第22回 新開発食品調査部会 新開発食品評価第二調査会 議事録

日時

2017年2月17日(金)10:00から10:33

場所

消費者委員会会議室

出席者

【委員】
山田委員、清水委員、石見委員、門脇委員、鈴木委員
【説明者】
消費者庁 食品表示企画課
【参考人】
参考人1名
【事務局】
丸山参事官、新開発食品担当

議事次第

  1. 開会
  2. 特定保健用食品の表示許可に係る調査審議
    【継続審議品目(1件)】
    (1)「□□」(フジッコ株式会社)
  3. 閉会

その他

 本調査会の議事については、新開発食品調査部会設置・運営規程第6条第2項に基づき、個別品目の審査内容が許可申請を行っている事業者の権利または利益を侵害するおそれがあるため、非公開とします。

≪1.開会≫

○消費者委員会事務局 時間が参りましたので、始めさせていただきたいと思います。

本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから「新開発食品評価第二調査会」第22回の会合を開催いたします。

本日は、飯野委員、岩崎委員、木内委員、木元委員、和田委員から御欠席の御連絡をいただいております。参考人といたしまして、□□から□□先生においでいただいております。

それでは、議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

お配りしている資料ですが、議事次第の下に付いておりますように、資料1から3、参考資料となっております。また、後ろの机に審査申請書等の審議資料を御用意いたしております。適宜ご覧いただければと思います。

不足の資料がございましたら、審議の途中でも事務局にお申しつけください。

なお、配付資料・審議内容については、公開を前提としていない情報も含まれておりますので、お取り扱いに御注意いただきますようお願い申し上げます。

では、山田座長、以後の進行をよろしくお願いいたします。

○山田座長 皆さん、おはようございます。

では、本日の議事に移ります。

本日の会議は、新開発食品調査部会設置運営規程第6条第2項に基づき、非公開とします。

第3項で開示することを定められている非公開の理由は、個別品目の審査内容を公開することが許可申請を行っている事業者の権利及び利益を侵害するおそれがあるためです。

議事録は、新開発食品調査部会及び調査会議事録の公開基準に定めるところにより、非公開項目を議事録から削除して公開します。

審議に入る前に、本日の審議品目に関して、申し合わせに基づく寄附金等の受け取りの有無と、申請資料に対する委員の関与について確認しておきたいと思います。

事務局からお願いいたします。

○消費者委員会事務局 申し合わせに基づいて、今回の審議品目の申請者からの寄附金等の受け取りについて事前に確認させていただいたところ、審議に御参加いただけない委員はいらっしゃいませんでした。また、申請資料に対する関与についても、該当する委員はいらっしゃいませんでした。

報告は以上でございます。

○山田座長 ありがとうございます。

ただいま報告について御質問はございませんか。


≪2.特定保健用食品の表示許可に係る調査審議≫

【継続審議品目】

(1)「□□」(フジッコ株式会社)

○□□委員 それでは、審議に入りたいと思います。

本日の審議品目は、フジッコ株式会社の「□□」についてです。平成27年12月に指摘事項を発出しておりましたが、回答がありましたので、その内容について審議したいと思います。

それでは、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

○消費者委員会事務局 初めに、資料2をごらんいただけますでしょうか。

これまでの審議経過は、平成27年9月15日に諮問、平成27年11月13日、第20回第二調査会で継続審議となっております。

この「□□」は、既許可品の類似品として申請されております。

資料3をご覧ください。申請品と既許可品の比較表を作成しました。

既許可品になります「□□」は、許可が□□にされております。これの類似品としまして、今回「□□」が申請されております。

違いといたしましては、赤字で示させていただきました。内容量が□□、賞味期限が製造日より6カ月間、関与成分量、その他につきましては同一でございます。許可を受けようとする表示も同じでございます。また、摂取上の注意につきましても同じでございます。

下の栄養成分表のところでございますけれども、1本当たり□□になっておりまして、エネルギー量が□□、□□と、幾らか少なくなっております。

資料2に戻っていただけますでしょうか。第20回第二調査会で出しました主な指摘事項と回答でございます。

指摘事項は、「申請品は平成13年の許可時に示された根拠をそのまま使用しており、平成26年10月30日付け消食表第259号特定保健用食品の表示許可等について、別添2特定保健用食品申請に係る申請書作成上の留意事項の内容を満たしていない。また、前回の許可から14年が経過しており、その後、大豆イソフラボンに関する科学的知見は数多く出されている状況と認識している。最新知見を検証、追加提出し、現在、提出されている過去の試験資料で申請品の表示許可ができることを示されたい。もしくは、現在の基準を満たす試験を実施されたい。」

回答の概要といたしまして、最新の知見を調査し、その結果を踏まえた上で、申請した許可表示は可能との考察でございます。

それでは、回答書をご覧いただけますでしょうか。回答書は、メタ解析臨床論文、システマティックレビュー、エクオールの作用について、骨粗しょう症薬との比較試験、手術後閉経患者での治験、骨吸収マーカーの評価について、項目ごとにまとめてございます。

回答を読ませていただきます。

大豆イソフラボンの女性の更年期障害に伴う骨量の減少に対する効果は、平成13年以降も多くの論文により、その臨床的な有効性が述べられており、それらの論文を評価するメタ解析論文も報告されている。また、腸内細菌の代謝物であるエクオールに関する報告も多い。さらに、より進んだ研究として、新規の骨粗しょう症薬と比較検討した論文や、子宮・卵巣摘出手術後閉経の患者に、ホルモン剤の代替療法として利用された報告などが認められる。

また、ここ10年間で骨の強度は、骨密度だけでなく、骨の質も統合されて決定すべきと定義され、骨の基質の評価に関するコラーゲンの代謝マーカーであるデオキシピリジノリンの測定が、早期の薬剤効果を測定するため重要視されている。そして、大豆イソフラボン摂取による尿中のデオキシピリジノリンの排出抑制作用が従来より評価されているところであり、骨の強度への効果を裏づけるものと考えられる。

1)メタ解析臨床論文でございますけれども、平成13年の許可後に公表された国内論文と海外論文について検索を行ったところ、表1に示すメタ解析論文は公表されており、いずれのメタ解析論文も大豆イソフラボンの骨吸収マーカーのデオキシピリジノリンの抑制作用について有意な作用であることが評価されている。

ページを1枚めくっていただけますでしょうか。次に、2)としまして、システマティックレビューについてでございます。2016年12月にシステマティックレビューが公開されている。イソフラボンの摂取が、閉経後女性の骨の健康に資することが評価されている。

下から4行目でございます。3)としまして、エクオールの作用について。近年、腸内細菌の働きによって、ダイゼインから代謝されるエクオールに関する研究が行われており、骨吸収を抑制する作用についてもより効果を大きくする報告が多数ある。明確な論文を得るためには、今後さらなる検証が必要である。

ページを2枚めくっていただけますでしょうか。4)としまして、骨粗しょう薬との比較試験でございます。ビスフォスフォネート系の第3世代の強力な骨粗しょう薬のリセドロン酸と大豆イソフラボン組成が異なる5つのサプリメントのクロスオーバー比較試験が実施され、カルシウム保持力について、リセドロン酸よりもやや弱い作用ではあったが、大豆イソフラボンサプリメントについても、プラセボに比較して有意な増加が確認された。

5)手術後閉経患者での治験でございます。子宮・卵巣全摘出手術後の閉経女性の重度の血管運動神経阻害に対して、女性ホルモンの代替として大豆イソフラボン摂取で著明に改善されたことが報告されている。

6)としまして、骨吸収マーカーの評価について。日本骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイドライン2012年版には、骨の強度は、骨密度と骨の質が統合されて決定され、骨の質とは骨の微細構造、骨代謝回転、微小ダメージの蓄積、石灰化の程度及びコラーゲンなどの骨基質の特性により規定されるものとあり、各種の骨吸収抑制薬が実臨床の場に導入されたことにより、疫学研究によって骨粗しょう症による骨折の発生が低下していることも明らかになっていると記載されている。さらに、実際の臨床現場であるエストロゲン補充治療法や骨吸収抑制製剤の投与により、デオキシピリジノリンの早期の低下と、それに伴う骨量の増加が確認されているとある。

一番最後に、結論といたしまして、大豆イソフラボンの閉経女性に対する骨の維持効果については、従来の試験論文において認められるところであり、さらに最新のメタ解析においても、次のページをめくっていただきまして、イソフラボン摂取によるデオキシピリジノリンの低下について、肯定的に評価されている。また、2016年に発表されたシステマティックレビューでは、イソフラボンの摂取が骨密度に対しても有効性を示すことが評価されている。エクオールについては、産生者の方がイソフラボンを摂取した際の骨吸収抑制作用が大きいという報告もある。

本品については、動物試験及びヒト試験においても、骨代謝マーカーの有意な低下が比較的短期間で認められており、上記の最近の治験も踏まえた上で、骨の維持効果が期待できるため、申請した許可表示は可能と考えられる。という内容の回答でございます。

資料1でございますけれども、本日、御欠席の委員の方々から審議品目に関するコメントがございましたので、紹介させていただきます。

□□委員からでございますけれども、「レビューの考察の箇所で、申請品目に含まれる大豆イソフラボン量(□□)と、日常的に摂取する大豆イソフラボンの量、レビューに利用されているレポートで使われている関与成分の量について比較したコメントがあれば、さらによいと考えますが、要請ではありません。」

□□委員からでございますけれども、「標記調査会における審議品目につきまして、お送りいただいた資料を拝見し、検討しましたが、指摘事項にも対応していて、特に問題となる点はないように思えました。」

報告は以上でございます。

○□□委員 ありがとうございました。

それでは、ただいまの報告に対して、御意見等いただきたいと思います。どなたか御意見はございませんでしょうか。

どうぞ、□□委員。

○□□委員 回答書を拝見しまして、新しい論文、特にメタ解析の論文とシステマティックレビューということで、たくさんの報告をまとめた資料をお示しいただいて、個々の発表では、ヒト試験については、イソフラボンの有効性について、摂取形態とか介入期間とか摂取量で不一致になる場合がありますけれども、全体、統計的に処理すると、恐らく骨の健康の維持に有効であろうということは言ってよいと判断されますので、骨のカルシウムを維持するという許可表示は、現時点でもよろしいのではないかと考えます。

特に、本申請については、尿中のデオキシピリジノリンの排泄抑制を見ていますので、骨密度までは言っておりませんので、閉経後女性の骨代謝マーカーの一つである、特に骨吸収の指標となっているデオキシピリジノリンの排泄を抑制しているということで、現時点においても許可表示は有効なのではないかと判断されると思います。

委員の先生のコメントにあったように、量的なことも問題であるとは思うのですが、メタ解析の資料1、大豆イソフラボン22.7から126mgということもありますし、それから、資料2につきましても、大豆イソフラボンを14mgから114mgということなので、期間については短いものは余りないのですけれども、量的には申請品の□□、これは□□ということなので、範囲には入っているのではないかと思います。

あと、気になるのは、指摘が、許可表示ができることを示されたいということですが、もう少しこれらの論文について、安全性についても触れられているところがあれば、書き出していただきたかったなというのが私の意見です。

以上です。

○□□委員 ありがとうございました。

指摘事項の中で、既許可品が出てから約12年たった時点で、サイエンティフィックに変化していないかということをきちんと示されたいというものだったと思います。また、測定方法等も変化なく、10年前のもので適切かどうかも説明してくださいといったことだったと思いますが、その点については、方法論は現在も行われているものですので、今のところいいのかなと思いますし、御意見がいろいろ出ていますけれども、多くの場合には肯定的な御意見のようでございます。

何かそのほかに御意見は。

先生、どうぞ。

○□□委員 □□委員の言うとおりなのですけれども、平成13年から28年、15年たって、時代の流れでイソフラボンというものが、いろいろな論文を通して認めてこられたと思います。ただ、ちょっと注意喚起として気をつけなくちゃいけないのはエストロゲン作用のほうで、例えば乳がんとか子宮がんのある方が過量投与された場合とか、あと、骨代謝のほうですが、今、骨粗しょう症の薬が週1回、月1回でいいように過量投与されるようになってきているので、時代の流れとして、骨粗しょう症に対して皆さん、注目されていて、同時に治療薬がかなり広まっています。

注意してほしいのは、骨代謝に対する作用とエストロゲン作用が過量投与にならないかということで、注意喚起として、たくさんとってよいものではないということを入れておいたほうがいいのではないかと思います。

□□としても、日本人として30mgぐらいまでなら過量投与ではない。ただ、諸外国のフランス、イタリアとか、ほかの外国では、アメリカなどでは、過量投与による副作用も論文が出ていますので、そういう意味では過量投与はよくないような感じを一応入れておいたほうがいいかなと思います。

それから、一番初めに認められたときの成分の中に□□とあるのですが、これは風味をつけるためのものですか。□□というものに対するアレルギーを起こす人もあるので、これもアレルギーがある人には注目すべきところを入れておいたほうがいいと思います。

以上です。

○□□委員 ありがとうございました。

□□委員のほうからは、特に薬剤投与と併用している方に対する注意喚起と、もう一つは、アレルギーということで、□□というものが入っているので、書くとすればどうでしょう。大豆アレルギーの体質の方や□□と名指しで言ったほうがいいのでしょうか。

○□□委員 と思います。入っていると。どうでしょうか。

○□□委員 僕は、アレルギーの場合、ちょっとわからないので、どなたか。

どうぞ。

○消費者委員会事務局 特定原材料もしくは推奨の中にはないものだと理解しております。普通に売られている清涼飲料水、お茶系のものでも、ブレンドしている原材料の中に□□が入っていると、製品の後ろの原材料表示のところに書いてあるものもあります。このため、注意喚起を特保の場合だけさせるのは、なかなか難しいのかなとは思います。

○□□委員 原材料の表示のところには、□□という名前で入っているのでしたか。原材料名のところに□□と書いてあるので、消費者のアレルギーを持っている人はすごく敏感ですから、そこで書いてあるということでいいのではないでしょうか。

○□□委員 最近、そういうことにすごく繊細な方が多いので、ありがとうございます。

○□□委員 それから、もう一点の注意喚起の中で、ほかの食品からのイソフラボン、あるいは医療機関で医薬として、このような骨粗しょう症に対応するものをとっている方々への注意喚起ということですけれども、どうでしょうか。

○□□委員 この中に、医療機関にかかっている方は医師に御相談くださいとありますので、ここを注目してもらえばいいことはいいのですけれども、忘れられると困りますね。

○□□委員 □□委員からの御意見、もっともであります。ただ、摂取上の注意のところに、過剰はやめてください。それから、ほかのイソフラボン等との併用は注意してください。妊娠・授乳中の方はお控えくださいと書いてありますが、今のようなことで言えば、「大豆アレルギー体質の方や」から始まって、「相談ください」を「妊娠」の前に持っていくとか、言葉で言うならばその程度かなと思いますけれども、何か御意見はありませんか。

はい。

○□□委員 この注意喚起の順番というのは、恐らく食品安全委員会が出したイソフラボンを含む特定保健用食品に関する報告書の中に書かれている順番のようですので、ここをばらすのはいかがかなと思います。

その後、医療機関にかかっている方のところに、骨粗しょう症治療薬を服用している方と入れるかどうかというところでしょうか。それは、他の特定保健用食品で医薬品との相互作用について書かれている場合があるのであれば、入れてもよいかなと思います。

○□□委員 確認ですけれども、もし強調する場合には、この順番は食品安全委員会において議論された結果であるということですけれども、これは許可表示には骨粗しょう症という言葉は入っていないですね。入れちゃいけないですから、「医療機関にかかっている方」で、もうぎりぎりでしょうか。ここに「医薬品を投与されている方は」までと書くと、特定保健用食品という本筋から外れるかもしれないので、先生のお気持ちは重々わかりますが、かえって特定保健用食品の使用目的者というか、誰でもとっていいのだという、健常人であっても、病床にある人でも、ということになってしまうような気がしますので、基本的には特定保健用食品というのは健康な人に対してということですから、「医療機関にかかっている方は」ということで収めていくほうが自然だと私は思います。

ありがとうございました。

そのほかに何か意見はございませんか。よろしいですか。

それでは、この審議結果を整理して、処理について確認したいと思います。今の時点では、この回答書をもって承認というのでしょうか、原案のとおり了承することにしたいと思います。このことについて、何か御意見はございませんか。それでは、ありがとうございます。


≪4.閉会≫

○山田座長 本日の個別審議は以上でございますので、次に事務局のほうから何か連絡事項などはございませんでしょうか。

○消費者委員会事務局 御審議いただき、ありがとうございました。

次回の開催でございますが、現在、日程調整中でございますが、5月を予定しております。改めて御連絡をさせていただきます。

○山田座長 本日はこれにて閉会とさせていただきます。

ありがとうございました。

(以上)