第151回本会議・第7回景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会 合同会議 議事録

日時

2014年4月1日(火)14:00~15:10

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【消費者委員会委員】
河上委員長、石戸谷委員長代理、阿久澤委員、岩田委員、齋藤委員、高橋委員、夏目委員、橋本委員、山本委員、唯根委員
【専門調査会委員】
小早川座長、白石座長代理、鹿野委員、川出委員、長田委員、増田委員、宮城委員
【説明者】
消費者庁 川口審議官、菅久審議官、黒田課徴金制度検討室長、加納消費者制度課長
【オブザーバー】
国民生活センター 丹野理事
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、金児企画官、稲生参事官補佐

議事次第

  1. 開会
  2. 中間整理について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○金児企画官 本日は皆様、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会第151回本会議・第7回景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会合同会議」を開催いたします。
なお、本日付で事務局の幹部職員の異動がありまして、本日より黒木事務局、井内審議官が出席しておりますので、一言御挨拶させていただきます。では、事務局長からお願いいたします。

○黒木事務局長 本日より事務局長をさせていただくことになりました黒木です。若輩者ではございますが、一生懸命委員の先生方の御活躍をお支えしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○井内審議官 本日付で消費者委員会を担当することになりました、大臣官房で審議官をしている井内です。よろしくお願いいたします。

○金児企画官 本日の配布資料は資料1の中間整理案だけでございます。
それでは、ここからは小早川座長に議事進行をお願いいたします。

≪2.中間整理について≫

○小早川座長 皆さんこんにちは。本日はこれまでに出されました各委員の意見等を整理したものとして、中間整理を行いたいと思っております。
まず事務局から中間整理の案を説明していただきまして、その後、委員の皆様から御意見を頂戴したいと思います。
それでは、早速ですけれども、事務局から説明をお願いします。

○稲生参事官補佐 資料1ですけれども、景品表示法上の課徴金制度の導入等の違反行為に対する措置の在り方に関する中間整理(案)でございます。前回第6回までに出された委員の御意見を、何度か委員の皆様とやりとりをさせていただいた上で、中間整理(案)としてまとめたものでございます。
簡単に説明をさせていただきます。
まず「1.はじめに」といたしまして、3段落目のところにまいりますが、「これまでの調査審議で、消費者庁における行政手法研究会の取りまとめにおいて、景品表示法への課徴金制度導入に関する論点として消費者庁から説明を受けた事項については、制度設計に関して被害回復の観点をどのように考えるべきかという点、」この点については要件・手続等を検討した後に別途議論すべきとされたのですが、この点を除きまして「一当たりの検討を行ったことから、今後、更に検討を深めるに当たって、各論点に関する検討状況を中間的に整理することとした」ものと位置付けております。
次の2から具体的な検討の内容に入ります。まず「2.景品表示法に課徴金制度を導入することの必要性」とありまして、これは第2回で御議論いただいたことですが、「景品表示法に課徴金制度を導入する必要性が高いことについては、委員の意見は一致している」としております。
主な御意見としては、2ページ、最初の段落の一番最後のところですけれども、まず「実際には、不当表示によって…多くの消費者被害が生じている」という御意見。それから、その次の段落、6行目のところですが、「不当表示によって得られた売上による利益がいわゆる『やり得』として不当表示を行った事業者の手元に残ること」について、「現行景品表示法上の措置命令は、将来に向けて違反行為者の不当表示を中止させ、被害の拡大と再発を防止するものであって、違反行為者の不当な利益を剥奪するものではなく、経済的な観点からは違反行為の抑止機能を実効的に果たしているとはいえず、措置命令に加えて課徴金制度を導入する必要性が認められる」といった意見が出されました。さらに、「違反行為者に対して不当表示が摘発されるまでの利得の剥奪をしなければ、消費者に適正な商品情報を提供していた他の事業者が違反行為に追随することにもつながりかねない」ということで、その3行下になりますが、課徴金制度の導入は「法令を遵守している事業者との公平と、その結果としての消費者利益確保の観点からも、極めて重要である」といった意見もございました。
この点について、事業者からのヒアリングでどのような意見があったかということも紹介してございます。「課徴金制度を含めた何らかの制度整備の必要性については基本的には理解するとの意見が述べられた。他方で、不当表示規制の要件の明確性があらゆる商品分野において確保されているのか、という疑問から、悪質な事業者を念頭においた過度な法規制が真面目な事業者の企業活動までも委縮させることを指摘し、特に小規模企業への影響を懸念する意見もあったが、課徴金制度の抑止力によって健全な消費者取引の水準が維持される効果を期待するとの意見もみられた」というところでございます。
3ページ、同じく第2回で御議論いただいたことですけれども、「3.課徴金制度を導入する場合における制度の趣旨・目的」について、まず、「主目的が不当表示の事前抑止にあることについては、委員の意見が一致した」としております。これに加えて、「不当表示事案における被害回復が困難である実態等に鑑み、被害回復をも制度趣旨として加味するか」という点につきましては、「景品表示法が消費者法として位置付けられたこと、事業者の『やり得』とされる利得が顧客たる消費者の出捐に由来するものであること等を踏まえ、要件・手続等の議論においても消費者被害回復の視点は排除されるべきではないとの指摘があったが、基本的には、被害回復の在り方に関する検討は、課徴金制度の要件・手続等を検討した後に、別途行うこととされた」としております。
続きまして4ですけれども、ここからは第5回、第6回で御議論いただいた要件・手続論の部分に入ります。
まず「4.課徴金の賦課要件」といたしまして、【1】対象事案、(1)対象行為、これは「措置命令の対象とされる優良誤認・有利誤認、指定告示、不実証広告規制に係る表示行為について、それぞれ課徴金の賦課の対象とするかどうか」という点ですが、まず、「優良誤認表示・有利誤認表示を対象とすることに異論はなく、指定告示に係る表示については、優良誤認表示・有利誤認表示そのものではないけれども、予防的観点から表示規制の対象とされたものであることを踏まえ、対象としない方向につきおおむね意見の一致がみられた」という結論としております。
これに対しまして、「不実証広告規制に係る表示を対象とするかについては、これを積極的に否定する意見は見られなかったが、種々の議論がなされた」としておりまして、まず、これを積極的に対象とするべきという意見としては、「合理的な根拠資料を有することなく一定の優良誤認表示による取引を行うことによって集客する事業者の行為の悪質性」を指摘するものであるとか、3行下にまいりまして「事業者の行為規範としては、自ら提供する商品・サービスの内容に係る表示について事前に一定の合理的根拠資料をもって行うべき」といった意見が出されました。他方で、これを対象とするかどうかはなお検討が必要だとする意見もありまして、「不実証広告に係る表示を課徴金の対象とする場合、…一種の手続違反に対して課徴金を課すことになり、既存のものとは性格を異にする新たな不当表示の類型を造り出すことになる」との指摘がなされたところです。
こういった意見の対立がありましたので、4ページ目の2段落目のところにまいりますが、これらについては「中間整理後において引き続き検討する必要がある」ということになりました。
以上のほか、対象行為の設定に関しては、対象とすることに異論がないとされた優良誤認・有利誤認表示についても、ガイドライン等によって可能な限り要件の明確化を図るようにという指摘もございました。
(2)の主観的要素につきましては、「この点については」という段落の5行目ですが、「比較的多くみられたのは、不当表示の抑止という目的に照らして主観的要素が必要であるとの基本的認識に立ちつつ、不当表示がなされた場合においては原則として主観的要素を充たしているものとし、例外的に主観的要素を欠くことが証明された場合については対象から除外するという結論をとる折衷的な意見であった」ということでございます。
この点につきましてはいろいろな意見がございまして、主なものを御紹介しておりますが、このほか、主観的要素の議論に際しては、5ページの真ん中あたりの「以上のほか」というところですが、「複数の事業者が不当表示に関与している場合に、そもそも課徴金賦課の対象となり得る不当表示の主体の範囲をどのように捉えるのか、主観的要素はどの事業者との関係で問題とするのか」という問題提起もなされました。
続いて(3)規模基準ですが、これについては「一定の裾切りは必要であるという方向につきおおむね意見の一致がみられた」としております。
(4)除斥期間については、「一定の合理的期間を設けるべきであるという方向でおおむね意見が一致した」としております。
6ページ、【2】課徴金額の算定の(1)基本的な考え方、これは「違反行為の抑止効果を担保するために必要十分な賦課金額及びその合理的な算定方法をどのように考えるか」ということですが、賦課金額については、3行下のところで、「原則としては『やり得』相当額を基準とすべき」との意見が出されました。また、その算定については、「『やり得』は当該取引の利益率や役務によって事案ごとに異なるものの、行政の事務効率を考えると、個別にではなく一律に定めるべきであるという方向でおおむね意見が一致した」としております。「やり得」の算定方法については、「平成20年改正案において、事業者単位の営業利益率を参考に算定率を定め、これを違反行為の対象となった商品・役務の売上額に乗じることとされていることも踏まえて検討する必要がある」とされました。
続いて(2)加算・減算・減免措置ですが、加算措置については、加算事由に関する意見は出されましたが、「立法事実に関する検証が必要である」との指摘がありまして、設けるか否かは今後の議論の余地を残しました。減算・減免措置については、「設ける方向で検討してよいのではないか」という意見でおおむね一致しました。考え得る措置の内容としては、事業者のコンプライアンスに係る加算事由や減算・減免事由を設けることについての議論がなされたほか、その次の段落ですが、加算措置について「さしあたり、故意の違反行為、再度の違反行為、…違反行為の隠蔽を加算事由としてはどうか」との意見や、減算・減免措置について「被害回復の視点から、事業者による自主的返金や公的機関への寄附等を減算・減免事由とすることも考えられる」といった意見もございました。
(3)対象期間ですが、これについては「一定の合理的期間に限定すべき」ということでおおむね意見の一致がみられました。
(3)裁量性の採否につきましては、「予測可能性、透明性、公平性、迅速性の観点から、採用には慎重であるべき」との意見でおおむね一致しております。
要件・手続論の最後ですが、「5.課徴金の賦課手続」につきましては、8ページ目の冒頭ですが、「現行景品表示法における措置命令に係る手続と同様の手続に則って行われればよいのではないか」という意見でおおむね一致しました。
最後に「6.結びに」というところで、今後のことについて記載をしております。2行目で、「今後は、この中間整理を踏まえ、事業者等からさらなるヒアリングを行うとともに、これまで検討した論点を含め、更に検討が必要と考えられる論点について、引き続き調査審議を行うこととする。特に、被害回復の在り方については、…課徴金制度の導入を検討するに当たって被害回復の視点を持つことは重要であるとの指摘がなされたことにも留意する必要がある」としまして、下から5行目のところですが、「徴収した課徴金が何らかの形で一般消費者に還元される仕組みを構築できれば望ましい」といった意見も出されました。ただ、他方で、事業者からのヒアリングにおいては「課徴金はあくまでも国庫国庫に納付されるべき」との意見が出されていたところでもありまして、「この点については、要件・手続等の検討後に改めて検討の機会を設け、十分な審議を行うこととする」という形でまとめております。
事務局からの説明は以上です。

○小早川座長 どうもありがとうございました。
それでは、今、説明のありました中間整理案についての御意見、それから、さらにはこの中間整理を踏まえた今後の検討課題等についても御意見があるかと思いますが、それも含めまして御意見等の御発言をお願いします。
今日はこれに時間を充てますので、割合ゆっくり、と言っても3時ちょっと前までですが、どうしましょうか。多少、論点をまとめながら進めていきたいと思いますが、まず、最初のほう、あるいは全体にわたっての御質問、御意見があれば、その辺から。はい、宮城委員、どうぞ。

○宮城委員 この中間整理案に関しましては、事前に案としては見せていただいておりまして、私としてはこれで結構ですということで、この内容に異論があるわけではないのですが、後から気がついてしまったことが、済みません、ありまして、というのは今回の通常国会に上程されている現在の改正案、この中間整理との関係で言うと主観的要件との関係になってくるかと思うのですが、それとの関係でコンプライアンス体制、表示に対する不当表示がなされることを抑止するような社内体制をとっているかどうかということで、この主観的要件の認定を行うということが、それだけではないかもしれませんが、それが大きな部分を占めるということになると、その根拠となってくるのは改正法の7条ということになってくると思うのですが、その7条でよく読んでみると、7条のこういう体制をつくりなさいという、今日お手元にあるのでしょうか。改正案はないですね。後でごらんいただければと思うのですが、7条と4条1項の文言を比べてみると、優良誤認表示、有利誤認表示のうち、優良誤認表示については体制整備ということを7条は求めているのですが、有利誤認表示についても体制を整えなさいということは私の読み方が悪いのかもしれませんが、素直に読む限りは有利誤認表示についての体制整備ということは7条に入っていないのではないかと思われるのですが、その点を確認したいことと、もしそうであるならば、有利誤認表示の体制整備は要らないのですかというのが心配になってしまったのですが、その点、消費者庁から御説明いただけるとありがたいのですが。

○消費者庁加納消費者制度課長 改正法の7条ですが、お手元には用意しておりませんが、少し条文を読ませていただきますと、事業者は、自己の供給する商品または役務の取引について、景品類の提供または表示により不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主主的かつ合理的な選択を阻害することのないよう、景品類の価格の最高額、総額その他の景品類の提供に関する事項及び商品または役務の品質、規格その他の内容に関する表示に関する事項を適切に管理するために、必要な体制の整備その他の必要な事項を講じなければならないということでございまして、特に優良誤認に限るという規定ぶりにはなっていないと理解しております。

○宮城委員 4条1項1号、2号と7条の文言を比較すると、どうも景品は入っているのですけれども、なぜだか文言からすると優良誤認に該当するようなものだけが入っていて、有利誤認に該当するような文言は入っていないように思えるのですが。

○消費者庁加納消費者制度課長 正確なことは確認いたしますけれども、文言を見る限りは、特にどちらかだけにするというものではないと理解しております。

○小早川座長 そこは正確にはどうかということですが、今日のこの席では、そういう御指摘があったということでよろしいでしょうか。今後、必要があればさらに消費者庁から追加をいただくということで。
では、ほかにいかがでしょうか。今日は鹿野委員が御出席ですが、いろいろ言いたかったというところが何かあれば。

○鹿野委員 欠席が続きまして申しわけございませんでした。拝見していて、よほど言わなければいけないようなことになれば、欠席でも書面等で意見を出させていただこうかとも考えていたのですけれども、結果として書面の提出はしませんでした。今回の中間整理を見ますと、いくつか、意見が分かれているところにつき、私としてはこうだと考えるところ、あるいはもう一歩進んでここまで踏み込んだほうがいいのではないかと思うところ等はありますけれども、中間的な整理としては、このような形で基本的にはよろしいのではないかと考えているところです。

○小早川座長 そのように伺ってほっといたしました。
今、言われたとおり、これは中間整理ですので、今後の議論をきちんと効率的に進めていく上で、ある程度かためられる方向はかためておく、なお議論すべき点はその論点をできるだけ明確にした上で今後の議論の出発点にするといったような趣旨です。ですから、議論の全体の方向がもう少しいっていたのではないかとかいう御感想もあるかもしれませんが、その辺は今後議論をしていく中で御発言をいただくことにしたいのですけれども、逆に、こんなことにはなっていなかったはずだというようなところがあれば、ということです。そこは、もちろん、皆様から事前に御意見、御指摘をいただいた上で今日のペーパーがまとめられているとは思うのですが。はい、齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 中間整理で今後検討するということであれば、そういうことでもいいと思うのですけれども、今後検討していただきたいと思う項目を含めて今、申し上げます。
1つは書き出しのところです。必要性というところに、国民生活センターの消費生活年報から5万件ぐらいあるというくだりが冒頭にあり、5万件にとどまらない多くの消費者被害が生じていると言うべきであるという意見が出されたとあります。意見が出たのはそのとおりなのですけれども、これは私の認識と大きなギャップがあります。といいますのは国民生活センターでADRに上がってくるのは年間100件から150件です。それから、今、消費者庁からの措置命令が出されているものが大体年20~30件だったと思います。そうすると実際には隠れているであろうこの5万件とのギャップは何だろうか、というところに大きな疑問があるのです。最終取りまとめに至る過程では、そのあたりを書き込まないと、これだけで頭にすっと入ることには多分なりにくいと思っております。
2点目は、やり得ということで議論が結構進んできていて、抑止効果と両立しているわけです。けれども、やり得というときに、これは私の整理ができていなことによるのかもしれませんが、中古マーケットがだんだんインターネットなどで増えています。そこで、自ら、傷があったとか、この商品に使い勝手が悪いところがあったということを示さず、中古マーケットにインターネットを通じてぽんと出してくるものについて、どういう整理をしていくのか、位置づけていくのかということが今後必要だろうと思っております。マーケットが大きくなるだけに、必要です。
それから、5ページのところなのですが、規模基準で裾切りがあります。私は裾切りをしないほうがいいという考えです。事務的に対応できないということも確かにあるかもしれません。しかし裾切りを入れる場合には、より悪性の高い、これはひどいという表示が残る。ネットなどに残る可能性がある。それについて、また別途対策が必要だろうと思います。この課徴金制度と別としても、何とかキャンペーン、市場浄化作戦とか言うのかもしれませんけれども、何かそういうものがないと、むしろ悪いものが跋扈するネット・マーケットになったら困ると思います。
それから、この8ページの措置命令に係る手続のところですが、殊更に手続を加重する必要性は認められずと書かれています。しかし、今は余り運用事例がないようですけれども、一応、景表法の対象には公正取引委員会の告示が適用されていて、そこにははっきりと物的な表示と並んで口頭による広告その他の表示、これには電話も含む、とありますから、そういうものを本気になって事務局で取り調べようとすると、かなりヒアリングなどの事情聴取をしないと真実が出てこないと思います。思う存分その辺をやるのであれば、適正な手続が必要です。それなりの適正な手続が必要だと思います。過去の適用事例にこういう事案が余り挙がっていないのかもしれませんが、そこをどう考えるかということが今後の問題として残ると思います。

○小早川座長 ありがとうございました。今後の詰めの段階で、それぞれ検討に値する論点かと思います。

○宮城委員 何マーケットとおっしゃったのですか。言葉がわからなかったので。

○齋藤委員 インターネット上のネット・マーケットです。ネット上には中古市場などがたくさん出ていますね。あれは大体個人がやるのが多いのです。

○小早川座長 国センの件も出ましたけれども、オブザーバーの丹野さん、何かありましたら。

○国民生活センター丹野理事 一言だけ申し上げます。国民生活センターの統計は、全国の消費生活センターから寄せられた消費者側の主張に基づく相談件数ではあります。その中でここにあるとおり、主な相談内容を表示・広告とするものはこの件数で間違いございません。かえって審議の中ではむしろ件数がもっとつけられるのではないか、もっとそういう相談があるのではないかと御指摘を受けた部分、本当は不当な表示広告による誤認を端緒とする事案が数多くあるものだ、潜在的にあるのではないかという御指摘を御意見として承った部分がここに書かれていると理解をしております。数字的には、齋藤委員、国民生活センターのADR委員もお願いしておりますが、そこの部分は紛れがないと御了解いただければと思います。

○小早川座長 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 私も国民生活センターでADRをやっていまして、金額が1万円にならない事案でもADRにかかる。手数料がタダですので、ADRをPRしておきますけれども、利用される方がいて、納得いく結論を得ています。数字が間違っているとは思いません。先般、消費者庁の事務局から広告表示が不正・不当であるものについては、ほかに法律があればそちらを優先するという説明があったものですから、この件数の中のどの程度がそれに該当するのか、現在の運用基準からすれば外れるのか、ということがわからないということです。

○小早川座長 ここに出た具体的な数字についてはそれぞれ根拠に基づいた数字であると。ただ、質的に考えて、大きいものも小さいものもあるでしょうし、悪性の低いものもあるでしょうし、その辺の質的な評価についてはここでは特に断定的には書いておりません。そのようなことで今後の検討をしていただければと考えております。
はい、石戸谷委員長代理、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 4ページの主観的要素のところなのですが、中間整理としてはこれでいいと思いますけれども、今後の議論のためにコメントしておきます。
2段落目のところでざっくりと主観的要素を要件とする考え方としない考え方と分けていて、要件とすべきでないというのが少数意見で、比較的よく見られたというのが比較的多数説で、そこは折衷的な意見であるという整理になっているのですけれども、私のほうは正確には主観的要素を要件とすべきでないが、不当表示がなされた場合で主観的要素を欠く場合には、例外的に除外する折衷説的な少数意見でして、考え方とすると、そうすると比較的多数説の折衷意見と同じではないかとなるのですが、そこは違いがありまして、そこはどこが違うかというと、基本的には主観的要素は要らないというのは行政処分がもともとそういうものであるということと、金商法、独禁法で実際に不要ということで制度を導入して、運用しているではないかというところからスタートして、そこを尊重してスタートしつつ、景品表示法の課徴金の対象行為が独禁とか金商法の場合とちょっと違うではないかという特質を考慮して、主観的要素を欠く場合には除外するというふうな形で、主観的要素に配慮するという考え方でして、それによって主観的要素の証明とかいったような行政執行の負担が軽減されるということと、主観的要素への配慮が必要だというところを両立させるという考え方でありまして、そういうふうにすることによってすっきり整理できる。
すっきり整理できるというのは、比較的多数説のところで不当表示があれば主観的要素が満たしているものとしという、この「ものとし」というのがいろんな意味合いがあるのだと思うのですけれども、そういうわかりにくさというのがなくなるということと、推定だの立証責任の転嫁だのというややこしい議論にならなくて済むという考え方でありますので、念のためにコメントしておきます。

○小早川座長 ここは、私の記憶でも発言された方々それぞれにニュアンスがありまして、ここでは括ってありますけれども、それぞれ一律ではなかったと思います。理論的な意味でも、どういう枠組みで考えるかということもありました。今、おっしゃられた、基本的には主観的要素は要件としないでいいのだというお考えもありまして、それは、ここで言う「主観的要素が必要であるとの基本的認識に立ちつつ」というものとは確かに違うのですが、基本的に必要であるとの認識を述べられた方も結構おられたわけで、中間整理の文章としてまとめる際に、その辺を取り上げて表現したということで、お許しいただきたいと思います。
厳密な条文の書き方を念頭に置きながら議論を進めていけば、なおいろいろ論点は出てくるかと思いますが、そこは今後の課題ということにさせていただきたいと思います。
はい、増田委員、どうぞ。

○増田委員 非常によく取りまとめいただきまして、ありがとうございます。感謝いたします。
まずネット上の表示ということで、先ほど齋藤委員からも御指摘があったとおり、表示をメインにした御相談が多いのか少ないのかというのはあるのですけれども、多分、本来的にはもっと数が多いのだろうと印象としては受けております。ただ、消費生活センターなどに御相談いただく場合は、表示というところでの相談者からの申し入れよりも、勧誘行為であるとか解約したいというところがメインになってまいります。聴き取りによって表示に問題があればキーワードを振るという形になりますから、数としてはもっと多いと推測します。ただ、表示そのものについてそれだけで解決することはおよそ困難なわけですので、そういう意味で景表法の課徴金というところにつながっていくと私は理解しています。
それから、ネット上の取引の中で中古市場云々というものもございましたけれども、個人と事業者の線引きをどうするのかということと、裾切りの問題にもなってまいりますので、そこが非常に難しいと思います。むしろそれを管理するプラットフォームの問題ということもありますので、対象範囲をどうするかというところを今後の議論の中で尽くしていただきたいと思っております。

○小早川座長 ありがとうございました。
はい、宮城委員、どうぞ。

○宮城委員 今のお話で思い出してしまったことがあって、つい先日、楽天で例の事件があって、楽天に登録されている業者、モールで入っている業者の二重価格表示が問題になったということがありましたけれども、ネットの問題で言うと、景表法上の規制の対象となるのはその業者だけでいいんですかというところがあって、ああいうものについては何か、基本的にはモールの場所を貸しているだけだというのはわかるのですが、それでいいのかという疑問があって、そのあたり後半でせっかくああいう具体的なケースがあって、あのケースは分析して考えないといけないと思っているので、それはごめんなさい、まだ頭がよくまとまっていないのですけれども、後半でお時間をいただければと思っております。

○小早川座長 この問題は非常に重要な点だとは思いますが、課徴金との関係に限った話でもないですね。ですが、課徴金についての議論をしていく上で1つのトピックではあると思います。
消費者庁で何か一般的なお考え、御意見おありですか。

○消費者庁菅久審議官 現行の景品表示法の一般的な説明ということで言いますと、今の景品表示法の違反というのは、自己の供給する商品・サービスについての表示ということでございますので、商品・サービスを供給している人がまず対象で、その人の表示になります。ですからプラットフォームでありますとか、これはテナントでも同じですし、いろんなところで同じでございますけれども、そこに入っているお店ですね。お店が、その人が売っている商品で、その人が変な表示をしたらその人が違反者となるのが今は基本でございます。場所貸しだけをしている場合には、そのプラットフォーム業者が実際に販売に一緒にかかわっているとか、表示を一緒につくっているとか、そういうものがなければ一般的には入ってこないというのが、今の法律のつくり方でございます。

○宮城委員 その点は理解しておるのですが、おっしゃることは理屈としてはよくわかるのですけれども、ただ、このケースで言うと、そのプラットフォームというだけのかかわりではなくて、二重価格を行うに際して、それを指示した、ごめんなさい、私の記憶ですとたしか裏で指示したみたいな話があって、そうするとそのかかわりで課徴金との関係はどうなってくるのかなと。それは取り込める余地があるのかどうかと考えてしまったわけです。

○消費者庁菅久審議官 事実関係だけで申しますと、最初に大きく報道されたときは、先ほども二重価格表示を指示したみたいな話ありませんでした。つい最近その報道が出てきたということであります。今は会社のほうで事実関係を内部で調査していると聞いておりますので、我々は、その調査を待っているというところでございます。

○小早川座長 ほかにいかがでしょうか。
はい、岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 この中間報告の取り扱われ方次第なのですけれども、これはもちろん公開の会議ですから今この案を皆さんごらんになっていて、最終的な中間整理というのも国民の皆さんがごらんになるということ。そして、これはどなたに、我々の中でこれまでの議論を整理して、共通の認識を持つためのものなのか、どなたかに御提出するものなのでしょうか。それによって意見を言わせていただくかもしれません。

○小早川座長 河上委員長、どうぞ。

○河上委員長 特に名宛人がいるわけではございませんで、最終的な報告書をまとめるに際しての一里塚ということで、これを整理していただいたと認識しております。ただ、余り議論が後戻りするようなことになって、審議が遅れても困りますので、その意味ではピン留めをしておくことも考えていたわけです。
他方で御承知のように、景表法等の改正も含めたパッケージについて、今国会に法案の提出が予定されておりまして、その中である1条でもって1年以内ではありますけれども、課徴金制度について法律整備の検討をするんだという条文が入っております。恐らくその課徴金制度導入を検討すると法律の中に書いてある課徴金制度についての一定のイメージといいますか、それが全くない状態で審議が進むということは、これはあり得ないと思います。そこで、ここでの審議で一定の方向性を見せているものが1つのたたき台にはなるだろう。その結果、国会等で論点審議がさらに深められるということも期待されると考えております。

○小早川座長 これは、形式としては、公表はするのですね。

○岩田委員 はい。引き続きですが、最終報告書をまとめるときの実質的な今後の検討課題として残っているところがありますが、それ以外は最終報告書をまとめるときに、この形は結構残るのでしょうか。それとも最終報告書は違ったイメージのものなのでしょうか。

○河上委員長 これはむしろ、今これをまとめてくれている事務局のお考えも聞かないといけないのですけれども、基本的には最終報告書は最終報告書でありますので、これはその一里塚ということになります。これで決め打ちをするというではなくて、これを1つ前提にして、さらに議論を進めながら、場合によっては修正が必要になることもあるということであります。

○稲生参事官補佐 少し補足をさせていただきますと、これは第6回までに御議論いただいた内容を整理させていただいたものですので、今後、この場も含めてですが、この内容に関する御意見が出されて、さらに議論しましょうということになりましたら、その議論を踏まえた内容で最終的な取りまとめということになりますので、中間整理は中間整理として一応残りますけれども、これに縛られる形で最終取りまとめをと考えているわけではございません。

○小早川座長 消費者庁川口審議官、どうぞ。

○消費者庁川口審議官 今の委員長の御発言のうち、法案の取り扱いについてだけ補足させていただきます。
景表法の一部を改正する等の法案ということで、3月11日に今御紹介の法案は既に国会に提出されておりまして、衆議院本会議で既に1回審議をされたところでございます。衆議院の消費者問題に関する特別委員会に付託されて、これから同委員会で審議をされるというのが近々あるのではないかという状態でございます。

○小早川座長 岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 文章の性格は非常によく理解いたしました。そういう整理ですとこの案文は各委員の発言を丁寧に拾っておられると思いますし、事業者からのヒアリングもまた同様に丁寧に盛り込んでくださっていると思います。ですから本質的なところ、実質的なところの意見は事前にもメールで一度、私は意見を出させていただいて、反映をさせてもらっているのでよろしいのですけれども、ちょっと気になることとかわかりにくいところがあるので、ですからマイナーなことですけれども、よろしいでしょうか。
1つ、なお書きのところが何カ所かあって、これは事前にも御意見申し上げたのですけれども、なお書きの段落というのは本筋から少し離れた参考的な情報ですよとか、少し情報の価値として、意見の価値として一段落低いという印象を与えがちではないかと思うのです。それで事業者側からのヒアリングの内容がなお書きになっておりましたので、そこはなお書きではない本質的な御意見だと思いますので、直してほしいというふうに申し上げましたところ、直っているところと直っていないところがあるのですが、まずそこは何か理由があるかどうかお尋ねしたいと思います。

○稲生参事官補佐 今、岩田委員から御指摘のあった御意見は、事前に承っておりました。ただ、中間整理は委員の意見を整理したものという位置づけにしておりますので、基本的には事業者のヒアリングでの意見については、委員の御意見とは異なるものという意味で、原則としてはなお書きとさせていただこうと考えたものでございます。

○小早川座長 よろしいでしょうか。そこも、この文書の性格で、委員会及び専門調査会として外に向かって1つのまとまった意見を述べるということではなくて、委員会、専門調査会の委員の議論が今どういう状況になっているかということをまとめて、今後の議論の前提にもするし、また、議論の公開性という意味でそれをわかりやすい形で公表するということであります。事業者の御意見を反映してこういうふうにしましたということではないわけです。

○岩田委員 はい。その点について位置づけは理解できました。ありがとうございます。
次に申し上げたいことは今後のことなのですが、6ページに課徴金額の算定というところで、おおよそ合意ができているところと、さまざまな御意見があったところが書かれているのですけれども、これの真ん中よりも少し下のところでなお書きのところがありまして、売上額×3%ということについて反対の御意見が書かれておりまして、少なくとも10%を検討すべきという議論が書かれています。この議論をしたときに私は欠席だったので意見を言う機会がなかったのですけれども、今後の議論として私も一律で簡便な算定でなければ、行政の執行はなかなか難しいということでそこは賛同するのですが、では算定方式としてどういうものがいいのか、どういう水準がいいのかというのは、売上利益をどういうふうに平均的に推定するかということだと思いますので、1つはこれまで幾つかの課徴金制度でどういう算定になっていて、それぞれなぜそういう数字になっているかということを前回ヒアリングしましたけれども、もう一度それを整理することと、やはり産業データ的なものを集めていただいて、産業別とか業種別とか、もちろん赤字の企業もたくさん中小企業だとあるわけですが、全体として利益率というのはどのくらいのものなのかという利益率の平均とか中央値とか分布とか、今回、独自の判断をするということになれば、やはりそういうものをしっかり見て判断する必要があるのではないかと思った次第です。これは今後のことです。
最後に、私の理解が悪いのかもしれませんけれども、文章がわかりにくいところがあるのでお尋ねしたいと思います。2カ所あるのですが、いずれも5ページです。5ページのちょうど真ん中ぐらいなのですけれども、「以上のほか」というところから始まる段落があるのですが、その直前です。その直前で何を書こうとしているかがわからないのですけれども、重過失というのを要件にすることについては、いろいろ不都合があるというふうに書いてある箇所だと思うのですが、そこの最後のところです。最後の3~4行目、課徴金を賦課することが困難になるとの指摘や、その後ですね。軽過失あるいは不当表示による損害のリスクを消費者側に負担させるべきではないといった指摘があり、むしろ広く過失を要件とすべきではないかとの意見が出されたというのが、何を言われようとしているのかが、過失を要件とすべきだと言っているのですか。それとも過失を要件とすべきではないと言っているのですか。そこがわかりにくいというので御質問させてください。
同じページの下のほうの規模基準というところがあって、規模基準の「もっとも」というところから始まるパラグラフのところなのですけれども、違反行為の社会的影響の大きさや当事者の主観的対応にも配慮しつつ、基準額については慎重に設定されるべきであると書いているところの、違反行為の社会的影響の大きさや当事者の主観的対応にも配慮しつつというのは、何を言おうとされているのかというのも私にはわかりにくいので、この2カ所について何を主張されようとしているのか説明をいただきたいと思います。

○小早川座長 これはまずは事務局から御説明を。

○稲生参事官補佐 まず1点目の御指摘ですけれども、ここでは軽過失か重過失かの区別が難しいということを言っておりまして、なお書きの4行目のところにもございますが、軽過失か重過失かの認定は、民事裁判実務においても困難である場合が多いというところから来ているものでございます。結論としましては、広く過失を要件とすべきであるというところになるのですけれども。

○岩田委員 軽過失、重過失を区別せずに、広く過失を要件とすべきであるとここでは言っているのですか。

○稲生参事官補佐 はい、そういうことになります。

○小早川座長 今、言われたのは、「広く」で切るのですね。過失を要件とする、重過失に限らないということですね。広い意味の過失ということではない。

○稲生参事官補佐 2点目につきましては、基準額の設定について、具体的な御意見をまとめて抽象的に書いてしまったのでわかりにくくなったんだと思いますけれども、一定の裾切りは必要であるといったからといって従来どおりの基準であればいいというのではなくて、実際の事案について態様等いろいろな要素を配慮した上での設定が必要だという意見を記載したものでございます。

○小早川座長 これも御意見ということですね。「慎重に設定されるべきである」という意見があり、その意見につなげて次の、例えば7~8割ということですね。

○稲生参事官補佐 そうですね。課徴金制度の効果の担保が必要だというところから、考慮する要素としてはこのような社会的な影響の大きさ、主観的態様といった点が考えられるのではないかという御意見でございます。

○小早川座長 その御意見について、いやそれは違うという議論にはなっていないということを踏まえて、このような書き方になっているのだと思います。もちろん、繰り返しになりますけれども、これがここでの結論だということではございません。
ほかにいかがでしょうか。はい、高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 課徴金額の算定のところで、加算についての私の意見の部分について修文のお願いをしたいと思います。議事録案との照合ができていなかったので私の意見なのか、事務局のほうで書き加えたものかがわからなかったのですが、7ページ目の6行目から始まる「また」のところでございます。これで「また、加算措置については、さしあたり」という語が入っていたので、私が話したのかなと思ったのですが、議事録と照合しましたら私の意見ではなかったので、この「さしあたり」というのが意味不明なのでカットしていただきたいと思っています。故意の違反行為、再度の違反行為及び公益通報のもみ消し等違反行為の隠ぺいを加算事由としてはどうかというのが意見でございまして、加えるとすれば「抑止効果を高めるために」というふうに「さしあたり」という部分を置きかえていただきたいと思うのですが、もし「さしあたり」という語を入れる必要性があるのであれば、御説明いただきたいと思います。

○小早川座長 河上委員長、どうぞ。

○河上委員長 実はこれは私の発言部分でありまして、そのときに、高橋委員のご意見と重なったのかもしれませんが、例示的に故意の違反行為と再犯と、さらに公益通報のもみ消しなどというような言い方をしたのですが、まさにそれで全部を網羅しているというふうには思わずにしゃべっていたものですから、後で書き込みをするときに「さしあたり」という言葉を私が書き込んだという事情でございます。どうも失礼いたしました。

○高橋委員 わかりました。6回目に私も同じことを申し上げていて、重複していたのかもしれません。失礼いたしました。

○小早川座長 「さしあたり」は残してもよろしいですか。これが、ここに挙がっているものを入れろ、それ以外は入れるなという御意見であれば、「さしあたり」はまずいと思うのですけれども、何が加算事由になるかなというときに、こういうものがあるでしょうねという、そういう御意見であれば、「さしあたり」を入れても論理的には許されるかなと思います。

○高橋委員 ありがとうございます。「さしあたり」の点はわかったのですが、この加算事由を意見として強化する意味では、先ほど申し上げたように「抑止効果を高めるために」とか「高める意味でも」というふうなものを加えていただけたらと思います。

○小早川座長 御趣旨は、ここに挙がっているものは大事なんだ、制度目的からして大事なんだ、ということですね。

○高橋委員 そうです。

○河上委員長 趣旨はよくわかりますので、個人的には加えることについては異存ございません。

○小早川座長 「抑止効果を高めるために」というものを加えるか、それとも「さしあたり」を取るか。

○河上委員長 「さしあたり」は残しておいてください。「加算措置については、」の後に「抑止効果を高める意味でも」という言葉を加えることでいかがでしょうか。

○高橋委員 そのようにしていただけるとありがたいです。

○小早川座長 きれいに妥協がなり立ったようです。
それでは、時間の制約がありますので、最後に、唯根委員。

○唯根委員 最後に1点質問なのですが、8ページ、最後の「結びに」の下から5行目に「一般消費者」という表記の仕方があるのですが、これは「消費者」と区別する何か意味があっての用語でしょうか。

○河上委員長 この点は、事務局からお願いします。

○稲生参事官補佐 これは一般消費者の3行上の「被害者である消費者」と対比する形で、被害者本人に限らず、広く消費者皆さんという意味で、このような表現としたものです。

○小早川座長 ここは私の手も入れたところなのですけれども、今、言われた「被害者である消費者」というのは、具体的な案件で言えば消費者の中での特定の人が被害者であるわけです。でも、その人は消費者という属性において被害者になっているわけで、ほかの消費者もポテンシャルには被害者になり得たし、将来なるかもしれない。そういう関係であることを前提として、その当該事案において被害者になった人にスポットライトを当てるか、それとももっと広い意味で消費者を考えるか。そこでこの「一般消費者」という言葉に、もっともこの「一般」は私が入れたのではないかもしれませんが、言葉の使い分けとしてはそういうことになっていると思います。
それでは、本当に最後に、石戸谷委員長代理。

○石戸谷委員長代理 文章的にはこれで結構だと思います。後半の議論のために加算のところで先ほども話に出ていましたけれども、議論があったように大変悪質なものほど利益率が高いということで、それに対する抑止効果と考えたときに、売り上げの何パーセントという一律のあれでいいのかというところとの関係があるので、故意の加算を考えた場合に算定方法ともセットで絡んでくると思うのですけれども、公認会計士法で故意の場合の監査報酬相当額みたいな考え方もありますので、後半の議論でぜひその辺も検討いたしたいと思います。

○小早川座長 それでは、後半に向けての御意見ということがまだまだいろいろおありかと思いますけれども、今日のところは時間の関係もございますので、中間整理案の内容につきましては以上にしたいのですが。はい、加納課長、どうぞ。

○消費者庁加納消費者制度課長 冒頭の宮城委員からの御質問の点を確認いたしましたけれども、結論としては優良誤認だけではなくて有利誤認も対象になります。その文言解釈としては条文でいろいろ書いておりますけれども、管理するために必要な体制の整備、その他必要な措置と書いておりまして、そこで読むということのようでございます。

○宮城委員 わかりました。

○小早川座長 はい、菅久審議官、どうぞ。

○菅久審議官 今後の議論のためにお話に出ていた中で2点だけ、現行の運用について説明させていただきます。
1つは中古品の話が出ました。傷が書いていないという話です。これはもちろん事業者が中古品を出しているということかどうか、事業者かどうかという認定がもちろんございますが、当然、何か出したときには表示ということではいろんなことが書かれていて、写真が載っていたり、いろいろと書いていると思います。そこで消費者の選択に影響を与えるような不良な要素、傷みたいなことを書いていないとすれば、当然そういうものはないと消費者は考えるでしょうから、そういうことを書いていないとすれば、それは基本的には表示上の問題となり得るということかと思います。
もう一つ、口頭の表示のお話がございました。確かに口頭の表示ということで排除措置まで行った例というのは非常に数が少ないのですけれども、本年度1つございました。これは非常に珍しいのですが、ただ、景品表示法での口頭の表示ですので、具体的には説明会場で説明員がいろいろみんなに対してしゃべっている内容、その口でしゃべっている内容を特定して、それで違反にしたということであります。ですので、密室で何をしゃべっていたか明らかにするという話とは、全然性質が違うという点だけ御指摘させていただければと思っております。

○小早川座長 それでは、この中間整理案につきましては、1点、7ページの上から6行目「また、加算措置については、さしあたり、行為の違反行為」云々というところですが、「この加算措置については」の後に「抑止効果を高める意味でも」という文言を挿入して、「さしあたりこれこれを加算事由としてはどうかとの意見」にしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○小早川座長 では、その1点だけ、今日の案についての修正を加えることにして、事務局はそれでよろしいですね、他との齟齬は生じないですね。では、そういうことで本中間整理案について本日、皆様の御了解をいただいたということにさせていただき、これを公表することにしたいと思います。
では、委員長からさらに補足をいただきます。

○河上委員長 皆さまの御了解を得たということで、これは「案」が取れたということでして、本中間整理につきましては、本日17時から委員長記者会見で私から報道関係者へ説明をいたします。

○小早川座長 それでは、本日の議事は以上といたします。

≪3.閉会≫

○小早川座長 事務局から連絡事項等ありましたらどうぞ。

○金児企画官 本日はありがとうございました。
次回は4月16日水曜日の午前10時からを予定しております。議題等詳細については確定次第、委員会ホームページで御案内させていただきます。
なお、委員の皆様はこの後、打ち合わせを行いますので、恐縮ですけれども、この後、3時20分までに事務局へお越しいただきますよう、お願いいたします。
以上です。

○小早川座長 それでは、本日はこれで閉会といたします。お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

(以上)