第6回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2013年6月25日(火)10:00~11:12

場所

消費者庁記者会見室

出席者

【委員】
古城座長、井手座長代理、蟹瀬委員、古賀委員、橋本委員、松村委員、矢野委員
【消費者委員会担当委員】
山口委員長代理、細川委員
【事務局】
消費者委員会 小田大臣官房審議官、浅田参事官
消費者庁 草桶審議官、長谷川消費生活情報課長、日下部企画官

議事次第

1.開会
2.公共料金等専門調査会報告(案)について
3.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:60KB)
【資料1-1】 公共料金等専門調査会報告(案)の概要(PDF形式:126KB)
【資料1-2】 公共料金等専門調査会報告(案) ~消費者参画の機会、料金の適正性の確保に向けて~(PDF形式:626KB)

≪1.開会≫

○浅田参事官 では、お時間になりましたので、始めさせていただきます。
 本日は皆様、お忙しいところありがとうございます。ただいまから「消費者委員会公共料金等専門調査会」第6回会合を開催いたします。
 本日の御出席状況でございますけれども、所用により小塩委員、白山委員、山内委員及び消費者委員会担当委員の小幡委員が欠席ということで連絡をいただいております。橋本委員におかれましては、少しおくれて到着という連絡でございます。山口委員も少しおくれておりますが、御参加ということで連絡を受けております。
 議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。ただいまお配りしております資料ですが、配付資料一覧のとおりでございまして、資料は2件ございます。今回、報告の案の概要及び本体ということでございます。不足がございましたらお申し出ください。
 本日の会議については公開でございます。議事録についても後日公開いたします。
 それでは、古城座長、進行をお願いいたします。

≪2.公共料金等専門調査会報告(案)について≫

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。
 当専門委員会では、公共料金等にかかわる情報公開の実施状況のフォローアップ、公聴会、審議会における消費者参画の実質的な確保、料金の妥当性を検証する具体的な方法の進め方について4省庁からヒアリングを行い、その結果を踏まえ、今回、消費者庁が整理した諸課題について議論いたしました。
 本日はこれまでの議論を踏まえ、消費者庁が取りまとめた案について説明していただいた後、議論を行いたいと思います。
 それでは、消費者庁から御説明をお願いいたします。

○浅田参事官 事務局でございます。
 きょうの内容でございますけれども、冒頭でございますが、まず概要が資料1-1でポンチ絵をつけてございます。これまで御議論いただきましたものを事務局で取りまとめたものでございますけれども、柱としては位置づけとしては基本計画の進捗を踏まえて取りまとめということでございます。内容につきましては、これまでの御議論にありましたとおり柱2本ということでございまして、消費者参画の実質的な確保、料金適正性の確保といったことで、最終的には3本柱になりますけれども、決定過程の透明性、消費者参画の機会の確保、料金の適正性を一層確保していくことを目指したものでございます。
 詳細は消費者庁の事務局から御説明いたします。

○日下部企画官 それでは、資料1-1のポンチ絵でまずこの報告書の全体の形を簡単に御紹介させていただきたいと思います。
 まず報告書の位置づけでございますけれども、消費者基本計画の進捗を踏まえて取りまとめたもので、これまでの専門調査会の議論から得られた課題を示したものでございまして、取り組むべき課題と検討すべき論点ということで、左側の箱がまず課題でございます。それは消費者参画の実質的な確保に向けた課題。そのことは消費者委員会がフォローアップをしていくということでございます。審査要領や料金改定申請を検討・審査する場は外部有識者を中心として構成します。原則公開として透明性を確保します。それから、消費者が直接意見を表明できる機会の確保が必要。広聴会などを原則開催しなければいけない。それから、消費者庁は所管省庁との協議の際に、所管省庁の取り組みを検証する。つまり彼らが消費者参画の実質的な確保をどの程度しているか検証しながら協議を受ける。それから、物閣(物価問題に関する関係閣僚会議)に付議するような重大な案件については、検証ポイントを消費者庁が作成して、各省はその考え方を公表してくださいというのが、この報告書の中身になっております。
 右側でございますけれども、料金の適正性の確保に向けた論点ということで、これは中長期的な課題の論点でございますが、これはまだいろいろ今後検討すべきことが多いということで、消費者委員会みずからが今後検討していく。消費者庁や関係省庁はそれに協力していくという絵姿でございます。事業報酬算出のあり方や料金妥当性の継続的な検証のあり方、将来世代と現世代の費用負担のあり方、公共料金の国際比較といったものは、今後の中長期的課題として検討していかなければいけないということでございます。
 では、報告書の本体のほうに簡単に御紹介させていただきたいと思います。
 資料1-2、まず「はじめに」でございますけれども、全部読むのは時間がもったいないので簡単に御紹介させていただきたいと思います。
 1ページ下から2段落目、先ほど申し上げましたが、消費者基本計画の進捗状況を踏まえて取りまとめたもので、まだ「○回」と書いていますけれども、これは今回で終われば6回だし、さらにやれば7回だしということです。当専門調査会での議論や電気料金の調査会、これもここの専門調査会の下において、この後も北海道電力についてやりますけれども、そういった電気料金調査会での議論から得られた取り組むべき課題や今後の論点を示したものです。消費者庁及び所管省庁においては、こういった課題に取り組んでいくとともに、消費者委員会においてもフォローアップをしていくということでございます。
 具体的には2ページ目「消費者参画の自主的な確保に向けて取り組むべき課題」ということで幾つか挙げております。この際、最初のパラグラフの下から4行目ですけれども、電気料金認可申請の審査プロセスを一つの参照すべき先行事例として位置づけるということで、現在、経済産業省、消費者庁、消費者委員会などで行っています電気料金の認可申請のプロセスというのは非常にいいプロセスだという御評価がありましたので、そういったプロセスを一つの参照すべき先行事例として位置づけて、取り組んでいくことにしております。
 幾つか小見出しをつけていますけれども、(1)消費者参画の実質的な確保。最初は料金改定申請等を審議する「場」への消費者参画でございますが、最初の○で審査要領等原価として認める費用やその水準に関する基準の見直し、料金改定申請を議論・審議する場は、外部有識者を中心として構成される。そこの外部有識者には消費者団体とか学識経験者とか、そういった方を中心として構成されるべきであり、原則として公開するべきである。その際、一般の傍聴も認めるべきだし、資料や議事概要もホームページに掲載すべきである。もちろん機密情報まで公開しろとは言いませんが、そういったことをすべきである。
 審査要領や査定要領については、消費者が料金改定申請を評価し、理解する上で非常に有用だということで、ホームページに最新版を載せるとともに、その内容について必要に応じて随時見直しを行っていくべきである。それから、申請受理した書類はホームページに載せるべきとしております。
 次の○ですけれども、上記の議論・審議の場で、消費者の意見が取り上げられる機会をどのように設けていくかというのも考えるべきであり、その際、事業者の意見が取り上げるのであれば、そのときは消費者の意見も同じように取り上げるべきだと言っております。そのような議論、審議の場において、料金改定により影響を受ける消費者の代表を正規メンバー、オブザーバー、意見聴取者という形での参加を検討すべきである。
 その次ですけれども、公聴会開催等広範な消費者の意見を聴取する場を設定するということですが、料金改定というのは消費者に非常に大きな影響を与えますので、より広範な消費者の意見を取り上げられる機会を設ける必要がある。公聴会については法律によって開催しなければいけないと書いてある場合と、開催することができるという、大きく分けて2つの書きぶりがあるわけですけれども、何らかの定めがある場合というのは極力開催すべきである。公聴会開催の要請に係らしめられていながら関係者に消費者が含まれていない場合であっても、広く消費者の声を聴くために公聴会は開催すべきであるし、開催するに当たっては十分な時間的余裕を持って消費者に伝えなければいけない。消費者の意見表明の機会をできる限り確保する必要がある。公聴会を開催しない場合は、その理由を対外的に明らかにする必要がある。公聴会について特に定めがなくても消費者の意見を聴取する場は設定すべきである。公聴会の開催とか、消費者の意見の聴取はしないという場合であっても、ホームページなどを活用して広く国民から意見を募集するべきである。また、募集した意見の回答も公表すべきである。ただ、公聴会を開催する場合であっても、同様の対応を行うことが非常に望ましいとしております。
 料金改定申請を行った旨は消費者に十分に早く周知することが必要です。消費者庁は所管省庁主催の公聴会とは別に、今度は消費者庁側でございますけれども、サービス提供地域における消費者の意見を聞くべきである。今回の電気料金で言えば、我々も北海道から東北、四国、九州、大阪、いろいろ聞いてきたわけですが、そういうものをやるべきである。その際、可能な限り希望者の意見表明の機会を確保しなければならないということでございます。
 (2)は国民の意見の活用・消費者への啓発と書いていますけれども、公共料金に対する意見・相談というのは実質上、国民生活センターが管理しているPIO-NETなどで各消費生活センターを通じて入ってくることもあるかと思いますので、そういった情報はなるべく活用して共有すべきであること。それから、消費者の教育に関しても、消費者庁としては取り組んでいくべきではないか。公共料金に関する消費者の啓発活動とか、消費者教育に取り組んでいくべきだということを書いております。
 (3)は料金認可申請プロセスにおける実効性の確保でございますけれども、公共料金については基本的には所管省庁と消費者庁との間で協議はなされますので、消費者庁は十分協議を受ける機会を生かす必要性がある。
 最初の○でございますが、所管省庁と消費者庁との間での協議に先立って、消費者庁が検討に時間的余裕が持てるように、認可申請を行った場合には早めに消費者庁に連絡すべきだと。それを受けて消費者庁は検討を開始する。それから、消費者庁は所管省庁の協議に当たっては、実際の所管省庁の認可手続では消費者参画が実質的に確保されているかどうかというのを、ちゃんと消費者庁はその協議プロセスの中でチェックすべきである。
 3つ目の○ですけれども、物価問題に関する閣僚会議に付議されるような料金の認可手続について、消費者庁は検証ポイント、いわゆるチェックポイントと電気料金の場合は呼んでいますが、それを作成して消費者委員会の議論を踏まえて策定・公表すべきであること。それから、委員会としても所管省庁及び事業者へのヒアリングを行った上で、検証ポイントに盛り込むべき事項について議論すべきであるということでございます。所管省庁はその検証ポイントを可能な限り踏まえた上で査定を行うべきである。その検証ポイントに対する考え方を査定が終わるまでに公表すべきであるということでございます。
 5ページの3については、これから検討していくような中長期的な課題をまとめているということで「料金の適正性確保に向けて検討すべき論点」ということでまとめております。ここは最初の段落の最後の4行目を見ていただきますと、以下の論点について中長期的な課題として検討を行うべく、まず委員会で事実関係を整理して、検討に資する材料を整理していく必要がある。消費者庁を初めとする関係省庁は、この作業に積極的に協力していただきたいとしております。
 (1)は料金妥当性の継続的な検証のあり方について検討ということで、料金改定認可時の原価というのは当然、認可時から時間がたつといろいろ環境も変わってきますので、そこら辺の原価というのは十分変わっていくので、認可時の原価と現実の原価との乖離を把握する必要性がある。需要量についても、当初、需要量というのは基本的には低く予測して、単価を高く設定する誘因が当然働くわけですけれども、したがって、需要量が認可時の需要量と現実の需要量との乖離も把握しておく必要性があるということでございます。
 なお、現在はまだインフレ下とは言い切れないと思いますが、インフレ下になった場合においては、需要者は料金改定の認可申請をしてくる可能性が当然高いわけですけれども、そういう時期であっても厳しい検証、査定が行われるために、料金の妥当性が必然的に図られると考えられます。ただし、デフレ下において長期的に据え置かれる場合というのはなかなか査定がされない。そういうときに料金が適正かということの検証が非常に重要になってくるということでございます。
 検証するポイントというのは5ページの下から○で幾つか書いておりますけれども、どのような指標により、どの程度の頻度で行われるべきかとか、どのような情報が公表されることを検証できるかとか、6ページでございますけれども、上限料金を規制する公共料金と実際料金の規制する公共料金で妥当性の検証や手法が異なるかとか、あとは料金の検証によって変更しろという場合、逆に事業者のやる気がなくならないかというようなコスト削減インセンティブが損なわれる可能性をどう考えるかとか、諸外国ではどういうふうにやっているのかといったことを今後の検討課題として挙げております。
 (2)は総括原価方式における事業報酬の算出のあり方についての検討ということでございますけれども、一般的に公共事業というのは巨額の設備投資が必要だ。そのために減価償却費や事業報酬というのは一定程度のウェイトを占めるということで、料金設定において長期的固定的な影響を与える。総括原価方式では能率的な経営のもとにおける適正原価に利潤を加えたものが料金ですけれども、事業報酬と称される適正利潤については、その目的などが必ずしも消費者の方々に浸透しているとは言えないために、適正利潤を導入した目的、効果、加えて適正性が担保されている理由について改めて整理する必要性がある。これはよく意見交換会などをやると、そこのところがよくわからないという指摘を非常に多く受けます。
 例えばということでございますけれども、自己資本と他人資本のウェイト比が30:70とか65:65とかありますが、これは実績値とは全く異なるわけですが、そういったことについて実績値を求めるべきではないかとか、これは適正なのかといった疑問がよく意見交換会で出されますところ、こういったところについて1回検討・調査していく必要があると考えています。
 最初の○ですけれども、事業報酬の目的を料金規制との関係からいかに整理すべきか。資本調達コストへの充当を目的としたものか等ということでございます。その次ですが、事業報酬算出上のウェイト比はどう決定されるべきなのか、現実との乖離はどう考えるべきか。分野や事業規模で異なるべきなのか同一であるべきか、自己資本報酬率はどのような指標を参照して決定すべきか、レートベースに含まれる資産はどのような要件を満たしているか、諸外国ではどうしているかといったことを検討する必要があると考えています。
 次の四角のコラムについては、公共料金を取り巻く経済状況ということで最近の物価状況とか、公共料金をめぐる幾つかの資料を載せているところですけれども、ここは省略させていただきたいと思います。
 (3)は現世代消費者と将来世代消費者の費用負担ということで、このインフラの試算とかの維持費用というのは世代間で公平に負担すべきですけれども、地方公共団体が決定する公共料金、下の注で上下水道が考えられると書いてありますが、消費者参画が実質的に確保されているかを含めて、プロセスについても検討、提言を行うことが考えられます。基本的にインフラについては現役世代の負担を軽くして、今のお金を抑え、将来インフラの更新が必要なときに、将来の人が費用の負担をすることも往々にして考えられるところ、こういうことを書いております。
 2つ目の○ですけれども、現在の料金を低く抑えることを目的として、結果的に更新投資を抑制する方向に働くものはないか。修繕、更新、技術開発に必要な世代間負担について、どのように対応すべきかという課題を考えております。
 (4)は公共料金政策の国際比較についての検討ということで、各国の公共料金についての現状を調査すべきである。自由化されている公共料金も、その調査対象として含めて、料金規制における消費者への配慮がどのように実施されていたのか。また、自由化された後どういうようなセーフティネットを持っているか。そういうものを含めて調査をしていくべきではないかということでございます。これについては消費者庁としても何らかの対応を、予算をとってできればいいなと考えているところでございます。
 それから、そのときには単に金額とかだけではなくて、サービスの質とか、例えば電気であれば安定供給ができているかとか、そういったことも含めて検討すべきであるとしております。
 なお、当然こういった検討を行う際には事業の規模とか特性とか、大きな会社しかない業界もあれば、大きな会社から小さな会社まである業界もあれば、いろんな業界なり事業者があると思いますので、そういった例を考慮しながら柔軟に対応していくべきとしております。
 4は「おわりに」でございますけれども、2つ目のパラグラフに所管省庁及び消費者庁においては、こういった今回の認識ですが、電気料金の認可申請プロセスを1つの参照すべき先行事例として位置づけて、消費者参画の機会を確保すべく、先に掲げた課題に取り組んでいただきたい。委員会においてはフォローアップをしていただくとともに論点について、検討を開始されたい。その際、公共料金に関してこれまで行われてきた各種提言も踏まえいただきたい。
 最後「ただし」以降でございますけれども、一口に公共料金と言っても人件費の原価の太宗を占める分野が存在する。一方で設備投資が太宗を占める分野もありますので、そこら辺は安定した需要が見込める分野がある一方、需要の継続的な減少が見込まれる分野もある。いろんな分野があるので、そういった相違というのは含まれることは当然必要です。
 また、消費者団体について行政と事業者をつなぐ存在として、消費者に対してわかりやすい形で情報を提供するとか、幅広い消費者の利益を代表して意見を述べていくことが期待されていますので、そういった所管省庁、消費者庁においては、消費者団体との緊密な意思疎通に努められたいということで締めております。
 以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 では、報告書について御意見がある方は御発言をお願いいたします。発言のある方は名札をいつもどおりお立てください。

○橋本委員 今までいろいろな電気料金の地方公聴会であるとか、ヒアリングに参加させていただいて感じたことなのですけれども、公共料金、今回電気料金ということなのですが、事業者側から説明を受けても、その内容が適正なのかどうかという判断をする勉強会を別にしないと、わからないという参加者の御意見をお聞きしました。
 先ほどの説明の中でも、事業報酬についてよくわからないという意見が出ていますけれども、そういった説明までを事業者に求めるというのは難しいかなと思いますので、先ほどの「おわりに」の最後のところに消費者団体がそういう行政、事業者との中に立って、いろいろ意思疎通に努めるというふうになっているのですが、ここの部分でもう少し制度的に、例えば今回では電気料金についてこういう電気料金の専門家がいますよとか、そういった情報を消費者団体に出していただければ、消費者団体としてはそういう勉強会の場を設けることはできるのですけれども、なかなか専門家を調べるというところまで手が回らないところがありますので、そういった意味で制度上そういった推進法もできたことですし、勉強する機会をきちんと設けていただかないと、事業者のほうが情報量が多いわけですし、内容についてもよくわかっている中で消費者がその数字をきちんと把握できるのかどうかというところが、今回の流れの中で気になったところです。
 もう一点なのですが、7ページの公共料金政策の国際比較についての検討という中に入っているのですけれども、今、発送電分離といった話も出ておりますし、いろいろな面で公共料金もこれから自由化になる部分も出てくるのではないかと思うのですが、特に地方におきましては例えば発送電分離になった場合、発電の選択する権利というのはあるのですけれども、例えば離島とか非常に山間部において料金がどうなるのであろうかとか、そういった不安が出てまいりました。
 料金だけではなくて、商品とかサービスの内容、質についても不公平感が今後もし自由化になった場合、非常に大きくなるのではないかという懸念を何人かからお聞きしておりますので、こういった部分でももし今後公共料金がどのような方向になるかわからないのですけれども、やはりそういったセーフティネットみたいな消費者を保護するような利益をきちんと確保できるようにしていただくためにはどうしたらいいかということを、もっと考えていかなければいけないと思うのですけれども、国際比較の中に入ってしまっているので、ちょっと別立てでやってもいいのかなと感じております。
 以上です。

○古城座長 最初のはあれですか。消費者団体の勉強会に講師を派遣するような仕組み。

○橋本委員 講師派遣まで、そういった派遣事業があれば、予算がつけばそういったこともできるのです。

○古城座長 消費者委員会とか消費者庁で考えるべきだと。

○橋本委員 そうですね。関係省庁でもいいのですけれども、やはりそういった勉強する機会の確保というものを、場の提供というのは消費者団体ができると思うのです。
 以上です。

○古城座長 ありがとうございます。
 次に矢野委員、お願いします。

○矢野委員 調査会の報告書の受けとめる側が誰なのかという観点で、意見を述べさせていただきます。
 1ページの一番最後の部分に、1つは所管省庁と消費者庁、消費者委員会がこの報告書の内容を受けとめてということですが、これ自体は広くホームページ等で公表されますし、さきの研究会の報告書でも、消費者とか消費者団体が公共料金のあり方について積極的に関与していくことが示唆されていました。そういった意味ではこの報告書も当然にして、終わりの部分にも書いてありますが、消費者団体が受けとめて、これをどう消費者として積極的関与のところに資するものとしていくかというところがあると思いますので、そういった内容からすると、書きぶりについてもう少し丁寧さがほしい部分があります。
 まず2ページ(1)消費者参画の実質的な確保のところ。最初の1つ目の○でまず構成員ですが、外部有識者ということで下に注は出ていますが、一般的に外部有識者の受けとめに消費者団体が入るのかどうか。一般的受けとめは注を読めばわかるのですけれども、とすればポンチ絵をつくっていただいたのは大変ありがたいのですが、ポンチ絵の最初の構成のところの外部有識者には、できればここに※印で注をつけていただきたいなとか、消費者団体が入ることが、今回そもそも消費者参画の自主的な確保をどうするかということで、可能な限り消費者団体が入ることが前提になると思いますので、それは要望です。
 それから、2ページの下の○の1~2行目に、消費者の意見が取り上げられる機会をどのように設けていくかということが書いてありますが、設けていくというよりも、ここは積極的な意思を持つということで、ポンチ絵のほうは確保と書いてありますから、確保という言葉に変えていただきたいなと要望します。
 2つ目の意見は7ページです。(3)の2つ目の○ですが、料金を低く抑えることを目的として、結果的に更新投資を抑制する方向に働くようなものはないかということで、これ自体が何を意味するのか。恐らく例えばインフラのところで考えれば、いわゆる設備点検と、それは消費者にとっても安心な状況を提供するものに対して十分な投資が行われなければ、そこがおざなりになっていくわけですけれども、恐らくそういう意味ではないかと推察するのですが、この報告書を今後のところの消費者委員会なり関係したところ等が踏まえていくときに、これが何を意味しているのかきちんとわかるように少し説明があったほうがいいのではないでしょうか。
 以上です。

○古城座長 7ページのところはどういう趣旨なのか説明していただけますか。

○日下部企画官 基本的に当然料金を設定するときにインフラなどがある場合、それを更新していく必要性がずっと長い期間にわたってちゃんとしたサービスを提供するためにあるのですけれども、基本的によく考えられることとしては、今、料金を払っている人に対して、基本的にはなるべく低く抑えるために今だけちゃんとサービスが提供されるような最低限のかかるコストだけを料金として要求する。したがって、やがてインフラが古くなってきて、ちゃんと機能を果たせなくなってくると、いろいろ直したり置きかえたりお金がかかってくるわけですけれども、そうすると、そういったお金がかかるときに初めて費用をそのときの消費者に負担してもらう。
 したがって、今は安く抑えるわけですけれども、そのうちインフラが更新したり壊れたり直したりよりよいものにしていくときに、そのときにかかる費用をそのときの人に負担してもらおうということで、結果的に本当はそういったことも踏まえながら、今まだ壊れていない段階からある程度将来そういうお金がかかってくるとわかっている場合は、それを踏まえて料金を設定することはあり得るのですけれども、往々にして今の料金を抑えるために、そういった将来かかってくるお金を今の人ではなく、次のそのときの人に回そうということで抑えてしまうことがあるのではないか。そういう場合には例えば一部でやっているかもしれせんけれども、今の料金を少し高くしてお金を積み上げておくとか、いろんなやり方がそれに対する対処法としてあるのかもしれないのですが、そういうことを念頭に置いて書いております。

○古城座長 矢野委員、大体わかりましたか。
 次に蟹瀬委員、お願いします。

○蟹瀬委員 1ページ目の概要に書いてあります3つの点、決定過程の透明性、消費者参画の機会、料金の適正性を一層確保。大変うれしいまとめになっているかと思うのですが、3つほど私がお聞きしたいのは、まず3ページ目の公聴会を開きます。開かないときも何かそれなりのことをやりましょうということが書いてありますが、この公聴会の質的な問題と、もう一つ、公聴会が開かれた後の一般消費者の意見というのは、普通は公開されているのでしょうか。

○日下部企画官 公聴会自身は当然基本的には公開でやることが想定されています。

○蟹瀬委員 その意見をホームページなどで全部公開されていますか。

○日下部企画官 制度的に必ず公開しなければいけないというのはあるかわかりませんが、電気料金のときには公開していますけれども、そういったような国民への意見に対する答えみたいなものもあわせて最後の料金が査定方針として出たときに、参考資料としてそういった公聴会での意見とか、国民のホームページに集められた意見に対しての考えをまとめたものは公表されております。

○蟹瀬委員 そうですか。そうしたら、ここにやはり公聴会の意見を公開するという言葉まで入れたほうがいいと思います。
 私たちは北海道を含めて全部公聴会の意見を印刷したものをいただいております。そうすると消費者の方がどんなことを考えて見ていらっしゃるかというのがとてもよくわかって、逆に私たちがこういう視点もあるなと気づかされるところがあるので、ここに1つそれを加えていただけるといいなということが1つ。
 もう一つ、5ページ目なのですが、(1)の時代の変化に合わせて検証をし続けますというのは大変いい姿勢だと私は思うのですけれども、検証する時期あるいは期間という明記がここにはないのですが、できればそれは決定ではないにしても、2年に1回、1年に1回、半年に1回は難しいと思いますが、普通は3年に1回とかあるのでしょうけれども、それでは今、時代が追いつかないので、検証するのであればいつぐらいの、どのぐらいの間隔で検証しながら、もう一度見直すということを提案したりしますよということを書いてあるとうれしいなと思うのですが、その辺は難しいですか。

○日下部企画官 その点に関しては5ページの下から2つ目の○で、そもそも今どういうような指標が必要なのかとか、どのような頻度でそういった検証を行うべきかを、それを含めて検討していこうというのが5ページ目の下から2つ目の○でございます。

○蟹瀬委員 それは内容ですね。ですから検証するのは基本的にどのぐらいの期間というのがすごく大事なことであって、検証しますというのが10年に1回であれば検証したことにはならないので、その短期間で検証していく努力をするという姿勢をここである程度提示できればしたほうがいいかなというのが、私の第2の点の意見です。
 3番目はとてもつまらないことなのですが、6ページ目はもともと私が大変反対しています総括原価方式の見直しをしましょうというところが少し書かれていると思うのですけれども、4行目に、総括原価方式では料金は能率的な経営のもとにおける適正原価と適正利潤を加えたものと書いてありますが、能率的という言葉でいいのかどうかというのが私の疑問です。効率的経営という言い方はするのですが、能率的経営という言葉を余り私は経営しながら聞かないのですけれども、効果があるほうが効率的で、能率的は無駄なくはかどらせるという作業の問題なのですが、その作業が行われているから必ずしもいい利潤が上がるとは限りませんので、効果がある効率的な経営をしているかどうかちゃんと見るんだというところで、言葉で引っかかったので、もし気にならないようだったらこのままで結構です。

○日下部企画官 料金は能率的な経営のもとにおける適正原価と適正利潤を加えたものというのは、法律にそういうふうに書いてあるものをそのまま引っ張ってきたということでございます。

○蟹瀬委員 これは基本的に、徹底的に取り組んでいただければと思いますので、言葉のあやではありますので、意見としてお聞きください。

○古城座長 細川委員、お願いします。

○細川委員 まず1つが2ページ目の消費者参画の実質的な確保というところで、学識経験者を中心として構成される組織で審議しなさいということですけれども、先ほど矢野委員もおっしゃっていましたが、逆に言うと今、外部有識者が入っていないようなところで審議しているものがどの程度あるのかもわかりませんけれども、入っていても構成が問題になっているケースが多いのです。学識経験者を入れているからいいだろうという形で、実際にはここにあるように実務家というのも、いわゆる認可を受ける側の母体の出身者とか、そういう人ばかりで構成されているものもあるので、これは消費者団体代表と入れてほしいと思うのですけれども、ただ、たしか前に松村先生が利益代表を入れるという形は必ずしもよくないとかたしかおっしゃっていましたね。消費者団体の利益代表を入れれば事業者団体の利益代表を入れることになるわけだから、それはいいと思わない。確かにその部分もあるのですけれども、ただ、言わないでおくと必ず事業者団体の利益代表は入っているのです。必ず官僚の世界ではそれは当たり前なので、そういう意味で拮抗力という意味で言っている部分もあります。
 あるいは、余りそういうものは好ましくないのだったら推薦枠をつくる。こういう人がほしいのだけれども、消費者団体から推薦してほしいとか、そういうやり方もあるのではないかと思います。少なくとも今までも注2のところは消費者庁が内閣府の時代から言ってきたところで、これを盾に外部有識者は入っている。消費者の声も代弁できるような人たちを入れているのだから、それでいいんだみたいなことを例えば審議会は言ってきて、かたくなに消費者団体の代表を入れるのを拒んでいて、事業者団体の代表とかが多くを占めているという実態もありますので、ここの書きぶりはもう少しせっかくだから踏み込んでほしいなというのが1つです。
 あと、これは報告書案ですけれども、これ自体で全てなのか、これの後ろに資料編みたいなものはつけないのでしょうか。というのはやはり実態が1つにまとまっているというところが重要だと思うので、例えばそれぞれの分野でどういう審議会みたいなものがあって、構成員がどうなのかとか、あるいは審査要領も全てというわけにはいかないでしょうけれども、主なところの審査要領を後ろにつけておけば、その次の作業で大分楽になりますね。実際には審査要領が非常に適当というか、余り実態がないものもありますので、そういった資料を充実させる。一覧できるような形にする報告書にしていただくと、今後の作業は楽になるのではないかと思います。
 やはり今まで御意見ありましたけれども、これの位置づけです。この報告書を出して、この公共料金等専門調査会はこれで終わりということなのでしょうか。次に続くということは聞いていますが、そうなると親委員会としての消費者委員会、公共料金等専門調査会、消費者庁のそれぞれの役割が今後どうなっていくのかというのは、ちょっとまだ見えてこない。それを明確にしていかないと話が進んでいかない感じがいたします。
 以上です。

○古城座長 今の御質問についてお答えできるところで。

○日下部企画官 今後の進め方ですけれども、親委員会については我々がどうのということは余り申し上げにくいですが、今後イメージしているのは、こういった今日のような場を活用しつつ、これからも後半の部分の3ポツとかの検討を深めて、中長期的な課題については当然検討していかなければいけないし、そういうときに当然消費者庁も積極的に協力してやっていく。今回も一緒にやってきたわけですけれども、これからもそういうことを想定しています。また、いろいろ調査とかしなければいけないのであれば、消費者庁で予算がとれれば、とれるかどうかは予算要求してみないとわかりませんけれども、そういった予算を活用しながら消費者庁で調べたものを、こういった今後の検討の場に反映させていくことも当然していかなければいけないと思っているところでございます。
 最期の5ページ目3ポツの最初のパラグラフに書いていますけれども、消費者委員会で事実関係を整理して、検討に資する材料を整備していく。そのときには当然、我々消費者庁もいろいろ材料を出して、一緒に協力してやっていくということを念頭に置いているということでございます。フォローアップについては消費者庁も陰でサポートはすると思いますけれども、当然消費者委員会が主導的していくという位置づけかなと考えています。
 それから、いろいろな資料について報告するのはこの辺かなと思っていましたけれども、何か参考資料集みたいなものは検討してみたいと思います。

○古城座長 浅田参事官、どうぞ。

○浅田参事官 今後の消費者委員会ということで矢野委員から御提言ございましたけれども、ここにありますとおり、冒頭申しましたとおり、中長期的な課題ということで今後検討すべき課題も特にここに入っておりますので、多分ここの現在の第3次に向けて、9月以降、第3次になりますけれども、そこに向けて当然時間をかけて検討していく課題も入っているということでございますので、そういったところも含めて今後委員会の中でも検討していただくことになると思います。その際、こういった公共料金については専門家の知見が必要になると思いますので、こういった専門調査会を引き続き継続していくことが十分考え得る選択肢であると、事務局としては考えおるところでございます。
 消費者長との関係につきましては、今、日下部企画官が御説明したとおりですが、事務局でもこうやって連携しながらやっているわけですけれども、引き続きこういう形態でやってきたいということになります。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 ポンチ絵までつくっていただいて、ありがとうございました。
 意見も含めて2点お伺いしたいのですが、ポンチ絵の最初の消費者参画の一番上のところ、先ほどから御意見など出ているところなのですが、「審査要領や料金改定申請を検討・審議する場は外部有識者を中心として構成」となっているのですが、主体性の確認をさせていただきたいのですけれども、2ページの(1)の1つ目の○、「外部有識者を中心として構成されるべきであり」という先ほどから議論になっているところなのですが、消費者委員会が公共料金としての審議をする場として消費者参画を要請する位置づけということだと思いますが、「審査要領や料金改定申請」と書いてあることから、この審査要領についての決定にも消費者参画も含むと読めるのですけれども、この辺のところを整理していただけますでしょうか。言っている意味がわからないでしょうか。
 ここを読みますと「審査要領等原価として認める費用やその水準に関する基準の見直し、料金改定申請を議論・審議する場は、外部有識者を中心に」云々とあるのですけれども、私たちが今までしていたのは、審査要領の内容自体についての議論というのはもちろんこの場ではされることはなかったのですが、この文章の意味するところには、審査要領(作成等)についても消費者庁が、消費者参画の要請をするというように考えていいのでしょうか。
 と申しますのは、要するに私たちは一生懸命、経産省も含めて二重のチェックを料金などについてしてきたわけなのですけれども、やはり審査要領自体の限界というのがあって、どうしても踏み込めないところが多々あると思っています。事業報酬にしてもそうですが、減価償却の問題ですとか、原発の関連費用についての損害賠償についても、たとえば、東電の事故に対して全国の電力会社が負担をしている。そういうことについて一般の消費者の理解というのは全く得られていないのです。そうしますと審査要領自体、この審査要領はたしか東電の事故の後で有識者会議の方がつくられたものだと思うのですけれども、それについては消費者参画ということは全くなかったわけですので、今回の消費者委員会の提言としては、今後はそれらの審査要領も含めて、大元を含めて消費者参画を要請する趣旨であるかどうかということを、もう少し書きぶりも含めて検討していただきたいという点が1点。
 少し散漫になってしまいますが、今日いただいた、「自民党のタクシー適正化新法改正案は談合容認法案で断固反対します」という各委員あての文書が来ているのですが、今回の公共料金についての審査というか、公共料金のあり方についての検討の中で、どこがこうした声に対応すべきなのか私もわからないのですけれども、要するに、私たちは値上げ申請に対して消費者への影響の大きい、もしくは不当であると疑われるものについての消費者の立場からの意見をずっと申し上げ続けているのですが、反面、こうした事業者の方が自主的に料金を下げたいことを国が阻害しているという事実も一方であるわけです。これに対して消費者委員会としても、このような料金についての問題が、消費者保護にとって大切な独禁法の適用除外になってしまうというのは国民にとっては大変なことだと思います。こうしたことが消費者委員会や消費者庁に取り組むべき部門というものをつくってほしいということは、国民の要求としてあることだと思いますので、この公共料金の消費者参画を含めて、公共料金に対しての値下げインセンティブを受けとめる場所を消費者委員会の中に入れることを1つ、今さらになってですが、きょうこの文書をいただいたので改めて提案させていただきたいと思います。
 もう一つ、今、細川委員もおっしゃられたのですが、この報告書に公共料金担当消費者委員として、細川委員の出された意見書もつけて報告書としていただくことを希望します。
 以上です。

○古城座長 その消費者参画のところだけ、まずお答えください。

○日下部企画官 審査要領を議論する場においても当然、消費者団体を含む外部有識者が参画するべきであるという趣旨で書いてあります。本文も2ページ(1)の最初の○でございますけれども、審査要領等原価と認める費用やその水準に関する基準の見直し、いわゆる審査要領の見直しです。それから、料金改定の審査する場ということで、我々のイメージは両方をイメージしていましたので、もしそこがわかりにくければ工夫したいと思いますけれども、いずれの場合においてもということでございます。
 恐らく東電のときは最初いろいろあって、その反省を踏まえてこういう形がいいのかなということにしてございます。

○古城座長 今の古賀さんの質問の趣旨だと、東電の有識者会議には消費者は入っていないのですけれども、それはそれで大丈夫なのですね。これは批判する趣旨ではないのですね。

○松村委員 東電問題に関しての有識者会議のことをおっしゃったのではなく、東電の問題の後で料金に関して整理した有識者会議のことだと思います。東電に限定したその後の東電の値上げ申請に関する料金審査委員会、あるいはその前の経営財務調査委員会の話ではなかったと思います。

○古城座長 料金の算定要領の改正でしたか。

○浅田参事官 審査要領です。

○古城座長 そのときの有識者会議には消費者は入っていない。だけれども、それを批判する趣旨ではないのですね。

○日下部企画官 そういうものを踏まえて、その後は全部入るようになったので、そのときはまだそこまで議論が追いついていなかったのですけれども、その後の一連のプロセスでは、消費者庁から消費者の代表を入れてくださいという話をして入ったということです。

○小田審議官 整理すると、審査要領の話と審査の話は別ですね。電気料金の審査要領については松村先生も入られて、エネ庁のほうでつくられた。ただ、そのときには消費者の参画はなかった。
 その審査要領に基づいて具体的に料金審査、査定というものが東電から始まったわけですが、それに対しては消費者庁や消費者委員会からエネ庁に対して意見を申し上げて、消費者の参画を確保してほしい。それはオブザーバーで矢野さんとか阿南長官が入られたり、東電以降の関電、九電についてはメンバーの中に入られたりとか、公聴会を開く、国民の声を聞くとか、相当そこは意見を入れてもらって進んでいる。それも踏まえて今度は単に審査だけの、査定の話だけではなくて、改めて審査要領とか、そういう基準をつくるとか見直す機会があれば、まさに古賀さんがおっしゃったような御意見もあるので、その段階から消費者が何らかの格好で意見を述べる機会をつくることも大事ですね。そういうことですね。

○日下部企画官 そういうことです。

○古城座長 有識者会議には今後は消費者を入れるべきだという意見なのですか。

○日下部企画官 そういうことです。

○古城座長 わかりました。
 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 昨年3月あたりに東京電力の値上げの問題が始まって以来、一体どうなることかと心配していたのですが、このようにレールが敷かれて、こういう報告書ができるようになったことについては、私自身は評価したいと思います。
 その上で大小4点指摘させていただきたいのですが、先ほど細川委員も言いましたけれども、消費者という言葉が書かれているのですが、消費者とは何かということで、消費者庁で何か解釈基準みたいなものをつくられたということで、要するに学者や弁護士やその他、事業者側でいろいろ活動している方も含めて、生活者なんだから消費者なんだという形で審議会のメンバーに消費者は実質的に利用者、消費者の声を反映する方が選ばれていないということがありますので、この辺の表現ぶりについては一定工夫をしていただきたい。この表現では現状と余りかわらないのではないかと思いますので、もう一工夫お願いしたいと思います。
 2番目は、決定過程の透明性ということはポンチ絵にも書いていただいているのですが、情報公開あるいは情報開示の重要性なり、その基準をどうするか、どうあるべきかということについては、特に項目を立てて書かれていないですね。エネ庁の情報公開のガイドラインがあのままでよかったかどうかも含めて、各省庁の情報公開あるいは情報開示の基準を見ていますとばらばらで、かなり時代おくれのものもあるように思えるのです。そういう意味では今後の中長期的な課題のところに盛り込んでいただいても構いませんので、情報公開や情報開示の基準を今後見直すことも含めて重要なんだということは、どこかに盛り込む必要があるのではないかと思いますので、その点はぜひ御検討いただきたいと思います。
 第3に、先ほどもお話がありましたが、7ページあたりで国際比較のところに自由化についての問題が書かれているのですが、これはどうもタイトルが国際比較と書いてあって、中身を見ると自由化の場合の料金の上限規制をどうするのかということが書かれてあって、タイトルと中身が違うのではないか。それから、もちろん世代間の負担のあり方は重要な問題で、これはこれで書かれることには賛成なのですが、地域間の負担の問題です。つまり郵便料金などは地方の過疎地の非常に費用がかかる部分を、都市部の黒字で補っている部分があって、それはそれで国民的な支持があるかと思うのですが、電気料金でそれほど問題になりませんでしたが、今後ガス料金とか、特に水道料金なども含めて地域間格差はどうするのかというのが、かなり重要な問題だと思うのです。これはここに項目が特に書かれていませんが、今後中長期的な検討課題の1つとしては、それは何行でもいいから盛り込んでいただく必要があるのではないかと思いましたが、お願いしたい。
 最後は細かいことなのですが、一番最後の8ページの「おわりに」の真ん中あたりに、消費者委員会においてフォローアップしていただくとともに、各種提言を踏まえていただきたいということで、急にここでは消費者委員会に対して言葉づかいがいただく云々となっているのです。それ以前のところでは消費者委員会としても、こうしたいという表現ぶりになっておりまして、私はそれでいいと思いますので、消費者委員会のもとの専門調査会の報告書なのですから、8ページの一番最後の表現は違和感があるので検討いただければと思います。
 以上です。

○古城座長 事務局からお答えすることはありますか。

○日下部企画官 検討させていただきます。

○古城座長 松村委員、どうぞ。

○松村委員 細かいことですが、2ページ目の脚注1の本項の「項」の字は意図どおりですか。間違っているというわけではないので、誤字では無く意図的なのかだけ、後で確認し、もし誤字なら直しておいてください。
 それから、今も山口さんから御指摘があった7~8ページの国際比較のところです。国際比較に関してちゃんと調査すべきだというのはもっともで、文章を変えていただく必要はない。直近、自由化の問題が出てくるとすればエネルギー、とりわけ電気になると思います。それでセーフティネットはどのような対応がされているか調査すべきであるというのは、事業者がしばしば言うことです。調査するとセーフティネットなど他の国ではほとんどないとか、あるいはフランスでは自由化して一応ある種の保障料金はあるのだけれども、一旦今までの独占事業者から離脱すると、別の事業者に移れるということが明らかになったわけだから、その保護が外れるという制度です。これは常識的に考えても出来の悪い制度だと思います。事業者を一旦変えてしまったら、その後保護がなくなるということですから、今までの事業者から買い続ける強いインセンティブを与えてしまう制度です。外国から学び、こういう制度があるということを強調しすぎると、電気料金の文脈では必ずしもいい制度にならない可能性もあります。
 もう一つは、大口の既に自由化された市場では、自由化されてこんなに時間がたつのにまだ新規参入者のマーケットシェアが日本では4%。こういう、競争が非常に起こりにくい国の制度設計と、諸外国のようにかなりの競争が行われているところで必要なセーフティネットと、おのずから違うと思います。海外のことはちゃんと勉強しなければいけないのはその通りで、異議はないのですが、海外でやっていないのだから消費者保護は不要だと言う結論になると怖いなと心配しています。そういう意図ではない、という発言が議事録に残り、それに対する異議が無かったことが記録に残っていれば、この記述が悪用されることはないので、この意図で発言いたしました。
 その次に書いてある、料金の妥当性や事業効率性を調査するためには可能な範囲でサービスの質も検討すべきであると言う記述です。これも電気事業者がすぐ言うことなのですけれども、日本の電気料金が高いが、クオリティも高いという言い訳がすぐ出てきて、これで思考が停止してしまう。クオリティが高いという説明も一方的で、実はかなり正しくないとは思っているのですが、クオリティが高いのだから料金が高くて当然という思考停止になるのではなく、料金格差がクオリティで説明できる範囲かどうかをきちんと考える必要があるわけです。
 最近の改革の動きは全く、電気に関しては少なくとも、逆の方向で、今まではむしろクオリティのことばかり考えていて、そこで思考停止していたのを何とか変えようという方向だった。時計の針を巻き戻すような意図に曲解されるととても嫌だなと思って発言をしました。しかし、言っていること自体は極めて妥当なことですし、他の公共料金にも十分当てはまることなので、記述を変えていただきたいとは思わないのですが、この報告書がそういうふうに利用されないためにも、発言しました。
 古賀委員がおっしゃったことに対して、そういうことですという事務局の御回答だったのでこれ以上、言うことはないとは思うのですが、私は基本的に反対です。
 まずルールを決めるのに利益代表者が入っていることのほうが望ましいとは思いません。料金算定のルールを決めようというときに、例えば電気事業者も入り、消費者代表も入り、そこで議論する。実は震災前はそういうスタイルでやっていたのです。
 具体的に言うと電気事業分科会とかで決めていたわけですが、電気事業分科会には事業者の代表も入っていますけれども、一応、消費者の代表という名目の委員はちゃんと入っていました。そうすると、古賀委員の言うことを額面通りに受け取ると、極端なことを言えば今回のやり方ではなく、昔の電気事業分科会でやったほうがずっとよかったのかということにもなりかねない。形だけ消費者代表の委員が入っていて、事業者代表の委員も入っていて、実質的には事業者代表が支配するようなところで決めてしまうよりも、あのやり方のほうがはるかによかったと思います。
 その後も、料金審査の場で消費者代表の人が入ったということですが、私としてはそこで具体的に入った例えば辰巳委員は、消費者代表として発言するのではなく、消費者の問題に非常に詳しい専門家が中立的な立場で発言すべきであって、利益代表者として加わるべきではないと私は今でも思っていますし、実際に中立的な発言を心がけておられると認識しています。
 あのやり方は、私は正しいやり方の一つ、唯一の適切なやり方とは言いませんが、適切な形の一つだったと考えます。少なくとも従来に比べて非常に大きな改善で、形式的に消費者代表を入れとかということだけを言うと、むしろ時計の針を戻したようなやり方が肯定されることになりかねない。古賀委員がそういう意図で言ったのではないことは明らかですが、そういうふうに利用されたらかなわない。中立的な委員だけで詳細なルールを決めるのが間違っているとも不適切だとも思えません。
 それから、申し訳ないのですが、御発言の中で事実誤認があったのではないかと思います。例えば、もし他の電力会社も東電の事故の負担をした、事故の負担の結果電気代が上がってしまった、というのが、もし一般負担金のことを念頭に置かれていたとするならば、一般負担金を料金に入れ、特別負担金は料金に入れないというのは、私はあの委員会の裁量ではなかったと思っています。他の法律で、政府ないし国会の方針で、基本的に決まったことだと認識しています。あの会議の役割は、他のルールで決まっていることを変えるのではなく、法律の範囲内で、解釈でできることだけを整理したはずです。そこまでは裁量の範囲ではなかったと認識しております。あるいは東京電力が具体的に事故対応の安定化費用、経常的な費用を料金に入れたということをもし指しているのであれば、それはその後の料金審査委員会で入れるべきかどうかということが議論されたことからして、その前の有識者会議でルールが決まったというものではないのは明らかです。もしルールが有識者会議で決まったということなら、その後、議論する余地がなかったはずですから。いずれにせよ私は事実誤認ではないかと思っています。
 以上です。

○古城座長 事務局から何かございますか。
 井手委員、次お願いします。

○井手座長代理 時間もないので簡単に。
 以前、公共料金の値上げと値下げの場合にもそれが適正かどうかという、そういう議論があったと思うのですけれども、今回の2ページ目から3ページ目、4ページ目にある話というのは、ほとんど値上げの改定を念頭に置いた話で、5ページのところで長期間据え置かれている場合においては、その料金の妥当性をどうやって検証するかという仕組みを考えるべき、情報公開等と書いていますけれども、そういう意味で前半の公共料金の改定というところで現在の値上げについては認可で、値下げについては届け出という制度は消費者庁としてはあるべき姿としては問題ない。それで値下げとか長期に据え置かれているものについては、料金の妥当性を継続的に検証する仕組みで取り組むというふうに、この報告書では読めるのですけれども、それでよろしいのかというのが1点。
 2点目は、3ページのところで公聴会が開かれる場合と開かれない場合が脚注で書かれておりますけれども、できればどういう分野で公聴会が開催しなければいけなくて、しなくていいのはどういう分野かというのをぜひ記載していただくと丁寧なのかなと。
 7ページ目に国際比較についてですが、これも先ほどフランスの例もありましたけれども、もちろんイギリスとかドイツで離脱した人に対して、また戻ってきた消費者に対してどういう措置をするかというのも、国によって違う。それはいろんな事情があってそういう制度ができ上がっているのだと思いますので、そのところは消費者の観点から、それから、その諸外国では大口の需要家についても大口の需要家の例えば団体というのがあって、規制当局がやっている規制のやり方というものに対して、おかしいという意見を持っている。そういった消費者あるいは大口の消費者というのも当然あって、そこでいろんな情報が収集されている。それから、御存じのとおりエナジーウォッチとかポストウォッチとか、いろんな政府機関とは別の機関というのがそれなりに規制のあり方とか料金の問題についてもウォッチしているというので、こういったこともあわせて国際的な比較をする場合に検討するということも方法だろうと思います。

○古城座長 質問もございましたから、お答えください。

○日下部企画官 基本的に現状では値上げするときには協議が来て認可するというようなプロセスで、値下げのときには届出というのは現時点ではそうなっていますので、この報告書の時点ではそういうものを想定して、書いているということでございます。

○古城座長 質問は違うと思うのですけれども、この報告書は値下げについては届出制のままでいいということを前提にしているわけではないですね。

○日下部企画官 値下げについても今後の課題としていろいろ見直しをして、何かあればそれは言わなければいけないということです。それはどういうことがそろったら、どう言えばいいかというのは今後検討していくことだと思います。

○古城座長 だから届出制はそれでOKと言っているわけではないという趣旨で理解していただいたほうがよいと思います。書かないとわからないというので、表現上もう少し考えたい。

○井手座長代理 それであれば、前半の部分のところは値上げの申請のことについて書かれていると理解しているので、それはそれでわかるように記載していただくということです。

○山口委員長代理 公聴会については何か資料をつけたらどうですか。

○日下部企画官 現状がどうなっているのかわからないので、調べておきたいと思います。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 先ほどの特定負担金のことと、有識者会議についての事実誤認があれば、後でゆっくり松村委員にお伺いしたいと思いました。
 重要な点なのでもう一度確認させていただきたいのですが、審査要領についても消費者参画を求めることを消費者委員会として希望するという、そのような趣旨だとお伺いしたのですけれども、まさに形式的に消費者代表が入っていればいいというようなことですと、それは消費者参画という問題の本質として意味がないというのは全くそのとおりで、だからと言って協議会の形にするのがいいということでは全くなくて、まさに審議会の中で料金の算定に係るガイドラインについても、消費者の参画を許しながら、もちろん中立的な消費者という意味でですけれども、許しながら、なおかつ透明性、公開性を高めていくことが必要で、私は東電のときの有識者会議については、やはり情報の透明性とか公開性は満たされていなかったし、現審査要領についても見直すべきところがあると思いますし、その際にはぜひ消費者参画を認めるような方向の議論をしていただきたいと思っています。

○古城座長 どうぞ。

○長谷川消費生活情報課長 今のお話の関係なのですが、2ページ目はまさに外部有識者を中心とした議論・審議の趣旨は松村先生おっしゃったような、基本的に今回、利害関係者が利害を強調する場ではありませんので、あくまでも専門的、中立的な議論というところがバックグラウンドにあるということでありますので、そこは少し文章がもう少し正確になるように表現は検討してみたいと思います。

○古城座長 細川委員、どうぞ。

○細川委員 私はそういったシステムづくりに消費者の視点が反映されていることは必要だと思うのです。具体的に利益代表か入るかどうかという問題よりも、消費者の目線が入ったものになっているかどうかというところが重要なので、そういう意味で言うと算定要領自体がどうもよくわからない。例えばもし省令で出ているのだったらパブコメをやるでしょうし、そこで一定のプロセスはあるけれども、そういうものではなくて内規みたいにつくっているとか、あるいは今、消費者委員会で鉄道の加算運賃のことを国交省とやっていますけれども、持ち帰って考えますなんて彼らが言ったときには、事業者とよく相談してやりますとしか言わないのです。だから決めるときは事業者さえ納得させればいいんだと。全く消費者の視点がないわけではないと思いますけれども、どうも事業者とつくるんだという意思が強いので、そこに風穴を開けたい、透明化をしたいという気持ちはすごく思います。

○古城座長 この部分は検討させてください。外部有識者の中に消費者を無理やりに入れてしまうのは普通ではなくて、普通は外部有識者、事業者、消費者と普通3つにかき分けるのだから、少しこの点も整理する必要があると思います。
 それでは、まだ御議論あるかと思いますけれども、時間が押しておりますので議論は以上といたします。

≪3.閉会≫

○古城座長 報告につきましては本日さまざまな意見が出されました。事務局で整理の上、修正作業をお願いいたします。
 この報告書案の扱いについては、再度専門委員会を開催して、御議論いただくかも含めまして事務局と相談して今後の対応を御連絡いたします。
 あと事務局から連絡事項ございますか。

○浅田参事官 特にございません。座長がおっしゃられたとおりです。

○古城座長 それでは「公共料金等専門調査会」はこれにて閉会とさせていただきます。時間が少し超過しておりますので、休息なしで11時15分から家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会を開催いたします。よろしくお願いいたします。

(以上)