第36回 食品表示部会 議事録

日時

2014年12月10日(水)10:00~13:36

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
阿久澤部会長、夏目部会長代理、安達委員、池戸委員、池原委員、石川委員、板倉委員、宇理須委員、鬼武委員、春日委員、栗山委員、河野委員、迫委員、立石委員、宮地委員
【説明者】
消費者庁 岡田審議官、竹田食品表示企画課長、船田課長補佐、岩城課長補佐、塩澤食品表示調査官
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第248号諮問書:栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る規定及び別表について)
  3. 食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第312号諮問書:乳製品及び特定遺伝子組換え食品に係る別表について)
  4. 食品表示基準(消食表第229号諮問書)に係る審議経過報告書について
  5. その他
  6. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○大貫参事官 定刻になりましたので、開始させていただきます。

本日は、皆様お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会食品表示部会」第36回会合を開催します。

本日は、澁谷委員は所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしております。

議事に入る前に、配布資料の確認をさせていただきます。

お配りしております資料は、配布資料一覧のとおりです。また、追加配布資料として、鬼武委員御提出の意見書と、前回部会で出された立石委員の意見書を配布しております。委員提出の資料についても議論に御活用いただくようお願いいたします。

不足の資料がありましたら、事務局へお申し付けください。

本日も多くの傍聴の方がお越しいただいておりますので、御発言の際はマイクに近づいて御発言いただきますよう、お願いいたします。

それでは、阿久澤部会長に議事進行をお願いいたします。

○阿久澤部会長 皆さん、おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。

本日は、消費者庁から岡田審議官、竹田食品表示企画課長に御出席いただいております。

なお、本日の会議は、公開で行います。議事録についても、後日公開することといたします。

本日の議題に入る前に、前回の部会の議題であった2点について御報告させていただきます。

1つ目は、機能性表示食品についてです。

第35回部会で出された委員の御意見を資料としてまとめまして、12月2日の第178回消費者委員会本会議に報告しました。本会議では、当部会での議論状況も踏まえて、12月2日と昨日12月9日の2回にわたり審議を行い、参考資料3としてお配りしている答申が議決されました。

本会議での議論の概略は、12月2日の会議では、当部会の意見状況を報告した後、その内容も含め、委員と消費者庁との間で質疑が行われました。このときの消費者庁の説明では、食品表示基準と通知、ガイドラインで制度を問題なく運用できるのかといった、石川委員も御指摘になった法整備上の問題点や、運用を行っていく上で必要となる十分な執行体制が構築できるか、答申で評価ポイントとして挙げている、発売の60日前には届け出された情報をインターネットで誰でも確認できるという点が担保されるかという点などに関し、疑問や不安が払拭できませんでした。そのことから、継続審議となりました。

昨日の本会議では、再度消費者庁から、制度設計は検討会の段階から食品表示法に基づく形で行っており、現在検討している制度設計において食品表示法の範囲で運用していけるという説明や、執行に必要となる執行体制をどのように確保していくのかといったこと、また、販売前60日には情報を開示されるよう運用の中で担保するといった説明がされ、あわせて、2日の説明では、見直しを行うのは2年先との説明だったところ、一歩踏み込んで、見直しが必要となれば、それを待たずに検討を行うとの説明がありました。

これらを受けて、消費者委員会としては、やはり法的基盤の補強は、制度をより堅固なものとするために必要であると考えるものの、その制度の実施は「いわゆる健康食品」を少しでも健全な方向に向ける一方策としては期待できるため、9つの意見を答申につけ、それらの意見に消費者庁が真撃に対応することを前提として、諮問案を適当とする答申を行いました。

また、今後、今回の意見への対応も含め、この制度がどのように運用されていくのか、消費者委員会の親委員会が注視していくことになりました。

2つ目は、乳等表示基準府令の一部改正についてです。

前回部会で、「諮問された改正案のとおり一部改正することが適当である」と議決いただきましたが、議決にいたる部会での議論状況を委員長に報告したところ、委員の御意見を具体的に答申に盛り込んだほうがよいのではないかとの御判断がありました。このため、部会で議決された答申書案に附帯意見をつけることについて、第178回本会議で審議がされ、委員長の提案のとおり附帯意見をつけることで議決されたため、12月2日に、参考資料2としてつけている、附帯意見をつけた答申書を発出いたしました。このことは、部会での議決のとおりとなっておりませんが、部会での議論状況を生かすために行った修正ですので、御理解くださるよう、よろしくお願いいたします。

それでは、本日の議題に入ります。本日は、議題が3件あります。

まず、10月8日に諮問を受け、10月15日に一旦審議した、食品表示基準案のうち「栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る規定及び別表について」のパブリックコメント後の審議。

2つ目は、同じく食品表示基準案のうち、12月5日に諮問を受けた「乳製品及び特定遺伝子組換え食品に係る別表について」です。この2つ目の審議は、先ほど報告した乳等府令の現行法令の一部改正と、以前に答申した遺伝子組換えに関する現行法令の一部改正の内容を、食品表示基準案に組み込むための諮問に関する審議です。この審議の中で、さきほど御説明した、本会議で乳等府令の一部改正に関する答申につけられた附帯意見に対する対応について、消費者庁から説明があると聞いております。

3つ目が、10月31日に答申案を議決いただく際に、作成をお約束した第31回から第34回部会での食品表示基準案に係る審議経過報告書案についてです。

よろしくお願いいたします。

≪2.食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第248号諮問書:栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る規定及び別表について≫

○阿久澤部会長 それでは、10月8日に追加で諮問を受けた食品基準案の「栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る規定及び別表について」、議論に入りたいと思います。本件は第33回部会で消費者庁から説明を受けて議論し、その後、消費者庁がパブリックコメントにかけていました。本日はパブリックコメント後の議論となります。

前回、第33回部会での議論では、栄養素等表示基準値について、目安とするエネルギーを2,100kcalから2,200kcalに上げることは問題ではないか。また、栄養機能食品の対象成分の追加について、これを対象とする必要があるのかといった意見が出されました。パブリックコメントでもいろいろな意見が出ているようですが、その内容も含めて消費者庁から説明をお願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 消費者庁食品表示企画課の塩澤でございます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、本日、1つ目の議題につきまして、私から御説明させていただきます。ただいま部会長からも御説明がございましたけれども、栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る食品表示基準案につきましては、先般、10月8日に当庁から消費者委員会に諮問をかけさせていただきました。その後、第33回食品表示部会において、これは10月15日になりますけれども、その内容などについて御説明をさしあげた次第でございます。その後、10月17日から11月15日の約1カ月間にわたりましてパブリックコメントを行ったというものでございます。

本日は、そのパブリックコメントの内容について御説明さしあげたいと思います。結論を先に申し上げますと、私ども、パブリックコメントをかけたわけでございますけれども、国民の方々からいただいた御意見に基づいて、我々の諮問内容について変更が必要とは考えておらず、前にお示しした10月8日の諮問案どおりで進めさせていただきたいと考えております。

それでは、お手元の参考資料1を御説明させていただきたいと思います。

まず、表紙の部分でございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、こちらのパブリックコメントは10月17日から11月15日にわたって行ったものでございます。寄せられた意見の総数といたしましては、66件ほどございました。その概要と各御意見に対しての私どもの考えというのは、次のページ以降にお示ししておりますので、御紹介させていただきます。

それでは、1ページ目をごらんいただけますでしょうか。本日は、時間の制約もございますので、一つ一つ読み上げるわけにはまいりません。主要なもののみ御説明させていただくということで御了承願いたいと思います。それでは、順に主要なところを述べさせていただきたいと思います。

まず、第2条関係とありますけれども、ここには例えばカリウムなどについての記載がございます。

1つ目をごらんいただきますと、カリウムについてのみ、錠剤、カプセル等の形態が認められていないことに関する御指摘がございます。カリウムだけ、いわゆるサプリメント形態を認めないのはどうかと思うという御意見でございました。

これについて、私どもの考えといたしましては、右にお示ししているとおりでございます。すなわち、カリウムについては、腎障害を有する場合の摂取量に特に注意が必要であり、他の栄養成分に比べ過剰摂取の懸念が特に大きいため、こういった形状の食品への機能表示を認めないという考えでありますということをお示しさせていただいております。

次に、第7条関係に移ります。こちらは、任意表示の事項でございます。

御意見といたしましては、一番最初にもございますけれども、基準案では18歳未満を対象とした栄養機能食品の場合も、18歳以上で算出された栄養素等表示基準値の数字を用いることになるが、新基準の栄養素等表示基準値の数字を用いる、または特定の性・年齢階級を対象とした値を用いる、このいずれかを選択できるようにしてほしいというものでございました。

また、2つ目の段でございますけれども、真ん中あたりから、幼児、小児向けとして販売されているような食品について、今後、栄養素等表示基準値が事業者ごとに異なった考えで設定されるのではないか。それに伴って、混乱を招くのではないかという御意見でございました。そして、幼児、小児を対象とする栄養機能食品等において栄養素等表示基準値を利用する場合や、任意の栄養参照例を設定、表示する場合の具体的な方法について、通知等で示してほしいという御意見がございました。

これについて、私どもの考えといたしましては、まず、今回、消費者にわかりやすい食品表示とするため、栄養機能食品の表示事項は、食品により区別することなく共通の基準とすべきと考えているということをお示しさせていただきました。

また、必要的表示事項である栄養素等表示基準値に対する割合、それから、その対象年齢及び基準熱量に関する文言を表示した上で、幼児等、特定の性・年齢階級を対象とした値を任意で表示することは差しつかえないという考えもお示しさせていただいております。

それから、ページをおめくりいただきまして、2ページに移ります。

こちら、上から4段目でございますけれども、御意見としては、新基準案では、「妊産婦や妊娠計画中の女性等、特別なライフステージに属するものを除外しない。ただし、そのような者を対象とする場合、その旨及び必要な注意事項の表示が必要である」とされていますが、どのような場合が該当するのか、ガイドラインで明らかにする必要があるのではないかという御意見でございました。

こちらについては、いろいろガイドラインで明らかにせよということでございますけれども、その例示については、食品の種類は多岐にわたるものでございますので、消費者庁として例示するのはなかなか難しいという理由から、販売者の責任のもと、適切な表示をしていただくようお願いしたいという考えをお示しさせていただいております。

次に、別表第10関係は、栄養素等表示基準値の値が表として載せられているものでございますけれども、例えば1つ目でありますけれども、栄養素等表示基準値でアメリカよりエネルギーが高い数値が示されていますが、どうしてなのか理解できないという御意見がございました。

こちらについては、熱量の栄養素等表示基準値は、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会報告書に参考値として記載された推定エネルギー必要量を人口構成により加重平均した値であり、適切に設定されたものと考えているという考えをお示しさせていただきました。

3ページ目をごらんいただけますでしょうか。こちらは、別表第11関係となっております。この別表第11といいますのは、栄養機能食品の基準の一覧の表でございます。ここで、成分ごとに御意見を頂戴しております。

まず1つ目、n‐3系脂肪酸についてでございます。

大きく4つほど意見がございますけれども、上から1つ目、n‐3系脂肪酸の栄養成分機能として、「皮膚の健康維持」となっているが、世界的に見ても、n‐3系脂肪酸については心血管系イベントの発症予防に注目が集まっていることから、このあたりの表示を加えることはできないかといった御意見がございました。

また、2つ目、「n‐3系脂肪酸は、乳児、幼児の健全な発達を助ける栄養素です」といった文言を追加していただきたいといった御意見などがございました。

こちらについてでございますけれども、横にありますとおり、今回の基準案におけるn‐3系脂肪酸の機能の表示につきましては、我が国としての健康栄養政策との整合の観点から、食事摂取基準に記載された科学的根拠を基に検討されたものでありますという考えをお示しさせていただいております。

次に、1つ飛びまして、ビタミンKに移ります。

ビタミンKについても、いろいろと御意見、頂戴しているところでございますけれども、1つ目の大きな四角をごらんいただけますでしょうか。こちらの2)に、ビタミンKは血液凝固の他に骨代謝に関与することが知られていますといった御意見、また、数行飛びますけれども、栄養成分の機能として「正常な骨代謝を維持する栄養素です」のような記載をすることで、広く国民の骨の健康の維持に貢献できるようにすべきという御意見を頂戴しております。

こちらの御意見につきまして、私どもの見解といたしましては、今回の基準案におけるビタミンKの機能の表示、これも食事摂取基準を基に検討したものであるといった考えを述べております。なお、骨折予防のためには、肝臓の血液凝固因子活性より多くのビタミンKを必要とすることが考えられるものの、現状では正常な血液凝固能を維持するのに必要なビタミンK摂取量を基準として適正摂取量を設定するのが妥当とされているといったことが食事摂取基準に書かれており、その点についてここにお示ししております。

それから、ページをおめくりいただきまして4ページ目に移ります。こちらの真ん中から下、その他の欄の栄養素等表示基準値についてというところをごらんいただけますでしょうか。こちらもいろいろな御意見を頂戴しているところでございます。

まず最初の3行でありますが、栄養素等表示基準値の設定及び改定は、消費者委員会食品表示部会ではなく、食事摂取基準の策定に携わる専門家を参集した検討会において公開のもとで検討すべき事項と考えるといった御意見がございました。

また、これに関連してですが、やや真ん中あたりに移っていただきまして、「また」という言葉から始まる行でございますけれども、改定の検討が非公開の場で行われるために、検討過程や判断が不明確で、基準値を利用するものに意義や考え方が十分に伝わっていないと思われるといった御意見もございました。

また、下のほうに移りますけれども、一案として、栄養素等表示基準値の設定、改定については、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会へ諮問することを提案するといった御意見を頂戴しました。

こちらに関する私どもの意見といたしまして、本件は食事摂取基準の策定検討会の構成員のほか、当該分野の国際情勢にも詳しい専門家を交えて検討したものですといったことを述べさせていただいております。

また、検討過程や判断が不明確とのことですが、食品表示基準案の策定に係る原則等については、第33回食品表示部会の資料として詳細にお示ししております。また、専門家を交えて検討した平成26年度消費者庁調査事業の報告書につきましては、準備が整い次第、消費者庁ウェブサイトに掲載する予定であるということを示させていただいております。

また、本検討を公開の場で行うことにつきましては、今後の検討とさせていただきますということ、また、御提案の食事摂取基準策定委員会への諮問、意見聴取につきましては、検討会の設置目的や委員の任期の関係等から困難であるということを書かせていただいております。

続きまして、5ページ目をごらんいただけますでしょうか。

こちら、一番下の枠でございますけれども、鉄について御意見を頂戴しております。こちらは、鉄の栄養素等表示基準値は再検討すべきと考えますという御意見でございます。

今回示された鉄の栄養素等表示基準値(6.8mg)は、「月経なし」の女性の推奨量を算出対象として設定されたものと思われるということ、数行飛びまして、日本人において多数を占めると思われる「月経あり」の女性を除外して算出するのは適当ではないと考えるということ、また数行飛びますけれども、鉄の栄養素等表示基準値の算出対象や、このように性差、固体差の大きい栄養素の基準値設定の際の考え方について、改めて調査事業の検討委員やその他の専門家の意見を聞き、再検討すべきと考えるという御意見でございました。

こちらについては、具体的な数字を挙げて当庁としての考え方をお示ししているところでございます。以下、2つ理由がございますけれども、こういう理由から、鉄の値の算定につきましては、月経なしの女性の値を用いるべきと考えているということを示させていただいております。

その2つの理由は何かというと、まず1つ目は、月経ありの女性の推奨量は10.5mgであるのに対し、月経なしの女性の値(6.0~6.5mg)や男性の推奨量(7.0~7.5mg)といった推奨量と比べて大きく離れているという理由でございます。

また、2つ目の理由といたしましては、仮に18~49歳の女性について、月経ありの推奨量を採用したとしても、その加重平均値は7.8mgとなり、月経ありの女性にとっては有用な値にならないということを挙げさせていただきました。

なお、この値に加えて、月経ありの値を記載したい場合は、次の例のように、その旨がわかるように表示するよう通知等で規定してまいりたいと考えていることも示させていただいております。

それから、ページがちょっと飛びますけれども、8ページ目をごらんいただけますでしょうか。

今度は、中段に食物繊維についてという見出しがございます。こちらも長文で御意見、頂戴しているところでございますけれども、要旨というところを見ていただきますと、栄養機能食品の追加成分として、新たにn‐3系脂肪酸、カリウム、ビタミンKが追加されたが、あわせて「食物繊維」も追加することを要望するという御意見でございました。

こちらについての考えでありますが、食事摂取基準に記載された科学的根拠を基に当庁として検討いたしましたところ、「食物繊維」については特定の機能が認められるとは考えられませんでした。こういった理由から、食物繊維を追加することを見送ったということを示させていただいております。

それから、最後に10ページ目をごらんいただけますでしょうか。

1段目の御意見として、適正な表示が行われるように監視執行体制、モニタリングを強化してほしいという御意見がございました。

こちらについては、今後の参考にさせていただきますと書かせていただいておりますけれども、適正な表示が行われるべきということは当然のことでございますので、御指摘を踏まえて、当庁としても適切に対処してまいりたいと考えております。

それから、一番最後の見出しでございますが、国際的な観点からの御指摘がございました。2行目の途中からでありますけれども、栄養素に関する有効性表示の制度については、諸外国の例も参考にして国際的に調和した、消費者にとって有益な新たなルール作りを目指した方向性も検討されるべきという御意見がございました。

これについてでありますけれども、本件については、コーデックス委員会、コーデックスガイドラインも参考にして、つまり国際的な動向も踏まえて検討した上での答えであるということをお示しさせていただいたとおりでございます。

先ほども簡単に述べましたけれども、以上のような御意見を頂戴した次第でございますが、10月8日に当庁から諮問させていただいた今回の基準案について、特段の変更が必要とは現時点では思っていないということを最後に述べさせていただきます。

ありがとうございました。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、委員の皆さんから御意見をお願いしたいと思います。立石委員、どうぞ。

○立石委員 1つ疑問というか、これは以前にもこの部会の中でも申し上げましたけれども、1日当たりのエネルギー摂取必要量の議論で、熱量の栄養素等表示基準値は、推定エネルギー必要量を人口構成に加重平均した値で適切に設定されたと考え方にあるのですけれども、その次のページに健康栄養政策との整合の観点とも書かれていて、昨日の報道によると、日本人の男性の約30%が肥満だと言われているのです。

そういう問題が指摘されながら、そういった問題がありながら、加重平均の値で適切に設定されたというのはわかりますけれども、30%が肥満であるという前提のもと、最後のページにある考え方では、国際的動向も踏まえて検討していますと書かれています。アメリカが2,000kcalで、ほかの国も2,000kcalにもかかわらず、我が国だけが2,200kcalということはどうしてもおかしいといった素朴な疑問が挙がってきていることに対して、人口構成により加重平均した値であり、適切に設定されたものと考えますというのと、次のページの健康栄養政策の観点からみると、高位に肥満が固定化している問題というのはきのうの報道でも出ていましたね。

そういったこととの関係性からいって、2,200kcalにする意味がよくわからないということを前も私、申し上げましたけれども、これについて、改めてお聞きしたいと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 今の件について、回答させていただきます。こちらは、たしか第33回の食品表示部会だったと思いますけれども、その際も立石委員から御指摘を頂戴した件かと思います。

今、立石委員から、きのうの報道について御指摘がございましたので、まず、その件について、私からも説明をさせていただきます。きのう、最新の国民健康・栄養調査の結果が厚生労働省から示されたということは、当庁としても承知しております。その中で、男性の肥満の指摘もございました。ただ、その一方で、女性のやせについても言及がございまして、女性のやせの割合については10年間、増加傾向にあるということもあわせて示されております。

また、先ほど健康栄養政策との観点からという言葉がございましたけれども、例えば、我が国の健康栄養政策として、健康日本21(第2次)というものがございます。これは、昨年度、平成25年度からスタートしているものでございますけれども、こちらにいろいろ項目がある中の栄養・食生活という項目を見ますと、1つ目の目標項目として、適正体重を維持している者の増加を向こう10年間にわたって目指していくというのが国の方針として示されております。その具体的な内容としては、肥満、やせを両方減少させていくことが書かれています。

このように、国の健康栄養政策としても、肥満、やせの両方を減少させていくということが明確に示されておりますから、そういった意味でも、片側、つまり肥満を減少させるという目的のみを持たせた栄養素等表示基準値を設定するということは、今、申し上げた国の健康栄養政策とそごを来すことになるかと思っております。私どもとしては、適正な方法論によって、今回、2,200kcalというものを示したと思っておりますので、これでそのまま進めさせていただきたいと思っている次第でございます。

○阿久澤部会長 はい。

○迫委員 少し追加をさせていただきます。私自身が国民健康・栄養調査の企画解析委員会で、この検討をさせていただいております。昨日、発表されたその概要について若干触れさせていただきたく存じます。

今、御説明もありましたけれども、やせの者と低栄養傾向者、低栄養の人たちの割合が増えてきている。横ばいから増の傾向にあるということが1点示されております。その中で、肥満のほうはどうなのかということでございます。肥満に関しましては、確かに男性は増加傾向にあったものが、ここで横ばいになってきている。それから、女性の肥満につきましては、もう既に減少傾向にある。

もう一点、これはちょっと別のデータなのですけれども、日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会の資料で、これも厚生労働省で示しているわけですけれども、OECD加盟国における成人肥満、これはBMI30以上ですから、かなりの肥満者でございます。その割合というのは、インド、インドネシア、中国、その次が日本ということで、日本は低いほうから4番目。男性は3.6%、女性は3.4%という数値でございます。これがアメリカは男性35.3%、女性33.9%と、圧倒的に数字が違う。

つまり、男性、女性の肥満問題に関しましては、まだまだ問題はあるといえども、今までの政策の積み重ねにより、横ばいまたは、女性の肥満については減少してきているという、これは世界でも類のない政策上の成果だと思っております。そういう中で、先ほど申し上げましたやせの方が増加してきている。これは、もう一点、特に20代から40代まで、かつては20代、30代のやせが問題になっていましたが、最近は、40代までやせの方が肥満者より多い。20代、30代は肥満の倍ぐらいやせがいらっしゃる。それから、40代はほぼ同様の数字でやせがいらっしゃる。ということで、やせを放置することは既にできない時代になってきている。

もう一点は、高齢者の低栄養の問題でございます。これは命にかかわる問題だということもございます。そのやせや低栄養の問題をきちんと考えていくということが非常に重要な時代になってきている。

もう一点、つけ加えさせていただきたいのは、20代、30代、40代の方々の生活習慣上の問題が、今回の発表の資料の中で非常に危惧すべき状況にあるということ。食事のバランスが非常に悪いこと、運動習慣が余りないこととか、生活が不活発であるとか、生活習慣病が、栄養摂取は低いのだけれども、それ以外の消費の部分も低いという問題もあって、次の世代に対しては非常に大きな健康問題を持ってしまっているという状況でございます。

そういうことから考えあわせますと、先ほどの基準値につきましては、あくまでも基準でございますので、科学的に根拠を持って出された数値をベースにしつつ、その中でそれぞれの事業者の方々が対象者の特性に応じて、誰に向けた食品なのかということを任意で付加する、またはマイナスするということの情報提供をしていただければ、それが一番正しいやり方ではないか。あえて意図的に数字を動かすということは望ましいことではないと思っております。

ちょっと詳細になりましたけれども、説明させていただきました。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、ほか、ございますでしょうか。板倉委員。

○板倉委員 詳しく御説明いただければと思うのですが、資料の1ページ目の一番下に、前からあったのですけれども、現行制度からの主な変更点の3で、基準熱量に関する文言を表示というのがあるのですけれども、具体的にはどういう文言を表示される予定になっているのでしょうか。今の2,200との関係もありまして、どのように書かれるのかが気になりましたので、お教えいただければありがたいです。

○阿久澤部会長 どうぞ、お願いします。

○塩澤食品表示調査官 18歳以上、2,200kcalの御指摘だと思いますけれども、その具体的な記載の例などは、通知などでお示ししたいと考えております。

○阿久澤部会長 はい。

○板倉委員 通知、具体的というのがよくわからないのです。というのは、「日本人の食事摂取基準」の中を見ますと、エネルギーにつきましてはBMIの増減を見て指導するという形になっていて、個別に人によって活動量とか、いろいろ違うので、栄養士さんがかかわられるような形できちんとやっていかないといけないということがございます。

もう一つ、佐々木敏教授がお書きになっていらっしゃるものを拝見しますと、肥満、BMIが高い方はどうしてもエネルギーを過小評価すると聞いております。ですから、それとの関係。それから、エネルギーが参考値という形で出されているところで、どの辺についてきちんと国民の皆様にわかるような形で示されるのか、気になったものですから、どういうことが盛り込まれるのか。具体的な文言は通知で拝見すればいいのだろうと思いますけれども、お教えいただきたいと思ったわけです。

○塩澤食品表示調査官 現行の栄養素等表示基準値も、例えば栄養機能食品について、そのパーセンテージを書かなくてはならないという規定があるわけですけれども、そのパーセンテージが示されたとしても、消費者の方々は、それが本当に自分にとってのパーセンテージになるのかどうか、例えば子どもが見る場合もあると思いますし、大人が見る場合、いろいろなシーンが想定されるところでありますけれども、それがどこにフォーカスした値なのかというのが、あいにくわからない状況になっていたところでございます。

ただ、これから栄養表示に関しては健康増進法から食品表示法になるということで、自主的かつ合理的な選択というのが柱になってまいりますので、そういう意味で当庁として、この値は18歳以上、2,200kcalである人に向けての基準値ですという情報提供が必要ではないかと考えております。その値とは違う方々については、別途、管理栄養士やその他医療従事者のいろいろな指導などを踏まえつつ、適切に設定していくことになりますので、情報提供としては、現行制度よりも大きく一歩進むものとして、必要な表示事項と考えております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

立石委員。

○立石委員 迫委員の説明は非常にわかりやすかったのですけれども、過剰摂取の方がエネルギー2,200kcalということで、とり過ぎに対して注意を払うことの意義のほうが大きいと思います。やせの方は、2,000kcalにしても、恐らくもっと少ないかもしれません。だから、それに対して努力目標としてあるのだけれども、私は肥満の方のほうがこの問題に対して敏感になるべきだということでいくと、アメリカで売っている食品メーカーがあって、海外、東南アジアもそうだけれども、同じ食品を売っていながら、片一方は2,000kcalでやっていて、日本だけ2,200kcalでやる。日本は販売促進的なのです。

もっと食べてくださいよという感じを、そんなことはないと思いますけれども、もしそういうことをもくろんで、こういうことを設定するのであれば、これは大きな間違いであって、消費者サイドに立っていないなと思います。どこにフォーカスを当てるかというと、こういう問題というのは、2,200kcalはちょっととり過ぎだと。アメリカ人の体格と日本人の体格は大きく違うわけで、その中でアメリカ人より多く食べて大丈夫ですよということを、あえてそこまでやる必要があるのかなと、素朴な疑問で言っているのです。それは何のためにやるのですかということです。

今の説明でよくわかりましたけれども、やせの方もいらっしゃるけれども、やせの方の栄養成分表示を見るときの考え方と、肥満の方とは大きく違っていると思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

はい。

○鬼武委員 先ほど参考資料でパブリックコメントの内容について、66件のうちで、私ども弊会もパブリックコメントを出しております。その点についても2点ぐらい回答をいただきましたので、少し重複することもありますけれども、その辺は御了承いただければと思います。

それで、私の追加配布資料で、特に栄養素等表示基準値について、もう一度意見を申し上げたいと思っております。

全体としては、今回、栄養素等表示基準値については、コーデックスの規格・基準なりガイドラインの考え方に基づいてということで、従前の考え方としての日本独自の設定方法から、大きくかじ取りをしたということについては、私どももそこは大きく評価しますし、支持するものでございます。

ただし、その一方で、栄養素等表示基準値については、専門家が内容についてきちんと精査して、2005年から改定していなくて、今回、大きく改定する。そういう面では、事業者にとって、もしくは消費者にとっても、栄養素等表示基準値の数値がかなり違ってくることになりますので、その中身については、食事摂取基準の検討の専門家で難しいということであれば、また別の場で設定をぜひ今後はやっていただきたいというのが1点目の私どもの考えでございます。

2点目に、その中で、栄養素等表示基準値の改定については、しかるべき関係者の意見を聞いて、最終決定すべきであると私は考えております。それで、参考資料の4ページの下のほうに消費者庁から回答いただいておりますけれども、私のコメントペーパーの2ページを見ていただきますと、一番最近の状況でいきますと、栄養素等表示基準値については、11月の最後の週でしょうか、バリにてコーデックス栄養・特殊用途食品部会において栄養素等基準値の議論がなされたと思います。

そのコーデックスのガイドラインの中で、一般の人々に対するNRVを設定するための一般原則のセクション3.1.2において、FAO/WHO以外の認められた権威のある科学機関、“recognized authoritative scientific bodies”として、当該科学についての最新の独立したレビューを反映する関連する1日摂取基準値も考慮される必要があると述べられております。したがって、コーデックス委員会は、栄養素等基準値を設定するに当たり、FAO/WHOではなく、世界の権威ある専門機関のレビューを検討しようと考えていると私は理解しております。

そういう面では、今回のコーデックスの栄養・特殊用途食品部会においても、European Food Safety Authority(欧州食品安全機関)やアメリカのIOM(医学研究所)と並んで、独立行政法人の国立健康・栄養研究所が一般原則のセクション3.1.2に基づく権威ある科学機関と認めております。アメリカのほうでは、IOMが既に2004年にいわゆるdietary reference intakesとして表明しておりますし、European Food Safety Authorityのほうでは、いわゆるdietary reference valuesを設定するに当たって、原則を決めていくということで最終決定しております。

これは最終的に公表されたものではなくて、まだ議事録の案なので、検討中である中身かとは思いますけれども、その中で11月に行われたコーデックスの栄養・特殊用途食品部会においては、鉄のNRVが確定しなかった理由として、権威ある機関としてのEFSAが検討中であるということで、これが次年度に持ち越されて、来年のEFSAの検討結果を待って、国際会議(コーデックス委員会)の場では検討されると継続課題となっています。その中身については、鉄の摂取量について、どれぐらい吸収されるかということが多分議論としてなったのだろうと私は認識しています。

コーデックスの場で、独立行政法人国立健康・栄養研究所が、いわゆる権威ある科学機関として推奨・承認された以上、当研究所がNRVの設定において国際的な貢献として記載されているわけでありますから、消費者庁は今回のNRVの設定や見直しについて、この国立栄養研と連動して機能すべきてある。その際には、アメリカやEUの状況を参照して、もう一度検討する必要があるのではないかと考えている次第であります。

以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 今の御指摘について、一部、先ほど御紹介した参考資料にもございますけれども、補足の回答をさせていただきたいと思います。

今、鬼武委員から大きく2点ほど御指摘があったかと認識しております。1つ目は、本件については非常に重要な政策の一環でもあるので、別途、専門的な検討会としてオープンな場でいろいろ議論することを考えるべきではないかという御指摘だったかと思います。参考資料にも書かせていただきましたが、そういう場で検討するというのは、私どもとしても今後の参考とさせていただきたいということがまず1点目に対する回答でございます。ただ、10月15日の第33回部会でも御紹介しましたが、本件については確かにオープンな場での検討ではなかったものの、その過程などはできるだけ詳細にお示ししたつもりでございますし、議事録なども今、公開の準備を進めております。

また、その検討のメンバーにつきましても、先ほど国立健康・栄養研究所の話がございましたけれども、例えば石見先生にも御参画いただきました。食事摂取基準のワーキンググループの取りまとめ役をされた東京大学の佐々木敏先生や、栄養学の分野では非常に造詣の深い中村丁次先生、さらに国際的な観点という面では、10年以上、コーデックス委員会に御出席いただいております浜野さんといった方々をメンバーとして、今回の検討について御協力いただき、まとめ上げたものでございますので、今、持てるだけの知見はかなり盛り込んで検討した結果であると考えております。

それから、2つ目の御指摘は、国際的な場、具体的にはコーデックスの、CCNFSDUという部会でNRVの議論がされていて、国立健康・栄養研究所をEFSAなどと並ぶ機関として、権威ある科学機関ということでノミネートしている以上、特に国立健康・栄養研究所などとも連携してやっていくべきではないかといった御指摘だったかと思っております。国立健康・栄養研究所の石見先生は、日本の代表団として、厚生労働省のテクニカルアドバイザーとして御参画いただいている方であり、今回の私どもの検討でも石見先生に御協力をお願いしているところでございますので、国立健康・栄養研究所との連携も図られていると考えております。

また、コーデックスのNRVと我が国の栄養素等表示基準値の関係性についてでございますけれども、コーデックスはあくまでも国際的な参考値として検討が進められているものでございます。いろいろ例外はありますけれども、基本的には各国独自でエビデンスを持って、NRVを設定できないような国々にとっても参考になるような値を作る目的で国際的な議論が行われていて、一つの参考値として示されるというのがコーデックスのNRVと認識しております。コーデックスのガイドラインを見てみますと、そういうコーデックスのNRVも推奨される一方で、各国独自のエビデンスでもって適切に設定したNRVであれば、それを用いることも推奨されるといった文言も記載されております。

そういう意味で、私どもとしては、日本の食事摂取基準などを踏まえて栄養素等表示基準値をつくり、それに基づいて表示政策、ひいては健康栄養政策と整合させていくということについては、国際的に示された流れと何ら整合しないものではない、つまり、整合するものと考えております。もちろん、コーデックスの場で日本としてのいろいろな知見を提示することは非常に重要だと思っておりますので、それは当庁といたしましても今後ともやってまいりたいと考えている次第です。

○阿久澤部会長 はい。

○鬼武委員 ここでディベートしてもかなり難しい部分もあるかと思いますけれども、1つは、専門家の会議を何らかの形で、オープンとはいきませんけれども、今回の場合、レポートの詳細は我々は見ていませんし、第33回食品表示部会の資料で概要の説明はあったわけですけれども、それは消費者庁のほうが今、最大限集められる専門家の方々を招集してということで、私は個人の資質とか、それが悪いと言っているわけではなくて、このようなNRVの今回の改定というのは2005年からやってきていないわけです。今回、大幅な改定をしているわけですから、そういうきちんとした公の場でやってほしいということと。

私のペーパーの3ページに書いてありますけれども、厚生労働科学研究、これはいわゆる消費者庁になる前に、NRVについての検討もそこでされたと思いますけれども、食事摂取基準が策定された2010年版、5年前の設定のところに、この報告書の中には、例えばですけれども、先ほどの推定エネルギーについては、2,200にかわって2,000 kcalを採用すること。ナトリウムについては、食塩相当量も示すこと。鉄については、月経ありの女性を別掲することと、そこのレポートにもそういうことが書かれてあるわけです。

それと、今回の第33回食品表示部会に示された7ページでは、前の改定のときは改定の問題は特段ないと判断されたと記載されていますが、その辺の経過が我々にはわからないということであって、その辺は消費者庁の管轄じゃなくて、厚生省のときの問題だったと言われてしまえば、そうかもしれませんけれども、国内で設定する際には科学的なということを十分言われておりますし、この場では、そこは十分にフォローできないかもしれないから自分たちでやっているということ。逆に言えば、そのレポートについても、まずきちんと報告されるべきであって、それをもって政策としてNRVの変更を決めるという。順序が違うのではないかと私は何度も申し上げますが、感じております。

それから、国際機関の場は、当然コーデックスで皆さん方が頑張っていることは、私は理解しておりますし、その中で日本も主張しないといけないと認識しており、各国のNRVが違うということについては、それは当然そうなのですけれども、SPS協定なりTBT協定で、逆にアメリカから入ってくるものについて、今度、2,200で書き直さないといけないことについて、アメリカの事業者に対して説明する必要もあるわけじゃないですか。そういう面からすると、今回の大幅改定の内容にかかわる資料についてもきちんと公開で、先ほど説明された、なぜ2,300にするとか、そういう根拠が我々の資料として散漫として出されているので、なかなか理解できないと感じています。

今回は、繰り返しになりますけれども、NRVについて大きな変更になるので、拙速に、10月にこの場(食品表示部会)にて1回意見などを委員から聴取して、それからパブコメをかけて1カ月の間で、今回の検討には2カ月もたっていないわけです。今回の資料もぎりぎりで来たので、我々もパブコメの結果についても十分見ることができなかったので、これは少し時間をかけても私はいいのではないかと思っております。

以上です。長くなりました。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 高度な専門家の議論の中で行われるべきお話なのかもしれないと思いつつ、一市民としては、10%のやせの方に焦点を当てて、30%の太っている方を、減っているということを理由に、この値を増やしていくことに対して違和感を覚えます。それは、いわゆる高度な科学的議論の中でなく、10%のやせている女性の方というのは、栄養素の問題と何の関係もなく、自分の容貌を気にすることから来ているのではないかと思うからです。そういう方たちがもう少し食べていいのだなと、この数字を見て思うことはないのではないか。

それから、反対に太り過ぎている30%の方々は、もっと食べてもいいのだ、自分の容貌を考えることなく、数値は上がったのだ、あるいはもっと食べても大丈夫ということになったのだと誤解するのではないか。その2つの観点から、専門家としてではなく、一市民が周りのやせ過ぎている、太り過ぎているということを考えるときに、そういうふうにみている、考えていると私はそう思っています、という意見を述べさせていただきました。

ありがとうございました。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

今のこと。どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 今の御指摘について、若干見解を述べさせていただきます。

今、いろいろな御指摘を頂戴したところでございますけれども、その中の1つに、この栄養素等表示基準値だけでは、やせの人、肥満の人、ともに活用を図っていくのはなかなか難しいのではないかといった御指摘も入っていたかと思いますが、私どもとしても、この栄養素等表示基準値のみをもって、やせの人と肥満の人の問題が両方とも抜本的に解決されるというのは、それはさすがに困難だろうと思っております。

しかしながら、この栄養素等表示基準値、それから付加情報としての2,200kcal、18歳以上といった情報すらないというのは、各消費者だけでなく、その消費者にかかわるであろう医療従事者や保健関係者などにとっても、必要な取り組みが困難になるかと思います。このため、私どもとしては、まず栄養素等表示基準値を新たな考えのもと整理し、さらに付加情報として、2,200kcal等のメッセージなどを示すことによって、この社会を一歩前進させていきたいと考えている次第でございます。

○阿久澤部会長 はい。

○栗山委員 私は、この付加情報としての2,200によって、やせた人と太った人にともに情報が伝わるとは思っていませんということを申し上げたのです。やせた人にメッセージ、せっかくの付加情報の値、もっと食べたほうがいいよという情報は伝わらず、2,200ということになって、太った人には食べていいのだという情報がより濃厚に伝わる。この数値によって影響を受けるのは、ともにではなく、より太っている人にではないかと思いますと申し上げました。

○阿久澤部会長 はい。

○塩澤食品表示調査官 それにつきましては、表示政策のみをもってできるものではないと思います。それにプラスして、ほかの健康栄養政策とか、私どもとしてもいろいろな情報提供というのは今後考えていきますけれども、そういったことと連動させていって、本来的というか、望ましい方向に持っていくべきものであろうと考えております。この数字だけをもって解決するのは、それは御指摘のとおり難しいだろうと考えます。

○阿久澤部会長 はい。

○栗山委員 どんなことでも、何か1つをやれば、それで世の中が変わるのであれば、こんなに簡単なことはなく、それがないからこそ、こんな議論をしているのではないかと思います。その中で、健康日本21という柱の一つに据えるのであれば、その1つとして、私は違うメッセージを受け取る人がそういう割合で多いのではないかと申し上げております。これ1つで何とかなるとは、当初から思っておりません。

○阿久澤部会長 では、関連ということで。

○迫委員 まさにおっしゃるとおりで、この基準値1つで、肥満者にもやせの人にも正常な人にも全てのメッセージが伝わるというものではなくて、あくまでも基準は基準であるということ。そして、基準に対して、それぞれの人がどういう摂取が必要なのかというところは、また別の情報として提供されるべきもの。それが健康栄養政策だと思っております。

そして、先ほど、私、やせの割合というお話をさせていただいたのですが、肥満の問題に着目して基準値を意図的に下げるということではなく、出てきた基準値をまずベースに置いた上で、あとはメッセージとして出すときに、肥満の方、やせの方にそれぞれどうあるべきかというところを情報提供していく。基準を意図的に動かしてしまうということは、その根拠がなくなるわけです。ですから、そこは避けるべきだということで申し上げたつもりでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、池原委員。

○池原委員 8ページの食物繊維のところを確認させてください。食物繊維については特定の機能が認められないという御回答ですけれども、左側の意見にも少し記載がございますが、栄養成分表示の議論の中で、食物繊維の摂取不足については、そのときのお話ですと、生活習慣病、特に心筋梗塞の発症に関連があって、今の食物繊維の摂取不足は、日本人にとってかなり深刻な問題であるという御説明をいただいたと記憶しております。

そういうことであれば、食物繊維は例えば心筋梗塞の発症を予防する効果がある、ということになるのではないかと思うのですけれども、心筋梗塞の発症を予防する効果というものは、ここで言う特定の機能には当たらないということになるのでしょうか。専門性の高いところだと思いますので、わかりやすく御説明いただければありがたいです。

○阿久澤部会長 はい。

○塩澤食品表示調査官 今の御質問について、お答えさしあげます。

ここは、議事録がまだ上げられていなくて、大変恐縮ではございますけれども、専門の先生方を招いた私どもの調査事業の検討の場でも議論になったところでございますが、2015年版の食事摂取基準にはいろいろな生活習慣病と栄養素の関連が紹介されているのですけれども、今回追加したほかの栄養素と比較しますと、食物繊維については、それほど各疾病などとの関連が明確になっていないという状況でございました。

栄養機能食品というのは特定の機能が定型文として示されるものでございますので、そういう意味において、食物繊維は、そのスキームに現時点ではなかなか乗れないのではないかと考えております。その一方で、食物繊維については、とらないよりとったほうがいいということは自明のことでございますので、栄養強調表示の基準としては今までもございましたように、今後も残ります。つまり、補給を促す方向の栄養強調表示は、もちろん今後もあるわけでございますが、特定の機能として、それを表示につけるところまでは現時点では至っていないというのが、先生方を交えて整理した答えでございます。

○池原委員 具体的なエビデンスみたいなものがまだ薄いということに尽きるということでしょうか。それでは、それが整って明らかになってきたら、栄養機能食品として食物繊維を表示できるタイミングが来る可能性があるという理解でよろしいですか。

○塩澤食品表示調査官 はい。これは食物繊維に限ってのことではございません。その他の栄養素も、その時々の最新の科学的知見を踏まえて、それを定型文にしていくというのは当然のことでございますので、御指摘のとおり、今後、明確に何らかの疾病と食物繊維の摂取の関係が示された場合には、私どもとしてもそれを定型文化していくことは当然検討することになると思います。

○阿久澤部会長 はい。

○板倉委員 私も消費者庁の御回答に賛成です。食物繊維と言いましても、不溶性とか水溶性とか、いろいろなものがあって、種類によっても影響力は違いますので、食物繊維ということで何でも数字で示されて、かえって誤解を招くようなことも今の時点では起こりかねないと思いますので、きちんとしたデータが後ろにあるときに改めて考えていただくべきことではないかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

そのほか。どうぞ。

○河野委員 パブコメの御報告、ありがとうございました。

私たち全国消団連でも4点ほどパブコメを出させていただきまして、今回、主な意見の概要のところに取り上げていただいて、御回答いただいているところです。ただ、いただいている御回答の2ページの4番目の枠、先ほど御説明いただきましたが、特別なライフステージに属するものを除外しないのだけれども、対象とする場合は何らかの形でガイドラインで明らかにしていただきたいと申し上げましたが、それは企業判断によると御回答いただいています。

また、9ページの一番下ですが、今回、加工食品と鶏卵に加えて、鶏卵以外の生鮮品も対象となります。消費者の間では、生鮮品の栄養成分というのは非常に変化するし、栄養成分について表記していただいてもいいのだけれども、加工品と比べると不安定なのではないかという懸念があり、このことに対して、一定の数値の正確さというものを担保できるようにしていただけないかという要望を出しましたが、参考にさせていただきますという御回答をいただいています。

それから、同じく10ページの一番上、適正な表示が行われるように、監視執行体制、モニタリングをぜひお願いしたい、制度ができても、企業の自己認証によって、どんどん商品が出てくることに対して、私たちも安心して利用できるようにとお願いしているところですけれども、今後の参考にさせていただきたいという御回答をいただいていて、こうした要望に対して参考にするとおっしゃらず、ぜひ実行に移すように鋭意努力していただきたいと思っております。

最後に、先ほどから問題になっております数値の件ですけれども、私は素人ですから、今回お示しいただいた数値を云々というところは、専門的知識がないものですから申し上げることができません。ただ、先ほど迫委員がお示しくださったような、今の考え方、背景というのも十分理解できるところですし、それから、鬼武委員が先ほど意見書でお話になっておりました、議論が非常に短く、クローズドであることに対する不安感ということに、私も同意するところです。

ですから、パブコメの御回答にあるように、今後は議事録の開示等、この数値がどういう検討経過によって、どんな科学的・専門的知識の裏づけによって決まったのかというのを、ぜひ明らかにしていただきたい。私たちが10年ぶりに決まった、この数値を、普通の生活、ふだんの暮らしに活用できなければ何の意味もないわけですね。そこにつなげていくために、まずこの数値の根拠というのを私たちに信用させていただくような情報公開をしていただきたい。

国民は皆、健康に生きていきたい。今回決められた数値が、今後の私たちの健康増進に役立つように、あらゆる関係者がしっかりとそのために、何を、どこでやればいいのかということを含めて、数値が決まったから一安心ではなくて、これからが一番重要なところだと思っていますので、そういったところで消費者庁さんは何ができるのか、あと関係省庁さんで何ができるのか、しっかりと知恵をあわせてやっていただければと思います。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

はい。

○鬼武委員 先ほど回答いただいた参考資料の5/10、鉄の栄養素等表示基準値ですけれども、そちらの右のカラムにある考え方については、一応御回答いただいたということは理解しておりますけれども、これについては、日本の値はもう少し慎重に見るべきではないかと思っています。コーデックスのNRVでは14mgで、アメリカのディリーバリューとしては18mgとなっています。

日本の場合も、鉄を加工商品に強化してあるヨーグルトとかが市販されていると思いますけれども、そういう年齢ステージの人は鉄が摂取不足であると、20代から40代の女性のほうが多いのではないかと思っていまして、あえて今回のNRVに、別の計算で加えて書いていいということは、表示としてもわかりにくいのではないかと思っています。

今回の鉄については、コーデックスのほうでも吸収率の問題で結構議論になったと思いますし、ここはEFSAでどう設定されようとするのか、海外の状況を含めてもう少し調査すべき。それは栄養研を含めて、設定の根拠なり考え方をもう一度慎重にやるべきじゃないかと私は思っています。鉄の部分についてもぜひ再考していただければ。今までそういう形になっているのはわかりますけれども、どうなのでしょうか。意見でございます。

以上です。

○阿久澤部会長 はい。

○塩澤食品表示調査官 今の御指摘でございます。確かに、今回のCCNFSDUでEFSAが今、鉄についてレビュー中であり、そのうち結果が公表されるということが示されたのは認識しております。他方、私どもはあくまでも日本の健康栄養政策としての値を考えていかなければならないという立場にございます。国際的な値も参考になるとは思いますが、我が国として最もテキストとなるのは「日本人の食事摂取基準」でございます。私どもとしては、厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準」を第一のテキストとして検討すべきではないかという原則に立ち、今回の値を設定した次第でございます。

なお、先ほど述べたかもしれませんけれども、今回、鉄の栄養素等表示基準値について月経ありの女性を除いて計算したことにつきましては、検討に当たった佐々木先生、石見先生をはじめ、私どもの考えでよいとの御確認を先生方全員からいただいております。したがって、私どもとしては、現時点で適切な値ではないかと考えております。

○阿久澤部会長 はい。

○鬼武委員 これについては何度も申し上げませんけれども、先ほどのカロリーのこともそうですけれども、そういう政策の変更点についての要点をパブコメの時点で出さないと、今回の基準改定の意図が一般の人にはわからないじゃないですか。私はそこだと思うのです。だから、もう少し慎重にやって、今、消費者庁にお示しいただいた考え方と、そういうことについてきちんとアブストラクトなり、今回の基準の改定で、これは今からでもできると思いますので、NRVの設定を今回大きく変えた根拠について、カロリーについては、こういう考え方で出したと説明されたい。

例えば、鉄については、今の回答にあったようなことについて、政策決定した中身について出していただかないと、事前に事務局に聞いて、我々も計算して、いろいろな文献で調べてわかったわけですから、こういうものが公開・透明性でないと私は思っているわけです。

以上です。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○池原委員 先ほどの食物繊維の御説明で、食物繊維は今回の整理で、栄養強調表示の補給できる旨の表示はこれまでもできて、ただ栄養機能食品としてはエビデンスが足らないので特定の機能ということで表示するには至らないということで、要するに、栄養機能食品として表示できるほうがハードルは高いということに大きく言えばなる、ということでございますね。そういったことであれば、逆に、今回の整理で、n‐3系脂肪酸は、栄養機能食品の表示をする対象に加えるという整理をしていただいていますが、栄養強調表示の補給ができる表示についてはこれまでどおりということで、対象になっておりません。そのあたりはどのように考えたらよろしいでしょうか。

○阿久澤部会長 消費者庁、よろしいですか。

○塩澤食品表示調査官 今の点について、お答えさしあげます。

強調表示の序列としては、一般的には海外で言うところのヘルスクレーム、すなわち健康強調表示が一番上に来て、その次に量が多い少ないを示す栄養強調表示が来るというのは、原則としてはもちろんそうでございます。

今のお尋ねについてでありますが、n‐3系脂肪酸というものが栄養機能食品の成分として追加になった一方で、今回、栄養強調表示の基準値として設定されていないのはなぜかといった御指摘だったかと思います。確かに、序列という観点からすると整合がとれていないかもしれませんが、一方で、n‐3系脂肪酸については、コーデックスのガイドラインを見ても、栄養強調表示の基準がまだ策定されておりません。今回の検討のポイントは幾つかありましたけれども、そのうちの1つとして、国際整合性は無視できないものでございます。

もちろん、国際整合性をどの程度加味するかというのはなかなか難しいところでありますけれども、今、我が国の栄養強調表示の基準は、考え方としてはコーデックスを踏まえたものになっておりますので、現時点ではn‐3系脂肪酸の値を栄養強調表示の基準として設けていないという整理でございます。

○阿久澤部会長 はい。

○池原委員 コーデックスは、基準としてn‐3系脂肪酸を定めるかどうかについて、何か議論されたのでしょうか。議論された結果どうだったのかというところと、日本としては、それに対してどういうスタンスでいるのか、先ほど鬼武委員からもお話あったと思いますが、その考え方だと、例えばコーデックスに対して、日本としてはn‐3系脂肪酸を基準として定めてもらうように動くべきではないかと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 お答えさしあげます。

コーデックスにおける強調表示の基準値というか、その議論は、たしか古くは1990年代の前半ぐらいからされていると思っております。その逐一が今、頭の中に入っているわけではなく、大変申し訳ないのですが、ただ、最近の流れとして、この間バリで行われましたCCNFSDUでも、いわゆるNRV‐NCD、非感染性疾患予防のNRVという観点から、n‐3系脂肪酸としてのくくりではないのですけれども、その構成成分であるEPAやDHAの値をNRV‐NCDとして策定すべきではないかという議論が新規で提案されたと聞いておりますので、何らかそういう方向で、これから国際的に着手していく可能性があるという状況でございます。

したがって、わが国としても、その流れを見据えつつ、できるだけ日本の考え方と大きなそごが生じないように注視してまいりたい、また、適宜、積極的に発言・対応してまいりたいと考えております。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

どうぞ。

○板倉委員 先ほど河野委員から御指摘がございました生鮮食品の表示の件ですけれども、実際にカリウムの場合等は、水洗いとゆでるという過程を経ても、かなり減少すると聞いておりまして、特に日本人の場合は下ごしらえの操作の中で、海外に比べて減る量が非常に多いということも聞いております。ですから、実際に表示されて、それがそのままでとれるという誤解を招くようなことになってしまうと、非常に問題があると思います。

それと、聞いた話ですけれども、例えば、ゆでるという操作にしても、若い方の場合には、ゆでてから水さらしをして絞るというところまで、一連の操作だということ自体もイメージにないという話もありまして、単に調理法を書けばうたってもいいとやるということについては、逆に期待感ばかりが増してしまって、生鮮食品の場合、ばらつきも含めてですけれども、実際に消費者の期待感との間に非常に大きな齟齬が生じるのではないかと思います。私は、表示すること自体に反対ですけれども、表示されるとしても、そこまでのこと細かな対応をしていただかないと、かえって逆効果になってしまうと懸念しております。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 今の板倉委員の御指摘について、若干補足させていただきますと、確かに御懸念はごもっともかと思います。つまり、カリウムにしても、水溶性ビタミンといったものについても、調理法次第では、例えばゆでこぼしで水に流れていってしまうといった具合に、摂取量が少なくなってしまうというのは、我々としても十分認識しております。

そういうこともございますので、10月15日の第33回部会の資料としてもすでにお示ししておりますが、生鮮食品については、調理法次第で栄養成分量の変化が生じるようなものについては、調理しても上下限値の間にその値がとどまっているという担保が必要でございますから、そういう調理法の記載も行うこととするという方針も示させていただいております。

なお、少し脱線してしまいますけれども、こういう考え方については、食品の新たな機能性表示制度に関する検討会においても示された考え方でございますので、今回、栄養機能食品の生鮮食品についても、同じような考え方でやってまいりたいと考えております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

はい。

○鬼武委員 あと、議題で採決に入る前に1つだけ。

前回、WTO通報の中身について御説明がありました。それで、私の参考資料の6ページが示された原文であります。正確には11月3日にWTO通知で出されていまして、今回示されたのがNRVの設定の変更点と、あわせて、カラムでいきますと、7ページの4ポツが、今回のいわゆる機能性表示食品のところだと理解しています。

それで、今回、WTO通報した、まずNRVについてもですけれども、私のコメントペーパーに少し書いておりますけれども、これは私どもの国内の資料では、NRVのNCDであるのか、もしくはR(リクワイアメント)であるのかということで説明がありましたけれども、こちらにはそういう記述がありませんでした。ですから、今、コーデックスの国際会議でこういう議論がされていますので、WTO通報する中身についても、こういう記述をすべきじゃないかと意見として持っております。

もう一点は、この点は少し残念な点ですけれども、今、NRV以外の話になっていまして大変恐縮ですけれども、先ほどの機能性表示食品についてです。今回、前回の議論で本会議にかかって答申が出されたことについては理解しておりますけれども、この間、機能性表示食品についての報告書なり、その全体像については、この委員会の中でも中身としてはかなりきっちりしたものが出されていると私は評価している次第です。

ただ、その一方で、世界に例を見ないものであって、WTO通報でその中身についてきちんと示すべきではないかと思っています。今回、示されているのが、カラムの4つ目の3行ぐらいでの説明です。これで機能性表示食品が海外の事業者、大使館を通じて、果たしていろいろな方に通じるのかということを私は疑問に思っていますから、最終的にガイドラインとかが決まった段階では、改めてWTO通報したほうが、私は国際的な観点で日本が打って出るということであれば、きちんと丁寧にやるべきじゃないかと思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

はい。

○迫委員 二、三点、要望させていただきたいと思っております。

1点目は、特定の対象者に対しての部分です。例えば、先ほど妊産婦等の例が出ましたけれども、そういうものについては、ぜひガイドライン、通知等で食事摂取基準に示されている数値を参照してという縛りをかけていただきたい。それぞれのところが自由に研究データ等をベースにしてつくるのではなくて、食事摂取基準という言葉をきちんと入れていただくような形でお願いできないだろうかというのが1点目です。

それから、2点目は、先ほどの鬼武委員のコメントペーパーの中にもありましたけれども、今後、こういう見直し等を行うときには、ぜひ国立健康・栄養研究所に対しての委託研究のような形で、きちんと国としての回答が出るような、そのあたりをぜひ連携という形でとっていっていただければありがたいと思っております。

3点目は、モニタリング、監視体制、これは河野委員からも出ましたけれども、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、その他の一般的な健康食品と、4つのジャンルが出てくるわけでございますので、この辺はスタートした時点できちんとしたモニタリング、監視体制というものを構築しない限り、いいものが残らずに悪いものがはびこるという危ういことにもなりかねない話だと思っております。ぜひ、お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○阿久澤部会長 どうぞ、立石委員。

○立石委員 どうしても必要エネルギーの2,200kcalというのが理解できなくて、鬼武委員の資料にもあったとおり、こういった厚生労働省補助金の研究の中でも2,000kcalを採用するべきと示されているわけです。それと、先ほどの国際整合性。日本以外で2,200kcalとかを採用している国があるのかどうか、それもちょっとわからない。タイなどは2,000kcalだったと思いますけれども、東南アジアの国の状況とか。

それから、海外はほぼ2,000kcalでおさまっているにもかかわらず、日本だけ2,200kcal。なぜかというと、非常に消費が促進的なのです。事業者側にとって非常にありがたいのです。抑制的に動くのか、促進的に動くのかということでいくと、これはどちらを見ているか。私が常々感じているのは、そういった事業者の強い要望があって2,200kcalにしてくれということで動いていることはないと思いますけれども、もしそうであれば、どちらを見ているのですかと。

健康とか、そういった実態を見た中で決めているということが明らかにわかるように資料として示していただきたいということで、私はこの件については、今後これがずっと固定化していくことになると非常に問題だと思っていますから、最後まで反対し続けるつもりです。2,200kcalということについて、ぜひ2,000kcalにすべきだと提言したいと思います。

○阿久澤部会長 はい。

○板倉委員 私も鬼武委員、立石委員の意見に賛同しております。

それで、特に気になりますのが、栄養学の先生はいらしても、消費者行動学という見方で表示が考えられていかないことです。ですから、そういうところでは、国際的な整合性も含めてですけれども、ぜひお考えいただきたいと思います。

それと、エネルギーの基準値が変わると、当然のことながら油の基準値もエネルギーのパーセントで出されますので、その量も増えるわけですね。そうすると、それの影響も含めて、日本人の場合にほかの国、ヨーロッパ等と比べて、人種的な違い等もどの程度が考えられているのかというのがよくわかりませんので、そういった点でどういう御意見が出ていて、それに関して問題ないと言えるのかどうかについては、ぜひ御説明いただきたいと思っております。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 今、油の話などが出たと思いますけれども、我が国の健康栄養政策ということを考えますと、まず一番重視すべきものは何かというと、「日本人の食事摂取基準」の最新版に基づいて値を策定すること、それを大原則とすることかと思っております。

そういう意味で、今回の各数値については、この「日本人の食事摂取基準」2015年版をもとに、そして本来的には、今まで推定平均必要量という値が基本でございましたけれども、個々人の自主的・合理的な商品選択や国際整合性なども踏まえて推奨量ベースとするなど、一つ一つ原則というものをもう一回振り返りながら、しかるべき基準は何かということを考えて原則をつくり、それをもとに数字をつくったというものでございます。

ですので、油のパーセンテージなど、今いろいろ御発言ありましたけれども、今の食事摂取基準に示された考え方そのものを反映させておりますので、例えばそれを1回置いておいて、消費者庁独自の発想で何か値を策定し、それで栄養素等表示基準値をつくるというのは、我々の立場からしてもなかなか難しいと考えている次第でございます。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 海外で2,200kcalとか2,000kcal以上を採用している国はどこがあるのですか。具体的に教えていただけませんか。

○塩澤食品表示調査官 一つ一つの国でどのような値を採用しているかというのは、申し訳ありませんが、あいにく持ち合わせておりません。ただ、この2,200kcalとか2,000kcalという問題についてでございますけれども、我が国の健康栄養政策における中長期的な取り組みとして、先ほど御紹介しましたが、昨年度からスタートしている健康日本21(第2次)という運動があり、そこでは肥満とやせの減少が両方とも掲げられていることを踏まえますと、立石委員がおっしゃるように、肥満のみをフォーカスしたような値を設定するということは消費者庁として無理でございます。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 私は、タイの政策を見ると、子どもたちの栄養の過剰摂取の問題について非常に懸念を生じて、そういった中で2,000kcalとかいう数字が出されたということが書いてあったのです。そういった国の健康政策のあり方というのは、こういったところに反映することであって、私はどこを向いているのかということについて国の姿勢が問われると思うのです。我々の国は、消費支出を増やすことに対して促進的なものを採用することについて、私はすごく違和感を感じるのです。

先ほど紹介された研究の中で2,000kcalを採用するべきとなっているわけでしょう。それには根拠があるはずですね。こういった研究の中で、これも2010年の食事摂取基準が採用されて策定された後にそういった考え方が出ているわけです。そうすると、そこに何らかの根拠があって、そういう課題として挙げられているということは、そのことが全然見えてこない。なぜこういうふうに出てきているかということが明らかにならない前に、強引に2,200kcalにしますよという、単なる年代別の合計数値の平均値をとったというだけでは、極めて説得力がないのです。

○阿久澤部会長 はい。

○迫委員 どちらか指名されないうちに、勝手にマイクをとりまして申しわけございません。

今のお話ですが、食事摂取基準の策定というところが、最新の知見を大量に集めまして、それも単に知見ということよりも、論文として明確にされているものを全て洗い出していただいた上で一つ一つを精査されて、そしてつくり上げられたもの。そして、今回の基準を策定するに当たって、先ほど加重平均ということで、性・年代別の人口と栄養量を掛け合わせて平均値をとっていったもの。日本の国民の人口、性・年代別の人数と、それぞれ必要な栄養量に対して正確に計算されたものを使おうというわけでございます。

ですから、何度も私、申し上げているように、そこを意図的に変更するのではなく、基準は基準としてきちんと置いた上で、必要な情報は別途整えていく、提供していく。それは事業者さんにお願いしたいと思っておりますけれども、基準はいじるべきではないと思っております。

○阿久澤部会長 それでは、石川委員、どうぞ。

○石川委員 今、議論されているのは、資料1‐1の8ページの別表第10の基準値ですね。これは、資料1‐1の1ページの栄養素等表示基準値の定義に基づいて計算値を算定されたというたてつけになっているということでよろしいですか。その場合に、ここの国民の健康維持のために示されているというのが、先ほどの食事摂取基準であって、これも入れられないと。

そうすると、皆さんが懸念するように、実態に合わないような2,200kcalが出てきているということを、この摂取基準あるいは表示基準からどう調整すればいいのかという点を、この部会では議論しないといけないだろうと思います。そもそもの栄養素等表示基準値自体をこのように加重平均という形で決めてしまうと、自動的にこうなってしまうので、ここをどういう工夫をすればいいのかという点を議論する必要があると思いますけれども、私自身はちょっとアイデアがなくて、何か皆さん、いいアイデアはないですかということを聞きたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

今までも、摂取エネルギーに関連する議論を中心とし、その他多くの議論がございます。そこで今、石川委員から、答申をどのような内容にするのかについて、今の石川委員の御発言も踏まえて、皆さんどのようにお考えか、御意見いただけたらと思います。いかがですか、はい。

○石川委員 方向性としては、そもそもこの栄養素等表示基準値という加重平均の方法自体が、基準熱量が2,200kcalになるとか、鉄分を6.8と、月経ありの方にするとちょっとおかしいだろうという御指摘があったように、ちょっと使い勝手が悪い形になっているということで、このルールそのものがどうなのだという問題点があるのですが、それを言い出すと、これを一からやり直しという話になります。そういう方向で議論することと。

もう一つは、このような平均値という形で、実態とちょっとずれがあるような基準をつくらざるを得ないとすると、その後はこの基準値について例外を設けるとか、月経がある方はこうであるとか、年齢別とかを抜きにした平均値を出していますから、それ以外の要素を基準値に入れる。

あるいは、表示ルールとしてはこれでやるしかないので、あとは通知、ガイドラインで、この栄養素等表示基準はこういう趣旨ですよということが消費者にわかるように徹底するという3つ目の方法。

その3つのどれかだろうと思うのですけれども、皆さんどのように考えられるかというところだと思います。私自身は、栄養素についてはそれほど詳しくないので、きょうの話で鉄分の話とか勉強させてもらったという視点でありますので、もう少し踏み込んだ議論をほかの委員に期待したいところですけれども、多分その3つだと思います。1番目は、かなりハードルが高い話だとは思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○迫委員 今の関係ですが、これは国民全体の性・年代別の人数で計算したもの。私ども、例えば給食施設等でどれだけの栄養量を提供するかという目標を出すときにも、性・年代別の人数をベースにして、食事摂取基準の数値を入れて計算していきます。いわゆる加重平均です。そういうふうな加重平均の数値を目標として示していくというのは、もう従前からずっとやられている方法で、これ以外の方法はないと思っています。

あえて言えば、それが子どもに通じるかといえば、子どもを入れてしまうと数値がものすごく下がってしまいます。乳幼児から高齢者まで食事摂取基準は、それぞれ年代別にある程度くくって出ています。でも、それを一つ一つばらばらにして基準を作ってしまったら、膨大になってしまい実際には複雑すぎて活用できない。そういうことからすると、活用方法としては、先ほどの加重平均の基準値を使いつつ、実際に大きく離れているところ、特定の対象については、食事摂取基準の数値を参照しながら運用していただきたいということを、通知、ガイドラインで書いていただくというのが一番望ましいのではないかと思っております。加重平均の数値というものは、非常に重要かつ明確な根拠のある数値だということでございます。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○鬼武委員 33回表示部会、資料5、机上配布資料の16ページに、我が国とコーデックスのガイドラインということで、算出方法ですね。栄養素等表示基準と栄養参照量、一緒のことだと思いますけれども、1つ目の1段落下のポツでいくと、国・年齢の加重平均になっているということは、多分、日本は今回そういう形で決めたのだろうと思っています。

ただ、鉄のことについていえば、2つ目のポツにありますように、栄養素の個別の吸収ということで設定すべきだということで、1つは、ここがポイントとしてあるのではないかと思っています。それが、今回、コーデックスのバリの会議では、吸収量とかが鉄についてあって、その違いが結構出ているのではないかと私は思っていまして、日本の設定だと7mgで、コーデックスとか外国だと15mgとか18mgなので、約倍とか3倍。私は、この数値は、素人考えなので、そこの部分は申しわけないですけれども、それで本当にいいのかというのは少し懸念が残るところであります。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

そうしますと、迫委員においては、通知、ガイドラインで対応すれば、今回の諮問の数値等でいいだろうという1つの提案というか、意見ですが、それでは今までの議論の内容がカバーできないのではないかという御意見はございますか。

○立石委員 全然理解できないですね。鬼武委員と同じで、もっと詳しい中身を示されない限り、ずっとこのままいってしまうわけだから、私は非常に問題だと思っています。ですから、もうちょっとわかりやすい資料も含めて、ないと、今の説明だけでは全然理解できていません。

○阿久澤部会長 ということは、鬼武委員、立石委員は、この諮問案は適切ではないということですね。

ほかに。

○板倉委員 それと違うことですけれども、ビタミンKについてはほとんど議論されていないと思うのですけれども、私はなぜこれが対象になるのかについて、まだはっきり言って解せない状況です。「日本人の食事摂取基準」2015というのも読みましたけれども、不足している人というのは本当にごくまれなように読めますし、問題がある方、お医者様にかかっているような方々の場合ですと、当然そこで補充されるわけです。

とり過ぎてもそんなに支障がないからということで、さっき御説明いただいたお答えの7ページにも、規制改革実施計画において、「栄養機能食品の対象拡大化」が示されたことを受け、追加候補の成分・機能について一定の考え方に沿って検討したものですということだけが増やす理由としか見えませんので、不必要なものをつくって、とり過ぎても害が出ないというだけで、あえてわざわざそんなに不足しているとも言えないようなものを挙げること自体について、それでも挙げる意味があるという御説明をいただけるとありがたいですが。

○阿久澤部会長 はい。

○塩澤食品表示調査官 今回、どの栄養素を対象とするかというところは、我々も一番悩んだというか、熟慮したところでございまして、お手元の机上配布資料にもございますが、第33回食品表示部会資料の49ページに、横断的にこういうルールに従って、追加できるかどうか考えるべきではないかといった考え方を示させていただいております。この流れに従っていくと、今回のn‐3系脂肪酸、ビタミンK、カリウムが追加になってくるのではないかということで、ビタミンKもその中に乗ってきたところでございます。つまり、我々の選定は、49ページにお示ししている考え方にのっとったものでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

それでは、この議題について予定している時間も過ぎておりますので、皆さんにお伺いしたいと思います。多くは諮問案の基準値についての御指摘等でございましたが、そのままでよいとするのか、すなわちこの諮問案に賛成するのか。

あるいは、おおむねこれでいいだろうけれども、特にエネルギーとか鉄については、何らかの例外的な措置が必要であり、エネルギーについては、やせあるいは太っている人で見方が違うので、数字の捉え方が違うまた、鉄についてはそのケースに合わせてということで、もう少し慎重に検討すべきだという附帯意見をつけるとか、何かそういう形でこの諮問案を処理できないかなと思いますが、いかがでしょうか。

はい。

○鬼武委員 あと、1つ確認したいのですけれども、このNRVが今回改定になって、現行のNRVでいろいろな形で強調表示がされているものがあります。それと、今度、NRVの新規のものがあって、市中に表示が混在することはあるのでしょうか。例えば、何年度に基づいてやったという表記になるのですか。その辺、実際の市中に出回った食品表示の考え方を教えてください。

○阿久澤部会長 はい。

○塩澤食品表示調査官 今回の栄養素等表示基準値も食品表示基準の中に書き込まれるということで、食品表示基準に適用される経過措置期間が適用されるということになります。したがって、その経過措置の期間においては、従来の表示をつけたからといって、特にだめというわけではございませんので、両方の表示が走ることになります。ただ、両方のものが混在すると混乱するのではないかという御指摘は、それはそうとも思いますので、我々としても適切なアナウンスをしていきたいと考えております。

○阿久澤部会長 はい。

○鬼武委員 だから、1つは、何年度に基づいてやったと書かないといけないけれども、事業者的には、余りカロリーが多い書き方をしないということも出るでしょうね。そうすると、2020年版の基準がその次に出てくる。そのタイミングがあると思うのですけれども、その辺が私は実際に今回、変えることがどれぐらいの意味があるのかと思って、むしろ考え方の整理と、私は何度も言いますけれども、NRVについては、専門家の機関できちんとした回答といいますか、答申が出て、それに基づいて設定されるべきだと思っていて、逆にいえば、現行のNRVでも、5年先のことであれば、それがいいということでもあるような気がします。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、伺いますが、この諮問案に賛成できるということでよろしいでしょうか。はい。

○宇理須委員 専門機関からの答申と、今、鬼武委員からありましたけれども、これは研究報告書に基づいているのではなかったでしょうか。厚生労働科研か何か。違ったのですか。

○塩澤食品表示調査官 今回、我々がお示しした数字ということでしょうか。

○宇理須委員 数字が出た基準の根拠です。

○塩澤食品表示調査官 この数字の根拠は、直近版、すなわち2015年版の食事摂取基準、これは厚労省が5年に1回改定して出しているものでございますけれども、そちらに基づいて設定したものでございます。恐らく今、宇理須委員は、その前に出された厚労科研費の報告書のことをおっしゃっているのかと思いますけれども、それをテキストにしているものではございません。もちろん、そこに書かれている内容なども踏まえて、それも参考としつつも、今回、2015年版の食事摂取基準を踏まえて、こうすべきと整理したものでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

よろしいですか。どうぞ。

○石川委員 資料1‐1の8ページの別表第10の栄養素等表示基準の各項目の関係で、前もどこかで聞いたことがあると思うのですけれども、炭水化物と食物繊維は個別に表記されていますけれども、炭水化物の中には食物繊維が入っているということですね。だから、ほかの亜鉛以下のものは全部違う物質ですけれども、炭水化物と食物繊維は上下の関係にある。それから、上の脂質と飽和脂肪酸、n‐3系、n‐6系、これも上下の関係があるというか。脂質62gの中にはn‐3系の2gとかn‐6系の9gが入っているように思うのですけれども、炭水化物の中には食物繊維の19gも多分入っていると思うのですけれども、この表だとちょっとわからないのではないか。

全部とらなきゃいけない。脂質をとって、n‐3系をとってみたいな誤解があるような表に見える。ただ、これは別に表示で出るわけじゃないですけれども、そのあたりを誤解しないような書きぶり、例えば炭水化物に括弧して、食物繊維を含むとか、脂質なら飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸を含むとか、そういったほうがわかりやすくなるのではないかと思ったのですけれども、そのあたりの修正等はできるのでしょうか。また、したほうがいいのでしょうか。消費者の視点からは、それはやったほうがいいと思います。

○阿久澤部会長 おっしゃられるとおりですね。これについて、コメント。

○塩澤食品表示調査官 こちらについては、表示の場合にどうするかという問題と、あくまでも食品表示基準で取り扱う栄養成分とは何かという話で、ちょっと別の話かと思います。もちろん、表示する際は、前に内訳表示ということを御提案させていただいて、それでよしとする答申も頂戴したところでございますけれども、当然、消費者にはよりわかりやすい情報提供という観点や、国際的にもコーデックスをはじめ、内訳表示がされているという国際整合性の観点から、私どもとしても表示方法としては内訳表示としたいと思った次第です。

ただ、強調表示の基準につきましては、例えばコーデックスにおいても、その一覧は内訳的な構造で示されているものではございません。普通に栄養成分が列記されて、それがガイドラインとして国際的に示され、現時点では特段、それによる混乱というのは来していないということからしても、表示方法ではなく、基準における強調表示の欄の栄養成分の列記という点においては、現行案がむしろ国際整合性なども踏まえて適切ではないかと考えております。

○阿久澤部会長 単なる栄養素としての数値でなくて、強調ということであるならば、むしろこのほうがわかりやすいということですね。

○塩澤食品表示調査官 はい。

○阿久澤部会長 そういうことで、この諮問案でよろしいという方はどの程度ですか。この諮問案に反対という方は1名いるわけですけれども、ここで議論になってきた内容を意見として附帯をつけるべきだという方はどの程度いますか。挙手していただいてよろしいですか。

○鬼武委員 附帯条件の内容にもよります。

○阿久澤部会長 ここで指摘が何件かあったわけですが。しかし、具体的に、この数値をこう変えればとか、附帯の内容ではないですね。

どうぞ。

○池戸委員 先ほど数字の基準の話は、専門家でないとわかりませんね。ただ、言えるのは、栄養摂取基準との整合をとっていかない。これは健康栄養政策の一環で表示制度があるということだと思います。多分、国民全体ということで計算すると、さっきのような数字になるということだと思うのですが、摂取基準は年齢別とか性別とかで決まっているのではないかと思うのです。だから、一般の消費者の方も、表示されている食品だけで食生活を送っているわけではないので、栄養政策のほうできちんとやっていただいた中で、この数値はどういうふうに位置づけられて、どう利用するかも含めて、きちんとした普及啓発をセットでやるべきじゃないかという感じがします。

今の時点で数値をこの委員会でと言っても。ただ、さっきから御意見が出ているのは、その根拠がはっきりわからないというところは、個別の委員がわからなければ、ほかの消費者の方もわからないことなので、それがどうなのかというところだけだと思います。

○阿久澤部会長 エネルギーの数値根拠については、消費者庁のほうからの御説明もあったし、迫委員からの御意見でも理解できる範囲かなと思っております。

どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 今、池戸委員は、エネルギーのみならず、ほかの栄養素についても、今回、不透明な中で策定したのではないかといった御指摘のように私としては受けとめたのですけれども、10月15日の資料、日がたってしまったので大変申しわけなかったのですけれども、そこでも我々としてはかなり明確な原則、つまり、こういう値やこういう年齢階級、こういう方法論でという考え方を示したと思っております。例えば、今まで人口構成にいたしましてもどういう人口構成の資料を用いるかも従来は不明確であったところ、こういうふうにしますという考え方を、かなり詳細にお示ししたつもりでございます。

どの栄養素についても、今回お示しした原則に従って計算しておりますので、透明性の高いやり方、また科学的にも国際的にも理解されるようなやり方で値を示したと考えている次第です。

○池戸委員 ちょっと誤解がないように。私は、全くその逆の意味で言っているのです。専門家の方で出された数字なので、それを前提で考えるべきではないかという意見です。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 私が問題視しているのは熱量だけです。熱量のところだけは、どうしても理解できないと言っているわけでありまして、我が国の国民栄養政策との関係性の中で、どんなふうに見ているのかというところが大事だと思っています。次世代というか若い世代、子どもたちとか、そういうことに対して警鐘を鳴らしていくという意味があれば、私は非常に理解できるのだけれども、そういうことなしに、単なる平均値だと言われたら、この国は何をやっているのだろう。海外の政策と比べて、そういうふうに疑念を持ったから言っているわけでありまして、そこのところだけきちんとわかるような形で、だからこうなのですよという理屈を示してもらえば、私だって納得します。

ただ、1点だけ。東南アジアの諸国とかアメリカとか北米に比べて、我が国だけ熱量が高いというのは、どうも理解できない。輸出入の関係からいっても、これはダブルスタンダードになってしまうわけです。入ってくるもの、出すものも変えていかなきゃいけないということは、非常におかしいのではないかと思います。

○阿久澤部会長 それでは、諮問案につきましては賛成できるということでよろしいでしょうか。それで、多くの御意見、御指摘をいただいています。その中には、今後の検討していくべき、あるいはいったらいいだろうという御指摘もございます。また、ここで今後取り組みますという回答をいただいています。実際にそれを反映してほしいという御意見等もありましたので、それはそのとおりだと思いますので、消費者庁には、今後、この点についての取り組みをしっかりとやっていただければと思います。

はい。

○鬼武委員 要請があります。

1つは、先ほどもワーキンググループというか、作業グループで施策を今回決めた、NRVの改定。その中身については、ぜひホームページ等で公開していただくか、もしくは委員会で説明していただくか、そのどちらかをしていただきたいというのが1点。

2点目は、コーデックス等の中で、いわゆる独)国立栄養研が権威ある機関となったわけですから、今後は個人レベルとかではなくて、国立栄養研が政策として、今回のNRVの設定については積極的に絡むのだということをお願いしたいということが2つ目。

3つ目は、今回、コーデックスで国際会議の場で議論となっていて、特に鉄は吸収量の問題で意見が結構違っていて、EFSAから来年、報告書が出ると言っていますから、その中身についてはもう一度栄養研内で検証していただいて、今の日本の数値の7.8mgが、今度低い数値になりますね。だから、その正当性についても、その段階なりでぜひ検討していただきたい。

その3点を附帯意見として思っています。以上です。

○阿久澤部会長 はい。

○塩澤食品表示調査官 今の鬼武委員からの御指摘、3つほどあったかと思います。

1つ目の今回の消費者庁事業の検討過程、その内容についてディスクローズしてほしいという御意見だったと思います。これは、最初のパブコメの御紹介のときにも触れたかもしれませんが、私どもとしてもその方向で調整しているところでございますので、いましばらく時間を頂戴できればと考えております。

次に、国立健康・栄養研究所との共同作業ということでございます。これは、御指摘を今後の参考にさせていただき、有意義な値の設定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

それから、鉄についてでございますけれども、今回、食事摂取基準をもとに計算したところでございますけれども、食事摂取基準におきましても、原則として、一部の乳児などは例外ですけれども、それ以外については、コーデックスの設置機関であるFAO/WHOが採用している吸収率を日本の食事摂取基準でも採用しておりますので、国際的な観点からもそれほど不整合が生じているものではないと認識しております。

○阿久澤部会長 はい。

○夏目委員 部会長から意見をはっきりさせましょうという段階に来ていることは、たびたび言われてきていますので、諮問された内容で、それにそのままで賛成できるかどうか、賛成できないか。賛成できないときには、全く変えるという選択肢もあろうかと思います。先ほど石川委員が最初におっしゃった、実現のハードルが非常に高くて、こうなったかと思います。そういうものと。

それから、諮問案にこのまま賛成なのだけれども、附帯意見をつけてほしいという要望、御意見があるというところで、そこをはっきり委員の皆様に意思表示していただいたほうがよろしいのではないかと思います。このままの諮問案の基準については、はっきり反対だとおっしゃっている方もいらっしゃいますので、そこを曖昧にしたままで進めるということは余りよろしくないのではないかと私は思いますけれども、いかがでしょうか。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

先ほどからそのように伺っておりまして、皆さん、諮問案に賛成できるということかなと思っております。1名は反対ということですが、この諮問案について了承するということでよろしいでしょうか。はい。特に異議ないようですので。

○板倉委員 3つ選んでいただくのではないのですか。皆さん、了承したということで通されるということですか。

○阿久澤部会長 はい。

○板倉委員 私は、部会長代理のおっしゃったように、意思ははっきり出したいと思っておりますけれどもね。

○阿久澤部会長 そうしましたら、どのような附帯意見をつけますか。

○板倉委員 附帯意見として、鬼武委員からも提案がありましたよね。ですから、それも1つの案だと思います。私も鬼武委員の意見には賛成しております。

○阿久澤部会長 そうであれば、それはそれでよろしいのですが、先ほどそのような附帯意見をつける方はいらっしゃいますかと聞いたら。

○板倉委員 ただ、附帯意見としてつけないといけないなら鬼武委員の意見ということであって、私自身は、消費者サイドの立場からすれば、そもそも栄養機能食品の成分をこれだけ増やさなきゃいけないということ自体についても疑問を持っておりますので、そういう意味では問題はあると思っております。そういうところは納得していないということでございます。

○阿久澤部会長 それでは、この諮問案には賛成だが、そこに先ほど鬼武委員からの3つの意見を附帯意見として付すことに賛成という方がいるわけですけれども、そのことに賛同する方はいらっしゃいますか。

○板倉委員 お尋ねになっているのが、今、何を判断しなきゃいけないのですか。

○阿久澤部会長 ですから、諮問案そのものに賛成か、諮問案に賛成するけれども、そこに先ほどの鬼武委員の附帯意見をつける。それは板倉委員のおっしゃっている内容ですね。

○立石委員 私は1点だけですよ。熱量のところだけは、もう一回きちんとやり直すべきじゃないかと言っている。だから、納得のできる説明なり資料が出てきたときは、これは別に賛成します。ただ、今の状況の中で、このことが1回決まってしまえば、ずっと我が国が2,200kcalでいくことについて懸念しているのです。いろいろなことがこれから影響するという中で、ここは十分慎重にやるべきじゃないのと。消費促進的な意味合いを持っている、そんなことをもし決めているのであれば、ここは大きな判断の誤りだから、国民の健康という視点で決まっていることが担保されているのであれば、私は全然問題ないです。

○阿久澤部会長 それはよくわかりました。立石委員の御意見ですので、そこが変わらない限りは全体が承認できないということになるわけですので、それはそれでよろしい内容かと思います。

どうぞ。

○大貫参事官 申しわけございません。事務局のほうで、少し考え方の整理の案を示させていただきたいと思います。

議論の内容、2つに分かれているかと思います。1つは、栄養基準の数字に関する話でございます。もう一つは、栄養機能食品の対象を増やすかどうかということで、3種類、ビタミンKを含めて幾つか増やすという案が出ている部分、この2つの議論にまず分けていただいたほうがよろしいのかなと思います。

1つ目の数字の話でございますけれども、基準案の中で申しますと、別表11の栄養素等表示基準値の定義として、この加重平均した値であって別表10の上欄の区分に応じそれぞれ同表の下欄に掲げる値をいうという定義の数字が書いてございます。先ほど来お話がありますエネルギーの件あるいは鉄の件でございますけれども、これは日本人の栄養摂取基準の中で示された加重平均の値そのものが、この別表第10の値として示されているわけでございますので、何らかの附帯意見をつける場合、どのような内容で意見にするのかということを明らかにしていただく必要があると思います。

もし数字を変えるということであれば、この第2条の11の表現そのものにも影響してくると思います。それについての具体的な案がなければ、附帯意見のつけようがないのではないかと思われるところでございます。そのあたりについて、この数字については御整理いただいてはいかがかと思いますが。

○阿久澤部会長 その辺、いかがでしょうか。どうぞ。

○立石委員 今のことに賛成です。いずれにしても、鬼武委員の資料で見ても、アメリカで平均が2,350kcalだけれども、2,000kcalを採用しているということについては、肥満対策の観点からということで具体的に書かれています。肥満対策の観点、いわゆる過剰摂取に対して予防していこうということでもってやる。いわゆる平均値はこうだけれども、こうしたいという国の意思ですね。健康のためにはどちらを優先するのですかという、栗山委員からも出た、やせなのか太った人なのかというのもあるし。それで、次世代に対することとか、子どもたちの健康ということを考えたときにどうあるべきか。

そうしますという意思があると、私は非常にわかりやすい。その意思が見えないのです。ただ平均値ですよと言われたって、アメリカはきちんと意思を示しているわけです。肥満対策をするために、2,350kcalだけれども、2,000kcalにしますということを言っているわけです。そこを言っている。そういうことをぜひ加えていただきたいということです。単なる加重平均だけでは理解できません。

○塩澤食品表示調査官 今の点でございますけれども、先ほども申し上げたとおり、私どもとしては、国の健康栄養政策との整合が第一と考えております。現時点では、昨年度から回り始めた健康日本21の第2次においても、肥満とやせの両方の減少を図るというのが国の方針として明確に示されております。そういう中で、どちらかだけをとるということは、我々としても困難でございます。ややもすると、立石委員の御指摘というのは、厚生労働省の考えている健康栄養政策について、それは違うだろうという御指摘ではないかと認識しております。

いずれにしても、私どもとしては、エネルギーについては、とり過ぎも少ないのも、どちらも問題があるものでございますので、ここは原則に従った加重平均値を基準値とするのが適当と考えております。

なお、ほかの栄養素につきましては、栄養素によっては目標量を採用するということを原則としております。10月15日にも御説明しましたけれども、厚生労働省から、この栄養素はとり過ぎが懸念、あるいは少ないのが懸念とされているものについては、食事摂取基準の中に目標量という形で、生活習慣病予防という観点から、この値を目指していきましょうという数字が策定されています。これは、先ほどのエネルギーと違って、両側があるというものではなく、国全体としてどちらかに偏っているというものを是正しようとする値として、目標量というものが設定されております。

そういう意味では、加重平均値といっても、国民全体が一方向に向かうべきという栄養成分については、もう既に栄養素等表示基準値の中に指標として盛り込まれておりますので、そういったものを加重平均することについて、科学的にも、それから政策的にも特段問題があるとは思っておりません。したがって、今、基準にあります栄養素等表示基準値は加重平均値で出すという部分には、今、いろいろ委員から御指摘があった考え方が既に盛り込まれていると思っております。

以上、補足させていただきました。

○阿久澤部会長 関連ですね。はい。

○迫委員 関係するところで1点だけ追加で発言させていただきます。

次世代の健康問題への対応というところが、立石委員が非常に重要だと言われたところでございます。そういう中で、直近のデータの中で20代の女性のやせは21.5%、女性の肥満は10.7%でございます。先ほどおおむね倍と言いましたけれども、やせが21.5%、肥満が10.7%。30代の女性のやせは17.6%に対して、肥満は13.3%ということで、既に次世代にかかわる年代においては、やせが非常に重要な問題になっているということをつけ加えさせていただきます。

○阿久澤部会長 はい。

○宇理須委員 鉄に関しては、この値を求めた方法というのは、単なる加重なのか、国民としての目標だったのか、それはどちらだったでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 鉄については、月経ありの人を除いて月経なしの人の値を使っておりますけれども、18歳以上の男女の値で加重平均した値でございます。ただ、先ほどのパブコメの資料の中に、文章として回答を示しておりますけれども、月経ありの人と男性も含めそれ以外の人たちを全部合わせて計算してしまうと、月経がない人にとっても、また月経がある人にとっても、望ましい値からともに乖離してしまうことになります。

ですので、まず原則としては月経なしの値で計算しつつ、あとは、例えば月経ありの人にフォーカスした商品設計をしたいということであれば、その基準値を付記して消費者の方々に訴求する、情報伝達するほうが、むしろ自主的・合理的な商品選択にも資するのではないかと考えております。

あと、再度の説明で恐縮でございますけれども、今、申し上げたような値の方法論、鉄に関しての値の策定については、今回の検討に協力していただいた委員にもきちんと確認をとって、それこそ適切であるとの見解を全委員から頂戴しております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。そういった懸念は、ガイドラインとかQ&Aでしっかりと対応していかれるということだと思います。

どうぞ。

○立石委員 今の迫委員のお話は、20代です。私の言っているのは子どもたちです。10代、それも年少者の方はスナック菓子とか、いろいろなものを食べて、かなり栄養過剰摂取になっているというか、肥満が多いと私は聞いているのです。それが一部かどうかわかりませんけれども、そんなことに対して警鐘を鳴らしていくという中で、タイなどでは具体的な施策として、食べ過ぎに注意しましょうということもお菓子類に書かなきゃいけないとか。それから、2,000kcalという基準を設定したり、そういう形で防衛を張っているわけです。そこに対して、私は懸念を示しているわけです。本当に若い世代、子どもたちの健康に対して、厚生労働省は本当に真摯に考えておられるのかと。

○阿久澤部会長 はい。

○塩澤食品表示調査官 今の子どもたちというお話がありましたけれども、だからこそ、今回新たな我々の挑戦として、この値は18歳以上なのだという情報を必須として規定したいと考えた次第でございます。それを見て子どもたちがそのまま利用するかどうかは、また別の話かと思います。

○阿久澤部会長 はい。

○鬼武委員 前回、前々回の話をちょっと確認をしたいのですけれども、今回の設定でNRVのNCD、non communicable diseasesの関係で設定されたというのは、摂取量の目標量と設定されているということで言うと、DGの項目になっている。それが全部そういうことでいいですか。上からいくと、炭水化物、食物繊維、ナトリウム、カリウム、この4つですか。その部分について確認です。

○塩澤食品表示調査官 これは、10月15日に1枚紙としてお付けしているのですけれども、その資料をもとに御説明しますと、今回の基準値のうち、目標量ベースで算出したものは何かということを順番に申し上げますと、炭水化物、食物繊維、ナトリウム、カリウム、以上でございます。

○鬼武委員 それはわかりましたが、そういうものもちゃんときちんと書いたほうがいいのではないでしょうか。どっちで設定したかというのがわからないですね。

○塩澤食品表示調査官 それを基準に書き込むのは、ちょっと難しいかと。

○鬼武委員 じゃなくて、資料ですね。これだと、どっちで設定したかわからないということと。

もう一つ気になるのは、カリウムについては、WHOにおいてNCDの関係で多くとりましょうと提言されています。だけれども、今回のパブコメでも、腎疾患とか特別な疾患があるので、余りとりたくないのだと意見です。普通の消費者の方から我々のところによく質問が来るのですが、同じようにカリウム摂取を制限したいとの質問が多く寄せられており、WHOの勧告とその部分は多分乖離していると思うので、それは補足的にQ&Aに書いたほうがいいと思います。回答のところにも記載されるべきでしょう。

○大貫参事官 机上配布資料のほうですけれども、26ページに新たな栄養素等表示基準値(案)というものがございまして、算出の指標として、DGがどの栄養成分について設定されているということについては、この資料の中に既に示されているということでございます。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○立石委員 私がなぜここまでこだわるかというと、余り蒸し返したくないですけれども、トランス脂肪酸でエネルギー1%という中で、1,900kcalと2,200kcalで何gかというのが随分違うわけです。そうすると、g数に合わせて、お菓子類とかで量を変えてきている企業があるのです。そういうことにつながっていくことを懸念しているわけです。2g超えないように、わざわざ37gとか、そういうふうに刻んでクリアする。だから大丈夫ですよという企業姿勢につながっていくようなことであれば問題だと。

今、1,900kcalで大体言われていますけれども、2,200kcalに上げると、エネルギー1%以内におさめましょうというトランス脂肪酸のような問題が逆に利用される。2.5gでいいのですよ、だから、大丈夫ですよということをおっしゃるような事業者がいらっしゃるのであれば、それは非常に問題だと思っています。ですから、ここは海外と同じく2,000kcalにして歩調を合わせたほうがいいですよと言っているわけですよ。なぜ2,200kcalにするのかわからないというのは、そこです。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○石川委員 基本的なところで、また質問して申しわけないですけれども、この栄養素等摂取基準は、栄養素の強調表示とトクホと栄養機能食品の摂取目安量の中に活用するという趣旨だけでしたか。それ以外に一般の食品のカロリー、脂質、タンパク質等の表示に当たって、この摂取基準を使うのですか。

○阿久澤部会長 お願いします。

○塩澤食品表示調査官 必須的にかかわってくるというものについては、今、石川委員がおっしゃったことが、おおむねそのとおりでございます。トクホの関与成分については栄養成分と関係ないものが多数ある中で、ビタミンKとかカルシウムなど、今回の基準で対象としている栄養成分と一致してくる成分は一部ございます。こういうものについては、1日の摂取目安量に占めるパーセンテージを、この栄養素等表示基準値を基に記載するというのが必須事項となっております。

ただ、この栄養素等表示基準値を任意で情報提供の一環として、何らかの形でパッケージ上に示すということは、それは任意で適切にしていただくことは可能でございますので、そういう利活用の仕方はございます。

○阿久澤部会長 はい。

○石川委員 質問の趣旨は、カロリーは栄養素じゃないので、別に書かなくていいのではないか。機能性食品にだけ利用するのであれば、栄養成分だけなので、カロリーは多分関係ないだろう。今みたいな混乱が生じるのであれば、カロリー部分だけ外しておけばいいのではないかと思ったのです。

○塩澤食品表示調査官 これも10月15日にお示ししたのですけれども、栄養素の中で熱量を伴うような、例えば炭水化物とか脂質みたいなものは、基準となる熱量とパラレルになってくるものでございます。また、これはちょっと名称の問題の話でございますけれども、栄養素等表示基準値の「等」にまさに熱量が入ってまいります。熱量は栄養素ではないので、「等」で読むという読み方をするというものでございます。

○阿久澤部会長 ということです。

○石川委員 立石さんが栄養素表示基準にして、カロリーを外したら賛成してくれるのではないかと思うので。最大の懸案事項が消えるから、どうですかという提案です。

○阿久澤部会長 よろしいですか。結局、エネルギーの数値にしても、また成分値について、カリウムとか問題視されているわけですけれども、11条の加重平均した値で今回、やっている。ですから、それでいいか悪いかということに尽きるかと思います。そういう形で皆さんに伺ってもよろしいですか。

○鬼武委員 私は一応3つの附帯条件を発言しており、条件つきの賛成。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 くどいようですけれども、さっき18歳以上と言ったけれども、結局、この2,200がひとり歩きするということです。あらゆることで2,200kcalを基準にして、いろいろなことが決められていく。それが何g以下ということについても、子どもたちを外すということは関係なしに、どんどん進んでいってしまうということ。ですから、私は海外と整合性を合わせるべきだということを言っているのです。なぜ日本だけ2,200kcal。ほかの国は2,000kcalでやっているのに、今は1,900kcalを使っている実態を増やしていくことのリスクを何度も申し上げているわけです。

○阿久澤部会長 はい。

○宇理須委員 この2,200というのは、18歳以上という限定があるわけです。確かに小児の場合には、おっしゃるとおり肥満とかが問題になっています。ただ、その具体的な数字は、これから科学的な根拠のもとに出していかなければいけないだろうと思います。小児の基準値は現在ありますけれども、それが本当に正しいかどうか、まさに鬼武さんがおっしゃった通り、今後の検討課題です。小児の問題に関しては、今回は18歳以上という限定つきだということをきちんと書けばいいだろうと思います。

○阿久澤部会長 はい。

○石川委員 多分、10月15日にいなかったので、議論についていけない部分が確かにあると思うのですけれども、もともとの現行の栄養表示基準の機能性表示に当たっての栄養成分についての書き方が、加重平均と書いていると思うのですけれども、6歳以上に限るになっていたのですね。それが今回、18歳になっているのはどういう理由でしたか。

○阿久澤部会長 はい。

○塩澤食品表示調査官 すみません、前回お休みになったことを失念しておりました。

これについて申し上げますと、今までは確かに我が国としては6歳以上の値でございました。6歳以上の性・年齢階級で加重平均したのが現行の値でございます。

しかしながら、現行の値について、見直しを図っていこうと思ったときに、未成年と成人を比べると、量として非常に大きな乖離がある栄養成分が少なくなかったという実情があり、これを無理やり加重平均すべきなのか、あるいは、成人の値は性・年齢階級間で大きな差はありませんので、成人のみを対象にすべきかといったことを検討した結果、未成年者は基本除外して、成人の値でやっていくべきではないかという考えのもと、今回の整理をした次第でございます。具体的には、18歳以上の値で計算するという方法で値を策定したところでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。よろしいですか。

伺っておりますと、繰り返しですけれども、すなわち、今回、加重平均した値で決められている諮問案を皆さん、了承するということかと思います。それで、鬼武委員から、またほかからも幾つか指摘がありましたが、諮問案については諮問案のとおりで適当であるということを報告すると同時に、そこに今回、このような意見があったということを委員長のほうには伝えておきたいと思います。という形でよろしいでしょうか。はい。どうもありがとうございました。

≪3.食品表示基準の制定に係わる審議について(消食表第312号諮問書:乳製品及び特定遺伝子組換え食品に係る別表について≫

○阿久澤部会長 次の議題になるのですけれども、残り25分ということになりますが、12月5日に内閣総理大臣より諮問を受けた食品表示基準案の「乳製品及び特定遺伝子組換え食品に係る別表について」の議論に入ります。

本件は、10月31日に答申しました「遺伝子組換え食品に関する品質表示基準」の一部改正、及び12月2日に答申しました「乳等表示基準府令」の一部改正の内容を食品表示基準に追加する必要があることから、新たな改正の内容ではありませんけれども、御審議いただきたいと思います。

「乳等表示基準府令」の一部改正に係る答申につけた附帯意見への対応も含めて、消費者庁から説明をお願いしたいと思います。

○船田課長補佐 食品表示企画課の船田でございます。私のほうから、2つ目の議題を説明させていただきます。関係します資料ですけれども、資料2と参考資料2、参考資料5の3つでございます。

今回の諮問でございますが、新たなルールを提案するものではございません。これまで乳等表示基準府令の改正につきましては、冒頭、部会長からも御説明がありましたとおり、前回の部会で答申書(案)が議決され、10月2日の消費者委員会の本会議で附帯意見がつけられたという経緯がございます。一方、遺伝子組換えの品質表示基準の改正でございますけれども、これにつきましては、前々回の第34回部会で了承されたところでございます。いずれも、現在の表示制度の中でルールを改正することを部会に諮らせていただいたものになっております。

今回、乳等表示基準府令及び遺伝子組換え食品に関する品質表示基準の一部改正を受けまして、新たに食品表示基準の案をお示ししているところですが、一度答申をいただいたところについて、その中を一部改正する必要があるということでございます。同時並行的に進めればよかったのですが、まず現行の基準を改正するということで改正させていただいて、今お示ししている食品表示基準を改正、新たな食品表示基準の中も同時に追加していくという形で考えているところでございます。

資料2をごらんください。新基準として、食品表示基準のところに書き込む部分を示した新旧対照表になります。左側が今回追記する形のもので、右側が現時点で新たな食品表示基準として答申いただいている部分になります。今の新食品表示基準の案に、前回、前々回で御審議いただいた部分を追記していくということを手続上、ここで諮問させていただいているということになります。

遺伝子組換えの関係ですけれども、別表第18のところに、ごらんのとおり「ステアリドン酸産生」と入る形になります。

乳等府令の関係ですけれども、別表19のほうに、それぞれ御審議いただいた内容が追記されていくということでございます。

簡単な御説明になりましたけれども、私の説明は以上です。乳等表示府令の関係で附帯意見がついておりますので、その部分について、今後の消費者庁の対応ということで、岩城のほうからちょっと補足説明させていただければと考えております。

○阿久澤部会長 お願いいたします。

○岩城課長補佐 食品表示企画課の岩城でございます。私のほうから、先ほど話がありましたとおり、乳等府令につきまして、前回の部会におきまして指摘していただいたところと、附帯意見についての対応につきまして補足説明という形で説明させていただきたいと思います。

まず、前回の部会におきまして、ナチュラルチーズの飲食に供する際の加熱を要するものの表示につきましては、私どものほうから、現行の通知に基づきまして、加熱用とかピザ用、またトースト用などの表示を検討しているという旨を御説明したのですけれども、委員の皆様方から、この表示では加熱が必ず必要であるということが消費者に伝わらないのではないかという御指摘をいただいたところでございます。

このために、先ほど紹介がありました資料2の表示基準(案)の新旧対照の2ページ目になります。中ほどに「飲食に供する際に加熱を要する旨」の表示基準ということで、今回、先ほど説明した表示基準を見直しまして、「種類別」の次に「(要加熱)」とか「(加熱が必要)」とか「(加熱してお召し上がりください)」という表示にいたしまして、消費者がこの食品を食べる際には加熱が必要だということを、わかりやすいような表示基準に見直して規定しております。

次に、加熱の程度についてですけれども、消費者はどの程度の加熱が必要なのかわからないという御指摘もいただいておりましたけれども、チーズにおきましては、加熱溶解することでリステリアが死滅するとの過去の検証データがございまして、これに基づきまして、チーズが加熱溶解するまで加熱が必要であることを、事業者に対して製品の容器包装に表示すること等を通知等で促していくことを今、考えております。

また、リステリアの注意喚起についてですけれども、リステリア菌は低温でも発育する可能性があるということから、妊婦とか高齢者等の免疫機能が低下している特定の感受性集団の方に注意喚起が必要であるという御指摘につきましては、消費者庁のホームページ等で、感受性集団の皆様方に、ナチュラルチーズにつきましては、保存温度とか期限表示の遵守、または期限表示にかかわらず、なるべく早く召し上がる必要があることなどについて情報提供を行っていきたいと考えております。

私からの補足説明は、以上でございます。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

本件については、さきに御審議いただいた改正内容を、ここの表示基準に追記するという形で、お手元資料2でいかがかということになるわけですけれども、審議の際に種々指摘、意見等あり、それについて、ただいま消費者庁のほうから答える形での説明をいただきました。追記するということについて、いかがでしょうか。はい。

○立石委員 今の非加熱で100個までと緩和されたことによって、感受性集団、高齢者の方、妊婦の方についてはホームページを見てくれという話ですね。ホームページは、高齢者の方は誰が見るのですか。インターネットなんか使わない人がいっぱいいるわけですよ。その中で、インターネットも使わない方にホームページを見てくれといって、実はこれまでは陰性だったのが100個までいいですよ。今の流通では、そのことが担保できない、増殖していきますという中で、これは私が一番頭に来ているのは、このことがEUとの非関税障壁だということで、日本の基準に対して緩和を求めてきたことへの対応だとしか思えないから言っているのです。

だから、このことは、日本のそういった感受性集団に対して、消費者のほうから見て逆なのです。利益を奪っているわけですよ。それについて、今の消費者庁の答えは、私が前から言っている懸念について、答えになっていないですね。問題は、非加熱食品、レディー・トゥー・イートについては、陰性が求められたことが100個まで緩和されるということは、日本のチーズは全部同じことで、それにかかわってくるわけだから、国内業者にとっても大変なことになってしまうのです。今までの基準を変えてまで、海外からの圧力に屈して、あえてそこまで基準を緩和して日本の安全性に対して弱体化していくということ。今の岩城補佐の答えは、全然答えになっていないのだけれども、いわゆる非加熱食品について、物流上、どう担保していくかというのはどういうふうに示すのですか。

○岩城課長補佐 免疫機能が低下しております感受性集団への情報提供につきましては、御指摘いただいているとおりですけれども、以前より御説明していますとおり、感受性集団につきましては、焦点を絞ったリスク管理ということがリスク低減に効果的であるということで、厚生労働省のほうでリスクコミュニケーション等を行って注意喚起をしていくという対応をしているということでございます。私どもとしての情報提供としては、ホームページ上で注意喚起していくということで、厚生労働省の対応とか、今まで御説明いたしました対応等をすれば、食品健康影響評価結果に基づきましてリスクの低減効果があるのではないかということで、このような対応をしていくことで問題ないのではないかと考えております。

○立石委員 今まで全く心配がなかった高齢者の方が、もちろんインターネットを持っておられない。そういう方が冷蔵庫に保管する。冷蔵庫は、あけ閉めして10℃が保てない。6℃が望ましい、2~3℃がいいと言っていますけれども、そんなことは全然担保できない中で菌は増え続ける。そういうことについて情報も知らない、食べてしまうということに対しては、消費者庁はどう考えるのですか。そういうことに対して、インターネットを持たない高齢者に対して、うちはちゃんとホームページに公開していますから大丈夫ですよということで済ますのですか。

○岩城課長補佐 先ほど保存温度の話もありましたけれども、これにつきましても今まで御説明しているとおり、製造所における衛生管理とか原料乳の殺菌とか、今までの我が国の汚染実態調査の結果とか、そういうものを全て含めて規格基準については検討されておりまして、その規格基準については、食品健康影響評価の結果、リスク的には問題ないという評価が下されておりますので、そういう対策を全て行えば、そのような問題は払拭されるのではないかと考えております。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 食品安全委員会の座長が自信が持てないと言っている話を、この前、紹介したじゃないですか。安全委員会の座長が自信が持てないと言っている話を、日本の物流事業者もそのことは全然担保できませんよと言っている中で、今、言っている話は全く説得力がない話ですよ。大丈夫ですと言って、結局、1カ月、2カ月たって、どのような原因かわからない中でいろいろなことが起こっているということを言っているわけだから、そういうことで本当にいいのですかということを何度も申し上げているのです。

○阿久澤部会長 立石委員は納得されないと思いますけれども、前回ですか、我々がいろいろと指摘した内容に対して、精いっぱいQ&Aで答えていくという御説明ですので、この辺は並行線になると思います。

○立石委員 これは我が国の食品の消費者行政の実態だということを、皆さんよく理解してください。これが日本の食品の行政の実態ですよということを、私はこれ以上言いませんけれども、こういうことで本当にいいのですかと何度も申し上げているとおりです。そこだけ強く訴えたいと思います。

○阿久澤部会長 はい。

○板倉委員 加熱についての表示について修正していただいたのですけれども、PL法のときも言われたのですが、消費者の方に、問題がありそれを回避するために知らせる文書には、その理由を書くというのが非常に重要だと思います。というのは、書いている意味を自分の都合で読み違えて解釈してしまうことが、消費者の方には多々あると聞いておりますので。

ですから、実際に要加熱とか加熱が必要、加熱してお召し上がりくださいということがどう受け取られるのかも、実際に消費者の方々にアンケート調査をとる等を考えて、もう少し具体的な理由を加味していただくようなことを、ここで書くのか、企業の方にお願いするのか、どちらかわかりませんけれども、担保していただくということをぜひお願いしたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。大切な御指摘かと思います。

ほか、よろしいでしょうか。どうぞ、迫委員。

○迫委員 こちらの新しい基準案でございますけれども、こういう形で加熱という言葉を明確に使っていただいたことが非常にわかりやすいのではないか。加熱という言葉を濁してしまうより、この形が望ましいと思っております。

あとは、先ほど御説明ありましたけれども、溶解するまで加熱するということを通知等でお示しいただけるということでありますので、そういう中で、事業者さんにとって、事故を起こさないためには、保存温度の問題ということもあわせて、通知等で、Q&Aでも結構ですけれども、お示しいただけるような形であれば望ましいのではないかと思います。諮問を受けて、附帯意見に対しての回答として、私は賛成させていただきます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。そういった意味で、この答申をどうするかということで、ただいま迫委員のほうからは、これで賛成という御意見がございましたが、皆さん、いかがでしょうか。この改定案を食品表示基準案に加えるという答申について、よろしいでしょうか。

○立石委員 よろしくないですよ。何度も、非加熱、レディー・トゥー・イートのチーズとか乳製品に関しては、今、言っている加熱は関係ないです。加熱は全然しなくていいわけですから、加熱しなくてそのまま食べてしまうというリスクに対して、全く答えになっていませんよということを言っているわけです。それは行政指導だと言って、事業者に対してどのような通知を示すか、それもわからない。それも今、示されない段階でオーケーですと言うことがよくわからない。本当に高齢者とか感受性集団に対して、非常にリスクが高まることを容認しますよということを言っているのです。

賛成しますということは、皆さん、そういうことですよ。高齢者、感受性集団に対してリスクが高まることをオーケーしますよということを、この食品表示部会で言っているということです。そこを履き違えないでいただきたい。今、迫委員、賛成されましたけれども、私は高齢者の方がそれで本当に納得できるのかなと思いますけれどもね。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○迫委員 今のお話というのは、前回の議論であり、諮問書が最初出されたときの答申に対する議論だと思います。それから、その内容等につきましては、それぞれ関係省庁等できちんと調整していただく必要はあるかと思いますけれども、主には厚生労働省等でも動いていただかなければならない。つまり、この委員会では表示をどうするかというお話でございます。そして、既に答申したものの附帯意見に対して、新たにこういう形で表示したいという提案があったわけですので、これについて賛成すると申し上げております。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○板倉委員 加熱用については、前にも申し上げたと思いますが、その後、講演のときに受講生の方々にお尋ねしたところ、加熱用という言葉だけでは誤解する。よりおいしくするとか、その料理に向いているものだという理解をするということでしたので、そういうことも含めて、情報としてどう書けばいいかについてQ&A等で補っていただくということをお願いしたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

立石委員は反対だというお話ですが、前回と同じことになるのですけれども、今回、皆さんにも御紹介したように、現行法令に関する答申に附帯意見をつけております。ですから、今回も同じようなものをつけるということであればよろしいでしょうか。

○立石委員 非加熱に対する具体策を私、ぜひ知りたいですね。加熱しないレディー・トゥー・イートの乳製品に対して、どんな対応策を示されるのかというのは、通知だけしますよというだけしか今はわからないわけですよ。事業者に対して、どのような通知を出されるのか、物流上、担保できるのか。

それから、一番の心配は、さっき言ったように冷蔵庫に保管される高齢者の方、インターネットを見ない方に対してどういうふうにされるのか。そういったことを具体的に示していただきたいと思います。

○阿久澤部会長 そうしましたら、同じような附帯意見をつける。これは、もう既に改定案として通っているので、ただそれを加えればいいという考え方もあるかと思いますが。

どうぞ。

○栗山委員 厚生労働省がこれに対応するとしたら、今、おっしゃったようにリスコミとか、そういう部分しか多分できないと思います。ここは表示なので、表示は厚生労働省が何も触ることができない部分なので、表示に関してはハイリスクの方々に製品に対して直接表示するということは、ここでお願いとか御提案とかはできないものでしょうか。あるいは、まずは御質問して、お願いとか御提案はできないものでしょうか。表示に関しては、ここしか議論の場がなくて、厚生労働省でこのことを議論するときには表示はかかわらないと思いますので、ちょっと伺わせてください。

○阿久澤部会長 消費者庁。

○岩城課長補佐 先ほどの表示できないかという質問ですけれども、感受性集団に限りましては、先ほども説明したとおり、感受性集団に限った措置が必要であるということで、リスクコミュニケーションとか情報提供が効果的ではないかという安全評価の結果が出ているのが1点あります。

また、表示させることによりまして、特に輸入食品などは、そういう安全評価が出ているものについて、新たに注意喚起表示ということになりますと、非関税障壁という問題にも触れてきますので、表示させるというところについては慎重に検討するべきではないかと私どものほうでは考えております。

○阿久澤部会長 はい。

○栗山委員 安全評価が出ているので、直接製品に表示する必要はないということで理解すればよろしいでしょうか。

○岩城課長補佐 そのように考えております。

○阿久澤部会長 ほか、ございますか。

そうしたら、先ほどお示しした、同じ附帯意見をつけるということで、この諮問案は適切ということでよろしいでしょうか。

○立石委員 はい。

○阿久澤部会長 これは同じ附帯意見をつけるということ。

○立石委員 国際紛争になるから、ここで言ってもむだかもしれないけれども、おかしいことはおかしいと、国としてきちんと返してもらいたい。変な圧力に対して屈して、日本の安全衛生に対する基準を下げてまで開放するという考え方は、極めて危険だし、リスクが高い。消費者庁は全然答えられないわけですよ。高齢者に対して、冷蔵庫の保管の問題とか物流上の担保ということについて何も答えられない。そのことをもし表示でやれば、これはまた非関税障壁ですよと言っているわけです。そこが問題なのです。そこがこの問題の根っこなのです。

○阿久澤部会長 はい。

○石川委員 表示規制が非関税障壁になるという感覚は、全く理解できないです。内容規制と表示規制と言っていますけれども、内容、製品の規格とか成分等については、これを安全側にとり過ぎて国際基準から逸脱すると非関税障壁だと言われるということで、SPSとかTPPなどは、これは当然、非関税障壁の代表例になりますけれども、表示は示すだけの話で、製品ごとの区別を示す、氏素性を示すという話であって、規格基準の問題とはまた違う話なのです。だから、これを非関税障壁という概念で括るというのは全く理解できない。間違っているのではないかと思います。

表示することによって選択の自由が確保されるのであって、WTO体制というのは自由貿易体制を増進させるためのものであって、消費者の自由を拡大するためのものであって、内外の事業者の格差をなくそうという話なのです。だから、表示規制は自由に資することはあっても、自由競争の規制にはならないのだと私は思っているのです。国内の事業者とか一部の事業者の規制になるかもしれないですけれども、自由に資する制度です。だから、非関税障壁という感覚というのは、この表示部会では議論にならないとは思っているのですけれども、そのあたりが従来から疑問に思っているところで、表示規制は消費者のため、あるいは事業者の平等な競争確保のためにどんどんやっていっていいと思っています。

○阿久澤部会長 今、石川委員からのお考えが。どうぞ消費者庁のほうから。

○岩城課長補佐 非関税障壁に抵触するおそれがあるということで先ほど説明させていただいたのですけれども、この規格基準につきましては、食品健康影響評価で全体的にレディー・トゥー・イート食品については、日本ではリスクが低いという評価がされております。

また、免疫機能が低下している感受性集団につきましても、焦点を絞ったリスク管理でリスク低減効果はあるということで、科学的根拠に基づいてリスクは低いと評価されているものにつきまして、表示させることによって注意喚起するということで、そのチーズについて危険なものではないか、消費者に誤解を受けるのではないかということが非関税障壁に抵触してくるのではないかということが考えられますので、そこの部分については慎重に検討する必要があるのではないかということで発言させていただきました。

○阿久澤部会長 視点が違っての。

○石川委員 ここは、内容にかかわる規格基準については、一定のレベルでゼロリスクにしない、できないという限定があるから、そのあたりのリスクが非常に少なくても安心できない部分についての、安心感を与えるための表示というのは表示規制でできるのですね。そこがちょっと違うので、それはSPSとかTPPとは違うレベルの話をしているので、そこはやってもらったらいいと思っています。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

はい。

○栗山委員 自分の発言なのに正確な発言内容を覚えていなくて、まことに申しわけないのですが、食品衛生審議会の食品衛生分科会でこれが検討されたときに、ハイリスクグループの消費者の選択を担保するために、厚生労働省と消費者庁の連携によって食品表示の部分で担保できるように十分御配慮をお願いしますということを申し上げた。正確にその内容だったかどうか覚えていないのですが、思っているのですね。

そこで私が発言したことが、ここで生かされるべきということは、また別の問題かもしれないのですが、そういう意味で、厚生労働省では表示の内容については検討できないので、ここで御検討いただくというお願いをさせてくださいということを申し上げたつもりでおります。そうは言っても、それは厚生労働省で発言したことであり、今回はこういう方法でやるというのであれば、それはそういうことなのかなと思いますが、一応、そういう趣旨であったことをお伝えさせていただきたいと思いました。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

はい。

○立石委員 今の話ですね。ほかの審議会でそういったことをやりますよと言って、何もしない。いわゆる加熱についてはそういうことになったわけですが、非加熱については全く。だから、何度も言いますけれども、コーデックス基準は増殖しないという前提があって初めて、100個までいいですよと言っているわけですよ。増殖するのであれば、陰性がコーデックス基準ですから、このことを100個まで認めてしまうわけですから、我が国は緩和しているわけです。緩和していることに対して、一方は緩和しておいて、それに対しての対策を何もしない。表示で何もできないということを言っているのです。

これは非加熱のところ。レディー・トゥー・イートは100個までいいということは、100個までリステリア菌があるものが入ってくることを認めてしまう。そのことは、最終的には高齢者の方とかが食べる。それについては、物流上の担保も保管上の担保も何もされない。表示上もですよ。この中には、非加熱についての対策は何も出ていない。それで本当にいいのですかという、私はそれだけの素朴な疑問ですよ。それに対して、岩城さんは何も答えていないじゃないですか。

○阿久澤部会長 一応、Q&Aで対応すると。

○立石委員 Q&A、今は出てこない。では、事業者に対する通知はいつつくられるのですか。事業者に対する通知は、これが全部決まってからおざなりに出しますよということであれば、こんなことで決まっていけば、この国は一体どうなるのですか。

○阿久澤部会長 それに対してはよろしいですか。はい。

この答申をどうするか、時間も過ぎていますが、先ほどちょっと言いかけたところですが、本件についての答申案を適当とした上で、先ほど紹介した乳等表示に関する内容について、12月2日の答申と同じ附帯意見をつけるということでいいか。あるいは、立石さんは首を振られていますが、別の内容の附帯をつくるのかということですが、前回、ここで決められた意見、出た内容を附帯意見に付されていますので、それでよしとしてはいかがかと思いますけれども、いかがでしょう。

○立石委員 いかがなんて思っていません。消費者として非常に不安のリスクが高まることを容認してしまうことを、この消費者委員会を含めて、そういうことで決めていくということのプロセスに対して、私は世間から評価を受けるということです。こういったプロセスに対して物を言っていく、消費者の目線でこんなことはおかしいのではないかということを消費者委員会は言うべきだと思います。こんなことを通していけば、日本の安全なんて何も保てないです。

私は何度も言っているように、外国はものすごく厳しいわけです。なぜ我が国だけこんなに緩くするのですかと何度も言っているのですよ。私は輸出しているから思うのですけれども、これだけ格差のある国はないですよ。だから、こんなに緩くすることについて簡単に認めてしまうことに対して、どういう考え方かというのが私はわからない。

○阿久澤部会長 どうやら、このままでということではなくて、附帯意見をつけるということですが、その附帯意見について、この前の12月2日の答申につけた附帯意見と同じでよいというケースと、立石さんは附帯意見をつけるも何も、この件については前回もノーということです。皆さんは、いかがでしょう。はい。

○板倉委員 私も栗山委員の御懸念というのは、もっともだと思っています。

チーズについては、少なくとも日本人の場合はナチュラルチーズ自体の扱い方についての文化がないわけですから、それについて何らかの注意表示をするということは別に非関税障壁にはならない。それぞれの国のお国柄については、国際的にも認められる部分があるのではないかと思います。ですから、具体的にどういう表示をするかということについては、Q&Aとしてお任せしたいと思いますけれども、少なくともそういうものを扱われる事業者の方が配慮されるよう希望したいと思っております。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○大貫参事官 恐縮でございます。部会長がおっしゃられているものは、参考資料2の2ページ目に附帯意見というものが、これは本委員会のほうでまとめたものでございますけれども、この原文どおりで附帯意見としてつけることでいいかというお問い合わせでございますので、この附帯意見のどの文章をどのように変えるべきであるという形で議論いただけると効率的かと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

この内容は、前回ここで議論し、みなさんから頂いた意見を委員長に報告したところ、委員長がこういう附帯意見をつけるべきでしょうということで、先ほど報告させていただいた内容の文章になっているわけです。ですから、皆さんの意見は今回も前回も変わっていないわけですので、この附帯意見をつけるということでよろしいのではないかと私は考えるわけです。そういうことでよろしいでしょうか。はい。

異議ないようですので、それでは、同じ附帯意見をつけることにさせていただきます。

≪4.食品表示基準(消食表第229号諮問書)に係る審議経過報告書について≫

○阿久澤部会長 時間が過ぎていますが、もう一件、審議経過報告書の件について、前回もこの件は審議できなかったのですが、内容としては報告書の作成途中をお示しし、皆さんから御意見をいただければということですので、それほど時間はとらないと思いますので、15分ぐらいかと思います。板倉委員、よろしいでしょうか。ということで、すみませんが、進めさせていただきます。最後の議題です。34回部会で作成を約束させていただいた「審議経過報告書について」です。

内容について、事務局から説明をお願いいたします。

○大貫参事官 恐縮でございます。お疲れのところ、申しわけございません。

これは、食品表示基準案に関する審議経過の報告について、議事録を見ていただくと非常に長くてわかりにくいということで、できるだけ簡潔に、かつ詳細な御意見が漏れなく拾えるようにという形で、どのような構成にすればいいのかというのを事務局で案を作成したものでございます。事務局において、第31回部会から第34回部会における食品表示基準案に関する審議経過報告書(案)を作成したわけでございます。本日の段階ではまだ未定稿でございますので、メインテーブルの方のみへの机上配布とさせていただいております。御議論が終わりまして完成いたしましたらば、消費者委員会のホームページで公表することとしたいと思います。よろしくお願いいたします。

構成についてでございますが、机上配布資料をめくっていただきますと、1ページ目、はじめにのところで、この報告書の性格について書いてございます。

目次のところ、2ページ目をごらんいただきたいのですけれども、大きく2つに分かれております。

1つは、全体の審議の進め方、答申案の作成についてということでございます。(1)審議の進め方について、各回でどんな審議がされたのかということについて書いておりまして、(2)で、特に部会長のほうで御準備いただいた答申案の作成経緯について、1回目の作成と2回目の作成について、どのような考え方でどうやってつくられたのかということを詳しく御説明したところでございます。(3)は、ごく簡単にまとめさせていただいて、議事運営の状況、審議の状況を、ここだけ見ていただければ概略わかるというまとめをしたところでございます。

10ページ目からの項目ごとの議論についてでございます。(1)は簡潔版でございまして、全ての項目を並べて、審議経過についてごく簡単に概要を示したものでございます。(2)の主な意見のほうは、漏れなく丁寧に拾い上げるようにという意味で、かなり大部になってしまうと思うのですが、今回は栄養表示の対象成分のナトリウムの表示部分のみをサンプルとしてつけさせていただいております。各委員からいただいた御意見に漏れがないように、議事録から事務局のほうで拾い上げたものをサンプルとしてつけてございます。

このような構成でよろしいということでしたらば、ほかの全ての項目について、同じような形で拾い上げをいたしまして、今の予定ですと12月いっぱいぐらいで委員の方に案を投げさせていただいて、その案をいただいた上で、委員からの修正の状況によりますけれども、できれば来年1月くらいにはホームページに掲載できるようなものになればということで考えております。

あと、詳細につきましては、適宜、質疑応答でお答えさせていただければと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

本日は、ただいま御説明あったように、報告書案の構成について御意見を伺えればと思います。文章の内容確認は、構成が確定した後に事務局でさらに作成作業をしてもらって、報告書が最終版になったところで内容の確認を行い、公表するということでいかがかと思います。そういった形でよろしいでしょうか。はい。

よろしいようですので、では、御意見をお願いいたします。立石委員から御提出の意見書がありますので、それについてもあわせて御発言があればお願いしたい。

○立石委員 十分な議論、ここでいろいろな問題点、課題を出しても、消費者庁のほうからはしっかりと答えていただけないという中で、固有記号問題についてもここに出していますとおり、課題提議が石川委員から出されて、それについて答えていただきたいとしたにもかかわらず、議事録に出ていますけれども、こういうのをお役所言葉と言うのですか、「前回の会議の場では、ノンペーパーでしたけれども、私としてはやりとりがあったと記憶しております」とか、昔のロッキード裁判みたいな答えをして、具体性に欠けるわけです。我々は疑問に思っているわけです。おかしいですよ、具体的に答えをくださいよと言っている。

だから、今回のパブリックコメントでこれだけ。きのうの夜しか来なかったのです。パブリックコメントでいろいろな意見が出たことに対して、消費者庁は回答しているわけですけれども、我々委員が出した疑問に対して真摯に答えてもらいたいと思います。我々は、パブリックコメントを出される方にもわかるように、こういう論点や問題がありますよと示す役割があります。だから、これに対して、消費者庁はこういう考え方ですという記録を残したいわけです。これを見ればわかるじゃないですか。参考にさせていただきますとか、こういう姿勢自体を世の中に対して示すべきであって、こういう考え方が今の消費者庁の体質ですよと、こういうことがわかりやすくするには、文書で回答していただきたいと思います。

それから、もし文書で回答できないのであれば、なぜ文書で回答できないのか。我々消費者委員会の意見を聞くと、法律的なたてつけとなっている。その中の委員が疑問を出したことに対して、明確に答えない。先ほどのことも、リステリア菌だって明確に答え切っていただけないですね。そんなことで、なし崩しに、最初からシナリオが決まっていたかごとく全部が決められていったことに対して、私は今回の食品表示基準の検討プロセスに対して、非常に不信感と不満を持っています。

特に固有記号に対して、竹田課長、こういった論旨で回答していることに対して、見てください。議事録をそのままつけていますからね。これを多くの方がどう思うかですよ。我々、全然納得していませんよと言っているのですよ。それについて具体的に回答していただきたい。石川委員が出された8項目に対して、消費者庁はどんなふうに考えているのか。私、全然理解できなかった。質問に答えていただけなかったし、議事録を見てもそうですけれども、載っていません。そういった中で具体的に再度示していただきたいと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 従前の部会でお答えしたとおりでございまして、重ねて申し上げることはございません。

○阿久澤部会長 参事官、わかっています。どうぞ。

○大貫参事官 恐縮でございます。そのような審議経過について報告するということで、構成について御議論いただきたい。内容に係るものについては、事務局に対する意見としてお出しいただくという形で処理いただければと存じます。

○阿久澤部会長 ここでは、議事の経過をまとめるにあたり、その構成を議論いただくということですが、立石委員のおっしゃられることもよくわかります。その内容につきましては、先ほども申しましたが、最後、各自内容を御確認いただくことになっていますので、例えばですが、その内容の部分が出てきたら、そこに*をつけて、これについては明解なお答えをいただけなかったという書き方もあるのかなと、今、思いつきですけれども、そういう形もあると思います。立石委員、報告書ができたところで、この内容が正確に伝わるかどうかという御確認をいただければと思います。

はい。

○板倉委員 どうして31回以降について書かれているのかについて、お尋ねしたいのですね。そもそもこの議論については、27回頃からスタートしたと思うのです。そのときに私の記憶では、鬼武委員が非常にわかりやすい提案をされたのですけれども、それが否決されて、結局、消費者庁案どおりのやり方で進んだので、最終的に見てみるといろいろな問題がそのままで、私たちのイメージとは違って、いろいろなものが切り張りされただけの食品表示基準になってしまっているわけですから、そういうものも報告書の中には私は盛り込まれるべきではないかと感じました。

○阿久澤部会長 1つの御提案が出てきました。

事務局にとっては、これだけでも大変な作業量ですが、いかがでしょう。確かに板倉委員のおっしゃることも理解できるのですが。

○大貫参事官 恐縮でございますが、事務局のほうといたしましては、前半の報告書をまとめるまでのステップで一応取りまとめはされたと考えておりまして、その後、実際の案が出されて審議が始まったということで、31回からの流れをまとめておけば全体像が見えるのではないか。また、委員の皆様方から要望されたのも、31回以降の流れについて、非常に紆余曲折があってわかりにくいのではないかということで、31回以降を準備させていただいたところでございます。

○阿久澤部会長 1つは、調査会が終わった後の部会からということですね。確かにそういう区切り、分け方はあると思います。

○板倉委員 ただ、前のものをお読みにならない方は多々いらっしゃると思いますし、一連の作業として、一番最初が本当は一番肝心なことであったわけですけれども、それは見えない形で具体的な議論になってからの中身だけ見ることになりますと、全容は見渡せないし、今後、こういう会議で反省すべき点が、特に私は最初にあったと思っておりますので、そういう意味で、前に報告書をそのまま張りつけてほしいという意味ではなくて、それは整理していただく形で構いませんけれども、なぜ個別の消費者庁の案どおりで議論されてきたのかということがわかる必要があるのではないかと思っております。

○阿久澤部会長 そのような形をどこかに記載されれば、あるいはそこにはそのときの部会の議事録を引用できる形で紹介しておくということで、正確に理解していただく手立てになると思います。いかがでしょう、事務局。ですから、特にそこを整理して書くということではなくて、このポイントはどの部会で議論したということを紹介すればよいのではないでしょうか。

○大貫参事官 御意見を受けてのお話ですけれども、1つは時間的にかなり作業時間がかかるのではないか。部会長がおっしゃるような形で準備するとしても、かなりの時間を要するのではないかということが考えられます。

1つの御提案ですけれども、今回、31回以降について準備させていただいたものは、先ほど申し上げたとおりのスケジュールで12月いっぱいにでき上がって、それを委員の皆様に御確認いただくというプロセスに入れると思いますので、それはそれで準備させていただいて、また板倉委員から御提案のありました27回からの分については、またこれとは別の形で、もう少し簡単な流れがわかるような形で準備させていただいてはどうかと考えております。

と申しますのは、今の構成の形であわせて全ての委員の意見を漏れなく拾い上げるという部分は、この構成の2ページ目の目次の2ポツの(2)の部分、主な意見というところでございますが、この作業が27回からのものにしますと非常に膨大な作業になるということが見込まれます。今、準備しているものと同じ形式で27回から追うというのは、かなり無理があるのではないかと考えております。委員の任期が来年の8月末までということになっているのですが、場合によってはその任期にも間に合わない状況にもなりかねないことが危惧されますので、とりあえず、この31回からのものを完成した後で、必要があれば27回からの作業に入らせていただければと考えております。

○阿久澤部会長 よろしいでしょうか。そうしましたら、今回、このように御提示いただいた構成の内容で、つまり31回から最後までを作成していくということでよろしいでしょうか。

はい。

○立石委員 1つだけ。事務局、本当に御苦労いただいていると思います。今回、パブコメ案ができてから修正案が示された。それがほぼ全部基準の緩和なのです。そういったことだけを議論してきたことについて、正直、それは事業者の声だけを取り上げてきたという感じを世間から見ても受けるのです。消費者の声を全く取り上げないで、事業者の声を中心に修正案が出されて、それでもって議論してきたという中で、プロセスのところはきちんと後世に残るように。こういった中で、この食品表示部会で議論してきたということを誰かに検証してもらうということもあると思います。これでよかったのかということ、あと10年、20年、わかりません。将来的にそういった形で残しておくことは非常に大事だと思います。

私は、そういう責任を負って、この部会でずっと発言したつもりですし、私は自分の立場で発言したつもりはないですから。全て世の中がよくなる方向ということを念頭に置いて発言したつもりなのですけれども、そのことは残念ながらうまく実を結ばなかったという点については、私はじくじたる思いで、こうして最後、発言していますけれども、こういった形で残していただきたいという、それだけをお伝えしたい。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

それでは、今回、提案いただいた構成等についての修正が必要だということはないということで、事務局のほうで進めさせていただくことにしたいと思いますので、完了した時点で、先ほども申しましたように、事務局から委員の方にお送りして、各自内容を御確認いただくということにさせていただきたいと思います。それが完了したところで公表ということにさせていただきたいと思います。

先ほど、作業については、それでも年内いっぱいかかるということです。その辺も含めまして、今後のスケジュール感について事務局から再度。

○立石委員 もう一回。先ほどの意見に対して、竹田課長からは、もう既に答えた。私は答えていませんよと言っているわけですから、それで終わりにするのですかということをもう一回確認したいです。私は答えてもらっていませんよと言っていて、竹田課長は答えたと言っているのだけれども、文書で回答していただきたいことになぜ回答できないのか。そこを具体的に説明していただけませんか。なぜ文書で回答できないのか。

○竹田食品表示企画課長 委員のリクエストにどう対応するかは我々が決めることでございますので、そういうことでございます。

○阿久澤部会長 はい。

○大貫参事官 恐縮です。先ほど部会長のほうから御発言があったスケジュール感については、既に先ほど申し上げたつもりでございまして、年内をめどに作業を完了して委員の皆様にお送りし、その後、内容を御確認いただいたもので全て修正がそろいましたところで公表させていただくと、そのように考えてございます。

○阿久澤部会長 お忙しい中、年内で大丈夫ですね。ありがとうございます。

立石委員、先ほどの件、答えた、答えていない。

○立石委員 委員会で出した質問に対して答えません、答えることの権利はこちらにありますということが国の審議会で許されるのですか。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○栗山委員 許されるとか許されないというのは難しい問題なので、あれですが、私、今まで十幾つの委員会でいろいろな御質問をさせていただきましたが、多くの委員会では、質問したことに対して、そんなに調べていただいてありがとうございました、恐縮です、たくさんのお時間をいただいてというお礼を申し上げた記憶がございます。それがそれぞれの省庁、それぞれの委員会の姿勢と、聞いたことのないお返事を承って痛感いたしました。議事録は残さなくていいですけれどもね。

○阿久澤部会長 現実、このような対応の中、この部会は審議を進めてきたということを示すという、委員皆さんの意向ですので、その辺は報告書にて確認していただければと思います。

○板倉委員 今の御説明、議事録に残るのでしょうか。

私も実際に幾つかの会議には参加しておりますけれども、はっきり言って、こんなに資料が出なくて、決断だけこちらのほうの責任になるような感じを受けた会議は初めての経験でございました。消費者委員会の食品表示部会自体は、単なる諮問機関だということですけれども、消費者委員会そのものが別のスタンスも持っているということで、私は参加させていただいたつもりですので、そういうところで白紙に判を押せと言われているような感じで、毎回、ここに臨まなきゃいけないのは非常に辛うございましたので、それについては議事録にぜひ残しておいていただきたいと思っております。

○阿久澤部会長 よろしいでしょうか。本件については以上といたします。また、本日予定していた議題全てこれで終了とさせていただきます。次回の日程につきまして事務局からお願いいたします。

○大貫参事官 本日も長時間にわたり御審議いただきまして、まことにありがとうございました。

次回日程及び議題について、また決まりましたらば追って御連絡させていただきますの で、よろしくお願いいたします。

○阿久澤部会長 本日はこれにて閉会させていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

≪5.閉会≫

(以上)