたので、ここで聞いている方も理解されたと思います。私ども、廃止と言うと、撤退するかのようなイメージがあるところを心配していたのですけれども、そういうことなので、本来の消費者委員会の機能を踏まえて少し整理するということだと思いますが、考えてみれば、これは消費者委員会自体の体制の変更とか、機能の変更ですね。そうすると、我々は、いろいろなところへ建議したときに、国民、消費者の意見を聞けとか、パブリックコメントをしっかりやれと言っている立場なわけです。そうすると、我々もこういうのを決定するときに、消費者とか国民の意見を聞く機会があってもいいのではないのかなというふうに思います。
これ自体、我々の体制を決めるものですから、我々が本当に消費者、国民の視点に立ってものを申すという姿勢を貫くのであれば、我々自身もそういう対象にならなければおかしいわけです。何にも意見を聞く機会もなく、ここにおられる方、あるいはネット中継を見られている方は、突然廃止というのが出てきて、パパパッと決まってしまうという印象を多分持たれるのではないのかなと思いますので、今日のこれについては、私は個人的に異議を唱えるつもりはないですけれども、そういう仕組みづくりは必要ではないかと、一消費者として思います。

○河上委員長 ありがとうございました。個別の決定に関して一々という話ではないにしても、消費者委員会そのもの、組織の在り方あるいは運営の仕方について、消費者の方からいろいろアドバイスや意見をいただくというのは大歓迎でございますので、そうした意見をお寄せいただくことはお願いしたいと思います。また、消費者委員会として本当に重要な組織の変更をやるとか、そういう場合には、場合によっては、消費者団体、いろいろな方からの意見を受けるという、フォーラムをつくるのがいいのではないかと思います。
ほかにはよろしいですか。
夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 ただいまの細川委員の意見に賛同するものでございますけれども、例えばこのような3つの会議体を廃止することについて、今日、明らかにしたわけで、やはり消費者の方は御存じなくて、いきなりという唐突な思いは持たれるかと思います。事前に、消費者団体なり関係団体と消費者委員会は意見交換をしているわけですから、そういう場で聴取をする機会があってもよかったのかなというふうに、手続上の形で少し感じました。
実際に私自身は、例えば製品安全にかかわるところにも出させていただきまして、先ほどから委員長がおっしゃっているとおり、個別の評価をするところにかかわることについては、やはり問題があるだろうというふうに感じておりましたし、新しく消費者安全専門調査会で横断的に、また大局的に見る組織をきちっと担保するということでありますから、それについては異議がございません。また、これを消費者庁に引き継ぐことは決まってはいるのですけれども、消費者事故調査会が秋以降でないと立ち上がらないという、半年ほどのブランクがある中で、消費者庁がきちっとこれを引き継いでやっていただくという担保はとっていただきたい、こんなことを感じたところでございます。

○河上委員長 ありがとうございました。
ほかにはいかがですか。
では、消費者委員会として、特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の廃止について、決定するとともに、原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会、製品事故情報の公表等に関する調査会を廃止することについて同意いたします。
なお、両調査会の廃止につきましては、原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会については食品表示部会の部会長が、製品事故情報の公表等に関する調査会については消費者安全専門調査会の座長が、それぞれ、廃止について決定することとなりますので、この点、手続を進めたいと思います。どうもありがとうございました。

≪7.消費者安全専門調査会の運営について≫

○河上委員長 続きまして、先ほどちょっと話題にいたしました、「消費者安全専門調査会の運営について」であります。消費者安全専門調査会につきましては、平成21年10月に設置されて以降、全10回の審議を行いまして、平成23年度7月に消費者委員会に報告をいただいております。これを受けて、平成23年7月に「消費者安全行政の抜本的強化に向けた対応策についての建議」を行いまして、関係大臣あてにこれを行いました。
このたび、第2次の消費者委員会におきましても消費者安全専門調査会を立ち上げて、専門的知見を有する方々にお集まりいただき、調査審議を行っていただきたいと考えております。その構成員につきましては、配付資料4-1の名簿に掲載されている方々に御参加いただきたいと思います。
なお、消費者委員会からは、小幡委員、夏目委員、村井委員に、担当委員をお願いしたいと思います。また、担当委員以外の委員も出席できますけれども、出席を希望される場合は、設置・運営規程第7条第2項にありますとおり、あらかじめ座長に届け出た上で出席いただければと思います。
また、設置・運営規程第2条第3項の規定によりまして、委員長が専門調査会の座長を指名することになっておりますので、松岡猛委員に座長をお願いしたいと思います。この点、よろしくお願いしたいと思います。
消費者安全専門調査会の審議テーマ並びに審議の進め方につきまして、議論を行いたいと思います。これまでも、この安全調査会でどういうことをテーマにしていただくのがいいかということについて、委員間でも意見交換を若干してまいりましたところを、事務局でまとめていただいた案がございますので、まず、事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○原事務局長資料4-2をごらんになっていただきたいと思います。このテーマ案に入る前に少し背景を説明しておきたいと思っておりますけれども、消費者安全、製品安全は大変大きい課題で、実は内閣府の国民生活局時代、国民生活審議会の最後の議題はやはり製品安全について検討をしておりました。このときは、消費者庁と消費者委員会が設置されることが決まっての審議でしたので、そういった組織に何を担ってもらうかということもイメージをしながら審議をしていたところです。
消費者庁を設置し、2年半たったところですけれども、第1次の消費者委員会でも、消費者安全は大変大きいということで、早い段階で専門調査会を立ち上げて審議をしておりました。ここの審議の進め方は、情報収集、集まった情報の分析、それを外に出す公表、情報提供という辺りと、その3つの断面でいろいろな課題を提出して、最終的には建議としてまとめて出しております。その建議のフォローアップもやりながら、一方で、非常に網羅的な建議を出しておりますけれども、国民生活審議会で議論をしていたこと、建議のフォローアップの状況を見て、まだやはりこの辺りが不十分ではないかというところをテーマ案として掲げております。このテーマ案を掲げるまでには、委員間打合せで委員の皆様にも議論をしていただきましたし、第1次で専門調査会の委員をお願いしていた方々にも御意見をお伺いしながら、決めてきたところです。
それがこのテーマ案ですけれども、「消費者事故の未然防止のための方策についての各種検討」という大きい課題を掲げております。内容的には、主に下に書いております2点について調査審議を行う。1つは、消費者事故未然・再発防止のための製品リコール案件等の注意喚起の情報の徹底策について。2つ目は、消費者事故未然・再発防止のための事業者・事業者団体との消費者事故情報の共有、連携についてというところで、この2ポツを少し補強材料にしながら、1の徹底をしていこうかというふうに考えております。
2ページ目に審議の進め方の案を提示しております。1か月に1回程度の開催を予定し、おおむね8回を目途にとりまとめ、報告を行う予定です。第1回は4月2日に予定しておりまして、国民生活センターのヒアリングを行いたいと思っています。これは予定ですので、先方に連絡をしているところ、していないところ、ございますけれども、月1回、10月にとりまとめる。10月は、消費者庁でも消費者安全の委員会が立ち上がる予定になっていますので、その辺りで最終的な報告書ということでまとめてはどうかということで、提案をしたいと思います。
テーマ案の案1と案2は、冒頭のテーマ案を掲げるために参考として議論していたものです。
以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございます。
それでは、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 私は、第2期の消費者委員会がスタートした第1回の会合のときに、第2期の委員会の専門調査会はどういう枠組みで、何をしていくのか、大変心配だと。それが最大の課題だということでお話ししたのですけれども、それから約半年、この専門調査会をどうするのかということで何回も何回もいろいろな形で議論をしてきたのですが、ようやく消費者安全専門調査会のスタートの運びになったことについては、ホッとしております。このまま何の専門調査会もスタートしないのではないかと、一時期、心配になったのですが、とにかく、まずスタートするということで是非やっていただきたいと思います。
このテーマと直接関係はないのですが、地方消費者行政専門調査会についてもどうするのかということで、さんざん議論した結果、委員会としては、特に専門調査会を設置しないで、親委員会の方で私どもの責任で具体的に取り組んでいこうと。今日も委員間協議をいたしましたけれども、そういう形で具体的な形をつくっていきたいということになりました。
ほかにも、公共料金、消費者契約法、約款問題、その他、専門調査会をつくってやるべきテーマもたくさんありますが、事務局の体制等の制約もあるので、慎重に検討しながら、できるだけ早い時期に形にしていく必要があると思います。その辺は今日のテーマと直接関係はないかもしれませんが、本当に専門調査会どうするのかということでいろいろなところからの問い合わせもありましたし、御批判もありましたので、まず、こういう形でスタートできることはよかったなと思います。
安全専門調査会のテーマについては、消費者庁の安全のセクションと何回かやり取りもしたわけですけれども、正直言いまして、消費者庁の安全の方の担当課は、毎年1万6,000件来る事故情報を収集・分析して公表をする。その作業で手一杯で、具体的にテーマとして設定されておりますような製品リコール案件等の注意喚起の徹底策を、どういうふうに具体的にしていったらいいのかとか、特に事業者団体との共有・連携などについて、なかなか手が及ばないところもあると思います。消費者庁の具体的な業務の下支えといいますか、具体的にこういう方向でもっと効果的にやったらいいのではないかということも、建議あるいは提言ができればいいなと思いますので、期待して、具体的な実行をスタートしてほしいと思います。
とりあえず私の方は、半年間ずっと待ってきたものですから、できてよかったねというところで、期待するところです。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。
細川委員。

○細川委員 今、できてよかったねという話があって、6か月待ったというお話がありますけれども、6か月待たなければならないというのも私は問題だと思います。それにはいろいろな理由もあるのかもしれませんけれども、手続的にはこういう委員は内閣総理大臣の任命ですね。

○原事務局長 はい。

○細川委員 そういうところで時間がかかってしまうということもあると思うので、その辺の制度設計が本当にいいのかどうか。普通は委員会の下に属する部会というのは、委員会あるいは委員長に人事権がある。逆に、そうでないと委員会の独立性というのも確保できないのではないかと思います。自分たちが選ばない人たちが部会でものを決定して、それを上にあげていくという中で、この法制度自体もどうなのかなということもあります。
その辺のことを考えなければならないのではないかというふうに思うのと、あと、消費者委員会は研究会ではないので、せっかくこの組織をつくっても、ここが報告書を出して、はい、それまでよ、では何の意味もないわけで、やはりここで出た意見を、消費者委員会として建議なりして、実際の制度に役立たせなければ意味がありません。是非この調査会でも、最終的に消費者委員会で制度改革に向けてもの申す、そういうことに向けての議論ということを認識してやっていただいて、我々もそういう認識でいるべきではないかなというふうに思います。
以上です。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。
細川委員の御指摘はごもっともで、我々も手をこまねいていたわけでは全くないわけですが、外から見ていると、なかなか動いていないのではないかという御心配をおかけしたとすれば、大変申し訳ないと思います。地方消費者行政の推進という大きな問題に関しては、これは親委員会で責任を持ってやろうということで、専門家も親委員会に多いものですから、これはできそうだということなのですが、あとは、限られた予算とマンパワーで、どのくらい専門調査会をつくって審議できるかという辺りで、テーマと規模、これを図りながら、せめて取引の適正化、製品の安全、そして表示辺りの問題は恒常的に扱えるような、下部の専門調査会をつくりたいという気持ちは、ずっと皆さん持っておられたと思います。
ただ、それとは別個に、公共料金問題が出てまいりましたけれども、場合によっては、公共料金に関して、物価安定政策会議などと同じような役割を、場合によっては消費者委員会に持ってこられる可能性もあるという状況にございます。それから、公共料金だけではなく、旅行業約款のときにも問題になりましたけれども、標準約款を検証していくような、ある程度恒常的な委員会も要るのではないかとか、今、検討課題として更に加わってきているものがございます。逐次、必要に応じて専門調査会を立ち上げながらやっていこうと思います。  消費者契約法の見直しに関しては、現在、消費者委員長の下にワーキングチームをつくって、そこで検討作業をやっていますけれども、これも、ある段階で論点が固まってきたら、オープンな場で議論をさせていただきたいと思っております。それを専門調査会でやるのがいいのか、あるいはワーキングチームとして、同じメンバーで、ほかからの方も入れながら公開でやった方がいいのか、その辺りのやり方についてもまた相談させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
差し当たって消費者安全専門調査会の審議テーマに関しましては、今、最大の問題であります、いわゆるリスク情報をめぐる扱い、リスクコミュニケーションと言っていいかもしれませんが、その辺りを中心に専門調査会で具体的に議論をしていただこうということで、今、事務局で出していただいた案に従って、専門調査会を立てて動かしていくということで、よろしゅうございましょうか。
山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 テーマ設定について事務局に聞きたいのですが、最大の問題は、何度も言いますが、毎年1万6,000件ある事故情報をどこまで公表するのか。つまり、ブランコと書くのか、児童遊具と書くのか。あるいはメーカー名をどこまで出すのか。消費者庁は、1万6,000件をどこまで公表するかで、毎日毎日、本当に過労死状態になりつつやっていらっしゃる。これをどうするのか。「幅広く集めたらどうですか」と言うと、「これ以上事故情報が集まっても、もう手一杯です。人数が増えなければできません」とおっしゃるわけです。それは確かにそうで、だったら全部出せばいいではないかと。
国土交通省が自動車不具合情報を、本当かどうかわかりませんが、ユーザーからこんな情報が提供されましたということで、全部出しているわけです。消費者庁の方で1万6,000件、もっと幅広く集まれば2万件以上になるかもしれませんが、その情報をどう分析して効果的に公表するのかを考え直さないと、茶のしずくみたいなことはまた起こるだろうと思います。その辺のことについてはこのテーマ設定にどうも入っていないようですけれども、どういうふうに考えてこのテーマ設定をしているのか、少し説明いただければと思います。

○原事務局長 公表は大変大きい課題です。消費者庁も、公表についての指針を持っていて、それに基づいてやっているわけですけれども、今、その改定作業というのをやっておられて、年度末までにでき上がるかなというふうに思っておりましたけれども、まだ作業をしておられる最中です。たくさんある案件をどういうフィルターで公表するかについては、消費者庁も検討されているところで、それは多分、4月、5月ぐらいのところでは出てくるかというふうに思っております。そこは、この専門調査会でもヒアリングをして、リコール情報の徹底だけではなく、そうやって公表された情報についても消費者に知らせることは大きい課題ですので、重なってくるだろうというふうに思っております。
それから、たくさん情報を集めている、それの分析をどうするのかというのも大変大きい課題で、そこは、茶のしずくもありましたけれども、第1次のときの専門調査会でも、建議の中に盛り込んだ内容になっています。課題が大きく残っていますので、その課題も取り上げるということはありますけれども、秋に消費者安全委員会というのを消費者庁でも立ち上げられるので、その中で入ってくる情報をどういうふうに整理して分析をされていくのかという、消費者庁の中での仕組みづくりのお話もあるかなというふうに思っております。
今回はちょっと短い期間でもあるので、出されているリコール情報が徹底していないために起きている事故が相当数あります。そこのところは、これは昔からの課題なんですけれども、何らか次の一歩が踏み出せないか。それから、消費者庁でも4月1日からリコールについての情報を一元化して、ホームページで一元的に見せるという試みも始められます。それの後押しというのでしょうか、そういうこともしたいということでテーマとして掲げております。

○河上委員長 細川委員、どうぞ。

○細川委員 私は逆に、今、山口先生が言われたことが、特にテーマ2につながってくるのではないかと思っています。というのは、1万6,000件、消費者庁で調べることができない、だから情報提供できないというのでは問題だから、そのまま出してしまえばいいのではないかというお話がありました。しかし、そんな情報を丸投げされた消費者は、適切に自分の選択に生かせるのかというと、これは疑問だと思います。メーカーもよくわからない、型式もよくわからない、でも、こういう事故がありましたというのが、何万件何十万件もあっても、では、どうするのかということになってしまう。結局、それも行政の免責のためにやっているだけで、情報は出しましたから私たちには責任ありませんという、免責を与えるだけの話になってしまうと思います。
1万6,000件という情報を、それがどういう型式のものなのかとか、そういう突き合わせを事業者とすることによって、あるいは情報の共有によって、未然防止できないかという視点が入っているのがこの案2なわけです。その辺で事業者側も事業者団体側も情報をくださいと。そうすれば我々も、未然防止とかそういうものに役立たせますと言っているわけです。これはこれでわかるのですけれども、一方で、そういう情報を事業者に垂れ流すことはできない。逆に事業者側がほかのことに利用するのではないかということが、前提があって、それを出さないということを言っているわけです。それでは話が進まないから何か方策はないか、というのがテーマ2だと思うので、今、山口先生が疑問に思われたことの解決策を探るのが、一つの役割ではないかなというふうに私は理解しています。

○原事務局長 案1と案2について、時間の制約もあるかなと思って余り御説明いたしませんでしたけれども、山口委員と細川委員と両方おっしゃられている問題意識は、勿論、十分持っているところで、案の2については、消費者庁の中でせっかく集まった情報なので、抱え込まずにうまく生かす方策を考えていきたいということです。そこを主眼に審議をしていただけたらというふうに思って、進めていきたいと思っております。

○河上委員長 よろしゅうございますか。
私も、第2期が始まったときに最初のインタビューで、情報の扱い方が一番大事になりますというお話を申し上げたのですけれども、情報の収集・分析、最終的には情報提供というすべての段階でうまく料理をして、消費者の選択権といいますか、細川委員がおっしゃったように、判断の材料になるようなものを適切な形で提供することが必要です。まだ消費者庁もでき上がって時間がたっていないこともあって、茶のしずくとか安愚楽牧場などのケースでは、かなり不手際が目立ったということですけれども、改善すべき点を改善して、きちんと情報の処理ができる仕組みを、是非、この検討委員会でも考えていただければというふうに思います。
それでは、この案でよろしゅうございましょうか。

(「はい」と声あり)

○河上委員長 では、この案については皆様の御了解をいただいたということで、案に沿って進めていただくことにしたいと思います。よろしくお願いいたします。
山口委員。

○山口委員長代理 特にここで、消費者庁に誤解がないように、あるいは、是非協力をしてほしいということを申し述べておきたいと思います。
消費者安全の問題について、消費者庁と何回もお話をしているわけですが、事故調査の新しい委員会の立ち上げ、専門委員を200人以上、いずれ立ち上げた段階では選任する。そのためのさまざまな内部事務等で、安全課の業務は増える一方でお忙しいというふうに聞いております。その忙しい消費者安全の担当部門の、より効果的、かつ、失敗しないためのより確実な運用のために、当委員会として、専門調査会によって、どうしたらいいのかということを一緒になって考えていこうというための専門調査会であります。消費者庁に、これはほかの場所でも再三申し上げることですが、是非積極的に御協力いただいて一緒につくっていく。この問題は一緒につくっていかないと意味がありませんので、そういう形での運営に配慮しながら、消費者委員会としても消費者庁と協力して、具体的な成果を上げるということでやっていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○河上委員長 今日も消費者庁の担当の方はいらっしゃるかと思いますが、また、長官ともよく相談して、安全専門調査会の立ち上げの経緯などについても、よく理解していただこうと思います。それでは、このような形で手続を進めてまいります。
続いて、先ほど、製品事故情報の公表等に関する調査会を4月以降は廃止するということについて、御確認をいただきましたので、これに伴いまして、消費者安全専門調査会設置・運営規程の改定を行っておく必要がございます。
この改定案について、事務局から簡単に説明をお願いします。

○原事務局長資料4-3になります。「消費者委員会消費者安全専門調査会の設置・運営規程(改正案)」と書かれているものですけれども、平成21年10月26日に委員会として決定したものです。先ほど申し上げた経緯もございまして、2枚目に新旧対照表をつけておりますので、それをごらんになっていただいた方がわかりやすいかと思います。現行として、専門調査会の所掌第3条に、(1)として、先ほど申し上げました合同会議のことが書いてございます。これについては先ほど申し上げた経緯もあり、今回、除外することになりましたので、所掌としては、(2)に掲げております消費者安全に関する重要事項、非常に幅広な調査審議の課題ではありますけれども、それのみとするということで、少し文章を補って新しく改正後の案として第3条をその文章としております。
「第3条 専門調査会は、委員会の事務に関連する事項のうち、委員会の求めに応じて、消費者安全に関する重要事項について調査審議する」としておりますので、これで御確認をいただけたらと思います。

○河上委員長 ありがとうございました。
将来の体制に合わせた形で、この改正を行いたいということでございます。よろしゅうございましょうか。

(「はい」と声あり)

○河上委員長 どうもありがとうございました。
では、この案のとおり、本設置・運営規程を改定することにいたします。

≪8.閉会≫

○河上委員長 これで、本日の議題はすべて終了いたしましたが、若干、御報告いたしたいことがございます。
3月24日、先週の土曜日に、愛媛県松山市におきまして、愛媛大学地域創成研究センター、NPO法人えひめ消費者ネットと共に、第2回の地方消費者委員会を開催いたしましたので、報告をいたします。第1回は仙台でやって、第2回が愛媛県ということでございます。概要については、事務局からお願いいたします。

○小田審議官 御報告いたします。
お手元の参考資料2に「地方消費者委員会(松山)の実施結果」というのがございます。日時、その他はその資料にあるとおりでございますので、何点か補足して御報告いたします。
まず、御参加いただいた方は89名ですが、開催しました愛媛県のほかに、香川県、高知県、岡山県、更には島根県という5つの県からの御参加をいただきました。
参加された方の属性でございますけれども、消費者団体の関係者、消費生活相談員の方、更に高齢者福祉の関係の方、地方の消費者行政担当者、大学関係者、弁護士などといった方に御参加をいただきました。
プログラムの4のところに、ケーススタディというのがございます。3件報告していただきました。うち2件が、愛媛県の消費生活相談員の方2名からです。3件目が広島の適格消費者団体関係者からの御報告です。
どんな報告であったか、簡単に短く御説明いたしますと、最初の報告事例マル1は、高齢のひとり暮らしの方が訪問販売、次々販売によって高額の被害を受けているという内容です。これについて、二次被害に気づかれたのが民生委員の方だったということがありまして、それをきっかけにして、消費生活相談だけではなく、福祉関係の人も含めた見守りネットワークという仕組みができたという御報告でありました。
報告事例マル2は、やはり高齢の方が、年金担保貸付けを含む多重債務、更に消費者問題もかかわっている、それから生活困窮に陥っているといったことでございます。
こうした事例に対する支援策としては、勿論、消費生活相談といったものもありますが、自立支援と合わせた対応が必要になってくるという中身です。この事例報告をされた方の地域では、未然防止のために、社会福祉協議会や老人クラブといったところと協力した活動を行っているというお話がございました。
報告事例マル3は、適格消費者団体が消費者契約法に基づいた差止請求を行った事例でございまして、貸衣装のレンタル契約のキャンセル料が割高であったということです。契約条項を改定して和解に至ったという話でございました。
フロアの方からの質問とか、終わった後にアンケートをいただいております。今、御紹介しましたケーススタディに関しましては、消費生活相談の2件についても、適格消費者団体の関係の活動につきましても、いずれも関心を持たれたという声をいただいております。
適格消費者団体につきましては、今回、そういう仕組みを初めて知った、勉強になったという声もございました。一方、プログラムに、先ほど御紹介したような消費生活相談関係の事例と、適格消費者団体という活動、あるいはその仕組みと、2つ盛り込んだものですから、どちらかに関心のある方からすると、それぞれが時間不足というのでしょうか、もっと話したかった、もっとお聞きしたかったといった声があったということでございます。
詳細については、また、レポートをまとめて御報告させていただきます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
山口委員も当日、出席されましたので、山口委員長代理からも補足で何かございましたら、お願いします。

○山口委員長代理 適格消費者団体を四国にということが、大きな一つの主眼でもあったわけですが、地方の消費者団体に対する支援の体制が必ずしもありませんので、そういう中で、具体的な訴訟を担う弁護士や司法書士などの専門家とどういうネットワークをつくりながら、実績をつくって、適格消費者団体として消費者庁の認証を取るかというところは、なかなか大変だなということを感じましたし、それについては意識的な支援なりが必要だなということを改めて痛感いたしました。本当にしみじみとした、いい会だったと思います。

○河上委員長 ありがとうございました。
前日に愛媛県庁と松山市役所も訪ねまして、県知事、副市長、行政の担当者と事前に意見交換もさせていただきました。相談員の方とも、公開のパネルのところでは余り話せないだろうと思いましたので、いろいろお話を伺ったのですけれども、地方の消費者行政に対する国の財政支援がこれで切られてしまうと、地方としてはぎりぎりでやっているところもあって、このまま立ち消えてしまうことに対する不安感というのは、非常に強く、ひしひしと感じました。やはりまだ地方によって温度差はございますけれども、国からの経済的支援を継続していただくことを、消費者委員会からも是非アピールしてほしいという切実な声がたくさんございました。
もう一つ、消費者相談員の処遇に関しても、これも地方によっていろいろ違いがありますけれども、雇い止めでありますとか、身分の問題でありますとか、それぞれ現場の相談員は一生懸命やっていますが、将来のことについて不安感が拭えないという声が実際にございました。
愛媛県知事は、実はPL法ができたころの消特委での理事をなさっていた方でもあって、消費者問題に対して非常に強い関心も持っておられるということで、今回、行ってよかったなと思いました。知事には、特に、消費者政策の広域連携の強化ということもお願いしてまいりました。
あとは、審議官や委員長代理からお話しいただいたようなことで、第2回の地方消費者委員会としても一定の成果を上げられたのではないかと思います。次回は愛知県の方に伺おうと考えておりますけれども、また、よろしくお願いいたします。今後の詳細については、決まりましたら御報告させていただきます。
続きまして、3月12日に新開発食品調査部会の第8回会合が開催されておりますので、新開発食品調査部会設置・運営規程第8条2項の規定に基づき、その審議結果の報告をいただきたいと思います。
田島部会長からお願いいたします。

○田島委員 それでは、特定保健用食品の表示許可に係る答申について、私から御報告いたします。
平成24年3月12日に開催しました、第8回新開発食品調査部会の議決について、新開発食品調査部会設置・運営規程第8条に基づき、委員長の同意を得て委員会の議決とし、平成24年3月22日付けで内閣総理大臣へ答申を行いました。参考資料3に答申書がございます。
内閣総理大臣より諮問を受けて、今回の部会においては3品目の安全性及び効果について、審議を行いました。審議の結果、すべての品目について、特定保健用食品として認めることとして差し支えないこととされました。
なお、参考資料の2枚目に、答申を行った3品目の一覧表を添付しております。
私からの報告は以上になります。

○河上委員長 ありがとうございました。
これは特に議論することではないですね。

○田島委員 報告事項でございますので。

○河上委員長 もう一点、私の方から、消費者委員会の企画運営会議について報告させていただきます。
消費者委員会といたしまして、委員会が取り組むべき課題、あるいは今後の運営方針の整理を行う場が必要ではないかということで、委員長、委員長代理ほか、関係委員と月に2回程度、打ち合わせのための企画運営会議を開催していきたいと考えております。今までも、水面下でいろいろと相談しながら、次何をやっていこうかとか、今後こういうことについてヒアリングをしようという話をしていたのですが、情報がだんだん増えてきて整理をする必要が出てきました。ここは、コアになる企画運営会議でまず整理をして、軽重をつけておいて、委員間打合せをやって、そして本委員会に臨むという形で、時間を有効に使えるように作業をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
最後に、事務局から、今後の予定等について説明をお願いいたします。

○原事務局長 本日、最初の議題でとりまとめました、「住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題の提言」につきましては、18時を目途に、消費者庁の記者会見室において委員長記者会見を行う予定です。
次回の委員会ですけれども、4月10日(火曜日)の16時からを予定しておりますが、日程が追加になる可能性もございますので、その際には、決まり次第、御連絡いたします。
また、4月からの消費者委員会の日程につきましては、これまでも御案内しておりましたけれども、火曜日の16時から19時の中で定例で行うとともに、必要に応じて、金曜日の16時から19時の中で開催する予定としておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。

○河上委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。
お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。では、閉会いたします。

(以上)