第2回 家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会 議事録

日時

2013年1月24日(木)9:30~12:38

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
古城座長、井手座長代理、小塩委員、蟹瀬委員、古賀委員、白山委員、橋本委員、矢野委員
【消費者委員会担当委員】
山口委員長代理、小幡委員、細川委員
【説明者】
 経済産業省資源エネルギー庁  片岡電力市場整備課長
 全大阪消費者団体連絡会  飯田事務局長
 北九州市消費者団体連絡会  陶山様
 関西電力株式会社  総合企画本部 森本副本部長
お客様本部 彌園副本部長
井上購買室長
総合企画本部経営効率グループ 安川チーフマネージャー
 九州電力株式会社  経営企画本部副本部長兼部長 長尾執行役員
お客様本部 河北部長
国際事業本部 加藤部長
業務本部 永友部長
【事務局】
消費者委員会 原事務局長、小田大臣官房審議官
消費者庁 草桶審議官、長谷川消費生活情報課長

議事次第

1.開会
2.審議事項
 (1)電気料金値上げ認可申請に係る消費者へのヒアリングについて
  1)電気供給区域の消費者団体からのヒアリング
  2)消費者庁による「電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会」の結果報告について
 (2)電気料金値上げ認可申請の内容に係る委員からの質問事項について
 (3)消費者庁作成「チェックポイント(案)」について
3.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:69KB)
【資料1】 第2回 家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会にあたって(全大阪消費者団体連絡会飯田事務局長提出資料)(PDF形式:180KB)
【資料2】 「家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会」に寄せて(北九州市消費者団体連絡会陶山様提出資料)(PDF形式:152KB)
【資料3-1】 関西電力の電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会 意見概要(PDF形式:147KB)
【資料3-2】 九州電力の電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会 意見概要(PDF形式:146KB)
【資料4】 関西電力・九州電力の申請内容に係る質問事項(PDF形式:93KB)
【資料5】 ご質問への回答について(関西電力株式会社提出資料) 【資料6】 ご質問事項への回答について(九州電力株式会社提出資料)(PDF形式:813KB)
【資料7】 関西電力及び九州電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関するチェックポイント(案)(PDF形式:176KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 おはようございます。本日、早朝からお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。
 ただいまから「消費者委員会 公共料金等専門調査会 家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会」の第2回会合を開催いたします。
 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 配付資料は、今、議事次第と書かれた紙の下の段に一覧を載せております。関西電力、九州電力からの値上げ申請に関する資料ということで、時間の関係もありますので個別の紹介は割愛させていただきます。
 それから、関西電力と九州電力からのパンフレットも提供されておりますので、そちらも資料として配付しております。
 不足がございましたら、審議の途中でお申し出をいただければと思います。
 この議事につきましては録画をしております。翌日から議事録ができ上がるまでの間、消費者委員会のホームページで動画を配信しておりますので、そちらをごらんいただければと思います。
 それでは、座長、議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

≪2.審議事項≫

○古城座長 おはようございます。
 本日から蟹瀬委員が出席されておりますので、まず最初に一言御挨拶をお願いいたします。

○蟹瀬委員 蟹瀬と申します。よろしくお願いいたします。

○古城座長 ありがとうございました。
 本日は、消費者へのヒアリングとして、全大阪消費者団体連絡会の飯田事務局長、北九州市消費者団体連絡会の陶山様に、また、電力会社のヒアリングとして関西電力及び九州電力においでいただいています。そのほか、経済産業省資源エネルギー庁に御出席いただいています。お忙しいところ、御出席いただき、まことにありがとうございました。


(1)電気料金値上げ認可申請に係る消費者へのヒアリングについて

1)電気供給区域の消費者団体からのヒアリング

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。議事次第の2、「電力料金値上げ申請に係る消費者へのヒアリングについて」です。
 まず、全大阪消費者団体連絡会の飯田事務局長及び北九州市消費者団体連絡会の陶山様から、申請内容に対する意見について御説明をいただきたいと思います。御説明はそれぞれ10分以内でお願いいたします。よろしくお願いします。

○飯田事務局長(全大阪消費者団体連絡会) 大阪消団連の飯田と申します。私の発言資料が資料1にございます。10分というお時間ですので、全てを読み上げても10分では消化できないと思います。お読み取りいただければわかるように書いたつもりでございます。きょう発言できなかったところも、ぜひ文面でお読み取りいただければと思います。
 それから、私どもは審査委員会等の資料のほかに、地元でも関西電力さんと意見のやりとり等をしております。そういう機会に得た情報も含めて盛り込んで意見の中に記述をしております。そういうふうに御理解をいただければと思います。
 まず、この資料の順番に沿って、かいつまんで報告をさせていただきます。
 1つ目の需要想定、供給力の確保等のところですが、費用算定の前提として供給計画を立てておられます。その際に、省電や節電がさらに強化できれば、需要電力量そのものも低く抑えることができ、それは費用の削減にもつながるということが言えると思っております。
 現在出されている関西電力の供給計画を見ますと、3年間の申請期間中で同量の節電量になっております。私どもは、さらに節電効果は得られるのではないかと思っております。また、電気料金が値上げされることによって、使用電力量を抑制するという効果も働くのではないかというふうに考えておりまして、関西電力の見積もり以上に節電・省エネが進むのではないかと考えております。今出されている供給計画では、まだ過小評価になっている、こういう評価をしているところです。
 それから、4基の原発を稼働させるという前提計画になっていますが、マル4に書いてありますように、現在、規制委員会で議論が進んでおります。高浜3、4号機をこの7月から稼働させるという計画になっていますが、その根拠が理解できる程度に示されていません。また、大飯の2基についても、今、調査中でありますが、活断層の存在が否定できないというふうになっております。それであれば、一たん停止をしてちゃんと調査をするというのが筋ではないかと考えております。
 2番目の経営効率化の問題ですが、関西電力の計画では、過去の実績のシミュレーションにおいて6.8%の効率化が見込めるということで、7%の削減を織り込んでいるというふうに説明をされています。しかし、もう少しそれは努力ができるのではないかというふうに私どもは考えています。
 2ページの「購入電力料について」のマル1をごらんください。購入電力料の前提として、敦賀原発の費用が原価に算入されています。しかし、現在動いておりませんので、受電量はゼロというふうに仮定しながら、その基本料金を支払うということが原価に算入されています。未稼働資産に等しいわけで、そのまま算入するということについては、私どもは理解ができないと思っております。
 また、北陸電力の志賀原発についても、現在とまっております。その契約についても見直すべきではないかと考えております。
 3ページに行きまして、「燃料費について」です。今回の値上げ問題が燃料費の高騰・増大にかかわっているというのが直接の原因でありますが、燃料費の契約、特に火力燃料の契約状況がよくわかりません。
 マル2、マル3のところに書いてありますが、先日の説明では、全日本通関LNG価格を大幅に下回っている契約があるのだけれども、これも改定後の価格を全日本通関LNG価格として織り込んでいるというふうに説明を受けております。下回っているのであれば、そのまま下回った価格でなぜ契約できないのだろうかという疑問が残っています。
 3番目ですが、御存じのように、北米のシェールガスの開発が進もうとしております。それによって国際相場が下がっているというのは周知の事実なのですが、この中で関西電力さんは、2017年以降にガス価格連動の契約が一部できているというふうに説明を受けております。であれば、その効果を前倒しで幾分かでも織り込むことができないだろうかと考えております。
 「人件費について」ですが、4ページのマル3のところをごらんください。これも先日得た情報でありますが、関西電力さんには14人の顧問の方がいらっしゃるというふうに情報を得ています。社内役員は17人ですが、それに比べて顧問の方は14人いらっしゃる。これは雑給という原価に手当が織り込まれているというふうに説明を受けておりますが、この顧問の方がどういうふうに事業に責任を負う立場なのかというのはよくわかりません。本来的には、原価から削除すべきではないかと考えております。
 6番、7番、8番はバックエンド費用についてですが、ここのところは、基本的には6のマル2に書いてあります、さまざまな見積もりによってバックエンド費用が原価に算入されていますが、その見積額で目的が達成されるという保証はどこにも示されていません。そういう点では、そもそも低く見積もられている中で、結果的には原発の発電コストが低く見積もられている、そういうふうになっているのではないかと思います。
 10番目のスマートメーターのところですが、スマートメーターの導入を計画されています。マル1のところに書いてありますが、2015年度まで高圧ではほぼ全数、低圧では4割の普及率を見込んでおられます。そういう点では、特に高圧部門のピークカットを効果として見込むべきではないかと考えております。現在示されている効果の中には、ピークカット効果というのは関西電力さんからは示されていません。その効果というのを織り込むべきではないかと考えております。
 あとはお読み取りいただいて、6ページの「事業報酬」のところをごらんください。
 2つございます。申請期間中に稼働を見込まない資産が原発を中心にありますが、これをレートベースに見込むのは妥当ではないのではないかと考えております。
 また、核燃料資産ですが、東京電力はレートベースから除外したわけですが、そういう処置が同様に必要ではないかと考えております。
 19番目、直接原価の議論には関係しないのですが、現在、消費者の生活は家計収入が減り続けている中で、非常に厳しい生活を迫られています。そういう中で約12%の平均値上げというのは、本当に家計に直撃をするという効果を及ぼすというふうに私どもは心配しております。そういう点では、本当に可能な限り、原価の削減努力をしていただきたいと思いますし、あるいは、料金メニューにおいても工夫をしていただきたいと考えております。
 20番目は、電気料金制度のあり方です。総括原価方式がそもそも消費者にとっては非常にわかりにくいものになっております。この消費者委員会においても改定をめぐる議論が行われておりますが、ぜひそのことを具体化していただきたいと思います。
 最後に3行書いてございます。この申請期間が終わって、どこかで裁定が下されます。それが具体的にどういうふうに執行されていったかというフォローアップをぜひやらなければいけないと思います。私どももそういうことは念頭に置いておりますが、消費者委員会においても、そのことについては、ぜひ作業をお願いしたいと申し上げて、終わりたいと思います。

○古城座長 ありがとうございます。
 よろしくお願いします。

○陶山様(北九州市消費者団体連絡会) 北九州市消団連の陶山恵子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私が用意させていただきましたのは資料2でございますが、何分にも細かい分析等は盛り込めず、取り急ぎまとめまして不十分かと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、今回の値上げ申請に当たっての考え方として前段に申し述べさせていただきます。
 今回の値上げ申請に当たって重視している点は、必要性と妥当性についての消費者の理解と納得という点であろうと考えています。元来、電力は生活の基盤となる極めて公共性の高いものであって、電気料金値上げは、私たちの生活に直接的な影響を与えるものです。平均年収が減少し続け、消費税引き上げが目前に迫る中で、電気料金値上げ認可申請に対して、消費者の厳しく切実な意見が出されています。それは、認可対象になっている家庭消費の規制部門だけでなく、自由化部門の料金引き上げが、企業の人員整理、賃金抑制、消費財値上げといった形で個々人の生活にすぐ影響を及ぼすであろうといった予測も含んでおります。
 加えて、今回の値上げ認可申請は特別の状況を抱えております。3・11以降、原子力発電を取り巻く環境は激変しており、その中で私たち消費者・国民は、極めて重要な選択をするプロセスにあります。この状況下で、電気料金値上げ認可申請に対しては、当然のことながら、単に料金について許容できるか否かではなく、現在の電気事業のあり方、これからのエネルギー政策へのさまざまな意見が提示されていますが、福島第一原発事故の教訓とともに、これらさまざまな消費者・国民の意見を、電力事業者並びに行政は真摯に受けとめていただかなければならないと考えております。
 そして、全体論議の中から、これから先3年間の電気料金についての消費者の理解と納得を形成していくためには、電力事業者が積極的に情報開示と経営努力、説明責任を果たしていくこと、行政が消費者・国民の声をこれからの政策に反映していくことが非常に重要であろうと思います。その観点をもって、現在の電気料金認可制度の枠組みの中での意見と、そのベースになる電力事業、エネルギー政策、消費者政策に関連する意見とを、ポイントを置いて述べさせていただきます。
 まず、今回の九州電力の電気料金値上げ認可申請に対しての重要と考えている点です。需要予測に比べて過剰に予備力を持たせた発電計画によってコストを引き上げていないかという点です。前提計画として九州電力が設定されている予備率は非常に高く、この予備率は他電力会社が目指している8から10%と比べて、非常に高い予備率が設けられています。これまで電気は大量生産・大量消費ということでやってきましたけれども、福島第一原発事故の教訓のもとに、本当に必要な電気を賢く使う生活がこれから求められています。この3年間でスマートメーターの設置も順次進んでいきますので、必要以上に高い予備率を設定して、原価に揚水発電等、高コストの発電方法を含むこと、設備の大規模化、原発の必要性をアナウンスすることは不適当であろうと考えます。
 2番目に、人件費についてです。人件費については、東京電力の認可申請に際してメルクマールが既に定められ、九州電力においても、それに準拠した形で人件費削減がされています。一人一人の生活を考えたときに、平均して21%の削減、総額25%削減している生活を慮れば、非常に厳しいものがあるかとも思います。しかしながら、九州管内の平均年収を比べてみれば、一般的には400万円前半の平均年収となっており、まだ平均650万円という提示された年収とは大きな格差があり、今後、委員会の中でもポイントとして挙げられている勤続年数等の補正を加えるかどうかに着目したいと思います。
 また、今回の値上げによって職を失う人、賃金が引き下げられていく人のことを考えれば、トータルとしての人件費だけでなく、その人件費の中に何を含んでいるかの精査が必要かと思います。
 例えば、人件費等に休職中の従業員の人件費を含んでいないかなど、細かくチェックをしていくことが必要だと思います。休業中の職員の生活保障をしていくことと、その人件費を原価算入することは切り分けていっていただきたいと思います。
 また、先日の委員会では、顧問の報酬が支払われており、それが雑給となっていると説明がありましたが、直接的に業務にかかわらない人たちの人件費については原価算入をしないということが適当であろうかと思います。
 次に、人件費の中、役員報酬についてですが、一般職員と役員の削減率について、経営責任の軽重と削減率の軽重についてが逆転しているというふうにとらえております。全体の一人一人の削減率については、説明の中でも役員報酬35%カットしてきたということではありますけれども、トータルとしては20%の削減率となっており、一般職員の削減率と比べて、そこが逆転しているということで、この妥当性については疑問を持っている点です。
 人件費については消費者の注目度は非常に高いものですので、納得性の高いものにしていっていただきたいと思います。
 次に、燃料費の削減について、企業努力は十分に行われているかという点です。LNGの購入単価は、他の電力会社と比較して、九州電力は高目となっております。この契約の切りかえ、あるいは契約途中であっても前倒しの交渉等、十分に経営努力が果たされているか着目しております。
 次に、燃料費のうちに、経済合理性、地域納得性の欠けているMOX燃料が排除されているかどうかについても非常に多くの意見が出されております。
 九州電力から出されているウラン燃料とのコスト比較においても、MOX燃料、輸送費、管理費等は約2倍となっておりますし、これまでもその安全性を懸念する声は大きく、市民団体による訴訟も展開されております。よって、このMOX燃料の使用については、経済合理性、納得性という点からも不適当だというふうに考えております。
 バックエンドコストの考え方についても、今回、直接的に反映できない点かもしれませんけれども、お読み取りいただければと思います。
 原価算入の個々のコストについて、トータルとしての費目の検証と同時に、その費目に含まれる細かな具体的費用についての精査が必要だというふうに考えております。企業活動として必要と考えられる費用と原価算入して妥当と考える費用は、整理していく必要があると思います。
 自由化部門と規制部門の収益の偏りがないかという点、また、この点については非常に複雑な計算式、あるいは制度によってされておりますので、消費者に対してレートメークについての考え方を明確にし、説明責任を果たしていく必要があると思います。
 それから、ピークシフトを促進する料金メニューが用意できないかというような点、今後、電力会社として利用者に対して十分な説明の場が持たれているかという点、非常に重要な今後のポイントとして必要だと思います。
 今回の料金が決まりましても、今後、継続的な情報提供とコミュニケーションの場が準備されているかということを非常に重要な点として見ております。
 また、電力事業そのものについて重視している点も、次の点で挙げております。
 原子力発電を組み込むことを前提とした電気事業が、多くの国民の意向に沿っているのかどうか。これに対しては、これまで非常に異議が出されている点です。
 それから、電力事業について、消費者基本法に明記されている消費者の権利が尊重されているかどうか。特に安全である権利、知らされる権利、選ぶ権利、意見を反映される権利等、この消費者の権利がきちんと尊重された電気事業を、これから消費者庁としても見ていっていただきたいと思っております。
 今後、エネルギー政策は国民的な課題であって、消費者・国民の主体的な参画、政策への意見反映が必要であること、また、今後予測される電力自由化、発送電分離など、制度設計について消費者の利益を擁護するために、消費者の主体的かかわり、継続的なコミュニケーションの場が保障されることが不可欠であること。これらのことに対して、今後とも消費者庁が消費者の権利の擁護、増進のために御尽力いただくことを期待しております。
 以上です。

○古城座長 ありがとうございました。

  
2)消費者庁による「電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会」の結果報告について

○古城座長 続きまして、消費者庁では、電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会を1月17日に大阪で、1月21日に福岡でそれぞれ開催いたしました。その模様について、消費者庁の長谷川消費生活情報課長から御報告をお願いいたします。

○長谷川消費生活情報課長 消費者庁でございます。
 恐れ入りますが、資料3-1、3-2をごらんいただきたいと思います。
 まず、資料3-1でございますが、今回、阿南長官も出席いたしまして、関西電力の値上げにつきまして、消費者、消費者団体の皆さんと意見交換をしてまいりました。その概要でございます。かなり多様な御意見をいただきました。
 まず1ページ目でございますが、種々の前提ということで、需要想定につきまして、節電の見込み等々の関係で、それについて疑念が発せられました。値上げによります節電効果についても見込むべきではないかというポイント。
 それから、原発の再稼働につきまして、安全性の基準の観点から見込むべきではないかという話がございました。
 それから、各原価項目を見ていただきますと、寄附金とか団体費、交際費についての情報公開を求める。
 それから、事業報酬についても検討してもらいたいという、現行方式を総合的に見直すべきというお話もございました。
 それから、下のほうをごらんいただきますと、入札、調達の見直しの関係でございますが、これについて一層の合理化を行ったとは言えないのではないかということで、これからどういうふうに進めていくかという点も御指摘いただいたところでございます。
 また、一番下でございますが、人件費につきまして、経営陣と一般社員との区別をつけないのは問題ということでございます。一般社員は、いろいろなローンとかを抱えているということで、経営陣と同じく給与を下げるのはおかしいという御意見がございます。
 それから、人件費について産業別で比較を行うことについての疑念ということをお示しいただきました。
 また、バックエンド費用についての見直しという御意見をいただいたところです。
 それから、情報公開でございますが、関西電力に対して積極的な情報公開を行っていないのではないかということで、例えば値上げに際してどれだけの経営努力を行ったのか判然としない、積極的に情報公開をすべきという点。
 それから、バックエンドについては、引き続き、例えば積立金について、検針票に関して、そういう情報について何も記載されていないということで、同じように電気料金について他の再生可能エネルギーの付加金とかとあわせて明記するとか、そういう御意見をいただきました。
 それから、経営効率化でございますが、これについても基本的に中長期的に電気料金がどのようになっていくのかということで説明してほしいということ。
 それから、真ん中あたりでございますが、中部電力については、燃料調達に当たって、トップセールスによる調達の多様化を図るなどいろいろな手を打っていた。それに対して、関西電力は今ごろになって動き出しているという御指摘がございました。
 それから、人件費でございますが、仕事内容と削減幅がよくわからない。例えば、現場の安全にかかわる人件費については、削減は本来の趣旨ではないというお話。
 電力値上げが中小零細企業に与える影響ということを考慮すべき。
 それから、健康保険料に対する法定の50%引き下げなどのさらなる効率化というお話がございました。
 それから、3ページ目をごらんいただきたいと思います。「料金メニュー」でございますが、省エネ、節電へのインセンティブが高まるようなメニュー設定をしてほしいという話。
 それから、オール電化に対しては、節電等の関係も踏まえると、効果について疑念があるというお話をいただきました。
 それから、「料金メニュー」の一番下でございますが、さまざまなプランがあって、高齢者にとっては複雑でわかりにくいということで、高齢者が一日中家にいるということもありまして、夜中の恩恵を受けにくいという指摘がありました。
 そのほかでございますが、総括原価方式について、いろいろな御意見を、基本的に疑念が発せられたところでございます。
 また、真ん中あたりでございますが、経営責任について不明確ではないかというお話がありました。
 一番下、核燃料の問題でございますが、廃棄や管理に莫大なコストと手間がかかることがわかっているということで、そうした観点からすると、将来、引き続き使うことに対する問題点について、この方は原子力発電の電気は使いたくないというお話でございました。
 4ページ目でございますが、火力発電の燃料費、購入費については、今、非常に値上がりしている、輸入増によってコストがかさんでいる、貿易収支も赤字になっているということで、国力の低下は避けられないというような指摘がございました。
 また、原発ゼロという話については、火力発電の増加で燃料がかさんでしまって、再び値上げが行われ、生活がどうなっていくかということを冷静に判断してもらいたいという話がありました。
 続きまして、資料3-2、九州電力でございます。
 まず、「諸々の前提」として、総括原価方式については慎重に査定をしてほしい。
 真ん中にありますように、原発の再稼働については、やはり納得できないというお話がありました。
 「各原価項目」についても、九電が他の燃料会社からも調達のコストが高いのではないか、企業努力がわからないという発言がございました。
 人件費の削減についても、地域特性を見るべき。地域補正について詳しく教えてもらいたいという話がありました。
 また、経営責任のあり方についての御指摘があったところでございます。
 MOX燃料の算入の妥当性についてのお話がありました。
 次のページですけれども、需要予測の予備率の疑念が発せられたところでございます。
 「情報公開」についても、自治体とか議員を務めている社員について、報酬は出していないといったところの活動の情報提供が求められた。
 九州電力の今回の説明について、ヒアリング等の場所が福岡に集中しているということもありまして、より他のところでやってもらいたい。ほかの地域の消費者がたくさん参加するように工夫してもらいたいという御意見が上がったところでございます。
 次のページでございますが、「経営効率化」について、自由化部門の値上げについても、中小企業の経営に大打撃を与えるという話。
 また、収益構造についても、規制部門と自由化部門とのバランスについての情報開示について求められたところでございます。
 「その他」としては、原発ゼロというものが基本的にはパブリックコメント等で大多数の国民の意向ではないかという話。
 最後でございますが、ガスタービンとかディーゼル発電の増設をして、それで何とか現状を乗り越えることができるのではないかという話がありました。
 地域独占の電力供給の事業のあり方という話がございました。
 長くなりましたが、以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 ただいまの御意見をいただきましたけれども、これにつきまして御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。
 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 後ほどの質問事項にも入っていますので、今、御指摘いただいたことも含めて後で議論ができればと思いますが。

○古城座長 わかりました。
 それでは、ただいまいただいた御意見は十分意識した上で、こちらで検討いたしたいと思います。
 きょうは、わざわざどうもありがとうございました。

 

(2)電気料金値上げ認可申請の内容に係る委員からの質問事項について

○古城座長 続きまして、「電気料金値上げ認可申請の内容に係る委員からの質問事項について」です。
 前回の調査会で、申請内容について委員の皆さんの関心事項を踏まえ、議論を含めたいポイントを取りまとめました。次回以降の議論に生かすこととされていました。それを取りまとめたものが、皆さんのお手元にある資料4です。
 質問事項につきまして、事前に関西電力、九州電力にお示しし、回答を準備いただきました。本日は、関西電力、九州電力においでいただき、質問事項への回答について御説明をいただきます。
 それでは、関西電力、九州電力の方、御出席いただきまして、ありがとうございます。本日は、既に資料4でお示ししました質問事項への両電力からの御説明をいただきます。その後、質疑応答をいたしたいと思います。
 それでは、説明のほうに入りたいと思いますが、こちらで用意した質問事項を幾つかに分けて、それぞれごとに両電力から御説明をいただき、こちらのほうで質疑応答をいたしたいと思います。
 なお、質問事項のうち、最後から3番目の「電灯需要の伸び予測、最大電力量想定と節電予測について」の部分、それから、最後から2番目の「関西電力と九州電力の原価算定にあたって前提条件の違いについて」の各項目は、それぞれの箇所の部分に織り込んで御説明をお願いいたします。
 なお、時間が非常に限られておりますので、調査会の委員、オブザーバー委員の皆様、質問事項について御質問なさる場合は、なるべく手短にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、分けました最初、「人件費」です。
 まず、「人件費」について、関西電力からお願いいたします。ここでは、「関西電力と九州電力の原価算定にあたって前提条件の違いについて」のうち、1つ目の補正要素についても御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○森本副本部長(関西電力) 関西電力の森本でございます。よろしくお願いいたします。
 早速、お手元の資料に沿って説明させていただきたいと思います。私どもの資料の3ページからごらんいただきたいと思います。
 まず、「役員給与の概要」ですが、平成24年10月以降、役員の職位に応じて、20%ないし30%の減額を実施しております。今回の申請に当たりましては、減額後の水準で原価に算入させていただいており、前回に比べますと、約2億6,000万円減少した水準でございます。
 下段の参考1にお示ししておりますように、対象となる役員数は、前回改定時と比べますと、社内役員が3名減少しております。
 また、参考2のとおり、1人当たりの役員給与は、社内役員平均で4,100万円、社外役員を含めた全役員平均で3,100万円になります。
 続いて、4ページをごらんいただきたいと思います。
 今申し上げました社内役員の1人当たり4,100万円の水準は、ごらんいただきますよう、人事院の調査や公益企業平均を下回る水準でございます。
 続いて、5ページ、社員の1人当たり給料手当の申請水準について御説明いたします。
 基準設定の詳細につきましては、6ページ以降で説明させていただきますが、電気料金の審査要領に従いまして、公益企業の水準も加味し、1人当たり給料手当を664万円としております。この水準は、平成23年度実績(790万円)から約16%削減した数値でございます。
 具体的な基準の適用は、6ページをごらんいただきたいと思います。
 算定に用いました統計とその根拠ですが、料金審査要領に従い、賃金構造統計基本調査を用いております。また、地域や年齢、勤続年数を加味して比較する理由につきましては、給与を比較する場合、諸条件をあわせた同種同等の労働者同士で比較することが一般的ですので、統計上、比較可能な要素の中から、法令や経済産業省の審査専門委員会での過去の論議も踏まえまして、ごらんの4つの要素を反映しております。
 具体的な年齢要素の反映につきまして、7ページをごらんいただきたいと思います。
 こちらは、年齢区分ごとの全産業平均の給料手当を、当社の年齢構成比で加重平均した値を適用しております。勤続年数につきましても同様の考え方です。
 これをさらに詳細に算定した表が8ページでございます。
 年齢区分と勤続年数区分別の統計上の年収を使いまして、当社の従業員数に当てはめて加重平均したものに地域係数を乗じますと、右下の649万円になります。
 続いて、9ページをごらんいただきたいと思います。
 こちらは、退職給与金における数理計算上の差異が発生した理由です。定められた会計基準に沿って算定した結果生じたものであり、ごらんいただいた記載のとおりでございます。
 続いて、10ページに移らせていただきます。一般厚生費の関係です。
 一般厚生費の効率化につきましては、当社は従来から努力を進めてまいりました。さらに、今回申請に当たりまして、保養所の全廃などを実施することにより、1人当たりの一般厚生費は、全産業平均や従業員数1,000人以上の企業平均よりも低い水準となっております。
 具体的な削減内容は、記載のとおりでございます。
 私どもからの御説明は、以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 続いて、九州電力。

○長尾執行役員(九州電力) おはようございます。九州電力の長尾でございます。
 事前にいただきました御質問に関して、資料に沿って説明してまいりたいと思います。
 初めに、「人件費」に関する御質問について説明いたします。
 1ページをごらんください。「役員報酬の減額」について説明いたします。
 役員報酬は、役員数の増加はあるものの、平成24年9月に減額した役員報酬額を織り込み、前回原価と比べ約1.7億円削減しております。
 役員数増の理由につきましては、2ページの参考に記載しております。
 当社は本部制をとっておりまして、その導入拡大を段階的に実施してまいりましたが、本部制の拡大によって執行機能が強化されるという一方、本部最適に陥る懸念があります。現在、当社は、創業以来の大きな危機に直面しており、全社を挙げて信頼回復、安定供給、緊急経営対策に取り組む体制とすることが必要です。
 このため、平成24年6月、取締役を3名増の17名といたしまして、あわせて本部長と兼務することで、全社最適の観点から業務執行を相互監視し、それに基づく取締役会の審議機能、監督機能を強化いたしました。
 原子力を初めとするこれらの重点課題の取り組みにめどが立った段階では、減員を検討することとなっております。
 次に、3ページ目、「役員報酬の設定方法及びその削減根拠」について記載しております。
 当社の役員報酬は、月例報酬と賞与で構成されておりまして、客観性、透明性を確保する観点から、社外取締役を委員長とする報酬検討委員会での審議結果を踏まえまして、取締役会で決定することといたしております。
 役員報酬につきましては、厳しい経営状況にかんがみ、平成24年2月に、取締役平均で1人当たり20%の減額を実施いたしまして、24年9月にはさらに深掘りした取締役平均1人当たり35%の減額を実施しております。
 4ページをごらんください。「社員1人あたり年収水準」について説明いたします。
 当社の年収水準は、審査要領や電力会社の従業員の雇用実態等を踏まえ、賃金構造基本統計調査におけます産業計に勤続年数補正・地域補正を行った値(646万円)と、他公益企業平均に勤続年数補正・地域補正を行った値(655万円)の単純平均(650万円)を目安としております。現行水準から一律21%減としております。
 5ページをごらんください。それぞれの補正の考え方について説明します。
 まず、年収メルクマールにおける補正です。一般電気事業供給約款料金審査要領については、最初のステップで、賃金構造基本統計調査における常用労働者1,000人以上の企業平均値を基本に、類似の公益企業の平均値とも比較し、全ての電力会社の平均年収水準について定め、次のステップで同一サービスを提供する電力会社間の地域間の賃金水準格差を反映させるものと認識しております。こうした考え方に基づき、当社は、雇用形態、勤続年数、勤務地域について補正を行っております。
 6ページには、勤続年数による補正について記載しております。
 設備産業である電気事業におきましては、電気の安定供給のため、発変電所や送配電線等の保守・運用・設計など、長年の経験と技術力を有した人材が求められることから、新卒採用者に段階的に経験を積ませ、計画的かつ継続的に育成しております。従業員の勤続年数(20年)は、他産業(14.3年)に比べて長くなっております。このような雇用実態に即しまして、当社の平均勤続年数(21.3年)に応じた統計値の補正を実施しております。
 当社では、年齢・学歴・性別にかかわらず、業務遂行能力に応じて従業員を処遇しておりまして、業務経験を通じて技術力等が向上することから、業務の経験年数である勤続年数による補正を実施しており、年齢・学歴・性別による補正は実施しておりません。
 次に、7ページ、8ページには、地域補正について記載しております。
 地域間の賃金水準較差につきましては、賃金構造基本統計調査では、表-1のとおり、九州は年収の高い業種の労働者が少なく、年収の低い業種の労働者が多いなど産業構造が違うこと、また、支店とか工場が多いという特性が大きく影響しているというふうに考えております。
 したがいまして、同一業種の賃金水準の地域間較差を補正する指標といたしましては、実態を適切に反映できない面があると考えております。
 したがいまして、5ページの一番下に記載のとおり、異なる集団間での給与の比較を行う場合には、それぞれの集団における給与の単純平均を比較することは適当ではなく、一般的と考えられる給与決定要素の条件をあわせて、同種同等の者同士の給与を比較すべきという同種同等比較の原則に基づきまして、全国で同一サービスを提供する国家公務員の賃金を決定するために調査されました人事院勧告のデータをもとに算定いたしました補正率96%をもとに補正を実施しております。
 その結果は、8ページの表-2に記載しております。
 なお、この比率は、表-4に記載しております企業における賃金水準決定の一つの指標と考えられています消費者物価指数の全国平均に対する九州の地域指数97%とおおむね同程度となっております。
 同じような特性にあります、例えば北海道とか東北、四国などの地方の電力会社、こういった地方の皆さんの実感にも合っているのではないかと考えております。
 9ページをごらんください。「退職給与金における数理計算上の差異が発生した理由」について説明いたします。
 数理計算上の差異が発生する主な要因は、年金資産の期待運用収益と実際の運用実績の差であります。当社では、数理計算上の差異を発生年度の翌年度から5年間で均等償却いたしております。
 今回原価におきましては、過年度の年金資産の超過収益等があるため、退職給与金からの控除額は41億円となっておりますが、前回の原価におきましては今回以上の超過収益がありまして、172億円控除しておりました。このため、前回比では、その差として131億円増えております。
 10ページをごらんください。「福利厚生費の効率化」について説明いたします。
 健康保険料の会社負担割合の見直しや、当社所有の保養所の全廃、財形制度補助金の見直し等を実施したことによりまして、前回原価と比べ27.1億円削減しております。
 参考で示しておりますが、1人当たりでは、全産業平均、従業員1,000人以上の値を下回っております。
 「人件費」に関する説明は、以上のとおりでございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明について、御意見、御質問をお願いしたいと思います。
 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 御説明ありがとうございます。
 人件費に関しては、経産省の審査専門委員会のほうでも、まず補正の基準と指標のとらえ方が指摘されております。資源エネルギー庁への質問にも関連すると思うのですが、資源エネルギー庁のほうでは統一的にされるのか、それぞれ九電と関電さんは違いますけれども、統一された場合には改めて計算をやり直されるのか、その辺をお聞きしたいのが1点です。

○古城座長 今のは資源エネルギー庁への質問ですか。

○矢野委員 はい、関連してくるので。
 もう一点は後で。

○古城座長 片岡さん、簡単に御説明できますか。

○片岡電力市場整備課長 まさに審査専門委員会で議論されていますので、その結果によるとは思います。基本的には同一にしていくということだと思いますけれども、それはそれぞれの事情もあるかもしれないので、それについては個別に判断していくということで、最終的には審査専門委員会で議論していただいて、その結果、考えたいと思っています。

○古城座長 検討して、それなりの対応をするということです。

○矢野委員 思い出したので、追加でいいですか。

○古城座長 続けてどうぞ。

○矢野委員 九電さんのほうにお伺いしたいと思いますが、役員を3名増員されておりますが、先ほどの2ページの説明の最後のところですけれども、「重点課題への取組みに目途が立った段階で、取締役数の削減も検討」ということですが、今回の算定の3年間のところでは、そこは可能ではないというふうにとらえてよろしいでしょうか。

○長尾執行役員(九州電力) 特に大きな課題であります原子力の再稼働をどのように今後進めていくのかといったところが、まだ今の段階では不透明でございますので、緊急経営対策等をやっておりますが、それらによる影響が一番大きいところでございますので、再稼働等の見通しが立つといったところが一つの目安ではないかと考えております。
 なお、この3か年につきましては、17名で織り込ませていただいております。

○古城座長 古賀委員、お願いします。

○古賀委員 御説明ありがとうございました。両社さんともに今回の申請は、法、規則、審査要領はもとより、有識者会議の報告書も踏まえて認可申請をされていらっしゃると思うので、消費者としては突っ込みどころがないといいますか、言いにくいのですけれども、全体的に、今回の削減率については「経営効率化を尽くした」として、前回の原価申請に対する比率で御説明いただいているので数値的には削減がされているように見えます。しかし、申請書の明細を拝見しますと、たとえば、営業費のそれぞれの明細等を見ますと、やはり前回の原価ではなくて、直近の実績と比較すると、実質的な削減率はこれほど高くないのではないのであり、もっと削減が可能ではないかということが1つ。
 それから、審査要領ですけれども、この要領は「適正性を審査した上で、事業者が認可を受け、または届け出た原価を勘案して経営効率化の度合いを相対評価することによって審査する」となっており、相対評価は、「申請業者及び他の事業者が認可を受け、または届け出た原価等を相対比較する」とされいるのですけれども、関電さんと九電さん、今回の申請は東電さんのときと違い、役員給与について役員報酬が東電さんのときはなかったので、役員報酬に関連して両社を比較してお尋ねしたいのです。
 今回申請された、関電さん、九電さんの共通点といいますと、他の8電力に比べますと、四国電力さんと同じく、原子力による発電比率が非常に高いということで、電源構成も似た構造をされていらっしゃると思うのです。他に資本金、従業員とか販売電力量を比べますと、それぞれ大体40%か58%ぐらいの間で、九電さんは、関電さんに対しての事業規模としては大体5から6割という感じなのですが、役員給与を拝見いたしますと、関電さんが22.5億ぐらいに対して、九電さんは19.9億となっており、役員報酬総額の比率が関電さんに対して九電さんは88.2%というのは、会社の規模に対して役員に対する報酬が非常に高いのではないかと感じました。その点について、これは両社を比較してよいという要領に基づいた質問ですので、再度、九電さんに御検討いただけたらと思います。
 これは質問というより要望なのですが、もし、特に九電としては役員報酬をたくさん計上しなければいけない理由があるのであれば御説明いただきたいと思います。

○長尾執行役員(九州電力) 1人当たりで申しますと、先ほど申しましたように、私どもは35%減額しておりまして、実際、今回織り込ませていただいたのは、3ページ目に書いてありますように、常勤だけで、1人当たり3,300万円ということでございます。
 総額ということになりますと、ここは人数の話になろうかと思います。役員の人数が多いか多くないかというのを横並びで比較するのは、必ずしも規模に比例しておりませんで、それぞれの会社が担っております機能の範囲などによっても影響されますので、なかなか人数の多い、少ないというものを一律に比較できるような適当な指標というのは、今のところ、私どもとしても思いつかないといいますか、持っていないというところでございます。
 ただ、絶対数で私どもは17名、取締役を入れさせていただいておりますが、大体同規模の他の電力会社さんとそう大きく変わるような人数ではないと認識しております。

○古城座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

○古賀委員 関電さんの経営が効率化されているという評価になってしまうのだとちょっと問題なのですけれども、役員給与の算定のあり方については、今のご説明ではよくわかりませんでした。

○古城座長 山口委員。

○山口委員長代理 関電と九電の役員報酬を見ますと、今、九電の説明がありましたように、常勤で年間3,300万、関電では4,100万ですね。正直言って、4,100万というのは、一般の市民の感覚から言えば非常に高いと思うのですけれども、4ページの表を見ても、1,000人以上の従業員のところでも3,500万という平均数字が出ているのですが、4,100万も取る必要があるのかというのが1つ。
 もう一つは、関連子会社の役員を兼任されているのではないですか。その子会社の役員としての報酬とかがどの程度出ているのかについても、これは九電、関電のほうから資料を開示いただきたいと思います。
 特に東電のときには、勝俣会長が日本原電の平取締役も兼任されているという実情がございましたが、日本原電についての役員に九電あるいは関電からは出ておられるのかどうか、それについて報酬を取っておられるのかどうか、そこら辺もわかれば教えていただければと思います。

○古城座長 よろしくお願いします。

○森本副本部長(関西電力) まず、役員給与の4,100万円という水準でございます。御指摘の点は重々理解しておりますが、私ども今回、同種同等の比較という観点から、この4ページに書いてございますような比較的同じような規模、形態と思われますJRさん、通信関係、ガス関係、こういった同種同規模の会社と比較した水準からは、私どもは妥当な水準ではないかと考えております。
 それから、子会社の関係の資料の開示につきましては、また事務局も含めて御相談させていただきますが、基本的には、グループ会社、関係会社がそれぞれの判断でやっていることなのですけれども、その独自性を尊重しつつも、一度これは検討させていただきます。

○山口委員長代理 関連子会社から報酬を取っている役員もいることはいるのですか。

○森本副本部長(関西電力) これは、ないところと、日当程度でいただいているところもあると聞いておりますので、確認をさせていただきます。

○古城座長 九州電力のほうから。

○長尾執行役員(九州電力) 今の子会社の役員を兼務している者の報酬はどうなのかということですが、私どもは無報酬でやらせていただいております。

○古城座長 山口さん、よろしいですか。

○山口委員長代理 はい。

○古城座長 次、矢野委員。

○矢野委員 追加で申しわけありません。九電さんと関電さんにお伺いしたいと思います。
 九電さんのほうで、3ページのところに賞与のことが触れられています。この賞与については、赤字決算の場合は支給しないというのは役員に関してのみなのか、一般職員に関してもそうなのか。
 それから、関電さんのほうは、赤字決算の場合の賞与について、役員及び一般職員についてお答えください。

○古城座長 よろしくお願いします。

○長尾執行役員(九州電力) 役員報酬の中の賞与につきましては、おっしゃるとおり、大幅な赤字ですので賞与ゼロという形になっております。
 一般社員につきましては、それぞれの春闘時の労働組合との交渉におきまして決めていきますが、その場合には、やはり世間の動向等も見ながら、あと、収支状況、ある程度中期的な見通しも含めまして、そういったものを見ながら組合と交渉させていただいて決定するという形になります。

○古城座長 この原価のところには、一般従業員の賞与は織り込まずに出されていますよね。

○長尾執行役員(九州電力) 給与手当のほうで21%減らしていますので、それの見合いで織り込んでいることになります。

○古城座長 関電のほうはいかがでしょうか。

○森本副本部長(関西電力) 役員の賞与については、原価算定期間をごらんいただきますようにゼロでございます。
 それから、一般の社員につきましても、九州さんと同じような考え方で、いろいろな収支状況、ほかの件も含めて減額しております。
 前回、御紹介したかと思うのですけれども、今の状況はさらに大変厳しい状況ですので、まだ組合交渉中ではありますが、夏の賞与見送りを提案させていただいています。
 それから、原価算定期間中の賞与というのは、これも九州さんと同じでございまして、賃金・給料手当全般で算定しておりますので、区分けはございません。

○古城座長 蟹瀬委員、お願いします。

○蟹瀬委員 関電さんの1人当たりの給与手当の申請の中に、残業費を含んでおりませんと書いてありますが、この残業費に関しては経費に含まれないという考え方で書いていらっしゃるのですか。もし含まれるとしたら、平均何%ぐらいこの上に乗っかっているのでしょうか。これも経費として見る限りは、ちゃんと入れていかなければいけないのではないかと、私は経営していますのでいつも思うのですが。九電さんにも同じことをお伺いしたいと思います。

○古城座長 よろしくお願いします。まず関電から御説明できますか。

○森本副本部長(関西電力) 年間給与、先ほど申し上げましたように、メルクマールに沿って水準を考えてございます。基礎賃金の減額分を反映しまして、時間外手当等の削減も織り込んだ形にはなってございます。
 基準外賃金の水準というのは、値上げ審査において1人当たりの水準が一般電気事業者の平均値を下回っていることが確認されておりますので妥当であると、これは東京電力さんの審査のときの一つの目安かと思います。そういった点から一応織り込んでおりますし、水準も妥当かと考えております。
 当然、いろいろな観点から、時間外労働自身はさらに削減していくということは重要かと思いますので、引き続き努めてまいりたいと思います。

○蟹瀬委員 では、この中に入っているということですね。

○森本副本部長(関西電力) はい。

○古城座長 九州電力のほうは、いかがでしょうか。

○長尾執行役員(九州電力) 時間外手当についても、関西さんと同様、原価の中に入れさせていただいております。その水準といいますのは、単価は20%ほど削減しておりますが、私どもの目標といたしまして、22年度の実績から10%削減ということを社内で取り組んでおりますので、さらなる10%削減というものを織り込んで申請させていただいているということでございます。

○古城座長 ありがとうございます。
 次、小塩委員。

○小塩委員 詳細なご説明、ありがとうございます。2点コメントがあります。
 1点目は、矢野委員の最初のコメントに関連する件ですが、両社で給与の補正の仕方が違うという点です。同じ電力会社ですので、この点はよほど合理的な根拠がないと是認できないと思います。
 学歴や性別、年齢、そういうもので補正してはいけないという説明ですが、これは非常に単純に補正できる要素だと思うのです。その結果出てきた数字の解釈において、いや、これはこういうことがあるから補正してみても意味がないですよという説明ならわかるのですが、初めから補正すべきでないというのは、私は理解できません。それが1つです。
 2つ目は、両社とも人件費の削減のご努力を非常になさっているというのはよくわかるのですが、消費者から見て、一体そういうご努力によって電力料金が何%引き下げられたのかという具体的なイメージがあれば非常に理解しやすいと思います。もし可能でしたら、どれぐらいの効果があるのか、既に報告なさっているかもしれないですが、改めて教えていただければと思います。
 以上です。

○古城座長 コメントはよろしいですから、最後の御質問のところをよろしくお願いします。
 まず、九州電力から。

○長尾執行役員(九州電力) 最後で御説明いたそうかと思っていたのですが、資料の最後の56ページ、57ページでございます。
 56ページは、前回も御説明いたしましたけれども、燃料費等によるコスト増分を経営効率化で約1,130億円、可能な限り吸収させていただいているということでございますが、この分で、その次の57ページ、前回、委員の先生の方から、今回の値上げでどれだけそれぞれのステークホルダーの方に影響があるのかというお話がありましたので、今申し上げました1,130億円というものがどういった形でステークホルダーの皆さんに痛みを分かち合ってもらっているのかということを整理させていただいております。
 この中にありますように、役員、社員の効率化額は年平均400億円ということで、合計1,130億円効率化して申請させていただいておりますが、大体4割弱ぐらいを役員、社員で痛みを分かち合っているということでございます。

○古城座長 関西電力。

○森本副本部長(関西電力) 私たちの経営効率化、全体で3か年の平均1,500億円程度ということで取り組んでおりますが、その中で人件費に関する効率化額は、3か年平均345億円となってございます。
 どういう目線で基準を見るかなのですが、電気料金という観点で見れば、またきっちり試算した結果をお示ししたいと思うのですが、販売電力量のキロワットアワー当たり30銭程度の効果にはなるかと思います。家庭用では20円とかというレベルの中の30銭でございます。

○古城座長 白山委員、お願いします。

○白山委員 大きな影響はないと思うのですが、一応確認の意味で、福利厚生費、一般厚生費のところでございますが、九州電力さんは、体育施設関係費用・文化体育費の原価不算入と書いておられますが、関西電力さんは、体育施設の廃止で6か所から1か所ということで1か所残っているという理由と、それ以外の体育施設関係費、文化関係費の原価不算入の関連はどういうふうにお考えなのでしょうか。

○森本副本部長(関西電力) 1か所残っておりますのは、大阪府との関係で災害時の緊急給水関係の施設の役割を担っているところでございます。
 それとあわせまして、私どもにとりましても台風等々の災害時の機材・物資の基地になってございますので、そういう意味で名称は体育施設の範疇になっているのですが、そういった機能も敷地内に持っているので、1か所残してございます。
 それから、ほかは廃止でございますので、原価には入ってございません。

○古城座長 ありがとうございます。
 九州電力。

○長尾執行役員(九州電力) 私どものほうは、ここに書いてありますように、体育施設関連費用、運動場とか持っているのは持っているのですが、こういったものは、やはり適切ではないだろうということで原価には算入しておりません。

○古城座長 小幡委員、お願いします。

○小幡委員 今までも経営効率化の努力はなさっていたとは思いますが、今回、値上げ申請ということで改めて、消費者の目線でどのように努力をなさっているかということを改めて検証する機会が得られましたので、それはそれで大変貴重な機会かと思います。いろいろ資料もいただき、ありがとうございます。
 私のほうから1点お伺いしたいのは、随契と競争入札の関係ですけれども、両者とも。

○小田審議官 それはまだ。今は人件費です。

○小幡委員 失礼しました。それでは、人件費については、今皆様から言われたようなところで結構です。

○古城座長 井手委員。

○井手座長代理 いろいろな方から質問があったので、1点だけ。
 前回と今回という比較のときに、平成20年のときは料金値下げは軽微な値下げだったと思うのですけれども、関西電力の10ページのところで、一般厚生費で、これも細かいことなのですけれども、何で平成11年で比較しているのか、その点だけ説明を。

○森本副本部長(関西電力) 私ども、こういった効率化に取り組みましたのは、電力の部分自由化とか競争制度が導入されたのが主なきっかけだと思います。そういった中で競争力を高めていくために、いろいろな面での効率化を深めていくという施策を進めてまいりました。その出発点がこの平成11年であるということでございます。

○井手座長代理 そうすると、九電は平成20年で比較しているので、電力会社ごとに違うというか、もし可能であれば、平成20年でやるということも考えてください。

○森本副本部長(関西電力) 承知しました。

○古城座長 ありがとうございました。
 次の調達、燃料費、購入電力料について検討に入りたいと思います。
 先ほどの人件費について、大体10分で検討を予定していたのですが、20分検討しております。時間の縛りが厳しいので、これですと少しおくれぎみだということを念頭に置いて御協力ください。
 続いて、調達、燃料費及び購入電力料について、まず関西電力から御説明をお願いします。ここでは、関西電力と九州電力の原価算定に当たって、前提条件の違いについてのうち、2つ目の修繕費率についても御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○森本副本部長(関西電力) それでは、関西電力のお手元の資料の12ページからごらんいただきたいと思います。
 資材調達全体に占めます競争発注の割合は、約15%でございます。
 また、競争発注以外の約85%のうち、関係会社の割合は約50%となっております。
 続いて、13ページをごらんいただきたいと思います。これは、競争入札における価格の妥当性の確認です。
 当社は、公共工事における予定価格より低廉な水準の当社評価額で入札価格の妥当性を確認しております。特命・競争発注の形態区分、一般・グループ会社の区分にかかわらず、労務費、材料費、機器損料などについて市況を把握し、相当厳しい価格査定・交渉を行っております。
 続いて、14ページをごらんいただきたいと思います。
 今後の資材調達に係る効率化につきましては、今回申請の料金原価には、既に契約を結んでいるもの等を除きまして、全ての分野の発注案件に削減率7%を織り込んでおります。この7%は、特命発注から競争発注に変更した購入物品データがございますので、これに基づいて競争発注の導入効果を調査した結果、6.8%の削減が見込まれると確認できましたことから、削減率7%を設定してございます。
 続いて、15ページをごらんいただきたいと思います。資材調達における第三者の関与に関する御質問かと思います。
 当社は、部品・資機材メーカー及び工事会社から、当社の購買部門、技術部門に至る調達サプライチェーン全体を分析・再点検し、あらゆる側面から調達コストの削減を目的とする改善活動を実施しております。この活動は、平成13年度より社外のコンサルも導入して実施しておりまして、ここで得られた視点や分析方法を当社が発注する物品、工事に水平展開してございます。
 続いて、16ページをごらんいただきたいと思います。
 競争発注比率拡大の目標でございますが、先ほど御案内したように、平成23年度の競争発注の比率は15%です。これを今後3年間で2倍の30%まで拡大してまいります。
 また、さらなる拡大に向けまして精査・検討を行い、可能なものは速やかに実施してまいります。
 次に、修繕の関係について御説明いたします。18ページをごらんいただきたいと思います。
 修繕費率の採録期間についてですが、こちら修繕費は、有識者会議においてメルクマール事例として挙げられた過去の帳簿原価に対する修繕費率と比較しましても適切な水準に抑制してございます。
 メルクマールとした修繕費率は、短期的な増減に影響されない期間を採録する必要があるため、私どもは直近3か年実績を採用しておりますが、直近5か年実績で見た場合でも、ごらんのとおり、修繕費率は下回っており、適切な水準となっているかと考えております。
 最後に、19ページをごらんいただきたいと思います。
 こちらは、配電設備における取替修繕費の関係で、スマートメーターを今後導入することにより、前回改定に比べ、この費用が増加するといったことをお示ししております。
 燃料も続けて簡潔に御説明します。21ページです。
 こちらは、LNGの調達価格低減に向けた取り組みをお示ししております。LNGは、売り主が非常に強い国際マーケットですので、調達チェーンの中で売り主との関係をいかに築くかに重点を置きながら、ごらんのようなあらゆる側面から価格低減に取り組んでおります。
 これまでも上流への参画、調達先の多様化、機動的なスポット調達に向けた取引先候補の拡大、契約期間の多様化、新規プロジェクトの立ち上げに寄与していくなどの対策を講じて価格低減に取り組んでまいりました。こうした取り組みの成果を今回の原価に織り込んでおります。
 また、原価算定期間外にはなりますが、在来型と比べて安い非在来型のLNGや、アメリカの天然ガス価格にリンクした新規契約なども購入合意しております。今後、さらにシェールガスの購入等についても検討してまいりたいと思っております。
 22ページに移ります。こちらは石炭の調達に関してでございます。
 調達先の拡大という観点からは、この3年間に5か国20銘柄から、6か国27銘柄に調達先をふやすとともに、価格交渉の時期の分散化や九州電力様との米国炭の共同調達など、価格低減に取り組んでおります。
 続いて、23ページ、石油関係を御説明いたします。
 石油につきましては、大幅な需給変動に対応するための供給体制の構築と価格低減の同時達成の追求をしております。足元の実績におきましても、調達先を5か国から8か国に拡大し、原油の価格指標を中東原油リンクや欧州原油リンクも導入するなど多様化して、その時々の安価なマーケットを選択できるように努めております。
 24ページに移ります。LNGの燃料長期契約の契約更改、中途解約についての御質問があったかと思いますので、お答えいたします。
 原価算定期間中に長期契約が満了するLNGプロジェクトが1つございますが、契約延長と価格低減をセットで交渉したものの、当社の希望する価格条件が得られず、延長しないことを決めたものがございます。
 今後も市況を見極めつつ調達先の分散化や価格指標の多様化を図り、最適なLNG調達を志向してまいります。
 また、LNG売買契約の中途解約につきましては、一般的に買い主都合により解約する場合、解約時点で引き取っていない将来の契約数量全量に相当する支払いを求められることになっております。
 25ページをごらんください。
 火力発電所の熱効率の向上につきましては、現在、姫路第二発電所におきまして、世界最高水準の高効率コンバインドサイクル発電方式への設備更新工事を実施しております。これにより、発電端の熱効率が42%から60%程度に向上し、発電電力量当たりの燃料費を約30%低減することができます。
 次に、26ページに移らせていただきます。他社購入まで一括して御説明させていただきたいと思います。こちらは、他社の原子力発電所からの購入電力料です。
 他社原子力発電所からの受電は、原価算定期間中の受電量をゼロとしております。ただ、受給契約書等に基づき、長期にわたり受電することとしておりまして、今後、再稼動に伴う受電再開を期待していることから、原子力発電所を安全に維持管理する費用等につきましては原価算入しております。
 なお、原価算入に当たりましては、固定費用の削減に加え、人件費、修繕費、諸経費等についてさらなるコスト削減を織り込んでおります。
 なお、北陸電力及び日本原電の平均年間給与等につきましては、ここに記載のとおりでございます。
 また、27ページは、北陸電力、日本原子力発電との契約概要をお示ししております。御参考にしていただければと思います。
 以上でございます。

○古城座長 どうもありがとうございました。
 九州電力、お願いいたします。

○長尾執行役員(九州電力) それでは、続いて九州電力から調達、修繕費、燃料費について説明いたします。
 12ページをごらんください。資機材調達における競争発注と随意契約の割合について説明いたします。
 平成21年度から23年度の3か年平均の競争発注比率につきましては約17%となっており、随意契約比率は約83%でございます。この随意契約による発注のうち、子会社、関連会社の占める割合は約44%、外部からは56%となっております。
 次に、13ページをごらんください。随意契約に係る費用削減について説明いたします。
 今回の申請原価につきましては、当社の競争発注実績に基づきまして、7費目を対象に、既に競争発注としているものも含めた資機材調達全体につきまして、平均7.1%の競争導入効果額、約230億円の減を反映しております。このうち、随意契約分の競争発注効果額は192億円程度の減を見込んでおります。
 競争導入効果額は、平成21年度から23年度の過去3か年の全社競争入札の実績を抽出いたしまして、発注額における設計値からの費目別の低減率を対象原価に乗じて試算しております。
 今後、随意契約とせざるを得ない場合も含めまして、全ての資機材調達において競争発注を導入した場合と同等のコスト低減をいろいろな調達手段を組み合わせて追求していきたいと考えております。
 14ページをごらんください。競争入札への移行について説明いたします。
 平成21から23年度の3か年平均の競争発注率は、金額ベースで約17%、23年度におきましては、原子力発電所の安全対策や需給対策のための緊急工事等で随意契約せざるを得ない件名のウエイトが高く、競争発注比率は14%となっております。
 今後は、平成27年度までの3か年で競争発注比率を30%まで高めてまいりたいと考えております。
 平成27年度で目標額を試算いたしますと、競争導入対象額は約977億円、競争導入効果額は約69億円程度を見込んでいるということでございます。
 15ページをごらんください。競争入札予定価格の妥当性について説明いたします。
 競争発注に当たりましては、工事担当箇所において設計基準等に基づく工数・数量、並びに過去の実績やその時点での市況等に基づいた積算を行いまして設計値を算定しております。これを付して契約担当箇所へ契約を請求いたします。契約担当箇所におきましては、競争を実施し、競争先から提出を受けた見積もり内訳書とともに設計書を精査いたしまして、さらなる価格低減が可能と判断した場合は、交渉の上、価格の引き下げを行います。
 さらに、設計値の算定に当たりましては、恣意的な積算を防止する購買システムを構築しているということでございます。
 こうした調達プロセスとすることによりまして、設計を行う箇所と契約を行う箇所とを分離し、牽制機能を働かせて価格の妥当性を確保しているということでございます。
 16ページをごらんください。資機材調達の見直しに係る第三者関与について説明いたします。
 当社は、これまで、お取引先からの提案を通じた仕様見直し、社外コンサルを活用しながらグループ一体となった経営効率化目標を織り込んだアクションプラン、他業種企業の先進事例にならったお取引先との協働での原価改善活動など、外部知見も取り入れながら調達コスト低減に取り組んでまいりました。
 今後についてですが、社外専門家も入れました委員会等の設置も含めて外部知見を一層活用しようということで検討してまいりたいと考えております。
 17ページをごらんください。原子力発電設備の修繕費について説明いたします。
 原子力の修繕費が前回改定時と比較しまして微増となっている、これについてどういう原因なのかという御質問がございました。これは、原子力安全対策等によるものでございまして、具体的には、図のほうで書いておりますが、一次冷却材ポンプ耐熱軸シール修繕や設備保全に必要な配管の点検等が増加要因となっているということでございます。
 18ページをごらんください。修繕費率の設定について説明いたします。
 修繕費率の設定におきましては、中長期的な設備保全の観点から、東京電力様のときと同様に5か年を参照しております。
 当社では、平成22年度第1・四半期は特別損失、23年度は需給関係費の増加等により赤字を計上しておりまして、こういった厳しい収支状況を踏まえまして、22年度以降、緊急避難的に修繕費を抑制して、その水準が現在も続いているということでございます。
 したがいまして、当社の場合、修繕費率の参照期間を3か年間としますと、特異な年度の影響が大きいということで、今後の安定供給を考えた場合も支障が出るのではないかということで、過去実績をもとにした基準として適正な水準ではないと考えております。
 したがいまして、5か年という東京電力さんと同じ期間を参照させていただいたということでございます。
 なお、前回、第15回の電気料金審査専門委員会におきまして、専門委員の方から東京電力様の前例もあり、5年でよいのではないだろうかという意見表明もいただいているところでございます。
 次に、燃料費に関する項目について説明いたします。
 まず、燃料費抑制のための努力について19ページをごらんください。
 従来から実施しております売り主との粘り強い交渉はもちろんのことですが、競争見積もりや共同調達などの継続・強化を基本に、さらに低減を図ることといたしておりまして、原価算定期間内におきまして、年間平均約30億円の低減を見込んでおります。
 参考として、20ページに「LNG調達コスト抑制のための取組み」、21ページに「共同調達によるコスト低減」、22ページに「燃料調達先の拡大」、及び23から28ページに重原油、石炭、LNGの価格の水準の説明をいたしております。
 詳細は説明を割愛させていただきたいと思います。
 次に、契約の満了、契約更改に伴うコスト削減、LNG契約の途中解約について、29ページをごらんください。
 原価算定期間において満了となる長期契約はありませんが、契約更改等につきましては、LNGの4プロジェクトの価格改定を実施する予定でございます。改定に際しましては、有利購買を目指して最大限の努力を行います。具体的な価格につきましては、直近で契約した長期契約価格、LNGの市場環境、燃料費抑制を勘案いたしまして、原則据え置きということで申請させていただいております。
 LNG契約における途中解約につきましては、先ほど関電さんが説明されたとおりでございますので、説明は省略させていただきたいと思います。
 なお、関西さんのほうで御回答がありました、他社の原子力発電所からの電力購入に関してでございますが、当社は、他社の原子力発電所からの電力購入を行っておりません。
 燃料費に関する項目について、説明は以上でございます。
 最後に、30ページをごらんください。
 火力発電所につきましては、燃料消費量の削減等の観点から、高効率機器導入等の熱効率向上に向けた設備投資を実施いたしております。
 下の表には、新大分発電所1号系列及び松浦発電所における高効率機器の導入事例を記載しております。
 工事概要、時期は、記載のとおりです。
 当該工事によりまして、熱効率は、新大分発電所が3.3%、松浦発電所が0.4%向上いたしまして、1年当たりの燃料消費量はそれぞれ4万トン、1.4万トン削減できると見込んでおります。
 以上で説明を終わらせていただきます。

○古城座長 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明について、御意見、御質問をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 矢野委員。

○矢野委員 2点ほど御質問させていただきます。
 1つは関電さんにですが、先ほども飯田さんからの御意見にもありましたが、スマートメーターに関して、19ページです。飯田さんからの御意見の中で、スマートメーターを修繕費に取り込んでありますが、そもそも減価償却費で取り扱うべきではないかということについてどうとらえていらっしゃるのか。
 それから、実際にはスマートメーターは減価償却費のほうにも計上されているのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
 2点目は九電さんのほうですが、先ほど陶山さんから、九電さんの燃料の中のMOX燃料について、その使用についての御意見がありましたが、そのことをどうとらえていらっしゃるのかお伺いいたしたいと思います。
 以上です。

○古城座長 よろしくお願いします。

○森本副本部長(関西電力) スマートメーターは、主たる機能は使用電力量を計量するということですので、私どもは計器として、電気事業会計規則にのっとりまして、ここに書いてございますような取替資産として取替修繕費と計上するのが適切だと考えております。
 毎年ある程度同数量が取りかえられていくタイプのものは、特に配電関係というのは、そういう機材がたくさんございますが、この特性から、適正かつ簡便に行う合理的方法として示されておりますので、私どもは、この取替修繕費で計上することが妥当だと考えております。
 ごらんいただきますように、今後、導入台数、私どもは取り組んだのは相当古くからやっているのですが、毎年100万台を超える水準でございます。こういった量を導入ステップから今後安定的に取りかえていくことになると思いますので、今回申請させていただいた費目の適用が適切だと判断しております。

○長尾執行役員(九州電力) MOX燃料についての質問でございますが、MOX燃料につきましては、製造とか輸送においてウラン燃料以上に厳格な核物質防護とか品質管理、安全基準に従うことが求められております。
 したがいまして、陶山さんからも質問がありましたが、通常のウラン燃料に比べまして割高になるということは間違いないことでございます。しかしながら、我が国といたしましては、利用目的のないプルトニウムは保有しないということを国際的に公約しております。プルトニウムを平和利用することが必要だと考えております。
 また、プルトニウムをリサイクルすることで有限なウラン資源を節約することができると考えておりまして、私どもとしては、引き続きプルサーマルを続けていくというふうに考えております。

○古城座長 次は、小幡委員、よろしくお願いします。

○小幡委員 先ほどの役員報酬も、まさに消費者から見て、役員が今度受け取ると言われている報酬額が消費者感覚からして高いと思われるのではないかと、そのあたり、まさに問題になるところだと思うのですが、今のテーマの調達についても、これは随契を競争入札にしていく、そして経営効率化というか、経費を削減していくという話で、本来、もっと以前からやっていただきたかったことだと思うのですが、今回は値上げ申請ということで、改めて、これをしっかりやっていただくということかと思います。
 基本的に子会社、グループ会社との関係とか、いろいろ各電力会社の状況で、おそらく、それぞれ事情は少し違っていると思うので、できるだけコストを安くするために随契でないものにしていただくというのが本来の基本の姿だと思うのです。
 今御説明いただいたのでは、いずれも各社、30%にということで、大体7%ぐらいの削減率ですか、それはいろいろほかの要素もありますが、東電の値上げ申請のときにも、どのぐらいできるのかということを大分議論いたしまして、そのときに東電のほうからどうしても競争入札にできないものはこのぐらいあると提示され、本当にできないのかということを議論したという経緯があります。結局問題なのは、グループ会社等のところにそのまま随契でいくという状況ですと、価格が高どまりするのではないかという心配がどうしてもございますので、これを何とか競争入札にしていただきたいということなのです。したがって、30%というのではなく、できるだけ広げていただきたいという趣旨なのです。
 関電のほうで、16ページのところに、本当に競争入札不能分がどのぐらいあるかということを書いていただいていて、資料としてありがたいと思うのですが、その中で、今回、今15%程度で、30%にしていきますという中で、この図でいきますと、まだ競争入札にできそうなところは当然あるわけですね。しかし、何か相場観として、この30%ぐらいで言えば通るのではないかということがあるとすれば、それは違うので、個々の電力会社さんの事情で本当にぎりぎり詰めて考えていただきたいと思います。30%あればよいという話ではないと思うので、そのあたりも含めて九電さんにもお伺いしたいと思います。

○古城座長 30%になったのはなぜかということです。

○井上購買室長(関西電力) 関西電力でございます。
 今、15%を3年間で倍増して30%ということでございますけれども、その水準ですが、先ほどおっしゃっていただいた16ページの一番右側に、供給先が1社しかない、あるいは既設設備の関連であるとか、あるいは突発的な事故や災害の緊急発注ということで、4割程度は競争が不可能な分が含まれているということでございます。
 それ以外にも、例えば配電工事のように、当社の要求品質や技術を満たす会社がほかにないというケースとか、あるいは、お客様対応業務を子会社に業務委託していますけれども、これはそもそも当社の社員が自前でやっていたものを、効率化を目的に機能分離子会社をつくって、そちらにアウトソースをして、ともに効率化と品質を目指しているというもので、そういったものもございますので、30%を超える競争というのはなかなか難しいとは思っております。
 しかしながら、仕様を見直して新規参入のハードルを下げるとか、本当に特命が必要な部分とそうでない部分を分けて分離発注をしていくとか、あるいは会社全域で一括して競争するのは無理だけれども、一部分の地域で競争してみて、その効果をほかに展開していくとか、そういったものを組み合わせながら少しでも競争できるように努力はしてまいりたいと思っています。
 あと、ちょっと気になっていますのは、競争するときに取引先を変更することによって新たなリスクが発生する場合ももちろんございますし、発注の部分だけは競争において価格が下がっても、業務全体で見るとかえってコストが上がってしまうようなケースもあり得ると思いますので、その辺はよく実態を見ながら、今申し上げるような工夫をしながら競争の拡大に努めてまいりたいと思っております。

○古城座長 小幡さん、よろしいでしょうか。

○小幡委員 はい。

○永友部長(九州電力) 九州電力から御説明をさせていただきます。
 電力設備の資機材の調達の特徴といたしまして、電力をお客様にお届けするに当たりましては、発電、変電、送電、配電という非常に多種多様な機器で構成されます設備を通じてお届けしているということでございまして、私どもは、電力用資機材の調達の特徴といたしまして、一般的な工事のウエートというよりも、そうした設備の調達ウエート、また、設備の保守に関します既設関連のウエートが非常に高いという実情が1つございます。
 また、九州におきましては、そもそも九州域内でのサプライヤー様が、ある程度、中央と比べると限定されているという事情ですとか、あるいは、台風等の非常災害時におきまして、できるだけ災害から早く復旧するためには、九州域内とか、地元にそうした工事力とか技術力というのはある程度確保して、できるだけ災害等に迅速に対応していくといったこと、特に離島、山間部を多く抱えているという地域的な実情もございます。
 そうしたことを含めまして、そうした安定調達を確保しながら、おっしゃるように、競争というのはコスト低減に資するという面もございますので、電力の安定供給を前提に精査しながら着実に競争を拡大していきたいと考えております。
 今後3年間で30%の目標としておりますけれども、これにとどまらず、さらなる競争拡大につきましては継続的に努力していきたいと考えております。
 以上でございます。

○小幡委員 東電のときにも、もう少し競争入札を広げられないのかという話を消費者委員会でも議論した記憶がございますので、ぜひ、さらに御検討いただければと思います。

○古城座長 ありがとうございます。
 蟹瀬委員。

○蟹瀬委員 今の同じ質問にちょっとつけ加えて御質問なのですが、ここに書いてあります競争入札をしますと、導入効果が大変高いということが数字で示されております。ということは、今説明あった30%を、いろいろなところに発注するということ以外にも、先ほどお話があったように、会社全体のシステム、つまり会社のあり方、子会社のあり方などを見直さない限り、購入する会社を変えるだけ、または、それを精査するというだけでは、この辺の削減というのは非常に難しいだろうと思います。その辺をどういうふうに考えていらっしゃるかというのが1点。
 それから、30%という根拠を今お聞きしたのですが、3年間あります。私たち消費者にとって、あしたもあさっても一生懸命生きていかなければいけないときに、3年目にはこうなるけれども、来年は待ってねというのはつらいわけですから、できればここのところに、来年はこのぐらい、再来年はこのぐらいという目標を見せていただけると、努力をしていただいているなというのがわかるのですが、いかがでしょうか。

○古城座長 今の点について、いかがでしょうか。

○森本副本部長(関西電力) まず、関係会社の関係ですけれども、こちらは、先ほど御説明したような中で、競争を通じて当然ながら変わっていかなければいけないと思っておりますし、そのために必要な努力を現在進めていると御理解いただければと思います。
 それから、これは7%、確かに私たちの250項目余りのサンプル調査で見込めましたので、今回、全て競争であろうがなかろうが削減する対象として原価に織り込んでおります。
 30%の拡大につきましても、確かに今後、私ども社内でも経営効率化推進部会がございますので、そういったところで状況を絶えず評価し、経営の視点も入れながら、必要に応じて一般の方々にもお示しできるようなことは検討していきたいと思っております。

○古城座長 九州電力、お願いいたします。

○長尾執行役員(九州電力) 今の子会社との関係についてですが、資料の16ページ、一番下のところにアクションプランという形で書いております。※3に書いてあります、このアクションプランと申しますのは、グループ会社の経営効率化を通じた電気事業のコスト低減への寄与を目的といたしまして、平成18年度から20年度に集中的に活動いたしまして、ここで得られた低減効果は以後の取引価格に反映するという形でやっています。このときの考え方は、グループ会社の取引価格は市場価格並みに下げるのだということで、それを至上命題として取り組んできたわけでございますが、今後、今回値上げ申請させていただくということですので、この取り組みをさらに徹底させていきたいというところで検討しているということでございます。1回切りではなくて、今後も継続的にこういったことをやっていかなければならないということで、そういう方向で見直しているということでございます。

○蟹瀬委員 3か年計画にパーセンテージを落とし込むということは可能ですか。来年は17を25にするとか、20にするとか、その目標が見えていると削減額がわかりますから、割と努力をしていただいているなというのがわかるかなと思います。

○永友部長(九州電力) 競争率を年次ごとにどうステップアップしていくかということにつきましては、今、数字は持っておりませんけれども、発注内容等を精査しまして検討したいと思います。

○古城座長 次、古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 質問を1つと要望を1つなのですけれども、1つ、スマートメーター導入に伴ってスマートメータ関連費用が修繕費に計上されているのですけれども、委託検針費とか委託集金費というのが従来どおりの原価として算定されているように思われるのですが、スマートメーターを導入したことによって、これらの検針費等は削減できるのではないかという点の御質問を両社にさせていただきたいと思います。
 もう一つ要望といたしまして、修繕費における修繕費率なのですけれども、関電さんと九電さんで5年、3年と違うスタンダードで計上されているのですけれども、やはり原価に算入するかどうかという基準については、要領の基本原則にのっとって、やはり3年でやっていただくほうがよろしいのではないかと思います。専門委員会のほうで、それでも5年でいいという御意見もあったということですが、3年だと修繕率が前回との比較で削減したと示せないので5年で算定期間をとるというのは合理性に疑問があります。消費者としては、修繕費の原価に占める割合は大きいですから、やはり同じスタンダードで経営効率化も目指しつつ、原価算定には同一のスタンダードでの計上を厳守していただきたい、こちらは要望です。

○古城座長 お願いいたします。

○森本副本部長(関西電力) スマートメーターに関しまして、委託検針の方々は、今まで現地へ行って数字を見て、それを入力していたのですけれども、その部分は将来的には自動化できる。しかし、当面、お客様のほうから検針した結果の通知を、検針をさせていただいたときにお知らせしてほしいという要望がございます。
作業効率はメーターの数字を見て書き込むということから自動的にできる部分は大幅に改善されており、したがいまして、必要な検針を行うべき1人当たりで扱える量が向上していますので、当然ながら、その部分については効率化しております。
 今後、いろいろニーズも含めて検針結果のお知らせとか、こういったものもインターネット上でいいとか、ウエブで確認できればいいということになれば、さらにその部分も効率化できる対象かと思います。今、できる範囲でやってございます。

○古城座長 それは原価のところに織り込んでいらっしゃるのですか。

○森本副本部長(関西電力) これは、委託検針の費用のところには入っていると御理解いただければと思います。

○古城座長 わかりました。

○河北部長(九州電力) 九州電力も基本的に同じでございまして、スマートメーターが設置されたことによります遠隔検針の部分については、委託検針枚数の削減ということで原価に織り込んでおります。
 ただ、関西さんと同じように通知はいたしますので、単価は約半分ということで、その差額分についてはきちんと織り込んでおります。
 あわせて、委託検針員さんの費用についても、社員並みのコスト削減をお願いするということで織り込んでおります。

○古城座長 1点目の御質問について、九州から簡単にお願いいたします。

○長尾執行役員(九州電力) 修繕費の至近の実績の推移を見ていただけるとわかると思いますが、関西さんと私ども九州との動きは全く逆ベクトルになっております。これがなぜかと申しますと、先ほど説明いたしましたように、22年、23年の収支は大幅に悪化するという見通しがございましたので、緊急避難的に修繕費の繰り延べ、削減を行っているところでございます。収支対策をやむを得ずやったということでございまして、そういったところの特殊要因を3か年の中に入れるということになれば、3か年のうちの2か年が入りますので、これはいかがなものだろうかということと、収支状況の程度の差はあれ、東電さんも至近の赤字によりまして、緊急避難的に修繕費については削減繰り延べをされておりますので、それを勘案して、修繕費について東電さんが5年とされたこと、それを参照させていただいているということでございます。

○古城座長 小塩委員。

○小塩委員 既に皆さんいろいろなご意見を言われていらっしゃるので、私がつけ加えることはあまりありません。競争入札につきましては、両者ともできるだけ比率を高めていただければと思います。
 九州電力さんにマイナーな御質問をさせていただきたいのですが、14ページのところで、競争入札を引き上げるとどれだけの効果があるかという試算を示していらっしゃいます。これは私の読み間違いかもしれないのですが、既に17%は競争入札されているわけですね。それを30%に引き上げるわけですから、この表の計算は、既に競争入札に入っている分を差し引かないといけないと思うのですが、そういう理解では間違いなのですか。その点だけお聞きしたいです。

○永友部長(九州電力) 7%の削減につきましては、既に競争をしている分も含めて、それからさらに7%の削減努力をするということでございますので、全体を対象に計算しております。

○山口委員長代理 30%の7%だったら27.9になりませんか。

○永友部長(九州電力) 対象原価が3,256億円でございまして、このうち、目標競争率30%分の977億円に対しまして低減率7%を掛けて、効果額として69億円ということでございます。

○古城座長 よろしいでしょうか。

○長尾執行役員(九州電力) 既に競争入札を行っています17%分、これもさらに7%削減するという意味合いでございます。ですから、現在から言えば、今回69億の競争入札効果が増分として出てくると。

○小塩委員 既に競争入札されているものも7%削減ですか。

○長尾執行役員(九州電力) それもやるということです。

○井上購買室長(関西電力) その点については、関西電力も同じでございます。

○古城座長 次、白山委員。

○白山委員 消費者団体のほうからの要望に基づき、「理解と納得」ということと、「フォローアップ」という観点から御質問させていただきますが、先ほど蟹瀬委員からございました競争入札の段階的な目標値の設定というのも重要なのですが、チェックの機能ということで、九州電力さんは、第三者の関与ということで16ページに、社外コンサルにプラスしてという意味だと思いますが、社外専門家による第三者的知見の活用ということを御検討されておられますが、関西電力さんは、社外コンサルのことの記述でとどまっております。いわゆる社外コンサルというのは、契約でコンサルをしていくわけでございますので、独立的な立場の第三者的なチェック機能のようなものはお考えになられているのかどうかという点が1点、質問でございます。
 要望としては、両社にございまして、こういう競争入札の議論になりますと、先ほど少々御発言もございましたけれども、競争入札の導入に伴って、契約や購買に係る事務コストが増加しますので、それとのバランスは当然お考えになられたと思いますが、競争入札をして調達金額が下がったからいいのだということではなくて、トータルな面でコストをお考えいただくという視点は両社ともきちんと主張していただきたいですし、それを踏まえた対策を考えていただきたいというのが要望でございます。

○古城座長 簡単にお答えください。

○井上購買室長(関西電力)第三者の件ですけれども、まず、調達価格を下げるためのいろいろな工夫をするところで第三者の知見を入れるというところは、コンサルの方に今もお手伝いをいただいておりますし、さらにその範囲を広めたり活性化をしていきたいと思っています。
 例えば、競争拡大とか、その結果につきましては、まずは社内に効率化推進部会という経営層の参加する推進部会がありますので、そちらに報告をして、経営層の管理のもとで着実に進めていきたい。結果については、必要に応じて公表していきたいと考えております。

○古城座長 ありがとうございます。
 九州電力、ございますか。

○長尾執行役員(九州電力) 競争入札について、そのほかの事務コストとかも含めて総合的に勘案されたほうがいいという御意見に対して、全くそのとおりでございまして、ただ単純に価格だけではないということ、私どもは設備産業ですので、しかも安定供給という供給義務を負っておりますので、設備信頼度をどう考えるのか、また、請負工事される方の安全面をどう考えるのか、あとは、先ほど言いましたように、災害時、緊急時に調達しなければならない、そういう準備ができているのかとか、そういったものを多面的に考慮しながら、なおかつ、競争入札で価格低減を図っていくという観点で、今後さらにやっていきたいと思っております。

○古城座長 ありがとうございます。
 橋本委員、お願いいたします。

○橋本委員 私も第三者の関与というところをお聞きしたかったのですけれども、今お話があったので、特に質問ということではないのですけれども、やはり、その第三者機関できちんと評価をするというところまでやっていただきたい。その評価を私ども消費者にわかるような形でこれからも情報公開していただきたいというところが1点です。これは要望でいいです。
 あと、もう一点なのですけれども、関電さんに、他社原子力発電所からの購入電力料についての御説明があったのですけれども、さらなるコスト削減を織り込みというふうには書いてあるのですけれども、例えば、日本原子力発電の敦賀第一号機というふうに書いてあるのですけれども、これについて、稼働を織り込んでこういう金額を出しているのか、それから、これは毎年見直すというふうに書いてあるのですけれども、それについて、もしこれから状況が変わっていった場合、どのような範囲でその金額をここに織り込んでいるのかというのをお聞きしたいと思います。

○古城座長 質問のほうだけよろしくお願いいたします。

○森本副本部長(関西電力) 日本原電の敦賀につきましては、これまでも安全に維持運用していく費用についてというものと、稼動に伴うものについて、需給契約において2本立てでやってまいりました。前者につきましては今後とも必要だと思っておりますし、安定的に安全に管理して維持・運用していくとともに、一方で、今進んでおりますいろいろな基準、こういったことも見ながら今後検討されていくと思いますが、私たちは、またこういったものについて進めることによって、稼動というものは視野に入ってくるということで入れております。
 後段のほうにつきましては、今後本当にどういう形になるのか、事態がそれぞれ出てきたときに考えていかなければいけない対象ではあるかと思いますが、現時点では、そういったものを仮の姿については特段考えている点はございません。今後考えていく対象にはなると思います。

○古城座長 それでは、時間が押しておりますので、次の項目に移らせていただきたいと思います。
 次は、減価償却・レートベース、規制部門と自由化部門の関係、見込みと実績の乖離、電灯需要の伸び予測、最大電力量想定と節電予測についての検討です。
 これにつきまして、まず関西電力から御説明をお願いします。
 なお、ここではピーク需要との関係で、電灯需要の伸び予測、最大電力量想定と節電予測についても御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○森本副本部長(関西電力) それでは、関西電力の資料29ページをごらんいただきたいと思います。
 原価算定期間中の稼動を見込まない7つのプラントにつきましても、高経年化対策等に加え、さらなる安全性向上対策の実施を計画し、再稼動に向けた準備を進めているところであり、原価算定期間以降には稼動するものと考えております。このため、これらのプラントの維持運営にかかわる費用等については、原価に算入しております。
 続いて、30ページをごらんいただきたいと思います。
 特定投資は長期投資のうち、エネルギーの安定的確保を図るための研究開発、資源開発等を目的とした投資でございます。能率的な経営のために必要かつ有効なものと料金算定規則で規定されております。
 今回、日本原電の増資引き受け等により、前回に比べてレートベースは846億円増加しております。
 続いて、32ページをごらんいただきたいと思います。規制分野と自由化分野別の販売電力量等の比較でございます。
 前回改定及び今回申請原価における事業報酬の規制分野の割合は、御案内のとおり、50%となっております。
 また、平成21年、22年度実績の電気事業利益の規制分野の割合につきましても、今申し上げた事業報酬と同様に約50%となっております。
 平成20年度及び23年度は乖離が生じておりますが、これは原子力利用率の低下や燃料価格の高騰等により、販売単価に占める燃料費の割合が相対的に高い自由化分野の収支が圧迫されたことによるものです。
 33ページから、費用をどのように配賦していくかということのフロー図を記載してございます。これは、省令で定められた料金算定規則の計算ルールに沿ってやっておりますので、御確認いただければと思います。
 36ページに移らせていただきます。
 規制分野と自由化分野の原価の割合は、各費目合計で、規制分野が46%、自由化分野が54%となっております。
 販売電力量のほうは、規制分野が37%、自由化分野が63%となってございます。
 規制分野への原価の配分割合が高くなっておりますが、これは、原価には燃料費のように販売電力量に応じて発生する費用に加え、修繕費や減価償却費のような固定費、さらに、例えば電圧を下げるための電柱の上にございます柱状変圧器のように、規制分野のお客様のみに必要となる費用などが含まれることによるものです。このあたりの図解を次の37ページに示しておりますので、また御参考までにごらんいただきたいと思います。
 続いて、39ページ以降、需要想定等についての御説明をさせていただきます。
 まず、最大電力の想定ですが、最大電力は、経済指標や実績傾向などから想定いたしました一定期間に使用される電力量をもとに、最大電力が発生する日の日電力量を想定し、その1日の電気の使われ方を考慮した上で、1日において電力が最も多く使用される時間の電力需要として想定しております。
 景気拡大期、後退期という切り口では想定は行っておりませんが、経済動向と関係の深い産業用電力や業務用電力につきましては、ここに書いておりますような経済動向を示す指標との相関により想定しております。
 40ページには、参考として電圧別の最大電力の算定方法を記載しておりますが、方法は、今御説明したものと基本的に同様でございます。
 続いて、41ページでございます。特に節電の影響についての御説明でございます。
 私ども、節電影響につきましては、無理なく御継続いただけるものをアンケート等によって確認し、その結果に基づいて想定しております。
 また、当社の販売する電力の代替となるエネルギーの導入が進んでおりますが、これらにつきましては、過去の実績傾向並みに最大電力の低減という形で織り込まれていると考えております。
 なお、当社が行いましたアンケート結果は、下に書いてございます政府が行われたものと大きな差が見受けられないことから、一定の妥当性を有しているものと考えております。
 42ページは、具体的な質問項目とその回答の状況をあらわしたものでございます。
 次に、43ページは、供給予備率の考え方です。
 ごらんいただけますように、瞬間的に電力の需要変動というものは発生いたします。こうした瞬間的な変動、計画外の電源脱落、中長期的な需要増等への対応を考えた場合、当社は、中長期的な観点から安定供給には少なくとも8%程度の予備率が必要と考えております。
 今後も省エネルギーの推進、料金メニューを通じたピーク電力の抑制に取り組んでまいりますが、仮に電力需要が供給力を上回るおそれがある場合には、私どもの設備の補修作業の延期や追加の融通受電など、幅広く取り組みを実施していくことにしております。
 最後に、原価と実績の乖離もあわせて説明させていただきます。45ページでございます。
 前回、20年度の改定時の小売り対象原価を、当該料金改定の原価算定期間であります実績と比較した場合、このようになってございます。特に燃料費と公租公課にその乖離が発生しておりますが、これは、原子力利用率の低下などにより、実績の燃料費及び購入電力料が大幅に増加したこと、これに伴う赤字決算の結果、法人税等が大幅に減少したことでございます。
 御説明は以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 続いて、九州電力、お願いいたします。

○長尾執行役員(九州電力) それでは、九州電力から説明いたします。
 31ページをごらんください。停止中の原子力発電設備を原価に算入する理由について説明いたします。
 現在停止中の原子力発電所6基につきましては、全基再稼働に向けて準備を進めておりますが、原価算定上は、平成25年7月に川内の1、2号機、同12月に玄海4号機、平成26年1月に玄海3号機が再稼働するものと想定しております。
 玄海1号機に関しましては、40年運転制限制やバックフィットを含めまして、原子力規制委員会の判断基準がまだ明確になっていない状況であるということを踏まえまして、原価算定上は期間内の再稼働を織り込んでおりません。
 また、玄海1号機とツインプラント(双子)の2号機につきましても、今回の再稼働スケジュールの想定には織り込んでおりません。
 原価算定上、算定期間内の再稼働を織り込んでいない玄海1号機、2号機につきましても、今後も当社にとって重要な電源であり、将来の稼働に向け、安全対策等を実施いたしまして、再稼働を想定しているということから、原価に算入させていただいているということでございます。
 32ページ目に特定投資について記載しております。
 特定投資とは、長期投資のうち、エネルギーの安定的確保を図るための研究開発、資源開発等を目的とした投資であって、電気事業の能率的な経営のために必要かつ有効であると認められるものと料金算定規則に定義されておりまして、その条件に合う投資先を原価に算入しております。
 特定投資は、日本原電の増資の引き受けや燃料調達関係プロジェクトの投資等により、前回原価と比べ582億円増の739億円となっております。
 33ページは、その特定投資の投資先、主な事業内容及び当社の出資目的、メリットについて記載しておりますので御確認ください。
 次に、34ページで、最大電力の想定方法について説明いたします。
 需要想定につきましては、まず、最近の実績傾向や経済動向を示す経済指標の見通し、商業施設等の新設情報などを反映した用途ごとの電力量を積み上げまして、全体の電力量を想定することといたしております。
 この想定した電力量をもとに、震災前の電気の使われ方を示す日負荷率といいまして、1日の電気の使われ方ですが、これを踏まえまして、節電がない場合の最大電力を想定いたします。これに今後も継続していただける節電、定着する節電、これを需要減少として見込み、最大電力を想定いたしております。
 節電影響の想定及び最大電力の想定結果につきましては、35ページを御参照ください。
 平成24年度は、数値目標を設定したこともありまして、お客様にはさまざまな形で節電に御協力をいただきました。これらの取り組みによりまして、平成24年夏の節電実績は189万キロワット減ということになりました。このうち、お客様へのアンケート結果をもとに平成24年度の節電影響の約8割程度に当たる141万キロワットを節電が定着したものと見ております。平成25年度以降も引き続き継続していただけるものとして最大電力を想定いたしております。
 平成25年度から27年度の最大電力の想定結果につきましては、右下のグラフに示すとおりですが、仮に節電の定着がないとした場合は、震災前とほぼ同水準で推移するものと見込んでおります。
 36ページには、定着した節電を把握するため実施いたしましたアンケートのデータを記載しております。
 続きまして、37ページ、供給予備力の考えでございますが、これは、先ほど関西電力さんが説明された内容と同一でございますので、説明を割愛させていただきます。
 次に、38ページでは、規制部門と自由化部門の料金収入額等を記載しております。
 平成20から22年度におきまして、規制部門の利益額の割合が比較的高くなっておりますが、これは景気後退等により販売電力量が減少したため、自由化部門で利益額が小さくなったことによるものです。
 平成23年度につきましては、原子力発電所の運転再開遅延に伴う燃料費等の増加によりまして、総費用に占める燃料費等の割合が高い自由化部門の収支がより圧迫され、規制部門に比べまして自由化部門の赤字が大きくなっております。
 次の39ページでは、個別原価計算の全体の流れを示しておりますが、経済産業省令で規定されました計算ルールに従って原価を配分しております。
 40ページでは、規制部門と自由化部門の配分結果をまとめております。原価全体に占める規制部門の割合は、51%となっております。
 41ページから43ページにつきましては、参考といたしまして、費用の発生源ごとの単価、個別原価算定の具体的な流れを記載しておりますので御参照ください。
 44ページをごらんください。前回改定時の織り込み原価と平成23年度までの実績について、その比較を記載しております。
 原価算定期間である平成20年度につきましては、燃料、特に石炭の価格が高騰したことによりまして、購入電力料が想定より増加したことなどにより、387億円、3%程度、実績のほうが原価を上回る結果となっております。
 購入電力料に関しましては、当社の購入先の多くは石炭を主な燃料としていることから、石炭価格の影響を受けやすいという実態がございます。
 一方、燃料費が減少していることにつきましては、景気の後退等により販売電力量が減少しておりますので、このため、自社の火力発電電力量の特にコストの高い石油火力を抑制した、これによるものでございます。
 また、平成21年度から22年度は、燃料価格の低下や円高の影響等による需給関係費の減少などによりまして、実績が原価を下回る水準で推移しておりましたが、平成23年度は東日本大震災に起因する原子力発電所の運転再開遅延に伴いまして需給関係費が急激に増加し、実績が原価を大幅に上回っている状況です。
 なお、21年度以降、人件費が増加しておりますが、これは、先ほど9ページで御説明いたしました退職給与金における数理計算上の差異によるもので、実際の支給額が増加したとかそういうものではございません。
 以上で説明を終わらせていただきます。

○古城座長 ありがとうございました。
 これから、ただいまの御質問について御意見、御質問をお願いしたいと思います。
 なお、心苦しいのですけれども、やはり時間が大分押しておりまして、本来、こちらのスケジュール表ですと、11時20分ごろにここに来ていなければいけないのですが、もう30分超過しておりますので、一応それを御念頭に置いて御質問をいただきたいと思います。皆さんの御質問は非常に短くて、まとまって御質問をしていただいているのですけれども、いま一層の御協力をお願いしたいと思います。
 それでは、皆さん、御質問、御意見をお出しください。いかがでしょうか。
 矢野委員。

○矢野委員 関電さんと九電さんに共通する質問として1つですけれども、関電さんだと29ページ、「原価算定期間中の再稼働を見込まない原子力機の取り扱い」ということで、減価償却費や維持運営にかかる費用は原価に算入ということで、どちらの電力会社もそうなのですが、だとすれば、減価償却費や維持運営にかかる費用そのものを可能な限り低く抑える努力がどの程度されているのか、その辺が明確ではないので、改めて資料を出していただくなり、努力をぜひ見えるようにしていただきたいと思っております。
 以上です。

○古城座長 よろしくお願いします。

○森本副本部長(関西電力) 前段に御説明させていただいた今後の発注関係で、効率化の対象となるものはございますので、当然ながら、その対象として考えてございます。引き続き、いろいろな面で努力をしていきたいと思っております。

○長尾執行役員(九州電力) 関西さんと同様でございます。委託関係費とか修繕費とか、そういったものにつきましては、7%の競争導入効果というものを織り込んで、さらにまた今後、先ほど調達のところで説明しましたような努力を行ってまいりたいと思っています。

○古城座長 ありがとうございます。
 小塩委員。

○小塩委員 両社にお聞きしたいのですけれども、アンケート調査を実施なさっていますね。節電をこれからも続けますという人が8割ぐらいいるということで、それは結構なことなのですが、質問されるときに、電力料金については現行のままという想定を置いていらっしゃるのですか。それによって答えぶりが違うと思うのです。その点は、この会議の前半で大阪の消費者団体の方も問題提起をなさっていたのですが、私も気になります。
 バイアスがどちらに向くかわからないですが、原発の事故があった直後に訊くのか、もう少し時間がたってから訊くのかでも違います。時間がたってから訊くと、省エネも今までよりは手を抜こうかなと思う人もふえてくると思います。このアンケート調査の結果は、今回の電力料金改定でも結構重視なさっていると思うのですが、解釈は慎重にしないといけないと思います。それについてどうお考えなのか、ちょっと伺いたいです。

○森本副本部長(関西電力) これは、今回の前提計画に使っておりますので、アンケートをやった時期は夏ごろでございます。その時点の実情を踏まえて、将来どうしていこうかということを集めましたので、今回の料金申請というタイミングからすれば、要素は全く入っていない、夏の状況のアンケートでございます。

○古城座長 古賀委員。

○古賀委員 今の御質問に関連するのですが、両社のアンケートの評価ですけれども、やはり「値上げとの関連性のないアンケート」ということで、かなり情緒的曖昧な回答であるように感じられるのです。しかも、アンケートその結果も今回の供給計画に反映されている数字が8割というのは、ちょっと節電取り組みへの評価として少ないと思います。それから、節電と電力供給量や予備率との関係なのですけれども、節電ということに関して言うと、産業用、事業用と家庭用というカテゴリーを厳密に区別して考える必要があると思います。産業用については、節電というのは非常に厳しいことがあると思うのですが、事業用と家庭用に関しては、意識を高めることでかなりの節電が可能です。関電さん、九電さんともに、産業用の割合が4割ぐらいで、残り6割ぐらいが、私が持っているデータだと事業用、家庭用ですので、そこのところの節電意識はもっと高めていただいて、節電による数値を供給量、予備費の削減に組み込むことができるのではないかと思います。
 あと、これはちょっと今の議論とはずれるのですけれども、実際に普及開発関係費の中に節電のためのPR費用というのはかなり多く計上されているのではないかと思われるのですけれども、消費者も「そんなに値上げするぐらいなら節電する」という方、特に、向こう3年にわたって莫大なPR費用を計上しての節電をしつこく呼びかけなくても本当に私の周りにもいっぱいいます。特に九電さんの予備率の計上は10%以上になっていて非常に高いと思いますので、その辺に本当に必要な電力量と予備率とのかかわりも含め、両社さんともに、PR費の削減とともに、必要電力量と値上げの関係も消費者にしっかり説明してほしいと思います。ぜひ見直していただきたいと思います。

○森本副本部長(関西電力) 関西から1点御回答いたします。
 値上げの効果というのは、これまでもいろいろな研究があったりして、私たちも勉強はしているところですが、実態的には、例えば東京電力さん、私たちより前に値上げをなさって、その後の行動がどういうものなのかという評価も必要かと思っております。
 昨今の大変厳しい冬の状況を見ますと、東京エリアでもたくさんの需要が出ているという状況も含めて、これからも評価していかなければいけないと思っています。
 まだこういった経験の積み重ねが少ないものですから、私たちのアンケートでも、ことしの夏は、その前の春ごろやったよりも消費者の方々の行動は深まっているというのは観測されておりますので、こういったことも実績を見ながら評価をしていきたいと思っています。

○古城座長 九州電力、お願いします。それから、予備率が高いという声もありますので、その点についてもよろしくお願いします。

○長尾執行役員(九州電力) まず、節電の考え方。先ほど、小塩委員のほうからもお話がありましたように、昨年末のアンケートですので、しかも数値目標を持った節電要請をお願いした中での結果についてということで、それの8割がどれだけかということは、本当は私たちも悩ましいところがございまして、そこをどういうふうにとらえるのか。
 また、電気料金の値上げの影響はどうなのかという話も当然ございますが、関西さんもやっておりますけれども、私どももスマートメーター絡みで実証試験という形で夏期のピーク時に値段を上げたらどうなるのかといった試験を今やっているところでございます。こういった知見を蓄えながら、今後のそういった節電の見方というのに反映させていくことになろうかと考えております。
 予備率の話についてでございますが、今回織り込ませていただいたように、予備率は非常に高いというお話がございますが、これは火力発電所の点検・補修をどのように積み上げていくのかということによって結果が変わってくるわけでございますが、当然、夏期の最大電力が一番使われるときには、最低が8から10%という形になりますが、できるだけ持っておきたいということで、夏期の補修をできるだけ避けるようにということで火力発電所のやりくりをやった結果、ちょっと高目になっているということでございます。
 ただ、実際、需給運用はどうなるかわかりませんので、これは想定の結果としてそうなっているということでございます。

○古城座長 次、橋本委員。

○橋本委員 私は、供給予備力のほうをお聞きしたいのですが、両者ともちょうど8%ということなのですが、今回もできる限り8%とかいろいろ書いてありますし、統計的な手法をもって8%程度というふうに書いてあるのですが、きょうではなくてもいいのですけれども、その統計的手法をとったり、この8%の根拠というものを消費者にわかりやすく数字的に出すことはできるのでしょうか。もしできるとすると出していただきたいと思っています。

○古城座長 それはちょっと複雑で説明は難しいと思いますけれども、今度追加資料でも。

○森本副本部長(関西電力) 了解しました。43ページに示しているように、予備率につきましては、昨年、需給検証委員会の場で相当議論された結果を踏まえておりますので、それも参考にしながら御準備させていただきたいと思います。

○古城座長 矢野委員。

○矢野委員 需要の推計に関してですが、スマートメーター自体が非常に節電効果を生むということで導入されてはいますけれども、このことがピーク電力の抑制にどのくらい具体的につながっているのか、その辺を需要の推計とあわせてお聞かせいただきたいと思います。

○彌園副本部長(関西電力) 当社の場合、スマートメーターの導入は110万件強でございます。全体の低圧の電灯需要の口数が1,200万件程度でございますので、10分の1程度ということだと思います。
 スマートメーターの導入にあわせまして、電気の利用の仕方の見える化ということを進めてございまして、自動検針の1時間値の結果をウエブ上でごらんいただける、そういう環境のお客様につきましては、ある程度の需要の抑制の効果があるということが我々の一応のサーベイで見えてございます。ただ、それも一部にとどまってございまして、見える化できているお客様は、さらにその1割程度でございますので、一定の需要の抑制の効果はあるものの、現在、見える形で最大電力を抑制するというところまでは織り込めておりません。

○古城座長 山口委員長代理。

○山口委員長代理 この前のクールの説明の項目になるのですが、関西電力の26ページ、「他社原子力発電所からの購入電力料」の中の説明で、日本原電の役員が24名もいて、役員給与が4,600万円なのです。これを支払うことを前提として、北陸電力への支払いと合わせて466億の支払いということになっているのですが、これは、各会社から日本原電には役員を派遣しているわけですし、上の北陸電力と比べても、従業員なんか全然少ないではないですか。役員数は24名もいて、460万も報酬を取っている、これはどう考えても、原価にそのまま算入というのは、ちょっといかがなものかというところがあるので御検討いただければと思います。

○森本副本部長(関西電力) 御指摘の項目も含めて、購入電力料は契約をしてございます。ほかでもいろいろな努力を求めておりますので、今の御指摘も含めて受けとめをさせていただきたいと思います。

○古城座長 あといかがでしょうか。
 どうぞ、蟹瀬委員。

○蟹瀬委員 要望にも近いのですが、節電をすると電気料金が少なくて済むと期待をしている消費者がおります。ですが、電力会社から言えば、節電をされると使われる電気量が少ないので電気代がちょっとしか入らないので赤字になる。立場が違うと、そのぐらい違うわけですね。ということは、節電をしましょうと声をかけているのに電気料が上がりますよと言われると、さらに節電は進むと私は考えているのです。
 要するに、物価は上がるは、税金は上がるはという状態の中であれば、同じ3,000円払っているのであれば、同じ3,000円の中ですべてを抑えていきたいと思うのが消費者です。そうしますと、一番大事なのは、専門家の皆さんの予定消費燃料、つまり、買った燃料を全部使うのではなくて、それをどのぐらい使わなければいけないかという予測が必要になってくると思います。私、去年もおととしも節電の中でいろいろなことを耳にしたときに、電力が余っているという声もどんどん聞こえてきていました。それは、なぜならば、生ものだから今使わなければいけない、ためることができないから今使わなければいけないので、ちょっとたくさんつくり過ぎてしまったらどこかに流れている。あるいは、もちろん売っていらっしゃるかもしれないのですけれども、もっと使っていいのだよという声も一般の人から聞こえてきているのが事実です。
 ですから、そういう意味で、これからの電気のあり方、それから、節電、節電と言って、日本人はきちんと節電をする国民ですから、その中でどういうふうに電気料というものを考えていくか、お互いが共存できる形にしていくかは、皆さんの今からの専門性の生かし方、予測の立て方によるのではないかと思っていますので、その辺をよろしくお願いしたいと思います。

○森本副本部長(関西電力) 1点だけよろしゅうございますでしょうか。

○古城座長 はい。

○森本副本部長(関西電力) 今のお話の中で、1つ誤解ではないかというのは、そういうふうに耳に入ってくる中で、余っているということではなくて、絶えず私どもは、お使いいただく需要規模に合わせて供給力を確保しているというのが現実でございますので、その点は御理解を賜りたいと思います。

○古城座長 ありがとうございます。
 ちょっとこちらからの御提案なのですけれども、随分おくれておりまして、今、ここまでですと11時20分までに到達していないといけないので、もう40分以上おくれております。そこで、こちらで予定している作業も勘案いたしまして、もう一つ、最後の項目として、新料金体系への移行に向けた情報提供等、資産売却等、その他というのがございますけれども、これにつきましては、皆さん、両電力会社からパンフレットが配られておりますが、これが情報提供の内容になっております。あと、資産売却もございますけれども、これは非常に乱暴ですけれども、説明を割愛しまして、後で書面で質問していただくということにしていただいてよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○古城座長 それでは、そういうふうにさせていただきたいと思います。
 どうも不手際な運営で申しわけございませんでした。
 それでは、皆さん、適切に御質問くださったのですけれども、やはりやらなければいけないことが多かったので時間が超過しております。皆さん、聞けなかった部分につきましては、こちらのほうに御意見や御質問をいただいて、文書にして改めてそちらに御質問して、御回答いただきたいと思います。
 それでは、関西電力、九州電力の方、長い間御説明いただいてありがとうございました。
 また、経済産業省資源エネルギー庁の片岡課長には、御出席いただきまして、まことにありがとうございました。
 皆さんには、ここで御退席いただきます。ありがとうございました。

(関西電力、九州電力、資源エネルギー庁 退席)

 

(3)消費者庁作成「チェックポイント(案)」について

○古城座長 最後の作業といたしまして、消費者庁が電力料金のチェックポイントというのをつくることになっておりまして、この案につきまして、当検討会でいろいろ意見を申し上げるということです。チェックポイントというのは、消費者庁では、東京電力値上げ申請の際の経験、当委員会での関心事項をもとに、経済産業省と査定方針案について協議を行うことになりますが、その際に参照するものです。
 消費者庁の長谷川消費者生活情報課長から案について御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○長谷川消費者生活情報課長 それでは、恐れ入りますが、資料7のチェックポイント(案)をごらんいただきたいと思います。それから、御参考ということで、前回、東電の際のチェックポイントを、席上配付でございますが、適宜御参照いただければと思っています。
 座長のほうからお話がありましたが、現在、申請内容については審査専門委員会等で審査中でございます。まだ正式に協議に入っておりませんが、できるだけ早く論点を明確化して経産省のほうに提示したいという旨でございまして、チェックポイント(案)を準備させていただきました。
 ごらんいただきますと、まず、前文は東電のときから随分と変わっております。東電のときには、公的資金が投入されているとか、そういう問題がございましたが、今回はそういう問題はなく、やはり公共料金の重要性、電力の重要性という観点で文章をまとめております。まさに質実的なサービスとか、あるいは地域独占的に供給されており、消費者にとっては事業者の選択肢がないとか、重要な点は、十分な情報提供と明確な説明が行われることとか、それから、消費者の権利に即してきっちりと利益によりかなったものになることを目指したいということでございます。
 そして、第2段では、東電と比べまして公的資金が投入されている点等を反映してつくったものでございますが、今回、そういうものは除いてということを明示させていただいております。
 前回、東電のときには41項目でございましたけれども、そういう公的資金等の東電特有の事情を捨象いたしまして若干少な目になっておりますが、全体としてコスト削減等の合理化努力とか情報提供のところというのは基本的なスタンスとしては変わっておりませんので、数的には37ぐらいにおさまっております。
 1ページ目をごらんいただきたいと思います。まず、給与に関しては、東電のときには公的資金が入っている他の事例ということがあったわけですが、今回そういうことがないということで、役員報酬とか社員年収においては、それぞれの立場において削減されるべきではないか。それから、その削減率については、少なくとも同等とするべきでないのではないかといったところを説明しております。
 2ページ目、マル2でございます。まさに補正の話が今回も議論になりましたけれども、その補正の方法については妥当であることが明確に説明されているかという点。
 それから、厚生費は、なかなか問題がございますが、基本は必要最低限の額が計上されているかというところでございます。
 問題となりますのは、法定厚生費につきましては、健康保険料の事業主負担、今回、関西電力は66%が56%へ、そして、九州電力は66%が58.5%ということで削減を図っているわけでございます。前回の東電につきましては、公的資金の導入と消費者目線の反映といった観点から、50%というものを明示させていただいておりますが、そのあたりをどう整理したらいいのかと考えているところを御意見いただければと思っております。
 それから、一般厚生費については、前回、公的資金導入といった観点から事細かく書いておりましたけれども、今回の九電、関電さん、それから東電の項目を比較して少し整理させていただいております。
 ただし、厚生施設費とかカフェテリアとか、各種奨励金・拠出金についての廃止・縮減というのは基本的には当然だと思っておりますので、ここについては明示しております。
 それから、調達でございますが、本日御議論ありました、まさに競争入札比率をどうするかという点でございます。関電さんが15から30、あるいは九電が17から30ということで、30を目標としておりますが、前回、東電のときには申請内容の目標値(3年で30%)の2倍の60%に拡大しているかというのを一つのメルクマールで示したところでございます。
 それから、随意契約についての削減幅でございますが、東電の場合ですとデューデリをやっておりまして、その結果を踏まえた10%程度といったものが入っていますが、今回それぞれ7%ということで、それについてさらに求めるのか、あるいは、その程度で考え方として基準と思っているのかといったところを御意見賜れればと思います。
 マル6番といたしましては、第三者の視点を持って調達の見直しをしているか、検証をしているかといったところを今回新たに整理しております。
 マル7でございますが、兼職職員への人件費というところを東電とは違ってプラスしております。
 以下、マル8以降は基本的な東電ベースでございます。
 5番目の減価償却費、レートベースでございますが、やはり再稼働の問題が出ました。ですので、ここについて稼働が見込まれない設備をレートベースに含める理由は何かといったところを明確にしてもらいたいと思っています。
 それから、燃料費、購入電力料については、東電のときと重なっている部分がかなりございます。ただ、マル19をごらんいただきますと、購入電力料や再処理積立金の内容について明らかにされているかというところを入れております。
 マル20番で、原価算定上、再稼働を7月から織り込んでおりますけれども、織り込んだ場合と、再稼働をしないといったときの電気料金への影響といったところを明確に説明しているかというところ。
 それから、マル21といたしまして、バックエンド費用について、電気料金との関係がわかりやすく明確になっているかといったところの説明を求めていきたいと思っております。
 4ページ目以降の規制部門と自由化部門は、基本的に前回ベースということで整理させていただいております。
 また、情報提供のマル26からについては、まさに節電、省エネのメニューとの関係ということを御説明いただこうかと思っています。
 それから、資産売却については、前回同様、子会社を含めたところもチェックしていくということで、子会社を含めた株式とか資産売却について積極的に行っているかとか、そういったところを見ていきたいと思っております。
 そして、マル32番といたしまして、本日の議論で出ましたが、電灯需要の伸び率の予測というところで、どのように節電とかを織り込んでいるのかといったところの明確かつ合理的に説明がなされているかというところをチェックしていきたいと思っております。その具体的な内容として(1)から(3)として示しております。
 そして、マル33でございますが、これも本日、議論が出ましたが、供給予備率についての根拠について明らかにされているかといった点を具体的に見てまいりたいと思っております。
 マル34以下は、基本的に前回同様、審査についてきちんと見ていきたいという話。
 それから、マル37といたしまして、いわゆる総括原価方式の見直しとかの御議論がありましたので、中長期的に取り組むべき事項といった点について確認してまいりたいと思っております。
 補足させていただきますと、1ページ目の役員報酬とか社員年収は、1人当たりではない、全体ということを示しております。
 また、2ページ目の厚生費については、具体的に前回の奨励金では、例えば持ち家の財形貯蓄とか総合預金とか、医療共済費、持ち株奨励金、いろいろとございましたが、基本的にはこういうものについての廃止・削減というのはベースとしてチェックしていきたいと思っております。
 以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 御説明いただいた内容について、御質問、御意見のある方は御発言をお願いします。よろしくお願いします。

○矢野委員 進行についていいですか。

○古城座長 まず、矢野委員、進行について。

○矢野委員 時間が限られた中で、チェックポイントについてはかなり意見があります。ですから、扱いを、きょうこの時間では無理だと思いますけれども、その辺をどうされるか。

○山口委員長代理 皆さんから意見を出していただいて、やはりどこかで集約する場は必要ではないですか。

○古城座長 長谷川さん、その場合はどうしましょうか。

○長谷川消費生活情報課長 もちろん、きょうできればありがたいのですけれども、そういうお時間がないと。

○古城座長 矢野さんは、これから30分ではとても足りないぐらいいろいろ意見があるという見込みですよね。

○矢野委員 そうです。

○山口委員長代理 しかも、要するに、東電とは随分グレートが違ってきたりしますので、そこら辺をどうするかというのはじっくり議論が必要だと思うのです。

○古城座長 長谷川さん、もう一回開いたほうがいいという意見ですが。時間的にそういう余裕はありますか。

○草桶審議官 先ほど長谷川のほうからもお話ししましたとおり、並行して進んでいる経産省の作業にインプットする必要があるものですから、例えばメールとかそんな形で、明日じゅうぐらいにコメントをいただく、それを我々に反映するというようなことでどうでしょうか。

○山口委員長代理 いつまでに出すというめどでしょうか。

○長谷川消費生活情報課長 来週の前半には何とか示したいと思っていまして。

○古城座長 そうすると、もう一回やるのは時間的に無理ですね。

○草桶審議官 要は、おそらくコメントをいただいて、我々のほうで政務も含めて庁内で議論をして、その責任で出すということになると思うので、その作業の日程を考えますと、そんなことかなと。
 特に我々が今気にしておりますのは、冒頭も申し上げましたけれども、公的資金が入っていない、だけど地域独占でありますとか消費者にとり選択の自由がないといった特性がある。それをどのように評価するかということです。我々事務局の判断でこれは要らないだろうと外した点もあります。だけれども、福利厚生費のあるべき企業負担割合は50%なのか、56%なのかどうかとか、あるいは、雑口のようないろいろな福利厚生費について、この項目はいいとか悪いとか、そういった部分もありますので、ぜひ皆さんの意見をいただきたいと思っております。
 その上で、明日というのは難しいでしょうか。

○古城座長 あしたもう一回やるということですか。

○草桶審議官 明日までにメールで。

○古城座長 ですから、きょう非常に大枠について議論をして、あとメールで意見を出して、あとは事務局にまとめるのを任せるということで納得できるかということです。

○矢野委員 きょうのところでは、御議論いただきたいのだけ意見を出して、あとは追加項目が幾つかありますので、そちらはメールのほうで対応させていただきたい。
 ちょっと御議論いただきたいのは、人件費のところのマル1ですが、後半部分の役員報酬と社員年収の削減率を少なくとも同等とするべきというのは、総額でということで、特に九電のことだと思うのですけれども、私は、本当に総額がいいのか、1人当たりでどれだけ削減されているかを見たほうがいいのと、それから、削減率ではなくて、あくまでも水準がきちんと適正であるかというところを重視しなければいけないので、余り率にとらわれてしまうと本当のところが見えなくなってしまうので、私は、同等というのはなしでいいのではないかと思います。
 以上です。

○古城座長 山口委員長代理。

○山口委員長代理 今との関係で、それぞれの立場に応じて削減されるべきではないかと思います。これは東電のときは、たしか1,000人規模という一つの基準があったと思うのですけれども、むしろそこをちゃんと提示したほうがいいのではないか。
 それから、4項目の入札比率ですが、要するに東電は6割、これが両社は3割という。当調査会としてどの程度の数字を出すのかというのはかなり重要なところで、どなたか知見のある方の御意見を伺いたいと思うのですが、少なくとも5割とか、3割でいいよというわけにいかないのではないか。
 それから、マル5の削減率も7%ということで、結構ですねというわけにいかないのではないか。やはり、それは東電と同レベルの10%ということでいいのではないか。
 あるいは、マル24番のピーク需要の推計ですが、これは先ほど来さんざんいろいろな議論が出たのですけれども、こういう抽象的な表現でいいのか、もう少し何か具体的な数字を織り込まなくていいのかという、私自身は具体的な意見は出せないのですが、どなたか先生の中で客観的に言えませんか。気持ち的には両社とも過大に見ているというのはどう見てもわかるのですが、では、どういう数字を出したらいいのか、そこら辺、何かこの専門調査会で知見が出せればありがたいと思うのです。

○古城座長 あと、作業としてはどんどん意見を出してもらって、文章でまとめることになりますので、どんどん出してください。
 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 事務の手続としては、先ほどご説明の通りで結構です。
 1つ、マル15番とマル20番のところで、現在の原発の関係費との関連ですけれども、公聴会とは別に、消費者庁も2度も関西、九州で意見交換会をされた中で、今の国民の原子力発電に対する考え方からいきますと、現在の査定すべき申請というものの内容は、一般的な生活者の視点からは、やはり原子力関係の費用が非常に高く計上されているし、再稼働も前提にしているというところで、単なる電気料金の値上げ問題としては受け入れられ難い面があると思います。この調査会の基本的なスタンスと役割を考えたその点まで踏み込むことが非常に困難な議論を持ち込むことは重々承知しているのですけれども、消費者庁側から消費者目線に立った値上げ審査のチェックをするについては、そこの中の原発関連の費用、先ほどの購入電力料の問題については、一定の見解を持ち、または持てないことを前提としてチェックしていく必要があると思います。今、特に具体的に申し上げる余裕はないのですが、マル15番とかマル20番のようなところはもう少し精査して意見を出し合っていただきたいと思います。

○古城座長 白山委員。

○白山委員 番号でいきますとマル26番からマル29番の情報提供のところですが、九州電力さんの資料の一番後ろについていた57ページの図は、前回私が発言した内容に対応していただいたものと思うのですが、ステークホルダー別の影響額が一覧でわかるというものです。このような図があると消費者が、先ほどの話で「理解と納得」というキーワードがございましたけれども、ほかの人たちはこれだけ負担しているのだから、消費者としてもこれだけの負担が必要だということがわかります。そこがぴんと腑に落ちないと、なかなか納得がいかないと思うのです。個々の原価を示して、これだけ削減していますと言うことを個別にいうのみでなく、この辺を消費者委員会の立場として、一覧でよくわかって、かつ、それに具体的な数字がついている、定量的に理解できるという、このようなものを要求していただければと思います。

○古城座長 小塩委員。

○小塩委員 3点ございます。
 まず、2ページの一番上のマル2ですけれども、先ほどの両者の説明を伺っても、補正についてはばらばらで、これは役所として統一的なルールというか基準を設定すべきです。電力会社にこの方法が妥当ですよという説明を求めるというのは何か妙な話です。役所として、資源エネルギー庁かもしれませんけれども、統一的なルールを示すことが必要だと思います。
 2番目は、厚生費のマル3の法定厚生費です。これは東電のときにもありましたけれども、私はナンセンスではと思うのです。というのは、健康保険料は賃金に比例して設定されますね、それを労使で分担するわけですから、その分担の仕方が何%であろうが、それは我々電力を使用するユーザーから見れば、どちらでもいい話ではないかと思います。ちょっと見ると事業主負担が軽減したら努力しているなと思えるのですが、その一方で雇用者の負担がふえているわけでしょう。ですから、全体として見れば同じではないかと思うのです。私は、会計上の処理がどうなっているのか不確かなところがありますので、そこは考えないといけないのですが、経済学的に見るとあまり意味がないチェックポイントかと思います。
 最後、マル37番ですけれども、これもよくわかったようでわからないのです。確かにエネルギー政策の今後のあり方についての理解とか、そういうのは重要だと思うのですが、電力会社に何を求めるかということです。これを見る限り、十分な説明と情報提供というのは、役所が政策について情報提供すべきですよと読めるのです。電力会社に何を求めるのかという点について、マル37番の意味はもう少し明確にしておく必要があると思います。
 以上です。

○古城座長 蟹瀬委員。

○蟹瀬委員 先ほどの30%の話ですが、東京電力さんが60%という数字を出してきているのであれば、そこへ限りなく努力するということをお願いしたほうがいいのではないか。つまり、1社ができて1社ができないということはないわけで、できる時期が違うということだと思うのです。
 それから、一つの固まった組織になってしまっていますので、例えば、調達の仕方を変えることによって新しい組織に変えていく入口にしてもらう、少し揺さぶって柔らかくしていかないと、今のビジネスについていかないような感じがします。
 九州の中で固まるだけではなく、関西だけで固まるのではなく、もっと世界レベルでやっていただくということも必要になってきます。まずは60%とか言ってみて、そこから揺さぶり始めるという感じで、ちょっとでもそこから変化が起こってくればいいのではないかと思います。上のほうの役員の人たちの頭が固まっているのだと思うのです。ですから、それをもう少し揺さぶって、下の人たちの意見がビジネスに反映されやすいような形に、逆に現場の人たちのやりやすい形に持っていくのがいいのではないかと思います。

○山口委員長代理 その関連でいいですか。

○古城座長 どうぞ。

○山口委員長代理 今のマル4の2行目ですが、関連会社が占める割合を少なくする努力をしているのかといいますか、割合を公表しているだけではなくて、やはり関連会社の割合は少なくする努力が必要だと思うのです。そこは何かの形で表現できないのでしょうか。

○古城座長 今までいろいろ意見を出していただきましたけれども、この段階で何か消費者庁のほうからお答えになることはございますか。

○長谷川消費生活情報課長 基本的にあすまでにメールをいただいた形で、我々がどのように反映したかというのは、もちろん先生方に確認をしたいと思います。
 1点、小塩先生の言われたところなのですが、そこが社会としてのどちらか負担するかとか、社会全体でわかるのですが、一応、料金のセッティングの話ですので、積み上げだというと、やはり50%とか56%というのは何か意味のあるような感じがするのですけれども。

○小塩委員 でも、人件費を原価に算入するわけでしょう。ですから、その中にも社会保険料は入っているのではないですか。入っていないのですか。

○小田審議官 そうすると、それも下がってしまいますから。

○草桶審議官 56を50にした瞬間に、ベースの給与は変わらなくても、その分が下がって、結局、人件費は自動的に下がりますから。

○小田審議官 その分は上がらないのです。

○草桶審議官 人件費は総額として下がるので。

○小田審議官 賃金、給与はカットして。それ以外の雇い主負担分もさらにカットするということです。

○草桶審議官 今の人件費の額の前提が変わってくるので、原価算入される人件費は変わってしまうのです。
 あともう一点、小塩先生、この紙のチェックポイントというのは、電力会社に対してというよりも、査定当局である経産省と我々のやりとりの紙なので、政策部分も含めて当然聞いていくことになります。

○小塩委員 では、資源エネルギー庁に対するものですか。

○草桶審議官 そうです。

○古城座長 それでは、これからの段取りというのは、これでチェックポイントを来週早々までまとめて資源エネルギー庁に提出して調整を始めて、電気料金の調整はいつごろですか。

○長谷川消費生活情報課長 そこは、規制当局、エネ庁側からの案が作成中だと思いますので、我々のほうの協議は2月だと思いますけれども、いつぐらいになるかというのはまだわかりませんが、事前に我々のほうでこのチェックポイントを示して、できるだけ今の審査のプロセスにおいて反映させてもらって、できれば(案)の中に反映させていく。我々はそれを協議として受け取って、消費者庁の中で検証するわけです。それでまた、これを利用させていただいて、どれだけ反映されているとか、そういうものを今後のプロセスの中で確認していくということだと思います。

○矢野委員 チェックポイントは、いつかの時点で、審査専門委員会のところで公表されますよね。

○長谷川消費生活情報課長 恐らくそうだと思います。

○矢野委員 それで、要望なのですけれども、長谷川さんは、前回のときはオブザーバーとして発言を余りされなかったので、こういった消費者委員会の調査会の意見や、取りまとまった時点で、役所同士のやりとりだけではなくて、あそこの場でも消費者庁としてのオブザーバーとしてきちんと発言をどんどんしていってほしいと思います。よろしくお願いいたします。

○長谷川消費生活情報課長 わかりました。ただ、まだ経済産業省の案が出ていない今の段階でコミットするというのもなかなか難しいものですから、そこだけ御理解いただきたいと思います。

○古城座長 経済産業省の案が出た段階で、この検討会はどういう段取りになりますか。

○長谷川消費生活情報課長 そこは、こちらの委員会の事務局と相談して詰めたいと思います。

○古城座長 今、皆さん、ちょっと不本意かもしれませんけれども、時間との関係で来週早々までにチェックポイントはまとめたいということです。今、皆さんからの大事なところについての御意見を出していただきましたけれども、あわせまして、あしたの5時ぐらいですか。

○長谷川消費生活情報課長 あしたじゅうでしたら結構でございます。

○古城座長 一応5時をめどに御意見をお寄せください。それの取りまとめにつきましては、消費者庁のほうで取りまとめていただきたいと思います。委員の方々には、その結果をお知らせ願いたいと思います。

○長谷川消費生活情報課長 矢野委員のほうからお話がありましたけれども、あちらのほうで私のほうのチェックポイントを示して具体的にも説明したいと思っていますし、いろいろ御議論あったこともきっちりと提示していきたいと思っていますので、何もしないというわけではありませんので。

○古城座長 それでは、ちょっと時間を超過しまして申しわけございません。議論は以上といたします。
 事務局から連絡事項などございますか。

○原事務局長 本日は、大変熱心に御議論いただきまして、タイトなスケジュールで大変恐縮です。
 前半やりました九電と関電について、まだ説明を受けられなかった部分について、再度それを読んでも質問がございましたら、事務局までお寄せいただければと思います。それもできるだけ早いほうがいいですけれども、あしたの夕方までというか、そうでなくても週明けぐらいまでで結構です。
 それから、チェックポイントについては、今、消費者庁側から御説明いただいたとおり、あしたの夕方までに御意見ある方はお寄せいただければと思います。
 あとは、座長とも御相談の上、また皆さんにまとめたもので返信をしたいと思っております。
 それから、次回の検討会につきましては、資源エネルギー庁の専門調査会の進捗状況、消費者庁と相談の上、改めて日程調整させていただいた上で御案内いたしたいと思います。
 以上です。

○古城座長 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 議事録が出ていないので、議事概要でもいいですけれども、次の委員会までには前回のが出ている状況をスピーディーにやっていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

≪3.閉会≫

○古城座長 それでは、よろしいでしょうか。
 本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)