第31回 食品表示部会 議事録

日時

2014年9月24日(水)9:58~13:01

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
阿久澤部会長、夏目部会長代理、安達委員、池戸委員、池原委員、石川委員、板倉委員、宇理須委員、鬼武委員、春日委員、栗山委員、河野委員、迫委員、宮地委員
【説明者】
消費者庁 岡田審議官、竹田食品表示企画課長、山本課長補佐、石丸課長補佐、船田課長補佐、岩城課長補佐、塩澤食品表示調査官
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第229号諮問書)
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○大貫参事官 定刻までまだ時間がございますが、皆さん、おそろいになりましたので始めさせていただきます。

本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会食品表示部会」第31回会合を開催します。

本日は、澁谷委員、立石委員は所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしております。

議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。

今、お配りをしております資料は、配付資料一覧のとおり、資料1から参考資料4まで、及び追加配付資料です。

欠席の立石委員の意見書が参考資料3です。

鬼武委員のコメントペーパーが追加配付資料です。

委員提出資料についても、議論に御活用いただくようお願いします。

不足の資料がありましたら、事務局へお申しつけください。

本日も多くの傍聴の方にお越しいただいておりますので、発言の際はマイクに近づいて発言いただくようお願いいたします。

それでは、阿久澤部会長、議事進行をお願いいたします。

○阿久澤部会長 皆さん、おはようございます。本日は、消費者庁から岡田審議官、それと竹田食品表示企画課長に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。

なお、本日の会議は公開で行います。議事録についても後日公開することとします。

それでは、本日の議題に入ります。

6月まで当委員会の栄養、生鮮、加工の調査会で議論していました食品表示基準案について、パブリックコメントが終了し、内閣総理大臣より最終案について正式に諮問を受けました。本日は、その食品表示基準案について議論をいたします。

なお、今回諮問を受けた基準案には、一部検討中と書かれた部分があります。栄養機能食品に関する部分ですが、現時点で検討が終わっていないとのことで、その部分については別に諮問が届くことになっています。

また、消費者庁が現在パブリックコメントにかけている新たな機能性表示に係る食品基準案もこの中には含まれておりませんので、あらかじめ御報告いたします。

まず、今回、諮問を受けた分の食品表示基準案に関する審議の進め方について、提案させていただきます。

基準案は、調査会で時間をかけて一度議論しておりますので、議論のポイントを基準案と6月にまとめた報告書の取りまとめ意見の間で差が残っているところに絞りたいと思います。資料3がそのまとめになっております。その資料3に沿って議事を進めたいと思います。資料3はA3の裏表の見開きになっております。

資料1として、消費者庁からパブリックコメント前の基準案と今回諮問された基準案の変更点をまとめた概要資料が出されていますが、この資料からは、6月にまとめた当方の報告書の取りまとめ意見と今回の基準案の相違点が確認できません。このため、資料3ですが、その差を明らかにするために報告書の取りまとめ意見と基準案の記載が異なっている項目やQ&Aの作成といった運用の面にかかわる意見を出していた部分について、事務局にまとめてもらいました。

審議は資料3に沿って、当方の意見と基準案との間に差が残った理由や今後のQ&Aなどへの対応といった点を確認しながら進め、その中で資料1の内容についても議論していきたいと思います。

また、項目ごとの質疑の後、その項目に関する基準案の内容について、各委員が賛成できるかどうか、1項目ごとに御意見を確認していきたいと思います。御欠席になっている委員にも後ほど議事録を確認いただいた上で、当該部分の基準案についての意見をお聞きし、全委員の意見を勘案して最終的に答申をどうするか考えたいと思います。

ここまでの進め方につきましての提案について、何か御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、賛成いただけたということですので、提案した進め方で議事を行いたいと思います。

なお、今回の議題は議論すべき項目が多いことから、本日だけで全ての項目について議論できないと思いますので、本日と次回の部会の2回に議題を分けて御議論いただきたいと思います。

本日は、資料3の1ページ目について議論し、次回は2ページ目について御議論いただくということでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、特に異論もないようですので、本日は資料3の1ページ目を議論することとします。

最後に、参考資料2の扱いについてです。参考資料2は、先ほど議事進行に使用すると御説明した資料3の内容も含んだ資料で、6月に公表した報告書やまとめに記載された全ての意見と基準案の対比表になっています。

資料3は、各調査会の取りまとめ意見と基準案の比較のみを記載していますが、こちらの資料には、報告書やまとめに記載されている委員の個別意見も載せています。今後の議論に当たって、これらの個別意見についてもあわせて議論すべきと委員の皆さんの合意が得られる意見があれば、それらも適宜議論の対象としたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、各資料の内容を御説明いただきたいと思います。

まず、食品表示基準案について、その内容の説明を消費者庁からまずお願いします。

≪2.食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第229号諮問書)≫

○竹田食品表示企画課長 食品表示企画課長でございます。

それでは、お手元の資料1をごらんいただきたいと思います。部会長から御指摘がございましたけれども、パブリックコメントを経て修正をした点について御説明をさせていただきたいと思います。

まず、資料の2ページをごらんください。前回の食品表示部会の後にパブリックコメントを開始いたしました。2ページの下のほうにありますように、7月7日~8月10日までということで意見の募集をしたところでございます。

ごらんのとおり、意見の総数は4,329件となっています。その概要、消費者庁としての考え方につきましては、別途、参考資料1ということでお手元に用意してございますので、適宜ごらんいただきたいと思っております。なお、このパブコメの概要につきましては、昨日付けで政府のe‐Govのホームページでも公表しているところでございます。

資料の3ページはこれまで御説明申し上げました統合のイメージでございますので、省略をさせていただきます。

4ページでございますけれども、これがパブコメにかけたときの資料でございます。2にありますように、現行制度からの主な変更点ということで9点御説明を申し上げたところでございます。これにつきましてパブリックコメントの意見を踏まえて修正を加えたものを順次御説明してまいります。具体的には、マル2の製造所固有記号制度、マル4の栄養成分表示の義務化の部分、マル5の栄養強調表示に係るルールの部分、マル9の表示レイアウトの改善の部分、この項目には出てまいりませんけれども、新しい制度へ移行するための期間、経過措置期間について当初の御提案から修正をしているところでございます。

それでは、具体的な項目に入ってまいります。5ページをごらんいただきたいと思います。

まず製造所固有記号のルールでございます。これまで説明をさせていただきましたけれども、昨年の食品表示法の附帯決議において、衆参両院から、消費者が知りたいということに対して答えられるような改善をするようにという御指摘をいただいていまして、それを踏まえた御提案をしているところでございます。

製造者等の情報を知りたいという消費者の方々の御要望、事業者側の包材の共用化、コストの削減というメリットと、これのバランスを図るという意味で、パブコメ案のところにございますように、2以上の工場で製造する商品について利用していただけるように制度としては存置をする。ただし、記号を使う場合には消費者からのお問い合わせに対してお答えをいただくということで、例えば、マル1電話等で応答していただく、マル2ホームページなどに情報をアップしていただく、マル3記号と製造所等の対応関係についてあらかじめ容器包装に印刷をしていただくといったような手法をおとりいただきたいということで御提案しました。

これに対しては、下の注にありますように、こちらの部会のほうで幾つかの代案といいましょうか、御提案がありました。詳しくは御説明しませんけれども、そもそも認めるべきではないといった全廃の御意見から、我がほうの消費者庁のデータベースの改善措置だけを講ずれば足りるといったものまで幅広い御意見がございまして、これもあわせてパブコメでつるしまして御意見を募集したところでございます。

1枚おめくりいただきまして、下のほうに主なパブコメ意見と書いてございます。参考資料1のほうですと、具体的には18~20ページに該当の主な御意見を記載しているところでございます。

先ほどごらんいただきましたように、この部会で御提案のあったマル1~マル6、ほぼ全部に該当するような御意見が出てきていると承知してございます。基本的には我々として消費者の方々の製造者等を知りたいという御要望にお答えする、事業者側の包材の共用化というコスト削減のメリットは維持したい、両者のバランスを図るということで、我々の考え方について現時点で最良のものだと考えているところでございます。ただ、対象となる食品につきまして、業務用の食品を除くということを修正してございます。

これは説明するまでもございませんが、業務用の食品はあくまでBtoBということでございまして、消費者の方が直接それをごらんになって製造者を知りたいというフェーズが生じないという現実がございます。

理由のところに書いてございますけれども、黒ポツの3つ目、4つ目のところです。今申し上げましたように、消費者が直接業務用食品を手にするということはあり得ない、また、事業者間の取引としては企画書等により製品情報の伝達・管理がなされる慣習がございますので、そういった慣習を踏まえれば、取引の間において製造者の氏名等が把握できないという事態は生じないのではないかということで、業務用食品について対象から除く、あくまでBtoCの部分について今回の改正をしていただくということを考えております。

以上が製造所固有記号の関係でございます。

次、7ページにいっていただきまして、栄養成分表示の義務化にかかわりますナトリウムの取り扱いについてでございます。パブリックコメントにかけた案でございますけれども、義務表示としてのナトリウムの量については食塩相当量で表示をする。ただ、任意にナトリウムの量を併記するという場合には、食塩相当量の次にナトリウムの量を括弧書き等で書いていただくという案でパブコメをかけたところでございます。

これについての修正案でございますけれども、下のほうに主なパブコメ意見とございます。これは参考資料1で申し上げますと、15ページに具体的な意見等がございます。

修正案のところをごらんいただきますと、変更点でございますけれども、ナトリウムの量について食塩相当量で義務表示をするという点には変更ございませんけれども、任意にナトリウムの量を表示する場合につきましては、ナトリウムの量の次に食塩相当量を括弧書き等で併記するといった形に修正したいということでございます。

理由のところに黒ポツ2つございますけれども、まず基本的には食塩相当量というのが消費者にとってもわかりやすい、理解しやすいということは間違いないところでございます。ただ、下のほうにありますけれども、食塩を添加していない食品等につきまして、食塩相当量という事項名で表示するということは、事後的に食塩が添加されたようなことについてそういう加工がされているのではないかといったような誤認を生じる可能性があるということでございますので、ナトリウムを先に書いて食塩相当量を括弧書きで併記するといったような形を認めたいと思います。現に、この形の商品は市場に広く流通してございますし、食塩相当量という情報を伝えるという意味においては劣後するものではないと考えております。ナトリウムを表示するときの併記の方法の変更についてでございます。

8ページでございます。栄養成分表示の義務化にかかります小規模事業者の取り扱いについてでございます。まず、パブリックコメントにかけた案でございますけれども、いわゆる5項目の表示を省略できる小規模事業者としては、消費税の非課税基準でございます売上高1,000万円以下のものについて省略を可能とするということでパブリックコメントをかけたところでございます。

こちらにつきましては、下のほうに主なパブコメ意見とございますけれども、参考資料1でいきますと25~26ページに意見がございます。

主なパブコメ意見のところをごらんいただきたいのですけれども、1つ目の黒ポツ、これは和菓子の製造事業者から挙がってまいりましたけれども、売上高1,000万というのは、製造原価、諸経費を差し引くと、いわゆる粗利でございますけれども、200万円程度になる。法人の事業としてはほぼなり立たない規模である。個人事業主が法人成りをしたような、ほぼ1人でやられているようなところだということで、事実上そういう事業者は存在しないので、こういう基準については御考慮いただきたいというのがございました。

2つ目のところ、これはこちらの部会でも御意見があったと思いますけれども、売上高については、毎年変動するものなので、基準の取り方としてはなかなか適当ではないのではないか。食品製造業の従業員規模別の実態を踏まえれば、19人以下の製造品出荷額が全体の7%、つまり、逆に考えますと、およそ93%の商品については、こういった事業者を省略可能としても義務表示されるということで、義務化のスタートとしては十分なものではないかと、カバー率として十分なものではないかという御意見がございました。

さらに、直接団体等からはございませんでしたけれども、いわゆる農業者の方が6次産業化に取り組まれるような場合、それから、小規模な農家の方が集まって法人をつくる、農業生産法人をつくるような場合もございますけれども、こういった方々についても、ある程度の農家の方であれば売上高1,000万というのは軽く超えていくということで、そうした方々にいわゆるプロの食品事業者と同じような方々の義務を直ちにかけていくというのはなかなか難しい面もあると私どもとして考えております。

以上、申し上げましたことを踏まえ、修正案につきましては、ごらんいただきますように、当分の間ということでございますけれども、中小企業基本法に規定する小規模企業者、おおむね常時使用する従業員の数は20人、商業、サービス業に属する事業を主な事業とするものについては5人ということで、省略を認めたいと考えております。

以上が小規模事業者の扱いでございます。

9ページでございます。栄養強調表示に係るルールの改善ということでございます。いわゆる相対表示の考え方でございますけれども、パブコメにかけたものにつきましては、低減された旨の表示、カットとかオフとかそういうものでございますけれども、そういうものを表示する場合には絶対差に加えて、25%以上の相対差が必要ということでパブリックコメントをかけたところでございます。

こちらに対する意見といたしましては、下のほうをごらんいただきたいのですけれども、参考資料1でいきますと28~29ページに御意見がございます。ごらんいただいているものを少し御紹介しますけれども、1つ目がみその業界から出てきた御意見でございます。みそにつきましては、塩分を20%以上カットしてしまうと正常な発酵ができない。つまり、製品としてのみそをつくるということにそもそも支障が出てくるという御意見がございました。

しょうゆにつきましても、これも発酵過程を経る食品でございますけれども、食塩というのは醸造微生物を制御するために必須のものである。微生物のコントロールをするという観点からは、やはり食塩の低減には限界があるのだということで、25%以上に引き上げるということについてはなかなか難しい面があるという御指摘があったところでございます。

これを踏まえた修正案ということでございますけれども、今、申し上げました品目についてということではございませんけれども、原則に対する考え方として、修正案のところをごらんいただきたいのですけれども、食品の保存性、それから、品質を保つ観点から、25%以上ナトリウムの量をカットするということが困難な食品につきましては、相対差についての特例を認めるというルールをつくってはどうかということでございます。あくまで今申し上げた個別の品目についてアプリオリにこうだということではございませんけれども、ルールとしてこういうものを例外として設けてはどうかということでございます。

理由のところに書いてございますけれども、先ほど申し上げましたように、実行可能性、今、申し上げた保存性、品質といった観点から、事業者に対してこれまで表示できていたことが表示できない。逆にいうと、消費者の方にも情報が伝わらなくなるといったことについては、企業の創意工夫のある活動ということについて、なるべく制約を設けないということも一案ではないかと考えてこのような修正案を提案しているところでございます。

次は10ページにいっていただきます。小包装、小さな表示可能面積の食品の省略可能な表示事項ということでございます。パブコメ案につきましては、表示可能面積が30cm2以下の場合には、安全性に関する表示事項につきまして省略は可能ということで御意見の募集をしたところでございます。

ページが先にいっていただきますけれども、11ページに主なパブコメ意見ということで書いてございます。参考資料1でいきますと25ページ、それから27頁に該当の意見がございます。

1つには、L‐フェニルアラニン化合物を含む旨の表示、これもいわゆる摂取する方の安全性を確保する上で重要ではないか、アレルギーと並びで表示を省略できない事項にすべきではないかという御意見がございました。

2つ目のポツとしまして、表示可能面積が30cm2以下の加工食品を販売する場合でございますけれども、製造所の所在地等を省略することができます。一方で、不特定多数の方に対して加工食品を無償で譲渡するような場合でございますけれども、こういった場合には表示責任者の表示が要らなくなるということでございます。

そうしますと、ダブルでかかるときには最終的に手にした方が、誰がつくったものかというのがわからなくなる事態が生じるのではないかという御意見がございました。

以上を踏まえまして10ページに戻っていただきますけれども、修正案としまして、今、申し上げましたL‐フェニルアラニン化合物を含む旨につきましては、書いていただくこととする、省略不可とする。こういう表示事項が1つふえるということでございますので、30cm2という基準についてはおおむねということにいたしまして、若干上に許容範囲を設けていくということにしたいと思います。

「加えて」というところでありますけれども、先ほど申し上げたところでございますが、表示責任者を表示しなくてもよい場合、これにつきましては一定の改善をしたいということでございました。

理由の2つ目のポツのほうをごらんいただきたいのですけれども、インストア加工された容器包装入りの食品ですとか、サンプルで無償配布されるような食品、食品関連事業者以外の販売者がバザーなどで販売する食品といったものにつきましては、表示責任者の表示が義務づけられてございません。当該食品につきましては、表示責任者を通じて最終の衛生管理がなされた場所の情報を消費者が知ることができないという事態が生じます。今回、製造所固有記号等の見直しのお話もございますけれども、どなたが製造したものなのかというところについては、最終的にたどりつけるような情報というのは残したほうがいいのではないかということで、以上のような見直しをかけたところでございます。

時間の関係で大変はしょっておりますけれども、最後、12ページ、経過措置期間のほうをごらんいただきたいと思います。

新制度への移行期間でございますけれども、加工食品については2年、添加物については1年、いずれも栄養成分表示については5年、生鮮食品については経過措置期間はなしということで御提案したところでございます。

これにつきまして見直しをしてございます。修正案のところからいきますけれども、加工食品、添加物の全ての表示について、まず5年の経過措置期間を設ける。生鮮食品の表示について、ゼロだったものを1年6カ月とするということにしてございます。

理由のところをごらんいただきたいのですけれども、まず製造所固有記号制度につきましては、消費者庁のデータベースを整理するために平成27年度予算で所要額の要求をしているところでございます。この予算が認められましてデータベースの整備を終えますのは27年度いっぱいかかるということでございます。つまり、新しい固有記号をおとりいただけるのはそれからということになるとお考えしていますので、その時点からラベルの改版作業の具体的な検討をお始めになるということが想定されます。つまり、最初の1年についてはなかなかデータベースの関連がありますので、改版作業をお進めいただけない状況が考えられるというのが1つでございます。

それから、2つ目にございますけれども、ラベルを変えるときにはメーカーさんのまさに自力だけでは容器包装を変えられない。そこにありますように、缶詰であれば製缶メーカーのほうで具体的に対応していただく必要があるということがあります。缶詰のラベルの改版作業でございますけれども、効率的に作業を行えたとしても、これは製缶メーカーにとってあくまでも都合よく平準化して、毎日同じような仕事が流れてくるというイメージでございますけれども、そういった形で作業が進んだとしても、最低3年はかかる。つまり、一番理想的な状態で3年なのですけれども、なかなかそうはいかないだろうと考えられます。予期できない開発スケジュールのずれ、注文が集中するですとか、一定期間注文があいてしまうですとか、そういったことを考えると少なくとも4年ぐらいはかかるというような実態からの御意見はあったところがございます。

3つ目のポツ、添加物につきましては、過去に平成20年の加工でんぷんに係る改正の際にも2年半の経過措置を設けてございますけれども、今回につきましては、ほぼ全ての添加物について表示の変更が生じる。商品特性でございますけれども、業務用の添加物につきましては、賞味期限が非常に長いということで、短い期間の経過措置ですと製品の在庫が消化できずに結局廃棄処分しなければいけないということでかなり事業者の負担になるということで、やはり4年程度の経過措置期間が欲しいということでございました。

ゼロで考えておりました生鮮食品でございますけれども、任意に栄養表示をしているものがございます。こういったものにつきましては、改版の作業が発生するということでございます。現に栄養表示をしている容器包装につきまして、在庫処理に要する平均的な期間、容器包装の発注から印刷までに要する期間、改版内容の検討ですとかチェックですとか、そういった期間を考慮しますと、大体1年6カ月程度、経過措置期間が必要になるのではないか。経過措置期間がゼロですと、来年の4月から直ちに新しい表示をしなければいけない。そうしますと、既存の刷ってあるものを捨てなければいけないとか、正確な表示をするための検討時間が少なくなるのではないか。あるいは一度つくったものにつきましては、季節物につきましては、今シーズン消化できないときには来シーズンも使って使い切るというようなことがございます。そういったことを理由の4ポツ目にで書いてございますけれども、1年6カ月程度必要ではないかというところでございます。

13ページはパブコメの意見ということでございますけれども、今、御説明申し上げたようなことが御意見として挙がってきているところでございます。

以上、時間の関係で大変はしょった説明でございますけれども、パブコメ案からの修正点と修正理由は申し上げたとおりでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、次に資料3について、消費者委員会事務局から説明をお願いします。

○大貫参事官 資料3について説明させていただきます。

「調査会報告書記載事項と食品表示基準案との対照一覧からの抜粋」という資料になっております。先ほど部会長のほうからお話がございましたように、対照一覧の全体については参考資料2という形になってございます。

この表を見ていただきますと、表頭のところ、検討事項、調査会取りまとめ事項、食品表示基準案のパブリックコメント前、パブリックコメント後とまとめてございます。部会長からもお話がございましたように、この部会では調査会の取りまとめ事項というのが各調査会で取りまとめた後、部会ではそれに対して御意見をいただいたのですけれども、特に取りまとめといったものはしていないということで、この調査会取りまとめが議論のスタートになるのかなということです。

ちなみに、食品表示基準案と書いてありますものは、基準案から抜粋をしているわけではなくて、その基準案の内容を見て、調査会の取りまとめ事項がどのように反映されているのかを事務局の責任で表記をしているものです。

最初が栄養表示に関する調査会です。第1の項目が栄養表示の対象成分についてですが、表示について「義務」「任意(推奨)」「任意(その他)」の3段階とするという調査会取りまとめが、パブリックコメントでは、「義務表示」「推奨表示」「任意表示」とに分けられているということで、若干違いがあるのではないかということです。ただ、この項目につきましては、法令上義務と書かなければ任意であるというのは自明ですので、ほとんど違いはないのかなと考えております。

2番目の項目、3番目の項目、4番目の項目につきましては、調査会の取りまとめ事項とパブリックコメント前の案が同じでございますので、消費者庁から説明がございましたとおりの変更について議論いただくことになるかと思います。

続きまして、生鮮食品・業務用食品の表示に関する調査会です。生鮮食品と加工食品の整理についてです。上の1つ目の項目につきましては、製造、加工、調整、選別の定義を明確にということですが、もともとどれが当てはまるのかというのはQ&Aで説明をすべきということで、したがって、パブリックコメントの案の中でも、Q&Aは今回パブリックコメントでかかっておりませんので、これは反映されていないということで、予定どおりということかと思います、念のためQ&Aの措置をされるということを確認する必要があるということで挙げております。

下のほうにつきましては、調査会のほうでは取りまとめが最後できなくて、さらに検討が必要とまとめられて、消費者庁のほうは従来どおり、現行どおりの扱いをされているというものです。これについても一応御議論いただくということです。

次に、加工食品の表示に関する調査会です。

最初の項目が横断的事項の表示についてということで、ここは主に食品添加物以外の原材料ということで、食品添加物が原材料に含まれるのか、そうではないのかという概念上の整理の問題、それが別記様式1にどのように反映されているかという問題だったと認識しております。これにつきましては、調査会の取りまとめでは、JAS法の食品添加物以外の原材料という表現を使った取りまとめをしているところですが、6月25日の部会におきまして、消費者庁のほうから、食品表示法においては添加物と原材料が別概念になっているという御説明があって、石川委員からもこれについて御意見をいただいたところと考えております。

その次の表示責任を有するもの等の整理についてですが、これも先ほどと同じで調査会の取りまとめとパブリックコメント前の案はほぼ同じなのですけれども、Q&Aや通知で記載をされるということで一応御確認いただく必要があるということで挙げています。

以上が本日の議論予定の部分でございまして、裏側、2ページ目でございますが、これは次回の分になります。一番上は、製造所固有記号についてということで、これは消費者庁から御説明があったとおりです。

2番目のレイアウト、文字の大きさについて。これは調査会取りまとめ事項の2つの文書がございますけれども、上のほうについてはほぼ同じで、下のほう、栄養表示が義務化となった場合、文字数が増加するため、表示事項と実行可能な面積についての検証が今後必要であるという文面になっている部分、ここの部分についてパブリックコメント前の案に特に記載はないと、結論が出ているわけではなくて、検証が必要という記述ぶりだったのそうされたのかと思いますが、ここについて一応議論いただく必要があるかということです。

あとはパブリックコメントの前後の改変ということで、消費者庁から御説明があったとおりでございます。

一番下、報告書に記載はないが、パブリックコメント後に変更が生じた事項ということで、経過措置について、これも消費者庁から御説明があったとおりです。

事務局からの説明は以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

では、議論に進みたいと思います。

資料3に沿って進めますので、今の説明に関する質問等もその中でお願いします。もし項目ごとの議論に関連せず、結果として質問や意見を述べるタイミングがなかった案件が残った場合は、次回部会に御発言いただける時間を設けますので、そちらでお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

では、議事を始めます。

まず、栄養表示の対象成分についてです。この項目は、基準案はパブリックコメント前と現在の案が同じです。調査会で基準案に対して意見が出ていましたが、結果として変更されなかった部分になります。消費者庁から当方の意見と基準案の記述に違いがある理由を御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 この点でございますけれども、取りまとめの意見としては義務というものがまず1つ。それから、任意でも推奨とその他ということで、いずれにしても3段階にすべきという御意見だったと思います。我々の案としても、その3段階という点で一緒でございまして、義務はあくまでも義務、それ以外は任意の整理ということで、推奨表示、任意表示としておりますけれども、先ほど大貫参事官からも御説明がありましたとおり、私どもとして趣旨は全く変えてございません。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

今の説明に対して御意見ありますか。あるようでしたらお願いしたいと思います。

池原委員、どうぞ。

○池原委員 この件につきましては、調査会において私のほうから、かなり繰り返し、推奨という表現を使われると、事業者にとっては実質義務と同じ対応をせざるを得ないということで、なるだけこの表現については和らいだものにしていただきたい、この消費者庁の趣旨については理解できる、要するに、同じ任意の中であっても優先順位の高いものがあって、それは義務の一歩手前である、そういったものについて何らかの意思を示していきたいという趣旨については理解いたしますが、ただ、表現を推奨という形で、ばしっと書いていただくと、事業者にとっては義務と同じ対応をせざるを得ないので、そこは柔らかな表現をしていただきたいということを繰り返しお願いしてまいりました。

それで今回の御説明ですけれども、実質は調査会のまとめと同じということですが、我々から見るとさらに義務と推奨と任意という形で、3つを同じ高さで並べられてしまうと、その意味として推奨はあくまで任意ということなのですが、やはり任意という箱と推奨という箱がまた別のものであるということになると、調査会よりも、さらに、その推奨の意味合いが強くなってしまうので、この表現の仕方については、もう一度考え直していただきたいと思います。

具体的なやり方としては、あくまで表示基準としては義務と任意の2つにしていただく。この推奨という内容については任意の下に書いていただく。あるいは、この基準の中に書くのではなく、例えばアレルギーの推奨表示のように、別途通知によってそういった内容を示していただく、要するに積極的に表示することが望ましい栄養成分ということで、その該当成分を通知によって示していただくというやり方もたいへんよいのではないかと思います。

そうでないと、アレルギーの推奨の表示と比較して、非常にバランスが悪いのではないかと思います。そういったやり方であっても、この調査会で消費者庁が説明された目的が十分に達成できるのではないかと思いますので、ぜひそういった形でしていただくとありがたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。御意見ということで。

迫委員、どうぞ。

○迫委員 今の御意見について、一言申し上げたいと思っております。

「推奨」という言葉が強いのではないかという御意見ですが、栄養政策上の問題になろうかと思いますけれども、消費者に対してこれが重要であるということを表示制度の中できちんと伝えていくということが非常に重要なことだと思っております。ぜひ事業者の方にはそういう形で対応していただくように、今回の表示案について全面的に賛成するものであります。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

どうぞ。

○鬼武委員 栄養成分の3分類については、調査会の中でも多分何度か議論になったと思います。調査会で私はオブザーバーでしたが、今回発言させてもらいます。

先ほど他の委員から意見がありまして、一方で推奨というのは、ある程度義務表示の次に我々国民が摂取する上で重要な情報として食物繊維と飽和脂肪酸という栄養素があるというのは理解できます。そのやり方として、消費者庁事務局から表示基準案の文書自体に推奨表示というのと任意と推奨というのが言葉の説明では意図は変わらないと説明されても新食品表示の文面では、その点は、同じものではないという感想をもっています。

それから、海外でも今回提案されている3段階(義務、推奨、任意)はないということであれば、むしろ推奨項目のところを栄養成分の義務化がある程度成熟して5年後先の先、それは現時点でわかりませんが、加工食品が栄養表示の義務項目が成熟して全部のものにほとんどされたあとに義務となる項目であること。その上で、その次に来るのは、推奨表示であって、それが期限的にたとえばその後2年を検討することをイメージする方が、むしろそういうふうなことの計画を明確にしてもらったほうがいいような気がします。あえて曖昧な義務と任意という表現を法律の条文で使うということについては慎重であるべきだと考えております。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

推奨という表現についてお三方からの意見がございましたが、ほかにございますか。

どうぞ。

○石川委員 推奨表示というのは確かに中途半端な状況ではあるのですけれども、将来の義務化に向けての中間的な意味合いとしては、意味があるのかなと思っています。基本的には義務表示だけは行政処分の対象になるし、処分に違反すれば刑罰の対象になるという意味で非常に重たいですけれども、推奨はあくまで任意表示ということであれば、厳然とルールとして違っていますので、推奨表示を記載しないからといって行政処分の対象になることはないですから、全く明確に区別されるので、そこは余り気にする必要はないのかなと思います。

あとアレルギー表示、推奨表示のような通知でというお話が出ていましたけれども、義務表示、推奨表示、任意表示は表示基準の中に入っていますけれども、推奨表示は通知のレベルであって、ある意味でいうと第4段階目ぐらいの話です。アレルギーの表示でありながら表示基準の中にも入っていないということで非常に弱い4段階目の表示なので、そこに推奨表示を落とすということは、任意表示もさらに落とすようなレベルの話になりかねないので、現行の3つの表示で基準の中に入れておくということでいいのではないかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

ほかによろしいでしょうか。

では、宮地委員、どうぞ。

○宮地委員 片一方で、文言の統一という話をしてきた中で、アレルギー表示の推奨と今回の推奨の意味合いが違う。このことについては疑問に思います。趣旨については多分皆さんも同じように順番にしなければならないと思っていらっしゃると思いますので、例えば今、池原委員がおっしゃったような、通知によるやり方もひとつではないか思いますので、もう一度そこは検討いただくような考えはないかということでお願いしたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

では、河野委員、どうぞ。

○河野委員 栄養表示を消費者側から見たときに、やはり今回の義務化というのは大きな一歩だと考えております。問題になっている推奨表示なのですけれども、本日資料として提出されたパブコメの意見を、ほぼ初見ですけれども、ざっと見たところ、推奨項目に対してはかなり希望が多いと書かれていますし、実際には5年後にこの形で実行に移されるわけですから、猶予期間5年があるということを考えますと、新たに、今、現状加工食品がふえている中で栄養表示の重要性ということを考えても、推奨という形で私たち消費者に対してというか、国民に対して注意喚起をしていくという形であれば、私は納得できると思っております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 今、池原委員のおっしゃったアレルギー表示の推奨まで落としていただきたいとおっしゃったのですが、アレルギー表示の推奨というのは、それから見ると落ちた推奨の位置づけになるのですか。ここのあれではないのかもしれないのですが、教えていただければと思います。

○阿久澤部会長 先ほどそれに関して石川委員からお話がありました。

○石川委員 表示基準というのは内閣府令でつくるということですけれども、通知自体は府令みたいな法律の根拠はないのです。ですから、やはり推奨表示を通知でやるということは、基準に基づくものではないので、やはり法規制としては一段落低いと見ざるを得ないですね。実態上は推奨表示と言われているアレルギー表示も基準の中に入れてはどうかという意見はたしか私もここで言ったと思うのですけれども、そういう意味で言うと、今のアレルギーの推奨表示の位置づけが通知では問題で、やはり基準の中に盛り込むべきではないのか。そうすれば、推奨表示に関して宮地委員がおっしゃっていたようなバランスの悪さというのがむしろ解消されると思っております。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○栗山委員 私のようなあまり法律的な区分、当事者でありながらまことにお恥ずかしい話なのですが、そういう位置づけについて不勉強な者としては、まさかそんなことになっているのだと、アレルギーがそのレベルで考えられていたとは思っていなかったのです。ここでの議論は済んでいることなのでしょうが、石川委員に教えていただいて、ちゃんとした基準の位置づけの中に入れていただきたいなと思いました。ここでの議論ではないので、多分また別な機会に、ぜひそこのことについて御検討いただきたいなと思いました。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

ほかにございませんでしょうか。そうしましたら、推奨の位置づけ、これを栗山委員、基準としたらどうかというような意見ですね。それともう一つ、法令文ではあいまいな表現は使わないほうがいいという内容ですか。

鬼武委員。

○鬼武委員 ですから、それが法律上の文面でできるのだったらということです。

○阿久澤部会長 この2点について、消費者庁のほうから説明をお願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 まず、義務表示、推奨表示、任意表示、3つに分けているのを直したほうがいいのではないかという御指摘でございましたけれども、まさに先ほど池原委員もおっしゃった、普通の任意よりも推奨項目はより位置づけが高いとの認識どおり、それをストレートにより社会にわかりやすい形で規定しているものでございますので、特段これを見直す必要性はないと考えています。

○阿久澤部会長 もう一点。

○塩澤食品表示調査官 それと通知に下げる下げないという話でございましたね。

○阿久澤部会長 鬼武委員からの条文のほうの表現です。

○塩澤食品表示調査官 先ほど、それも申し上げたと思ったのですけれども、今の義務表示、推奨表示、任意表示ということについて特段変更する必要はないと考えております。

○阿久澤部会長 ほかはよろしいでしょうか。

鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 もう変える余地がないということは理解できましたけれども、ただ、議事録において例えば義務と任意と推奨の3つのカテゴリーの定義をどこかにQ&Aか何かで1つは出してほしいということは要望としてあります。

2つ目は、やはり推奨ということで飽和脂肪酸と食物繊維ということで、これは調査会の中で多分その次に優先順位で挙がってくる理由だったとの認識ですが、1つの栄養素は取り過ぎのことと、片一方の栄養素は少ないという、違う意味で日本の国民として栄養表示に係る必要な情報だと思っていますので、その点についても、どうして飽和脂肪酸と食物繊維がこういう推奨に挙がってきたのだということについても、きちんと説明するような資料も別途用意していただいたほうが、いいのではないでしょうか。それがいわゆる事業者なり、消費者なり、みんなのところで推奨表示が格上げになるというか、将来的に栄養素としてなるということでありますので、この2つの栄養素についてどうして表示が必要であるかを説明できる資料の御検討をお願いしたいと思います。

○阿久澤部会長 よろしくお願いいたします。

それでは、ほかにございませんでしょうか。ないようですので、最後、皆さんの意見を確認したいと思いますが、この場では判断できないので保留にしたいという方がいれば、その旨おっしゃっていただければと思います。いかがでしょうか。

この項目について基準案に賛成できるかできないかということを伺いたいと思います。現時点では留保したいという方がいましたら、どうぞ。よろしいですか。

それでは、この部分の基準案に賛成できない方は挙手をお願いしたいと思います。

(池原委員、挙手)

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。それでは、池原委員が不賛成の記録を残します。

先ほども申しましたが、本日御欠席の委員にも会議の速記録を確認いただいた上で御意見をお聞きします。最後の答申作成の参考とするため、全ての項目に対する全委員の意見を記録していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

では、次に進みます。

同じく栄養表示の対象成分についてですが、ナトリウム表示について、報告書の意見と同じ内容があったパブコメ前の案と現在の案が異なっています。先ほど竹田課長のほうから御説明いただいた資料1の7ページにその理由などの記載があります。この部分について御意見、御質問はありますでしょうか。

迫委員、どうぞ。

○迫委員 確認をさせていただきたいと思います。義務化されるのは食塩相当量であるということは修正案の1のところにもきちんと記述がされているから、これは同意ができるわけでございます。食塩相当量が義務であるにもかかわらず、ナトリウムを表示したい場合には、ナトリウムを括弧の外に出して、括弧の中に食塩相当量を入れるというつくりで今回の御提案かと思っています。

ということは「食塩相当量(ナトリウム)」という表示と、「ナトリウム(食塩相当量)」という表示がまず混在するのかどうかというところ、これが1点目でございます。「ナトリウム(食塩相当量)」という表示に関しては、食塩を使用していない食品に関しての1つの措置という、これは委員会等、調査会でも意見があったかと思うのですが、そういうことと、それから、現行でのレイアウトが流通しているということの2点を修正理由として出していると思うわけですけれども、現行での流通というのは5年間の中で変わるものですので、これは論点から外れてもいいのではないか。そうしていった場合に、食塩を実際使用していないにもかかわらずナトリウムが含有されているものについてこの表示を認めるのだとすると、認める場合の要件みたいなものを明確にする必要があるのではないか。

両方とも流通されるのか、片方にするのかというところと同時に、本当に食塩を使用していない食品に限定してこういう表示を認めることとするのかどうかというところが、ここは確認をさせていただきたいと思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

では、消費者庁、お願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 順番どおりの回答になるかわかりかねるのですけれども、御回答させていただきます。

私どもとしては、まず、先ほど迫委員がおっしゃるように、義務表示はあくまでも食塩相当量ですので、義務対象になる食品については必ず食塩相当量が書かれるという考え方はもちろん変えてございません。ただ、任意で食塩相当量という情報とナトリウムという情報、これを両方書きたいという場合、当初、我々としては、食塩相当量というのは括弧なしで書いていただき、ナトリウムを括弧に入れて下に書いてもらうという案でございました。ただ、いろいろな御意見がパブリックコメントで挙がってきたということがありまして、その部分を修正して、両方の情報を書きたいという場合には、まずナトリウムというのを括弧なしで書いていただく。食塩相当量について括弧つきで書いていただくということにしております。

したがって、両方で書く場合は、ナトリウムについては括弧なし、食塩相当量は括弧つきで書かれるというもののみとしたいと考えております。したがって、両方書かれるときに「ナトリウム(食塩相当量)」というものと、「食塩相当量(ナトリウム)」というのが混在するということはないと我々としては考えてございます。

それから、こういうふうな考え方を今回取り入れることになった理由として、食塩を添加している食品とそうでない食品という話があったかと思いますけれども、それもパブコメの意見としては確かに挙がっておりましたが、ただ、我々として食塩を添加していないものにのみ今回の規定を設けるというつもりはなくて、どちらかというと、現行広く流通しているもの、これも有効活用するという観点から今回こういう規定にしたものでございます。消費者にとりましては、表示の必要性ということで、新たに食塩相当量ということがすべからく表示としてはなされますので、括弧の中にあるかないか、この違いはございますけれども、新たに食塩相当量という情報は広く伝達されるということにおいては、この調査会でも御議論いただいた方向性、これを踏まえたものと認識しております。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

迫委員、よろしいですか。

栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 そうすると、消費者としてはこの違いを見たときに、違いがないと受け取るのでしようか。それともどう違うと受け取ればいいのでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 まず優先的に見ていただきたいのは食塩相当量という情報。ナトリウムというのは、括弧から出されたとしても補足的情報と読んでいただければいいのかなと思います。

○栗山委員 この表示の違い、食塩相当量と、この両方が流通するのですね。

○塩澤食品表示調査官 「食塩相当量」とだけ書かれた食品と、両方書かれる場合は「ナトリウム(食塩相当量)」、この2パターンがあるということでございます。

○栗山委員 この上のものは流通しないということですね。わかりました。ありがとうございました。

○阿久澤部会長 では、鬼武委員。

○鬼武委員 迫委員のところと質問が重なるかもしれませんが、もう一度お尋ねします。

1つ目は、今回意見が寄せられた中で、現行のところが使えるということで、ナトリウム(食塩相当量)という表記方法についての意見数がかなり出てきているのでしょうか。パブリックコメントの数で決めることは絶対ではないでしょうけれども、改定案を策定するうえで参考として扱う必要性から、その辺のところがパブコメの集約した資料中から読めませんでしたというのをもう一度お尋ねします。

次に食塩を使っていないと簡単に言いますけれども、例えば飲料のように食塩を加えておらず本当にナトリウム元素が少ないというようなものから、加工食品として複合原材料として、原材料の中の使っている食品において食塩の添加の有無まではわかりません、例えば、加工食品中の原材料として塩辛を加えた場合にも食塩量としては高いものですが、原材料として食塩を添加していないような加工食品もあるわけです。そういうものについてどういう考えがあるか、もう一度考え方について教えてくれますか。今回の栄養表示についての「ナトリウム(食塩相当量)」を書くという今回の案について出てきたところについて、再度入っていないという意味合いについて、もう一度説明してください。

○塩澤食品表示調査官 まず、後者の点からお答えすると、我々としては、食塩が入っている、入っていないとか、添加している、添加しないとか、それは関係なく、両方書いていただくときには「ナトリウム(食塩相当量)」としてはどうかというものでございますので、繰り返しになりますけれども、添加の有無によって表示を書き分けるとかそういうことは考えておりません。あくまでも食塩相当量の情報を義務としていて、それが括弧の中にあるかないかという違いはありますけれども、情報は消費者には何らか伝わる、食塩相当量としても情報は伝わるということには違いがないと考えております。

1つ目の流通しているというお話だったと思いますけれども、これはもう皆様方、広くその辺は認識されているかなと思いますけれども、実際スーパーなどに行ってみても、5成分とあわせて食塩相当量というのを書いている商品というのは広く流通しているところだと思いますし、あとは今回もどの成分を義務対象とするかという議論の中で、消費者にとっての表示の必要性とともに事業者にとっての実行可能性という観点もありましたので、もう既にそういう情報を提供しているというものについては、その表示も有効活用できるようにするということは、その趣旨から何ら反するものではないと考えて今回の変更案としたところでございます。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○迫委員 変更案の中で食塩相当量とナトリウムの両方のデータが読み取れるというところでは、情報の量としてはふえるので、それはそれでいいかなとは思っているのです。

もう一点、確認をさせていただきたいのは、食塩相当量は義務ですね。ナトリウムはその成分になりますので、熱量、たんぱく、脂質、炭水化物、食塩相当量またはナトリウムと、この順番に入るということでよろしいですね。

というのは、現行の包材にこだわるということであれば、現行包材の場合にはナトリウムが中に入っていて欄外に食塩相当量が括弧書きで書かれているというものもございます。義務表示としては、義務表示事項は同一のところに書かれていることが必要だと思われますので、欄外表示を認めるということではないと解釈してよろしいかどうかということでございます。これは具体の話ですけれども、お願いします。

○阿久澤部会長 お願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 そこは細かな運用部分になるので、それはまた今後お示ししようと思っておりますけれども、ただ、括弧が中に入っている、外にあるということでは、特段情報として伝わり方に相違はないと思っていますので、そういうことも踏まえた上で運用として規定していきたいと思っています。

○阿久澤部会長 では、鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 そうしたら、運用として別記の様式3-1と書いてあるのだけれども、現行が例えばナトリウムが栄養表示の括弧の中に入っていて、外側に食塩相当量が書いてあるという表記の仕方は、現行、流通・販売しているから引き続き認めるということの理解でいいですか。保健所によってはそういうやり方とか、中に書いてあるのがいけないとか、いろいろあるのだけれども、これは先ほど迫委員も言われたように、その辺はどうなのでしょうか。具体的にいうと、多分欄外に書いてあるものがいいのではないかなと思うし、様式をどこまで規定するかというのは保健所によって解釈は異なり、取り締まりについても現行は違うと思います。

○塩澤食品表示調査官 その括弧を欄の中に入れる、入れないについては、見た目的にも同様にわかりやすければ特段問題ないのではという考えもありますし、これは運用の話になってきますので、また改めてお示しさせていただきたいと思います。

○阿久澤部会長 では、河野委員。

○河野委員 今お答えいただいたことに関してなのですけれども、私たち、栄養表示、栄養成分表示を受ける国民からすると、運用で食塩相当量が義務表示の枠から出るという可能性に関しては、本当にそれはやめていただきたいと思っております。

これまでの栄養調査会の議論においても、日本人の食事の摂取において食塩相当量というのは重要であること、特に長野県が長寿日本一を達成したときに、塩分のコントロールをどれだけ上手にやったか、また諸外国でも今糖分に加えて塩分のコントロールが非常に重要なファクトになっています。確かにコーデックスではナトリウムを採用しているけれども、日本ではやはりわかりやすいように食塩相当量にしようという、あの議論はぜひ生かしていただきたいと思っております。

私自身は、ここに消費者庁さんの7ページに出されました2つの様式のうち、上になると思っておりましたけれども、上は全く存在しないことになって、下のみ存在し、現行の包材をそのまま利用することになれば、下の様式になると特に食塩相当量が枠外に出てしまう可能性があるということ、ずっと現行のままでいってしまうということに対しては非常に残念に思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 先ほどの私の発言は言葉が足りなかったかなと思うので、一部補足させていただきたいと思います。

例えば5成分しか書いていないものがあったとします。5成分が書かれていて枠で囲まれていた場合、ナトリウムは枠の中の一番下の項目になるかと思うのですけれども、そのナトリウムのすぐ下に、枠から外れて括弧して例えば食塩相当量とあった場合は、見た目的にはそれほど問題はないと思うのです。ただ、一番わかりやすさという意味で問題になるのは、ナトリウムの後にビタミンですとかミネラルなどがたくさん書き込まれた場合、その途中にあるナトリウムという情報と、そういったビタミン、ミネラルを挟んだ上で枠の外に食塩相当量というのが書かれた場合、ナトリウムと食塩相当量のリンクが断たれてしまう可能性があってわかりにくいという問題も確かにあるかもしれません。

ですので、現段階での私どもの考え方としては、途中にたくさんの成分を挟むような場合は、挟まない場合とは違う考え方をしなくてはいけない。基本、ナトリウムと食塩相当量の情報はセットというふうな表示の仕方が望ましいのではないかと考えております。

○阿久澤部会長 栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 今、ほかのものがビタミン何とかと書かれたらわかりにくいけれども、そうでなければ枠外に書かれてもというのは、そうお考えと伺いましたが、私たちから見るとそういうふうには見えなくて、やはりまずは食塩相当量がメインであるということのためには、四角の中に食塩相当量が書かれるということが何よりも大事なのかなと思うのです。そう思いますと言われると、私としてはそうは思いませんという意見です。

○塩澤食品表示調査官 ただ、今、確かに枠の外に書かれている例が多く流通していると思いますけれども、それによって特段枠の外にあるからわかりにくいというような御意見は今のところ我々に寄せられていませんので、一応情報としては伝わっているのかなと思っております。

○栗山委員 情報として伝わっていないことはないと思います。ただ、5年の猶予期間は、栄養表示は最初から認めているもので、であれば、これもオーケー、あれもオーケーというよりは、よりわかりやすく消費者がまさにそれによって健康増進につながるような表示というほうを選んでいただきたいなと思います。

○阿久澤部会長 板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 私も栗山委員の意見に賛成です。枠内にあって、食塩相当量という言葉が目に飛び込むかどうかによっても消費者の意識は違いますので、よく調べてみたら確かに食塩相当量も載っていたというような感じで栄養表示がされていても、余り教育上影響がないと思うのです。

もう一つ、ルールですけれども、なるべくシンプルにしていただかないと、いろいろな例外規定が設けられれば、私たち自身も読むのにますます混乱してしまいますので、原則というのは通していただくということが必要なのではないかと思います。

○阿久澤部会長 では、鬼武委員。

○鬼武委員 何人かから同じような意見も出ていますけれども、この栄養表示のナトリウムか食塩相当量かという議論については、栄養成分表示の検討会のときにまずナトリウムを上位に持っていきましょうと、国民の摂取の問題があるということが1つそこの検討会の勧告として出されています。その上で、今回審議してきた栄養表示専門調査会や表示部会の中では、やはり国民なり食事指導されるということであれば、塩分なり食塩という言葉がなじみがあるので、そういう面では食塩相当量という表記が全体として合意を得た中身だと理解していました。

今回の提案は、従前のままも含めて両方認める考え方に基づいてナトリウムと食塩相当量が併記されると、やはりポリシーというか、政策として今回新しく食塩の減塩の活動をするということからすると、そこは混乱するのではないでしょうか。むしろナトリウムのままでいいということであれば、現行のナトリウムの表示基準のままで私はいいような気がしていますし、もしくはEUの場合は、御存じのようにソルトということで食塩に一本化しています。ただし、原料由来のものについては、そういうただし書きができるとなっていまして、むしろこちらのほうがわかりやすくて、今、消費者庁が訂正案を出されてある件については、国際的・消費者から見ても、事業者にとっても、誰にとっても、余りいい提案ではないと改めて思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

ほかはどうでしょうか。

○石川委員 レクチャーを受けた際にお話ししたのですけれども、食塩相当量という表示をしましょうという大きな方向性を示されたというところで、今回の修正案で「食塩相当量」ではなくて「ナトリウム(食塩相当量)」という形で、ナトリウムが前面に出てくるような表示を見てみましょうということで、非常に混乱した状況に見えるということをお話ししました。

本来的に何をしたいのかというと、表示としてはナトリウムを表示事項として挙げているのは間違いない。ただ、「ナトリウム」とだけ書くとよくわからないというので「食塩相当量」という表示に変えたほうがいいよねということで、表示方法を工夫したと理解すればいいのではないか。だから、要するに書きぶりとしては食塩相当量、ナトリウム、その併記。その併記が、ナトリウムが先なのか、食塩相当量が先なのか、4通りなのでしょうと。その食塩相当量だけの表記はわかりにくいよねということなので、その食塩相当量という表記だけに限るという説明の仕方がややこしい原因ではないのかなと私は理解したので、ナトリウムを表示事項とすべきとしても、表示方法としてはナトリウム単体の表記はやめて、それ以外の方法を認める。ただ、食塩を前にするのか、ナトリウムを前にするのかという点で若干混乱があると思いますけれども、そういう整理の仕方をすればわかりやすいのではないのかなと思いました。

今回の基準案で修正の資料2のほうを見ますと、ナトリウムで食塩相当量、括弧という表示方法だけのルールはどこに書いてあるのかがわからなかったのです。174ページに別記様式2と3とあるのですけれども、これは第8条の準用している様式ですけれども、4成分と熱量以外のものも合わせて表示する場合には別紙様式3を使いましょうとなっていて、そこには「ナトリウム(食塩相当量)」となっていますけれども、この別の成分を表記しない場合は別記様式2だけしかないですね。別記様式2だけだと食塩相当量しか書いていない。だから、別記様式2のパターンで、ここに「ナトリウム(食塩相当量)」という表示を認めるというルールが本文の中に見当たらなかった。見落としかもしれません。

この別記様式2と3と、それ以外に「食塩相当量」のかわりに「ナトリウム(食塩相当量)」だけのパターンについて、どこにルールがあるのかを教えてほしいです。

○阿久澤部会長 消費者庁からお願いします。

○塩澤食品表示調査官 今、御指摘された点ですけれども、別記様式2、こちらは最低限の項目を表示したいという場合でございます。何らか任意の項目を1つでもふやしたいという場合の様式が別記様式3でございます。

したがって、食塩相当量とあわせてナトリウムの情報も書きたいという場合は、別記様式3を見ていただいて、脂質とか炭水化物の内訳表示というのは、これは内訳したい場合の話でございますので、ここは飛ばしていただいて、ナトリウムについては、括弧、食塩相当量何とかグラムと書いていただくとお読みいただければと思います。

○阿久澤部会長 よろしいでしょうか。

池原委員、どうぞ。

○池原委員 このナトリウム食塩相当量のテーマにつきましても、私は、調査会でかなり意見を述べさせていただきました。今回、またパブコメ案から新たな変更点ということで案をお示しいただいているわけですけれども、この案は私としては非常によいと思います。

今、皆様からお話がありましたが、食塩相当量といってもあくまで内容はナトリウムです。言うまでもございません。それを消費者の利便性といいますか、これまでの親しみやすさというのですか、食塩相当量が既になじみがあるということと、手にとったときに2.54の掛け算をするという消費者の負担を軽減するということで、この食塩相当量を食品そのものに書いてあげるということは非常に重要であるというところについては理解いたします。ただ、内容はナトリウムですので、基本はやはりナトリウムだろうと。このように、先にナトリウムを書いて、それに括弧して食塩相当量をつけるということが、その本質的な構造を正しく消費者にお伝えできるのではないかと思います。どちらも書かなければいけないというのは、表示スペースの問題から言うと非常に厳しいところはあるのですけれども、そこはこの食塩相当量の必要性というところを理解した上では、この形でよいのではないかと思います。

先ほどのお話で、枠外、枠内というところなのですけれども、消費者庁のお話では、ナトリウムのあくまで直近に括弧して食塩相当量をつけるということですので、この枠の議論については、結局簡単にいうと、この間に線が入るかどうかというところですね。それについてすごく大きな差が発生するとは私は考えられないです。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 買う側から言うと枠内と枠外は違う。見るときの優先順位はかなり大きく影響すると思います。ただ、もう一つ別なことで、最初に迫委員がおっしゃった食塩を扱っていない、今の池原委員とも関係するのですが、食塩は使っていない、だから、それに限定して「ナトリウム(食塩相当量)」を使うということなのでしょうか。違いますね。だから、迫委員が最初におっしゃった、それなら納得できるような気がしなくもないのですが、その区別は全くなくということですね。では、やはり違和感のままですね。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○迫委員 今の関連なのですけれども、冒頭で私、これが2つ併記されるのかと、両方とも流通する可能性があるのかということを確認させていただいた理由というのは、本来であれば義務表示は「食塩相当量」という形なので、当初のパブコメにかけた案が正しい案だと思っています。そして、それをナトリウムに置きかえたときに括弧になっていく。通常の食品であればそういう形。ただ、池原委員がおっしゃっていたように、食塩を添加していない食品について、原材料といっても天然由来のナトリウム、そういうふうなものから計算していったときには「ナトリウム(食塩相当量)」も正しい書きぶりではあるのではないか。そう思ったときに、そういう特定の食品についての表示方法としてそういうのがあるのかどうか。

もし、そういう特定の食品について天然由来のナトリウムを食塩相当量に計算したときという表示の仕方をさせるのであれば、原材料として食塩が添加されてある原材料を使っている場合にそれをどうするのかとか、その辺の議論が当然必要になってくるなということで確認させていただいたわけであります。そういうわけでナトリウムと食塩相当量というものが一本になっていくという御説明をいただきました。

その一本になっていく中で、通常、ナトリウムと食塩相当量が離れることは余りないという御発言もあったかと思うのですが、かなりの商品については、食塩相当量は欄外の一番下に入っているものが多いです。5年後に今ある包材をそのまま使うかどうかというのは、まずあり得ない話だろうと。製造所とかさまざまな表示方法が改正されていく中で包材を5年間全く変えないということはあり得ないだろうということで、包材がいっぱい出ているから現状のものを使えるようにということでの根拠はあり得ないだろうとも冒頭のほうで申し上げたところであります。

ですから、そこで1点だけ意見として申し上げたいのは、食塩相当量とナトリウムは絶対離れてはいけない。運用上の問題であっても、これは離れるべきではない。そこの部分が担保されない限り賛成はできないと思っております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 先ほどの消費者庁のほうからの御説明との関係で質問なのですけれども、別記様式3が、必要最低事項以外のものもいろいろと入れたときの案だということですけれども、ということは、逆に細かい情報まで盛り込んだときには「ナトリウム(食塩相当量)」にしなければいけないと読んでしまうことも考えられると思うのですが、どう考えてよろしいのでしょうか。教えていただければありがたいです。

○阿久澤部会長 お願いします。

○塩澤食品表示調査官 いろいろ書きたいときに、この別記様式3のとおり、「ナトリウム(食塩相当量)」と書かなければいけないというものでは全くございません。ここの別記様式3の「ナトリウム」のところを「ナトリウム(食塩相当量)」と書かずに「食塩相当量」だけ書くというのも当然可能でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

ほかはいかがでしょうか。

どうぞ。

○大貫参事官 枠内、枠外の議論については、先ほど消費者庁のほうから運用上の話であるということですので、きょうの賛成、不賛成をとっていただく内容とはかかわりがない。今回、御意見をいただいた委員の意見をさらに消費者庁のほうで考えていただいて、きょう結論が出ていなくても賛成、不賛成をとることはできる状態であるということを確認させていただきたいと思います。

○阿久澤部会長 その件に関して今伺おうと思っていたのですが、運用上の話であっても、それができるかできないか今伺えれば、ここでの判断がしやすくなると思いますけれども、その辺、消費者庁はいかがでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 我々としては、繰り返しですけれども、別記様式3という形でナトリウムと食塩相当量を両方書きたいという場合には基本こういう形にしてくださいと言っております。これが基本ということでございますので、もう見ていただけるとおわかりのとおり、まず、ナトリウムと食塩相当量の記載は近接している、すぐ下にあるということで、離れた場合の御懸念については、これは当たらないのかなと考えます。 もう、基本これとなっておりまして見ていただくと、仮に枠として書く場合には、枠の中に両方書き込まれていることになっておりますので、一応これで見ていただければいいのかなと考えております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

板倉委員、何か。

○板倉委員 枠外に書くのではなくて枠内に書くということで判断をさせていただければと思います。いずれにしても、枠が入っているか、入っていないかというのは大きな違いでして、それを認めるか、認めないか、運用でどうにでもなるというような状況で私たちが判断するということはできないと思いましたものですから御質問したいと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○鬼武委員 繰り返しになりますけれども、もう一度意見を申し上げます。

現状のナトリウムが義務で、栄養表示調査会や食品表示部会の中では、消費者になじみがあるとの理由から食塩相当量がよかろうということの案に、原則はそこに置いたと思います。今回の案は、その一方で現状のこと(流通・販売されている食品の栄養表示)を認めるということで、私はこの日本のルールも独特ではないかなと考えます。というのは、アメリカはナトリウムを原則として書かせる。EUは消費者がやはりわかりにくいということで、添加しているかどうかは欄外に、これは原料由来かどうかわからせて書いて食塩の摂取量をまず書かせるということで、どちらかというと、表記の方法はアメリカとヨーロッパは違いますけれども、そういう形でして、日本の場合は、調査会では食塩相当量という、もしくは食塩の摂取が問題なので、それがなじみがあるからいいという表示をする一方で、現状の「ナトリウム」という表記もあるからということで、私はこれはすごく中途半端な決め方だと思っていますので、この点についてはぜひ再考していただきたいと思います。

再度、意見として申し上げます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

○石川委員 この栄養表示自体は、健康増進法の栄養表示基準から独立して食品表示法の中に取り込まれましたけれども、精神は健康増進法ということで、国民の健康の維持増進を図るために必要な制度だということであると、食品表示だけのルールで決めるというのも食事摂取基準とのつながりを当然重視しないといけない。そういう流れで来ていると思いますけれども、そうすると健康21か何かでこういうふうな摂取をしましょうと厚生労働省が言っているルールと、食品表示がリンクしていないといけないわけですから、その点でアメリカはナトリウムというのはよくわかるのですけれども、あわせてだから食品摂取基準をナトリウムで表記して、国民全体ナトリウムで理解しましょうという話になればナトリウム表示でOKだというふうになると思います。

ただ、食事摂取基準が食塩相当量でいくのであれば、この食塩相当量にしなければいけないという話になるし、そこの兼ね合いをきちんと整理しないと、本当はここでルールをつくれないのではないかと疑問に思っているのです。これまでは安全の問題と選択の問題をベースにずっと話をしているのですけれども、この栄養表示に関してはそういう健康維持のための国の施策の一環の流れでもあるし、消費者が知りたい知らないではなくて、知らせるべきだという議論でもあるわけですから、ナトリウム問題というのはそこから根本的に考える問題だとは思うのですけれども、その点は結局ここで決めても厚労省と今後協議すると思うのですけれども、その点でまた変わってしまうのではないですか。事前に厚労省と協議すべき問題ではないかと、話は上段の話になってしまいましたけれども、考える問題点だと思って指摘しています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

それでは、ほかにございませんでしょうか。池戸委員、どうぞ。

○池戸委員 確認なのですけれども、この基準、府令ですね。これが出されるとここに書かれているそのまま、様式も含めてこのまま使われるということになるものです。そこで確認なのですが、日本の場合は食塩相当量という形で広く普及しましょうということなので、そこがまず消費者の方にわからないといけないということの方針だと思います。

先ほど消費者庁の方から御説明のあった、枠内だという意味は大体先ほどおっしゃられたのですけれども、枠内でも栄養項目の後に離れて書いてしまうというのも「枠の中」なのですけれども、基本的にこの別表様式3に記載した順番でということでよろしいですか。

○塩澤食品表示調査官 そうでございます。

○池戸委員 ありがとうございます。

○阿久澤部会長 宮地委員、どうぞ。

○宮地委員 やはり表示なのでわかりやすくという話が1つと、もう一つは誤解されない、あるいは誤認されないというのが肝心だろうと思っています。先ほど添加していないものについて表記するときに、本当に食塩でいいのかという話の議論だったと思うのですが、迫委員の質問に対して、それはこの表については同等だという話でした。本来なら上段の表が提案で、下段の表は何らかの条件をつけて書く場合の方法としてはこういうことがありますという話にすべきだろうと思っています。

そうでなければ先ほど鬼武委員がおっしゃったように、食塩を添加しないもので使う場合には欄外にそのことも明記する。そういうことが考えられるのだろうと思っています。ですから、私はこの表については、上段の表については皆さんの合意をしたもの。下段の表については何らかの制約、あるいはQ&Aでお答えをするのかといった何らかの制約をつけるべきだろうと思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

迫委員、どうぞ。

○迫委員 宮地委員の意見に賛成します。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

ただいまそのような意見が出されましたが、消費者庁としては特に今回の諮問のとおりと。

○塩澤食品表示調査官 食塩を含むナトリウム塩を添加していないことを訴求したいという場合には、別途強調表示の規定を設けておりますので、我々としては今回の修正案としたいと考えております。添加していないということを言いたいという方にとっては、ナトリウム塩無添加強調表示の規定など適宜使っていただければ足りるかと考えております。

○迫委員 今の説明は、そのまま上段のものを使ったとしても食塩無添加表示ができますので、別にナトリウムを上にする必要はない。どちらにも使える話だと思いますので、当初のパブコメにかけた案をやはり優先していただいたほうがいいのではないかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

河野委員、どうぞ。

○河野委員 私も迫委員と宮地委員の意見に賛成したいと思います。

○阿久澤部会長 それでは、意見が出尽くしたということでよろしいでしょうか。消費者庁といたしましては、今回の諮問案については特にこのとおりということで、先ほど大貫参事官からもありましたが、その内容について今回の諮問案の内容について皆さんの意見を確認したいと思います。

意見を保留される方がいらっしゃいましたら、どうぞおっしゃっていただきたいと思います。

○板倉委員 質問ですが、今、宮地委員、迫委員の意見がありましたね。それとどういう形で採決をとられるのか確認をさせていただきたいのです。

○阿久澤部会長 今お話したように、消費者庁の諮問案に対してです。

それでは、今の項目です。この基準案に賛成できないという方は挙手をしていただきたいと思います。すみません、記録をお願いしたいのですが、迫委員、河野委員、栗山委員、春日委員、宇理須委員、板倉委員、夏目部会長代理が不賛成というという記録でよろしいでしょうか。

留保が池戸委員と石川委員ということでよろしいでしょうか。

では、ありがとうございました。これは不賛成との方が、数からいくと過半数以上になっているかと思いますので、答申案はこの項目に対しては消費者委員会のこの部会としては、不賛成であることがわかるような形にしたいと思います。

次が栄養表示の対象食品及び対象事業者についてです。当方の意見と同じ内容であったパブコメ前の案と現在の案が異なっております。対象事業者の範囲に当分の間として除外対象が加わりました。これについては資料1の8ページになりますが、その理由が記載されております。この部分について御意見、御質問がありましたらお願いしたいと思います。

○迫委員 修正案の当分の間ということの意味合いを明確にしていただきたいということ。この当分の間というのは法施行までの5年間のほかに、それ以降、当分の間ということになるのかどうか。そして、それに関して見直し等の規定をどういうふうにつけるのか。その辺を明確にしていただければと思います。

○阿久澤部会長 消費者庁からお願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 まず当分の間という言葉、どのぐらいの期間かという御質問があったかと思います。この当分の間が意味する期間、具体的期間については、現時点であいにく言及することは少し困難な状況でございますけれども、ただ、食品表示基準が完全に施行された後に消費者の栄養成分表示の活用状況ですとか、表示義務が免除されているような事業者で任意表示がどのぐらい行われているのかといったような状況等を踏まえまして、必要な検討を行っていきたいと現時点では考えております。

○阿久澤部会長 河野委員、どうぞ。

○河野委員 今回のパブコメ案を受けて変更するという修正案の御提案なのですけれども、8ページに示していただいている主なパブコメ意見、全体概要をしっかり読んでおりませんので、どんな傾向だったのかというところを26ページまでさっと目を通したのですけれども、読み切れておりませんが、資料に書いていただいている主なパブコメ意見、和菓子製造事業者、現実的には存在しないというふうに書かれています。この根拠がわかりません。こういう御意見があったので変えるというだけですと、本当に存在しないのかどうか。どういうデータがあってこういうふうな御意見が出されているのか、納得できるデータを出していただきたいと思います。本当に存在しないのかどうかということです。

それから、その下のポツに書いてある御意見なのですけれども、大前提として小規模事業者の方に配慮するということは、私も必要だと思っています。ただ、2パラグラフ目の御意見は、数字と根拠が次々に展開されていて、ロジックが不明です。そもそも出荷額等が全体の7%を、商品数量に読みかえて93%の商品に表示されるという、この意味合いがよくわかりません。金額と商品数がどうリンクするのか説明してください。

それをさらに中小企業基本法による20人以下をというふうに、別の食品製造業における従業員規模別の企業数製造品出荷額等という統計からそちらに置きかえて20人以下を免除対象としても、おおよそ90%の食品に栄養成分が表示されることとなる。どういうロジックでここに行き着いたのかよくわかりませんので、この2番目の文章、数字と単位と根拠が非常に曖昧だと思ってなかなかわかりません。このあたりをはっきりわかるようにお示しください。

○阿久澤部会長 それでは、消費者庁からお願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 個別の業界ごとの具体的な細かいデータを一つ一つ点検は、あいにくしておりません。私どもとしては、どの業種、例えばここに和菓子とありますけれども、例えば和菓子だったら外すとか、どの業種だったら外すとか、業種別に分けるということは考えておりませんので、今後も業種ごとの点検は困難と思っております。

今回の規定を設けた理由としては、まさにこれは参考資料1の26ページ目あたりの御意見などを総合的に踏まえた結果でございます。

○阿久澤部会長 迫委員、どうぞ。

○迫委員 参考資料1の25ページから26ページにかけてさまざまな意見が出ているわけです。そういう中で例えば25ページであれば企業規模に関係なく表示すべきであるという意見が出ております。免除については26ページからになりますが、実情を反映していただきたいとか、提案の20人以下という部分のものも出ております。

その下のほうのところを見ると、消費税法の簡易課税制度の特例を5,000万円以下とするという案、5人以下という案、5人以下はその下にもあります。3,000万以下というものがあります。そのほかに極小加工事業者には支援体制を組んでほしいという意見が出ております。こういう中で20人というところで線を引くのは調査会でも規模が大きいのではないかという話が出ていたかと思います。

当然ながら小規模事業者に対する配慮というものは必要だと思われますけれども、ここを20人で持ってきた理由といいましょうか、それが本当に妥当なものなのかどうかというところはきちんと検証していかなければいけないし、それがパブコメで出てきた唯一の意見なのかというふうに思っていましたら、それ以外のものがいっぱい3,000万、5,000万、5人という意見も出ているという実態から見ますと、20人というのは大きいのではないか。事業者さん自体が5人規模とか3,000万規模でいいではないかというところの意見も出ているわけですので、そういう意味で一番大きな数字を持ってくる必要が本当にあるのかどうかと思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 そもそも栄養成分表示については、中小企業の方々にもかけるようにということで、計算でもいいという方法が提案されたはずですので、逆に言えばそういうようなことをしなくてもいいようにされるのであれば、そちらの方法から見直していただくということもしていただければありがたいと思っております。

○阿久澤部会長 そのほかございますか。鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 1つは意見でもう1つは質問です。

今回、栄養表示は義務化ということで法律は変わるわけです。これはまずWTO通報したかどうかと、もしWTO通報した場合に、その回答はどういうふうな回答が来たかというものを1点お尋ねします。

2点目は私のコメントペーパーに書いていますけれども、前回、専門調査会のほうでたしか事務局がアメリカのFDAの栄養表示の免除規定のところが結構具体的に、たしか日本語の資料もあったと思いますが、100名以下とか、年間に1タームでしたでしょうか。その間に製造されたということで結構免除規定が詳しくなっています。日本の場合は法律上の条文を書くのは仕方がないかもしれないのですけれども、免除規定のところがどう読んだらどういう事業規模かというのが私自身が非常に、もし仮に私が事業者だったら私が対象になるかならないかも含めてわからないと思っていますので、別紙できちんと説明をつけたほうがいいのではないかということと、もう一度、繰り返しになりますが、アメリカはこういう規定をしていますので、アメリカから入ってくる場合は日本にまた合せないといけないから、日本のルールに合わせなさいということの確認です。よろしくお願いします。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

では、お願いします。

○塩澤食品表示調査官 最初におっしゃった点、WTO通報をしているかどうかということでございますが、通報しております。ただ、現時点で特段の意見が寄せられているということは承知しておりません。

○阿久澤部会長 そうすると回答については不明ということですね。

○塩澤食品表示調査官 その意見が現時点で寄せられておりません。

○鬼武委員 期間とか、その英文の資料を参考に見ることはできますか。次回でもいいですし、WTO通報した中身について知りたいのです。栄養表示の部分をどういうふうにして日本が説明しているのか。

○塩澤食品表示調査官 WTO通報しているものについては既に公表されております。

○鬼武委員 ではネットを見ます。期間はいつですか。

○塩澤食品表示調査官 10月28日まででございます。

○鬼武委員 わかりました。ありがとうございました。

○阿久澤部会長 もう一点、質問がありましたね。

○鬼武委員 だからこれを詳しく、法律の条文は文章でしかないので、具体的なことを書かないと、どういう事業者が対象であるかというのがわからないのではないですかと。

○塩澤食品表示調査官 具体的と言うと、どういうことでしょうか。一応、我々の案としては、おおむね常時使用する従業員が20人というところを既に書いていると思うのですが、さらに説明が必要だということですか。

○鬼武委員 わかりました。資料3を見ていて、その条文だけしかないので、それがわかりやすくなかったと思ったのでお尋ねしたのです。

○阿久澤部会長 ほかございますか。よろしいでしょうか。池戸委員、どうぞ。

○池戸委員 20人の後ろの括弧書きが5人以下とあるのですが、これに該当するようなところというのは、実際にはないということですか。

○塩澤食品表示調査官 このとおり読んでいただければと思います。基本20人ですけれども、括弧の中のような事業者の方については、5人ということで我々は考えております。

○池戸委員 ここの部分の方もどのぐらいいるかというか、結構いるということでよろしいですか。

○塩澤食品表示調査官 今、具体的な数字を申し上げることはできかねます。

○池戸委員 わかりました。

○阿久澤部会長 よろしいですか。では、石川委員、どうぞ。

○石川委員 質問ですけれども、余り考えていなかったのですが、既に議論はされていたのかどうか。この事業者というのはOEMとか考えた場合に、販売者と製造者と輸入者とか、食品関連事業者は何種類かありますが、どれで考えるのですか。

○阿久澤部会長 消費者庁お願いします。

○塩澤食品表示調査官 これはその食品の表示の責任者が何に該当するかということで考えていただければと思います。

○阿久澤部会長 板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 今の御説明からすると、単に輸入している方だけだったら非常に従業員が少なくても済むわけですから、そうすると実際には九十何%よりかなり少なくなってしまうのではないかという気がいたしますけれども、いかがでしょうか。

○阿久澤部会長 お願いします。

○塩澤食品表示調査官 90%が何パーセントになるかというのは、今あいにくお話できかねますけれども、実態というか、普通に考えてそこが5人の人たちが入ることによって大幅に変わるということは、そんなにないのではないかと思います。

○阿久澤部会長 栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 私どものような企業に関して全く知識のない者は、ある程度の数字、根拠のある数字を見せていただかなくて、普通に考えると、と言われて、それで議論するってすごくというか、とても難しいです。数字をむしろ見せていただいても、それがどの程度理解できるかという御懸念もおありにはなると思いますが、でも全くそうではなくて、普通とか通常とか考えるにというレベルでは、御説明いただいたような気にならないのです。

○塩澤食品表示調査官 ただ、我々は表示責任者が具体的に製造者なのか販売者なのかというところを細かく捉えているわけではございませんので、先ほどの具体的に何パーセントになるかというところについては、なかなか回答が難しいかなというふうに考えております。

○阿久澤部会長 板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 鬼武委員のコメントペーパーの3ページに海外では食塩の摂取量が加工食品から75%を占めるということが書いてありましたけれども、この前、テレビで減塩の関係で報道があったときに日本の加工食品の占める割合も結構多かったように思います。またさらに今後、加工食品に頼るという生活は進んでいくかと思いますので、そういったことも含めて考えていくことが必要ではないかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

池原委員、どうぞ。

○池原委員 私はこのパブコメの案が大変よいと思います。当分の間は、この条件ということで、まずはこれでスタートしていただく、立ち上げていただくことが非常に重要だと思います。これまでも繰り返し述べておりますが、早急に環境整備のうち、データベース、計算ソフトの整備をどんどん進めていただいて、たとえ家族経営のような零細な事業者であっても、正しい栄養成分が小さな作業負担で安心して表示できるようにしていただく。そうすればこういった表示義務を免除された事業者であっても、これならできるということであれば、実際には、表示をどんどんしていくことになります。

お客様からそういった栄養成分を表示していただきたいという要請があって、自分が実際に表示ができるのであれば、これはやっていくことになると思います。我々はお客様に買っていただかないといけない、そういったビジネスをやっているわけですから。そういった要請があるのであれば、そしてできるのであれば、これはやっていくことになると思います。そして、最終的には全ての事業者が表示をしていくという世界になっていくと思います。これが当初描いていた栄養成分表示を義務化するに当たっての全体の大きな構想、考え方だったと私は思っております。ぜひ修正案としていただきたいと思います。

○阿久澤部会長 板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 先ほどから当分の間というのがわからないという話がございます。以前にノンオイルドレッシングもこの場で議論になったかと思います。あのノンオイルドレッシングついても最初は当分の間という言葉がついていたのです。それが、「当分の間」がなくなって、今はそれも全くなく当たり前にノンオイルドレッシングについては3%の例外規定が認められるとなっているわけでして、必ずしも当分の間というのが将来的に私たちが期待しているように、いろいろな商品についてきちんとした栄養成分表示が義務化されるとなるか、非常に曖昧なところではないかと思っております。

○阿久澤部会長 迫委員、どうぞ。

○迫委員 先ほど池原委員がおっしゃったように、この栄養表示の義務化というところは最終的には全ての事業者が義務化をしていただく、表示をしていただくというところが目指す姿というところは全員の合意していたところだと思います。なおかつそれを進めていくために計算による推定値で表示をしていいと既に表示のルールも改まってきている。

そういう中でこの免除規定をどうするかというところの議論に入っているわけですけれども、先ほど来、河野委員からもお話がありましたが、小規模事業者の規模を決めていく20人を選択した理由、ここの部分が明確になっていないのではないか。パブコメの意見として出ているものはあるのですけれども、それであれば先ほど私も申し上げましたけれども、5人とか3,000万とか5,000万という別の数字も出ている中で、なぜ20人というところを使うのかというところが本当に根拠を持った数字なのかどうか。そこの判断をどういうふうにされているのかというのが1点目でございます。

それから、冒頭でのお話のように、目指すものが全ての事業者が表示できるようにしていくということの経過措置ということであるならば、当初のパブコメ案をベースとしつつ、当分の間、これで進めていく。二重の書きぶりのような形。この修正案の20人というところの数字が正しいかどうかというところをもう一回検討すると同時に、この当分の間というところのスケジュールをもう少し明確に書いておくことが必要ではないか。ベースは上なのだけれども、当分の間こういうふうにしていく。そして、あわせて例えば完全施行後3年以内に改善していくような期間を明記していくとか、その辺のところの確実な見直しのスケジュールというものがどこかに書き込まれていかないと、板倉委員が懸念されていたように、そのまま継続していってしまう。形骸化していくことにつながるのではないかというところを恐れているところでございます。

ぜひ義務化が全ての事業者に広がるように、そのための途上であるという考え方はベースラインとして持った上で、いい方法を選んでいければと思っております。

以上です。

○阿久澤部会長 今の迫委員の御意見も踏まえて、お願いします。

○竹田食品表示企画課長 いろいろ御指摘いただいておりますけれども、基本的な考え方につきましては、私どもと委員の皆様のお考えには余り差はないのだろうと思います。

色々御指摘ございましたけれども、基本的には売り上げが1,000万であれば、それは我々がもらうサラリーではなくて収入でございますので、そこから諸経費を引いてしまうといわゆる粗利しか残らない。パブコメ意見に書いているものですと、粗利は200万ということでございます。

これは普通にお考えいただければ、従業員1人を雇うこともできない。1人で営業されているようなレベルの事業体なのだろうと思います。仮に1億円であっても粗利が2,000万。そこから租税ですとかそういったものを引かれていけば、かなり小規模な事業者になるのだろうと思っています。

2つ目の20名のところをとった理由でございますけれども、そういったことを精緻に数学的に組み立てたわけではございませんが、基本的には池原委員がおっしゃったように条件整備というものについて、推計値による計算は認められたとして、計算をするための条件が十分に整っているか、市中の誰でも今、電卓をたたけば自社の商品について計算できるかと問われれば、なかなかそういう状況にはなっていないのだろうと思われます。そういう状況が整わない中で原則の1,000万でいくというのは、5年後にそれができなければ直ちに表示違反になるということでございます。

そういう状況になっているかどうかというのは、なかなか見通せないということで、この点について配慮が必要なのだろうと考えております。例外について一定の拡大をする必要があるのではないかというところが大前提です。ここの考え方も多分、皆様と余り変わっていないと思います。

そのときに規模をどうするかという話なのですけれども、ここはいわゆる政策的な判断になりますけれども、どの程度の方を除外にしておけば5年後にたちまち表示違反が連発するようなことにならないかどうかという、いわば安全のマージンを見て実現可能性を考えたときに先ほど御提案しましたが、20人というところに線を引いておけば、そういう事態は施行の時点で生じないのではないかと思っています。

その後どうなるのかという話なのですけれども、それはまさに当分の間でございますので、何年間という約束を今、するわけではございませんし、それが未来永劫変わらないということでもありません。先ほど塩澤から申し上げましたけれども、この5年間に本来、義務がかかる方々がどれぐらいのスピードで表示を実現していくのか。それから、5年後に義務対象にならないのですけれども、先ほど池原委員がおっしゃいましたが、取引上、負担があってもやったほうがいいんだということで、自主的に取り組まれる方もいらっしゃると思います。あとはパッケージを見て、実際に買う人がどういう表示の使い方をするのか。確かにこれがあったほうが買い物がいい。なければ不自由ですというような、一体どういう状況になるのか。そういったことをもろもろ、5年後にそこからどう変わっていくのかというのを随時見ながら見直しをかけていくというのが、現実的な考え方だと思います。それは例えばの話でございますけれども、食品表示法には附則で3年の見直し規定がついてございますので、完全施行されてから例えば何年単位でローリングをしていくとか、そういう作業が実態的には行われると思いますけれども、そういった中で20人という数字を10にするとか5にするとか、あるいは5,000万にするといった形で見直しをしていくことが、一番現実的な対応なのだろうと思っています。

繰り返しになりますけれども、義務の範囲を確定して、それが完全施行されるときに、本当にそれがフィージビリティがあるかどうか。フィージビリティのないところまで義務をかけて、もしできないということになれば表示違反ということになりますので、そういう事態は避けなければいけないのではないかという意味で、スタートの時点ではこれでスタートをして、随時ローリングをしていくことが、私どもの行政の立場としては表示ということに対して、もしできなければ違反をとられるという意味において、現実的な対応だということを考えて、この数字を出したところでございます。確かに調査会の御議論の経緯からすると緩め過ぎではないかという御指摘はあると思いますけれども、今、申し上げたような考え方で御提案しているところでございます。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

当分の間とか20人を選択することへの考え方が今、お話でありましたが、よろしいでしょうか。河野委員、どうぞ。

○河野委員 もう一度確認なのですけれども、理由のところに書いていただいている修正案を適用したとして、市場に流通する約9割の加工食品に栄養成分表示がなされるということを担保できるわけですね。その根拠が今、もう一歩曖昧だというふうに先ほどから申し上げているところなのですが。

○竹田食品表示企画課長 これは正直申し上げまして、我々は、商品の単価と商品のアイテム数という要素を把握できませんので、そういう意味でマスで計算すると大体これぐらいということになります。したがいまして、必ず93なのかとか、1%も上下しないのかと問われれば、それはおよそ日本中に流通する商品の価格と流通量を全部把握しないと、そういう積み上げの計算はできません。ただ、マスで考えると大体これぐらいになるのではないでしょうかという御説明であるのは確かでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

ほかにございませんか。石川委員、どうぞ。

○石川委員 90%程度捕捉できるであろうという前提でこの提案をされたというのであれば、当分の間ということで様子を見て、どうもこれでは市場の流れは70%ぐらいしかないよねという話であれば、見直しをするということが必要かなというのが1点と、これを自己認証というか、私はこれに当たるからこの表示をしなくていいんだというものを企業で自主的に決めてしまっていいのか。それともこういう企業みたいに届出をして、うちは表示義務を免除できる事業者なのでということで届出しておいて、それで確認してという形でやるべきかというのは、表示されているものとされていないものが流通している場合に一々されていない場合はチェックしていくというのは、行政側のコストとしても迂遠ですから、届出ぐらいは要るのかなというものをきょう思いました。そのあたりの細かい制度設計ですけれども、そこまで詰めたほうがいいのかなと思います。

○阿久澤部会長 それについてお願いします。

○竹田食品表示企画課長 20人で切るということになれば、基本的に私どもの法執行は我々もそうですけれども、農林水産省の出先機関、自治体の保健所といったところが定期的にといいますか、事業者の方々のところに行くということになっていますので、そこで現実的なのは商品をチェックして、仮に表示がなければ従業員名簿等を確認して、確かにこの要件に合致しているのですかしていないのですかといったことを見させていただくというふうな法執行になると思います。仮に先生がおっしゃるようにA社の何とかという商品には表示がないのだけれども、どうなんですかという問い合わせがたくさん来るということになれば、今、申し上げたような手続でそちらに行って従業員名簿を確認させていただくなどして、義務表示の対象者かどうかといったことをチェックして取り締まりをしていくことになると思います。

○阿久澤部会長 迫委員、どうぞ。

○迫委員 これはまさに石川委員がおっしゃったように、行政コストがものすごくかかってくる問題だろうと思われます。表示をしていない事業者の一つ一つについて個別に指導していく、または集団指導もあり得るかと思いますけれども、そういう中で2点。

1点は、意見としては届出制をとったほうがいいのではないかということを申し上げたいということと、1点は農水、厚生労働省、それぞれの出先機関という形になりますので、ここの部分との調整の上でここは実効性のある監視指導体制がとれるのかどうか。その辺の調整は非常に難しいのではないかと思いますので、現実問題として行政コストの問題と実効性ある体制がとれるかどうかということを考えれば、先ほど申し上げましたように届出制度のような形で、一括管理できるほうが望ましいのではないかと思いました。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 言葉が足りなかったかもしれませんけれども、一品一品全部見ていくということではなくて、通常のいわゆる監視活動という中で、そういった事項もチェック項目の1つに入ってくるということだと思います。

それから、先ほど申し上げましたのは、いわゆる疑義情報ということで、本来は表示しなければいけないはずなのに表示していないのではないかみたいな情報が複数集まってくるのであれば、それは特定事業者の問題として監視の対象になるのだろうということでございます。これはほかの表示事項の監視と変わりないということでございます。

執行体制の関係ですけれども、現在、関係省庁と調整を進めているところでございますので、そういう意味でこれまでの監視活動の枠を何か飛び出るようなことには特段ならないのだろうと思っています。

届出制ということは御提案いただきましたけれども、何十万、何百万という事業者から届出をいただいて、届出ということであれば実質上の審査はできませんので、紙を受理してぽんと判を押すだけということになりますので、逆にそういう意味でも行政コストがかかりますし、そのことによって本当に真正な運用ができるかどうかということについては、問題点があるということも申し述べさせていただきたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

○石川委員 製造事業者はどれぐらいですか。200万とかですか。3%とか7%という話だと20万とかになるのですか。

○阿久澤部会長 届出の数に関連してということですね。どうでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 ちょっと今はわかりかねます。すみません。

○阿久澤部会長 それほど多い数ではないかという石川委員の御指摘ですが、わからないですか。

ほかに御意見ございますか。それでは、よろしいでしょうか。皆さんの意見を確認させていただきたいと思います。消費者庁からいろいろと答弁もありましたが、それを踏まえて意見を留保される方を最初にお聞きしたいと思います。6名の方が意見留保です。名前を言っていったほうがいいですか。

○迫委員 留保理由について1点だけ。先ほど課長から説明がありましたけれども、完全施行後に随時見ながら見直しをかけるということを附則等の中でも規定できる可能性に触れられましたので、その辺のところがきちんと書き込まれるということであれば賛成いたしますけれども、そこの部分が明確でないものですから今のところ留保させていただきます。

○阿久澤部会長 そうしますと、もう一度確認させていただきます。留保委員は迫委員、河野委員、栗山委員、宇理須委員、板倉委員、石川委員ということです。

続いて、この部分の基準案に賛成できない方は挙手をお願いします。いらっしゃらないということです。ありがとうございました。

それでは、不賛成の方はいらっしゃらないということで、そのように記録を残したいと思います。

次に進ませていただきます。栄養強調表示等についてです。当方の意見と同じ内容であったパブコメ前の案と現在の案が異なっておりまして、強調表示ができる対象に特例が加わりました。その内容につきましては資料1の9ページに理由などの記載があります。この部分について御意見、御質問がございましたらお願いいたします。迫委員、どうぞ。

○迫委員 強調表示に関するルールということで、修正案のところで食品の保存性及び品質を保つ観点から、25%以上の量を低減することが困難というふうになっております。これは具体的に商品を特例として定めていくのかどうか。どういう商品を想定されているのか。それから、この表現が特例の拡大につながらないのかというところをまず伺いたいと思っております。

○阿久澤部会長 消費者庁お願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 今、特段この食品を外すというものを決めているわけでもありませんし、そこはまだ具体化しておりません。

私どもとして今回、食品の保存性及び品質を保つ観点からという言葉を入れてございますが、この意味するところは、例えば25%ということで微生物の繁殖が懸念されて、それで安全性の問題が生じるような場合とか、あとは25%にすることによって食品の賞味期限が極端に短くなってしまうといったような食品もあるかもしれないということで、この言葉を入れさせていただいております。

現段階では、まだどの食品を除外するということを決めているわけではございませんでして、今後適宜ヒアリングを行い、我々もしっかり整理した上で、もし外すべき食品があるということであれば除外していくということで今のところ考えております。

○阿久澤部会長 迫委員、どうぞ。

○迫委員 そうしますと、従前の特例ということになるとみそとかしょうゆというものになっているわけですけれども、それ以外のものについても広がっていくと可能性としてはあると考えていいでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 今の特例規定ということではしょうゆがございます。今後、しょうゆとかみそとかほかの食品ももちろんでございますけれども、この条件に合致するというのが考えられる食品については、我々もそこをしっかり見極めた上で、もし該当するということであれば除外としたいというところでございます。

繰り返しになりますけれども、まだこの食品を外すということを決めているわけではございません。

○阿久澤部会長 迫委員、どうぞ。

○迫委員 通常の食品の中で今、現実にはしょうゆが特例として挙げられているわけなのですけれども、実際に減塩しょうゆを見てみると、スーパーマーケット等で出ているものについては全て50%減塩になっています。80%減塩というものも出ています。みそについては20%減塩と50%減塩、もっと減塩というところまで。そういうふうな形で減塩の幅が広くなってきているということ。

保存性に関してはかなり新しい技術等が使われておりまして、封入する段階であるとか、その前の殺菌の段階であるとか、厳重な管理がされていく中で保存性についてはそれほど大きな問題性は現実にはもう起こっていないのではないか。つまり流通している減塩食品の大多数が、例えば減塩しょうゆであれば50%以上カットしているものが中心である。そういう中でこの20%とか25%を割ってもいいという形で減塩という言葉を書き込めるのだとすれば、それこそ消費者を惑わせることにつながるのではないか。減塩商品への取り組みが非常に進んでいる中で、減塩が十分されていないものについてまで、そういう減塩という表示を何パーセントカットという表示を認めるということ自体は、その技術の進歩を逆におくらせる方向に進んでいくのではないかということも懸念するところであります。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 コメントペーパーで書かせていただきました。今回の提案については、私は反対するものではありません。ただし、今回そもそも栄養強調表示についてはコーデックスの規格基準に準拠して方針を打ちますという前提がそうなっておりますので、その点について今回のような措置については、国際会議の場で日本政府として消費者庁が代表として修正の提案をぜひ出していただくことを条件にしたいと思っています。

その理由についてはここに書いてありますように、現状では日本の本醸造しょうゆというのは、コーデックスの規格では国際規格として海外にはそういう表示はできません。過去にですけれども、栄養表示関係のコーデックス食品表示部会等を調べてみましたら、1996年から1997年のときの日本政府の代表団のところでは、micronutrientsとmacronutrientsの中でこういう議論がされたときに、しょうゆをぜひ例外にしてほしいということはその場で述べられております。そういう事実が過去にありました。

一方で、この間2013年に最終的にはコーデックス食品表示部会のところで決定した中では、その提案は残念ながら日本政府は従来のコメントについて発言していないということがありました。これは一方でほかの面からすると、今回わかめの案件で非常に国際貢献として日本が発言をして、そのことが認められたということでこれまでの表示部会で説明を受けたことは記憶していますし、提言・修正できる力は日本政府にはあるし、消費者庁は力量としては持っていると認識していますので、ぜひそういう観点も含めて、これはコーデックス食品表示部会もしくはコーデックスのアジア調整部会でもいいですけれども、しょうゆとしての特性があるのならば、そういう点から再度議論をするようなディスカッションなりを国際会議の場でやっていただければと思っております。ここに記載していることはインターネットで過去の議事録を全部調べましたので、日本代表団がどう発言して、そのとき厚生省と国立栄養研の先生方がどういう立場で臨んだかはリアルにわかります。今回は残念ながらそういう立場で臨まれていなかったということがありますので、ぜひそういう点は国の政策としては、きちんと一貫性を持った取り組みをやっていただければと思います。商品なり業界の考え方を容認するということではなくて、それが免除規定ということになるか、もしくはmicronutrientsに戻すのだったらそこも可能性もあるかもしれませんから、ぜひそういうことでやっていただきたいと思います。あとはコメントペーパーに書いてありますので、後で読んでもらえればと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

ほかにございますか。河野委員、どうぞ。

○河野委員 受け取る側の消費者にとってみると、絶対差に加えて相対差というのは比較する上で非常に有効な指標だと思います。今回この25%というものが示されたことで、本当に正しい姿というものがわかるようになるのかなと理解しておりました。

特におみそとおしょうゆにおいては、食品の保存性及び品質を保つ観点からということでここに理由が書いてございますが、先ほどこの前のところで食塩相当量に関しても議論になりましたように、私たちの健康維持増進といいましょうか、公衆衛生上、食塩の摂取量というのは非常に重要なファクターだと思っています。おみそとおしょうゆは、現在の実態を反映してこういう提案になったと思いますが、食品の性質上、25%以上カットすることができないなら、そもそも強調表示をしないで量そのものが問題なんだと示すべきです。商品にとって味や風味を譲ってまで減塩という表示をするよりは、量の問題を前面に押し出して、しょうゆおみそも使っていくという方向にならないだろうか。それはあくまでも視点を変えるという意味ですけれども、おみそとしょうゆのそれぞれの業界の方の御主張を見ていると、本当に品質とか保存性を譲ってまで25%の数字にこだわる必要があるのだろうか。もっと別の観点から、つまり量を少なくしていくという表示の仕方もあると思います。

私自身は納得できる理由があるならば、例外をどうしてもだめだと思いませんけれども、みそとしょうゆに関して言えば使用量の視点、または先ほど鬼武委員が主張されたような国際基準として25%に合わない食品もあるんだということを示していただくなど、納得いく理由がほしいと思います。

もう一点は、迫委員がお示しくださったように特例の中身がおみそ、しょうゆ以外にも出てくるかもしれない。そこが見えてこないと特例という言葉は消費者にとってみると不安な言葉だと思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

宮地委員、どうぞ。

○宮地委員 特例という言葉について確認なのですけれども、これは相対差について特例を認めるのでしょうか、それとも商品、個々に審議依頼が消費者庁にあったことについて特例を認めるのでしょうか。どちらでしょう。

○阿久澤部会長 消費者庁、どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 例えばこういう食品については25%ではなくて24%とか23%とか、そういうふうにお考えいただければいいと思います。個別に審査をしてどうこうということではございません。

○阿久澤部会長 宮地委員、どうぞ。

○宮地委員 先ほど個別に審議をして、今後出てくるものがあるかもしれないという話をされたように思うので、それで確認ですが。

○竹田食品表示企画課長 このルール、例外としてのルールが成立すれば、それに該当する食品がどうかということでございまして、今、申し上げましたのは何とかメーカーの何とかしょうゆについて我々が一品一品審査するのかというふうにお尋ねいただいたように受け取りましたので、そう答えましたけれども、そうではなくて食品の特性について、この要件で判断して例外をつくるといいましょうか、例外扱いをするかどうかを決めていったらどうかということでございます。

○阿久澤部会長 それは、ここに書いてある保存性とか品質という特性ということですか。

○竹田食品表示企画課長 はい。具体的にはこの要件をアンドで結んでいますので、両方ともできないということが仮にあれば、それは考慮する必要があるのではないかということでございます。

○阿久澤部会長 池戸委員、どうぞ。

○池戸委員 赤字で記されている修正案のところ関して、具体的な品目については、これから検討するというお話なので一般論の話で、要約すると技術的な問題といいますか、ここに書かれている条件のもとで判断するということだと思います。

保存性と品質というのは一体として考えなければいけないかと思います。多分50%とかかなり高い減塩されたものもあるのですが、味の面とか、売るほうはそちらも考えているかと思いますし、特に仮にみそ、しょうゆに限定しても地域的な食品で、かつその製品を毎日利用しているという方も多いかと思います。だから審査されるときにおいしさを犠牲にしてまで、本当にそういう高血圧とかそういう方用のものということではなくて、日常的に使っている方の事情も十分考慮して審査していただけたらと思いますし、特に高塩分食品については数パーセントでも先ほど言った絶対量の話のように、一般の食品以上にかなり影響力が大きいので、そういう面で私は25というところに固執する必要もないのではないかと思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

池原委員、どうぞ。

○池原委員 私も今の池戸先生のお話に賛同いたします。特にしょうゆ、みそというのはすごく伝統的な調味料で、日本全国にいわゆる伝統的なつくり方にこだわっている事業者さんというのは、かなりの数があると思います。

先ほど50%みたいな商品も現実的にあるというお話ですけれども、これは特別な技術であったり、特別な製造工程、製造方法を用いて実現しているところも多いと思います。

我々は、そういった特別なものにこだわることではなく、一般的な、伝統的な製造方法において、どこまでが実際に保存性、品質と低減の両立ができるのかといったところで判断をしていかないといけないと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 塩味控え目という言葉はこれとはかかわりなく残るわけですね。おみその場合に減塩のみその場合は結局、最終的に舌が食塩の濃度を決めてしまうので、入れる量を多くして、結局、減塩みそを使っても最終的に飲むみそ汁の塩分は同じという話にもなってしまうわけです。ですから、減塩とか低塩という言葉で絶対的なナトリウムということにこだわられるのだったら、それなりのルールに従っていただくということで、それでもし塩分を控えてつくったとしても違反にならないということであれば、塩味を控え目という表示は可能なのではないか。消費者の方々が少しでも薄味のものを選びたいということなら、そういうことでも選べるのではないかと思ったのですけれども、いかがでしょうか。

○阿久澤部会長 お願いします。

○竹田食品表示企画課長 先ほど河野委員から御指摘がございましたけれども、基本的には栄養成分表示の100グラム当たりの食塩相当量をチェックして、調味料を使うというのが多分理想的なのだろうと思いますけれども、一方で我々が買い物をするときには今の20%という数字ですとか、25%ですとか、そういう従来品に比べてどれだけカットしてあるんだというところが訴求のポイントでありますので、これは両々考え方があると思いますけれども、具体的な数字があったほうがどれだけカットされているのだろうかというのが直感的にわかるということで、商品選択をする上ではそういうほうが情報が多くなるということも我々は考えてはおります。

○板倉委員 質問なのですけれども、低塩とか減塩と言った場合には塩分がどの程度に控えられているかというパーセント表示は出るのでしょうか。義務としてあるのですか。

○塩澤食品表示調査官 減らす方向の強調表示は大きく2つ分かれます。

1つは絶対量が少ないとか、ないとか、そういったものを訴求する絶対量に関する強調表示。それから、今、話題になっておりますのが相対表示です。絶対量ではなく、何とかと比べてこのぐらいカットとか、そういう相対的なものを意味するもの。まず2つ分かれます。

先ほどの低塩というものについては、パーセンテージを書かない場合は絶対量を担保する強調表示とみなされるものでございますので、例えば低塩という場合には100グラム当たりのナトリウム量は基準値以下でなければいけないとか、そういった絶対量を担保するものです。今、例示としてみそとかしょうゆとかありますけれども、多くの調味料の場合、絶対量の強調表示をしようと思ったときは、中に入っているナトリウム量が絶対量の基準を満たすものではなく、もっとはるかに多くのナトリウムが入っております。単に絶対量の強調表示をするのは困難という中にあって、それでも少しでもナトリウムを減らしているということを訴求するためのものとして相対表示というものがあります。ですので相対表示については、その商品がもともと持つ絶対量については必ずしも問われません。そのかわり相対差として今回25%にするかしないかという話になっているというものでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

石川委員、どうぞ。

○石川委員 低減されたとか表示できる場合に、相対表示は25%以上の差があるという大原則をつくった場合に、特例を認めると同じ低減されたと言いながら中身が違っているというものが消費者を混乱させることになる。全体で25%だろうと思っていたら実は20や15ということであると、これは実際のものよりも優良と示す表示で優良誤認みたいな話になってきて、制度的に優良誤認を誘発してしまうようなルールという可能性がある。それはぜひとも避けないといけない。だから特例を認めるのであれば、表記方法を変えてもらわないと完全に混乱しますので、低減されたというのに何種類か表示方法を変えなければいけないというふうに思うので、それとセットで議論しないといけない。全部同じように低塩とか減塩だけで25%と勝手に思ってしまいますね。そこを工夫する必要があると思います。

○阿久澤部会長 消費者庁、お願いします。

○塩澤食品表示調査官 相対表示の場合は、いろいろな数字的な基準を満たしていただくということはもちろんなのですけれども、それに加えてどの食品に比べてという比較対象食品、それから、何パーセント減らしているのか増やしているのかというパーセンテージとか割合も書いていただくという条件がございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

迫委員、どうぞ。

○迫委員 もう一回、くどいようなのですが、修正案でナトリウムについてのみ特例を認めるというつくりということですね。それ以外のエネルギーとか脂肪とか、そういうものについては認めないということになっていますね。

○塩澤食品表示調査官 そのとおりです。

○迫委員 それで、25%、これはコーデックスとの整合性というところでその数字を使ってきているわけで、もちろんいろいろな条件はあるかもしれないのですけれども、あえてそれを緩めなければいけない理由が、本当に保存性とか品質を保つ観点からあるのかどうか。こういう抽象的な表現の中で特例を認めるという形になっていったときに、これは非常に幅が広がっていってしまって、あらゆるものにナトリウムについてはそうなっていく可能性が強いのではないかというところも危惧しています。

つまり、それぞれの事業者によって一部でも保存性や品質を保つという観点から困難であるということが意見表示されれば、それは認めざるを得ない可能性も出てくる。本当にそれがごく1カ所であってもという形にもなりかねません。

ですから、そういう意味合いからしたときに、基本的にこれは25%国際基準を満たす形でいくという方向で議論をしたわけですので、そこの数値を表に出していった上で本当に20%しかできないのだったら、○○%減塩という表示はしないでいただきたい。減塩という強調表示をするのであれば、きちんとノルマを果たしていただくような方向で、そして先ほども言いましたけれども、みそにしてもしょうゆについても、もちろん品質的においしさという観点からは違うかもしれませんが、既に減塩が進められているわけですから、困難とか保存性という問題ではないだろうと思うわけであります。この辺が本当に困難だということであるのだったら、実際にそういうことをなぜ困難なのかというところをきちんと説明をいただきたいなと思います。

○阿久澤部会長 竹田課長、どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 基本的には先ほど申し上げましたけれども、食品の特性というか、属性で判断することになりますので、1メーカーが言ってきたからどうこうということではないのだろうと思っています。

それから、先ほど御指摘がございました、例えばみそ、しょうゆ等でも既に25%減とか50%減とかそういう商品は確かにございますけれども、ただ、それは保存性に難点が生じますので、例えばアルコールを添加してあったりというようなテクニックが用いられておりますので、それは実際のしょうゆとしてとかみそとしてと言うのでしょうか、その本体としての保存性、品質について自力ではなくて、そういうものの助けを借りてそういう商品が成立しているという面もございます。そういった点については少し先ほど池原委員からも御指摘がございましたけれども、仮にこの要件が設定できるのであれば考慮する必要があるのかなと思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

宇理須委員、どうぞ。

○宇理須委員 この特例というものが気になるのです。そういう意味で特例を認める審査過程とか、そういう手順もきちんと決めておかないと、迫先生おっしゃったように企業が勝手に決めてはいけないと思いますから、消費者庁でどういう手順で特例を認めるという、それをきちんと決めておかないといけないのではないかと思いました。

○阿久澤部会長 板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 私も宇理須先生と同じ意見です。いろいろな表示基準を見ていましても、結局、業界団体として言ってきた業界の強さ、声の大きさによってルールが決まっていっているような感じがします。そういうように消費者庁と事業者団体とのやりとりの中だけで裁量行政という形でいろいろなことが決まっていくと、これからもどういう形で基本的なものが歪められていくかわからなくなってくると思うのです。ですから、そういうことをなるべく避けるような形で原則はなるべく統一することが必要なのではないかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 仮にこの要件が設定されて、どういう食品がその属性でこれに該当するのかということについては、現段階で何をどうということはまだ決めていませんけれども、基本的に我々が発出する施行通知等で限定をかけることになろうかと思います。

それから、今、御指摘がございました点ですが、仮にそういう運用をすれば、その業界と私どもが大きな批判を受けて、そういう方々の御商売にも影響が出るでしょうから、そういうことは抑止効果として働くのではないかと一般論としては思っています。

○阿久澤部会長 栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 この特例について議論されていない想定も今のところないというものであれば、ここにこういうことを書く必要、それから、どういうプロセスでどうなるのだろうということの見えない段階で、ここにこれを書く理由というのは何なのでしょうか。

○阿久澤部会長 お願いします。

○竹田食品表示企画課長 1つには現にこの基準ですと、技術的に対応できないという意見がパブリックコメントでも出てきております。その真偽はいまだ我々科学的にお話を伺ったわけではありませんので、判断いたしかねますけれども、ただ、仮にそういうものが本当にあるのであれば、使える例外規定というのは設定しておけばいいだろうと考えております。使う必要がなければ空振りにしておけばいいわけでございますので、そういう意味で規定の立て方として、今回こういうふうに一部修正を加えさせていただいたということでございます。

○栗山委員 まさに3年に一度見直しの機会があると言っていらっしゃるので、そういうものが出てきたときに検討するというのは制度上はだめなのですか。普通にはどこかがそういうことを言っていらっしゃるかもしれないけれども、いわゆる専門家の方というか、これを検討したときにそういうことが想定されなかったようなものを今、特例としてわざわざ書く理由はないように思うのですが。

○阿久澤部会長 お願いします。

○竹田食品表示企画課長 現時点で基準案をつくる上で想定される状況に対応できるようにということで今回、修正を加えたものでございますので、仮におっしゃられるように施行してみて誰もできない人はいませんでした、こういう食品はありませんでしたということがフォローアップで明らかになれば、逆にこれを外すだろう。原則一本にしていくのだろうと思っています。

○阿久澤部会長 そのほかいかがですか。

○鬼武委員 先ほど意見を言いましたけれども、もう一回発言します。

今回、コーデックスという国際規格のところに準じるというのが、1つの前提としてなっていることがあると思います。一方で国民にとってナトリウムの摂取量が問題になっているというのもよく理解できています。そういう中では発酵食品と言われている伝統的なみそとかしょうゆなどについては、過去の表示部会の議事録にあるようにやはり技術的に“in natural occurrence”と書いていますように、いろいろな形で完全に25%難しいということがあって、過去の97年か96年のときにはそういうことで日本政府は発言を多分したのだと思います。それは多分、業界だけのことではなくて、日本の食文化なり、その中で一つ一つの商品としてあるカテゴリとして重要であるとの認識に立って、そのことを多分、強調されて表現されている、発言されていたのだと思っています。

この間、国際会議で見て残念に思っていますのが、日本の場合はどちらかというと、EUではジオグラフィカル、いわゆる地学的というところで保護的な商品も設定されているようで、その中で表示等の政策も進められている観点からすると、日本はそういう面ではしょうゆとか、前回というか第2次かの表示部会で議論になったみそみたいな、要するに調味みそというのはその中にカテゴリに入れてしまったということ自体は将来的に問題となることがあると意見を出しました。私はどちらかというと伝統的な食品も一方で選択としてあっていいのではないか、そのためにEUのような考え方もあるのではないか。その表示はある程度認めるというものがあれば、私は業界の代表でもありませんが、農林水産省なり今、国の政策として日本の伝統的食品というのもいろいろ輸出していこうという観点からすると、そういうことも必要ではないかという考えを持っており、もう一度申し上げておきます。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 私も鬼武委員のお考えはもっともだと思うのです。伝統的な食品ということで日本できちんとそういうことが確立しているものについて、別にルールとして例外規定とするというのなら、消費者としてもそれなりの理解は得られる部分があると思うのです。ただ、これから何が出るかもわからない、それでどうなっていくかわからない、業界がみんなこぞってそれをしてほしいと言えばなるかもしれないというようなことでは、コーデックスに合わせるというもともとのルールが揺らぎかねない状況が将来考えられるので、曖昧なまま、幾ら言ってきても対応できるような特例を設けるべきではないと思うのです。

ですから伝統的食品ということでこちら、日本がこれからも主張していきたいし、ここのところにもこう入れるというなら、それなりのコンセンサスを得られると思うのですけれども、ただ、先ほども申しましたように食塩の減塩、低塩と言わなくても塩味控え目でも消費者は選ぶことができるわけですから、そういう考え方も含めてきちんと範囲をある程度制限していただくような形の特例でなければ、やはり意味がないのではないかと思います。

○阿久澤部会長 池戸委員、どうぞ。

○池戸委員 いずれにしても、これは特例を認めるにしても中立、客観的な判断の体制といいますか、そういう形でやっていただければと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

迫委員、どうぞ。

○迫委員 伝統的食材、調味料に関してということなのですけれども、伝統的調味料に関して、なぜ減塩という表現で表現しなければならないのか。伝統的な調味料だからこそ、そのおいしさというもの、別の魅力があってしかるべきで、減塩という1つの成分値を減少させているというところで差別化を図っていく。こういうことをするのだとすれば、ほかの減塩の食品と競合していきたいという意図が見えていくのではないか。ですから、あるべき姿が伝統的食材、調味料については目指していくものが違っていいのではないか。その辺はきちんと消費者の側は選択をしているのではないかと思いますので、選択に資するような形で基準は基準どおりにしていただくほうが、特例を設けないほうがいいのではないかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 反論するわけではありません。ただ、しょうゆの中でも、いわゆる発酵している本醸造しょうゆ(発酵食品)は塩分コントロールは困難である一方、たんぱく加水分解物等を加えたいわゆるアミノ酸しょうゆは、基本的には25%以上のコントロールができて、減塩と表示できると思います。私は本醸造と言う、いわゆるそこが伝統的と言っているのですが、要するに発酵期間が長い食品。したがって、このような発酵食品については、考える余地があるのではないでしょうかという趣旨を申し上げているつもりです。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。意見も出尽くしたようですが。

○大貫参事官 不賛成をとるときに、先ほどの案件で留保というものがたくさんいらっしゃったのですが、その留保の取り扱いについて注意喚起させていただきます。先ほど部会長から、この場では判断できないので留保したいという方がいればということで、次回、部会までに事務局から意見を確認しますという扱いを留保ということで言われています。先ほど留保をいただいた方々は次回までに事務局から意見を確認し、どちらであるかというものを確認させていただくことになりますので、今後の採決においてもその旨、御注意いただければと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

では、この案件につきまして皆さんの意見を確認させていただきます。

ただいまの説明について、意見を留保される方がいらっしゃいましたら、どうでしょうか。おりませんか。

続いて、この部分の基準案に賛成できない方は挙手をお願いいたします。賛成できない方は宮地委員、迫委員、河野委員、栗山委員、板倉委員、石川委員となります。

ここについては微妙ですね。まだきょう御欠席の方もいらっしゃいますので、先ほど言いました過半数には数的には、これはまた先ほどの案件も含めて、きょう御欠席の方の御意見も伺った上で、最終的には判断させていただきたいと思います。

予定時間まであと10分ということなのですが、次の案件は多分、時間はとらないかと思いますので、生鮮のところまで進ませていただきたいと思うのですけれども、よろしいですか。

それでは、生鮮食品と加工食品の整理についてです。この課題については調査会の取りまとめ事項が2点ございます。まず上の事項ですが、生鮮食品と加工食品の整理の具体例をQ&Aなどで説明すべきとの意見を出しています。消費者庁から対応予定について説明をお願いいたします。

○船田課長補佐 消費者庁の船田です。

私から生鮮食品と加工食品の整理ということで、簡単に御説明したいと思います。

本日、具体的資料というものは上がっていないのですけれども、お手元に調査会の報告書が参考としてお配りされていると思います。その内容について詳しく説明するわけではないですけれども、6月13日に生鮮食品の調査会のもとで報告書が出されています。その中の4ページになりますが、生鮮食品と加工食品の整理ということが載っています。その中で2-1としまして生鮮食品と加工食品の区分、2-2としまして異種混合の食品の取り扱いということが書かれています。

まず生鮮食品と加工食品の区分ですけれども、今回の食品表示法の基準ですけれども、従前から御説明しているとおり、生鮮食品と加工食品を分けて構成されているところです。そのときに加工食品と生鮮食品の概念ですけれども、それはJAS法の品質表示基準の別表、現行の基準としてありますけれども、別表に沿って整理しますということを御説明したところでございます。

そのときに製造と加工という話も関係してくるところでございますけれども、まず生鮮食品と加工食品のところ、調査会の報告書のほうでもQ&A等で消費者庁のほうで整理してほしいということで方向性が取りまとめられているところでございますので、当方としましては生鮮と加工につきましてはQ&Aで取りまとめるということで今、作業中でございます。Q&Aにつきましてはこの基準が施行されると同時に、Q&Aもお示ししたいということで鋭意作業を進めているということでございます。

以上です。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

よろしいですか。作業のほうは鋭意進めているということです。何か御意見ございますか。

では、基準案に関してではありませんけれども、記録として皆さんの意見を確認します。この部分の扱いに賛成できない方は挙手をお願いいたします。いらっしゃらないということで。板倉委員が留保したいということでございます。ありがとうございました。留保が板倉委員で、不賛成の方はいらっしゃらなかったということで記録を残したいと思います。

では、次の取りまとめ事項に進みます。生鮮食品と加工食品の整理のうち、異種混合食品の扱いについてです。

異種混合食品の扱いに関しては調査会でもいろいろな意見が出され、報告書はさらなる検討が必要との記述にとどまりました。これに対して基準案は調査会で提示された資料3の取りまとめ事項に記載している案を変更し、現行どおりの加工食品に分類する案とされました。

消費者庁から、現行どおりの加工食品に分類することにした経緯を御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○船田課長補佐 先ほど資料を御紹介したのですけれども、生鮮食品の調査会の報告書の5ページになります。そこに2-2異種混合の食品の取り扱いということで書いていると思いますけれども、異種混合とは何かという話になってくると思うのですが、現行のJAS法においては複数の種類が異なる生鮮食品を混ぜ合わせたもの、これを異種混合と言っています。それを加工食品という形で整理しております。

調査会の中でこの辺についていろいろ御審議いただいたところでございます。ただ、最終的に資料の6ページ目に飛んでいただいて、報告書で書かれているのは異種混合の食品の取り扱いについては、食品を摂取する際の安全性の観点及び事業者の実行可能性を踏まえ、さらなる商品実態や消費者が選択する際の食品表示に関する意識も調査した上で検討が必要とされたという形でなっております。

結局、こちらから幾つか提案はしているのですけれども、生鮮食品の調査会の中では結論を得られていないということになっております。今後の検討課題という取り扱いで持ち越されたという認識で消費者庁としては受けとめておりまして、そのため現行ルールを変えないということになりますと、今のパブコメで出した食品表示基準のルールにおいて、生鮮食品の対象については、特段、現行から変更はないということでございます。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

何か御意見、御質問はございますか。ただいまの説明でもいいですし、そのほか。今の説明に対してはよろしいでしょうか。

そのほか何か御意見、御質問がございましたら。

○板倉委員 現行どおりということは、きちんと調査をしてからまた線引きをその次に考えるということでよろしいのですか。今のルールのままにしばらく置いておいて、その後に調査をして、最終的に仕分けを変えるかもしれないと考えてよろしいのでしょうか。そこら辺がわからないので、申しわけございません。教えていただければと思います。

○船田課長補佐 異種混合の考え方については、まさに板倉委員がおっしゃったように、何らか今後調査をした上で検討が必要というふうに消費者庁としては考えております。

あと、製造、加工とか今、Q&Aの中で整理されているところですけれども、そこも再度見直して、新基準に沿ったQ&Aというものを用意しようとも考えているところでございます。

○板倉委員 申しわけありません。そうすると盛り合わせとか組み合わせとかを生鮮として、混ざったものは加工食品にするという考え方も今のところはないということですか。それとも、それはありなのですか。刺身の場合には盛り合わせだから生鮮になってという説明が現行どおりになるということなのですか。現行どおりというと、実際には刺身の盛り合わせは加工食品になっていますね。言葉の意味がよくわからないのですけれども。

○船田課長補佐 現行、刺身盛り合わせについては、生鮮食品の品質表示基準の別表において刺身盛り合わせを除くというところが括弧書きで入っています。今回のパブコメの基準でも、その括弧書きはそのまま残しますということなので、生鮮食品ではなく刺身盛り合わせは加工食品の扱いとしての表示となります。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。部会としてもこの件に関しては調査した上で検討が必要。調査会でまとめられたということですので、これについては今後、この部会でも検討していく内容かとは思います。

○石川委員 シンプルに、今のJASの生鮮と加工の別表は変わらない。新表示になってもそのままということで、この半年ぐらい議論した生鮮加工のいろいろな議論についてはペンディングになったということで話を進めるということでいいのですね。

○阿久澤部会長 そういう理解でよろしいですか。

○船田課長補佐 はい、基本そうでございます。

○阿久澤部会長 そのほかございますか。よろしいでしょうか。

それでは、ほかに意見もございませんようですので、異種混合食品の扱いに関して皆さんの意見を確認させていただきたいと思います。

まず最初に意見を留保される方はいらっしゃいますでしょうか。いらっしゃらない。

続いて、この基準案に賛成できない方は挙手をお願いしたいと思います。ありがとうございました。不賛成の方はいらっしゃいませんでしたので、そのように記録を残したいと思います。

それでは、本来であれば予定でしたら加工食品の表示はあと2項目あるのですが、そこまでと思ったのですが、時間ですのできょうはここまでとさせていただきたいと思います。

最後に、次回の日程について事務局から説明をお願いいたします。

○大貫参事官 長時間にわたり御審議いただき、まことにありがとうございました。

次回の日程は10月3日金曜日、10時から13時を予定しております。よろしくお願いいたします。

○阿久澤部会長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

≪3.閉会≫

(以上)