第18回 消費者委員会 議事録

日時

2010年3月15日(月)10:00~12:00

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
松本委員長、中村委員長代理、池田委員、川戸委員、佐野委員、下谷内委員、田島委員、
日和佐委員、山口委員

【説明者】
消費者安全専門調査会 宇賀座長
消費者安全専門調査会 製品事故情報の公表等に関する調査会 西村座長
消費者庁 内田長官、成田企画課長、野村消費者安全課長、西川企画課企画官

【事務局】
齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.消費者安全専門調査会の運営方針について
3.消費者基本計画について
4.消費者安全の確保に関する基本的な方針について
5.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:14KB)
【資料1】消費者安全専門調査会関連資料 【資料2】 消費者基本計画(素案) (PDF形式:378KB)
【資料3】 消費者安全の確保に関する基本的な方針 (PDF形式:153KB)
(参考資料1) 消費者安全専門調査会委員名簿 (PDF形式:14KB)
(参考資料2) 消費者安全専門調査会設置・運営規程 (PDF形式:18KB)
(追加資料1) 消費者安全専門調査会 製品事故情報の公表等に関する調査会 委員名簿 (PDF形式:12KB)
(追加資料2) 製品事故情報の公表等に関する調査会の公開について (PDF形式:14KB)

≪1.開 会≫

○原事務局長 おはようございます。本日、皆様、お忙しいところお集まりいただきありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会」の第18回の会合を開催したいと思います。
それでは、委員長、よろしくお願いいたします。

○松本委員長 おはようございます。それでは、第18回の委員会の議題に入りたいと思います。
本日は、当初予定しておりました消費安全専門調査会の運営方針に関する議題と、消費者基本計画に関する議題に加えまして、消費者安全の確保に関する基本的な方針についても議題として取り上げたいと思います。

≪2.消費者安全専門調査会の運営方針について≫

○松本委員長 まず、最初に消費者安専門調査会について議論を行いたいと思います。
消費者安全専門調査会については、第4回の委員会におきまして設置することを決定したところですが、その構成員となる専門委員の方々につきましては、参考資料として配付しております名簿の方々が、去る3月1日に発令されております。
この方々に、専門調査会の委員として審議に御参加いただきたいと思います。
なお、櫻井委員、佐野委員、中村委員が、この専門調査会の担当委員として専門調査会の調査審議に参画をいたします。
また、消費者安全専門調査会設置運営規程第2条第3項の規定によりまして、委員長が専門調査会の座長を指名することとなっております。そこで、この中から宇賀克也委員に座長お願いしたいと思います。
それでは、本日は、宇賀座長にお越しいただいておりますので、どうぞメインテーブルにお就きください。
では、早速でございますが、宇賀座長より一言ごあいさつをお願いします。

○宇賀消費者安全専門調査会座長 この消費者委員会の委員の皆様の御助言を得ながら、消費者安全専門調査会の重要な職責を果たしてまいりたいと考えておりますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

○松本委員長 どうぞ、よろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、消費者安全専門調査会の運営方針について議論を行いたいと思います。
運営方針につきましては、事務局において案を作成しておりますので、まず、事務局より説明をお願いいたします。

○齋藤審議官 事務局の齋藤でございます。
まず、参考資料の2(PDF形式:18KB)の消費者委員会消費者安全専門調査会設置・運営規程というものがございますので、そちらをごらんいただきたいと思います。
これは、去る10月26日に消費者委員会決定として、設置・運営規程が定められておりますが、その第3条のところに専門調査会の所掌が書いてございます。
読み上げますと、専門調査会は、以下に掲げる委員会の事務に関連する事項について、委員会の求めに応じて調査審議する。
第1項といたしまして、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故に係る公表において、製品起因か否かが特定できない事故及び製品起因による事故ではないと考えられる案件について、消費者庁長官からの依頼を受け、製品起因による事故か否かを調査審議すること。
第2項として、そのほか消費者安全に関する重要事項について調査審議することとなっております。
いずれの1項、2項につきましても、その上の委員会の求めに応じて調査審議するということがかぶっております関係上、もう一つの紙でございますけれども、資料1-1(PDF形式:16KB)をごらんいただきたいと思いますけれども「消費者安全専門調査会の当面の進め方について(案)」という紙がございますが、これは右肩のところのクレジットは、消費者委員会事務局となっておりますが、これは事務局としてこのような案を考えましたが、この内容について、特に御了解いただければ、これを消費者委員会としてお決めいただきまして、こういった方針に基づきまして専門調査会を運営していっていただければということでございます。
そこで、資料1-1(PDF形式:16KB)の中身でございますけれども、まず「1 趣旨」のところでございますが、第1パラグラフのところは、先ほど読み上げました専門調査会の所掌に関するところを要約して書いてございます。
第2パラグラフのところは、専門調査会で行う作業がどういう意義があるかということで書いているものでございまして、事故情報の集約・公表といったことを作業していく中で、場合によっては消費者安全法に基づく勧告といったようなことにつながるものもあるかもしれない。あるいはそういった勧告を行うに当たって、基礎的作業としての個別の事故情報の評価・点検というものが必要になるということでございます。
また、もう一つの意義といたしましては消費者安全法の附則に施行状況の検討というところが書いてございますので、そういった施行状況の検討をしていく上でも、こういった事故情報の評価・点検といった作業が重要な意味を持っているということであります。
そこで「2 主な審議事項」というところでございますけれども、(1)のところが、消費生活用製品安全法、それから消費者安全法等に基づく事故情報の集約・公表状況の評価・点検ということでございます。
事故情報はいろいろなルート、いろいろな法律に基づいて入ってまいりますけれども、ここでは最初のポツにありますのは消費生活用製品安全法に基づいて事業者から入ってまいります事故情報の集約、公表、原因究明等についての定期的な評価・点検ということでございます。
この作業につきましては、これまで経産省の消費経済審議会の下に置かれました第三者委員会で行われておりますけれども、これを消費者委員会の下部組織、この専門調査会の下に更に調査会を設けていただくことをお願いしたいと思っておりますけれども、その調査会との合同開催という形で行なっていただきたいということでございます。
それから、2つ目は、消費者安全法に基づきまして、行政機関からの消費者事故の情報が集まってまいりますので、こういったものの公表、原因究明等についての定期的な評価・点検といったことも審議事項として考えられる事柄でございます。
以上、2つの法律以外の、特にこれといった法律はないけれども、消費者の皆さん等からいろいろなルートで事故情報が消費者庁に入ってまいりますので、そういった事故情報の対応についての評価・点検といったことも議題に入ってくるのではないかと考えております。
(2)でございますけれども、このような事故情報の集約、評価、点検に関連して、そういった仕事と密接に関連する作業といたしまして、1つ目には、わかりやすい公表・発信の在り方あるいは消費者側の受けとめに関わりますけれども、消費者教育でありますとか、リスクコミュニケーション、そういったことについての調査審議ということも関連して行なっていただいてはいかがか。
2つ目には、事故情報に関する分析、原因究明の在り方についての調査審議というものもあり得るのではないかということでございます。
3つ目には、一定期間経過した後に、それまでの評価、個別の事故情報の評価・点検を踏まえながら、安全法の施行状況等に関する論点整理といったことも調査審議の対象として考えられるのではないかということでございます。
「3 体制」でありますけれども、先ほど申し上げました2の(1)の最初のポツにあります製品事故情報に関する評価・点検を具体的、個別的に行う作業体制といたしまして、製品事故情報の公表等に関する調査会というものを設けていただいてはいかがか。この調査会が経産省の下部組織であります、製品事故判定第三者委員会と合同で作業を行なっていくという形を想定してはいかがかということでございます。
そこで、1枚おめくりいただきまして、ただいまの製品事故情報の公表等に関する調査会の設置につきましては、これは安全専門調査会の設置運営規程上、専門調査会の座長の方から委員会の方にお諮りしてお決めいただくという形になっておりますので、ここでは、一応、専門調査会の座長、ただいま宇賀克也先生に決まりましたので、宇賀克也先生のお名前で消費者委員会にお諮りして同意をいただいた上で設置をしてはいかがかということでございます。
中身といたしましては、まず、名称としましては、1.にありますように、製品事故情報の公表等に関する調査会という名称でございます。
設置の理由といたしましては、個別具体的な製品事故についての評価・点検ということを行うためであるということ。
所掌といたしましては、これは、先ほどの2.の(1)の最初のポツにありました消費生活用製品安全法に基づく、そこに書いてあるような事柄でございますけれども、製品起因か否かが特定できない事故あるいは製品起因による事故ではないと考えられる案件について、製品起因による事故か否か及び公表の在り方を調査審議するということでございます。
以上、事務局として考えられる当面の進め方、それから、調査会の設置ということにつきまして、一応、案として御説明を申し上げました。

○松本委員長 ありがとうございました。それでは、ただいま事務局から提案をなされました、消費者安全専門調査会の運営方針について議論を行いたいと思います。御意見のある方は御発言をお願いいたします。
中村委員、どうぞ。

○中村委員長代理 委員の中村雅人です。基本的に、この資料1-1(PDF形式:16KB)で当面スタートすることには特段異存はないのですが、このたび、この専門調査会が消費者安全に関して発足するに当たって、やはり消費者委員会が消費者安全の分野でどんなことをしなければいけないところなのかという全体像をまず把握した中で、今回スタートする部分の位置づけというものを明確にしておく必要があるだろうと思います。
それから、たまたま今回スタートすることになる消費生活用製品安全法に基づく製品安全の公表の評価については、立ち上げがちょっと遅れたこともあって、過去2回、私と佐野委員がリリーフ登板しておりまして、その中で、実際の会議がどういうふうになされているか、そして、2回出席する中で、いろいろ感じた問題点等もございまして、それらを今日ペーパーにまとめて、宇賀先生のお手元にもお渡ししましたが、こういうことに関連して、一度、今度選任される委員の皆さんと、私どもとの懇談の機会などをもたせていただけたらということも考えております。
今日は時間がないので、余りいちいち読みませんけれども、大体3ページくらいにまとめてみましたので、是非、お目通しいただければと思います。

○松本委員長 ほかに、御意見はございますか。
池田委員、どうぞ。

○池田委員 私は、この専門調査会の発足も、いろんな考え方について異論があるわけではございません。ただ、再三言っておりますけれども、委員の選定とか、そういうことについて、少し私なりの考えあるいは私の感じを少し述べさせていただきます。
少なくとも、こういう委員会というのは、様々な関係者が平等に委員になるよう構成をするのが原則ではないかと思います。そのために、私も消費者委員会で事業者側ということで参加させていただいているということであろうと思います。
ですから、当然、いろんな専門調査会あるいは部会をつくるにおいても、やはりメンバーの中立性といいますか、いろんな分野を代表しているということは、当然考慮されるべきことではないかと思います。今後もいろんな委員会の委員が出てくると思いますので、そういうことは配慮すべきであると思うし、また、この委員メンバー自身がそういうことに対する考え方を委員会できちんと議論をして、委員の選定は事務局の専任事項であるならば、事務局で委員会の意向を踏まえて人選をすべきであると思います。
今日まで、いろいろ下部組織の設置を検討してきましたが、消費者安全専門調査会も含めて、いろんな委員の決定経路を考えますと、委員構成の平等や中立性は、全く配慮されておりません。これは非常に問題であり、消費者委員会の委員として大変不満でありますので、この消費者委員会の席上で、こうした問題点を指摘する発言をさせていただきました。今後は、是非、平等で中立な委員構成にしていただきたいと思います。特に消費者安全とか、事故の公表というのは、我々事業者にとっても最大の関心事であります。事業者がメンバーに入っていないということは、単にヒアリングで済まそうということが見え見えと邪推されてもおかしくはないのではないかと思います。
以上であります。

○松本委員長 事務局の方から何かございますか。

○齋藤審議官 大変重たい発言をいただきましたので、今後、どういうふうに対応していったらいいかということにつきまして、また、よく御相談させていただきたいと思います。

○松本委員長 消費者委員会といたしまして、下部組織をこれからも幾つかつくっていくということになっておりまして、そこにどういう委員の方が入られるかについては、委員のみならず、一般の国民の方も大変関心を持たれることだと思いますので、委員の選任等について、できるだけ偏った印象を与えないように努力していただきたいと思います。
山口委員、どうぞ。

○山口委員 池田さんのおっしゃることはよくわかりますし、御注意いただきたいと思うんですが、私は委員の選任が余りにも遅いということについて一言述べておきたいと思います。
この消費者安全専門調査会をつくるのが決まったのは10月26日というわけですから、それからなんともう5か月近く経っているわけです。ほかの専門調査会その他も、例えば食品表示部会も12月1日に決まっているけれども、まだ委員メンバーが決まらない。
それから、一番私としては注目している地方消費者行政については、12月21日に委員会を設置することが決まっているわけですが、いまだにまだ、だれがメンバーになるかさえも決まっていないという、これは余りにも事務局の作業が遅過ぎるというふうに私は述べておきたいと思います。少なくとも地方消費者行政の専門調査会については、来年12月末までに結論を出さなければいけないということになっていると思うんですが、これで4月か5月にスタートして一体どうなるんだろうかと心配しております。その点、事務局のスタッフが少ないために動きがおそいという事情もわかるし、政務三役の了解を得なければいけないとか、いろいろあるのはわかるんですが、それにしても、どう考えても遅過ぎると思いますので、ここで述べておきたいと思います。

○松本委員長 今の点について山口委員がおっしゃった以上に、何か事務局としてお答えになることはございますか。

○齋藤審議官 まさにおっしゃったとおりでありまして、事務局としては、いろんな制約がある中ではございますけれども、精一杯急いでやりたいと思っておりますし、作業仕掛り中のものもございますが、そういったものにつきましても、できる限り急いで立ち上げられるように今後とも努めてまいりたいと思います。

○原事務局長 1点補足をさせていただきたいのですが、下部組織の立ち上げはやはり消費者委員会が充実した審議をしていくためには必須と考えておりまして、年明け以降、最優先課題で取り組んできたということだけは、御了解いただきたいと思っております。
その意味でも、作業が遅れているということについては事務局としても大変気にしているところではあります。よろしくお願いいたします。

○松本委員長 川戸委員、どうぞ。

○川戸委員 事務局の人数、人手、それからこれだけたくさん重なって、人選が大変なんだろうとは思いますけれども、一番初めに池田委員がおっしゃったように、何で委員の間と相談をしないのか、大枠をきちんとこちらで話し合えば、幾らでも人手はあるわけです。それを全部事務局で抱え込んで、全部1~10まで人選をしようとしている向きがあるわけですね。私も実際に裏でいろいろ頼まれて動きましたけれども、そういう形を初めから取っていないというところが一番問題だと思うんです。これからまだ下部組織ができると思いますけれども、個人の名前を別に当てはめる必要はありませんけれども、今、池田委員の指摘があったように、この中の公平性とか、偏らない、そういうところぐらいは、やはり委員と意思疎通をきちんと図って、そうすればもう少し効率的な、早いスピードでこういうことが決められると私は考えます。

○原事務局長 齋藤審議官から話されましたように、人選の在り方については少し御相談させていただきたいと思いますが、1つだけお話をさせていただきたいと思います。消費者委員会の消費者委員の方々からも、例えば消費者安全専門調査会にはこの方がふさわしいのではないかということの御推薦はいただいております。そういうことも含めて人選作業は進めたということは事実なので発言をさせていただきたいと思います。

○松本委員長 では、下谷内委員。

○下谷内委員 今、推薦したということでおっしゃられましたので、それについてお伺いしたいんですが、私たちは確かに推薦いたしました。それで、何人かの名前を拝見したんですが、今回のこういう立上げに際しては何も聞いていない。先ほどから何人かの委員がおっしゃっていらっしゃいますように、私たちはこういう紙を見て初めてわかるので、そうすると、やはり公平性だとか透明性が欠けているのではないかと思います。
ですから、できれば、私たちは外に漏らすとか、そういうことはまずあり得ないことなので、御相談いただくということを速やかにやっていただきたいということで、先ほど回答されておりますから、そういうことだろうと思いますが、是非よろしくお願いしたいと思います。

○松本委員長 ほかに御意見ございませんか。下部組織の委員の人選に委員がどのように関わるかという問題、これは恐らく今までの他の審議会等の8条機関においては、全くなかったことです。どのようなプロセスで消費者委員会の委員として下部組織の構成の在り方あるいは委員の人選等に関与すべきかについては、前例のなかったことをやっていこうとしているということなので、さまざまに試行錯誤しながら、かつ政治的に決定すべきことと、それから委員会という合議組織で決定していくべきこととの切り分け、どういうふうに分担するのかといった難しい問題もあると思いますから、その辺は政務三役等々とも相談をしながら、一番ふさわしいやり方を考えていく必要があるのではないかと思います。
今後とも委員会の運営の仕方については、少しずつ変わっていく可能性があると思いますので、引き続きさまざまに御意見をお出しいただきたいと思います。
それでは、下部組織設置のプロセス等について遅いという御意見がございまして、そのとおりだと思いますが、本日はこういう形で専門調査会の委員が確定いたしまして、かつ当面の進め方についても今までのところは、特に御異論はなかったというふうに理解をいたしておりますので、このような形で専門調査会として審議を進めていっていただきたいと思います。
それから、専門調査会の下に置かれる調査会を設置するという提案についてでございますが、これについても事務局の提案どおり設置するということでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○松本委員長 ありがとうございました。それでは、原案どおり調査会を設置するということといたします。
なお、消費者安全専門調査会設置運営規程第4条第3項の規定により、調査会に属すべき構成員は委員長が委員、臨時委員及び専門委員のうちから指名することとなっておりますので、ただいまから配付する名簿のとおり指名をいたしたいと思います。
委員名簿が配付されたと思います。この調査会の座長につきましては、消費者安全調査会設置運営規程第4条第4項の規定により、委員長がこの調査会の構成員から指名をするということとなっておりますので、この中から西村隆男委員にお願いしたいと思います。
本日は、西村委員にもここにお越しいただいておりますので、どうぞメインテーブルにお就きください。
それでは、調査会座長として、西村委員の方から一言ごあいさつをお願いします。

○西村製品事故情報の公表等に関する調査会座長 横浜国大の西村でございます。おはようございます。委員長からの御指名ということで、今回、重責ではございますが、微力ながら尽くしてまいりたいと思います。わかりやすい、そして速やかな事故情報の公表に関して、力を尽くしていきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

○松本委員長 なお、本日は西村調査会座長より、調査会の公開に関して委員会に諮るべき案件があるということでございますので、この点につきまして御説明をお願いいたします。

○齋藤審議官 事務局の齋藤ですが、その関係で、今、資料を配りしておりますので、少しお時間をいただきたいと思います。

○松本委員長 配付されましたでしょうか。それでは、西村座長の方から御説明をお願いいたします。

○西村座長 それでは、ただいま配付いただきました資料に関しまして調査会の公開について委員会にお諮りさせていただきたいと存じます。説明につきましては、事務局の方から内容に関してお願いいたしたいと思います。

○齋藤審議官 事務局の齋藤でございます。今、お配りいたしました資料は、製品事故情報の公表等に関する調査会といたしまして、その運営に関わる事柄であるということから、座長であります西村座長から委員会の方にお諮りをするということでございます。
中身といたしましては、まず、開催日時あるいは開催場所についての公開でございます。これは公開するということでございます。
それから、議事の取扱いにつきましては、この調査会は議事の中身からいいまして、個別の企業秘密や、個人情報に関わる事項を取り扱う関係上、会議及び議事録は原則として非公開とする。ただし、議事要旨につきましては調査会開催後速やかにこれを公開するといったような取扱いでいかがかということでございます。

○松本委員長 以上のような調査会の公開についての考え方についての提案ですが、御意見はございますでしょうか。
中村委員、どうぞ。

○中村委員長代理 中村です。製品事故情報については、製造物責任法制定のときに、それから、昨年の消費者庁関連法案の審議のときに、たびたび言われているのは、製品事故に関する情報というのは国民の共有財産である、ということを国会で何度も確認されております。附帯決議にもそういう文言が入っております。
そういう意味からすると、できるだけ公開するという姿勢で臨んでいただきたいのです。そして、過去2回、私もたまたま判定委員会に出席してみましたけれども、具体的にここに書かれているような企業秘密だとか個人情報で困るような部分というのは、実はほとんどありません。大概のことは、公表しても何ら差し支えないことばかりです。ですから、原則が非公開と書かれているのですが、では、どこら辺から例外的な公開にするのかというところがはっきりしません。私はむしろ原則と例外を引っくり返してもいいくらいなのが、実際に出ている資料の中身だと感じております。
そういう意味では、原則非公開ということを、余り正面からうたわれますと、実際の審議あるいは国会で言われている事故情報の共有化、ということに反する可能性があるので、ここは十分注意していただきたいと思います。運用でおやりになるかどうかは別にして、余り原則非公開を強調されるのはいかがなものかと思いますので一言申し上げます。

○松本委員長 西村座長、何か御意見ございますか。

○西村座長 中村委員のおっしゃることは非常によくわかりますし、私も過去数回ですが、合同会議に出させていただいております。企業名が特に外に出るような会議ではなかったと記憶しております。
そういう意味からしますと、若干修正が要るかなという気はいたしますので、この扱いについて、再度事務局と相談をさせていただいてということでもよろしゅうございますでしょうか。
もし、可能であれば、そうさせていただきまして、今、代案を特に用意しているわけではございませんが、中村委員の御発言に基づいて、例えばそれが妥当かどうかわかりませんが、企業秘密、個人情報に関わる場合には非公開にするとか、原則は公開というような形でいくことができるのであれば、それがよりベターだろうとも思います。もしそれが差し支えがあるということであれば、また再度修正を必要とするかもしれませんが、事務局と相談をさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

○松本委員長 事務局から、どうぞ。

○齋藤審議官 今、座長のおっしゃったとおりでよろしいかと思いますけれども、この調査会は経産省の消費経済審議会と合同で開くということがございますので、合同で開く際には相手もありますので、その辺は相手との打ち合わせ等も踏まえて進めていく必要があろうかと思います。
他方、先ほど来御議論がありましたように、どちらかと言えば、事務方の不手際で、ここまで遅くなってきたということがあるんですけれども、処理しなければいけない案件というのも積み上がってきておりますので、スタートとしてはこういう形でスタートさせていただきまして、公開、非公開の扱いについて、当面この扱いでやらせていただきまして、速やかに見直していくと、今、座長のおっしゃったような方向で速やかに見直していくということで、当面はこの形でスタートさせていただいてはいかがかと、案件等を速やかに処理していくという意味におきまして、そういう取扱いをお願いできないかと思います。

○松本委員長 なお、1点付け加えますと、この調査会、経済産業省が専管していた時代のやり方としては、資料についてはすべて公表されております。どういう製品について、どういう事故があったということをどういう企業が報告してきたかということは、公表されております。公表の原案、その事故について製品起因、あるいは製品起因ではないというふうに経済産業省サイドは評価しているけれども、こういう評価の仕分けでいいのかどうかということについて委員から意見を伺うということで、その元になっている資料が出ております。それについてはすべて公開されていて、ただ、その中から何点か具体的なケースを取り上げて審議をしますから、その審議の部分については非公開になっているという形なので、情報が一切非公開であるということではないというところだけは一応御理解をいただきたいと思います。更に審議の部分も公開するかどうかというところが、最後に残っているということだと思います。
佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 今の話なんですが、今後消費者委員会が参加し、今までの経済産業省だけではないということなので、根本的に制度自体を見直してもいいんではないかと思っております。
消費者目線をいかに入れるか、今、中村委員がおっしゃったように、公開できるものはするとか、消費者委員会として消費者の目線を入れていくためには、制度の変更を検討していくべきではないかと考えます。

○松本委員長 それでは、この件については継続的にもう少し検討していただく、専門調査会や調査会のレベルでも検討していただくし、委員会としても検討すると、更にもう一方の審議会、経済産業省の方の審議会との調整もありますから、そういうものを含めて、今後継続的に考えていくという形で、とりあえずスタートしていただくということにしたいと思います。

○齋藤審議官 事務局の齋藤ですが、申し訳ありません。今のとりまとめは、スタートするときは、ただいまのような公開の取扱いでよろしいということでしょうか。それともスタート時点から、調整を済ませたものでスタートするという趣旨でございましょうか。

○松本委員長 調整がすぐに済むならば、すぐにそうすればいいですけれども、そう簡単に済まないという予感がいたします。したがって、調整をしていただくことは必要だけれども、調整が終わるまでは、これをスタートさせないということだと、いつになるかわからないわけですし、全く公開されていないわけではなくて、かなりの部分が公開されている中で、作業を進めていくということはゼロではないわけですから、一定の制約があるにしても進めていっていただくということでいいと思うんですけれども、どうしてもそれはよくないということであれば、いつスタートするかわからないという状況でペンディングということもありえますが、川戸委員、どうぞ。

○川戸委員 どのくらいかかるんですか、やはり基本というのはすごく大事だし、佐野委員がおっしゃったように、ここは新しいとろから始めるわけですから、今、時間がかかるとおっしゃったけれども、その幅がどのくらいかわからないのに、今、軽々に調整でそこら辺をやるというのはおかしいと思うんです。例えば2週間ぐらいだったら、ぱっとここからやればいいと思います。

○松本委員長 恐らくそういうことは、だれも言えないんではないかと思います。

○川戸委員 努力は先にすべきだと思います。

○松本委員長 それでは、延期しましょうか。そういう意見が、もし多いのであれば。ほかの方はどうでしょうか。
日和佐委員、どうぞ。

○日和佐委員 第1回目の調査会の予定は、もう既に組まれているのかどうなのかというところを知りたい。具体的なスケジュールとの関係で議論した方が実質的ではないか。直近に計画されているのであれば難しいかもしれない。少し余裕があるならば、鋭意努力をするという、とても現実的ですけれども。

○松本委員長 池田委員、どうぞ。

○池田委員 私は、スタートすべきだと思います。それでなくても行政の仕事が、今、非常に滞っているので、スピードを上げてやっていき、差し支えのある件は残していけばいいと思うし、もし調整をするならば、ここで我々が「一ヶ月の間に結論を出してください」と期限を決めて要請したらいいと思うんです。その上で、期限までに一つひとつ結論が出なかったら、なぜできなかったかということを報告していただく。そういう方が私は新しいやり方だと思いますし、仕事はせっかく発足したんだから早速やっていただいて、問題のところは期限を切って回答いただくのが私は妥当だと思います。

○松本委員長 下谷内委員、どうぞ。

○下谷内委員 今、おっしゃられたように、案件が先ほど御説明がありましたときに、非常に多くなっているということですので、聞くところによると何十件もあるということなので、速やかに情報を国民に提供するということで進めていただければいいのではないかと思います。
ただ、やはり今、池田委員が言われたように、ある程度期限を切るなり、十分な検討をしていただいて、先を進めていただくということがいいのではないか。何でもかんでも滞ってしまっては、そこはまた困りますので、国民が生活する上で安全・安心が外れていってしまうのは困りますから、できるだけ速やかにやっていただければと思います。

○松本委員長 ほかに御意見ございませんでしょうか。

○日和佐委員 第1回目はいつなのか、予定を教えてください。

○齋藤審議官 まだ安全専門調査会については、実は1週間前に公表するというルールでございまして、遅くともということですけれども、関係する方々に、いきなり公表というわけにもいかないものですから、ただ、来週中には開くということは間違いございません。
それから、その下の調査会につきましては、今、日程調整中で、いつということははっきり申し上げられませんけれども、これは先ほどもお話がありましたように、案件がたまっておりますので、できる限り早く開きたいというふうに考えております。

○松本委員長 ほかに御意見ございませんでしょうか。それでは、これで万全であるというふうに意見が一致しているわけではないけれども、例えば基礎となる資料が公表されている。それから、既に何人かの委員が非公式な形で参加をされておりますが、審議の中身自体が非常にゆがめられてされているという実情があるわけではない。
そういう中で透明性をいかに一層高めるかというのが、ここで言う審議自体を公開するかどうかを議論する場合のポイントになる問題であって、審議がおかしいから、それを是正するというものではないというふうに私は理解をしております。そういう点で、とりあえず原案の形でスタートしていただいて、それに併せて経済産業省の審議会の方と、消費者委員会の中には、審議も公開すべきであるという意見がかなり強いので、原則と例外を引っくり返す形でどのように運営が可能かについて、事務局の方でこれから折衝していただきたいと思います。
先ほど池田委員から1か月ぐらいなら1か月ぐらいということでしたが、これから正式に1回目の合同の調査会がもたれるわけでしょうから、それに向けての打ち合わせ等が必要になってくると思いますので、そのようなプロセスの中で、この透明性の確保について、事務レベルで調整していただきたいと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、以上、御議論いただきました進め方に基づきまして、専門調査会を運営してまいりたいと思います。
宇賀専門調査会座長、西村調査会座長におかれましては、専門調査会、それから調査会における御審議につきまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(宇賀座長、西村座長退室)

≪3.消費者基本計画について≫

○松本委員長 それでは、続きまして消費者基本計画に関する議論を行いたいと思います。
消費者基本計画につきましては、委員会においてもこれまで議論を重ね、前々回の委員会では消費者基本計画に対する委員会としての意見をとりまとめたところでございます。
本日は、内田消費者庁長官にお越しいただいておりますので、委員会としてとりまとめた意見や、あるいは国民の皆様からパブリックコメントにおいて寄せられました御意見等を踏まえまして、修正された点や、現在の調整状況について御説明をいただき、その内容につきまして委員の皆様から御意見を伺いたいと思います。
それでは、内田長官より御説明をお願いいたします。

○内田長官 それでは、今日はお手元に資料2(PDF形式:378KB)ということで、今の時点の素案がお配りをしてございます。
今、委員長からもございましたように、これはパブコメでいただいたもの、それから消費者委員会からいただいた意見あるいは政務三役に各方面から寄せられた御意見等で修正をしたものでございますけれども、各省との調整もまだ継続中でございます。それから衆参の消費者特別委員会の質問の点でも御議論をいただいております。
それから、民主党の内閣府政策会議等でも御議論をいただいていまして、今日の案は政務三役の御判断を仰ぎながら、修正を行っている途上の案というふうに御理解をいただきたいと思います。
それでは、早速、前回から大きく変わった点でございますとか、触れておいた方がいいのかなという点を中心に御説明してまいりたいと思います。
1ページの総論でございますけれども、幾つか少し大きな加筆修正を行っております。左側に各ページ行数が振ってございますので御活用いただければと思います。
1点目は1ページの27行目のところ、行政のパラダイム転換というのがございます。この考え方はもう少しはっきりした方がいいかなということで、29行目からでございますけれども、縦割り的体制のもと行ってきたというこれまでの行政の在り方を消費者の利益の擁護及び増進、消費者の権利の尊重及び自立の支援という観点から改める、これがパラダイム転換なのだという考え方を明記いたしました。
それから、3ページ目でございますけれども、14行目でございます。何か所かに出てまいりますけれども、地方消費者行政に対する支援の重要性、これについてしっかりこの計画で出すという考え方が、まず、この部分で、地方消費者行政については、いわゆる消費者庁関連3法の御審議の中で、国会で強い御指摘があって、それを踏まえて国として力を注いでいくんだという記述をさせていただいております。
以下、これは5ページでございますけれども、こういう記述を受けまして、地方公共団体、消費者団体との連携・協働と消費者政策の実効性の確保・向上という章を設けて、これを前の方に移しました。
6ページに考え方が書いてございますけれども、地方公共団体への支援・連携というところがございます。4行目ですが、ここでは地方消費者行政というのは、消費生活の現場を支える行政であるということと、国の行政の一端を担う行政という2つの側面を明らかにした上で、7行目からですが、相談員を始めとする人材の問題、それから地域の中の連携の問題、それから国と行政現場の双方向の連携を柱に進めていくということ。更にその下ですけれども、集中育成・強化期間には、積極的かつ集中的な取組みを行うこと、それからその後の支援について消費者委員会で御検討いただくということをしっかりと明記をさせていただきました。
戻っていただきまして、4ページでございますが、4ページの22行目からでございます。国民の消費生活において、重要な公共料金等についてはその決定、認可等に当たり、消費者に与える影響を十分に考慮するよう努めるといたしまして、後ほど各論でもこれに関連する政策を位置づけたところでございます。
6ページに進んでいただきまして、一番下に行政組織体制の充実・強化という欄がございます。ここも充実いたしまして、政府のことを最初に書いて、その次に消費者庁のこと、それから3つ目に国民生活センターのことが書いてございますけれども、政府については、6ページの一番下にございますように、消費者の立場に立って政策を十分に遂行し得る体制になっているかどうかという原点。
それから、消費者庁については、消費者を主役とする政府のかじ取り役としての機能が発揮。

○成田企画課長 1行くらいずれております。申し訳ありません。

○内田長官 失礼しました。7ページの一番上に「行政組織体制の充実・強化」とありまして、ここで政府消費者庁、それから国民生活センターそれぞれについて、政府につきましては消費者の立場に立った政策が十分に遂行し得るかどうか。
消費者庁については、消費者を主役とするかじ取り役とするのが発揮されているかどうか。
国民生活センターについては、相談、商品テスト啓発活動の中核機関としての機能が発揮されているかどうか、常にこの原点を明らかにしながら、その点検、確認を図るという方針を出しております。
8ページの一番上でございますが、消費者基本計画の検証・評価・監視の部分がございます。この部分は、この計画が実効性のあるものになるかどうか、大変重要な意味を持つものということでの修正を行いました。
3点ございますが、1つは、13行目になります。もともとこの検証・評価・監視は現在の消費者基本計画では、政府の消費者政策会議を行うということになっておりますけれども、この在り方自身を見直すべきだという御議論は、法案の審議の過程でございました。むしろ消費者委員会中心だという御指摘もございます。
これを踏まえまして13行目になりますが、1つは消費者委員会の消費者行政全般に対する監視機能を最大限に発揮していただいて、まず、取り組むんだという立場を明らかにしたこと。
更に15行目になりますが、検証・評価の結果、これを閣議決定するということで、各省にとって拘束力のある点検を行っていくということをここでは課してございます。
同様に、その結果、この計画の見直しが必要になれば、当然これも閣議決定ということになろうかと思います。
22行目でございますが、この検証・評価のツールとでも言うのでしょうか、この計画をまとめた後、直ちに重点項目について、この計画自身は5年間でございますけれども、更に短めで、できれば2年ぐらいの間に何ができるのかということを明確にした、言わば工程表みたいなものを引き続きつくることにしたらどうか。これをツールに検証・評価を行うという方向をお出ししているところでございます。
それから、各ページにあったのですけれども、各論との関係があるんですが、これから御説明いたしますように、各論はこれまでと少し違いまして、施策の、言わば種類あるいは向いている方向ごとに小項目で再度整理をいたしました。
その上で、この小項目の表題を各ページの、例えば5ページでございますと、5ページの上の方に重点的な取組みといったようなことが書かれております。5行目に、迅速かつ的確な情報の収集以下、これがそれぞれ各論の施策を更に再分類いたしましたときの柱でございます。これで全体の施策体系がわかりやすいようにしたいという記述でございます。これは、主として各論の方の整理を受けて総論もいじったということでございます。
続きまして、9ページから各論になるわけでございますけれども、各論につきましては3点、基本的には可能な限り施策の方向や、進め方が明確になるようにということで、1つはそれぞれの施策の記述の充実を図ったこと、2つ目には、実施時期の表現の工夫をしたこと、3点目は施策の記載順を整理したこと、重要なもの、それから横串的なものをなるべくそれぞれの分類の中で前にということで整理をしております。これもまだ整理途上でございます。
9ページの消費者の権利の尊重の最初の柱であります消費者の安全・安心の確保ですが、ここではアとしまして、先ほど申し上げました施策を更に小項目で分類いたしまして、収集・発信の部分でございます。
主なものとしては、PIO-NETが刷新されます。新しいPIO-NETがうまく機能するようにというための施策。
2番目は、事故情報データバンクを国民に開放する準備を進めております。
3点目は、緊急時の対応の方法。
4点目は、重大事故の拡充についての取組みの方向などでございます。
11ページでは、今度は情報の分析・原因究明でございますけれども、11番のところでは、消費者安全情報総括官制度ですとか、事故情報分析タスクフォース、これは、言わば今、消費者庁が持っております分析の基本的なツールでございますけれども、これに基づいてやっていくということ。
12ページの最後になりますけれども、新しいツールとして、特に独立した調査機関の在り方、これについて最も効果的に機能する仕組みを構築をするという政策として掲げております。平成22年度には直ちに検討に着手して、23年度末までに結論を得るということに今はなっているところでございます。
13ページは、食の安全というふうにくくりました。ここで19番目の施策として書いてありますのは、食品安全基本法で食品安全に関する基本的事項が決められております。これは、実は消費者庁発足前につくられたもので、直ちに体制を整備して見直すということ。それから、リスクコミュニケーション、これもいろいろな御指摘がございます。これについて消費者庁の体制を整備して連携の取れたリスクコミュニケーションの体系を構築していきたいということが書かれてございます。
それから、この食の安全の関係では、食品表示の関係がございますが、15ページの31というところに、実は見出しを出してあります、表示は別にまとめましたので、ここでは頭出しだけにとどめております。
16ページは、これに加えたその他の施策ということで、例えば、32番の施策番号、これは現在、重大事故の概念の中に取引によってこうむった被害が含まれておりません。消費者事故については入っておりますけれども、その上にあります重大事故に入っていないので、例えば情報収集等から、制度的には十分入っていないということがございます。これの拡大の問題。
それから、33番では、子どもを事故から守るプロジェクトのことを記述させていただきました。
18ページでございます。こちらから2つ目の中項目という形になるんでしょうか。消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保ということで、最初のくくりとしては取引の適正化、ここの柱はやはり39番にございます、昨年12月に改正されました特商法の徹底ということ。
19ページでは、48番としまして消費者契約法の見直しについての取組みの話。
20ページでは、50番、賃貸住宅のいわゆる取立屋の問題について法案を国会に提出して、その運用を行う消費者庁も一部共管に、これについてはなる予定でございます。
更に21ページでございますが、58番という施策がございまして、未公開株の取引を利用した詐欺的商法、これについて、今、具体的な対応、検討をいたしておりますけれども、これの7行目くらいになりましょうか、その最後から、情報集約から取り締まりまで一貫的かつ迅速に行う体制を構築する。消費者センターの情報からずっとつないで、取り締まり当局まで一緒にやろうという議論が、今、ほぼ方向が終息しておりまして、こういう体制を組んでこと。
更にその数行後に、いろんな制度を整備・運用の在り方についても検討を行うと書いてありますが、現在議論になっておりますのは、例えば関連する口座の凍結が可能かどうか、あるいは使われている電話の所在をもっと把握できる方法はないかといった議論が、更に進められているところでございます。
22ページでございますが、61番、先ほど総論のところで申し上げましたけれども、公共料金につきまして、消費者庁、消費者委員会がもっと関与する方法がないか、この仕組みの検討を行って措置を講ずるということを、ここで改めて入れさせていただいております。
それから、次の分類では表示の関係でございます。23ページになります。63番景品表示法の運用が柱になります。
更に67番からでございます。67番に書いておりますのは、食品表示に関する一元的な法律の整備という課題がございます。
67の箱に書いておりますのは、一元的表示の前に基盤整備を幾つかやらなければいけません、それを急いでやって取りかかりたいということで、具体的には、それ以降になりますが、68番の原産地表示の拡大、70番になります栄養成分表示の在り方、それから71番にあります食品の期限表示の在り方、それから72番にあります遺伝子組換えの拡大、それから73番にあります健康食品の表示、こういったものを、今、取り組んでおりますけれども、これに答えを出して67番一元化に取りかかっていきたいということが、ここでは書かれてございます。
26ページ、3つ目の中項目、消費者教育でございます。26ページの82番という施策を新たに加えまして、消費者教育推進会議を新たにつくる。これまで文科省と消費者庁の連絡会議がございましたけれども、関係省庁全体を巻き込んだ消費者教育推進会議、これを政務三役レベルにするか、我々レベルにするか、これはまた政務三役と御相談したいと思っておりますけれども、ここ舞台に体系化を具体的に議論をして進めていきたい。これまでいろんな研究成果がございます、こういったものをここに持ち込んで情報を共有しながら体系化をしていく柱となる舞台として、こういったものをつくりたいということでございます。
ここでの主要な課題は、後ほど出てまいりますけれども、新しい学習指導要領推進とか、その支援、それから大学生とか地域での消費者教育の指針づくり、それから効果測定の手法の確立、ここが82番での課題になるだろうと思います。具体的なことを以下に書いてございます。
次の消費者教育の2つ目の分類として学校における消費者教育、88、89が中心でございますが、新学習指導要領、これから順次小中高と適用されてまいります。教科書の整備とか、教員の能力の向上といったことを文科省に進めていただきますが、89番のところで文科省の取組みを支援するということで、副読本や教材の作成、それから教員の研修への協力、こういったことを消費者庁が中心となりまして、こういうところで体系的にこれも進めていきたい。具体的な協議を82番で御紹介しました推進会議になろうと思っております。
それから、28ページでは地域のことでございますが、これは特に新しいものとしては92番になります。いろんな団体をやっているのを、連携の場を具体的につくってみたらどうかという案でございます。
それから、少し飛びまして32ページ、次の中項目ですが、消費者の意見の消費者政策への反映と透明性の確保ということで108番、審議会委員の選任に当たって、生活者・消費者を代表する委員の選任に努めると書いてございます。これは平成20年12月に、かつての国民生活審議会が、生活安心プロジェクトの総点検でまとめた報告の中の宿題の一つだと認識しております。
33ページからは、消費者の被害救済でございます。110番は、今、研究会で私ども進めております、不当収益の剥奪、被害救済の新しい制度、これについては22年、今年の夏に論点の整理を行って、消費者委員会の御意見を聞きながら23年夏に詳細な制度設計も含めた結論を得るということにしてございます。
111番は、改正貸金業法の円滑実施のことが書いてございます。これは、現在、円滑な実施を前提にした対応について、各関係省で議論しております。この成果が間に合えば、是非、この中に組み込んで拡充をしたいと思っているところでございます。
34ページは、ADRの関係のことが書かれております。
36ページからが、先ほど総論でもお話ししました、公共団体、消費者団体との連携、支援の部分でございます。
地方消費者行政につきましては、122番が基本的な施策になると思います。ここでは3つ、地方消費者行政の充実・強化のためのプランで施策を進めていくということ。
中ほどに書いてございますように、地方消費者行政推進本部、これは大臣を座長としておりますが、ここが中心になって実施に当たってということ。
3点目には、ここで消費生活相談員の処遇の改善と基金の一層効果的な活用についての見直しを具体的に検討して、早期に答えを出すということをここでは書かせていただきました。
122番が、言わば集中育成強化期間中の取組みでございますが、123番は、それが終了した後の地方消費者行政についての支援、消費者委員会での検討を踏まえて検討していくという方針を出してございます。平成22年度中に一定の結論を得るんだというふうにしてございます。
ちなみに、122番は、直ちに着手といたしました。
次が38ページ、消費者団体との連携ですが、128番では適格消費者団体への支援。
130番のところでは消費者団体、特に団体が行います公益的な活動についての育成・支援についての方向が、ここで記述されたところでございます。
それから、少し飛ばしていただきまして、41ページから経済社会の発展への対応が環境、高度情報化、国際化でございます。この中で特に44ページの高度情報通信社会の進展に係る施策ということで、152番という施策を加えました。インターネットを始めとする高度情報通信技術を活用した消費者問題に関して、国際的な動向を踏まえて総合的な検討を行うということでございます。
インターネットあるいはITを使った取引は、これまでと同様に、勿論事業主と消費者との間の情報格差等があることは同じなんですけれども、特に取引過程が全く見えないという新しい問題があるんではないかと思っておりまして、これへの消費者体系、これまでとは違うものが必要なのではないか、これについて諸外国の例も踏まえながら、総合的な検討を始めておきたい。次の消費者行政への展開のためにも必要なんだろうということで、この施策を入れさせていただきました。
私の方から、特に御説明をしたいと思いましたのは、以上でございます。
冒頭に申し上げましたように、まだまだいろんなところからの御意見がございます。これを踏まえて、政務三役の御判断を仰ぎながら、大変限られた日程ではございますけれども、精力的にいい基本計画になるように取組みを進めてまいりたいと思いますので、是非御指導をお願いしたいと思います。

○松本委員長 ありがとうございました。それでは、ただいまの内田長官の説明につきまして、どうぞ、御意見、御質問のおありの方はお出しください。
佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 短い間に随分変わりました。随分前進したと思います。
まず、総論について3点意見を申し上げたいと思います。3月3日に消費者委員会として意見を提出いたしました。その中で消費者基本法始め、今後、消費者行政全般に関わる法律制度を見直しするべき、それを視野に入れるべきだということを総論に記載していただきたいというように書きました。多分、具体的施策だと40ページの134番になると思うのですが、消費者庁に移管・共管となった各法律について書かれていますが、これでは不十分だと思います。先ほど消費者安全専門調査会でもありましたけれども、やはり消費者庁ができ、消費者委員会ができたのですから、法律を見直していかないと、消費者庁、消費者委員会ができた意味が半減するのではないかと考えます。是非その辺はきちんと前段の総論で消費者行政は大きく変わるんだと、消費者基本法を含めて、関係法令も行政一元化に向けて見直しが必要であるということをきちんと書いていただきたいと思います。そして、それを具体的にしたものを具体的施策の中に書いていただきたいと思います。
2つ目は、総論の5ページに戻りますが、13行目に書かれています「消費者の意見の消費者政策への反映と透明性の確保」についてです。消費者委員会としては、制度という形で申し上げています。ここに書かれているのは、消費者基本法の十八条をなぞった文章が書かれていて、必要な施策を講ずるとなっております。これが多分、32ページの108、109の部分になると思いますが、これでは余り意味がないような気がします。審議会に消費者代表を入れるとか、情報や相談を受け付ける体制をつくる、ということではなく、私たちが望んでいるのは、消費者の意見が消費者政策に反映される制度です。例えば申出制度とか、パブリックコメントの改善とか、新たな制度の創出などを明記し、思い切った政策にしていただきたいと思います。
それから、3番目は総論の1ページに戻ります。ここはすごく気になった部分です。14行目から始まったところですが、ここによりますと、旧基本計画は、おおむね着実に実施されたと。しかし、いろいろな問題が生じて消費者生活の基盤が変質してきたと書かれており、ここでは施策そのものは着実に実行されたが、何か外部要因があった。行政対応への不信は、施策そのものではなくて外部要因であるというような意味合いに取れます。
でも、現実問題として消費者庁の構想が浮かび上がってきたのは、消費者行政の全面的な見直しが必要であったということであり、多くの企業の不祥事があったり、それを防止できない行政対応があったり、それが縦割りでばらばらであったり、事故米事件もあったり、そういういろいろなことがあって、パラダイムの転換が必要になり、消費者庁、消費者委員会を創設することが国民全員の総意になったと思っています。ここの認識が非常に違うんです。
24行の「このような中」に続けていくに当たっては、今までいろいろな行政の問題があったとか、施策の問題があったということを書いて、そしてこのような中で消費者庁と消費者委員会が創設されたとつなげる方が、すごくすんなりといくのではないかと思います。ここだと、いかにも行政はきちんとやってきましたが、外部要因があったので、うまくいきませんでしたというような感じになっており、違和感があります。是非ここの辺りを見直していただきたいと思います。
それから、具体的施策についていろいろあるんですが、1点だけすごく気になるというか、私たち長年検討してきましたリコール社告についてお話ししたいと思います。食品のリコール社告が、14ページの25のところに書かれております。ここを見る限りでは、これから食品リコール社告の規格化の必要性について、22年度中1年かけて検討する。リコール社告の規格化については、私たちも随分関わってきまして、やっとの思いでJIS化されました。
JIS化といいますと、やはり食品ではなくて工業品が対象になります。いわゆる縦割り行政ですが、縦割りにならないような工夫として、適用範囲を食品関係にも準用できると書きました。ですから、それをうまく活用してリコール社告をつくっていただきたい。リコール社告の規格が必要であるかないかを検討する段階ではないと思います。
消費者から見ますと、リコール社告を見たときに、規格対象が日用品なのか、食品なのかといちいち見ておらず、リコール社告はリコール社告であるわけです。既にJISがあるんですから、それを手本にしながら、同じような形で食品もリコール社告の規格をつくっていただきたいと思います。ですから、これは着手するのではなくて、社告の内容の方に入っていただきたいと思います。
それから、リコールについてもう一つあるのが、10ページの7なんですが、ここでは「消費生活用製品の分野においてリコール情報を」と書かれています。ここもなぜか縦割りで、消費生活用製品ときちんと書かれております。これもやはり分野横断的にきちんとやっていただきたい。リコール社告とかリコール情報というのは、ここには書かれていないんですが、一元化するべきではないかと思っています。ほとんど自主的リコールですけれども、それを1か所に集めてきちんと情報提供していただきたい。
例えば東京都はやっていらっしゃいます。それを7番の消費生活分野だけではなく、全体のリコール社告の在り方ということを書いていただきたい。
具体的施策で言いますと、まだまだいろいろあるんですが、一番気になった部分だけ申し上げました。

○松本委員長 佐野委員の最初の総論的な部分の指摘の3つ目について少し趣旨を明確にしていただくために質問したいんです。つまり、前回の消費者基本計画についての素案の書きぶりだと、計画に書かれたことはおおむね実施されていたけれども、ほかの点で不十分なところがあったから、政府として仕組みを少し変えたと、その書き方はおかしいんではないかという御趣旨ですが、その場合に、消費者基本計画に書かれたことが、着実に実施されてきたという評価が間違っていて、そこが不十分なんだから、いろんな問題が出てきたという御趣旨なのか、それとも、もともとの消費者基本計画自体が不十分だったので、幾らそんな不十分な計画を着実に実施しても、ほかの面でいっぱいぼろが出たのではないかという御趣旨なのか、どちらの御趣旨ですか。

○佐野委員 ここに書かれておりますように、平成18年から20年で、5年間ではなかったわけです。その間に、内閣府としては、消費者行政全般見直しということをスタートしたわけで、やはり不十分だったと私は思っております。それをうまくいった、うまくいったと言われても、もともと不十分だったものなので、そうではないだろうと思うところです。

○松本委員長 もともとの基本計画が十分なものではなかったというところの方が、佐野委員の今の御意見のポイントだということですね。

○佐野委員 はい。

○松本委員長 わかりました。ほかに御意見はございますか。
中村委員、どうぞ。

○中村委員長代理 3月3日に消費者委員会から意見をまとめて、お出ししたことの1点目は、まさに今、佐野さんが言われた、総論の書き出しの部分の書きぶりのウエートの置き方なのですけれども、これは結局、消費者委員会の意見は必ずしも採用されていなくて、そちらから出た元の素案に若干修正が加わった程度なのですが、そこを我々の意見が採用されなかった理由はどこにあるのか、後で御説明いただきたいのが1つ。
それから、我々の3月3日に言った意見は、重点施策として何項目か挙げたのですが、これらはできるだけ具体的に、どこに重点を置いてやるのかということをもっと具体的に言ってほしいというメッセージを含んでおりまして、例えば4ページの重点的な取組みの○の3つ目に、「食の安全・安心を確保するための施策に取り組む」と、こう漠と言っていただいては、ほかの重点的な取組みも全部そうなのですけれども、何か、頑張りますと言っているだけで、非常に個別具体的にどこに重点を置いてやろうとしているのかわからない。
食品の問題については、我々は3月3日に申し上げたのは、食品表示の一元化を図るため、衛生法、JAS法の品質表示にかかる部分を整理統合して、食品表示の新たな立法化を視野に入れた検討を開始するとか、そういう風にもっと具体的に重点施策として打ち出していただけないですかと、そういうメッセージを3月3日にお渡ししたはずなのですが、ここの重点的な取組みの書きぶりはすべて非常に漠然としていて、国民にはこれではどこに重点を置こうとしているのか、具体的に何をやろうとしているのか、なかなか伝わりにくいという気がいたしますので、ここら辺について、もう少し踏み込んでいただきたい。
それから、各論は幾つかあるのですが、基本的に1つは、パブコメの段階で「新規施策」としていろんな提案が国民から出てきているのですが、それが必ずしも十分反映されていない。そこら辺、先ほどまだ制作途上であるという御意見でしたが、「新規施策」だけでも、多分100を超える提案が国民から出ていたと思うのですが、これの扱いをこの先どうされるのかというのが1つ心配なことです。
もう一つは、消費者庁関連法案が国会で審議されたときに、さきほどまで傍聴しておられた末松委員長が帰られてしまって残念なのですが、国会の附帯決議とか附則で、いろいろ宿題が投げかけられておりまして、そういうものを是非今回の5年間の基本計画に反映させてもらいたいと、そのために、国会は附帯決議等を挙げたわけなので、それが全部入っているかと思って見ていますと、例えば参議院の附帯決議の2項にあった各府省庁における消費者行政担当部局の強化という問題については、私は発見できなかったのですが、これはどうなっているのか。
それから、表示、取引、安全の分野における横断的な新法の制定というのも参議院の附帯決議の27項にあるのですが、この辺もない。先ほど言われたけれども、今ある消費者関連法の見直しと同時に、結局それが表示、取引、安全の分野における横断的な新法の制定につながっていくのだと思うのですが、そこのメッセージというか、それが出てきていないのです。
それと、個別で細かいところで少し気になったことを申し上げますと、施策番号128項目のところです。
ここは、多分、参議院の附帯決議を反映するおつもりで書かれたのだと思うのですが、微妙に違っていまして、参議院の附帯決議の29項では、「適格消費者団体を始め、消費者被害の情報収集、消費者への啓発等を行う消費者団体に対し、関係する情報を提供するとともに、活動のための施設や資金の確保等の支援の在り方について検討を行い、必要な措置を講ずること」と書かれているのです。
ところが、128番になりますと、そうは書いていないのです。差止請求関係業務の遂行に必要な資金の確保、その他の支援の在り方について見直しを行う、になってしまうのです。これは非常に微妙な表現に変わっている。
その後に、4行目以下に、「そのため、適格消費者団体が自主的に資金を確保するための手法、人材の育成確保等の手法の調査・開発を含めて調査・研究を行う」と。要するに、国会の附帯決議では、政府や国の支援ということを念頭に支援の在り方について検討を行うのだと書かれていたと、私は理解しているのですが、基本計画の今の128施策番号だと、消費者団体が自主的に資金を確保するための手法を考えなさいというふうに読み取れるのです。
こういうふうに何か当初附帯決議で言われたことと、微妙にニュアンスをすり変えたというか、違ってきているような気がしているので、この辺はちょっといかがかというのが気になりましたので、1つ指摘しておきます。

○松本委員長 今、御質問の部分が若干ありましたが、それについて消費者庁の方から御回答願えますか。

○内田長官 わかりました。佐野委員の話も踏まえてでございますが、まず1ページのところは、私も基本的に、例えば佐野さんがおっしゃったような認識と認識は変わっていないんだろうと思うんです。
今、もう一回よく見てみようと思ったのは、これまでの旧基本計画の施策が概ね着実に実施してきたという、この分恐らく、これまで消費者政策会で行ってきた評価・点検の結果を書いたものだろうと思うんですが、正確かどうかもう一度確認したいと思います。
その後に書いてございますことを、これは、つまり健全な消費生活を支えてきた基盤を変えていくような事故が起きている。それから、行政への不信が起きている、これはとても大きなことで、単にうまくやったけれども、ちょっと外から何か変わったねという記述ではないと思いを書いておりますけれども、御趣旨が十分くみ取れないということであれば、そこはもう一度よく見てみたいと思います。
それから、重点項目を国民からたくさんいただきまして、どうなったんだろうかということですが、恐らく、今、書いている施策だけでも、平成24年度の通常国会に一体何本法律をうちは出さなければいけないのかと、きちんと精査してみようと思っておりますけれども、いただいた施策をどこまでこなせるのかといったこともしっかり点検をしながら、どの施策を入れていくかは、政務三役と十分御判断を仰ぎながら選択をしていくのかなというふうに考えております。
それから、附帯決議との関係、これも御指摘いただきましたので、もう一度子細に点検をしてみたいと思います。
その中で、1つは、各省の消費者行政の組織のありようについての御指摘だったと思います。
それから、さっき佐野さんがおっしゃった消費者の意見を反映していくこと。これはいずれも、先ほど少し申し上げましたけれども、平成20年の12月にかつての国民生活審議会が出しました、つまり我が国の行政を消費者目線ですべて総点検をしてみようということで出された大きな宿題の1つだと思っております。
それで、先ほど御説明しましたように、総論のところで、行政施策の各省の機関の在り方、これが消費者の立場に立った施策の推進なっているかどうかを踏まえながら、充実と書きました。
私自身は率直に言って、ここから先は消費者委員会に少し汗をかいていただけないだろうかと内心は思っております。つまり、国民生活審議会で行政を総点検した。その結果として、例えば私の記憶としては事前規制型の人員をもう少し消費者行政的な、事後救済的なところに回すべきだとか、そういったことが国民生活審議会から宿題として出されたと思っております。
これに具体的にまだ取り組めていないのは確かなんですけれども、国生審の総点検の結果をどういうふうに、現状どうなっているのかという点検はできれば消費者委員会にやっていただければいいなと。その先に見えてくるものが施策になってくるんだろうと思っております。
同様に、先ほど佐野さんがおっしゃった消費者の意見の反映というところも、先ほどのパブコメのありようとか、それから、確かいろんな消費者問題に関わる審議をするときには消費者委員会とこれらの委員会との、例えば合同でやるべきではないかとか、あるいはむしろ消費者委員会を前置すべきだというような御議論もあったやに記憶をしておりますけれども、そういったことも含めて国生審で出された点検の評価があって、その先に施策がもっと強力に組み立てていけるのかなと私は思っております。
したがって、例えば行政機関については、今の時点では総論で書いたということでございます。

○中村委員長代理 適格消費者団体に関する質問について、回答をお願いします。

○内田長官 先ほど申し上げたように、いろんなところで附帯決議と表現と、それから我々の考えていることのすり合わせをもう一回点検をしてみたいと思います。

○松本委員長 川戸委員、それから下谷内委員、どうぞ。

○川戸委員 今、中村委員長代理、それから佐野委員の質問に対するお答えを、私は聞きたかったんですけれども、お答えくださらなかったようで、まず1番初め、消費者委員会からの申入れで、やはりパラダイムシフトというものを頭にもってきて、ここの書きぶりを変えてほしいといったにもかかわらず、それはこのままになったのはどうしてかというのが1つ。
それから、やはり附帯決議に伴って、新しい法律をつくったり、法律の見直しをするべきであるということが総論に書かれていない。ここをどうするか、やってほしいという、それに対するお答え、この時点で答えていただきますか。

○内田長官 パラダイム転換については、先ほど申し上げたように、趣旨は同じだと思っておりました。
それで、もう一つ別の意見で、これまでの旧計画のありようをしっかり記述すべきであるという意見が別のところから出されておりましたので、こういう記述が入って、それで、パラダイム転換の意味をもう少しはっきり書くということで、これは消費者委員会の御意見でもあろうと思いました。
それで、趣旨がもう少しだなということの御意見などで、もう一回見てみますよということを先ほどお答え申し上げたつもりでおります。
それから、施策でしたか、これについても、先ほど申し上げたように、今、入っている施策でもなかなか消費者庁のキャパを超えているのかと心配を少ししているんですけれども、そういったものをもう一回整理をして、それで三役に御相談をしたい。
それを総論でどういうふうに書くかは、これは考えさせていただきたいと思います。

○松本委員長 下谷内委員、どうぞ。

○下谷内委員 かなりのパブコメ等、いろんな意見の中でこれだけまとめられたことに対しては評価をしたいと思いますが、今まで何人かの委員が申し上げましたところは省かせていただいて、全くそのとおりだと感じております。
具体的なところで少し私の関心がありましたのは、地方消費者行政も含めてなんですけれども、まず、48番の契約法に関することですが、多少変えていただいた民法改正の議論と連携して検討するということで、以前はたしか審議状況を見ながらということがありましたので、ここは別に同時にやってほしいということを、私は意見として書いたつもりです。連携して検討するというのは、時間がかかるのかなと思っておりますので、実施時期では前段については問題の把握を行うということになっていますが、やはり時間がかかるのかなというように思いましたので、できるだけ早いうちに動かしていただきたいというのが1点ございます。
それから、国民生活センターの120番が、2か所に入れていただきまして、ありがとうございます。
ここの中でちょっと言葉だけなんですが、消費者からの直接相談について受付体制を強化し、こればよろしいかと思います。次以降なんですが、一番下に係る言葉が、消費生活センターからの経由相談だけに係るのか、そこもわからないので直接相談は受付体制を強化して、別に経由相談については、各地の相談窓口を支援するために、内容に応じた助言や情報提供のほか、必要に応じて事業者とのあっせんを行うということになっておりますが、本来これは直接相談においてもされるべきとのはずですが、下のところの経由相談に係るようにしか読めないんですが、これはどういうことなんでしょうか。

○内田長官 恐らく直接相談は自分が相談を受けているので、そこからあっせんまで行くのはある意味で当たり前で、経由相談というのは、本来、地方のセンターでやっておられることも相談なんだけれども、それもあっせんまでお手伝いしますよということを、確認的に書いたんだろうと思います。

○下谷内委員 現実に、経由相談に3つのタイプがありまして、助言をするのと、それから連携してやるのと、国民生活センターが引き取ってあっせん業務を行うというのもありますので、この書きぶりであったらば、直接相談は受付だけですと、消費者ダイヤルみたいになってしまうと思うんです。
そうではなくて、直接相談がもっと充実しないとこの経由相談もできないわけですので、そこのところが明確にわかるようにしていただけるといいのではないかというに思います。
あとは、122番のところに書いていただきましたが、直ちに着手するということでありますので、都道府県や市町村の首長さんたちも何かつくられておられるところも幾つかはあるんですが、それが何か動いていないようなところもあるように伺っておりますので、それらを消費者庁が積極的に動かすように司令塔としてやっていただければいいのではないかというふうに思います。
それから、適格消費者団体のことなんですが、128番でございます。先ほど中村委員が言いましたように、附帯決議と違っているのが非常に残念なので、そこは今、長官もそれについては見直しをするということをおっしゃっていただいたので助かりますが、適格消費者団体が自主的に資金を確保するためと言われましても、私どものようなところはなかなか資金を自主的に確保するというのは非常に難しゅうございます。ですから、附帯決議に沿ったような形で是非ここのところを修正していただけるようにお願いしたいと思います。適格消費者団体はほとんどお金を持っておりませんので、是非よろしくお願いしたいと思います。
以上です。

○松本委員長 山口委員、どうぞ。

○山口委員 例えば18番の事故調査機関の問題、それから49番の特定商取引法については改正も含めて検討するとか、未公開株の問題について58番で相当踏み込んで再検討をやられておりまして、従前に比べたら随分前進したなと評価したいと思います。
先ほど長官も言いましたけれども、本当にこれから宿題がたくさんあると思いますので、私が一番心配するのは、今の消費者庁の人員と予算で、本当にできるのかというふうに非常に心配ですので、これは私どもも協力しますので是非人員と予算の確保をやっていただいて、もうこれは言うだけではなくて、やっていただけなければ困るので是非お願いしたいと思います。
それを踏まえた上で、3点だけ、大小交えて申し上げたいと思います。
1つはリコール制度です。どうもこの条項を見ていますと、8番の自動車の問題を含めて、運用をちゃんとやりますとしか書かれていないんですが、リコール制度の在り方についてもう一回検討するということ、これは消費者委員会でも、今、調査検討中なんですが、一歩踏み込んで現状のままでいいんだではなくて、国土交通省も含めて、前原大臣も何か考えますと言っていますし、やはりここは、現在のリコール制度は諸外国と随分違いますので、やり方も含めて考えますということで一歩踏み込んで、制度検討をいただけないのかというのが1つです。
それから、これは小さいけれどもかなり深刻な問題なのは、20ページの52、53のリフォーム業者の問題でありまして、500万円未満の工事については、登録なしで誰でも何でもできることになっておりまして、要するにリフォーム業者がお年寄りにいろんなことを働きかけて、1,000万円の工事を500万円ずつ2つの契約に分けて、無届で適当にやってふんだくられてみたり、その種の問題がかなり発生しております。これは国土交通省と協議して、500万円未満の修理工事をやる業者についても一定の登録制度その他検討していただきたい。現状は非常に深刻な問題がいろいろ起こっておりますので、これを検討するという一歩踏み込んでいただけないだろうかと思います。
3番目は、高齢者問題です。御案内のとおり、これから高齢者社会になるわけで、その点について総論にも余り、私どもは随分高齢者問題をやってくださいということで注文したはずなんですが、余り表現が総論にも出てきませんし、各論の中でも一生懸命探しているんだけれどもどうも出てこないようです。
現実に3月13日には、高齢者の施設について、7人でしたか、焼死するという事件が起こりましたし、相次いでそういう焼死事件も起こっております。
また、これは消費者委員会でも検討していきたいと思っているんですが、要するに、入所するに当たって預けた権利金、保証金等は出るときには戻ってこない、あるいは非常に高額で償却の基準が不明確等の契約問題のクレームが、あるいは深刻な相談が寄せられております。ところがこれはどうも168項目の中には1つも入っていないように思います。啓蒙に努めるということはあるんですが、是非もう一歩踏み込んで、厚労省とも相談して、今のままではいけないと思いますので、一歩踏み込んでどうするのか検討しますということを出していただきたいと思います。

○松本委員長 ほかにございませんか。
日和佐委員、どうぞ。

○日和佐委員 今日御提示いただきました案の位置づけについてもう少し詳しくお話しいただきたいと思うんです。前よりか随分、実施機関等が具体的になって、施策もかなり踏み込んでわかりやすくなってきたと思っておりますけれど、これらのいわゆる具体的な施策、今日提示していただいたのは、これはもうこれ以後、提案として変更があるのかないのかです。今日御提示いただいたのは、一応、この段階では確定ということなのかどうなのかということと、まだ、今、作業途中だとおっしゃいましたね。ですから、これを御提示いただいたのは、大体何%ぐらいのところの作業過程なのか、そういうことを少し伺っておかないと細かいことを申し上げてもそれが一体どうなるかというのは非常に気になるので、そこを、まず、全体的なスケジュール感ですが御説明をいただきたいと思います。それとこの位置づけについて御説明いただきたい。
もう一つ意見として、申し上げたいのは、8ページの検証・評価・監視のところが非常に重要だと思っております。
そして20ページのところに、重要課題を選択して、その具体的な工程を明確化してそれを評価基準にしていくという記述があるわけなんですけれども、これがもう少し具体的に書かれていくと、重要課題は一体どういうものであるのか、それから工程を明確化するのは時期的にはいつごろなのであるか、この辺りがもう少し具体的に明示をしていただけると、もっとわかりやすくなるというように思いますので、その辺りは御意見として伺いたいと思います。

○松本委員長 それでは、長官の方からお願いいたします。

○内田長官 この案の位置づけということなんですが、作業過程というのが、一番正確な言葉で、各省との調整を要しておりません。こちらの方は、恐らく今書いているよりも後退する方向に向かっていく可能性のある、どこまでかはわかりません、このまま行くのかもしれませんが、ほんの少し残っている。
更に御意見があるのかと思っていますのは、今日の消費者委員会からもきっとあると思っておりますし、それから、先ほど申し上げたように、議会の方ですとか、党の方でもいろいろ御議論がなされておりますので、まだあると思っております。
これで何%かと言われるとなかなかお答えしづらくて、なるべく、まあいいかなというところは、この辺で時間も限られておりますので収められればと思っておりますが、重要な施策については、まだ、これから議論が短い時間ですけれどもあると思っております。
もう一つは、毎年閣議決定で評価・点検の結果、それからそれに必要な見直しということをやりましたので、一部は歩きながら、走りながら考えるという部分が残ってもやむを得ないのかなという感じもしております。
そうすると、おしりがなくなりますので、私としては、なるべく3月に方向を出したいと思いますが、そこでどうしてもまとまらないことにつきましては、引き続き評価・点検の中でやっていくというのもあり得べしと思っております。
それに関連して何が重要項目かいうことについては、この基本計画がまとまった後、直ちに引き続きの作業に入りたいと思っておりまして、どれを重点項目にするかということから御相談かなと思っております。どれを選びますかということを含めてです。
できれば、ここまで詰まり切るかどうかわかりませんが、私はできれば、今年、来年はどうなっているのかというようなことにしたいと思っとりますし、そう思えば、来年度の概算要求前までにその工程表ができ上がっている必要があるのかなと思っています。我が身の能力を考えずに言えば、そういうことかと今は思っております。

○松本委員長 ほかにございませんでしょうか。それでは、消費者庁におかれましては、本日、委員からさまざま出されました意見をしっかりと受けとめていただいて、基本計画の次の段階の案に反映できるよう、関係省庁と調整を進めていただきたいと思います。
また、内田長官から、消費者委員会に対して御注文があったと私は受けとめております。すなわち、ちょうど今から2年前に国民生活審議会として、行政の総点検の報告書を出しましたが、そこでは本当にさまざまな考えが盛り込まれていたと思います。そのごく一部が、消費者庁設置の段階で実行されたにとどまっていて、まだまだ積み残している部分が多数あると思います。それについての点検あるいはフォローアップを消費者委員会として是非やっていただきたいという御注文を受けましたので、委員会としてもそれに向けて、どういうふうに取り組めるか、今後検討していきたいと思います。
どうもありがとうございました。

≪4.消費者安全の確保に関する基本的な方針について≫

○松本委員長 続きまして、消費者安全の確保に関する基本的な方針に関する議論を行いたいと思います。
消費者安全の確保に関する基本的な方針につきましては、これまで委員会としても意見を述べてきたところでございますが、本日はこれまで委員会が述べてきた意見や、あるいはパブリックコメントで国民の皆様から寄せられました御意見等を受けて修正をした案について消費者庁より御説明をいただき、その内容について委員の皆様より意見をいただきたいと思います。
それでは、この件は、成田企画課長から御説明をお願いいたします。

○成田企画課長 それでは、消費者安全の確保に関する基本的な方針の案(PDF形式:153KB)につきまして御説明をさせていただきます。
消費者安全法に基づく基本方針の策定につきましては、1月29日の消費者委員会において案を御説明させていただきまして御意見を伺った後、基本計画と並行いたしまして2月3日から23日間で御意見の募集を行い、その結果につきまして3月3日の委員会において御報告させていただいたところでございます。
いただいた御意見を踏まえまして、基本方針の案を修正したものを作成いたしましたので、変更点を中心に御報告申し上げます。
まず、1ページの12行目からでございますけれども、エレベーター事故に関する記述も追加すべきという御意見をいただきましたので、その記述を追加しております。
1ページの下の方の28行目でございますが、消費者事故情報のフローに事業者も加えるべきというような御意見をいただいておりますので、「その他関係者」ということを追加しております。
2ページの7行目でございますが、「消費者被害の実態を適切に把握し」ということを追加してはどうかという御意見がございましたので、これを追加しております。
3ページの3行目あるいは20行目になりますけれども、消費生活センターは、相談を受けるだけではなくて解決することを目的とするため、「相談し解決を図る」とにすべきではないかという御意見をいただいておりますので、これを修正しております。
少し先に行きまして、5ページの15行目辺りですけれども、ここは「ルールの透明性を確保することにより、事業者の行政への対応への予見可能性を高める」と書いてございますが、これは、従来の書きぶりが少しわかりにくいのではないかという御指摘をいただきましたので、修正しております。
その下の20行目辺りからでございますが、注意喚起情報の公表を行う際に、連携をする対象として、学校組織などを加えるべきではないかというような御意見をいただいておりますので、「教育関係団体」などを追加してございます。
それから、同じく26行目辺りですけれども、情報公表のルールを明確化することと、その後の機密情報の取扱いや公表することによって生ずる問題等については、並列に書くべきではないかという御意見をいただきましたので、そういう形にしております。
7ページの「第4」のところでございますが、政策評価の結果は公表すべきではないかという御意見をいただきましたので、21行目にその旨を明記しております。
25行目、「第5」の見出しでございますが、この見出しは、従来、「その他消費者安全の確保に関する重要事項」となっておりましたけれども、消費者委員会におきましても、ここに記載されております消費者教育、リスクコミュニケーション、取引表示の適正化などは、消費者安全法に記載されていなくても重要な事項であるという御指摘をいただいておりましたので、今回、「消費者安全の確保を支える重要事項」ということで、見出しを変更しております。
そのほか、意見募集で細かい字句の修正等につきましても、御意見をいただいておりましたので、これについても適宜修正しております。
この基本方針案につきましても、今後、消費者委員会や関係行政機関の御意見を伺った上で、前回、年度内に策定できればというようなことを申し上げたところでございますけれども、他方で、内閣府政策会議分科会、民主党の議員政策研究会などからも御意見をいただいておりますので、こういった御意見に今後どのように対応していくのかという検討もしていきたいと考えているところでございます。
簡単ではございますが、以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして何か御意見、御質問はございますでしょうか。
中村委員、どうぞ。

○中村委員長代理 中村ですが、最初の書出しのところで、3つの事件が確かに書いてあるのですが、この位置づけが少し違うような気がします。ガス湯沸かし器の一酸化炭素中毒の事故は、まさに関係行政機関が縦割りばらばらに事故情報を持っていて、共有化していなかった。だから行政対応が遅れたという問題が浮かび上がったわけで、これだと、情報の伝達の問題だとガス湯沸かし器事件を位置づけているのですが、むしろ、行政内部における縦割りばらばらな情報の保有、一元化されていないという状況がまさに問題で、事故防止措置の執行が遅れたというとこがやはり最大の問題なので、そういう位置づけで、もし、このガス湯沸かし器の事故を引用するなら、そう書くべきだと思います。
それから、エレベーター事故についても、あれは何が問題だったかというと、原因究明する機関がないということが、今日まだ尾を引いて問題になっているわけで、ここの書きぶりだと、単に事故情報の収集について関係省庁間での緊密な連携協力、これが不十分であったという指摘をされております。これはやはりそうではないので、そこら辺はもう少し書きぶりを、せっかく事件名を書き上げてくださるのはいいのですけれども、実態と少し違いますので、書きぶりを書くならば変えていただかないと、このままこれが内閣の基本的な方針として引用された記述だというのでは、ちょっといかがかと思いますので、是非ここは書き改めていただきたいと思います。

○松本委員長 ほかに御意見はございますか。
佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 何回も申し上げているような気がするんですが、子ども、高齢者、障がい者のところに、なぜ妊産婦が入らないのか。毎回毎回妊産婦を入れてほしいと言っておりますが、妊産婦というのは、アルコール問題、医薬品問題とかいろいろ配慮すべき対象だと思っています。なぜ入れていただけないのか説明していただければありがたいんですが。

○松本委員長 成田企画課長、お願いします。

○成田企画課長 例えば、情報を提供すべき内容や、対応がおそらく高齢者、障害者と少し違うのかなと思い、今、並列に入れておりませんが、改めて検討したいと思います。

○松本委員長 山口委員、どうぞ。

○山口委員 今の点は、消費者基本計画も同じなんです。高齢者、子どもさん、障害者のほかに妊産婦も入れてほしいということで私どもは希望しているんですが、消費者基本計画の中にも入っていないんですけれども、当然と言えば当然なんだけれども、でも、1か所ぐらい入れてもらってもいいんではないかと思うんですけれども。

○松本委員長 恐らく、消費者基本計画といいましょうか、消費者行政として、英語で言うバルネラブル・ピープル、被害を受けやすい人々について特別の施策を取るという場合に、どういう方々を1つにくくるかというのは、今後にも影響がある大きな問題だと思います。あるいは外国人労働者の方が増えているわけで、日本語が十分でない方に対してどう情報を伝えるのかというのも1つの問題になると思います。そういう中で、伝統的には高齢者、障害者、子どもというのはよく挙げられてきたけれども、それ以外に、どういう方々を一くくりにして政策的に掲げるかということについては御検討をきちんとしていただきたいと思います。
どうぞ。

○佐野委員 4ページの事故の関係なんですけれども、17行目くらいから、警察、消防機関、保健所、病院、消費者団体、その他関係者の間の緊密な連携が図られるようと書かれていますが、事故情報データバンクの参画団体の中に、警察も消防署も病院も入っていないような気がします。どのような形で、連携を図られるんでしょうか。

○成田企画課長 4ページ15行目からの前段は、消費者基本法の法律の条文そのまま引いておりまして、地方公共団体において、その連携が図られるように、例えばそれぞれの自治体の中で、連絡調整の場を設けるというようなことが考えられるのではないかということで御提示しているというのが、全体の表現になっております。

○内田長官 中央省庁レベルでは、情報総括官会議というのをつくって、こういう共有がなされていますが、地方ではまだないんです。
それで、我々の側から見ても、やや困ったなと思っているのは、我々が情報を一元的に集める。それを地方自治体の方に返してほしいとおっしゃるんです、これは当然だと思うんですが、今は、例えば保健所の情報は厚生労働省経由できたり、警察、都道府県警の情報は警察庁経由で、それから消防の情報は、総務省経由で我々のところに集まってきます。
そこを一元的にお返しするときには、ここの中で情報共有の体制ができていないと返せないといった問題とかが起きていまして、今、申し上げているのは、そういうレベルでいずれも、消費者安全法の世界の情報収集の対象になっているグループでございます。それは地域でも連携をしてもらいたいというのがここでの言い方、データバンクと直接つながるものではないと思います。

○松本委員長 ほかに、御意見ございませんでしょうか。
それでは、この方針案につきましては、まだ、今後ともさまざまな方面からの意見を反映して変わっていく可能性があるということでございますので、消費者庁におかれましては、本日、委員から出されました意見についてしっかりと検討していっていただきたいと思います。

≪5.閉 会≫

○松本委員長 本日の議題は以上でございますが、事務局より次回日程について発言がございます。
どうぞ、お願いいたします。

○原事務局長 どうもありがとうございました。次回の委員会は、大変急な日程になってしまいますが、今週金曜日3月19日の3時からを予定しております。消費者基本計画の策定の作業との関係で、急遽19日に開催をさせていただきたいと思います。案件につきましては、それに加えて、また、少し加えるものがあるかもしれませんので、検討したいと思っております。
急な開催になりましたので、委員におかれましては日程の都合がつかないということで、御出席がかなわない方がありますことを、ちょっと御了承をいただきたいというふうに思っております。
事務局からは、以上です。

○松本委員長 どうぞ。

○山口委員 未公開株、それからリコール制度の検討等を消費者委員会で独自に取組みを始めている問題もあるわけですが、是非、前から申し上げておりますが、高齢者の住まいの問題、これもかなり深刻な問題でありまして、先ほども少し言いましたけれども、現実に死亡事故も起こっておりまして、更には、いわゆる老人ホームの契約問題もかなり深刻な問題がありますので、私どもも委員として調査をしていきたいと思いますが、是非委員会としても取り上げて、何らかの提言なりをしていただくように、委員会としても是非全体として取り組んでいただくようにお願いいたします。

○松本委員長 ありがとうございました。それでは、本日の委員会はこれにて閉会とさせていただきます。
お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

(以上)