消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体等との意見交換会(2011年8月30日) 議事録

日時

2011年8月30日(火)11:00~12:22

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 松本委員長、中村委員長代理、池田委員、川戸委員、佐野委員、
 下谷内委員、田島委員、日和佐委員、山口委員
【参加団体】
 全国消費者行政ウォッチねっと  拝師事務局長
河村事務局次長
 全国消費者団体連絡会  阿南事務局長
 社団法人日本経済団体連合会  斎藤政治社会本部長
 日本司法書士会連合会  安藤常任理事
消費者問題対策委員会山田委員
 日本弁護士連合会  消費者問題対策委員会紀藤副委員長
消費者問題対策委員会大迫副委員長
消費者問題対策委員会石戸谷委員
【事務局】
 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.消費者委員会の活動状況等に関する意見交換
  ○全国消費者行政ウォッチねっと(拝師徳彦事務局長)
  ○全国消費者団体連絡会(阿南久事務局長)
  ○社団法人日本経済団体連合会(斎藤仁政治社会本部長)
  ○日本司法書士会連合会(安藤信明常任理事、山田茂樹消費者問題対策委員会委員)
  ○日本弁護士連合会(紀藤正樹消費者問題対策委員会副委員長、大迫惠美子同委員会副委員長)
3.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:58KB)
【資料1】 意見交換会でお伺いしたい事項(PDF形式:40KB)
【資料2】 全国消費者行政ウォッチねっと拝師事務局長提出資料(PDF形式:89KB)
【資料3】 全国消費者団体連絡会阿南事務局長提出資料(PDF形式:101KB)
【資料4】 日本司法書士会連合会提出資料(PDF形式:129KB)
【資料5】 大迫弁護士提出資料(PDF形式:21KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、時間がまいりましたので、始めさせていただきたいと思います。本日は、ヒアリングをお願いいたしました関係団体の皆様方にも、お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございました。
ただいまから、「消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体等との意見交換会」を開催したいと思います。
それでは、委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

≪2.消費者委員会の活動状況等に関する意見交換≫

○松本委員長 それでは、意見交換会の議事に入ります。
当委員会は、一昨年9月の発足後、ちょうど2年を迎えようとしております。そこで本日は、これまでの当委員会の活動状況を評価し、今後の運営改善の参考にするために、消費者団体ほか関係団体等から御意見を伺うとともに、委員との意見交換を目的とした意見交換会を開催することといたしました。
本日は、消費者団体ほか関係団体として、全国消費者行政ウォッチねっと、全国消費者団体連絡会、社団法人日本経済団体連合会、日本司法書士会連合会及び日本弁護士連合会にお越しいただいております。
なお、御質問や御意見につきましては、各団体からの説明が終わってから一括して行いたいと思います。
それでは、まず初めに、全国消費者行政ウォッチねっとの拝師事務局長から御説明をお願いいたします。

【全国消費者行政ウォッチねっと】

○全国消費者行政ウォッチねっと拝師事務局長 ウォッチねっとの拝師です。私の方から申し上げるのはウォッチねっと正式な意見ではなく、ほとんど個人的な意見でございます。ウォッチねっととしての正式な評価については、9月30日に2周年記念シンポというものを予定しておりまして、そこで正式なウォッチねっととしての見解を公表したいと思います。
資料2のレジュメに従ってお話をさせていただきます。まず、この2年間、全体的なイメージですが、先ほどの各委員の方々のお話を伺っていて、ほぼ同じようなところがあるのかなと思っています。
最初の1年は、専門調査会のメンバーの選任に非常に時間がかかって全然進まないとか、消費者庁との関係をどうすればいいのかということで、かなり混乱があったと思いますが、後半は、「それなりに」と書いてありますが、予算・人員が貧弱という中で、その限度では、現場で起きている問題に対応した建議・報告等ができてきたのではないかというふうに思っております。かなり軌道に乗ってきたのかなというふうに見ています。
国民生活センターの問題は、先ほどもいろいろ話が出ていましたが、今、消費者庁が非常に問題、重症ではないかなと思っていますが、消費者目線になりきれていないのではないか。その消費者庁の軌道修正を外から行っていくという消費者委員会の役割が非常に重要だということが、改めて確認できたのではないかと思っています。
地方消費者行政支援、国民生活センターの問題などで、委員会の独立性が本当にきちんと確保されているのかと思うような場面がしばしばあったと思います。非常に根本的・制度的な問題だというふうに理解をしています。今後は、国民生活センターの問題が議論されてきましたが、それだけではなく、消費者委員会の機能強化という観点から、例えば消費者委員のメンバーの同意人事化、国会同意人事にするとか、委員会を3条機関とする、そういう大きな視点での議論が必要ではないかと思っています。
それから、評価できる点として3つ挙げてあります。1つは国セン問題、先ほどもお話ししたとおりです。最低限の役割と書いてありますが、本当は一元化は無理だと。消費者委員会がまとめた報告書は非常によくできていると思っていまして、あれをよく読んで突き詰めると、一元化は無理だという結論になると理解しています。ですから、それはもうはっきりノーと言っていただきたかったというのが本音ですが、それでも消費者委員会の意見があったからこそ何とか白紙撤回までもってこられた。仮にこれがなかったら、消費者団体だけが騒いでもここまではもってこられなかっただろうなという意味では、本当に消費者委員会の役割は大きかったろうというふうに思っています。
個別の問題点について、今日も資料で膨大な論点についての対応が整理されていますけれども、委員会ならでは、委員会があったからこそ指摘できたのだろうなという問題についていろいろと指摘されて、それなりの成果が上がってきているのかなというふうに理解をしています。リコール問題、有料老人ホームの前払い問題に関する建議、あの辺りからかなりこなれてきて、非常に限られた人員の中で頑張っていらっしゃるなというふうな評価をしています。
議論の透明性というのもすごく大事だと思いますが、これについても、毎回の委員会が公開されていること、委員間打ち合わせという本来非公開でやってもいいものについてもきちんと概要を公表されていて、議論の過程が外から見ていても何となくわかる。そういう意味では透明性も確保されているという、委員会の非常に大事なポイントだと思っていますが、この点についてもそれなりにできてきているのかなというふうに理解をしています。
他方、問題点・課題というのも非常に多く残されていると思います。まずは、先ほどからもお話が出ているように、とにかく事務局体制が脆弱である。ここがすべての根本的な問題なのかなと思っていまして、これは政治の責任できちんとやっていただかなくてはいけないだろうと思います。
委員会の独立性という問題も大きくて、消費者庁と同じ大臣の下にあるということで、大臣との関係での独立性がどうなのか。消費者庁との関係でも、消費者庁にものを言っても全然言うことを聞かないことについて、非常に問題であると思っています。これについてどう対応していくのか、というのが大きな課題だろうと思っています。
委員と事務局との関係は、独立性とも関係するのかもしれませんが、普通の組織であれば、当然、委員長あるいは委員の指示にきちんと事務局が従って動くのが当たり前なのですが、どうもその辺が、事務局は委員の方を向いているのか、大臣の方を向いているのかよくわからないという状況があったのではないか。委員の独立性だけではなく、事務局の独立性もセットで考えていかなくてはいけないのかもしれないなというふうに思っています。
消費者団体との交流・協力関係がやはりまだまだ不足しているなというふうに思います。人員・予算が不足していればいるほど、外の力を上手に利用することを是非していただきたいということで、たまの意見交換会だけではなく、もっと日常的にざっくばらんに意見交換をしたり、あるいは運動方針なども一緒に相談できる関係性が築けなかったのかなと。まだここが不十分だったのかなというふうに思っています。
それから、審議会機能についてはいろいろ御意見があろうかと思います。問題点としては、企画立案、審議会で決めたことと、具体的な法案作成や予算編成をやるところとが切り離されていて、審議会として議論したことについて実現可能性が担保できないという、これは制度的な問題があるだろうと思います。これについて現状の状況で対応できるのか、それとも、根本的にやはり無理だから、審議会機能を消費者庁の方に戻さなければいけないのか。それについては議論をする必要があると思っています。
ただし、専門調査会の人事、審議会の人事について、こちらがイニシアチブをとっておくことは一つ重要なところかなと思っています。消費者庁はなかなか消費者目線になりきれないところで、人事まで向こうに任せてしまって大丈夫なのかなという心配はあります。将来的には安心して消費者庁に任せられる状況になればいいとは思いますが、今の状況だとちょっと心配だなということです。
もう一つは、仮に審議会機能を消費者庁に移すとなると、確実に予算と人がまた削られると思います。今の財政状況からして確実に削られてしまうだろうということで、それを覚悟して審議会機能を切り離すのかということは慎重に考える必要があるかなと思っています。
それから、先ほど山口委員もおっしゃっていましたけれども、委員の人事についての密室性・閉鎖性、これは非常に問題だと思います。第1期の消費者委員、その前身としての参与委員のときには、当然、事前に参与委員として消費者委員の予定者がわかっていて、その中で我々も、ちょっとこの方は不適切ではないかと思う方については、具体的に名前を挙げて声を上げさせていただいたという経緯があります。そういう経緯の中で、今、松本委員長が委員長としていらっしゃるということだと思います。人事というのは組織のすべてですから、それをきちんと公の検証の機会も与えながら適切な人に座っていただくことが大事だと思いますが、ここのところが根本的に、第2期、いまだにどなたが委員になられるのかわからないという状況で、非常に問題だと思っています。
ですから、4番目、「次期消費者委員会への要望事項」として、どなたがなられるのかわからないのですが、とりあえず要望事項としてまとめてあります。
1つは、これまで2年間の中で、本当に初めての組織として、どうしたらいいかわからない、試行錯誤の中でそれなりの道を築いてきていらっしゃったと思います。今期の委員会で培ってきたノウハウを次期の委員会もきちんと継承し、更に発展させていただきたいということです。また一からやり直しという無駄なことはやめていただきたいということ。
2番目として、これは、適切な方がなられるのであれば言うまでもないことなのかもしれませんが、現場感覚、消費者の現場で何が起きているかということについて、常にアンテナを働かせていただきたい。それがやはり、適切・迅速な建議や勧告につながっていくのだろうと思います。
独立性というのは、これは制度的な問題もありますが、もう一つは、各委員の方々の意識の持ち方も非常に大事だと思っています。独立性がなくなってしまうと消費者委員会というのはそもそも存在意義がなくなるだろうと思いますので、独立性こそ委員会の命であるということを肝に銘じて活動をしていただきたい。
それから、消費者団体と上手に連携して存在感のアピールをしていただきたいということです。国民生活センターのケースでもかなり一致して、最終的には意見を大臣にもの申してそれなりの力になってきたと思います。委員会がなければああいう結論にならなかっただろうと申し上げましたけれども、他方で、消費者団体の方がきちんと連携してうまく意思表明できなければ、逆にこの結論もなかっただろうと思っています。ですから、上手に消費者団体と連携することを意識的にやっていただいて、消費者委員会としての成果をきちんと上げて、存在感のアピールをしていくことがすごく大事かなというふうに思います。
私からは以上で、あとは事務局次長の河村から補足があります。

○全国消費者行政ウォッチねっと河村事務局次長 補足といいますか、個人としての意見になるかとも思いますけれども、消費者委員会の傍聴も重ねてまいりましたので、3点ほど手短に申し上げたいと思います。
佐野委員や田島委員もこんにゃくゼリーのことを挙げられましたけれども、私は典型的な例として、こんにゃくゼリーのような問題こそ消費者委員会のような組織が、いろいろな意見を持っている国民に対して、規制の必要性を、ロジカルに、説得力をもって、また被害者に寄り添う心も持ちつつ、国民に説明するということを期待しております。消費者委員会が国民から信頼され、その意見をもとに担当省庁が規制を行っていくという形がでるといいなと。そういうことを、今後とても期待しています。
2つ目は、皆さんもたくさん言及されていますが、透明性のことでございます。私は傍聴も重ねてきましたし、消費者委員会からそんなに遠いところにはいなかったのですけれども、特に事務局に関しましては、申し訳ないですけれども、透明感というものが感じられませんでした。日本で最も消費者目線でなければいけない組織だと思いますので、透明感があって、開かれていて、誠実さを感じさせる、そのようなものになっていただきたいと心から思います。
3つ目は、事務局の機能のことで、これもたくさんの方がおっしゃいました。これは本当に核になるところだと思います。予算も大切ですけれども、「どのような人が担うか」ということがとても大切だと思います。ですから、消費者問題に関して使命感を持っていて、委員の方たちが上げてくる問題に対して、高い実務能力を持って水準の高い仕事につくり上げていくことができる、そういう高い能力と心のある方が大切であると思いますから、そのような人が大事にされる組織でなければいけませんし、そのような人が採用されていく組織であってほしいというふうに思っています。
以上です。

○松本委員長 ありがとうございました。
続きまして、全国消費者団体連絡会の阿南事務局長から御説明をお願いいたします。

【全国消費者団体連絡会】

○全国消費者団体連絡会阿南事務局長 ありがとうございます。資料3のペーパーを用意いたしました。
私どもはこれまで、消費者委員会の在り方・強化にかかわる意見提出をしてきております。一つが、発足前の7月の末に、消費者委員会の機能と役割に中心を置いた意見です。そして9月、これは発足のときですが、有志による「緊急アピール」を出し、そして昨年、この場に呼んでいただいて意見を申し上げました。
次に、これまで出してきました提出意見の主なポイントに沿って、この間の評価と、これから改善すべき点について申し上げたいと思います。
まず、「自ら調査審議し、建議する」を第一任務と位置づけて、運営方針をつくり、事務局体制の整備・強化を図るという課題についてです。ここについては、建議や提言、意見書など、かなりの数出されるようになってきたことは大変評価できると思います。
しかし、監視機能レベルを国民の期待にもっと応えていくという点では、今の事務局の体制では極めて不十分であると思います。
また、事務局には、課題を発掘したり調査したりする専門的能力を持った職員が必要ですけれども、ここも本当に不十分だと思います。
そこで、どうすべきかということですが、まず、建議をしていくことについて、監視機能を発揮して建議していくための運営方針というものが必要だと思います。それに沿って消費者委員の役割分担をちゃんとすべきです。そして現体制においても、各課題ごとに、事務局メンバーを配置するなどして精いっぱい工夫すべきではないかと思います。
さらに事務局体制の強化をもっと強力に要求することが重要ですし、そのためには私たち消費者団体と一緒に声を上げていかなければいけないと思いますので、必要性をもっとアピールすべきではないかと思います。このためにも、運営方針というもの、こうやりたいんだということを明らかにして国民の理解を広げ、そうか、やはり体制強化が必要なんだ、というふうにすべきだと思います。
事務局は、消費者委員会の自立性を確保する立場が必要だと思いますし、そうした立場に立って消費者庁との調整をもっと緻密に行っていく必要があるのではないかと思います。何か下部組織みたいで、消費者庁の言われたとおりにやるようでは困ります。無駄を省くとともに効果的な連携を進めていく必要があると思います。
2つ目です。消費者委員会の個別マターの諮問・答申機能についてです。ここは、消費者庁との関係を再整理してもらいたいという要望を出してきました。この点については、この間、脆弱な体制だったにもかかわらず、12の部会や調査会を運営してきたことは大変評価できると思います。しかし、運営面では、諮問事項や論議スケジュールが明確に示されず、ここは一体何を論議する場なのかということがあいまいになかったり、議論をまとめていく点での不十分さがあったと思います。やはり事務局がうまく機能できていないと思いました。
また、地方行政や健康食品などの課題については、委員会と消費者庁がそれぞれで検討するという非効率的なところもありました。ここは何とかしなければいけないと思います。
そこで、2つあります。消費者委員会が自ら調査し、建議や提言などの監視機能の発揮に結びつけていく審議と、消費者庁からの諮問に応えて行う審議とを区別したメリハリのある運営が必要ではないかと思います。
専門調査会の事務局には運営を戦略的に組み立てる能力と余裕が必要だと思いますので、経験者の登用や増員によって能力を高め、負担を軽減していくことが必要でないかと思います。
3つ目は、消費者委員会と消費者・消費者団体・地方自治体との関係強化を図るということで、緊急アピールでも言っている内容です。ホームページを見てみますと、21年度からこれまでに200件近い意見や要望が寄せられており、消費者からの期待が非常に大きいことがわかります。また、一時、消費者委員会の終了後に「懇談会」というものが試みられましたが、これは定着してこなかったと思います。
全国消団連では、発足前に充実検討委員会というものを設け、今は消費者政策検討会と名前を変えていますが、そこで消費者委員会としっかり連携を図っていこうという構想を持ちました。そして消費者委員会との意見交換会などを要請してきましたけれども、いまだにこれは実現しておりません。ただ、検討のテーマによっては、何人かの消費者委員や事務局が参加されています。
さらに、消費者委員の中には、地方の消費者の集まりや地方自治体などで講演されたり、意見交換をされたりしているという報告が見えますが、重要課題として位置づけられているとは言えないレベルだと思っています。
まずは寄せられた意見への対応の仕組みを確立する必要があると思います。意見に対し、これはこうなんだ、こういう審議をするんだということを、しっかりフィードバックする必要があると思います。そして消費者団体との定期的な懇談会などを行って、連携強化を図っていくべきではないかと思います。
また、地方の消費者との懇談会や、地方自治体との意見交換会などをもっと積極的に推進すべきではないでしょうか。事業者との懇談会もやはり積極的に企画して、理解を広げて一緒に考え合っていくということをやるべきではないかと思います。
最後に、その他ですが、国センの在り方検討は継続になっております。改めて消費者庁と国民生活センター、そして消費者委員会をトータルで見直す検討が必要です。先ほど、委員選出の件もありましたけれども、その辺についてもしっかりと見直していくことが必要ではないかと思っております。
以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
続きまして、社団法人日本経済団体連合会の斎藤政治社会本部長から御説明をお願いいたします。

【社団法人日本経済団体連合会】

○社団法人日本経済団体連合会斎藤政治社会本部長 今日はお手元に資料はお配りしておりません。ただ、日ごろ、経団連として消費者委員会の活動を傍聴等させていただきましたし、また、委員の何人の方には経団連にお越しいただいてお話を聞いたこともございますので、この2年間を振り返りまして、私なりの感想も含めて申し上げたいと思います。
消費者委員会をつくるに当たりましてさまざまな議論がございました。また、その前に参与会というのを発足させ、どうやってこの委員会を運営していくか、通常の審議会とはどこが違うのかというようなことを、委員一人ひとりの方々が御議論したことを今でも覚えております。
その中で特徴的だと思ったのは、委員は、それぞれの事業者、消費者、相談員、弁護士といった出身母体を代表するとともに、その意見を持ち寄ってみんなで議論して合議体としてコンセンサスをつくっていく。その結果について消費者委員会として発信し、また、その決まったことは出身母体にも持ち帰って、それを母体と一緒に推進していくという、松本先生がよく御存じの、マルチステークホルダープロセスの日本で初めての画期的な委員会ではなかったかと思います。
そういう意味では、初めの半年ぐらいは、いろいろな御意見が出てなかなかかみ合わないということもございました。しかし、その過程を通じて、どのような形でこの問題に取り組んでいけばよいかという委員の間の共通認識が生まれ、信頼関係をつくることができたかと思います。このように時間をかけたおかげで、2年目については非常にスムーズに議論もでき、また、建議の数も、去年の今ごろは、少ないのではないかという御意見もありましたけれども、この1年で増え、意見や建議が実際に法改正に結びつきました。地味ではありますけれども、そういった成果が上がってきたというのは、運営や会議のやり方を含めて、委員の間で打ち合わせを週1回から2回集まっていただいたことにあり、そういった運営をされた委員の皆様に対して、まずもって敬意を表する次第でございます。
また、この運営方式については、是非、次の体制になっても引き継いでいただきたい。単に審議会のように個人の資格等で出てきて御自分の意見を言い、あとは役所の方と事務局がまとめるということではなく、やはりみんなで議論をすることが必要です。そのためには出身母体の意見もくみ上げ、また、ここで議論されたことをフィードバックするという体制でやることが一番大事ではないかと思っております。
私ども経団連としては、不十分ではございましたけれども、池田委員をサポートするために、委員会の中に専門の部会を2つ設けております。一つは消費者政策部会であり、もう一つは被害者救済の関係の消費者法部会であります。いずれも経団連の主だった会員企業から専門家の方に集まっていただいて、消費者委員会でどういう議論が行われて、それに対してどう臨むのかというのを逐次議論し、それをまた委員からおっしゃっていただくというようなことをやってまいりました。
また我々も、自分たちの意見だけ委員会に出すだけでなく、ステークホルダー同士が信頼関係をつくるのが大事だという意識の下に、消費者団体やほかの団体の方と連携を取って、経団連の部会にもお招きし、意見交換をいたしました。また、実際に先ほど阿南委員から、委員会として、事業者とも是非懇談会の機会を持つべきものだとの意見がありましたが、消費者団体の方から事業者の意見も重要と指摘されることは、これまでなかったのではないかと思っています。
この点につきましては、2年前、発足するまでは、我々も消費者団体のことを余り知らなかった、どう対応していいかもよくわからなかった、というのが実態だと思います。消費者団体にとっても経団連は非常に敷居の高いところで、なかなか意見を聞いてもらえないのではないかというイメージもあったかと思いますけれども、この2年間でお互いの垣根が低くなってきました。例えば消費者・市民教育モデル事業を、文科省と消費者団体と経団連で一緒に幹事をやり、日弁連の方にも展示等に参加していただきました。そういったことを関係のステークホルダーが一緒にできる関係になったのも、消費者委員会を通じた議論があったことが大きいと思っております。
そういう意味で事業者と消費者のウィン・ウィン、あるいは、関係者自体のウィン・ウィンを前提に運営されることが定着してきたのは結構だと思います。また、池田委員がしょっちゅうおっしゃっていることですけれども、事業者の中にも悪徳事業者と普通の事業者がおり、峻別して議論すべきだという考え方につき、だいぶ御理解をいただいたのではないかと思っております。被害者救済制度等の在り方についていろいろ御意見はあると思いますけれども、特に悪徳事業者については、懲罰も含めてむしろ行政と連携してやる方向がいいのではないかと思っております。悪徳事業者がなくなることが消費者のためでありますし、事業者のためでもあると考えております。
それから、当初予定されたことで、まだ十分なされていないかと思われることが1点ございます。それは、重大事案が起きたときに、皆さんが集まって緊急に発信すべきという議論や、そのためにどういう体制をとったらいいかという議論が、当初は3、4回なされたと思います。
何が重大なのかというのは、例えばの話でございますけれども、今回、東日本大震災が起こり、物流等も混乱し、商品が不足したり、一部の産品について風評被害が起こりました。水等緊急物資がなくなってしまったので、外国から、ラベルが必ずしも日本の基準に合わないものを輸入せざるをえないとの問題がありました。むしろそのときに消費者委員会から、関係省庁の動きが悪いようであれば、「是非こうした方がいい、消費者のためにこうすべきだ。」という緊急アピール等を出していただくということがあったならば、より存在意義を発揮できたのではないかと思っています。
また、風評被害につきましては、企業の方でも積極的に被災県あるいは消費者団体、農業団体とも連絡を取らせていただいて、「企業マルシェ」という形で産直市をやったり、社員食堂で被災地のメニューを提供して風評被害を防いだりというような活動もやらせていただきました。事業者にとっても、消費者団体と一緒にやることが逆に国民に信用を与えるのではないかという点で、協力関係をできるだけ構築したいと考えたからです。
最後になりますけれども、これまで培ってきたマルチステークホルダーのプロセスにのっとった委員会の運営の仕方を次の体制に引き継いでいただきたい。次の新体制が発足しましたらば、できるだけ時間をあけないで本日のようなステークホルダーからの意見を聞く会を企画していただきたい。我々は、少なくともここにいる消費者団体や法曹界の方々とは、しょっちゅうおつき合いもありますし、事業者、消費者、法曹界といって区別するのではなく、我々ステークホルダーは一致してできるのだということを新しい委員の方にもわかっていただきたいと思います。
その意味で、今回、国センの問題が起こりまして、消費者委員会から意見書を出していただいて、今回、結論が1年延びました。事実上、消費者委員会の意見が通ったということでございますけれども、その過程におきましても、さまざまな陳情、意見陳述で、消費者団体、司法書士会等々と全く同意見でいろいろなところに発信しました。すなわちステークホルダーがコンセンサスをとってやっているものは結構強いということが、今回わかりましたので、そういった観点から、委員間の連携とともに、私ども、それぞれの消費者団体、司法書士会、弁護士会等とも連携できるところは、日ごろから連携して対応していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○松本委員長 ありがとうございました。
続きまして、日本司法書士会連合会の安藤常任理事から御説明をお願いいたします。

<

【日本司法書士会連合会】

○日本司法書士会連合会安藤常任理事 よろしくお願いします。日本司法書士会連合会では、予算が全体的に削減される中、消費者問題には力を入れておりまして、消費者問題対策委員会、消費者行政との連携を推進する委員会という2つの委員会を設けて活動しております。特に各地の司法書士会におきましても、各地の消費者行政と連携することに力を入れて活動してきた結果、消費者問題に対する活動をする司法書士もかなり増えてきたと認識しております。
今日の具体的な意見は、消費者問題対策委員会の山田委員から述べさせていただきますので、よろしくお願いします。

○日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会山田委員 消費者問題対策委員会の山田です。貴重な機会を設けていただきまして、ありがとうございます。
消費者委員会の事務局体制、その他の機能面の問題につきましては、昨年もこのような機会を設けていただきまして一定程度意見を述べさせていただいておりますので、今日は、資料4に従いまして、むしろ具体的な建議の内容、その他、具体的な事件、事案に関する点から幾つか意見を述べさせていただきたいと思います。
では、資料4の次第に従って進めさせていただきたいと思います。
まず、1点目の「発足からの消費者委員会の活動状況について」ということで、(1)の意見・建議・答申についてです。他の団体からも意見が出されておりますが、特にこの1年間を見てみますと、月ベースに平均しますとかなりの数の意見、建議、答申が出されていまして、この点は評価できる点だと思っております。
(2)といたしまして、具体的に提出された意見について、積極的に評価ができると考えられるものを2つ、代表的なものとして挙げさせていただいております。「有料老人ホームの前払金に係る契約の問題」「未公開株勧誘被害の問題」につきましては、具体的な消費者委員会の意見を受けて具体的な立法にまでつながっている点で、これはかなりすばらしいものであったと思います。
その一方で、「決済代行業者を経由したクレジットカード決済によるインターネット取引の被害対策に関する提言」をやはり消費者委員会でお出しになられております。こちらにつきましては、消費者庁のインターネット消費者取引研究会の取りまとめを見てみますと、これも外部から見た雑感ですが、消費者委員会の意見というのは必ずしも、その点だけではなかったと思いますが、結果としては、決済代行業者が介在しているという表示をすることが必要だというところだけにどうも重きが置かれたというか、そこだけがひとり歩きしてしまったような感があります。例えば、もう少し抜本的な仕組み、その仕組みを利用することによって、サイト業者はその商売をやりやすくしている面もあるとか、それによって決済代行業者も利益を得ているのだと。こういうシステム上の本質的な点をもう少し前面に出して意見を言っていただいてもよかったのではないか、このように思っております。
2番目の「今後の消費者委員会の活動への期待」という点です。まず、(1)、活発な意見及び建議を期待するということで、先ほど挙げさせていただいた点とそのまま連動することになりますけれども、特に最近、インターネットを利用した詐欺事案、悪質商法が非常に増加していると思います。その中で、従来登場してきた個別クレジットに加えて、クレジットカードの決済代行だけではなく、電子マネーやコンビニ収納代行、あるいは銀行振込決済代行、それらをすべて網羅した包括決済代行とか、仕組みが多岐にわたっています。このような決済システム自体にも着目していただいた上で、一定程度、特別法で対応できているものもあるかとは思いますけれども、まだ手つかずな面も多々あると思います。この辺りは事案などを検討していただいた上で、是非、建議等をしていただければと思っております。
(2)ですが、広く情報を収集するためのシステム設計を期待するということで、具体的な事案の集め方になりますけれども、現在、このような形で関係団体などの例えばヒアリングであるとか、その他、情報収集をなさっていると思います。私の見方が悪いかもしれないのですが、内閣府の消費者委員会のホームページを見て、例えば一般の消費者が、こういう問題が起きた、是非これは意見を言いたいというときに、すぐ言う窓口というのがないように思えるのです。消費者委員会の独立性という話が先ほどから出てきていますが、独立性という面で言えば、むしろ実際のユーザーというか、消費者から広くダイレクトに意見を収集できる設計を是非していただきたい。
これは、要はメールアドレスを表示して、「意見がある方はこちら」とやるだけでも、今はネット社会ですから、意見はかなり集まってくると思います。そうした形でシステム構築をしていただいても、それほど時間もお金も手間もかかることでもありませんので、次期委員会では早期に実現していただけたらというふうに思っています。
「その他」というところは、全く具体的な事案ということであれですけれども、インターネットが特に中心になりますが、特に最近は匿名性、どこのだれかわからない悪質な事業者の事案が非常に増加していると思います。ここで挙げているのは架空請求ですけれども、例えば携帯電話のメールなどで、こういう代金未納がありますということで、一応東京の住所が書いてあって株式会社と名乗っていて、東京03の電話番号も書いてあります。ところが、これは全部でたらめですと、こういう案件が少なからずあります。
例えば口座もわかっているような案件であれば、いわゆる振り込め詐欺救済法に基づく口座凍結などで解決が図れている案件もありますけれども、そうではない案件も多数あるわけです。そうすると少なくとも民事で言えば、最終的には民事訴訟の中で被害救済を図らなければいけないということになるわけです。ところが、住所もでたらめ、商号もでたらめ、何もかもでたらめということになりますと、どこのだれかということがわからない。こういうことになると、裁判所で、当事者が特定できていないということで門前払いになってしまうという問題点が少なからずあるわけです。
この点については、もう古くなりますが、振り込め詐欺のことをオレオレ詐欺と言っていた平成15年から16年ぐらいにも、やはり同様の問題が出ていたと思います。現在の段階では、民事訴訟法の中で言えば、そういう場合には加害者を特定するために、金融機関、携帯電話会社、あるいはレンタルオフィスの会社などに対して調査嘱託の申立てをして特定していくという考え方があります。実務的に運用はされていますけれども、これについても明確な規定があるわけではありませんので、残念ながら、むしろ消極的な対応をする裁判官も実務上は存在しています。
そのようなところで考えますと、民事の裁判所というのは最後の砦になっておりまして、ここで裁判官にそういう嘱託は認めませんという話になってしまうと、結局のところは被害者は泣き寝入りになりますし、違法収益は温存されることになりまして、これは必ずしも妥当ではないというところに関しては恐らく異論はないところだと思います。であるならば、このような不利益を是正するためには、抜本的な見直しとして、重要な法律である民事訴訟法自体の規定の見直しも含めて、そうした泣き寝入りを防ぐ形で、当事者特定のための方策が検討できないかということを、是非、消費者委員会でも御検討いただければありがたいと思っております。
以上になります。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、最後になりますが、日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会副委員長である紀藤弁護士、及び大迫弁護士から御説明をお願いいたします。

【日本弁護士連合会】

○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会紀藤副委員長 先に大迫さんの方から御説明をお願いします。

○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会大迫副委員長 最初に申し上げますけれども、日本弁護士連合会の機関決定を経ておりませんので、本日は個人の意見として述べさせていただきます。
今までの消費者委員会の活動に関しましては、まず、個々の委員の方々には大変な御苦労と御努力をいただいて、その活動に対して、心から敬意を表します。置かれた厳しい環境の中で、予算も人員も乏しい中で、お力を、すべてと言っていいほど注いでいただいて、建議を出していただき、成果を上げていただいた。個人の委員の方々に対しての敬意というものは私どもも非常に持っておりますので、そのことを先に申し述べさせていただきたいと思います。
ただ、組織としての消費者委員会ということを考えたときに、私どもとしてはまだまだ期待外れであったということを申し上げなければならない。これは大変残念ですけれども、組織の問題としてはまだいろいろ抱えているものがあると思っております。
そのことは、消費者委員会だけを責めるとか、消費者委員会への評価として申し上げても始まらないだろうと思っております。恐らく消費者委員会の存在は、消費者庁というものが十分機能していることを前提にあるのだと思います。わずかの人員で監視機能を発揮するということは、大きな、情報を得られる場所から、的確な時期に適切な情報を得て、その上で委員の方々がそれぞれの識見を十分活用して監視機能を発揮する。こういう建付けになっているのだろうと思いますけれども、どこから情報を得て、どこがきちんと消費者行政をやっていくのかというと、それは、消費者庁が十分活動できていることが前提だろうと思います。大きな車輪で消費者庁がどんどん進んでいく。その外にあって委員会が適切に監視する。そして指摘する。これが本来、制度が予想したものだろうと思いますけれども、この2年間、誠に残念ですけれども、消費者庁はほとんど機能不全と言っていいと思います。私どもの立場からすると、消費者庁は消費者庁の体をなしていない。そういう中で恐らくは消費者委員会への過度な期待もあって、あれができていない、やったことが実現できていないという評価になってしまっている部分があろうかと思います。その点に関しては、消費者委員会だけをマイナス評価して済む問題ではないと思っております。
ただ、この状態がどこまで続くのか、こういう状態をどう是正していくのかということを考えましたときに、消費者委員会にやっていただかなければいけないことは随分多いだろうと思います。今回、2年目の最後になりまして国民生活センターの問題が浮上しましたときに、消費者委員会は消費者庁に対してきちんとおっしゃるべきことをおっしゃっていただいて、消費者庁の拙速な姿勢を正すという機能を果たしていただきました。これは消費者委員会のあるべき姿であろうと思います。消費者委員会が消費者庁との関係を自らどういうふうにつくり上げて、これからもどういうふうに消費者委員会の意見を通していくのか。これについて更に消費者委員会自身の工夫が必要でしょうし、関係する行政への働きかけも必要だろうと思います。そういう役割は非常に重いものですし、大変難しい問題だろうと思いますけれども、今後、そこのところに相当の力を注いでいかなければ、消費者委員会の存在意義自体もかなり難しい問題になってくるのではないかと思っております。
そういうことを前提にいたしまして、私が申し上げたいことは、これからの委員の選任にかかわる問題ですけれども、この2年間、いろいろな問題を解決するについて何が重要だったかということについて、日弁連の委員が考えていることを申し上げたいと思います。
消費者委員会の委員は、消費者問題に対して感度のよいアンテナを持っている人でなければならない。やはり現場を知っていなければいけない。今日は随分たくさんの団体の方がおいでになっていますが、例えば事業者の代表として経団連の方がいらしています。ただ、消費者被害の関連で事業者を見たときに、経団連の方の位置づけというのはそんなに大きいわけではありません。経団連などに入っていない悪徳事業者の数、そこが引き起こしている被害の数というのは、経団連参加企業全体が起こしている消費者被害数と比べたときには、恐らく比べものにもならない膨大な数になると思われます。消費者被害を考えるとき、公に表れている経団連の参加企業より、後ろに隠れている悪徳業者の集合体の方がものすごく大きな意味を持っているわけです。
そういうふうに、表にはあらわれないところに出ている消費者被害、それについての感度のいい委員でなければ被害について何も語れない。それから、勿論、法律の問題が非常に重要です。行政を動かすについても何をするについても法律の問題が出てまいります。法律の解釈、更には法律をつくる、改正する。そういうことについても、やはり識見がある者でなければよくわからないところがあると思います。
そういう意味で私どもとしましては、消費者問題に明るい弁護士をもっと活用していただきたいと思っております。弁護士の数を当委員会の委員から減らすことは更に消費者委員会の力を落とす方向につながると思っています。消費者問題に明るい弁護士を、委員の中に1名と言わず2名、3名と加えていただきたい。そうしないと、消費者委員会の仕事をする上で十分な活動ができないのではないかと思っております。それが今日、私が個人として是非申し上げたいところでございますので、まずそれだけ申し上げて紀藤弁護士に譲ります。

○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会紀藤副委員長 今、意見要旨を配付しましたので、見ていただきながらお話を差し上げます。
まず、この2年間での消費者委員会の働きや事務局への働きに深く敬意を表します。私が昨年の8月6日に出した意見書は苦言的な要素が多かったと思いますけれども、ここ1年の消費者委員会は非常に大きな働きをされたと理解しています。これから申し上げることは意見ですので、当然、苦言的要素もあると思いますが、以上の経緯を前提に申し上げたいと思います。
我が国の政府の消費者行政重視策への転換によって、2年前に、国民生活センターに加え消費者庁と消費者委員会がつくられました。新制度発足の思惑と異なり、この2年間ではっきりしたことは消費者庁の脆弱さです。例えば食品の放射性汚染問題。これは、風評被害という言葉が出ていましたけれども、風評被害ということを強調しすぎた結果、7月に牛肉のセシウム汚染が発覚した。要するに一部風評被害ではなかった、真実だったということですけれども、風評被害であるかどうかの確認を消費者庁が行った結果、そういうことが起こってきてしまった。これは他省庁への監視機能の脆弱さを意味します。
それから、8月1日に安愚楽牧場が破綻しました。和牛商法の所管庁は、いろいろな議論をして、農水省から消費者庁に移ったわけですけれども、その預託法の立入調査も業務停止処分も未だになされない状態にある。農水省は立入調査は別件で入っていますけれども、消費者庁は、それさえしていないという問題性が明らかになるにつれて、ますます一層、消費者庁と他省庁の消費者行政の両者を監視する立場の消費者委員会は国民から期待されているし、その役割が重要になりつつあります。
国民生活センターと消費者庁の統合問題も議論されていますが、もし統合したら、三者鼎立から二者鼎立になるわけですから、ますます消費者委員会は重要な立場になりますし、この議論がなくても、消費者庁の体たらくを見る限りは消費者委員会の機能強化が必要だと思います。それはまさに国民目線、消費者目線からの制度改革が必要とされるゆえんです。
消費者委員会の機能強化を図ろうとすれば、事務局人員を劇的に増やすことと、予算を増やすことが大切ですが、短期的にそれができないとすれば、消費者委員会の内部の改革が必要です。消費者委員会の委員自身が、「消費者目線で働く消費者委員会委員」であることが重要であるし、委員の選任はこの観点でなされる必要があり、出席率の低い委員は、辞任ないし任期切れで退任していただく必要があります。新選任される委員は、消費者目線で働く日弁連消費者問題対策委員会の委員経験者や消費者団体推薦者が最もふさわしい上、働く委員である「出席率の高い委員」は再任される必要があります。
また、そのためには、昨年、私が2010年8月6日付けで意見を述べた中で提言したように、消費者委員会の専門調査会の中には委員の人数が多数である調査会があり、既に、消費者委員会においてすら、旧来の官僚的発想での審議会委員の選任と予算の無駄遣いも見られるところです。このような多数の委員を選任する予算があるくらいなら、消費者庁及び消費者委員会設置法8条を柔軟に運用して、働く委員のために、委員個人の調査等の便宜のために、秘書的・補助的な臨時委員ないし専門委員を付けられるような制度改革も8条の運用でできると思います。
当職は、貴委員会に昨年の8月6日付けで意見を述べておりますが、その中で、消費者委員会と国民・消費者との連携-広報活動の充実が必要である。それから、今、お話を差し上げたとおり、専門調査会・部会の委員選任の在り方は改善すべきといった点と、消費者委員会を実務型行政組織に変更すべきといった、指摘した各点の改善はまだ不十分だと感じています。
最後に一点つけ加えますが、現在の委員の先生方は正直申し上げて非常にすばらしい方と思います。全員留任してもいいのではないかと私は思っております。あえて改選が必要であるとしたら、この委員会は行政処分ができる行政機関であって、単なる審議会ではないことを前提にすれば、委員改選は少なくとも半数改選が考えられないといけない。あるいは最高裁のように、辞任ないし任期切れをする形で一人ひとり抜けていくという形にしないと、一貫性と一体性が保てないと思います。たまたま2年前にできたということで2年任期になっていますけれども、今後の委員会の在り方を考えると、私は、2人とか3人が外れて、また2から3人入れていって、全体的に数年単位で改選をしていくという形にしないとまずいと思っておりますので、その点も事務局の皆様には考えていただきたいと思っております。どうもありがとうございました。

○松本委員長 石戸谷弁護士も着席されておりますから、どうぞ御意見を。

○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会石戸谷委員 新しい消費者行政機関の発足で、滅多に遭遇できないことだということで、気持ちとしては私も消費者委員会とともに走り抜けるつもりで、しばらく毎回傍聴していたのですけれども、だんだんくたびれてきて、そのうち、ときどき出ればいいかという話で、今日も何とか間に合ったということで、大変申し訳ない。そういう意味からすると、67回走り抜けた委員の方々には深く敬意を表します。特に委員長をはじめとして、消費者行政推進会議から走りっぱなしという方も何名かおられて、そういう意味では大変な活躍である。今日はそれを言いに来たということであります。
先ほどから話が出ている消費者庁と消費者委員会の関係については、超党派の修正合意はある意味突貫工事でやって合意しましたので、それ自体は建物で言えば基本設計であって、あとの実設計は走りながらやっていくというのはもともとの想定の範囲だと思います。ゆえに附則も付いているということだと思います。
当初の1年ぐらいは、審議会機能と監視機能云々ということがあったのですけれども、消費者庁が司令塔として活動する限りにおいては、審議会機能も、原庁から離れたところで意見を言うのは非常に意味があって、大事なことだというふうに書いたりしてきましたけれども、消費者庁の動きが当初イメージしたのと違って、監視機能もやらなければいけないし、消費者委員会はある意味司令塔でもある。基本計画のやり取りを見ていると、どっちが司令塔なのかよくわからない。司令塔でもあり監視機能もやらなければいけないし、審議会ということになってくると、これはなかなか大変で、いろいろあると思いますけれども、審議会機能のうちある部分については、もう消費者庁の方に戻して整理をしてもいいのではないか。監視機能の方は、提言も2年目にどんどん出るようになって、そこが期待されているところだと思います。
そうなってくると、先ほど来出ていますけれども、人事の問題は大事なところで、参議院に参考人で呼ばれたときに人事の問題も聞かれました。国会同意人事という点についてどうかみたいなお話もありましたのですが、衆議院で合意したものをまたというのはちょっと困るので、「いや」とか何か、もごもご答えたということがありました。ずっと気にはなっていたのですが、今回のようにすべてが直前まで水面下ということになってくると、それは問題だなと。監視機能ということは行政に対して注文をつけるということになるので、そういう意味からすると野党的感覚といいますか、政府の言うことについて言いなりになっているのでは、これは全く意味がない。そういう部分もどうしても出てくるので、そういうことも考えていいのかなと。その上で審議会機能をパッパッとやるという意味では、親委員会がそういうふうに重い選任方法をされる以上は、迅速に対応しなければいけないチームをつくったり、専門委員もそうかもしれませんが、さっと立ち上げられるような、親委員会が迅速に選任できる体制の形にするのがいいのではないかと思っております。
いずれにしても2年間を踏まえて、これから、消費者庁、消費者委員会、国民生活センターの在り方を詰めていかなければいけないということがあります。詰めるに際して、ちょっと皮膚感覚がわかないところも外にいると多々あるわけでありまして、独立性の問題も、そこは是非、2年間の貴重な体験を生かした御意見というものを出していただきたい。それを活用しながら説得力のある提言をまとめていきたいと思っていますので、活字にしていただくなり、シンポジウムだとか、あるいはもう少し地道な学習会・研究会にお声がかかる場合も多いと思います。是非出ていただいて、2年間のその辺りの体験を踏まえて意見を出していただくと、これから先の3機関の在り方をきちっと提言して次につなげる材料になると思いますので、それを是非お願いしたい。それが本日の2つ目のお願いです。よろしくお願いいたします。

○松本委員長 ありがとうございました。5つの団体からさまざまな御意見をいただきました。

【意見交換】

○松本委員長 それでは、ただいまの御意見、御説明につきまして、委員の皆様から、意見あるいは質問がありましたら、どうぞお出しください。
山口委員、どうぞ。

○山口委員 いろいろな御意見、ありがとうございました。私自身の努力が不足したとは思うのですが、消費者委員会の委員に対して、全国消団連やウォッチねっと、あるいは経団連から、人選してお呼びいただいているのかもしれませんね。少なくとも私の方に、おまえ出てこいと積極的に要請があったことはないと思います。これからは、ウォッチねっとも経団連も、あるいは全国消団連も、遠慮せずにというか、こいつが出てきたら面倒くさいと思ったらそれはしょうがないのかもしれませんが、できれば「来い」ということで声をかけていただければ、可能な限り委員は出るように努めなければいけないと思いますので、その点はよろしくお願いします。どうもありがとうございました。

○松本委員長 ほかに御意見、ございませんか。意見交換会ですので、どうぞ。
評価をしていただいた面と、まだやるべきことをやっていない部分もあるのではないかという御指摘もありました。制度的にやりたくてもできない部分はあるけれども、もう少し意見を交換する場を、もっと多様に持つべきではなかったかという御指摘が幾つかございました。ちょうど1年ほど前に傍聴者との懇談会を何回かやりました。確かにあのころはやっていたけれども、その後、だんだん時間がなくなってきたということもあって、余りやれなかったなということは確かに感じている次第です。あるいは、地方公共団体との間で直接意見交換をすることも、実際は余りやれなかったかなという気もいたしております。委員の皆様、何かございませんか。
中村委員、どうぞ。

○中村委員長代理 ウォッチねっとから指摘されていた審議会機能をどうするかという問題で、私もこれは実感としてすごく気にしておりまして、今日の資料の委員の意見の綴りの中にもちょっと書いておきました。私は審議会機能すべてを返上すべきだとは決して思っていないのですが、一番ショックだったのは、特保の問題を消費者委員会の意見を聞くという仕組みにされていて、その仕組みをつくったこと自体、立法というよりは内閣府令の中にひょこひょこっと入ってきて、大変な仕事量を押しつけられております。そこの廊下の向こう側に消費者委員会の倉庫がありますが、かなりのものが特保に関する実験データや資料で占拠されています。この家賃の高い場所を占拠されているのですが、私は、あれをやるのはちょっとやめて、消費者委員会は、むしろ基本的な事項の審議、制度や法律のもっと大きいところに時間をあてるべきだと思います。
この委員会の在り方として、あの細かいところ、特殊専門的なところに多くのエネルギーを注ぐというのは、たった20人ちょっとしかいない事務局体制ではあれはアンバランスもいいところです。そういう特殊専門的な審議、毎月出てくるようなルーティンワーク的なものは、皆さんおっしゃっているように、消費者庁の方で引き受けてくれたらいいのではないか。消費者委員会はそこは手放してもいいし、むしろそこで余ったエネルギーをもっと基本的な事項に費やすべきだと考えています。拝師さんのウオッチねっとの意見書は、特にそういうところの区分けなく審議会ざっくり書いてあるのか、その辺はどうなのですか。

○全国消費者行政ウォッチねっと拝師事務局長 そういう事情があるのであれば、当然、一部返上ということもあり得ると思います。ただ、気にしているのは、返上すると、その分人を削られることとセットでいかないと、監視機能をその分頑張りますと言っても、基本的には減らされるのではないか。ほかの機能もセットでやりますと。事故調をチェックする機能を消費者委員会が請け負って、そこで人を増員しながら「こそっと返す」とかやらないと、ただそこだけを削るというのはちょっと不安かなというのが、政治的な問題かもしれませんが、あるということです。特保自体は私ももともと、「何であるのかな?」というようなものなので、そこは特にこだわりは全くないです。

○松本委員長 恐らく特保の調査のために定員が何人か付いている、というようなことはない。そんなのは付いていないのではないかと私は思っているぐらいですから、余り影響はないのでしょうが、業務が一つ減ったということで、今、事務局に何人か付けている定員ををざっくり1人減らす、とかいうような減らされ方はあるかもしれないですね。
山口委員、どうぞ。

○山口委員 消費者庁との任務分担の切り分けの中で私が思ってきたのは、消費者庁の方で、インターネット取引被害にどう対応するかということについての政策制度的な検討会をやられたわけです。それから、事故原因究明の在り方についてどういうやり方がいいのかということについて、これは消費者庁で大変な作業をされたわけですが、ああいう全体的な、制度政策の在り方をどういう枠組みでしたらいいのかというのは、私は、消費者委員会の方でやった方がよかったのではないかと思うわけです。そこで一定の方向を議論づけて、それを具体化していくのは、庁でその議論を踏まえて法案なり具体化をしていく。要するに、消費者庁でこういう検討会をするけれども、消費者委員会はどう思うかとか、あるいは、消費者委員会ではこういうことをしなければいけないと思うけれども、庁の方ではどう思っていますかと。その辺の庁と委員会の間の任務分担の切り分けがどうなのか。そこは事務局なり委員長は苦労なさっていたかもしれませんが、委員の方から見ると、もう少し何か工夫できなかったのかなという感じはいたします。どうでしょうか。

○松本委員長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 皆さんの御意見、いろいろありがとうございました。ごもっともなところがたくさんあって、私は皆さんの意見を聞いている中で一番強く思ったのは、こういう意見交換ができなかったことと、もう一つは、透明性が確保できなかったことに関しては本当に胸が痛い。一生懸命やってきたつもりですけれども、最終的には、人事のこともありますが、透明性が確保できていない。私たちでさえ明日がどうなるかわからないような状況で消費者委員会が続くということは、非常に残念です。
これからは私も傍聴席側に座って、できる限り消費者委員会に意見を出していきたいと思っています。そういうところでは経団連とどこまで協力できるかわかりませんけれども、できるところは協力しながら、皆さんと一緒になってより良い消費者委員会をつくっていきたい。これだけ皆で頑張ってつくった消費者庁・消費者委員会をここでつぶすわけにはいかないと思っています。協力しながら、みんなで頑張って透明性を確保して、消費者の意見をできるだけ反映した政策を、消費者の立場、消費者の目線でつくっていってもらいたい。このような希望を私は今、消費者委員会に期待しています。 これからも、こちら側あちら側ではなく、みんなで一緒に頑張っていきましょう。本当に透明性を確保し、一体何を消費者委員会はやっているのか、本当に消費者のためになることをやってくれているのかということを注視していきたいと思います。私たちはこれから小姑会をつくり、意見を言いながら頑張っていきたいと思います。皆で協力して、いい消費者委員会をつくっていきましょう。

○松本委員長 日和佐委員、どうぞ。

○日和佐委員 今日は皆様のおっしゃること、もっともなものですから、松本委員長から「意見は」と言われても、ことさら意見の出しようがないというような状況でありました。私も「2年間を振り返って」というところで書いていますけれども、消費者委員会が審議会的な役割と監視機能的な役割と。これは概念的に言うと、矛盾する機能を一つの組織が持っているということになるわけなのです。自分で審議して方向性を出して、それについて監視をするという非常に矛盾した組織になっています。その辺りの整理をもう少しきちんとやるべきでありまして、新開発食品調査部会という、具体的に認可に値するかどうかを判断するような案件に関して、消費者委員会はやるという性格ではないと思っています。それから、公益通報者保護専門調査会も個人情報保護専門調査会も審議会的な役割としてやったわけですけれども、実質的な事務局は消費者庁が担ったわけです。ところが、消費者庁も人手不足ですので、十分な調査データ等について持っていない。というわけで、結局、問題点を洗い出しただけで、本当はもっと突っ込んだ報告書になるべきだったのですけれども、突っ込んだ報告書にできなかったという事情がありました。一方では、消費者庁は消費者庁で研究会のようなものを立ち上げてやり始めているという状況もあって、消費者庁の中で議論をしていった方がやりやすい、というような感覚を持っているのではないかなというふうに思うわけです。
そうすると、非常に無駄で、矛盾していて、消費者委員会自体も非常に大変なことになっていて、その割に成果を上げることができなかったということに通じると思います。その辺りが消費者委員会が基本的に持っている問題点だと思うんですね。ですから、国民生活センターの在り方と同時に消費者委員会にもそのような問題点があるわけですから、消費者委員会の在り方、消費者庁の在り方、この3者の役割分担がどうあればいいのかについて是非改めて議論をしてほしい。納得のできる議論を少し時間をかけてやって、本当に消費者行政全体が充実していけるという枠組みになるように、ちょっと大変かもしれませんけれども、是非取り組んでいただきたいと思っています。
今日は大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。

○松本委員長 下谷内委員、どうぞ。

○下谷内委員 日和佐委員がおっしゃられたように、私も皆様方の御意見を伺って、本当になるほどなというふうに思って、手を挙げませんでしたが、やはり今回の皆さん方の意見は、私たちがこの2年間に何をしてきたか、消費者委員会は何をすべきかということに対して、いろいろお考えいただいたということが重要であったのではないかなというふうに思っております。
もともと消費者委員会の役割は、監視機能、建議、審議会機能と、3つの役割を持たされておりました。それをどうやっていくかということで、この2年間、試行錯誤をしてきたわけです。でも、実際にやってみたら、今まで皆様方、そして委員からも幾つか出ておりましたが、審議会として本当にこの消費者委員会がやるべきことであったのかどうかというところは、非常に大きな問題であったのではないかなと思っています。今後、これは消費者庁がやるべきことなのか、消費者委員会がやるべきことなのかということを、お互いにきちんと話し合いをした上でやっておかなければ、うちでこれをやります、おたくではこっちをやってくださいというようなことではなく、やはりそこのところは十分連携をしていただいて消費者委員会の役割を続けていくことではないかなというふうに、皆さんの意見を聞きながら考えました。
私自身も、役割をどうとらえていくかというのは、当初、本当に迷っておりましたのですが、一つひとつこなしていくしかないのかなというふうにやってまいりました。消費者庁の問題、そして、私どもにとって重要であります国民生活センターの問題というのは、消費者委員会の役割の中でも非常に重きを持つものであったということを痛感しております。ですから、皆様方におっしゃっていただきました意見をもとに、次の委員会の皆さん方もそれを踏まえて進んでいただければいいと思っております。確かにステークホルダーとして皆さん方といろいろな形で意見交換をすることが、重要なことではないかと思っております。それが消費者行政の発展にもなりますし、私は、特に地方消費者行政について皆さん方から多くの意見を出していただきたいと思っております。、今日は本当にありがとうございました。

○松本委員長 先ほど石戸谷弁護士が御指摘された、2年前に消費者庁・消費者委員会が国会における修正においてできたときは、基本設計しか行われていなかった。詳細設計は動かしながらやっていくということが、附則がたくさん置かれていることの趣旨だと。とりわけ附則3項は、もともとあった国民生活センターに加えて消費者庁・消費者委員会という3つの組織を、地方消費者行政なども含めるのでしょうけれども、消費者行政全体を強化・充実するためにどうすべきか、3年以内に考えろということが書かれているわけです。その中で、国民生活センターと消費者庁の関係についてのみ議論が先鋭化していったというところがありますが、先ほど来の御指摘、あるいは山口委員が指摘されたように、消費者庁と消費者委員会の事務をどういうふうに切り分けるのか。重なっているように見える部分をどう整理すればいいのか等についても、議論をきちんとしていかなければならないと思います。
消費者委員会が7月15日に出しました意見の中では、新たな検討の場を設けて、その3つの組織の充実・強化のために、全体の在り方を第三者の目から検討すべきだと指摘させていただいております。今後、そういう観点からハイレベルの場がつくられて、議論がされていくことを期待したいと思います。それはそれとして、次期の消費者委員会として、今日、指摘されましたさまざまなことを踏まえて、更に国民、国会の期待に応えて自らの役割を果たしていかれることを希望して、本日の意見交換会を終了させていただきたいと思います。
本日はお忙しい中、御指摘をいただきまして、誠にありがとうございました。

≪閉会≫

(以上)