第1回 加工食品の表示に関する調査会 議事録

日時

2013年12月25日(水)9:00~12:08

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
宇理須座長、安達座長代理、池戸委員、池原委員、石川委員、鬼武委員、栗山委員、河野委員、立石委員
【オブザーバー】
阿久澤委員、夏目委員、板倉委員、宮地委員
【説明者】
消費者庁 竹田食品表示企画課長、平山企画官、谷口課長補佐、船田課長補佐
【事務局】
小田事務局長、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 表示責任を有する者等の整理について
  3. 食品表示基準における加工食品の表示方法等の作成方針について
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○大貫参事官 時間になりましたので、始めさせていただきます。
年末、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、
「加工食品の表示に関する調査会」の第1回会合を開催します。
加工食品の表示に関する調査会は本日が初めての会合となります。お手元、参考資料3に本調査会の委員名簿をおつけしております。本日は、全委員が御出席予定で、定足数を満たしております。
なお、オブザーバーとして、消費者委員会の阿久澤委員、夏目委員、食品表示部会の板倉委員、宮地委員が参加されています。部会において、オブザーバーも御発言いただけることが確認されていますので、活発な御議論をお願いいたします。
本調査会の座長は、11月26日の「第137回消費者委員会本会議」において、宇理須厚雄委員が河上委員長から指名されております。
議事に入る前に配付資料の確認をさせていただきます。
お配りしております資料は、議事次第の配付資料一覧のとおりです。鬼武委員御提出のコメントペーパーが参考資料1、立石委員御提出のコメントペーパーが参考資料2-1、2-2となっております。
委員のお手元には、このほか、グレーのファイル、青のファイル、机上配付資料がお配りしてあります。
不足の資料がありましたら、事務局に御連絡ください。
本日も多くの傍聴の方が来られていますので、マイクに近づいて発言いただきますようお願いいたします。
それでは、宇理須座長に議事進行をお願いいたします。

○宇理須座長 消費者委員会臨時委員の宇理須です。よろしくお願いします。消費者委員会の河上委員長より御指名を受け、加工食品の表示に関する調査会の座長を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
座長代理につきましては、食品表示部会設置・運営規程第4条第5項により、座長が指名することになっております。私からお願い申し上げますが、安達玲子委員にお願いしたいと思います。安達委員は、食品中に含まれるアレルギー物質の分野で深い造詣を持っておられますし、さまざまな知識、経験をお持ちでございます。ぜひ、座長代理を安達委員にお願いしたいと思います。

○安達座長代理 御指名をいただきました安達でございます。お引き受けさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○宇理須座長 本日は、消費者庁から竹田食品表示企画課長に御出席いただいております。御挨拶をお願いいたします。

○竹田食品表示企画課長 食品表示企画課長の竹田でございます。
きょうは、年末のお忙しい時期の開催となりましたけれども、委員の皆様におかれましては、御出席をいただきまして、ありがとうございます。感謝申し上げます。この調査会につきましては、今期2回の食品表示部会の御議論をいただいて、加工食品の食品表示基準の統合・整理について御審議をいただくことになっております。御案内のとおり、食品衛生法、JAS法に基づきまして、多くの食品表示基準がございますけれども、こちらをきれいに整理・統合していただくために、これから皆様に調査審議いただきたいと思っております。その際には、繰り返し申し上げておりますけれども、消費者の方の求める情報、事業者の方々の実行可能性、商品の生産にかかわる方、流通にかかわる方、商品をお求めになられる方々、皆様にとってわかりやすく商品選択に資するものを仕上げていきたいと考えております。
きょうは、私どもの提案として、一つは、表示に責任を有する者、表示責任者の整理。それから、加工食品の食品表示基準の統合に向けた考え方、作業方針をお示しいたしまして、皆様にさまざまな角度から、大所高所からの御議論を賜りたいと考えております。時間に限りはございますけれども、より内容の深い御審議をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
簡単ですが、挨拶にかえさせていただきます。

○宇理須座長 どうもありがとうございました。
それでは、本日の議題に入りたいと思います。本日は、「今後の検討課題(案)」、「表示責任を有する者等の整理について」及び「食品表示基準における加工食品の表示方法等の作成方針について」を議題として取り上げております。
早速、1番目の今後の検討課題及び表示責任を有する者等の整理について、議論に入りたいと思います。
それでは、消費者庁から資料の御説明をお願いいたします。

≪2.表示責任を有する者等の整理について≫

○平山企画官 消費者庁食品表示企画課の平山でございます。
まず、私から、座長から御指示のございました課題につきまして、資料1、資料2に沿って御説明したいと思っております。
資料1、1枚紙でございますけれども、ごらんいただければと思います。「今後の検討課題(案)」となっております。この加工食品の調査会の今後の検討課題を示したものでございます。
まず最初に、第1回調査会、きょうでございますけれども、2つの課題、「表示責任を有する者等の整理について」「食品表示基準における加工食品の表示方法等の作成方針について」、これらについて御議論いただきたいと思っております。順次、加工食品関係のJAS法の個別品質表示基準の整理・統合について、インストア販売等に係る表示事項の取扱いについての検討、レイアウト、文字の大きさの検討、アレルギー表示については括弧してございますけれども、代替表記の見直しや個別表示、一括表示などの表示方法の整理、それから、加工食品関係の用語の統一というふうにやりたいと思っております。
これらは、先日の部会の中で課題ということで申し上げたものでございます。基本的にはこの順に御議論をいただきたいと思いますけれども、3つ目の個別品質表示基準の整理・統合はボリュームがございますので、都合3回ぐらいに分けて御議論いただいてはどうかと思っております。並行してインストア販売、レイアウト、文字の大きさの検討などについては3月ぐらいまでの間に御議論いただきたいと存じております。
なお、最後の加工食品関係の用語の統一は、議論の中で折に触れ整理したいと思っております。ですから、用語の統一だけの回ということではなくて、基準の整理・統合の中であわせて御議論賜りたいと思っております。
検討課題は以上でございます。続いて、資料2に移りたいと思います。「表示責任を有する者等の整理について」というタイトルがございます。左側にページ数を振っておりますので、それをごらんいただければと思っております。
2ページは目次でございます。基本的に現行のルールを見ながら、食品表示法のもとでどういったルールにしたらいいかという形で説明をしていきたいと思っております。
まず、3ページをごらんいただきたいと思います。現行ルールに基づく実際の表示例でございます。その下に文書を書いてございますけれども、加工食品につきましては、JAS法、食品衛生法それぞれに基づきまして、事業者の氏名や住所について表示する義務を課しております。現行ルールをまず確認した上で、新しい食品表示制度におけるこれらの義務について整理をしたいと思っております。
下に現行のJAS法と食品衛生法に基づく実際の表示例を掲げてございます。ここでポイントになるのは一番下、赤い枠で囲った部分でございます。上段に販売者と書いてございます。これはJAS法に基づく表示です。この表示内容に責任を有する方の氏名と住所について書かれています。この場合は、「販売者・○○株式会社」の方が表示内容について責任を持っているということでございます。この例は、表示に責任を持つ方と製造者が違うケースです。その下に製造者のお名前を書いていただいております。これは食品衛生法に基づく表示ということで、実際に製造や加工などを行っている方とその所在地に書いていただきます。この場合、「■■株式会社」が製造者でございます。これが実際の表示例ということでございます。
4ページは目次でございますので、5ページに進んでいただきたいと存じます。ここでは、食品表示法のルールを再度確認しておきたいと思います。食品表示法における食品関連事業者の義務でございますが、まず、最初のマルでございます。食品表示法第5条という規定がございますけれども、そこでは、食品関連事業者等は、食品表示基準に従った表示がなされていない食品を販売してはならないこととされています。その販売には、販売以外の譲渡を含むということでございます。逆に言うと、食品を売る場合にはきちっと基準に従って表示していただくということでございます。
下に※1と書いてございますけれども、ここでいう食品関連事業者等という場合は、いわゆる事業者の方に加えて、業としてではなく、単に販売する方を含めています。あと、「販売以外の譲渡を含む」ということでございますけれども、所有権の移転を伴わない行為は「販売」には含まれないということでございます。ですので、下に例が書いてございますが、単なる運送を行う運送業者の方、倉庫業者の方などは販売には当たらないので、食品関連事業者等にはあたらないということでございます。
2つ目のマルでございますけれども、「また」とございます。食品表示基準違反に対する指示、命令、罰則など、いろいろな措置がございますけれども、これは、表示を実際に付している事業者の方だけではなく、表示が付されている商品を仕入れて販売を行う事業者、これも食品関連事業者として広く対象としているところでございます。ですので、最後のマル、「このため」ということですが、食品表示に関して一義的に指示、命令などの対象となるのは、基本的には責任をもって表示した方ですけれども、既に表示がされた食品を仕入れて販売する事業者につきましても、仮に食品表示基準に従った表示がなされていない場合につきましては、それを売った場合、指示、命令などの措置の対象になり得るということでございます。
※2と書いてございますけれども、これは基本的に現行のJAS法なり食品表示法も同じでございます。正しい表示がなされていないものを売った場合には、その方も措置などの対応になり得るということです。実際に措置をするかどうかは別でございますけれども、一応、対象者になり得るということでございます。
6ページ、7ページは、措置の対象となるものを書いているものでございますので、ここは省略させていただきたいと存じます。
8ページは、表示責任を有する者に係る現行ルールを整理しております。ここでは現行のJAS法について整理しております。加工食品につきましては、一括表示欄に「表示内容に責任を有する者」の氏名及び住所を記載することとされております。理由は、簡単に書いてございますけれども、加工食品の内容を最もよく把握している方に表示の責任を負っていただくのが適当であろうということでございます。
小さい字で条文が書いてございますけれども、JAS法、それに基づく加工食品品質表示基準です。一番下をごらんいただきますと、加工食品品質表示基準の4条(9)がございまして、製造業者などの氏名または名称及び住所につきましては、「製造業者等のうち表示内容に責任を有する者の氏名または名称及び住所を記載すること」ということで、ルール上も、表示内容に責任を有する方の氏名、住所を書くことになっております。
9ページにまいります。ここは、新しい食品表示法の中でどうしたらいいかということで、最初のマルをごらんいただきますと、現行のJAS法につきましては、表示内容に責任を有する方に関する表示を規定する趣旨、これについては食品表示法のもとでも変わるものではないだろうということでございますので、食品表示基準におきましても、表示内容に責任を有する方の氏名、住所の表示が必要であろうと思っております。
2つ目のマルでございますけれども、食品表示法は、名称、アレルゲン、保存の方法、期限表示など、いろいろな情報を表示を通じて消費者に提供することを想定しています。ですので、当該食品の内容を最もよく把握している方に表示の責任は発生するだろうということでございます。そういう意味でも、JAS法の考えを引き継ぐことが妥当ではないかと思っております。括弧でございますけれども、「販売者や製造者に限定されない」というのは、例えば、ルール上、販売者だとか、ルール上、製造者だと決めることなく、それぞれの形態に合わせて特定することで表示内容に責任を持つという整理が一番適当なのではないかということでございます。この点につきましては、生鮮食品や添加物においても基本的には変わるものではないと思っております。
下に一つ、例を掲げてございます。これが一番典型的な例かと思いますけれども、食品メーカーAの方が消費者向けのポテトチップスをつくっているということで、その方が既に表示をしている。この方が食品の内容を一番よく御存じということでございますので、製造業または表示責任者Aというように表示をしていただいて、スーパーマーケットB、小売を通じて消費者の手元に販売していただくということでございます。一番下に小さく書いてございますけれども、現行のJAS法のルールの中では、表示内容に責任を持つ方が複数おられる場合がございます。同等程度の責任を有する方が複数おられる場合は、行政側が「この人」というふうに決めるわけではなく、当事者間の合意によって決めることになっておりますので、食品表示法の中でも、同等程度の責任を有する方が複数おられる場合は、合意で決めていただいても結構だというふうにしたいと思っているところでございます。
10ページをごらんいただきますと、例えば販売者だ、製造者だということにしないということによって、いろいろな流通実態に対応することが可能だと思っております。販売者、製造者を特定した場合、必ずしも販売者でない方が表示責任者になる場合があり得ますので、そういう場合に対応できるということでございます。下に幾つか例を掲げてございますけれども、例えば販売者と決めた場合、実際に販売者以外の方が表示責任者である場合は、今、御紹介した例でございますけれども、製造者が自分のブランドでつくっている場合については、この方が一番よく食品の内容を御存じなので、やはり製造者が表示責任者になるべきであろうということでございます。
仮に製造者を表示責任者と規定すべきでない場合の例というのは、実際にはつくっている方がいるわけですが、そうではなくて、例えばポツの2つ目、プライベートブランドの商品。ある大手の流通の方が企画をして、それを製造メーカーに依頼するといった場合、小売業者の方が企画・開発をしているということですので、基本的に表示の内容の責任についてはその方が負うべきだろうということで、その場合には製造者と別になる可能性があるということでございます。
以下、順次、例をお示ししながら御説明したいと思っております。
11ページは、現行のJAS法についての整理を書いております。表示責任者については、製造者、加工者である場合のほか、販売者、輸入者がございますけれども、従来のJAS法の考えに基づきまして、基本的には製造者、加工者、販売者輸入者と欄名に表示することになっております。
「しかしながら」とございますけれども、例えば製造者、加工者のいずれに該当するかわかりにくいということもあり、事業者の方も判断に迷うことがございますので、その判断のためのコストは、商品の価格に反映される可能性もあるということです。片や消費者にとっては、製造者、加工者というよりも、誰が表示内容に責任を持つのかということが明らかなことが重要と考えられます。例えば、製造者、加工者などの表現の代わりに、新しい提案でございますが、「表示責任者」と記載することも可能としてはどうかと思っているところでございます。
12ページ以下が具体的な例でございます。12ページは、先ほどの例と同じでございます。基本的には食品メーカーAの方がつくっているということですので、ここでは、製造者または表示責任者Aと書いていただいてはどうかと思っております。
13ページ以降は、若干複雑になりますけれども、大手食品メーカーDの方が食品を企画・開発をしている。それを食品メーカーCの方に委託してつくっていただく場合、開発した大手食品メーカーの方がD、実際に表示する方は食品メーカーCですので、表示責任者Dと書いていただくのが適当かと思っております。実際には「販売者または表示責任者D」となろうかと思います。
14ページは若干似た例でございますけれども、スーパーマーケット、いわゆる小売の方でございます。小売の方が商品の企画・開発をした上で食品メーカーFの方に製造を委託している場合でございます。この場合も、スーパーマーケットGの方が企画・開発をしているという関係でございますので、表示には、「販売者または表示責任者G」と表現してはどうかと思っております。
15ページは輸入の場合でございます。海外でつくられたものを国内の輸入商社Kの方が輸入して、国内に流通させるということがございます。基本的には国内輸入商社Kの方が表示の責任を負うということで、実際には、表示は「輸入者または表示責任者K」という形で国内に流通してはどうかということでございます。
16ページでございます。今、JAS法に基づいて説明してまいりまして、今回、3法、食品衛生法と健康増進法をあわせるということでございますけれども、食品の内容を最もよく把握している者を表示させる、表示責任者にすることにつきましては、食品衛生法、健康増進法についても基本的に考え方は同じでございます。JAS法の考え方をもとに表示することで大丈夫ではないか、ということを検証したところでございます。
17ページ以下は、3ページで製造者と表記があった、いわゆる食品衛生法に基づく表示についてでございます。18ページをごらんいただきますと、「実際に製造や加工を行う場所について」というタイトルがございます。現行の食品衛生法は、当該食品につきまして、最終的に衛生上のリスクが生じる製造や加工を行う場所、輸入品については、海外でつくられるということがございますので、輸入した者の営業所在地でございますけれども、それを表示していただくことになっております。理由は、食品衛生法上の問題が生じた場合、その食品が実際につくられた場所などに立入調査をし、危害拡大防止のために迅速に是正を求める必要があるということでございます。
食品表示法におきましても、食品衛生法の考え方、「実際に製造や加工を行う場所」に関する表示を規定している趣旨につきましては、基本的には必要性は変わるものではないということで、その思想は引き継ぐということでございます。
ただ、食品表示基準につきましては、この場所を表すのに、新しい提案でございますけれども、「食品工場等」という用語を使ってはどうかと思っております。従来は製造者という表現がございまして、確かに製造、加工という概念はございますけれども、実際に境界線上に立たれる方がおられますので、なかなかわかりにくいということがございますので、それを包括して、消費者の方にわかりやすい、まさに食品工場だということがわかる用語ということで、食品工場。工場以外もございますので、「等」をつけておりますけれども、まさにつくられた場所がイメージできる表現にしてはどうかという提案でございます。
ただ、輸入品につきましては、実際に海外でつくられているケースが多いと思いますので、欄名を「輸入者営業所」なり「輸入元」ということで、輸入した者の所在地がわかるようにしてはどうかということでございます。
19ページは、13ページの例を引きうつして整理しております。大手食品メーカーDの方が企画・開発した食品の関係でございますけれども、この場合、販売者または表示責任者につきましては、先ほどの御説明のとおり、表示責任者Dを表示するということです。この場合、実際には、食品メーカーCの方がつくられているということでございますので、実際の表記につきましては、「食品工場等C」と書いてはどうかということでございます。実際、衛生上のリスクが起こるのは食品メーカーCということでございます。
20ページ以下は、実際に食品表示基準に基づいた表示はどうかということでございまして、21ページにその具体例がございます。先ほどごらんいただきました3ページの例と同じものが、食品表示基準へ移ったらどうなるかということでございます。基本的には対象者は変わらないということですが、表示内容に責任を有する者の表示の事項の欄につきましては、「販売者」または「表示責任者」等。先ほど、製造者とあったところにつきましては、「食品工場等」という表記にしてはどうかということでございます。
この際、「販売者」または「表示責任者」につきまして、上の段の※に小さく書いてございまして、これも一つの新しい提案ですが、表示責任者の電話番号、メールアドレスなどの情報は、消費者からの問い合わせに役立つことがございますので、その表示を推奨という形にしてはどうかと思っております。今でも、かなり表示していただいておりますけれども、それを基準上も表示していただくことが望ましいということにしてはどうかと思っております。
一番下の※に書いてございます製造所固有記号の取扱いにつきましては、別途、この調査会において御議論いただきたいと思っておりますので、その際はよろしくお願い申し上げます。
大変駆け足でございましたけれども、私の説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

○宇理須座長 どうもありがとうございました。
「表示責任を有する者等」の新しい考え方。しかし、ほとんどが前方向を追従するといいましょうか、それを少し変えるというところであったと思いますけれども、この点に関しまして、御意見をお伺いさせていただきたいと思います。どなたか、ございませんでしょうか。

○立石委員 まず、11ページを見ていただきたいのですが、平山企画官の説明で、製造者、加工者のいずれかに該当するかわかりにくいこともあるということで、判断のためのコストがかかりますと。そのコストを消費者が負担することになるので表示責任者と記載することも可能と、こういう言い方をされています。消費者庁、どこを見ているのかと言いたいです。もともと、加工者と製造者という概念が極めて曖昧だからこうなっているわけです。我々事業者は、今、苦しんでいるのです。そのことを判断のコストがかかるということを言っているわけです。判断のコストの発生はどこが問題かというと、あなた方消費者庁がはっきりと決めていないことなのです。そのことを消費者が負担することになるから、新しい概念、屋上屋を重ねるような表示責任者という概念をつくるなんて、どこを見ているのかと言いたいです。
この前、事前説明に来られたときに言ったでしょう。こんな陳腐な中身でこの会議に出すのですか、ということを私は言ったはずです。よく練れていない、実態をよく見ていない、現場を知らない。そういう中でつくってきたこういうものを、今までのものをそのままに置いておいてこういう形で出すというのは、いいかげんにしてくださいと言いたいです。まず、その説明をしてください。コストというのは一体何なのですか。

○平山企画官 表示をする中でいろいろ判断に迷う場合、御自身では判断できないという場合、例えば行政に確認する必要が生じることがあります。そのような場合に、一定のコストはかかると思っております。

○宇理須座長 では、立石さんから代案を出してください。どういう案がいいか。

○立石委員 私のほうから言いたいのは、加工者と製造者、この概念が保健所ごとに多少違うのです。鬼武さんの資料で出ていましたけれども、九州の保健所などは結構きつい言い方をするし、製造者とするのか、加工者とするのか。基本的には製造者というのは一つなのです。つくった人は決まっている。それをもって中間で、まず一つは、小分けをするか、もう一つは、温度帯変更をするか、こういうことが発生するときに誰が表示の責任を持つのかということなのです。表示の責任者というのは意外と明確です。販売者というのも、プライベートブランドをつくるときは仕様書まで示してつくるわけだから、当然、販売者は責任を持つのです。そうすると、パターンはそれほどない中で、今のこのルールをそのまま存続しておいて、加工者と製造者の表記方法が最もわかりづらい。
なぜかというと、食品衛生法とJAS法の間できちっと整理ができていないからです。このことを整理しないうちに、このことをそのままに置いておいて、屋上屋を重ねる表示責任者という言葉ができたときに、表示責任者というのは複数書けることになっています。しかし、どちらが責任を持つかというのは決まっているのです。同等程度という言い方をされましたが、同等というのはあり得ない。製造者というのはきちっと決まっていて、それをもって途中で誰かが作為するときにリスクが発生する。それは食品衛生法上のリスクがあるかもしれないし、表示上のリスクがあるかもしれない。決まっているわけです。そうすると、今、決めていかなければいけないのは、加工者と製造者のきちっとした概念なのです。これはなぜかというと、食品衛生法は形態を変化させるだけで加工者となる。ところが、JAS法は、属性を変化させることをもって、いわゆる加熱、火を通す、こういうことで加工者となる。ここのところの概念の違い、ここをきちっと整理するべきです。
ちょっと見ていただきたいと思いますけれども、私が提出しました資料2、これは10年前の資料です。平成15年1月22日、「第2回食品の表示に関する共同会議」、このときにこのことは議論されていて、要は、食品衛生法とJAS法は極めて違います、だから課題がありますということをこのときにやっているのです。ところが、第2回以降、3回、4回やったみたいですけれども、それ以降はほとんど議論もされていない。10年間放っておいて、今回、新しい法律、食品表示法をつくる際に、このことを整理しないうちにやっているわけです。それでもってこういう新しい考えを出すというのは、ちょっとわからない。

○宇理須座長 立石委員、具体的にどういうふうに表示をしたらいいかという提案をしていただけないでしょうか。

○立石委員 はっきりさせてもらいたい。具体的に言うと、食品衛生法とJAS法の加工の違いでもって、加工者というのはどちらでもって書くのですかということを明確にしてもらいたいのです。だから、どちらかに統一すべきでしょうね。それは皆さんが一番お詳しいでしょうし、我々は事業者の側だから、どちらかというのはいつもお伺いを立てるほうだけれども、食品衛生法に統一するという考え方も含めて考えるべきでしょうね。加工者という概念が何なのか。そこからまず考えないとだめではないですか。このことを今まで一度も議論をしていないわけです。逆に聞きたいですよ。

○宇理須座長 どういうふうにしたらいいかという、もう少し具体的な提案をしていただけないですか。

○立石委員 だから、はっきりさせろと言っているのです。

○宇理須座長 表示としては具体的にはどうなるのか。

○立石委員 加工者と製造者の概念をはっきりさせてください。

○宇理須座長 具体的には、製造者誰、加工者誰、こういうふうに書けとおっしゃっているわけですか。

○立石委員 今のままでいいのです。販売者、加工者、製造者のままで結構です。ただし、製造者とは誰々、加工者とは誰々。それから、中間で小分けをする、温度帯変更をする、この場合の新しい考え方をきちっとつくるべきかもしれません。温度帯変更者とか、そういう考え方で明確化をする。食品衛生法上の危害発生のリスクというところを誰かが負うということについてはわかります。だから、これでもって明確化しなければいけない。誰が手を加えて、それによって衛生上のリスクが発生するかどうかというのは出てくる。これは明確化する。
もう一つは、JAS法で言う誰が表示責任を負うかということについては明確化をしておく。これが実は消えるのです。特に製造された加工食品を小分けして、またスーパーなどで販売するときには、製造者のものを小分けするときに販売者として出すわけです。これについて、九州などの保健所ではきちっと製造者も書けと言ってくるのですけれども、これは実は県によって違うのです。だから、ここについての考え方をもう一回、統一するとか、そういうところを具体的に決めていかないと、今のような表示責任者という考え方ではちょっと耐えきれません。このことはこの前、平山さんにも強く言ったはずですが、この件について、それ以降、検討された形跡がない。そのまま出されています。

○宇理須座長 では、消費者庁から、製造者、加工者それぞれ別個に書けと。あるいは、それぞれの定義をはっきりさせる。それはいかがですか。

○平山企画官 これは、11月28日の食品表示部会の中で我々が提出した「食品表示基準の検討について」という資料。お手元にあれば確認していただきたいのですけれども、それの10ページに「食品表示基準の食品区分の定義について(案)」がございます。この内容につきましては、既に御審議いただいたところでございますけれども、その中で、現行のJAS法の定義を基本として整理していこうということとしておりまして、基本的には御了解いただいたものと思っております。そういう意味では、これからはJAS法の定義を基本にしていくということでございます。
ただし、食品衛生法と、若干概念が違うところがありますので、それは今後、生鮮の調査会の中で、生鮮と加工との区別、分類について、その中であわせて御議論をいただきたいと思っております。基本的にはJAS法がベースだということでございます。

○宇理須座長 今、立石委員の提案、そして、消費者庁からの回答があったわけですけれども、ほかの委員の方はいかがでしょうか。

○鬼武委員 資料1に「今後の検討課題(案)」とありますが、これを、まずみんなで共通認識にしたほうが私はいいと思っています。というのは、個別の議論で、表示責任を有する者の整理というのが、冒頭、説明がありましたけれども、これは消費者庁としては、今回のJASと食品衛生法の統合の中で一番困難性を有するので、出されてきて協議してほしいということでしたら、まず、全体の枠の中でそういう説明をしてもらわないと、それをまた一対一で、いや、こうではないかとやり取りをしても、この調査会の中でうまく審議がいかないと思っています。
そういう面からいきますと、私の提出しました資料を見ていただきますと、加工食品の専門調査会はどういう所掌業務があるかということを、実は第27回の食品表示部会で6項目出されています。表示義務者の考え方、加工食品関係のJASの個別品質表示基準の整理・統合、インストア、レイアウト。今回、加工食品に関する調査会に出された資料でいきますと、既に1個増えています。私が推測するに、多分、2つ目のポツが作成の方針とJASというふうにかかるのだろうと読み取れますが、委員の中で共通の認識とならないまま議論を進めると、やはりうまく審議が進まないだろうし、全体としてのコンセンサスも得られないだろう。いわんや、加工食品のこの調査会は3つの調査会の中で最も議案も多く、中身についても議論しないといけないので、まず、そこについてもう少し丁寧な説明をした上でやっていただきたい。
そういう面からすると、表示責任者の整理については、どういう現状の課題があって、立石委員は、今、事業者としてとにかく困っているから、製造者なり販売者なり、そこの定義をしてほしいということを言っている。まずその辺について、ディスカッションできる資料なり、現状について消費者庁が考えていることをもう少し明確に説明した上で審議を進めないと、このまま審議をしてもうまくいかないと思っていますので、その辺はいかがでしょうか。そこから少し御説明していただけないでしょうか。

○平山企画官 鬼武委員のペーパーをいただきまして、確かに先日の部会の中から、今回、資料3-1の作成方針についてというペーパーが、鬼武委員の御指摘のとおり、個別品質表示基準取りまとめの際に実際の作成方針の議論をいただくべきだろう、ということで追加したものでございます。ですから、今回お示ししたこの課題が、大筋、全てだと思っております。一応「等」はつけておりまして、それは調査会の議論の中で増える可能性はありますが、我々としては、基本的にこれらの課題について御議論いただきたいと思っているところでございます。
今回、表示責任を有する方の整理というのを冒頭に持ってまいりましたのは、表示の義務は誰が持つのかということを入口で御議論いただかないと、なかなか先に進まないということがございましたので、まず第1回と。それから、今後の表示基準の取りまとめにあたって、基本方針がまとまらないといけないだろうということで、議題という形では追加になりましたけれども、今後の表示基準をまとめるにあたっての作成方針を課題として挙げたところです。ですから、基本的にはここに掲げている課題について、今後、御検討いただくというふうに思っているところでございます。

○宇理須座長 鬼武委員、それでいいですか。

○鬼武委員 はい。まずはその確認と、そういう面で、優先順位としては一番高いということで持ってきたということですね。

○平山企画官 はい。

○鬼武委員 わかりました。あと、時間軸でいくと、最初に説明があったように、来年の3月までとか、大体の枠組みが決まっているのだったら、そういう枠組みの中でどこまで審議をしたいとか、どういうふうにやりたいという説明を、きょうの調査会では無理にしても、次回のときには出していただくなり、事前に委員に送っていただいて、どういう形で審議するかということを出していただくことが必要ではないでしょうか。これは要望です。

○平山企画官 承知いたしました。ありがとうございます。

○宇理須座長 今の消費者庁からの提案ですが、今後、議論をしていくということで、製造者並びに加工者、そういった前提できょうの議論を進めてもいいかどうか。ほかの委員はいかがでしょうか。それとも、今の立石委員の議論を先にやっていくべきかという話ですが。

○石川委員 私は事前のレクチャーを受けていないので、この資料だけから内容を確認しましたので、論点の理解がちょっと難しかったのですが、表示責任を有する者の整理という表現は、表示義務を負う者は誰か。食品関係業者の中で誰が責任を持って表示すべきかという議論だと思っていたところが、最後に表示責任者というのを選択的に表示できるという提案をされているというと、これは表示義務の内容についての提案になっていまして、出発点と出口が違う議論をしている。表示責任を負うかどうかというのは、食品表示法に規定があって、その法の趣旨に応じて、行政が、この人が表示義務があるから、その義務を負っている方に対して行政指導等をする、そういう枠組みです。
もう一つは、食品の関係者の誰を表示すべきか、これは全く別個の議論です。表示責任を有する者を表示しなさいというふうにJAS法のように書くこともできますが、表示責任を有する者が関係業者全員を調査した上で、この人が表示されるべきであるという形で表示をするという形で、表示内容と責任者が一致するわけではない。だから、ここの議論をまず分けていただいて、出発点として義務者は誰かという話をまず詰めていきましょう。その上で次に、表示すべき内容についてはどうなのかという点に関しては、立石委員の言っておられるように、表示責任者の代替的表記を認めるか、認めないかの前に、製造者、加工者は誰に当たるのかという点を明確にする議論を先行させればいいのではないかと思います。

○宇理須座長 そうすると、少し戻って、誰が製造者か、誰が加工者か、その議論をまずして、その定義をきちんとしてから入ろうという話と、もう一つは、責任者を誰にすべきかというところ。その2つを議論したほうがいいのではないかという御提案がありましたけれども、それについて、いかがでしょうか。きょうの議論から少し外れてくるようにも思いますが。
どうぞ。

○河野委員 このテーマについて、委員みんなが共通理解し同じ土台に立って話せるかどうかはちょっと不安に思いますけれども、私も今回の提案をいただいたときに、加工者と製造者の違いが、具体的に普通の主婦から見てよくわからない。販売者と輸入者のところは理解が十分ですけれども、加工者と製造者はどう違うのだろう。実際、私の身の回りにある表示をかなり見てみましたけれども、加工者と書いてあるものはほとんどなくて、ほとんどが製造者で書いてある。今回、JAS法と食品衛生法を一緒にするときに、いろいろ不具合があって、表示責任者という新しい概念をつけ加えたいと御提示を受けて、そのときは、そこに書くのは表示に対する責任を持つ者だから、表示責任者という表現に一本化されるのであれば、それはそれでいいだろうと。
ただ、最終提案を拝見すると、これまでの4つの表記の方法プラスアルファで5通りの表記になってしまうわけです。そうしますと、消費者から見ますとさらに複雑になった。そもそも食品表示法の大きな目的は、事業者、消費者双方にとって整合性のとれた形で、わかりやすい表示基準とするのが大きな目的だと思いますから、5つになることに関しては、ちょっと複雑になってしまうのではないかと思っています。
ですから、そこに何を書くかということに関して言うと、表示に対する責任を持つ者を書くのか。それとも、品質に対する責任を持つ者を書くのか。あとは、加工食品ですから、衛生管理に責任を持つ、そのチェーンの中の最後に流通に渡す直前のものがそこに書かれるのか。どこが書かれることが、消費者にとって、事業者の方にとって、そんなに不具合が生じないのか。まずそのあたりを、それぞれの立場からお話をいただければというふうに感じています。

○宇理須座長 消費者庁はその点はいかがですか。議論をその辺から始めたほうがいいのではないか。複雑にすることがいいわけではないのではないか、という話だったと思います。

○平山企画官 それにつきましては、この場でいろいろ御意見をいただいて、我々も検討の素材としたいと思います。

○宇理須座長 それでは、ほかの委員からはいかがでしょうか。

○池原委員 先ほどのお話の中で、今後の生鮮食品の調査会も含めて、製造者と加工者の定義がしっかりされていくという見込みがあるのであれば、その結果をもって、今回の御提案について再度議論をするのが合理的だと思います。ただ、今回の御提案は、それは一つの理由であって、ほかにも理由があるということでしたら、どうでしょう。タイミングについてはしっかりと検討したほうがいいと思います。

○宇理須座長 どこかではやらなければいけないと思いますけれども、きょう、この場で進めていくのか。生鮮のところでやって、もう一度戻ればいいか。そしてきょうは、表示責任者という表示を加えていいかどうかという、そういった議論をしてもいいかと思います。きょう、やるべきとおっしゃっておられる方がおられますけれども、その辺はほかの委員はいかがでしょうか。

○立石委員 これは具体的な中身を見ないとわからないと思いますけれども、私の出した資料2の4ページを見ていただきたいと思います。これは食肉の例で、食肉でインストア加工する場合の表示ですけれども、食品衛生法上は食肉は加工品です。加工に当たる。ところが、JAS法では生鮮品です。これは昔の役所がつくった資料ですが、食品衛生法上では加工品ですから、表示方法としては、保存方法と消費期限と加工者になります。JAS法が優先されるということになれば、食品衛生法上のこの表示は書かなくていいのか。そんなことにはならないと思うけれども、JAS法上ではこれは生鮮品だから、名称と原産地だけ書くというのが今のルールです。
ところが、実際に店はこの両方を合算して書いているわけです。ここのところに表示責任者という概念が入ってきたときにどうなるのかなと思うわけです。表示責任者というのは誰になるのかといったときに、原産地だから生産者のほうだというふうになるのか。そういうことになってしまうわけです。表示責任者というのは「誰が」ということなので、こういうことにつながっていくのではないですか。今ある課題の整理をしないで表示責任者という新たな概念ができたとき、非常にわかりづらくなってしまう。だから、食品衛生法とJAS法での概念の違いの整理のところをきちっとやらないと、いつまでたってもはっきりしないということです。消費者から見た場合、表示責任者という考え方が出たときには、誰が責任者というのがわからなくなってしまうということについて、まずそこから始めましょうよ。

○宇理須座長 どうぞ。

○鬼武委員 きょうは、消費者庁のほうであとどれだけ説明と準備ができるかわからないので、意見だけは出しておきたいと思います。表示責任者というのを私も最初に聞いたとき、一般の人はわかると言う方もあるかもしれないけれども、逆に言えば、製造者なり販売者なり加工者というのはある程度イメージできますが、表示責任者というと、商品の表示だけに責任を持っているのかという思われ方もする。結局は、表示責任者の意味するものが逆に消費者の方にもわかりづらいというのが、私は見て感じました。それが一点。
それから、これは国際的なルールでもそうで、EUとか、カナダとか、オーストラリアもそうですし、コーデックスでもそうですが、製造者、販売者、ベンダー、そういう定義はありますが、表示責任者という定義はないのです。今後、日本が新食品表示法になって、輸入食品に対しても新食品表示法が課されることになると、TBTの協定とかで、レスポンスというのはわかりませんけれども、そういうのは余りなじみがないというか、日本独自のルールはつくるべきではなくて、むしろ現状の課題をどういうふうに整理するか。製造者と販売者とか、そこの定義が難しいということであれば、それをどういうふうにして改善できるかということを、もう少し考えたらいいと思います。そういう点からすると、表示責任者というまた別の新しい用語・定義を入れると、さらに混乱するのではないかというのが私の意見です。

○宇理須座長 消費者庁のほうはいかがですか。

○平山企画官 今、立石委員と鬼武委員からございましたけれども、今後の進め方がございますので、ほかの委員の方も御意見などありましたら、お願いします。

○宇理須座長 では、いかがでしょうか。今、ここで、製造者、加工者、販売者、そういった定義をきちんとしてから次に進んだほうがいいのではないか。表示責任者という新しい言葉はつくらないほうがいいのではないかという御提案だと思いますけれども、その点についていかがですか。これは大事な問題だろうと思います。

○池戸委員 今、御説明をお聞きしていて、JAS法と食品衛生法の今までの経緯も踏まえた案だったと思います。先ほど河野委員が言われたように、消費者から見ると責任者というのは、法的な責任を負うというよりも、消費者が表示内容についてどういうところに聞けばわかるみたいな、そういう見方をする方も多いのではないかという感じはします。消費者に対してちゃんとしたお答えができるという観点からいくと、窓口が余り多くないほうがいいだろうという感じはしますけれども、法的責任を負うという観点からいけば、確かに「表示責任者」と言うとそういう見方にとらえられる場合も当然あります。今までも販売者、製造者という言い方しかしていないけれども、法的には責任をかぶっている。そこは、役所的な観点からいくと非常に重要ですけれども、表示を活用する消費者の立場から見たらどうかという率直な疑問があります。
表示責任者というのは新しい言葉なので、この立場の方は問い合わせにお答えもしなければいけないし、法的な罰則も含めて両方かぶるという観点でとらえるのであれば、その辺は皆さんがわかるような位置づけにしておく必要があるだろう。立石委員が言っておられるのは、製造者等という言い方の中に加工者も入っているという意味で、本当に法的にどこが責任かといったときに、今時点では定義がはっきりしていないので、非常に現場では困っているという意味もあるのではないかと思います。
先ほど、いろいろな例の中で、供給サイドの当事者同士の合意によってという言い方がありますけれども、あれが本当にできるかどうか、現実には難しい面もあるのではないかと思います。ただ、消費者からすると、窓口は一本にしていってもいいぐらいで、誰かに聞けばわかりやすいと。その代わり、法的責任のところを負ったときに合意ができるかどうか。その辺の現実的なもどかしさはあると思います。ただ、現在はJAS法は販売者で、食品衛生法は製造者という形になっていて、御提案としてはその折衷案のところでわかりづらいから、表示責任者という言い方はどうか、そういう御提案ではないかと思います。
それよりも、私も逆に心配しているのは、第2条の定義に書いていますように、今回は販売者と業務用と、それから、この販売者の中には、善意でやっているバザーとか、農家で移動販売とかあります。あと、自動的にお金を入れるようなもの。確認ですが、こういった方も今回は対象になるということでよろしいのですか。そういう方も今回はこの販売者の中に入るということですね。

○平山企画官 はい。

○池戸委員 わかりました。

○宇理須座長 ありがとうございました。今、整理をしていただきましたけれども、そういう意味では、消費者の立場からすれば、むしろわかりやすい、どこへ問い合わせたらいいかということだろうし、もう一つは、法的な責任を負わせるという意味もあるわけです。そうすると、表示責任者と一つにまとめることがいいことかどうかという、その辺の議論があったと思いますけれども、その辺に関しては消費者庁のほうでは何か考えがあるのですか。

○平山企画官 確かに製造者、加工者という表現もよいのですけれども、表示に責任を持つのは誰かというのがはっきりするという意味では、消費者の方から見て、表示責任者とあれば、この方が表示について責任があるというのはわかりますので、今回、事業者の方の観点を含めて御提案を申し上げたところでございます。今、委員からいろいろ貴重な御意見をいただきましたが、ほかの委員の方も何か御意見がございましたら、さらにいただければ幸いでございます。

○宇理須座長 これを見ると、表示責任者とはせずに、「または」でつないでありますから、今までどおりの販売者という言葉でもそれは構わないという理解でもよろしいのでしょうか。

○平山企画官 はい。

○宇理須座長 法的責任ということが一つ問題になっていて、そして、合意で決めることが困難ではないかという御意見もありました。その辺に関しては、何か考えがあるのですか。

○平山企画官 一応、ここでは食品表示について御議論いただいておりますので、表示されている内容について責任を持つということが基本でございます。あと、合意でございますけれども、複数の関係者がおられる場合がございますので、その場合には、誰かに押しつけられるわけではなく、関係者の中で皆さんが合意した上で表示責任者を決めていただくというのが基本かと思っております。ここはいわゆる民間の話でございまして、例えばこの3者の中でこの人ということではなくて、関係者の中で話し合っていただいた上で合意で決めていただくのが基本ではないかと思っております。

○宇理須座長 具体的に事が起こったときには、合意で決まった人だけが責任を取るというわけではないですね。もしも事が起こったときには、実際どうなっていくのか。

○平山企画官 ケースバイケースでありますので、そこは我々が調査に入って、実態関係を明らかにした上で適切な対処をしているということでございます。

○宇理須座長 そうなると、必ずしもそこに書いてあるところが法的な責任者ではないということになるわけですね。

○平山企画官 必ずしもそうでないと思います。私も具体の事例を詳しく承知していないのですけれども、そうだと思います。

○宇理須座長 調査の結果、必ずしもそうではなくて、もしも事が起こったときに関しては、こっちにあるのではないかというふうになっていくわけですね。

○平山企画官 はい。

○宇理須座長 どうぞ。

○栗山委員 今のお話ですけれども、私のほうは、表示責任者と言ったときに、法的なものも、品質も、衛生管理も、全てその人にかかるというふうに理解していたのですが、そういうことでは絶対ないということですね。

○平山企画官 基本的には表示についての責任でございます。

○栗山委員 表示についてだけの責任と。

○平山企画官 はい。

○栗山委員 そうすると、そのほかに製造と加工は別に書く必要があるということですか。

○平山企画官 製造者を書かせるというのは食品衛生法の規定でございますので、そこについては、製造について責任を負うということでございます。

○栗山委員 だから、全く別のことになりますね。

○平山企画官 はい。

○栗山委員 済みません。ちょっと誤解していました。そうなると、合意して書くというのは難しいのではないかと思います。合意して書いた挙げ句、法的責任は問われないという形というのは、まさに表示だけの責任になるということですね。表示について問い合わせをどこにしたらいいのか、というだけの話になるということですね。

○平山企画官 それが基本でございます。

○栗山委員 だけということですね。

○平山企画官 そういうことです、ここの場の話では。

○宇理須座長 ここをはっきりしたほうがいいですね。表示に関する責任者を書くのか。あるいは、事が起こったときの実際の法的責任者というのはここには書かない、そういう理解でもよろしいということですか。

○平山企画官 表示の中には、いわゆる原材料ですとか、期限表示があります。逆に言えば品質についての話もありまして、表示に係ることについての責任があればその方が負うということがございますので、そこはオーバーラップするところが出てくるのではないか。表示の中に、原材料ですとか、原産地ですとか、期限表示、保存方法が書いてあります。それについて問題があれば、当然、その方に責任が行くということがありますので、そこはオーバーラップしているのではないかと思います。

○宇理須座長 ほかにいかがでしょうか。

○板倉委員 今までのお話を聞いておりましても、私も河野委員と意見は一致しておりまして、定義をわざわざつけなければいけないような表示責任者というものを使って、しかも、5つものグループで表示をするということは、害はあってもメリットは全く感じられません。それよりも先に、製造者とか加工者という定義から決めていただいたほうがありがたいと思います。国際的な面から見ても、余計なことを増やして制度をややこしくしてほしくありませんし、消費者にとってはシンプルということが一番わかりやすいというのは基本ですので、そういったことも含めて考えていただければありがたいと思います。

○宇理須座長 大体の意見は、新しい表示責任者という言葉は使わないほうがいいのではないか。そして、今までどおりの販売者だとか、製造者、そういう言葉を使う。ただ、それに関する定義が必要となってきているのではないかというふうに思います。ただ、それをきょうやるか、生鮮食品のときにもう一度やるかということを、少し議論していただくか。私の判断で、時間も来ておりますので、どこかでは絶対やったほうがいいとは思いますけれども、まずは表示責任者という表示はやめておいて、その議論をいつやるか。

○鬼武委員 多分、今からは無理だと思うので、きょうはいろいろな観点から疑問点なりが各委員から出されたので、それを事務局で整理してもらって、それを次回、どうやって議論するか。この調査会にかけるのか、生鮮なのか、両方にかけるのか、わかりませんけれども、きょうは、とにかく1時間話して各委員から意見・質問が出されたので、それを論点としてまとめていただいて、その上でやったほうが私はいいと思いますけれども、いかがですか。

○宇理須座長 どうぞ。

○立石委員 前回の食品表示部会でも言いましたけれども、食品衛生法とJAS法の概念のところを、共同会議の平成15年1月22日の資料に基づいてもう一回整理してくださいよ。ここから何も進んでいないのです。このときにいろいろな問題を積み残したことがそのまま来ているだけで、そのことを絆創膏のようにやろうなんて思っているからそもそも間違いなので、ここをまず徹底的にやってください。なぜできなかったのか、できない理由は何なのか、それも含めて明らかにしてください。
やはりこれは食品衛生法を優先するべきです。食品衛生法を優先するけれども、JAS法を優先するという考え方をこの前、川口審議官が言われていましたけれども、そうではなしに、食品衛生法を基軸にしつつJAS法をどういうふうに融合させていくか。そこのところは、難しい、事業者にとってもつらいところもあるかもわからないけれども、それを誰かがつくっていくしかないのです。それを消費者庁はつくっていくべきなのです。

○宇理須座長 ありがとうございました。非常に貴重な意見も出ましたので、ぜひ、消費者庁のほうで、鬼武委員、立石委員から出た意見を参考にして、もう一度整理していただいて、どの場でやるかということも明確にしていただいて、議論をしたいと思います。それでは、表示責任者の議論に関しましては、これで終わりにしたいと思います。
どうぞ。

○河野委員 今のところは再度整理していただくということで、私もそれで結構です。先ほどの御説明でありました製造所の部分で、今回、食品工場等という新しい提案がありましたけれども、そのことも本日はペンディングということで、次回に回すということかどうか。そこのところも確認させていただきたいと思います。

○宇理須座長 そうですね。これも新しい言葉なので、そこも含めて、新しい言葉はつくらないほうがいいのではないかという意見でしょうか。そこに関しては、きょうはまだ全然していませんので。

○石川委員 質問です。済みません、レクチャーを受けていないので。資料2の21ページの表示例で、食品工場等という表記にしてはどうかという御提案の横に、■■株式会社で郵便番号等が入っている形ですが、ここにある所在地は、株式会社の本店所在地という趣旨で記載されているのか、いわゆる製造所の所在地という趣旨で書いておられるのか、ちょっとよくわからない。
食品衛生法上は、製造所または加工所、製造者または加工者という形で、製造所という概念と製造者という概念を分けて記載している。製造者に関しては名前だけでいいようですけれども、名前だけだと同姓同名みたいな形があるので、本店所在地を記載する。法律家はそう思っているのですけれども、そうすると、住所表記は2つ要るだろうと思います。そうすると、この例としては、どちらを意味するのかということがちょっと不明なので、教えてください。

○宇理須座長 よろしいですか。

○平山企画官 食品工場等の実際の住所がどこかということでございますけれども、運用上は、まさに工場、食品が加工なり製造された場所ということになっております。

○石川委員 そうしますと、21ページの例でいきますと、販売者と食品工場等、場所が示されているので、製造者は記載されていないということになるのですか。

○平山企画官 製造者が食品工場等という名前に変わりますので、この最後の行は製造者ということです。この場合は製造者と販売者が違うケースですので、両方が記載されているということです。

○石川委員 製造所と製造者は別個に記載すべきというのは食品衛生法の表示府令になっているので、製造者と販売者が違う場合は、販売者と製造者と製造所、3つを記載しないといけないと私は思います。これでは2つしか書いていないように思いますが、という質問です。

○平山企画官 例が1つしか書いていないので恐縮ですけれども、ここでは基本的に同じ場合でございます。ですので、委員のおっしゃるとおり、違えば違うように書くということでございます。

○石川委員 最後の食品工場等という表現は製造場所を示しますけれども、製造場所と製造者の所在地が一致している場合については、省略しているというふうに理解すればよろしいのでしょうか。

○平山企画官 そういうことです。

○石川委員 それはちょっとややこしいので、製造者及び製造場所という形で2つ書いたほうがわかりやすいのではないかと思います。というのは、製造場所と製造者というのは法的な概念が違う。要するに、リスク管理の場所は製造所で、法的責任を負うのは製造者、製造物責任等の責任者は製造者ですから、この2つは違う概念と見て整理したほうがいいのではないかと私は思います。

○平山企画官 どうもありがとうございました。

○宇理須座長 消費者庁はそういうふうに考えておられるということですね。

○平山企画官 そうです。

○鬼武委員 きょうは、食品工場等については議論できなかったのですけれども、最後の21ページでは、製造所固有記号については別途ということがありますが、これはセットで話してもらわないと全然議論にならないです。いろいろなことを書かせるとか、住所を書かせて、いっぱい書かせればいいかというと、それはまた混乱の種になりますし、この点から言うと、製造所固有記号についてどう整理するかもあわせて、消費者庁の事務局から提案されている食品工場等という記載はユニークな提案ですが、それについてもっと具体的なことを出していただきたいと思います。これも議論を呼ぶと思います。食品工場等ですから、やはりわかりにくいし、これは英語にないですよ。エトセトラと書くのですか。この表記は現時点では疑問を解決する手段ではないでしょう。

○平山企画官 わかりました。その辺は、スケジュールを含めてまた検討したいと思います。どうもありがとうございました。

○河野委員 食品工場等と書いて全てを含むということになってしまうと、消費者側とすると、書かれているけれども、よくわからないというところにつながると思います。それから、住所、電話番号等、さまざまな表示があって、今、義務表示でないところに、任意で、さまざまな事業者さんは努力で書いていらっしゃいます。義務で書かなければいけないところに住所と電話番号等がどんどん増えていきますと、それこそ消費者にとっては、一体この商品は誰が責任を持ってくれているのだろうかと、迷うところが増えていくことになります。
ですから、たくさん書くことが必ずしも消費者にとっていいことではない。そこが、わかりやすい言葉でどういうふうに整理されていくのかというところで、先ほどの製造所固有記号等も含めて、今後、整理していただければと思っています。本当にいろいろ一緒に考えていただきたいことはございます。

○宇理須座長 消費者庁に大分宿題が出ましたけれども、その辺を少しまとめて、議論の資料をそろえていただくということでよろしいでしょうか。

○平山企画官 はい。後ほど、御説明したいと思います。どうもありがとうございました。

○立石委員 一点だけ。製造所固有記号については、問題があると思います。届出制で、要は消費者側から見て検索もできない。そういった製造所固有記号の問題を、この新しい概念を出すのであれば、先ほど鬼武委員が言われたとおり、セットで考えないとだめだと思います。製造所固有記号の問題は、我々事業者側からみても問題があるなと感じています。そこのところを一回整理すべき時期に来ているということだけ、まず申し上げたいと思います。

○宇理須座長 ありがとうございました。
それでは、これで議論を打ち切りまして、次のテーマに移りたいと思います。消費者庁から説明いただけますか。

≪3.食品表示基準における加工食品の表示方法等の作成方針について≫

○船田課長補佐 消費者庁食品表示企画課の船田と申します。私から、資料3の「食品表示基準における加工食品の表示方法等の作成方針について」について、御説明したいと思います。
なお、資料3-1の補足資料として資料3-2という資料を御用意しています。資料3-2は現行の表示ルールということで、私から説明する際に、資料3-1、資料3-2、両方を見ていただきながら説明を聞いていただけると、わかりやすいのではないかと考えております。あと、各委員の机上に、参考資料といたしまして、加工食品の品質表示基準の概要。別途、基準の抜粋といいますか、冊子は配ってありますけれども、わかりやすくということで概要を配っております。包装食品の表示に関するコーデックスの一般規格も参考でお示ししております。
それから、分厚い資料で、小さな文字で申しわけないのですけれども、JAS関係の個別の品質表示基準の規定項目の品目別の詳細一覧という形で、黒マルがついているところについて、個別の品質表示基準については、それぞれ、これだけの事項が規定されているということが一覧でわかるようにということで、御参考までに机上に載せてございます。
それでは、資料3-1のページ2の目次をごらんください。資料3-1は、前段は策定の方針について、後段は表示基準の論点についてということで、提案させていただきたいと思っております。
まず、1の食品表示基準の策定方針についてでございます。現行の食品衛生法、JAS法の品質表示基準、健康増進法に係る栄養表示基準を整理して統合するにあたりまして、食品表示基準の骨格のベースをどうするのか。その上で、品目横断的な統一ルールをどうするのかという議論になろうかと考えております。本日の調査会では、まず、大まかな考え方をお示ししまして、個別の品質表示基準の具体的な整理の仕方については、次回以降の調査会で、別途、個別に御議論いただく形にしたいと考えております。
3ページをごらんください。現行の58本の基準を1本に統合する際の策定方針についてということで、この資料につきましては、11月6日の第26回食品表示部会において提案しているところでございます。原則としまして、表示義務の対象範囲については変更しない。基準は、食品及び事業者の分類に従って整序し、わかりやすい階層構造とする。食品について、加工食品、生鮮食品、添加物という区分とする。食品関連事業者等につきましては、一般消費者向け、業務用の食品、食品関連事業者以外ということで区分した基準という形にするということをお示ししているところでございます。できる限りわかりやすい基準とすることで、共通ルールを念頭に置きまして、まとめていきたいと考えております。
4ページをごらんください。個別の品質表示基準の取扱いについてですが、これも11月6日の第26回食品表示部会で提案しているところでございます。個別品質表示基準に規定されている例えば名称の定義等は、原則としてそのまま存置という形。原材料、内容量の記載方法や表示禁止事項については、原則として、食品及び食品関連事業者等の区分ごとにルールを統一したい。ただし、食品表示法の目的を達成する上で必要なものや、他法令の制度との整合性を図るため存置が必要なものについては、個別のルールということで、新しい食品表示基準の中でも現在の規定を移行したいということでございます。
5ページに移らせていただきますけれども、食品表示基準骨格イメージということで、府令の骨格をお示ししてきたところでございます。今回の加工食品の調査会は、府令の骨格案、左上のところの枠が、今回、主に御審議いただく部分になろうかと思っております。基準の中身ですけれども、基本的には表示すべき事項、表示方法、レイアウト、表示禁止事項などが盛り込まれてくることになりますが、これまでの現行の表示ルールを踏まえた上で、品目横断的事項としまして、品目別の個別的事項に分類・整理していくことになります。
例えば食品衛生法の関係の表示の基準は、既に府令となっておりますけれども、その中で、品目にかかわらずに横断的なものについては横断的事項として規定していく。食品衛生法の表示基準の中でも特定の品目に限られる規定については、個別的事項に規定していくという考え方でございます。また、JASの場合には、品目横断的ルールということですと加工食品の品質表示基準というのがございまして、それが横断的事項として規定されるというふうに考えております。JASの場合には個別の品質表示基準がたくさんございますので、それらについては精査した上で、横断的ルールとしてなじまない基準については、どうしても置かなければならないものについて、個別的事項に分けて規定していくという方針でございます。
6ページに移らせていただきます。府令にした場合の基本イメージですけれども、基本的な章立ては、第1章は総則、第2章は加工食品の表示基準、第3章は生鮮食品の表示基準、第4章は添加物という形をとらせていただきたいと考えております。
以上の基準の構成を基本とした上で、7ページですけれども、3法の基準の統合のイメージということで、各法律に基づく基準を一覧としてお示ししております。JAS法に基づく52基準、食品衛生法の基準が5基準あって、栄養表示基準が1基準。これを全部合わせまして58基準という形になります。これらを、総則であるとか、加工食品、生鮮食品等の各章に振り分けていくというイメージでございます。
続きまして、8ページをごらんください。今回、加工食品の調査会ですので、加工食品に関する基準の具体的な統合のイメージでございますけれども、現行の加工食品の表示ルールは、JAS法の加工食品品質表示基準がベースになっているのではないかと考えております。それに加えて、添加物、アレルギー表示、これらは食品衛生法に関する表示基準のルールが定まっておりますけれども、さらに、任意ではありますが、栄養成分表示というものが、今、表示されており、それは栄養表示基準の規定によりルールが定められているところでございます。これらの3法の基準を横断的事項、個別的事項に整理して振り分けるということを、消費者庁ではこれからやっていきたいと考えているところでございます。
例えば加工食品の品質表示基準の条文を食品表示基準のベースに置かせていただいて、個別の品質表示基準46本の各条の項目をばらしまして、食品表示基準の該当すべきところに移行する、もしくは統合する。必要がなければ削除するという作業を進めていきたいと考えているところでございます。
あと、JAS法ばかりではありませんので、食品衛生法関係の府令、そういった全品目に共通するようなことも各章の該当部分に全て移行する。栄養表示基準については、栄養の調査会のほうで具体的に審議することになりますけれども、イメージとしては、栄養表示基準も今回の食品表示基準の中に入っていくことになります。遺伝子組換えの表示は、今のところ、これは対象品目が限られておりますので、こちらの方針としては、第2章の加工食品の該当部分へ移行していきたいということでございます。
これらの基準を統合する上で、食品衛生法、JAS法とで表示すべき事項が重複することが当然考えられます。先ほど出ていました製造とか加工、そういった部分について現行の基準をそのまま移行したのでは、書きぶりに矛盾が出てしまうことがあると思います。そういったときには、調査会の中で統一したルール等にできるように整理していきたいという考え方でございます。
以上が、これから消費者庁側で個別の品質表示基準を統合する上での方針でございます。一旦、ここで説明を終わらせていただいて、後ほど、論点について御説明したいと思います。

○宇理須座長 御説明いただいたのは、現在の作成方針の大枠のところですけれども、これに関しまして、いかがでしょうか。

○立石委員 作成方針のところで、原則として表示義務の対象範囲について変更しないというふうに明確にここに書き切っていることが、再三にわたって私は問題だと申し上げています。私のペーパーに書いてあるとおり、消費者基本計画に書いてあるわけです。事業者優先から国民一人ひとりの立場に立って展開していくことが重要ですと。消費者基本計画のこの考え方、ここに基づいてやっていく。新しい今回の法律は、「合理的な選択の機会、並びに消費者に対して必要な情報が提供されることが消費者の権利」というふうに書き切っているわけですから、ここは何度も言っていますけれども、こういったことにそぐわない、過去からのしがらみを断ち切っていく一番のいい機会です。ここを逃してしまえば何もできないから、このときにきちっとやりましょうということを言っているわけです。ですから、ここでもって変更しないという、ここを言い切るということは非常に重要な問題だと思っています。そこはいかがですか。

○宇理須座長 きょう、何を入れるかは全て決められないでしょうけれども、方針といたしましてはいかがでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 繰り返し申し上げていますけれども、御指摘の点は、いわゆる積み残しになった点についてどのような取扱いをしていくかということだと思います。それは今回、基準の統合をしていただいた上で、おそらく来年の夏以降ということだと思いますけれども、統合の目途が立った時点で準備の整ったものから随時、議論に入っていきたい。その中でコンセンサスを得て、今回の統合された表示基準がまた充実されていくということだと理解しています。

○宇理須座長 それでよろしいですか。そこからスタートすると統合という作業が進まないというわけですけれども、統合した後からもう一度、積み残しを整理し、さらに充実したものにしていこう、こういう方針だそうですけれども、それについて、ほかのどなたか。

○立石委員 今、こうして先ほどの議論についてもいろいろな考えが出てくるわけです。そうしたときに、このことをこの表示基準の策定が終わった後にやりますなんていうことにならないのです。ですから、少なくとも議論が出てきた中で、課題が明確化したときに、これはいつやるのですか、どうやるのですかというロードマップも示した上で、次の議論というのは、今までもそうですし、皆さんそうなんだけれども、必ず先送りして何も進んでいないのです。さっきの資料を見ましたか。平成15年の資料がそのままで、10年間、何もやっていないでしょう。こんなことをまたやり続けるのですか。だから、今回はきちっと論点を整理して、課題解決に向けての道筋、議論の場、それも含めて明確にしていくことが必要だと言っているのです。

○宇理須座長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 今から来年以降、何をどう議論して、何月からこれをやるというのは、現時点でお示しすることはなかなかできないと思っております。そこは御理解いただきたいと思っております。
ただ、今回、何度も申し上げていますけれども、基準の統合の目途が立った時点で、積み残しの課題については、国会でも御審議がありましたし、附帯決議にもいろいろな御指摘がございます。その後の国会、ことしに入ってからも臨時国会等でもいろいろな御議論がございましたし、我々はそれはきちんとこなしていくつもりでおりますので、先延ばしするつもりだろうという御指摘については当たらないというふうに考えております。

○宇理須座長 もしそうであれば、一度、現時点でどういうことが問題になっているかということを整理していただいて、その議論をいつするかは今後の決定でしょうけれども、議論になるべきことを整理するというのを、提案だけは、次回でもよろしいのでしていただいて、そして、立石委員の安心といいましょうか、それに応えていただいたらいかがでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 積み残しの課題については、これまでも随時、御説明といいましょうか、項目についてはお示ししてきたところでございますので、そこは再度、確認をしたいと思います。

○宇理須座長 どうぞ。

○池原委員 消費者基本計画の話はこれまでも何度か出されております。消費者基本計画は、言うまでもございませんが、消費者委員会の任務を遂行する上で基礎となる尊重すべきものだと思っております。ただ、これはこの6月に一部改定されていると認識しています。我々の関連する食品表示法の部分についても、幾つか書きぶりと内容が変更になっていて、これからの進め方についても、大きな枠組みがそこで示されているのではないかと認識しております。
ですから、これは消費者委員会事務局にお願いしたらいいのかもしれませんけれども、消費者基本計画が、今、どういう状態になっていて、我々は何をもってこれを進めていくのかというところを1回この中で確認していただいて、それをもとに議論を進めていただくことが重要ではないかと思います。

○宇理須座長 これも非常にいい提案でしたので、一度整理していただいて、この調査会か、部会か、どこでもよろしいと思いますけれども、提示していただいて、この議論を進めるのに非常に参考になると思いましたので、よろしくお願いいたします。
では、この作成方針についてはいかがでしょうか。

○池戸委員 先ほどの御質問なり意見は今まで何回も同じ御主張をされていて、消費者庁も同じような答えをしています。いずれにしても検討しなければいけない課題は、今、わかっているものももちろんあって、その検討についてはさっきのようなスケジュールだと思いますけれども、今回急がねばならないことは整理・統合をどうするかということだと思います。ただ、議論する中で既存以外のいろいろな課題も当然出てくるわけです。これはこれで整理しておく。おそらく今後、個別品質表示基準等の非常に細かい個々の話になりますから、そういうところで議論するものと、もっと大きい課題が出ていた場合は新しい課題だという形で、課題の整理だけは、意見をどんどん出された上で、この場で整理していく。とりあえずは、現行のものを優先的に整理することと並行して、課題も整理していくというやり方でどうかと思います。

○宇理須座長 非常にいい提案だと思いますので、ぜひお願いしたいと思いますけれども、よろしいですか。

○鬼武委員 ちょっと別個で、今、事務局から御説明があって、事前にこの資料を私も見させていただいて、資料3-1の5ページから8ページの中で、7ページをまず見ていただくのと、それと、私のコメントペーパーの添付資料を見比べていただきたいと思います。イメージするものが、7ページの統合のイメージ、それから、8ページの法律のイメージが、頭が悪いのか、なかなか理解できなくて、事前に言われて宿題として私が考えてみたのが添付の資料であります。
全体として確認したいのは、加工食品の食品表示基準として、7ページの黄色い部分です。エリアとしては小さいけれども、これが全体としては個々で議論する中身で、横断的にはどういう項目が必要であるかということできちんと理解した上で、それで個別の細かい話に入っていかないと、多分、迷宮入りしてきて、細かい話になると全体的な議論がわかりづらいと思っています。
そういう点でいくと、添付資料のほうがどれぐらいいいかどうかわかりませんけれども、加工食品ということでまず横断的な表示事項があって、名称から、今回は栄養成分の熱量まで加わって、この7項目か8項目が原則です。その下に個別として、一部、加工食品ということであってJASがあるということで、JASとか、これが表に来ると、今回の食品表示法は加工食品全体を含めているのではないかというイメージを持つわけです。そうではないですね。JASというのは一部であるし、多くのものは横断的なものに掲げられるものだから、そこになるという理解をするような資料があったほうがいい。これは参考にしてもらえばいいと思って付けたのですけれども、いかがでしょうか。

○宇理須座長 大筋は一緒だと思いますけれども、御意見をどうぞ。

○船田課長補佐 今回お示しした統合方針のイメージでは、鬼武委員からお示しいただいた食品表示基準の全体像は見づらいということなので、次回以降、こういったものもお示ししたいと考えております。

○鬼武委員 はい。これも使っていただいていいので。私の部下にわかりやすいという視点でつくらせたので、参考になるのであれば、ぜひ使ってください。

○宇理須座長 努力のあとがよくわかりますので、これも参考にして、いいものをつくっていただけるようにお願いいたします。
どうぞ。

○河野委員 方針なのですけれども、私も7ページに御提示いただいた部分で言いますと、今の鬼武委員の資料は、消費者にとってもわかりやすい今後の方向性かなというふうに思っております。7ページのここですと、個別品質表示基準を順番に何とかしていくのではないだろうかというふうに、ちょっとクラクラッとするような内容ですが、このような形で横断的事項をしっかり押さえ、個別になったら個別でという形で今後の見通しが大分明るくなったと思いますので、ありがとうございました。

○宇理須座長 ありがとうございました。
それでは、次のテーマに移ってもよろしいでしょうか。

○石川委員 横断的事項と個別的事項という表現が、全容をつかみづらいというふうに理解されていると思います。私なりに考えると、横断的には基本的な義務表示事項ということで、名称、保存方法、消費期限等という形でこれは規定する。そして個別事項というのは、細目。例えば名称に関しては、トマトピューレというのはこういう内容ですという定義づけを個別の表示基準でしているわけです。これは名称の細目ルールということで、基本事項の中で一般名称を表示するとしながら個別事項の中に細目として記載する。さらに個別事項の中には、細目のほかに、特則であるとか、例外事由とか、基本的事項では異なるものと。
これは私自身の話ですけれども、こういう色分けをすれば頭の中にすっきり入るのではないか。基本的事項と、細目、特則、例外という形の区分けをしていただく。基本的事項のところには、細目と例外の基本的な部分を記載する必要があるので、ここの骨格が大事であるという話になってきます、という理解をしていただければというふうに思いますが、それで皆さんの整理になるのかどうかですが。

○宇理須座長 いかがですか。少し割り振りの仕方を考えてみてはどうかという御提案です。

○船田課長補佐 今回、横断的事項とか個別的事項という言い方を資料でお示ししたのは、5ページの食品表示基準の骨格イメージで、横断的事項、個別的事項ということで書き込んであるものですから、ここを引用して書かせていただいたわけです。実際につくる基準で、横断的事項とかそういう項目が出てくるわけではないので、確かに基本的に全品目にかかるものは、石川委員がおっしゃったように、横断というルールに入ってきて、そのほかは細目という形で個別的事項に入るものというふうにこちらも整理しております。ちょっとわかりにくかった点がございましたけれども、石川委員のお考えどおりでございます。

○宇理須座長 では、共通認識だったということでよろしいですか。

○船田課長補佐 はい。

○宇理須座長 どうぞ。

○板倉委員 資料3-1の4ページ、「個別の品表の取扱いについては以下の方針で検討」のマル1ですけれども、名称の定義は原則として存置すると書かれております。ほとんどの場合、名称は問題ないと思いますが、食用の植物油脂などの場合、個別品質表示基準とか、いろいろなものによって呼び方が違っているものがあります。例えば食用植物油脂というのは、個別品質表示基準のない一般の加工食品では、「食用」の文字が使用できないけれども、植物油脂の品質表示基準以外では、例えばマーガリンとか、ドレッシングのようなものについては「食用」がつく。
それ以外には、例えばレトルトパウチの場合ですけれども、ゆで大根を仕入れてつくった場合は原材料表示は大根になるけれども、加工食品でおでんに表示する場合は、ゆで大根という表示にするとか、消費者から見ると、このものがどうしてこちらはこうでないといけないことになっているのかがわからないような名称が、まだ幾つか存在するように聞いています。特にでん粉などは、食品衛生法上では、片仮名であろうが、平仮名であろうが、漢字を使おうが、デンプンと読めればいいというふうになっているので、加工でん粉という言葉はどういう書き方をしてもいいのですが、JAS法では、「でん」は平仮名で「粉」と書かないといけない。
そういうように、細かいことですけれども、消費者から見れば、なぜこちらはこれが違反で、これはオーケーなのかという、わからないことがいろいろあります。「原則として」という言葉がありますけれども、この際、用語の統一か何か、どこでやられるのかわかりませんが、名称についても、今までどおりでいいということではなく、間違ってつけるようなことについては、ミスが少なくなるような表示方法を認めることも含めて、考えていただく場をつくっていただければと思います。

○宇理須座長 それに関してはいかがですか。それが、これからなされるのではないかと私は思っていますが。

○船田課長補佐 今、板倉委員から申出がありました、検討をどこでするのかということですけれども、今回の調査会は大まかな作業方針ということでお示しして、具体的には次回以降、個別の品質表示基準を、加工で46本あるわけですが、個々に精査する場を設ける。その中で、定義であるとか、個別の表示方法ですとか、細かい話になってきますが、そこについてはこちらから提案させていただいて、御審議いただくという形にしたいと考えております。

○宇理須座長 ありがとうございました。
それでは、次のテーマに移ってよろしいでしょうか。御説明をお願いいたします。

○船田課長補佐 それでは、具体的な個別品質表示基準の整理の仕方ということで、論点という形で4つほど挙げさせていただいております。9ページを開いていただきますと、食品表示基準の用語の定義というのがあって、義務表示事項、表示すべき事項は何か。義務表示事項を定めていきますと表示方法が出てきます。それが論点3という形になります。現行、いろいろな表示方法というものがございまして、後ほど御説明いたしますけれども、それと、論点4ということで表示禁止事項というものがあります。これは加工食品品質表示基準に横断ルールもありますし、個別のルールもそれぞれあるということになります。
めくっていただいて、論点1でございます。まずは用語の定義についてということで、論点1~4まで、統合の考え方はこちらとしては同様に考えております。そこに書いてありますように、3法に基づく食品表示基準全体に係る用語の定義。基本的なものという形です。食品の区分に関する用語の定義は食品表示基準の総則に置きます。それに対して、現行のJAS法に基づく個別の品質表示基準に規定されている用語の定義は、加工食品の表示基準第2章という形になりますけれども、そこの個別的事項。その他の表示のような形になろうかとは思いますが、個別的事項に規定していくことを考えております。
文章だけではわかりづらいので、総則に規定するものはどういったものかというものが(1)になります。食品の区分に関する用語、例えば加工食品、生鮮食品、添加物、業務用加工食品、業務用生鮮食品、業務用添加物。あと、いろいろあることは想定されますけれども、とりあえずこういったものについては総則に置かせていただく。区分以外に、容器包装の定義についても総則のほうへ落としていきたいと考えております。
それに対して、個別的事項として整理するものという形になります。これは、食品衛生法もありますけれども、主には、JAS法に基づく個別の品質表示基準に規定されている用語、名称の定義になりますと、個別のJASの規定になろうかと考えております。そこに「形状等の用語の定義も含め、加工食品の表示基準の個別的事項に規定」と書かせていただいていますが、ちょっとわかりづらいので、11ページにいきまして、個別的事項として整理するものということで、そこに2つほど例を挙げてございます。
1つ目は、乾めん類の品質表示基準でございます。左が現行の定義、右側が、今後、新しい表示基準に移行する場合にこうしたいというものになります。見ていただくと、乾めん類という品目の定義のほかに、調味料、やくみ。乾めん類は確かに独特の品目なのかもしれません。ほかの品目にもかかってくるようなものが定義中に入り込んでいます。ただ、定義はほかの品目にもかかわるのですが、削除というわけにはなかなかいかないと思っていまして、では、どうするのかということで、乾めん類の品目の定義中に入れ込んでしまうという手法を一つ考えております。
もう一つ、用語の定義ということですと、調味料、やくみのほかに、トマト加工品ですけれども、缶詰類の場合にこういった定義が多いのですが、形状までを定義しているものがございます。今後、具体的に審議していただくときに、これは要らないという形になるのかもしれませんけれども、基本的に形状を残すという形になったとき、名称の定義と一緒にするとわかりづらくなるので、名称の定義は一つの表という形にして、形状のところはまた別の表という形で整理させていただきたいと考えております。
以上が論点1の整理になります。
続きまして、12ページ、論点2の義務表示事項に移らせていただきたいと思います。加工食品の義務表示事項について、統合の考え方は、先ほど述べたものとほとんど変わっておりません。横断的事項として整理するものとして、そこに例として、名称、保存の方法、消費期限、原材料名、内容量、食品関連事業者の氏名。これに加えて、食品衛生法関係のアレルゲンですとか添加物の項目。健康増進法の栄養成分の量、熱量について、加工食品の横断的事項として規定させていただきたいということを書いてございます。
これに対しまして、13ページ、個別的事項として整理させていただきたいものでございます。マル1、複数の個別品質表示基準に同様に規定されている事項というのがございまして、例1ですと、缶詰などの場合、使用上の注意を書きなさいというものがあります。今の食品ですと大体書いてあると思われるのですが、これを義務としているものは、個別品質表示基準の中の例えば缶詰、トマト加工品。ほとんど缶詰ですけれども、ジャム、豆乳類については、使用上の注意を書くという形になっております。調理方法も大体の食品には書いてあると思いますが、義務としているのは、今のところ、乾燥スープ、乾めん類、マカロニ、チルドぎょうざ、こういったところに限られています。
マル2でございますけれども、1つの品質表示基準のみに係るものもございます。例えば食酢ですと、酸度、醸造酢の混合割合、希釈倍率、スーパー等で売られる食酢に該当する場合は、こういった表記もあるということになります。乾めん類では、そば粉の配合割合。削りぶしですと密封の方法、こういったものが規定されているものがあるということです。
マル3は、原料原産地表示、遺伝子組換え食品に関する表示については、現行、義務表示対象となる食品が限られるということで、とりあえず個別的事項として整理させていただきたいと考えております。
マル4は、食品衛生法関係も当然ございます。例1、加熱食肉製品に関する事項としまして、表示例として、この製品は加熱食肉製品であるという事項を表示しなさいという規定がある。冷凍食品ですと加熱調理の必要性、こういったものも書きなさいという食品衛生法の義務の事項があるということでございます。
これら以外にも義務表示事項というのはたくさんあります。補足資料の8ページを開いていただきますと、現行の個別の品質表示基準、これはJASですけれども、品目ごとに義務表示事項がばらばらに規定されています。こういったものを個々に残していくのか、整理するのかということは、次回以降の調査会で提案させていただきたいと考えております。
では、一旦、論点2まで。

○宇理須座長 それでは、論点1と論点2に関しまして、皆さんの御意見を聞いて、また、消費者庁がそれに反映していただくというスタイルだと思いますけれども、皆様の御意見を、まず論点1と論点2について聞かせてください。

○鬼武委員 まだ論点3も残っていますが、今の段階で少しだけコメントしておきます。論点2については、次回以降、個別に説明というか、経過なりの説明があると思いますが、原則的には個別の品質表示基準のルールについては、消費者庁としては減らしていこうというお考えですか。要するに、立つ位置です。個別のものがあって、やはりこんなのは個別の義務表示として必要ないということで、削除することを考えていらっしゃるのか、これまでの説明のように個別品質表示基準は原則残すお考えなのか。各種団体から現状だけヒアリングをして残すことを基本とされているのか、そのことを一つ確認したい。
それから、論点2で個別の品質表示基準で決められているものがあります。私のコメントペーパー、14ページに書いていますが、JAS規格のほうで、シュウマイやぎょうざの衣率についても、既にJASから外れていますので、もう関係ないものも出てきています。JASというのは、定期的に見直しの中でやってきていて、古いまま残っているのもあるので、今回の個別の見直しの中では、立つ位置としては、余り必要のない個別だけのルールのものは外したいという考えですか。その辺は消費者庁としてはどういうふうにお考えですか。

○船田課長補佐 鬼武委員のおっしゃるように、今回の食品表示基準、わかりやすい基準としていくことが原則。ただ、義務表示の範囲を変えないというのもあって、今、御説明しているのはあくまで義務表示事項という形でございます。義務表示を、この事項はもう要らないのではないかということで例えば削除しますと、表示義務がなくなるので、現行の食品からこういった事項が消えていくという想定はされるところです。ただ、現在、表示がしてあっても、されていなくても、余り意味がないのではないかというものも確かにあると思います。今後、個別の調査会の中で、まさにそこをこちらとしても御審議いただきたいと考えております。確かに減らせれば一番シンプルという形になりますけれども、そこは義務表示の範囲を考えたときに、ちょっと難しい面もあるのではないかということでございます。

○宇理須座長 要は、わかりやすくしようということに関しては共通認識。ただ減らすだけではないという理解も必要だということですね、義務表示に関しましては。

○船田課長補佐 そうでございます。

○鬼武委員 法律上は現行の義務表示は変えないということなので、それはできないと言っているのでしょうか。例えば使用上の注意とか、多分共通することであって、ここだけがなぜ義務化なのかというのは、必要のないものも積み上げてきて、個別にあるとは思うのです。それから、今と昔では缶詰の内面塗装缶の種類も違いますし、古いまま残っているのがあって、陳腐化したような義務表示があるかもしれないのです。だから私としては、今回、義務表示は外れないにしても、これは方向としては全体として確認できる。そうしないと、次回以降、ヒアリングするかどうかの意味合いも違ってくるように思います。ただ単に聞くだけだったら意味がないような気がするのですけれども、その辺はどのようにヒアリングされるつもりでしょうか。

○宇理須座長 義務表示も、陳腐なものがあれば踏み込むかどうか。あるいは、義務表示に関してはノータッチということですか。

○船田課長補佐 そこは、消費者庁だけで判断しかねるところもありますので、先生方の御意見をお伺いしながら、としか言えないのですけれども、基本はシンプル化という考えを持っておりますので、例えば冷凍食品の規格がなくなったものについて、品質表示基準に残っている項目を残すかという議論もあります。そういったことを踏まえて、要は消費者にとってわかりやすい表示とするために、これは要るのか、要らないのかというところを判断していただきたいという、こちらの立場でございます。

○宇理須座長 それなりに融通性はちゃんとある。こういうふうに理解してもよろしいでしょうか。

○船田課長補佐 はい。まさにこちらも、融通といいますか、足したり引いたりというのが想定されるところでございます。

○宇理須座長 ありがとうございます。

○板倉委員 ちょっとよろしいですか。先ほど調理冷凍食品の話で、衣の率とか、ぎょうざ、シュウマイの皮の表示のことがお話に出ましたけれども、そもそもこういう表示については、例えば冷凍カツレツにあっては、55%以下である限りはこの限りではない。要するに表示しなくてもいいというルールがあって、消費者からすれば、カツにしても、シュウマイにしても、皮ばかり多くて中身が少ないものを表示で見分けたいというときに、あってほしかったルールだけれども、非常に緩いルールで、半分以上も衣だけというようなものはないので、表示されない商品ばかりだった。要するに、半分ぐらいまで衣がついていても、カツとして売れて、その衣の割合については示さなくてもいい、ということで表示ルールが使われていなかったというようにも読み取れます。
ですから、それに限らず、海外と比べて日本の食品表示には主原料の割合のパーセントもありませんし、水が水増しされていて、水の量が多くても水の原材料表示もないという状況で、消費者の方が品質的にいいものを選ぼうという場合に、今の義務表示の中では選べないことになっているわけです。そういうことを全く関係なしに、JAS法で品質表示基準がなくなったからやらないというようにはしていただきたくない。この際ですから、消費者が選択に際して、安全性だけではなく、品質を表示からどうして選べるか、みたいなことについてもお考えいただくことがないといけないのではないかと思います。それも含めて、ここの議論の中には入っておりませんけれども、今後、整理していただくこともお願いできればと思います。

○宇理須座長 それは検討課題に入っているのですか。基本的にはそういう考えは大事ですね、消費者にわかりやすいという立場はいいと思いますが、どうでしょうか。入っていますか。

○船田課長補佐 基本的に消費者への情報提供として必要な事項であれば、例えばJASの規格がなくなっても、表示基準としては残すべきと考えております。

○宇理須座長 ありがとうございました。
どうぞ。

○池原委員 来月から事業者団体を中心としたヒアリングが始まります。その中で事業者団体のほうから、消費者のわかりやすさという視点も含めた合理的な提案があった場合には、今の義務表示があっても、こう変えたいという視点があった場合には、それはしっかりと審議して、そういうふうに変えるべきものは変えていくというスタンスでぜひ臨んでいただきたいと思います。

○宇理須座長 そういうスタンスだと私は理解したのですが、それでよろしいですか。

○池原委員 はい。

○宇理須座長 ありがとうございます。

○立石委員 今、事業者ヒアリングと言いましたけれども、この中で呼んでやるのですか。池原委員が言われた事業者ヒアリングというのは消費者庁が個別にやるということですか。事業者の声を聞くというのも、再三言っていますけれども、骨格を決めないと、個別の議論に惑わされては何も進まないということを言いたいわけです。
論点2のところで、原料原産地表示と遺伝子組換え食品について、表示対象が限られているから問題なのだから、ここは横断的にやりましょうということを私は主張したいのです。ここは横断的に議論の俎上にのせるべきだと。なぜかというと、原料原産地表示については、少なくともルールが違うものが存在しているわけです。50%ルールと、漬物と野菜冷凍食品は重量順に1番、2番を書くという個別品質表示基準があるわけです。2つのルールがあって、今、ダブルスタンダードになっているわけです。そういった問題をこの際にきちっと整理すべきではないか。これはまさに横断的に決めなければいけないことだと思います。
遺伝子組換え表示についても、JAS法の中には1年ごとに見直しを行うと書いてあります。そのことについては、共同会議をずっと見ていると、毎年やっているわけです。ところが、この件について現在見直しの議論というのはどこの場でやっているのですか。遺伝子組換えについての表示の見直しは1年ごとに行いますということで、かつて共同会議があった時代は、共同会議の中で毎年きちっと出されていました、「ことしは何もありません」も含めて。ところが、今はどこでやっているのかよくわからない。遺伝子組換え表示については、議論が全くされていないのではないかという心配をしているので、その点、お聞きしたいと思います。

○宇理須座長 企業からのあれは、最後のところで御説明していただくというふうにスケジュールに入っていますので、そこで説明していただくということと、今の組換えのこと、これはどこでやられたということについて、お答えをお願いします。

○船田課長補佐 遺伝子組換え食品の表示の対象品目については、1年ごとに見直しなさいというのが、農林水産省でこの基準が制定されたときからやられています。このことについて、どこで報告するのかみたいな形になろうかと思いますが、消費者庁ができてからこれまで、食品表示部会において、例えばパパイヤ、新たな品目が追加されるということがありました。それについては食品表示部会に諮りまして、基準の中で追加するということをやってきています。昨年は新たな品目が出てこなかった。ただ、例えば食品安全委員会で新たな品目が承認されることになれば、当然、部会に諮らせていただいて、基準の中に取り込んでいくということをやらせていただいているところでございます。

○宇理須座長 ありがとうございました。

○立石委員 今の件ですが、例えばDNAとか蛋白質の検出レベルが変わらない等の技術的な問題等を含めて、これについて報告すべきではないですか。過去、共同会議のときはやっていたわけでしょう。確かにパパイヤはここで議論しました。ですが、なぜやらなくなったかというところが問題なのです。消費者庁になって、そういった遺伝子組換え表示についての議論をさっぱりやらなくなった。それは、どこか問題があるのではないかと思います。

○船田課長補佐 共同会議の中では、例えば一言の報告なのかどうかわからないですけれども、年度ごとに見直しについて検討した結果、新たな品目の追加は行いませんということで終わっているということです。引き続き、それを消費者庁もやりなさいということであれば、食品表示部会で報告させていただくのかどうかという話になるのかなと思います。

○宇理須座長 わかりました。では、その点については消費者庁のほうで御検討していただいて、どのように扱っていくか、また御意見をいただくということでよろしいでしょうか。

○立石委員 原料原産地表示の横断的取組みの考え方について、どうするのですかという質問をしていますけれども、そこは答えをいただいていないので。

○竹田食品表示企画課長 何度も申し上げておりますけれども、原料原産地のお話については積み残し課題の一つということで、今回の基準統合の目途が立った時点で、準備の整ったものから議論をするということでございます。そういう意味では、現状で原料原産地表示の規定をどこに置くかということで、今、こんな形で提案させていただいているところでございます。

○宇理須座長 それはちゃんと議事録に残していただいて、今後、やるということでよろしいでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 はい。繰り返しになりますけれども、積み残しの課題、複数ございますが、それにつきましては、今回の基準統合の目途が立った時点で、準備の整ったものから随時、別途検討の場を設けて議論をしていくということでございます。この方針に変わりはございません。

○宇理須座長 よろしいですか。

○立石委員 納得できませんね。委員の意見を皆さん聞いていただきたいのですが、これはまさに横断的事項ですよ。なぜ野菜冷凍食品と漬物と22品目はルールが違うのかということは、まさに横断的にきちっと決めていくべきではないですか。それから、要件1、2と、いまだに生きているということを言われるわけです。品質の違いに影響されるという要件。それから50%ルール。これは実はいろいろなことが関係してきます。いろいろな品目に品質表示基準等も関係してくるわけですから、このことを全く議論もしない、考え方も整理しない。終わってから、全部ホッチキスにしてからやるなんて、誰もそんなことはやりませんよ。恐らく何も変えないというのが今の消費者庁の考え方ではないですか。

○宇理須座長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 やらないと決めつけておっしゃられるのは当たらないというふうに、先ほどから申し上げております。今、委員から御指摘のあった点も含めて新しいステージで御検討いただいて、成案が得られれば、また新しい基準の中に随時、改正と拡充ということで盛り込まれるのは当然のことでございます。そうした点も展望しながら、新しいステージでこれから議論をすることになると思っております。

○立石委員 食品表示部会で加工食品に関する調査会をやりましたね。実はそのときに当時の課長からも同じ答えがあったのです、一元化検討会の中でやりますと。そのことで一元化検討会でずっと議論して、何にも決まらなかった。このことを私は言っているのです。それから共同会議のとき、板倉さんはずっといらっしゃったからよく御存じだと思いますけれども、何度もこのことは議論しています。それでもって何も決まらない。
今回、一つにするわけだから、ダブルスタンダードをこの際に解消するということできちっと議論すべきなのです。どこでやるのですか、ということを私は何回も言っています。国会の消費者問題に関する特別調査会の中で、どこでやるのか、国会議員の先生に何回も聞かれましたね。それで明確なお答えはなかったのです、附帯決議にありながら。要するに、どこで議論するかということも決めない。方向性も決めない。それでもってずっとやっていく。こんなことは許されません、ということを何度も申し上げているのです。

○宇理須座長 これはきちんと議事録に残していただいて、委員全員やると。具体的な日程はまだはっきりしていませんけれども、やるということで、よろしいでしょうか。ほかの方の意見はよろしいですか。

○池原委員 先ほども述べましたけれども、消費者基本計画、この6月の改定版がたまたま手元にあります。これを、ちょっと非公式ですが、読み上げますと、加工食品の原材料表示云々(中は省略します)などについての表示の基準の見直しについては、順次、検討を進めます。担当省庁等は消費者庁。実施時期については、「新たな食品基準の策定について、目途がついた段階から検討を実施します」、こう明記されておりますので、基本的には、消費者基本計画に書かれた内容をもって我々は進めていくのが大事ではないかと私は思います。

○宇理須座長 ありがとうございました。そういう意味で、これは法律と言っていいのですかね、法律にも明記されていると。

○小田事務局長 閣議決定です。

○宇理須座長 閣議決定ですね。済みません。

○池原委員 ただ、正式には消費者委員会の事務局からきっちりと提示していただきたいと思います。

○小田事務局長 加工食品の原料原産地表示とか、残された課題が4つあります。これについては、ここの委員の方々もメンバーでおられます部会で、11月に2回部会をやっています。そのときに何度も何度も御質問があって、何度も何度も消費者庁は答えています。まず、この表示基準の統合を来年夏までに目途をつけて、その間、並行して残された課題の準備もやります。準備が整ったものから順次検討していきます。それを大前提にして3つの調査会を設けて、表示基準のあり方の検討に入りましょうということでスタートしたわけですから、基本計画にどうあるかどうかは別にして、この委員会ではそれが基本認識になっているというふうに私たちは思っています。

○宇理須座長 ありがとうございました。ここまで言っていただいたわけですから、それを信じて、と言うとおかしいですけれども、進めたらいいかと思います。いかがでしょうか。

○立石委員 最後に一つだけ。この問題について、この間、議論をこの場でもそんなにやっていないのですけれども、一本化する中で大変重要なテーマの一つであるにもかかわらず、それだけは置いておくと。細かい点はいろいろありますが、これについて、より重要なテーマをこういう場で議論するべきではないかと思います。これが一つ、骨格にかかわるわけです。それを置いておいてまずはホッチキスから始めましょうということが、消費者団体の方を外してこの議論をスタートしたということになってしまうわけです。ここが一番、私の心配したところだったわけです。以上です。

○宇理須座長 ありがとうございました。
それでは、次のテーマに移りたいと思います。説明をよろしくお願いします。

○船田課長補佐 引き続き、論点3の「加工食品の表示方法について」について御説明申し上げます。
まず、14ページ、統合の考え方でございます。3法の表示基準に規定されている表示方法のうち、品目共通のものについては、加工食品の表示基準(第2章)に横断的事項として規定する。これは今までの論点と同じ方針でございます。
個別の品質表示基準に規定されている表示方法のうち、統一できるものについては、原則として共通ルールとした上で、加工食品の表示基準(第2章)の横断的事項として持っていきたいと考えております。ただし、統一できないものについては、個別的事項として整理させていただきたいということです。
4ポツ目でございますが、添加物の表示については、品目共通ということになりますので、横断的事項として置きますが、原料原産地表示、遺伝子組換えについては、とりあえず今回、個別的事項として規定させていただきたいということが書いてあります。
15ページでございます。まず、論点3-1ですけれども、名称の表示方法について御説明します。JASの場合、食品は名称を書くという形。品目名と言ったほうがいいのか、通常、名称という形になります。名称の表示方法は、現行のJAS法に基づく加工食品品質表示基準第4条第1項については、「その内容を表す一般的な名称を記載すること」が基本ルールとなっております。
ただし、これに対しまして、個別の品質表示基準で別途、品目の定義、先ほど、乾めんの定義ということで御説明しましたけれども、そういったものについては、個別の品質表示基準の定義をもって名称を書くというルールがございます。15ページの下半分に名称規制のルールという形で書かせていただいておりますけれども、加工食品の品質表示基準第4条の中に、「別表4の左欄に掲げる加工食品以外のものにあっては、それぞれ同表の右欄に掲げる規定により定められた名称を記載してはならない」。逆に言うと、表の中にトマト加工品とか、乾しいたけとかありますが、これはそれぞれの品質表示基準で名称が決まっているので、決まっている名称に沿ったものについてのみ、トマト加工品、乾しいたけと書けるという意味合いになります。
16ページ目になります。今のは横断的な分類ですけれども、個別的事項として整理するものがあるのかどうかということでございます。名称規制に加えて、名称のところに括弧を付して、例えば形状。例1でベーコン類を挙げてありますが、名称の表示の文字の次に括弧を付して、ブロックとかスライス、その形状を書くことも義務となっております。一方、トマト加工品ですけれども、普通、名称はトマト加工品かもしれませんが、缶詰の中がどういう状態になっているのか。トマト・ジュースづけですとか、トマト・水煮のように、中身がわかる名称の書き方をわざわざ規定しているものもあるということでございます。
例えば、名称の表示方法については、補足資料の12ページにもいろいろな表示方法を載せてございます。今、挙げた例以外にも、補足資料の12ページ、13ページを見ていただくと、いろいろな規定があります。これについて後日、個別の調査会、個別の品目を審議する段階で御検討いただくという形になります。
続きまして、17ページ、論点3-2、原材料名等の表示方法についてです。横断的事項として整理するものは、まずは原材料名の表示順序というのがございます。現行の加工食品の品質表示基準第4条では、使用した原材料を、食品添加物以外の原材料及び食品添加物の区分により、原材料に占める重量の割合の多いものから順に記載すること。要は、重量順に記載することになっています。プラス、食材と添加物は分けて表示するという規定ぶりになっています。
もう一つ、複合原材料の表示方法というものがございます。これは何かといいますと、JAS法の加工食品品質表示基準第4条に規定がございまして、※のところで、2種類以上の原材料からなる(途中省略してありますが)ものについて、複合原材料表示をしなさいという規定がございます。マヨネーズという形で表示例を挙げさせていただきましたけれども、原材料としてマヨネーズを仕入れてきて使う場合には、基本的には、マヨネーズに括弧を付して使われている原材料を書くことになっております。ただ、原材料の書き方として全部書くのが難しい面もありますので、原材料3種類以上ある場合、かつ、重量の割合が5%未満の場合には、「その他」とか、省略規定もあるということでございます。
18ページ、続きということで書かせていただいております。原材料名の書き方として、単純に個別の材料を重量順に並べる形のものもありますけれども、個別の品質表示基準では、まとめ書きというふうにここでは書かせていただいておりますが、例1、表示例では野菜。原料として、にんじん、たまねぎ、ピーマンを使っている場合には、これらを「野菜」という形でまとめて書いてもいいというルールがあります。ただ、括弧の中のにんじん、たまねぎ、ピーマンについては、重量順に書くというルールになっているということでございます。
もう一つ、例2でございます。これは即席めんなどの基準ですけれども、めん、つゆ、かやくと分けて、それぞれの原材料を書くという方法もとられている場合があります。後段、砂糖と砂糖混合異性化液糖を使用した場合の記載方法という形で書いてありますけれども、現在、加工食品の品質表示基準と個別の品質表示基準については、砂糖類に含まれるものはまとめ書きできるという規定もございます。
19ページ、さらに続きますけれども、原材料の表示方法というのはいろいろな手法がございますので、今回、御紹介させていただきます。簡略表記と言っておりますが、例えば香辛料は原材料としていろいろな種類を使った場合、全部書くことがなかなか難しい場合には、原材料に占める重量の割合が2%以下であれば香辛料とまとめ書きできる。2%を超えるようであれば、香辛料名を書くという形にしてございます。
マル5は、中間加工原料を使用した場合の原材料名の記載方法。先ほど、マヨネーズを仕入れた場合はマヨネーズと書いてくださいということを言いました。現行の加工食品の品質表示基準に規定はないのですが、Q&Aのところで、「加工食品の原材料は、最終製品を製造する事業者が使用する状態の原材料を、一般的名称で記載することを基本とする」と書かれています。今回はこういったものもありますという紹介ですけれども、こういった規定を新たな基準の中に入れるかどうかというのも、次回以降、御検討いただければというふうに考えております。当然、原材料の表示方法に食品衛生法に係る部分もあります。内閣府令で、アレルゲンの表示ですとか、添加物の表示ですとか、そういったものがありますので、それらもあわせて横断的事項に規定し、今回の食品表示基準の中に盛り込んでいく形になります。
20ページです。今までは「横断的な」という話で申し上げておりましたけれども、20ページからは、原材料名等の表示方法について、個別的事項として整理するもの。横断とか、個別とか、わかりづらいと思いますけれども、義務表示事項のところで結構、個別的事項として挙げたものがありました。それらについて、当然、表示方法が派生してくるというふうに考えていただければわかりやすいのではないかと思っております。
例1では、醸造酢と合成酢を区分して記載という形のもの。こういったものについては、食酢の品質表示基準の中にあるものと、ほかの品目にもこういったものが盛り込まれているものもありますので、こういったものについては個別的事項として規定していきたい。例2として濃縮還元。果実飲料などで原料として濃縮還元原料を使ったものについては、表示として、濃縮還元を使用した旨を書くという規定が個別の品質表示基準の中でも定められている。例3、例4、例5は、栽培方法ですとか、部位を書くですとか、でん粉含有率なども個別でありますので、こういったものについて整理した上で、残すのか、入れていくのかということを検討していただく形になろうかと思っております。
論点3-3は、加工食品の内容量の表示方法です。基本的に内容量については、計量法の規定による表示基準という形になっております。ただ、計量法だけではなく、JAS特有の表示方法も一部あるので、それについてはそのまま、横断的なものは横断的、個別なものは個別的ルールとして残したいという形で御紹介したものでございます。
例えば横断的事項として整理するものですけれども、計量法の特定商品。特定商品に該当しますと、当然、重さ、グラム、容量を書く形になります。それ以外のものについて、例えばバターロール。パンなどですと内容数量6個入りと、グラムを書かなくてもいいという規定がございます。
片や個別的事項として整理するものがありますけれども、これも品目特有なものが結構多く、例1、個数による表記。先ほどのパンの例ではございませんが、うずらの卵の缶詰。当然、重さは書きますが、内容個数がわからないと使いづらいということで、内容個数も書けという規定が個別の品質表示基準では定められているものがあるということです。そのほかには、例3の乾燥スープですと、1人前何mlという、消費者が使う場合の目安となるものを表示しなさいという義務規定があるということでございます。
22ページは、このほかにも、加工食品の場合、期限表示、保存方法、その他の表示というのがありますけれども、基本的には、現行のJAS法に基づく加工食品品質表示基準第4条第1項の規定と、食品衛生法も同様の規定がありますので、これらについては、加工食品の表示基準の横断的事項として規定するという考えでございます。
その他の表示ということで、現行のJAS法に基づく加工食品品質表示基準の特色のある原材料等表示というのがございます。これについては、横断の加工食品品質表示基準の中に、特色のある原材料等の表示については割合を書きなさいという規定がございますが、これについては、横断的事項に引き続きそのまま規定したいと考えています。繰り返しになりますけれども、2ポツの原料原産地表示、遺伝子組換えの表示については、加工食品の表示基準(第2章)の個別的事項にとりあえず規定させていただきたいということになります。
最後の論点4です。基本的な統合の考え方は今までと同じでございます。表示禁止事項は、JAS法だけではなく、例えば食品衛生法に規定されるものもあるということなので、それらについては、横断的ルールにするか、個別的ルール、どちらか適したところに規定していくという形をとりたいと考えております。まず、横断的事項として整理するものということですけれども、加工食品の品質表示基準第6条に4つほど規定がございます。(1)のマル1の(イ)~(ニ)で示したものです。これは現在、加工食品の品質表示基準の中で、どんな品目にあってもこういう表示は表示禁止事項ということで規定されたものになります。
中身を見ますと、義務表示事項、表示の方法の規定により表示すべき事項の内容と矛盾する用語。要は、うそをついてはいけないということを言っているようなものですけれども、間違った表示はしてはいけませんと。あとは、産地名を示す表示であって、産地名の意味を誤認させる表示。産地偽装というのが最近、結構多いので、これについては特別、規定が入っています。例えば、アジの原産国がオランダですが、これを沼津で加工し、表示として「沼津産アジの開き」と表示してしまうと、アジも沼津産と思われてしまうので、こういった表示はいけませんという規定が入っております。
あとは、その他、内容物を誤認させる文字、絵、写真、その他の表示というのがあります。例えば、パインアップルの缶詰があり、絵には丸ごとの絵が描いてあるのですが、開けたらスライスされたものが出てきました。こういった表示はいけませんという規定があるということです。
(ニ)は、屋根型紙パック容器の上端の一部云々。牛乳パックにはわざわざ切欠きを入れて、これも表示として見ているという形になります。ですから、牛乳以外の紙パックに切欠きを入れてはいけませんということも規定されているということでございます。
横断的事項としては、今は入っていないのですけれども、個別にある表示禁止事項の中で横断的事項として移行できそうなものについては、横断的ルールとして規定したいという考え方をマル2としてお示ししております。等級の表示と言っていますけれども、JAS規格のある品目については、JAS規格は任意でございますが、特級、上級という表示をする場合は、JASの格付けを受けていただくのが一番いい。格付けを受けないでつけたものについては、表示するのはよろしくないのではないかという規定を置きたいということでございます。
遺伝子組換えの表示基準は、個別みたいな話もしたのですけれども、横断的ルールとして表示禁止事項として入れられるものがあります。それは何かというと、例えば、組換えDNA技術を用いて生産された農産物に属する作目以外の作目。要は、遺伝子組換えの対象品目でないものについて、もともと遺伝子組換えがないものに遺伝子組換えという表示をすることはいけません、という規定があるということです。
マル4は、食品衛生法に第19条第1項の規定に基づく内閣府令に規定する、乳児用規格適用食品、栄養機能食品、保健機能食品の表示禁止事項というのがございますので、これらも同様に横断的事項として取り入れたいということでございます。
最後、24ページでございます。個別的事項として整理するものも、現行のJASの個別品質表示基準の中でいろいろな個別の規定がございます。そこに幾つか例を挙げてありますけれども、マル1~マル7までいろいろな規定があります。例えば、生ですとか、フレッシュ、天然、自然、この辺は最近、レストラン表示などでも問題になっておりますけれども、加工食品の品質表示基準では、こういった用語は品目によって一切使うなという規定があります。これらについては、品目特定という形にはなりますが、そのまま移行するのがよろしいのではないかとこちらとしては考えているところでございます。
以上でございます。

○宇理須座長 ありがとうございました。
論点3と論点4まで、まとめて御説明いただきましたけれども、この点に関しまして、御意見を聞かせていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○石川委員 質問ですけれども、個別的事項に関してどのように整理していくのかという点について、単純に個別品質表示基準の基準ごとに何章の1、何章の2という形で整理していくのか。それとも、名称ルールとか、原材料名の表示ルールとか、内容の表示ルールとか、食品ごとにこだわらないルールなのか、どちらのイメージなのでしょうか。

○船田課長補佐 基本的に、表示基準のベースに加工食品の品質表示基準を置きたいと考えております。最初に定義で、義務表示事項、表示の方法というのが、加工食品の品質表示基準の組み立てといいますか、構成になっています。個別の品質表示基準も、加工食品の品質表示基準の組み立て方とほとんど同じような形になっていますけれども、個々の品質表示基準をぶら下げるということではなく、表示方法なら表示方法のところに、横断的ルールをまず一つ、基本ルールを置いていただく。例えば重量順というのを置いていただいて、ただし、これらの品目については重量順では難しいというものについては、除外するような規定ぶりを書いていこうかということも考えています。
あとは、まとめ方として多分いろいろなやり方があると思いますけれども、個別品質表示基準は結構たくさんありますので、表形式にまとめることも一つあるのかなというふうに思っております。品目一覧で定義、品目一覧で表示の方法みたいなこともちょっと考えているところで、そこについては今後の調査会の中で、どういう手法がいいのかというのを、こちらとして案はお示しいたしますので、そこで検討いただければと思います。ばらばらに入れ込むのではなく、項目別にとりあえずまとめることを想定しているということでございます。

○宇理須座長 とにかくわかりやすくしようという試みだと思いますけれども、よろしいですか。

○石川委員 今のイメージですと、例えば名称については個別表示で、トマト加工品、乾しいたけ、農産物漬物、野菜冷凍食品という個別の表示基準がありますけれども、名称としては、別表のようにして、別表記載の左の品目は右のとおりの内容とするとかいう形で持っていくわけですか。原材料名に関しては別表のとおりである。細目がずらっと並んでいくと。
ただ、その場合、パッと見、表示基準の条項を見てもすぐにわからないようなイメージがある。今の加工食品の個別基準を見たら、この食品はこれを見ておけば大体わかるというふうな形になっているので、名称ルールとか、内容量等の整理の仕方だと食品ごとに分断されます。そのあたりをどう整理するのかというところを、今、気にかけているところです。まだアイデアはないですが。

○宇理須座長 確かに、一度つくってみて、もう一度、個別にするかとか、そういう議論も必要のような気がいたしますね。目に見えた何かがないと具体的な議論はなかなかしづらいのではないかと思います。しかし、わかりやすくするというのが一つの基準ルールであることは間違いないと思います。
ほかはいかがでしょうか。

○立石委員 個別品質表示基準の中でルールが違うものが多数あるわけですけれども、それについては既にそちらで整理をされていて、考え方というのは基本的に持っておられるのですか。

○船田課長補佐 今、整理をしている最中でございます。次回以降、1回に全部46本をやるというわけにはなかなかいかないと思いますので、3回ほどに分けて品目ごとに御議論いただく形で、こちらの案という形で資料を提出させていただきたいと考えております。

○立石委員 案ということで、消費者庁が出されるということですね。というのは、多分ホッチキスの考え方だから、今のままでいいということになると、何も変わらないでそのままにされるのではないかという心配をしたわけです。基本的には問題はいろいろ違いがあるわけですね。それが消費者目線で情報開示がされているかどうかという点では、私はペーパーに書いていますけれども、例えば添加物の問題についても、事業者の判断によって、用途によって書かれないとか、そういう問題についてきちっとやると。それから、糖類の書き方とか、異性化糖が情報開示されていないとか、そういう問題について、きちっと消費者庁として、消費者庁と何回も言いますが、消費者という名前がついた庁として、もう一回、そこの目線でやり直すんだという気概で、きちっと整理するということでよろしいのですね。

○船田課長補佐 こちらで策定する食品表示基準ですけれども、あくまで消費者目線に立った表示基準となるような構成を目指しております。

○宇理須座長 ほかはいかがでしょうか。

○池戸委員 議論の進め方ですが、先ほどからいろいろ御説明いただいていますけれども、基準づくりの整理の仕方はとりあえず横断的事項と個別を分ける。実際の表示は、別に横断的とか個別とか書くわけではなくて、考え方は、安全性のところを優先で書くという考え方だと思います。あとは、個別を見ないとなかなかイメージが出てこないかと思います。先ほど、58本の基準を整理という話でしたが、例えば酒類はここに含まれているということでよろしいですか。7ページに基準がありますね。今回はそれも対象にするという話でしたけれども、よろしいですか。

○平山企画官 酒類、いわゆるアルコールでございますけれども、JASの方では対象になっていない。その一方、食品衛生法、健康増進法の方は対象になっていますので、そちらの方には含まれているという整理でございます。

○池戸委員 そういうことですね。それで、表示の議論は当然、この調査会、部会でやりますけれども、先ほどから出ているように、例えばJAS規格のJAS法はそのまま残ります。そうすると、定義なども共通するところがあると思いますけれども、その辺の整合はとるという前提でよろしいですか。

○船田課長補佐 JAS規格と品質表示基準はセットという考え方があろうかと思います。品質表示基準は義務ということなので、当然、定義を変えるとJAS規格に影響することが考えられます。その辺は、農林水産省と消費者庁とで相談しながら進めるという形をとりたいと考えております。

○池戸委員 それは多分、整合をとっていかないと混乱が起こると思います。それから、例えば11ページに、トマトの形状の定義で、輪切りとか全形とか、例が載っています。消費者にとって外から見えないものはこういうルールがないと困ります。これは必要だと思いますけれども、規定のテクニックといいますか、強制規格になるとTBT通報が必要になってきます。そうすると、一つの例として考えていただきたいのですけれども、規格を変えるたびに通報が必要だというときに、先ほどJASの規格の整合という話があって、テクニック上、実際この表示は必要ですが、引用するという話になったときに、仮に通報がその場合は必要ないということであれば、そういう引用方法というのもあり得るのではないかということを思いついたので、その辺も頭に置いてやっていただければと思っています。

○宇理須座長 今の答えは。

○船田課長補佐 JAS規格の定義、規定を引用するというのは考えられるところです。例えば、日本農林規格のところで規定されている部分を、例えば名称を書きますみたいな形は一つの考え方としてあると思いますので、その辺は今回、意見としてお伺いするということで、今後の検討でどうするかというのは、繰り返しになりますけれども、農林水産省と打ち合わせをしたいと考えております。

○宇理須座長 どうぞ。

○立石委員 JAS規格と個別品質表示基準、それから、新しい食品表示法の中で、いわゆる利益相反することがもし起こった場合、消費者目線から見てこれはおかしいのではないですかということがあった場合、どちらを優先されるのですか。JAS規格を優先されるのですか。そこをお聞きしたいのですが。

○宇理須座長 いかがですか。

○船田課長補佐 基本的には品質表示基準は義務でございますので、当然、品質表示基準が優先されるというか、強制力を持つという考え方になろうかと考えております。

○池戸委員 ちょっとよろしいですか。基本的には表示の議論なので、表示はもちろん、消費者のためという前提で議論をすべきだと思います。ただし、できた暁に、隣の法律を見たときに定義が違うのは、これはちょっとおかしいということもあり得る。ですから、規定の方法や整合性については二の次にして、まず主体的には今後の表示をどうすべきかという議論で進めるのが大前提だと私は思います。別の言い方をすると、最初にJAS規格ありきという話ではない、そういうことだと思います。

○宇理須座長 そういうスタンスということでよろしいですか。

○船田課長補佐 はい。そうでございます。

○宇理須座長 ほかはいかがでしょうか。

○鬼武委員 コメントにも書いたのですけれども、禁止事項で個別的事項で整理するものということで、24ページに7つぐらい出ていまして、多くの国内で製造・販売されているものは公正競争規約があって、そこでもいろいろな形で規定がありました。そちらとのバランスというか、新食品表示法の枠組みである食品衛生法、JAS法および健康増進法にかからない表示規則、今回のものはその辺はどういうふうに整理されるおつもりでしょうか。

○宇理須座長 御意見はまとまっていますか。

○船田課長補佐 当然、公取の規約についても、今回の基準作成に当たっては考慮すべきと考えております。それを新たな基準の中に盛り込むかどうかについて、意見があれば、こちらも検討させていただきますけれども、確かにいろいろな公正競争規約がございます。内容はこちらとしても把握しておりますけれども、今すぐ新たな基準の中に入れるべきかどうかということも含めて、今後の検討課題になろうかと考えております。それについては、公取の規約だけではなく、例えば通知等とか、Q&Aで出ているものもいろいろあると思いますので、その辺については、今後の課題として、こちらとして案として示せるものがあれば示していくということで考えております。

○鬼武委員 少し項目を検討していただきたいのですけれども、イメージするものが、そういう公正競争規約とか、ほかのことも含め、消費者庁の事務局の中ではわかっているはずです。私が事業をするとして、新しく商品を開発しようとします。表示しようとすると、まず横断的なことがあって、個別なことがあって、3法の枠組みがあって、その外にある食品表示にかかわる事項までわかるかというと、多分わからなくて、実務作業として商品に法律を守った表示をできないと思います。それは、ガイドラインかQ&Aかわからないけれども、そこまで含めて考えておかないと、先ほど石川委員からもあったように、実際に表示する人が、3法一緒にしたけれども、今まで以上に食品表示がもっとわかりにくくなったというふうになるような気がします。それは今回の直接的な議論ではないかもしれないけれども、ガイドラインとガイダンスとか、別の形でQ&Aも整理するとか、そこまで想定した作業をあわせてやらないといけないのではないでしょうか。
究極は、食品表示Q&Aもそうですが、減らさないと意味がないのです。どんどん増えていくと、食品表示をする際にあれだけどうやって見ますか。これのどこかが一部間違っていたから事業者が表示ミスだとしても、それは不幸でしかないですね。やはりわかりやすさから言うと、法律の立て方についても、もっとシンプルにすることも目指していただきたい。そこを絶対、念頭に置いていただきたいと私は思っています。

○宇理須座長 幾つか課題が出ましたけれども、うなずいてみえるので、期待するということで。
ほかはいかがでしょうか。

○河野委員 なかなか大変な作業だなというのを実感しております。消費者からすると、先ほどから消費者という名前が出ていますけれども、最終的に手元に来た商品に知りたい情報が過不足なく載っているという状態を、事業者の方が無理なくしてくださるというところだと思っていますけれども、今後、どういうふうにこの作業を進めていくのか、概要が全くみえてこないのです。どういう資料を出していただいて、私たちはどういうふうに検討にコミットしていくのかというのは、どう考えればいいのでしょうか。

○宇理須座長 時間も迫っていますので、今の答えをしていただければ取りまとめになるような気もしますが、答えは出ますか。今後の流れみたいなことも含めて。

○船田課長補佐 冒頭、鬼武委員からあった、全体像というのがあるのではないかと思います。そこにはめ込んでいく、パーツと言うと何ですけれども、個別の品質表示基準を、先ほど石川委員もおっしゃっていた別表の形にするとか、一つにしていくためにはいろいろなパターンがあるのではないかと考えています。全部をお示しするのは難しいので、次回以降、品目を限らせていただいて、こういった例と。今回も、乾めんの代表的な例ということで名称のまとめ方をお示ししたのですけれども、ほかの表示方法についても、こういうまとめ方でどうかというのを、代表的な例という形になろうかと思いますが、お示しする。どういう資料を用意したら審議しやすいのかというのは、こちらも決めかねているところがありますので、なるべく審議しやすい形の資料をこちらとしては準備させていただきたいというつもりでございます。

○宇理須座長 それでよろしいですか。

○河野委員 枝分かれ式に、いっぱい左のほうに大きな項目があって、順番に、そこから右に細かく、細かく枝がいっぱい伸びていくというイメージでいればいいのでしょうか。

○船田課長補佐 今、既に枝がかなり分かれているものを、逆に狭めていくというイメージではないかと思っています。現在は、加工食品の品質表示基準の下と言うか、下に個別の品質表示基準がぶら下がっている状況ですが、ぶら下がり状態ではなくて、基本ルールはこうですと。個別で置くところは、確かに枝分かれと言ってしまえばそれまでですけれども、なるべく枝分かれでも類型化して一つにまとめたいと考えております。

○宇理須座長 末端のところを整理して、そして、大きくまとめられないか。こういう作業をするような印象ですかね。よろしいですか。理解できましたか。
どうぞ。

○立石委員 いずれにしても個別品質表示基準のところをそのまま置いておく、恐らくそういう考え方だと思います。そうすると、項立ての問題とか、見せ方とか、それだけの問題なので、作業量は膨大ですが、中身は、それほどでもないのです。問題は、この機会に、何度も言いますが、個別品質表示基準の中の消費者目線に沿わないところをもう一回きちっとやり直すということを、最大限ここでやるべきなのです。項立ての問題なんかどうでもいい話です、私から見たら。一番の問題は、食品衛生法とJAS法の違いだとか、個別品質表示基準の違いだとか、そういう中で消費者目線に沿ってもう一回見直すという、そのテーマは何なのか。今回、私は幾つか挙げていますが、栄養強化の目的のための食品添加物表示については、省略できるという項があったり、そうでないところもあったり、そういうのはどう考えてもおかしいです、消費者目線から見たら。
これは、それぞれが個別品質表示基準ということでこれまでのJAS法の中で、そういう形で決まっているルールがあるから、今はそれでよしとしても、この機会にこのことを一回きちっと整理し直さないと、この問題は残ってしまうのです。ですから、これをまずやってください。何が問題かということ。我々は事業者の立場ですけれども、それほど多くは気づいているわけではないかもしれません。それでも、残すものには理由があるわけです。個別品質表示基準として違うルールを残すのはこういう理由です、だからこうするのですということを、まずはきちっとわかるようにしないといけないですね。

○宇理須座長 どうぞ。

○池原委員 19ページのマル5ですが、今後のことも踏まえて質問と意見を述べたいと思います。今回、今までの基準でないものを基準として定めたいという唯一のものだと思いますが、Q&Aしかないものを基準として格上げされたいというところですけれども、この狙いといいますか、背景というか、問題認識みたいなものがあれば、ぜひ教えていただきたいということ。
あと、事例として「ミックス粉(小麦粉、砂糖)」と書かれていますけれども、これは、ここのテーマの本質をあらわす事例としてはちょっとわかりづらいのではないかと思っています。ミックス粉も、原材料の中で5%以下だったらカッコの中は要らないわけです。ここのテーマは何かというと、小麦粉、砂糖と個別にばらした状態で書くのか。そうではなくてミックス粉だけで書くのか。どっちを書きますかというのがここの本質的なテーマです。ぜひ、そういった書き方をしていただいて、議論がきっちりできるようにしていただければありがたいと思います。
もう一点、次回以降、詳細は議論するという御説明でしたけれども、きょうはこれだけ確認したいのですが、「基本とする」というふうに書かれています。これは、基準になっても基本とするということなのか、義務みたいに、こうしなければならないというふうになっていくのかというと、それはどちらになりますでしょうか。

○船田課長補佐 19ページのマル5ですけれども、現在、市販されている食品の表示に関しまして、加工食品の品質表示基準の中に、その状態で書くということは書かれておりません。ただ、消費者にとって、その商品が最初から農産物からつくられているのか、途中からつくられているのかということがわかる表示をしてくださいというのが、問46になろうかと考えております。
例としてミックス粉を挙げましたけれども、ミックス粉というのは大量に使うものではないので、現在、複合原材料の書き方は、5%未満なら括弧の中を省略できますというのは確かにあります。そうは言っても、ミックス粉が5%を超えれば括弧の中の原材料表示が出てきます。消費者にとって、括弧の中の情報は重要なのかどうなのか、ということがあろうかと考えております。その辺を含めて、例示として余りふさわしくなかったのかもしれませんけれども、ミックス粉ということで例示を挙げさせていただいたところでございます。
基本としてこのルールを基準の中に入れ込めるのかどうか。今、絶対入れるということで御提案しているわけではなくて、こういったことを入れたいというふうに御提案しているものでございます。現在、Q&Aで、これに従わなければならないというルールはガチッとしたものでは確かにないですけれども、基本的にはどんな事業者にとっても、こういった仕入れた原材料の状態で書いてくださいということを、こちらとしては、義務ではなく、指導という形で指導しているという状況でございます。ですから、この考え方を絶対とするかどうかというのは、今後、また御議論いただければと考えているところでございます。Q&Aのままで置いておいてもいいということであるのか。基準であげたほうがいいのか、形はいろいろ考え方はあると思いますけれども、今すぐこれを入れるというこちらの意思表明とちょっと違っていて、横断的事項として整理するのであればこういったものがありますということで、今回、方針を示させていただいたということだけでございます。

○宇理須座長 ありがとうございました。いかがですか。

○池原委員 最後、一つだけ。今回、Q&Aが一つ例として挙げられていますけれども、たくさんのQ&Aの中をずっと整理していただいた結果、これだけこうしたいということなのでしょうか。これからも、そういったものがまた幾つか出てくる御予定がありますでしょうか。

○船田課長補佐 とりあえず今回、Q&Aでこれだけ一つ示させていただいておりますけれども、これ以外もあり得るということでございます。

○宇理須座長 どうぞ。

○立石委員 確かにQ&Aでもルールですね。だから、これは守らなければいけないということでやっているわけですが、後で附帯的にいろいろな疑問が生じて、Q&Aという形で今やっているものを、この際、当たり前のルールは全部格上げすべきなのです、それは事業者にとっては同じなのだから。そこをもう一回ざっと精査したほうがいいですよ。Q&Aというのは、我々も、こっちも見なければいけない、こっちも見なければいけないと、大変なのですけれども、もう一回、Q&Aの中でやっているもので当たり前になっていることを格上げすべきですよ。

○宇理須座長 整理する過程の中では確かにそのほうがいいかもしれませんね。
では、そろそろ時間が来ましたけれども、きょうはこのぐらいでよろしいでしょうか。その前に一つ、立石委員から事業者団体のヒアリングというのがございました。これは、やるということはいいと思いますけれども、少しイメージ的にわかるように説明をしていただけるといいかと思います。

○船田課長補佐 以前の表示部会の中で、各事業者の意見も聞いてほしい、ヒアリングしてほしいということを受けまして、こちらといたしましても、いろいろな個別の品質表示基準があって、それが今まで加工食品品質表示基準で一本化できずに残ってきている経緯もあると考えております。こちらがこの団体というよりは、こういった品目についてお聞きしたいという要望のある団体について、お呼びするというスタンスではないかというふうに考えます。あくまでこの場は消費者委員会の食品表示部会でございますので、こちらがその団体をということではなく、団体ヒアリングをしたいということの要請を受けて、こちらとしては御提案はしますけれども、基本的には部会の中でヒアリングするかどうかを決めていただいたほうがいいのではないかと考えております。

○宇理須座長 それでよろしいですか。

○立石委員 反対です。なぜかというと、何も決まっていない中で論点がぐちゃぐちゃになるだけであって、やりたくないということばかりが先に立ったら、実効性と言われたら何も決まらないですね。要は、未来を想定してここまでやるんだという方向感がない限り、事業者は反対します。これは私も事業者ですから、もちろん、そういう立場になります。
前の調査会のときの経験から言っても、原料原産地表示の調査会のときにヒアリングをしましたね。事業者の方が出てこられましたけれども、その方は皆さん反対です。そういった中で何も進みませんよ。もう少し骨格を決めて、ある方向性、幾つかの論点、そういうものが明確に見えたときに、例えば添加物の表示をどうするかとか、栄養強化剤を使っている添加物は全部オープンにするとか、そういうルールを新たに決めたときにやるべきです。今のところは単なるホッチキスだけで、個別品質表示基準で見直すところが明確になっていないではないですか。明確になったときに初めてそういったことをやるということであれば、まだ見えますがね。

○宇理須座長 タイミングというのはいつを考えておられたのですか。

○船田課長補佐 次回以降、個別の品質表示基準の検討に入るという形になりますので、個別品質表示基準にかかわる業界の代表の方に来ていただいて、あくまで表示基準は事業者側の実行可能性も考えないといけないと考えておりますので、その辺をヒアリングといいますか、聞いていただくのがよいのではないかと考えております。消費者庁側としましても各業界の事情を全部把握しているわけではございませんで、こちら側に質問されてもなかなかお答えづらいところが結構ありますので、直に業界の方に聞いていただくのがよろしいのではないかと考えております。

○宇理須座長 場としては、どういう場が持たれるのですか。部会か何かですか。

○船田課長補佐 各調査会の中で聞いていただければというふうに考えております。

○宇理須座長 座長権限で呼ぶことになっているので、では、皆さんの意見を聞いて、どなたとか、いつ呼ぶとか、決めていくことになるのですかね。

○船田課長補佐 基本的にそういう進め方だということで理解しております。

○宇理須座長 審議の中で、必要性が出てきたら決めていくという考え方でもいいということですか。

○船田課長補佐 消費者庁がどうとは、なかなか言いづらいところなので。

○宇理須座長 この調査会で決めると。

○船田課長補佐 はい。調査会のところで決めていただかないと、私も回答しづらいので。

○阿久澤委員 これは、消費者庁が事業者を呼んでヒアリングということではなく、この調査会あるいは部会が、必要と感じたときにお聞きすればという考え方でよろしいのではないでしょうか。

○宇理須座長 わかりました。では、そういうスタンスでよろしいでしょうか。
それでは、調査会は、個別品質表示基準に関する審議をこれからやっていこうという入口に立ったところだと理解しておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
それでは、次回の日程等、事務局から説明していただけますでしょうか。

○大貫参事官 次回の加工食品の表示に関する調査会は、1月23日(木曜日)14時からを予定しています。また、1月の開催予定は、栄養表示に関する調査会が1月22日(水曜日)10時から、生鮮食品・業務用食品の表示に関する調査会が1月24日(金曜日)10時からを予定しています。
以上です。

○鬼武委員 次回はどこを検討することになるのですか。きょうの話からいくと、続きですか。今、示されなかったものを次回の前まで出していただきたいのです。議題としてどの項目をやっていくのでしょうか。資料1に基づいて、今後、審議していくわけですね。

○平山企画官 次回は、個別品質表示基準のまず第1回目ということと、できれば、4つ目の「インストア販売等に係る表示事項の取扱いについての検討」というふうに考えておりましたけれども、今回、宿題が出ましたので、ボリューム感もあわせまして、座長とも御相談しながら決めたいと思います。

○鬼武委員 わかりました。

○宇理須座長 それでは、閉会にしたいと思います。お忙しいところを集まっていただき、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

≪4.閉会≫

(以上)