消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体等との意見交換会(2011年12月21日) 議事録

日時

2011年12月21日(水)15:04~16:08

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、稲継委員、小幡委員、川戸委員、
 田島委員、夏目委員、細川委員、吉田委員
【参加団体】
 全国消費者行政ウォッチねっと  拝師事務局長
 全国消費者団体連絡会  阿南事務局長
【事務局】
 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.消費者委員会の活動状況等に関する意見交換
  ○全国消費者行政ウォッチねっと(拝師徳彦事務局長)
  ○全国消費者団体連絡会(阿南久事務局長)
3.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:7KB)
【資料1】 全国消費者行政ウォッチねっと拝師事務局長提出資料 【資料2】 全国消費者団体連絡会阿南事務局長提出資料(PDF形式:156KB)
【資料3】 消費者団体ほか関係団体との意見交換会出席予定団体(PDF形式:44KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 本日はお忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体等との意見交換会」、これは何回か継続するものですが、今回はパート1ということで開催したいと思います。

≪2.消費者委員会の活動状況等に関する意見交換≫

○河上委員長 議事に入りたいと思います。本年9月に第2次消費者委員会がスタートいたしましたが、当委員会の今後の運営の改善の参考にするために消費者団体ほか関係団体等から御意見を伺うとともに、委員と意見交換を目的とした意見交換会を今回から3回に分けて開催したいと考えております。
本日はその第1回目といたしまして、消費者団体ほか関係団体として全国消費者行政ウォッチねっと、全国消費者団体連絡会にお越しいただいております。
まず、両団体様から主な活動を御紹介いただいた上で、今後の消費者委員会の活動に何を期待するか等についてお伺いし、その後委員との意見交換をさせていただきたいと思います。
初めに、全国消費者行政ウォッチねっとの拝師事務局長から御説明をお願いいたします。

○全国消費者行政ウォッチねっと拝師事務局長 ウォッチねっとの拝師でございます。
今日はお忙しいところをこうした場を設けていただきまして、大変ありがとうございます。
私の方の資料1-1でプロフィールから始まる資料をごらんになっていただきたいと思います。
私たち全国消費者行政ウォッチねっとは前身団体がユニカねっとと申しまして、消費者庁を創設する際の運動の中心になってきたグループでございます。消費者庁ができて、ユニカねっととしては一旦解散したわけですけれども、やはりその後きちんと消費者庁、消費者委員会が動いていくのを見ていかなければいけないだろうということで組織替えをして、全国消費者行政ウォッチねっとということで2009年9月30日に発足しまして、消費者行政のウォッチを中心とする活動を続けています。
資料1-2「消費者委員会への要望事項」であります。我々の取組事項と基本的に重なっていますので、こちらの方でレジュメに従ってお話をさせていただきたいと思います。
消費者委員会に求められる基本的なスタンスについてということで、我々消費者庁創設当時からずっと見てきた立場から基本的な考え方についてお話をさせていただきますと、まずは我々は必死で消費者庁をつくってほしいということで運動してできてきたわけですけれども、消費者庁といっても、いろいろな役所から官僚の方々が来て、いきなり消費者庁ができたから消費者目線になるとは全く思っていません。やはり消費者庁が本当に機能するにはプロパーがきちんと育って、10年以上かけてだんだん消費者目線になっていくのだろうと思っています。
消費者庁がきちんとした組織になるためには消費者庁だけが頑張ればいいというものではなくて、欠けている視点であるとか足りないところについて外からきちんとしりをたたいてあげるところが必要だろうと思っています。
1つが、国の組織としては消費者委員会が非常に重要な役割を持つだろうと思っていまして、消費者庁がきちんと機能していくためには消費者委員会がしっかりしていなくてはいけないだろうと思っています。外野として我々のような消費者団体も消費者行政の在り方について見ながら頑張っていこうと思っていますが、消費者委員会の位置づけは、消費者行政全体の中でも非常に重要だろうと思っています。
消費者委員会という組織は、よく普通の審議会とか諮問機関と誤解される方がいるのですけれども、民主的な基盤が直接にない割には非常に権限が強くて重要な組織だと思っているのですが、その正当性、何でそんな強い権限行使が許されるのかということなのですけれども、それは透明性であるとか開放性、今日のようないろいろなところと意見交換をしたり、意見を受け入れて議論をしていく、そういうところが恐らく強い権限行使の根拠になるのだろうなと思っています。是非今後もこういう取組みを続けていただきたいと思います。
それから、同様の趣旨ですけれども、消費者庁も頑張ってもらわなければいけませんが、消費者委員会は行政組織の中でより消費者に近い立場でものを見、ものを言っていく組織だろう。そのためには消費者団体との日常的な交流が重要かなと思っていまして、年に数回意見交換会をやるだけではなくて、より密接な関係が築ければいいかなと思っています。それが一般的なお話です。
個別の問題に少し入らせていただきます。
まずは国民生活センターの問題は我々は非常に重要だと思っています。この点については第1期の消費者委員会の皆さんに非常に頑張っていただきまして、我々はもともと行政刷新の流れから来ている非常に問題のある動きだろう、国センの一元化は問題があると思っています。そういう理由もあって、あるいは一元化することによっていろいろな問題が起きるのが目に見えているということでずっと反対をしてきていますけれども、その中で消費者委員会という国の組織がきちんとノーと言っていただいたことは非常に大きかったかなと思っています。
第1期のとりまとめた報告書は非常によくできていると思います。かなり詳細な組織論的なところも含めて検討がされた報告を前提に意見を出されていますので、是非第2期の皆さんもそれを踏襲しながら、更に議論を深めていただきたい。深めていくというのは、とりあえずこれまでは防戦一方だったわけですけれども、消費者行政全体をこの機会に見直していくということです。
国センがつぶされるのを守るというだけではなくて、消費者庁の今、どこが問題でどうすればいいのか、国センもどこが問題でどうすればいいのか、消費者委員会もどうすればいいのか、そういう全体の議論を是非していただきたいと思います。
特に消費者委員会については国センの問題を第1期でやっていたときに非常に問題になったと認識しているのですが、消費者庁と消費者委員会のトップ、大臣が同じだということ自体が、なかなか監視機能が果たしにくい仕組みになっているのではないかと思っています。消費者担当大臣としては消費者庁とすり合わせをしながらふだん企画立案等の物事を政務三役と相談しながらやっていくわけですね。それを後になって消費者委員会から否定されるのは、普通の人間であれば不愉快だろうというのは想像に難くないわけですけれども、やはりそれではなかなか消費者委員会として伸び伸びと意見を言えないのではないのかなというのが、国民生活センターのときに大分もめたようですけれども、そのときに顕在化してきた問題かなと思います。先ほど申し上げた消費者行政全体の議論のときに、そういう消費者委員会がより独自の機能を発揮していくためのあるべき姿も念頭に入れながら意見を出していっていただければなと思います。
国民生活センターの問題はまだ検証会議がこの前終わって宙ぶらりんの状況ですけれども、恐らく政治的には何らかの判断が近々出てくるのではないかなと思っています。そこからが正念場ということで、これから非常に重要な場面を迎えますので、また第2期の皆さんも頑張っていただいて、我々と一緒に本来の消費者行政の充実のための議論をしていただければなと思います。それが国民生活センターの問題です。
それから、地方消費者行政の充実の件ですが、これについても第1期の方では一定の建議を出していただいているのですけれども、なかなかうまくいかない状況で非常に危惧しています。第1期の建議のみそは、現在やっている地方消費者行政活性化基金ですとか光交付金等、これまで行ってきた財政措置の検証をして、より効果的な対策を考えるのだと言っているわけです。
我々は基金、光交付金それぞれ長所短所あったと思っていますが、それをきちんと踏まえれば当然基金の延長型のような人件費に使いやすい形のものになるのではないかなと思っています。いずれにしてもまずそれをきちんとやるところから議論をスタートするべきだろうと思っていますので、ここの部分も第1期の路線を継承しながら更に議論を進めていただきたいと思います。
今の消費者庁のスタンスで非常に問題だと思っているのは、基本的には地方分権なので住民の意思に任せる、地方の判断に任せるとおっしゃっているのですが、やる気のあるところはそれでいいのかもしれませんけれども、これまでやる気がない、地方の消費者行政になかなか目を向けてこなかったところをどう活性化させるかが課題ですので、それを具体的にどういうふうにてこ入れしてやっていくのかという視点を是非持って頑張っていただきたいなと思います。
4番目として不招請勧誘への取組みということで、私たち全国消費者行政ウォッチねっととしては訪問販売お断りステッカーをつくって全国に販売をして、これからその効果などを見ていこうかなと思っているのですが、訪問販売とか電話勧誘販売による被害が、金融商品などもそうですが、いつまで経ってもなくならなくて、根深い被害がずっと続いていると思っています。小手先というか、少しずつ試し試し規制をかけてやってきた中でなかなか効果が上がらないのであれば、そろそろ抜本的な対策を考えなければいけない時期に来ているのではないかなと思っています。
これについては先般特商法の大改正があったばかりですので、またすぐにというのは難しいかもしれませんが、見直しの時期を踏まえながら、それに向けて少し実態調査であるとか意識調査のようなことをやっていく必要があるのではないかなと思います。
当然消費者団体としてもそういうことをやらなければいけないと思うのですが、アンケート調査等の規模とかノウハウにおいては、消費者委員会などの今までの取組みなどを見ていると格段に優れていると思っていますので、是非そういう方にも目を向けていただければなと思います。
最後ですけれども、新しい事故調査機関の創設に向けてということで、現在消費者庁の方で来年の通常国会に向けて消費者安全調査委員会ですか、ちょっと名前がまた変わったようですが、そういう形での組織整備の法案化準備を進めていると聞いています。我々としては今の消費者庁案についてはかなりいろいろ問題があると思っていまして、本来であればもう少し抜本的なものをと思っていたのですけれども、今の流れの中でまずは半歩でも一歩でもつくれるものはつくって、その後それをまたいいものに変えていくという形で現実路線で考えるしかないのかなと思っています。
それについて私たちウォッチねっととか、後でお話があります全国消団連などが入った新しい事故調査機関実現ネットという、資料1-3に意見書が入っていますけれども、このグループで今の消費者庁案に対する意見をとりまとめています。
勿論法案成立を大前提で考えているのですけれども、同じ法案をつくるにしても更に検討をしなくてはいけないところがたくさんあるだろうということで、ある程度網羅的に問題点を指摘をして、改善を求めた意見書です。是非消費者委員会の方でもある程度早い時期に、まだ法案化作業中ですのでなおさらだと思うのですが、よりいい組織ができるために積極的な意見を出していっていただければなと思います。
たくさん論点が書いてありますが、例えば一番重要だと思っているのが被害者からの申立権というのがあるのですけれども、資料1-3の2ページ目の4のところです。一応消費者庁案の中にも「被害者等に向き合う事故調査」ということで、被害者等からの事故調査等申し立てを制度化すると書いてあります。ただ、実際にそれがどういうふうに機能するのか、例えば安全調査委員会側でそれは必要ないと言われたときに被害者として何ができるのか、あるいは調査をするしないのメルクマールがどこにあるのかという辺りをきちんとしておかないと、せっかくこういう制度を申し立てても単に聞きおくだけの窓口になってしまうので、この辺を例えば実効化できないかなというような意見を出しているのですが、今の消費者庁案の枠内でも改善できるところはたくさんあると思いますので、是非その辺の後押しをお願いできればと思っています。
私の方からはとりあえず以上です。

○河上委員長 続いてお願いしてよろしいでしょうか。
では、続けて全国消費者団体連絡会の阿南事務局長から御説明をお願いいたします。

○全国消費者団体連絡会阿南事務局長 ありがとうございます。資料2発言メモを用意いたしました。
まず、現在の主な取組みというところで10点にわたってまとめております。
まず、全国消団連の内部に消費者政策検討会というものを設けておりまして、先日まで11回開催してきております。国センの見直しから被害回復に係る訴訟制度、事故調査機関の設置など、消費者庁が政策を策定して推進しようとしていることに関わったテーマで検討しております。
2番、3番に挙げましたのは、これも消費者庁が大変深く関わるところですが、地方消費者行政の充実強化に関わるもの、被害回復に係る訴訟制度の実現に関わるものについて、内部検討を行うとともに、各地の消費者団体に呼び掛けて地方自治体に意見書を採択してもらうための要請行動をやっております。
地方自治体では弁護士会の協力なども得ておりますので、もう110以上の自治体から意見書が出されるという状況になっています。そのほか被害回復の訴訟制度についても5県ほどから今、意見書が出てきています。
4つ目は、東日本大震災と原発事故に関わります学習活動の取り組みです。放射性物質による食品汚染と健康影響、原発事故の実際、復興に向けた現地の取組みなどについて、学習活動をやっております。
5つ目は消費者グループフォーラムといいまして、昨年度から消費者庁と共催で始めたものです。全国8会場で行っておりまして、全国それぞれの地域の消費者活動をされているグループやNPOの皆さん方が集まって、消費者問題について考えあい、学びあう交流会です。今年は北海道地区がもう終了しております。
6つ目は、国際消費者機構との連携です。今年の5月に香港で開催された世界大会への参加。そして、CIから要請されましたテーマで日本の総理大臣ですとか財務大臣、厚生労働大臣あてにさまざまな要請活動を行っております。
先日始めましたけれども、健康食品の広告表示問題についての学習会活動を挙げました。
また、PLオンブズ会議は、PL法に関わりますさまざまな事故や問題に対する報告会なども毎年定例で開催しております。
講演活動については、4月から今月までに地方の消費者センターですとか大学の講座ですとか企業や事業者団体のセミナーなどに呼ばれておりまして、既に32か所で講演活動をしております。その際には、消費者問題をお話しするのと同時に、消費者庁や消費者委員会の取組みなどもお知らせしています。
最後は、今年の5月に新・消費者運動ビジョンを作成いたしましたが、それに基づきまして全国消団連自身のミッションと機能について、組織の在り方も含めて議論をしていることを挙げました。
以上が現在の主な取組みということです。
2つ目に、第2次消費者委員会の活動への期待ということですが、ここに書きましたけれども、やはり積極的に本来的な機能である建議や意見、提言を行ってくださいということなのですが、特に放射性物質汚染、そしてこれからのエネルギー選択に関する学習活動を強化する必要があると思っていますし、地方消費者行政の充実強化と財政支援という課題、そして消費者庁が法案提出の予定の被害回復の訴訟制度ですとか事故調査機関の創設の実現に関しましては、消費者委員会としての意見表明が強力なフォローになると思っております。私たちも勿論全国で呼びかけて頑張りたいと思っていますけれども、そこのところを強力にお願いしたいと思います。
また、民法の改正に関連して、消費者契約法改正の議論がなかなか進んでおりませんので、遅滞なく進めるように消費者庁に促すことも必要ではないかと思っています。
更に国民生活センターの在り方検証会議の中間とりまとめでも、附則3項の趣旨を勘案して、来年夏までに消費者庁、消費者委員会、国民生活センター、その他の消費者行政に係る体制の在り方について結論を得るように努めるべきだと述べておりますので、この三者の在り方議論に消費者委員会としても積極的に参加する必要があると思います。
そのために具体的に事務局等のことについて少し細かいことを申し上げたいと思います。以下のことはずっとこの間意見をこの場で述べさせていただいてきているものとほぼ同じ内容でありますが、繰り返して申し上げたいと思います。
まずは本来的な消費者委員会の機能について再度徹底的な議論をしていただいて、年度の方針を固めてほしいと思います。その上で消費者委員会の役割分担を行い、今の事務局体制は非常に薄いと言われておりますけれども、それでも課題ごとにそのメンバーを配置するなどして精いっぱいの工夫をしていく必要があると思います。
また、建議、意見、提言について、各省庁でその後の施策の実施状況をフォローアップして点検していく必要があると思います。
消費者相談の状況ですとか事故情報などの集約とその対応について、毎月定例的に国民生活センターと消費者庁から報告を受けて、その内容について議論する必要があると思います。
次に拝師さんもおっしゃっていましたけれども、消費者、消費者団体との意見交換会を地方開催も含めて積極的に実施して、協力と連携を強化することが必要だと思います。
事務局についてですが、事務局には課題発掘ですとか調査の専門的能力を持った職員が必要です。委員会予算の増額とともに、消費者委員会の事務局体制の強化をもっと強力に要求すべきだと思います。
民主党のプロジェクトですとか自民党の調査会ですとか、そこで予算なども説明していると思いますが、そういう場でももっと強力に言っていただきたいと思います。消費者委員会の言い方は弱いです。聞いていましても説得力がないというのですか、こうだから必要なんだともっと積極的に言っていただかないと、私たちも応援のしようがありません。
更に事務局に対してですが、消費者委員会の自立性を確保する立場は本当に大切だと思いますけれども、消費者庁ともっと連携を緻密に行って、無駄を省いて効果的な連携を進めていくことも必要だと思います。調査の体制なども、消費者庁を使ってやることも考えていいのではないかなと思っております。
最後ですが、年度の運営方針に基づく課題の推進のために専門の調査会を設置することは必要だと思います。しかし、消費者庁からの諮問に答えるための部会ですとか新開発食品調査部会と2つの調査会がありますけれども、こちらの方は三者の在り方検討の中ですべきことかもしれないのですが、消費者庁に移設することも検討すべきだと考えます。
最後ですが、その他として、この間以下に述べましたような意見提出をずっとやってきておりますけれども、その都度聞きおくということではあると思うのですが、なかなか誠意ある対応が見られません。意見に対して、消費者委員会としてどのように議論して、どのように考えているのかということを是非お返しいただきたいと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見、御質問等についてお願いいたします。
いろいろと御指摘いただいた点がございますけれども、実は消費者委員会の中でも問題点を共有している点がたくさんあるように思います。もし委員の方々の中で今の御発言等に対して何か御意見・ご質問がございましたらお願いします。吉田委員、どうぞ。

○吉田委員 2つの点についてお2人の御意見をいただければと思います。
まず1つは消費者庁の課題についてですけれども、拝師先生のレジュメの中で消費者目線で働く組織になるためにはということで、私たちが期待する消費者目線を持った消費者庁をと私も望んでおりますけれども、それになるためのポイントとして私の考えは2つありまして、職員のプロパー化と被害者の声をいかにプロパー職員が浴びてきちんと受けとめてるかということかと思います。国民生活センターが国民から支持されている理由もここにあると思いますし、地方消費者行政のトップランナーである東京都の施策がすばらしいのもここにポイントがあると思っておりまして、これをいかに消費者庁で実現していくか。これは実は消費者庁だけではなくて、地方も同じことが言えると思いますけれども、全国にこのような視点を持った組織をきちんとつくっていくかがポイントと考えていますが、この点でお2人の御意見を伺えればと思います。
もう一点は、地方消費者行政の充実ということで、私も内部にいて思ったことは、いかに人と金を握っている部署にイエスと言わせるか。ここが活性化のポイントかと思っております。
そういうことからいくと、地方消費者行政の活性化基金はパンチが弱いです。人事、財政がうんと言う幅が極めて限定的なメニューになっていますから、なかなか活性化しないだろうなと思っております。ここでいかに国の方、あるいは地方自らが人事、財政にうんと言わせるところをつくり出していけるのかが活性化のポイントかと思うのですが、この点についても地方消費者行政を充実させるポイント、肝は何なのかという辺りでお2人の御意見をいただければと思います。
以上です。

○河上委員長 拝師さん、お願いします。

○全国消費者行政ウォッチねっと拝師事務局長 まず、消費者庁の課題ですけれども、まさに私もおっしゃるとおりだと思っています。プロパー化と被害者の声を身近で聞いていくような仕組みが必要だろうと思っています。
プロパー化については時間がかかるだろうと思っていますが、少しずつでも増やしていく。幸い定員増は認められていますので、その中でプロパーを積極的にとっていく努力をすべきだろうと思っています。
被害者の声の受けとめですけれども、1つは人事交流を通じて国センの相談現場であるとか地方に何か月かは出向させてその現場を見るとか、この辺はまだ私も判断しかねているのですが、当初消費者ホットラインみたいな形で直接消費者庁として電話を受け付けていたのです。それはやめてしまったのですけれども、国センの持っている地方支援のための直接相談等とは別に、消費者庁として消費者の声を聞くような窓口を設けてもいいのかなと思っています。それは決してあっせんをやる窓口ではなくて、情報をとるための窓口は、多分ほかの経産省とか国交省も行政相談の部門はあると思うので、最低限そのくらいは置いておくことが必要なのかなという気がしています。それプラス生の消費者被害の処理をしているところにも出向という形で行くことが必要かなと思います。
あと地方の充実について、これも非常に悩ましいと思うのですが、確かに今の基金の状況だと人件費に使うのに新規の部分しか使えないとかかなり制約がありますので、基本的には枠の絞り方としては今の基金でいいと思うのですけれども、それを更に広く既存の相談員であるとか消費者行政担当部署の人の人件費に充てられるような形にするのが、1つは国の財政支援の在り方としては必要だろうと思っています。
その上で、3年限定ということではなくて、5年とか10年とか長いスパンで基金をつくってあげないと、人を雇うことは継続的にお金が出るということなので、そこは必須ではないかなと思っています。

○全国消費者団体連絡会阿南事務局長 庁の課題のプロパー化のことですけれども、今の規模ですととても小さいので、プロパーとして雇えない、最初から採用できないという話をよく聞くのですけれども、そんなことが早くできるようになればいいと思っています。
地方との関係ですけれども、今、消費者庁は地方でブロック会議みたいなものを定期的にやっていますが、それは課題を説明するという会議になっているようです。そうではなくて、地方の課題それ自体を話し合えるといいますか、作戦を相談し合えるとか、その会をそういうふうな場に変えていく必要があるのではないかと思うのです。消費者庁の地方強力化は体制も去年少し強化され、ブロック担当も各県の担当者も一応は決まってはいるようですけれども、経験のない人たちが多いですので、もっと、日常的にそこに行って相談に乗って、その自治体の消費者行政の予算要求をどうするかというところにまで深く関わるような体制をつくるべきだと私は思います。
そして、地方の充実について言えば、当面は活性化基金を人件費にも使えるようにして10年くらいに延長する。今ですと人件費にも使えないし、期限が限られて先の見通しが立たないので、使い方が制限されてしまっています。だからせめて10年くらいは体制強化を図り、相談員を増やすために延長するということをはっきりと打ち出した方がいいのではないかと考えています。

○吉田委員 ありがとうございます。

○河上委員長 ほかにいかがでしょう。
山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 ありがとうございました。ほとんど賛成ですし、前回こういう会合を持ったときにはお返事をできませんでしたが、今回は是非何らかの形でお返事したいなと思います。
幾つかあるのですけれども、拝師さんの方からの御指摘の中では不招請勧誘、特定商取引法の改正なのですが、これは先般委員会が提言を出したときに消費者庁ともお話しをしてわかったのですけれども、平成21年12月に特商法抜本改正の施行があって、5年後見直しになっていますので、嫌でも来年の秋か再来年の春くらいには特商法の抜本改正の見直し作業が始まるし、始めてもらわなければ困るわけです。そういう中で消費者委員会もそうですけれども、消費者団体とも一緒になって、不招請勧誘をきちんと法制化するという方向の建議なり提言なり働きかけが何かできればと思います。そこは一緒に考えていければと思います。
地方消費者行政の充実の観点で、消費者委員会としてはPIO-NET入力費用の予算化を制度的にちゃんとするべきだと建議したわけですが、実は平成16年の三位一体改革の際に地方交付税措置をやって、一括交付金の中に相談員の1年間300万円の人件費を計算上盛り込んだとおっしゃっているわけです。だから一旦そうやって人件費を盛り込んだので、改めて入力費用ということで人件費をダブりで出すわけにはいかぬのだという説明なのですが、実際交付税措置を予算措置として講じたから、地方消費者行政に予算が自治体で回っているかというと、回っていないのです。
そこら辺の問題があるので、国センの国への移行などということを言う前に、あるいはそれを言うくらいだったら、まずはPIO-NET入力費用は国の事務だ、だから国として予算を具体的に財政措置として講じる、場合によってはその代わりに地方税交付措置の中の半分くらいは削ってこちらの方に回すくらいでもいい。そこら辺の具体的な措置ができないのかというのはいろいろな形で地方財政の担当者にも話をしているのですが、一旦三位改革で決まった以上、難しいのだと言うのです。難しい難しいと言いながら国センの独立行政法人化の中でのいろいろな努力をやろうとしているのだったら、こちらだってやればいいではないですかというところもあるので、是非これは具体的な問題なので一緒に取り組めたらなと思います。
阿南さんの方の御指摘については本当にごもっともなのですが、後ほど委員長からも説明があると思うのですけれども、消費者委員会としても地方消費者委員会という形で来年地方で7から8ブロックでやりたいなと思っておりますし、今、御説明だと消費者グループフォーラムを消費者庁と共催でやっておられるという話なので、可能であればそこに委員会も入れていただいて、許す限りで参加の機会がいただければと思いました。
健康食品については、消費者委員会で要点のとりまとめまではやっていますので、その後どうするかは本当に一緒に考えさせていただければと思います。
一番頭が痛いのは専門調査会でありまして、実は地方消費者行政の専門調査会と消費者安全専門調査会と2つは是非やらなければいけないテーマだとは思ってはいるのですが、まずは地方消費者行政の専門調査会については、一応とりまとめをして建議したわけです。それについて消費者庁の方は、大ざっぱに言うと無理です、できませんと割と冷たい対応しかしてくれていないわけです。またこれから専門調査会をつくって一生懸命議論して建議しても、庁が言うことを聞きませんということになったら何をやっているのだという話になりますので、どうせ言うことを聞いてくれないような専門調査会をつくって建議をしてもしようがないだろうな、しかしほっておくわけにはいかんなと。では、どういうふうにしたらいいのかというのは、勿論消費者庁との関係も含めて、実のある議論をするための枠組みをどういうふうにつくったらいいのかというのは本当に難しいところなので、一緒に議論ができればいいし、御意見も伺えればと思います。
安全専門調査会については誤解を恐れずに言うと、消費者安全課は事故情報の洪水の中であっぷあっぷで、情報は集まるけれどもそれをどう料理して、今後どう事故防止に有益に使うかという余裕がない。もう過労状態で過労死直前で考える余裕がないという状況に見えるのです。だから批判するのは簡単なのだけれども、建設的にこうしたらいいのではないのということを言っていかないと、一応消費者委員会としては消費者安全問題について建議をしたわけですけれども、率直に言うと、どうするのと消費者庁に聞いたら厳し過ぎてどうしたらいいのでしょうという状態なのです。だからそれをどう実のある方向に持っていったらいいのかは是非一緒に考えさせていただければと思いますので、一々ごもっともでなるほどそのとおりだと思いながら聞いたのですが、そんな感想を持ちました。
何か御意見があればと思います。

○全国消費者行政ウォッチねっと拝師事務局長 まず、不招請勧誘の件なのですけれども、見直し規定5年後というのはそのとおりで、我々も運動の持ち方をどうしようかなと思っているのです。余り長い期間運動設定をするとばててしまって、一番肝心なときに動かなくなってしまうので、余り早くから猛烈に動くのは控えながら、ただ実態調査みたいな地道にできることからやりたいと思っています。そのときに是非参考にしていただきたいのは、PIO-NETとか表に上がってくる情報は本当の被害のごくわずかなのです。
昨年千葉のグループが館山市で個別に町内会に協力をお願いして1軒1軒回って訪問販売お断りステッカーを配ったことがあるのですけれども、そうすると驚くほど被害に遭っているのです。軒並み1軒1軒回ると、貴金属の買取商法であるとか、瓦を換えさせられてしまったとか、すごい粗悪品のりんごを売りつけられたとか、大体被害に遭っています。PIO-NETに上がってくるのが5%くらいと言われていますけれども、本当に5%もあるのかなというくらい、田舎、地方の方の被害はすごいです。表に相談窓口等で上がってくる情報だけではなくて、もうちょっと草の根的な調査の方法を是非検討していただければと思っています。運動体の方も何とか全国そういう形でやれる方法はないかなと、取組みをこれから検討するところです。
地方のお話なのですけれども、専門調査会については是非つくってやっていただきたいと思っています。先ほど消費者庁の方から冷たい反応でやってもしようがないのではないかというお話なのですが、やはり消費者委員会と消費者庁の政治的な位置関係は、どちらが優位というわけでもないはずなのです。問題があればきちんと問題提起をして、最終的に政治が判断するという仕組みの中で、こちらが黙ってしまうと、結局消費者庁の言いなりにしかならないです。我々運動体としても声を上げなければいけないし、地方も阿南さんから紹介があったように、かなりきちんと財政措置をしろという声が出てきているのですけれども、委員会の方でそれをきちんと受けとめて、改めて建議を出していく。
特に先ほど言った基金であるとか光交付金の検証についてきちんとできていないと思っていますので、そこを庁がやらないのであれば改めてきちんと委員会としてやった上で、更に建議を出して問題提起をしていく。最後は政治、国会が判断することですので、そのときに委員会が何も言っていないと、なかなか運動体だけではしんどいかなと。そこは是非頑張っていただいて、せめて国会の場のときに同じ武器があるくらいにしておいていただけると、最後は何とかいくのではないかなと思っています。
あと安全の問題は本当に悩ましくて、そもそもかなり準備が整わない段階で消費者庁ができてしまって、そのままずるずると問題が常に指摘されて、後追いでやるようなことをずっと繰り返してきているので、人材も少ない中で非常に気の毒だなという面は正直思っています。
あとはリアルにどのくらい困っているのかをもうちょっと率直に消費者庁から出してもらって、具体的に案件が上がってきたときにだれがどういう役割分担でやっているのか辺りを見た上で、どうしようかなというのを一緒に相談すべきなのかなと思っています。確かに批判だけしていてもどうしようもない状況に来ていることはそうなのかなと思っています。
あとは力の配分の仕方で、先ほど出た国センの問題などに力を注いでいないで、もうちょっと安全の方が問題であれば、例えばユッケの生肉の問題が出たときに、事業者名が上がってこない案件について消費者庁が事業者名を確認していればえびすやの名前で把握できたはずが、それをやっていなかったのですよ。茶のしずくも同じような話だと聞いていますので、そういうスタイルについてもう一回考え直すことは必要だと思っています。
もうちょっと消費者庁サイドからリアルに、今、どういう形で情報を分析して、何人くらいで何件くらいを処理しているのかという辺りも確認した上で議論されたらいいのではないかなと思います。

○全国消費者団体連絡会阿南事務局長 地方消費者グループフォーラムは各地に実行委員会がつくられて進んでおりまして、プログラムなども全部確定をしています。あとは実施するだけという状況だそうですので、御参加いただくのは全然構わないと思います。是非参加いただいて、様子を見ていただければと思います。
地方消費者委員会の方は積極的に開催していただきたいと思います。私どもの方からも各地の団体にも呼びかけることができますので、そのような計画がありましたら是非お知らせいただければと思います。
健康食品の方は学習会からスタートしましたので、これから景品表示法に照らしてどうなのかなどを考えながら運動を始めることになります。申し入れなども行いたいと考えていますので、消費者委員会が既にそういう情報をお持ちでしたら、一緒に取組みをやらせていただきたいと思っております。
専門調査会のことですが、拝師さんがおっしゃったように、やはり地方消費者行政の強化はもう一回やることが必要だと思いますし、安全専門調査会も必要だと思います。
安全専門調査会のところは、私は昨年メンバーでしたけれども、現在の事故情報通知の要件は、限定されていて通知しにくく、ヒヤリ・ハット情報は集まりにくいので、それを緩和というのですか、要件を変えてもっと集める仕組みをつくるべきだと提案してきたのですけれども、今だに考えられていない状況のようなので、そこをもう一回念押しするという意味でも必要だと思います。
消費者庁との連携については、こちらから見ていますと、これまでの調査やヒアリングをするといったところで、消費者庁と消費者委員会事務局がそれぞれ何の連携もしないでかくしてやっていたところがどうもしこりになっているような気がするのです。その辺の感情的な問題が影響してうまくいかないようなところがあるのではないかと感じました。調査すべき項目の決め方や、結果の評価を判断するのはそれぞれ消費者委員会と消費者庁だとは思いますが、それにしても、効率よくやっていただくことが必要だと思います。
以上でございます。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 私は第2期から委員になりまして、新米なのでよろしくお願いいたします。
今、大変貴重な御意見をいただいて、本当に消費者問題は皆さんのような内発的な団体の活動がとても大事だと思います。勿論行政のやるべきことはたくさんあるのですけれども、必ずしも今の状況は消費者の皆さんからの信頼が十分ではないところもございますので、是非消費者団体の方々と協力して、我々消費者委員会は行政を自ら監視をするという役割を担っているので、いろいろな情報を得ながら、できるだけ消費者にとって有益な活動を御一緒できればと思っています。
私も新しく入って、何となく消費者庁との関係は難しいなというのが率直なところなのですけれども、できるだけ物事は効率的にした方がよいので、やるべきところは連携すべきだと思います。ただ、国センの問題しかりなのですけれども、消費者委員会として消費者庁の在り方に対してものを申すといいますか、そういう立場もあるわけで、ここの関係はとても難しいなというのが、私が9月から入って今までの実感としてございます。
国センの問題はおっしゃるように、第1期の消費者委員会が出したものと基本的には我々は同じスタンスだと思うのですが、国の組織の在り方が今、ああいう状況で全くわからない中で、何が最善なのかを考えていかなければいけないと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。
川戸委員、お願いします。

○川戸委員 私は1期から来まして、またよろしくお願いいたします。
本当に皆さん方のおかげで国民生活センターの問題と、私たちだけではできなかったことを随分バックアップしていただいて、ある意味では途中までですけれども、いい方向に進んだと思います。これからもよろしくお願いします。
ただし、そこで突きつけられた問題はやはり消費者行政のために消費者庁、消費者委員会、国民生活センターがどういうふうな役割分担をして、どういうふうな連携をするか、これをもう一度考え直さなければいけないということだと思うのです。それで皆様方の今回のものを両方読ませていただいて、御提言、御指摘、本当にみんなもっともだと思いますので、これからもよろしくお願いします。
それと同時に、消団連の方、阿南さんの御意見だと、国民生活センターを私たちの下にという意見があったくらいですから、もう少し連携を密にしていいのではないかと、私たちもそこは反省いたします。
それから、また両方の方からの御指摘のように、地方消費者行政はすごく大事な、そこが根っこだと思うのです。私たちの現場はここの官庁ではなくて現場ですから、ここはこれからもすごく大事にしていきたいと思います。そういう意味では私も山口さんの意見には反対で、やはり専門調査会をもう一度立ち上げて、できなくても正当性ということを拝師さんがおっしゃってくださったように、ここは行政の一員なわけです。ある意味では権威があるわけですから、そこのところをすごく大事にして、どれだけできるか言い続けていくのが大事ですから、私はこれと安全はつくった方がいいと。それと同時に、新開発調査会は要るのかなと、私もあれなのですけれども、一応それは賛成いたします。
そんな感じです。

○河上委員長 細川委員、どうぞ。

○細川委員 消費者庁プラス消費者委員会という仕組みは、消費者庁設置議論の後の方で決まった、ある意味折衷案ですね。元民主党、野党時代は5人くらいの消費者権利院、オンブズマン、自民党の方は15人くらいの審議会を考えていて、足して2で割って10にして、常勤か非常勤かという問題は決着がつかなくて、結局非常勤だけれども数名は常勤的という言葉がついて、これも何の意味もないのですけれども、それでやってきているわけです。私も今、こうやって1人のメンバーですけれども、なかなか10人の非常勤でそれぞれ本務があってやるというのも、委員会は今、月に2回くらいですけれども、それ以外に打ち合わせを3回か4回やらないとこなせませんし、委員長、委員長代理は月10日くらい来ていてよくやられているなと思います。
ただ、それでも私は不十分だと思うのです。やれていないことはいっぱいある。そうするとやはりこれをどうするかは真剣に議論しないとならないのですけれども、野党時代に元気だった民主党が本当にだらしなくて、民主党がどんどん引っ張ってくれればいいのですが、どうもそういう行動力のある人がいない。消費者委員会もそうだし、消費者庁もそうだし、あるいは消費者委員会プラス消費者庁という仕組み自体もいろいろ問題はあると思うのです。そうすると附則3項での議論もありますけれども、これは一体どうすればいいのかというところ、消費者委員会がやればいいんだという意見もあるし、だからといって消費者庁に調査会をつくるのもまた変な話ですね。そこら辺はもう少し消費者団体も含めて何かつくるとか、このままだと何かずるずるとなし崩し的に行くだけのような感じもするのです。そこら辺は何かアイデアとかをお持ちですか。

○山口委員長代理 状況だけ御報告しておきますと、国民生活センターとの定期的な協議は是非させてほしいということで申し入れておりまして、ただこれは消費者庁の許可がないとできないというところがあって、消費者庁の了解をいただいて、来年からやろうということで段取りはしております。だから一々庁の許可が必要だという、そこら辺の実情があることも御理解ください。
それから、消費者委員会には諮問機能と監視機能があって、諮問機能、諮問機関としての機能はもう要らない、庁に返したらどうだという議論もあるのです。ただ、これもちょっとどうなのかなと思うのは、例えば消費者問題の安全調査会とか、あるいは地方消費者行政の専門調査会などは単なる監視かというと必ずしもそうではなく、諮問的な機能もあるわけです。
そういうところで消費者安全についてのイロハを、委員も全部専門家ではありませんので、専門調査会の中でいろいろ聞いていて、それで勉強して、ああ、なるほどこんな問題があるんだなとわかって監視的な機能も発揮できるとか、あるいは消費者安全についても同じことです。やはり消費者安全についてわかっている専門家はそれほどいませんので、それに消費者委員会の委員も関わって議論していく中でまず基本の理解が深まって、その上で問題意識が出たら監視機能を発揮できるという部分もあるので、監視機能と諮問機能を截然と分ける、こちらはもう庁に返すという、単純にそういうことができるのかなという議論もありますので、そこら辺は御紹介します。

○河上委員長 夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 今日はありがとうございます。2点について自分の考えも含めまして、委員会の中で合意形成されているわけではないので、述べたいと思います。
まず、地方消費者行政のことにつきましては、先日熊本県に伺いましたときに、活性化基金の期限が切れてしまう、その後地方行政を充実していくためにこの基金または財源は非常に大切な問題なので真剣に取り組んでほしいという御要望をいただいたところでございます。
そういった意味で専門調査会を設けるかどうかという議論はまた別途にしまして、やはり地方行政を充実させるための手段、方法はきちんと議論して意見を出していく必要があるだろうと考えます。
もう一つは、全国消団連から出されました一番最後のところの記述に、これまでにも何回も消費者委員会に対して意見提出してきたのに何のレスポンスもないというお話でございました。これは全国消団連だけではなくて、あらゆるさまざまな団体から消費者委員会に御提言、意見等が出されてくるわけです。そういうものに対して消費者委員会としてどういうふうにレスポンスしていくのか、できないならできないなりに答えるとか、そういうものについて消費者委員会として扱いについて合意形成していく必要があるのではないかということを、実は私も初めてこの中に入りまして、外から見るのと中にいるのとでは全然違うスタンスなので、さまざまな課題を抱えていることがよくわかりましたので、今後皆様と議論し、できるだけ誠実に対応すべきだろうと私も考えているところでございます。
ありがとうございます。

○河上委員長 大体時間になってきました。私の方からもせっかくの機会ですので、現在の状況も含めて御意見にもお答えしたいと思うのですけれども、消費者委員会の問題意識と今日いただいた問題意識は驚くほど一致しております。どうあるべきかということについて消費者委員会でも同様の問題意識を持っているものがほとんどでございます。消費者委員会としては限られた人的なソースと資金的なものを前提にして、できる範囲のことをやろうということで、今、少しずつ取り組んでおりまして、今日の阿南事務局長からいただいた「そのために…」というところで出てきているものは、実は少しずつ手をつけているというのが実情でございます。
1つは、消費者委員会が各省庁に投げた問題についてのフォローアップはやろうということでありまして、継続的にやっていく所存であります。
次に、定例的にセンターとか消費者庁から情報提供を受けて議論していこうということも少しずつ始めておりまして、長官との間でが定例的に毎月会う機会をつくるようにしまして、山口委員長代理を含む4人くらいでざっくばらんにいろいろな現在の状況についての意見交換を始めました。
今、消費者庁は試行で国センからいろいろ情報提供を受けておりますが、庁の方で情報提供を受ける際に、できれば消費者委員会の方にも同時期に来ていただいて、一定の情報を提供してほしいということを申し入れております。国センが一応消費者庁の管轄下にあるので、許可を求めたわけですが、そういう方向で検討しますということは約束いただいています。これが実現しますと、消費者委員会にも国センからダイレクトにいろいろな情報をいただけるように、定例化した形で問題を受けとめられる体制になるのではないかと考えているところでございます。
意見交換会の地方開催に関しても、先ほど山口委員からも少し紹介がありましたが、できましたら消費者委員会が消費者とのパイプ機能を十分に果たせるように、地方の生の声を聞く機会を是非持ちたいと考えております。これは私が就任以来申し上げてきたことでございますけれども、おかげさまで地方でも俗称ではありますけれども「地方消費者委員会」と名乗って、消費者委員の何人かが出かけていって勉強会を兼ねて意見交換会をして、地方の実情についての情報をいただくという計画をたてております。全国の8ブロックくらいでやっていこうと、今、計画しているところでございます。先ほどご指摘のように様々な集会もあるということですので、できる限りそういうところにも顔を出して、生の声を聞ける機会を是非増やしていきたいと思っております。
あと幾つか消費者委員会として課題をかかえております。事務局の体制であるとか、調査のためのいろいろなノウハウとか、まだまだ勉強しないといけないところがたくさんございます。その点については内部の職員の士気だけは高いのですけれども、これからも勉強を続けて、消費者団体の方々からのお知恵も借りて、問題の発掘であるとか解決の方法についての幾つかの議論も、外と密接に連携しながら作業を続けさせていければありがたいと思います。
こういう機会を年に1回などと言わないで、できる限り持って、いろいろな団体の方からお知恵を拝借できればと思います。こちらからも、場合によっては団体の方々にいろいろとお願いしなければならないことが起きるかもしれませんけれども、そのときにはまたお力添えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
今日は大変有意義なお話をたくさんいただきましてありがとうございました。本日出された意見も含めまして、今後の当委員会の運営の改善の参考にさせていただきたいと思います。

≪3.閉会≫

○河上委員長 最後に、事務局の方から次回の意見交換会について御説明をお願いいたします。

○原事務局長 今日はどうもありがとうございました。
次回以降なのですけれども、資料3に今後の予定をお付けしておりまして、第2回は年明けですが、ACAP、経団連に次回はお願いしようと思っております。
3回目は日本司法書士会連合会と日本弁護士連合会にお願いしたいと思っておりまして、前回と違いまして、次回以降もそれぞれの団体に時間をたっぷり目にとりまして、意見交換をさせていただくことにさせていただきたいと考えております。日程が決まりましたら、また改めて御案内をいたします。
事務局からは以上です。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。
お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

(以上)