第1回 特定保健用食品の表示許可制度専門調査会 議事録

最新情報

日時

2011年2月28日(月)14:00~15:55

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【専門委員】
 山田座長、梅垣委員、宗林委員
【担当委員】
 佐野委員、田島委員
【関係省庁等】
 消費者庁 相本食品表示課長
 消費者庁食品表示課 平中課長補佐(総括)
 消費者庁食品表示課 横田特定保健用食品審査官
 厚生労働省医薬食品局審査管理課 井上審査調整官
 厚生労働省医薬食品局安全対策課 広瀬課長補佐
【消費者委員会事務局】
 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の進め方について
3.「健康食品の表示に関する検討会」論点整理について
4.医薬品における再審査等の制度について(厚生労働省ヒアリング)
5.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:56KB)
【資料1】特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の進め方について (PDF形式:86KB)
【資料2】特定保健用食品の表示許可制度専門調査会のスケジュールについて(案) (PDF形式:91KB)
【資料3-1】「健康食品の表示に関する検討会」論点整理の概要 (PDF形式:285KB)
【資料3-2】「健康食品の表示に関する検討会」論点整理 (PDF形式:394KB)
【資料4】特定保健用食品の表示許可制度について(消費者庁提出資料) (PDF形式:365KB)
【資料5】再審査制度・再評価制度について(厚生労働省提出資料) (PDF形式:182KB)
【資料6】薬事法に基づく医薬品の副作用報告について(概要)(厚生労働省提出資料) (PDF形式:405KB)
(参考資料1)消費者委員会特定保健用食品の表示許可制度専門調査会委員名簿 (PDF形式:54KB)
(参考資料2)消費者委員会運営規程 (PDF形式:68KB)
(参考資料3)消費者委員会特定保健用食品の表示許可制度専門調査会設置・運営規程 (PDF形式:94KB)

 


≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、時間がちょっと早いですけれども、皆様おそろいになりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 今日はどうもお寒い中、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会特定保健用食品の表示許可制度専門調査会」の第1回会合を開催いたします。消費者委員会の事務局長を務めております原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 特定保健用食品の表示許可制度専門調査会については、本日が初めての会合となります。お手元の参考資料1に委員名簿をお付けしております。お名前、御所属などの御確認をいただけたらと思います。
 なお、この専門調査会の担当委員として、消費者委員会から、佐野委員、田島委員が調査審議に参画をいたします。また、消費者庁食品表示課にも御参加をいただいております。
 本日は、所用により寺本委員が御欠席です。申し訳ございません。
 本専門調査会の座長については、1月28日の第45回消費者委員会において、松本委員長から指名があり、山田和彦委員に務めていただくことになっております。
 それでは、山田座長、議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

○山田座長 ありがとうございます。このたび特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の座長を務めることとなりました山田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は第1回目の会合ですので、最初に本専門調査会を消費者委員会に置くことになった経緯につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

○原事務局長 初めに、この専門調査会を消費者委員会に置くこととなった経緯などについて御説明させていただきたいと思います。
 一昨年の秋になりますけれども、いわゆるエコナ問題に端を発する形で、消費者庁に食品SOSプロジェクトが置かれまして、平成21年10月8日にとりまとめられた報告の中で、特保に関しては再審査中における表示の取扱いと法制度面での課題や制度の今後の在り方について、消費者委員会における検討を求めたいとされています。
その後、消費者庁の健康食品の表示に関する検討会におきまして、一昨年の11月から昨年7月まで論点の整理がされまして、昨年8月27日の第33回消費者委員会で消費者庁から論点整理の御報告をいただいたところです。その中で、特保の表示許可制度に関して、再審査手続を開始するか否かの判断基準の明確化など、いくつかの論点においては消費者委員会での更なる議論を求めることとされました。
 そこで本年1月14日の第44回消費者委員会において、お手元の参考資料3に付けてございます「消費者委員会 特定保健用食品の表示許可制度専門調査会 設置・運営規程」を決定いたしました。消費者委員会の下に専門調査会を設置するということで、この検討を重ねたいとしております。
 その後、所用の手続を進め、本日第1回の会議を開くこととなった次第です。
皆様におかれましては、これからの審議、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは、以上です。

○山田座長 ありがとうございます。本日は第1回目ということもありまして、委員の皆様に簡単に自己紹介をお願いしたいと考えております。
 恐縮ですけれども、右回りということで、梅垣委員から簡単な自己紹介をお願いいたします。

○梅垣委員 国立健康・栄養研究所の梅垣と申します。
 私は、特保の審査などに若干関わっています。特保のいい面と若干問題と感じている面、その部分を今回御紹介というか、発言したいと思っています。よろしくお願いいたします。

○山田座長 ありがとうございました。
 それでは、恐縮ですけれども、田島委員からもお願いいたします。

○田島委員 消費者委員会委員を仰せつかっております田島でございます。
 消費者委員会では、いわゆる特定保健用食品の承認をいたします新開発食品調査部会の部会長も務めさせていただいております。
 簡単ですが、以上です。

○山田座長 ありがとうございます。
 佐野委員、お願いいたします。

○佐野委員 消費者委員会委員の佐野でございます。
 健康食品に関しては、表示とかチラシに関してもう一方で考えなければならない部分がありまして、そちらの方の担当ということでスタートしたんですが、やはり特保の方も同じようにいろいろな制度の改革、または消費者としてどう考えるかというところも、ぜひ検討しながらいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○山田座長 ありがとうございます。
 宗林委員、お願いいたします。

○宗林委員 国民生活センターの宗林でございます。
 国民生活センターの方では、いろんな苦情とかもお受けしておりますので、特保に限らず、健康食品全般のそういった相談であったり、あるいは私のいるところはテスト部ですので、そういったことで日常的に取り扱うことが多いです。
 特保に関しましては、個人的にも消費者、生活者としても仕組みがどうかと思うところもありますので、そういったことで発言できればなということと、医薬品の方にも少し関わっておりますので、そんな関係でも少し疑問のところを発言させていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○山田座長 ありがとうございます。
 本日は寺本委員が御欠席でございますけれども、また次回に御紹介していただければと思っております。皆様は御存じのように、寺本委員は特定保健用食品の新開発食品評価第一調査会の座長でもあられ、新開発食品調査部会のメンバーでもおられるので、特定保健用食品制度についても詳しい方と存じ上げております。
 私でございますけれども、これまで約10年でしょうか。特定保健用食品の審査に関わった一員として、難しい面あるいは進めたい面をそれなりに考えているところもございますので、座長という立場ではございますが、ときどき思ったことは言わせていただきたいと、そんな形で進めてまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 本日の会議につきましては、公開で行われます。また、議事録についても後日公開することになっております。
 まず、議事に入る前に、事務局の方から、配付資料の確認をお願いいたします。

○原事務局長 配付資料ですけれども、議事次第と書かれた紙の裏面に配付資料の一覧をお付けしております。
 資料1は「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の進め方について」。
 資料2は「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会のスケジュールについて(案)」。
 資料3は枝番が付いて1と2がありますが、消費者庁に設置されておりました「健康食品の表示に関する検討会」の論点整理の概要と論点整理です。
 資料4は、後ほど御説明いただきますが「特定保健用食品の表示許可制度について(消費者庁提出資料)」。
 資料5と6は、後ほどお見えになりますが、厚生労働省からのヒアリングということで提出をいただいている資料です。
 参考資料については、先ほど説明をいたしましたので省略させていただきます。
 配付資料は以上のとおりです。不足がございましたら、審議の途中でも事務局にお申し出いただけたらと思います。
 以上です。

○山田座長 ありがとうございます。
 撮影についてはここまでということでお願い申し上げます。

≪2.特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の進め方について≫

○山田座長 それでは、議題に入ります。
 本日は、本専門調査会の進め方について議論を行った後、皆様御存じだと思いますけれども、消費者庁から健康食品の表示に関する検討会の論点整理の御説明をいただきたいと思います。
 また、今回の特保制度の検討に当たっては、薬事法に基づく再審査制度や副作用報告制度などの仕組みが参考になるのではないかという観点もあり、本日は後ほど厚生労働省においでいただきまして、ヒアリングを行うこととなっております。
 まず「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の進め方について」から議題に入りたいと思います。
 設置・運営規程第3条によりますと、本専門調査会は委員会の求めに応じて調査審議するとされております。先般、1月28日の第45回消費者委員会におきまして、お手元の資料1「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の進め方について」が示されております。この進め方に沿って調査審議を行うことが求められておりますので、これに従って進めたいと思います。
 それでは、事務局より説明をお願い申し上げます。

○原事務局長 お手元の資料1「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会の進め方について」をごらんいただきたいと思います。
 まず「1.趣旨」です。
先ほど会議の冒頭で申し上げたような経緯を踏まえて、特定保健用食品の表示許可に関する制度の在り方やこれに関連する重要事項について、委員会の求めに応じて調査審議を行うこととしております。
 「2.主な審議事項」を掲げております。
 特定保健用食品の表示許可に関する制度の在り方として、
マル1、再審査手続きに関連する事項
マル2、再審査手続き開始後における新たな制度設計に関連する事項
マル3、そのほか特保制度に係る新たな制度設計に関連する事項などを御審議いただくこととしております。
 「3.スケジュール及び進め方」を掲げております。
 資料2として、もう少し具体的にしたものを(案)として示しておりますけれども、今日の会議の後、3月30日は行政法の先生からヒアリング、消費者庁から今回の論点に絞った形での御提案についてのお話をお聞きしたいと思います。
 それから第3回、第4回は5月、6月に開催いたしまして、7月には消費者委員会へ御報告をしたいというスケジュールで進めさせていただけたらと思っております。
(案)として提示しておりますけれども、事務局からは以上です。

○山田座長 ありがとうございました。タイトなスケジュールであるのは事実でございますけれども、議論をしかるべく進めたいと思っております。専門調査会の進め方とスケジュールについての御質問などのある方は、御発言をお願い申し上げます。
これまでの進め方、スケジュールについて、よろしいですか。

(「はい」と声あり)

≪3.「健康食品の表示に関する検討会」論点整理について≫

○山田座長 それでは、先に進めたいと思います。
 今まで事務局からもあったように、本調査会では、再審査手続に関する論点を主な検討事項とするということで運営してまいりたいと思います。
 最初に「『健康食品の表示に関する検討会』論点整理について」ということで、資料3-1、3-2について消費者庁の方から御説明をいただき、消費者委員会に検討が求められているという論点を確認したいと思います。併せて、特定保健用食品の表示許可制度の仕組みについても御説明をお願いしたいと思います。
 それでは、消費者庁より御説明をお願いいたします。

○平中課長補佐 消費者庁食品表示課でございます。論点整理の御説明をする前に、各委員御案内かとは思いますけれども、まず資料4「特定保健用食品の表示許可制度について」を改めてざっと御説明させていただきたいと思います。
 2ページからでございます。
 特保の表示許可手続につきましては、消費者庁設立以前は、厚生労働省において申請を受け付け、許可をしてきたところでございますけれども、消費者庁が設立された一昨年9月より、消費者庁において許可手続を行うことになっております。
 申請書は、消費者庁の食品表示課が受け付けまして、下審査をした後、消費者委員会と食品安全委員会へそれぞれ諮問するという手続になっております。
具体的な手続はフローチャートに書いてあるとおりでございまして、まずは消費者委員会の新開発食品評価調査会におきまして、効果についての審査を中心に御議論をいただくことになっております。
その結果、効果が認められるという判断がされたものにつきましては、次に食品安全委員会の新開発食品専門調査会で新規の関与成分の安全性に関する審査を中心に議論をいただいております。
これらの効果及び安全性について問題がないという結論が出ましたら、食品安全委員会からの答申を受けまして、もう一度消費者委員会に戻ってまいります。
今度は新開発食品調査部会におきまして、改めて安全性及び効果を総合的に御判断いただいて、消費者委員会からの答申をいただいております。
消費者庁におきましては、この答申を受けまして、特保として許可される表示が医薬品、薬事法の表示に抵触しないかという確認を厚生労働省へいたしまして、最後に関与成分量について独立行政法人国立健康・栄養研究所または登録試験機関において分析を行い、その確認をしたものについて、消費者庁長官の許可をするという手続になっております。
 3ページは、特保の許可を受けますと、どのような表示ができるかという例でございます。
 パッケージ表示例の真ん中辺りに「許可表示」という項目がございます。「●▲には△△が含まれているため、便通を改善します」あるいは「おなかの調子を整えたい方やお通じの気になる方に適しています」という表示をすることができるというのが、この許可表示の中心になるところでございます。
 この許可表示とともに、1日当たりの摂取目安量「1日当たり2袋を目安にお召し上がりください」でありますとか、摂取をする上での注意事項「一度に多量に摂りすぎると、おなかがゆるくなることがあります」という注意事項も併せて表示をしなければならないようにしております。
 さらに、この許可を受けた食品につきましては「消費者庁許可」と書かれたマークを付すことになっております。
 4ページは、先ほど消費者委員会及び食品安全委員会において、有効性や安全性の審査をいただいていると御説明申し上げましたけれども、その有効性、安全性の要件について、さらに詳しく御説明しております。
 左側の四角でございますが、有効性の要件として「健康の維持増進に寄与することが期待できる」あるいは「保健の用途に係る科学的根拠が明らか」という要件について、審査をいただいた上で有効性があるかどうかを判断いただいております。
 具体的にどのような内容を審査いただいているかというのが、真ん中の青い枠の上半分でございます。具体的には、関与成分についての試験管内での試験、あるいは動物を用いた試験などによって、関与成分の作用や作用機序、体内動態を明らかにした資料を申請者から提出させ、これを審査いただいております。
 さらに、これらによって有効性を確認した後、原則として、審査の対象となっている食品を用いたヒト試験を実施して、実際に保健の用途に係る効果があるかどうかというものを確認しております。その際には、プラセボ食品摂取群を対照とした比較試験を行って、統計学的に十分な有意差が確認できたかどうかというところを審査いただいているところでございます。
 安全性の要件でございますけれども、これは食品及び関与成分が安全なものであること、さらに十分な食経験を有するものであること。仮に食経験が十分でない場合には、科学的根拠に基づいた十分な安全性の評価を求めているところでございます。
 具体的な審査の内容ですけれども、真ん中の下半分でございます。試験管内での試験及び動物試験により、安全な摂取量を確認するための基礎資料を提出させております。さらにヒト試験を行って、過剰摂取時、長期摂取時における安全性も確認をしているところでございます。
 これらの試験を行うに当たっては、右側に緑で囲っている部分ですけれども、できるだけ各者共通になるような試験デザインを当方から示しているところでございます。
 5ページは、特保の表示がどのようになされているかということについての御説明でございます。
 特保の許可といいますのは、関与成分ごとに許可しているのではなくて、その関与成分が含まれている食品ごとの許可でございます。
例えば左側は同じお茶の飲料でございますけれども、一番上と2つ目は、茶カテキンを関与成分としているところでは同じですけれども、許可はそれぞれの食品ごとに行っておりますので、食品ごとに申請者が提出してくる科学的根拠が違っている結果、許可をする表示の内容も違っております。食品ごとにその内容も違っておりますので、当然1日摂取許容量もそれぞれ違ってくるということでございます。
 下のウーロン重合ポリフェノール、あるいはγ-アミノ酪酸というものについても、同じようなお茶でございますけれども、それぞれ科学的根拠が違っていますので、表示内容も違っているということでございます。
 6ページは、今回議論の中心としていただいております再審査の手続についてでございます。
 再審査手続につきましては、健康増進法に基づく内閣府令の第5条に具体的な手続を定めております。ここでは、新たな科学的知見が生じたとき、その他必要があると認めるときは、消費者庁は食品安全委員会及び消費者委員会の意見を聞いて、その意見を踏まえて再審査を行い、必要に応じて許可を取り消すという手続になっております。この際に、消費者委員会におきましては安全性及び効果についての審査、食品安全委員会におきましては安全性に係る審査をしていただいているところでございます。
 これらの意見を踏まえまして、消費者庁といたしましては、健康増進法第28条の第3号にありますように、科学的知見の充実により、当該許可に係る食品について、許可に係る表示をすることが適切でないことが判明するに至ったと判断した際には、特保の許可を取り消すということになっております。
 以上が制度の御説明でございます。
 続きまして、健康食品の表示に関する検討会の論点整理について御説明いたします。資料3-1に概要をまとめております。
 消費者庁では、平成21年11月より「健康食品の表示に関する検討会」を開催してまいりました。この中では、健康食品の表示の現状の把握や課題の整理、特保などの特別用途食品の表示制度の在り方、その他いわゆる健康食品の表示の適正化を図るための表示基準や執行の在り方というものを検討項目として議論してまいりました。この検討会は11回会合を重ねまして、昨年の8月に論点整理をとりまとめたところでございます。
論点整理は、大きく2つに分けてとりまとめております。
 左側半分が、消費者庁において早急に対応すべきとされた方策でございます。これらの方策は、法的な手当を要することなく、通知あるいはガイドラインのレベル、指導のレベルで対応が可能ではないかというものについて、早急に消費者庁において対応していくということでとりまとめております。
 右側半分が、今回、消費者委員会においてさらに議論していただく分ということで、法制的、制度的な検討が必要な課題をとりまとめております。いずれの課題も、特保の表示許可制度についてと、その他いわゆる健康食品の表示、広告の規制について分けてとりまとめております。
 特保につきましては、まず左側の(1)特保の表示許可制度についても、法的な手当をすることなく改善ができるものをマル1~マル3と挙げております。
 マル1は、特保の表示許可手続を明確化するための試験デザインの枠組みの提示や公表すべき情報の範囲の統一などをしていくということでございます。
 マル2は、許可後に生じた新たな科学的知見をどのように収集していくかということで、事業者に定期的にこれらの知見をとりまとめて報告させ、必要に応じて表示内容の変更を求めるという方策について検討し、対応すべきとしております。
 マル3は、その他保健の機能を適切に伝える表示や広告の方法といたしまして、摂取対象者や期間が記載されるように、現在の特保の表示方法を改善することや、あるいは特保の広告に関するガイドラインを作成するという方策が挙げられております。
 右側は、消費者委員会においてさらに議論いただきたい課題でございます。
黄色い枠のマル1は、特保の表示許可制度について、再審査手続の明確化や許可の一時停止の仕組みなど、新たな制度設計の在り方についての課題を挙げております。具体的な課題については、論点整理の本体、資料3-2の11ページをごらんください。こちらに、さらに検討が必要な制度的課題の「マル1、特定保健用食品の表示許可制度」に係る課題がございます。
 特保制度におきましては、先ほど御説明したように、再審査の手続が置かれております。しかしながら、現行制度では、再審査手続を開始するかどうかを判断する基準が明らかでない。また、再審査手続を開始しても、実際に特保の許可を取り消すべきかどうかを判断するまでに時間を要するという問題点が挙げられております。これらの問題点は、エコナ問題に端を発した議論の中で、消費者、事業者の方から多数御意見が寄せられたところでございます。
 これらの議題につきまして、消費者委員会においてさらなる議論をいただくことを求めたいということで、「ア」と「イ」に分けて論点を整理しております。
 「ア」は、現行制度では再審査手続を開始するに当たっての判断基準が明確でない、あるいは迅速に手続を開始することができないという点につきまして、再審査手続を開始するか否かの判断基準を明らかにすること、さらに新たな科学的知見の報告義務を事業者に課すこと、迅速に判断できる体制を整備することなどについて、引き続き議論する必要があるとしております。
 「イ」は、再審査手続を開始した後、現在の再審査手続の仕組みでは、食品安全委員会及び消費者委員会に意見を聞いた上で、表示許可を取り消すか否かを判断するということになっており、実際は判断までに相当の時間を要することが予測されております。
 このため、表示許可を取り消す前であっても、何らかのアクションがとれないかということでございまして、例えば消費者への注意喚起を促す表示を義務づけるべきかどうか、あるいはその場合の判断基準をどう考えるか。許可を一時停止することについてはどうか、さらにその判断基準をどう考えるべきか。判断に当たって食品安全委員会や消費者委員会の意見を聞くべきかどうかといった論点、さらに許可の更新制の導入などの可否も含めて、新たな制度設計の在り方について引き続き議論する必要があるとまとめております。
 御説明は以上でございます。

○山田座長 ありがとうございました。今、御説明をいただきましたが、論点整理において消費者委員会に検討が求められている内容を確認しますと、先ほど御指摘のありましたように、資料3-1であれば、図の黄色い部分でございますし、文章でいきますと、資料3-2の11ページのマル1のアとイです。アに関しては、中段の下線部が引いてあるところです。再審査手続を開始するか否かの判断基準を明らかにすることや、新たな科学的知見の報告義務を事業者に課すことについて、さらにはそのことが迅速に判断できるためには具体的な対策をどのように整備するかということが第1点であります。
 その後段、イになります。特に下線部になりますけれども、再審査手続開始後に消費者への注意喚起を促す表示をどのように義務づけるか、あるいは義務づけることについてどのような議論が必要かということでございます。さらに許可を一時停止できる仕組みというものについても議論していきたい。あるいは許可の更新制の導入というものが可能かどうか。こういった点がここに書かれているようなことに整理できると思います。
 それでは、御説明をいただいた論点整理と特保の制度について、忌憚のない御質問あるいは御意見をいただきたいと思います。どうぞ御発言をお願いいたします。どなたかございませんでしょうか。
 宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 大小合わせて3点伺いたいと思います。
 今、消費者庁さんの方からありました仕組みの説明の中で、すごくシンプルなことなんですが、3ページの特保の表示のところに、許可表示の「便通を改善する」という表現があります。これは厚生労働省さんと最終的にはすり合わせをして表示の許可をしているということで御説明がありましたが、これだけ見ると、薬事法に抵触するのではないかと思いますので、それを単純にお聞きしたいのが1点。

○山田座長 3ページというのは、資料4の3ページですか。

○宗林委員 資料4の3ページです。
 2点目は、資料4の再審査についての一定の手続のものがあったわけで、特保についてもそれが含まれているということだったんですが、エコナについては、諮問する予定があったのかなかったのか。しようと思えばできたんだろうと思いますが、それが2点目です。
 3点目は、この論点整理の中で再審査制度との関係で大きな関係が出てくるのではないかと思うんですが、消費者庁側でやる許可後に生じた新たな科学的知見の収集ということは、もう開始されているのか、今どういう状態なのか。3点教えてください。

○平中課長補佐 お答えいたします。
 1点目のご質問は、3ページのパッケージ表示例にあります「便通を改善します」といった表示について、薬事法との関係の御質問ですけれども、この表示に限らず、特保として表示を許可する際には、法律に基づいて厚生労働省へ協議をすることになっておりますので、協議をした結果、その許可を与える食品については、この表示をすることは薬事法違反にはならないということを確認した上で表示を許可しているところでございます。
 2点目の再審査手続の件ですけれども、エコナの食品SOS対応プロジェクトにおきまして、再審査手続を開始するということを当時決めたわけでございまして、具体的に消費者庁はプロジェクトの報告に従いまして、消費者委員会及び食品安全委員会へ再審査について諮問をしております。諮問をした後に、事業者の方から、その許可を受けた食品についての許可の失効届が提出されましたので、その時点で審査は打ち切られたということでございます。
 3点目の許可後に生じた科学的知見を収集するために事業者に科学的知見をとりまとめて報告させるという件ですけれども、実は現在の特保の許可におきましても、許可証の中に新たな科学的知見が生じた場合には報告を求めるという許可条件がございます。ただ、これが非常に漠然としておって、実際には許可を受けたものについて報告をなされた例はございませんので、この許可文言をさらに詳しくするとか、あるいはもう少し仕組みを明確にするということについて検討をしておるところでございまして、早ければ今年度中には何らかの方向を示したいと考えるところでございます。

○山田座長 ありがとうございます。宗林委員、よろしいですか。

○宗林委員 申請時ではなくて、何か新たなものはされていますかということなんです。これは検討会の後に論点整理があって、消費者庁側でするべきこととしてまとめられているので、その後に何かされたかなということを伺いたかったんです。

○平中課長補佐 先ほど申し上げたのは、これまでもそのような許可条件はあったところですけれども、それがうまく機能していないというのが検討会での議論でありましたので、その論点整理を受けまして、もっと使いやすく、もっと事業者の方から報告を求められるような仕組みをつくるということについて、現在検討中でございます。

○山田座長 ありがとうございました。
 そのほかに御意見はございませんでしょうか。梅垣委員、どうぞ。

○梅垣委員 今の件に関連するのですが、今まで事業者がそういう事例を集めているというのをモニターされたことはあるのでしょうか。

○平中課長補佐 これまでにも、例えば事業者の方で何らかの関与成分についての新たな論文が出たということは、随時情報提供は受けておりますけれども、具体的に何かの仕組みに基づいてモニターしているという状態にはございません。

○山田座長 どうぞ。

○梅垣委員 もう一点別のことです。特保ができたのは1991年ですが、そのときは恐らく2年ごとに再評価というか、更新をしていたと思います。その後、更新期間が4年か5年になって、規制緩和の動きから今の状態になったわけです。規制緩和のところとバランスが保てないと、今、突然再審査を全部するというのは難しいように思います。そういうところはどうお考えでしょうか。

○平中課長補佐 御指摘のとおり、特保制度が始まった際には、2年ごとに更新をする制度になっていたと聞いております。その後、2年を4年にして、さらにそれを撤廃したという経緯がございます。
 その背景などについては、残念ながら消費者庁にはあまり資料が残っていないところでございます。

○山田座長 ありがとうございます。
 そのほかに何かございませんか。宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 単純な質問ですが、厚労省から消費者庁マークに移管するということで変わったわけですが、そのときの手続として、消費者庁に再度申請を出す必要があったわけですね。

○平中課長補佐 これまでの厚生労働省許可のマークから消費者庁許可のマークへの変更をしていただくように事業者には指導しておりまして、一定の期間を設けて、その間に届出をしていただくということにしております。

○山田座長 宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 そうしますと、一般の市場では、例えば今まで850とか商品数がすごくあると聞いていながら、実際に市場に出ているものはそんなにないのではないかという議論があったんですが、変更届を受けたことで変更されて、しっかり消費者庁マークになったものはどのぐらいになるんですか。単純な質問です。

○平中課長補佐 移行期間はまだ続いておりまして、今年の8月末までに変更届を出してもらうように指導をしております。大まかな数字ですけれども、現在までに約半数の届出がなされています。

○山田座長 よろしいですか。

○宗林委員 はい。

○山田座長 ただいまの議論を伺って、もともと厚生労働省でつくられた仕組みが消費者庁に移行して、ちょうどそのころにエコナという問題が出てきた。そのことで一応許可を取り消す、あるいは再審査という道はつくっているんだけれども、具体的に進む仕組みがなかった。それから時間がかかる。そういう時間がかかるということをどのように透明性を持ちながら、短い時間でやれるような仕組みを考えてくださいというのが、私たちの委員会で検討されることの1つだと考えております。今まで委員の皆様からいくつかの質問が出てきたことと通じることだと思いますし、また、実質的に情報収集ということも定義はされているんですが、実態としては非常に少ないものである。そういう実態をどういうふうに消費者に周知といいましょうか、新しい科学的知見が出てきた場合には、それに迅速に対応しながら、新しい変化に応じた文言、あるいは特保の健康表示の許可に反映させていくかという仕組みが求められているだろうと考えております。
 そういった点から、ただいまの更新制というのでしょうか。当初は2年間、それから4年間に変わり、ついに廃止された。その後、せっかく新しく出てきた知見をみんなが共有できるような形で、どのようによい仕組みにしていくかということではないかと考えられます。その仕組みをこの短い時間で具体的にどのようなものにしていくかというのは、そうたやすいことではないと思いますけれども、まずは道づくりから。それから、簡単でも、数少なくてもいいから、透明化された基準づくりというものではないかと考えます。
 特にそのほかにございませんか。よろしいですか。今回は第1回ということで、それぞれどのような点を私たちに求められているかということを再認識、確認という意味的なこともございますので、今のような忌憚のない質問をいただきたいと思っております。

≪4.医薬品における再審査等の制度について(厚生労働省ヒアリング)≫

○山田座長 それでは、次に進めさせていただきます。議題4「医薬品における再審査等の制度について」ということで、本日は厚生労働省様がおいでになっております。
 まず、特保の再審査手続に関して、今後検討するに当たりまして、医薬品における再審査制度というものが参考になるのではないかということが考えられます。本日は、この医薬品における再審査、あるいは情報収集の制度がどのような仕組みで、また実態的にどのように運営されているかについて、私たちに説明をいただき、理解を深めたいと考えております。
 それでは、お忙しいところ恐縮でございますけれども、御説明を申し上げます。

○井上審査調整官 厚生労働省審査管理課の井上と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、審査管理課の方で再審査制度を担当しておりまして、本日、医薬品の再審査制度、また再評価制度というのもございますので、こちらの2点について御説明させていただきたいと思っております。資料は、資料5になります。
 1枚おめくりいただきますと、医薬品としての基礎研究から承認審査、市販後までの主なプロセスをお示ししております。医薬品につきましては、基礎研究から治験に至る各段階におきまして、品質、有効性、安全性のデータが収集されまして、そのデータを基に承認申請資料が作成されます。
 その承認申請資料に基づいて、医薬品医療機器総合機構、以下PMDAと略しますけれども、PMDAによる承認審査、薬事・食品衛生審議会の諮問、答申を受け、最終的に厚生労働大臣が承認の可否を決定するという流れになっております。
 承認した後の市販後におきましても、日常的に行われる安全対策、製造販売後調査、必要な場合には製造販売後臨床試験が行われまして、その結果に基づきまして、医薬品について有用性があるか否か、再度確認するという再審査の制度が設けられております。
 再審査が終了した後におきましても、学問水準の進展等に伴って、有効性及び安全性について再び評価するということで、再評価が設定されております。
 次のページをごらんください。まずは、再審査制度について御説明させていただきます。
 再審査制度につきましては、サリドマイドやスモンなどの副作用被害から被害発生の未然防止を目的に行われました昭和54年の薬事法改正におきまして導入されております。
 まず、新薬につきまして、承認後、一定期間市販後において医療機関等で使用されたデータを収集して、そのデータを基に承認された効能及び安全性について問題がないかという確認をする制度になっております。
 これは新薬の承認に際しまして、有効性及び安全性に関して、当然非臨床試験のデータや臨床試験のデータなどを詳細な資料を基に厳格に審査された上で承認されておりますけれども、どうしても臨床試験で得られるデータは症例数の制約があり、有効性等の評価のために治験に参加する被験者の要件を厳密に制限するなど制約された条件下でのデータになっております。
 このため、承認後に市販されると、いろんな患者背景の中で使用されるため、これまで知られていなかった未知の副作用が発現することもございます。このため、一定期間実際の医療現場での使用に基づく使用成績等の調査を行って、その結果に基づいて、有効性・安全性の再確認をとることを趣旨にした制度になっております。
 再審査の指定につきましては、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、承認するときに再審査期間何年ということで指定しております。
 再審査期間終了後におきましては、製造販売業者から再審査申請され、それをPMDAで有用性が認められるか、承認を一部変更または削除すれば、有用性が認められる、認められないといったいずれかに該当するか確認されまして、承認の取り消しとか、効能・効果の削除、修正、特に措置なしといった対応がとられております。
 次のページは、今、御説明させていただきました再審査制度を図示したものです。
 承認時に指定する期間が、こちらの黄色の部分になるところでございますが、この期間において収集される安全性情報や製造販売後調査等のデータを基に再審査が行われる。継続した製造販売を認めるか否か判断されるということになっています。
 次のページは、主な再審査期間をお示ししております。
 まず、希少疾病用医薬品などでは、患者数が少ないなど、データを収集する期間を長くとる必要があるので、10年といった期間が設定されております。
 我が国で初めて新しい有効成分の場合は8年、新投与経路医薬品、例えば注射剤で使用されていたものを新たに飲み薬で承認する場合や、新医療用配合剤、例えば、輸液のようにビタミンとアミノ酸が配合された2種類以上の成分を配合したような新しいものについては6年となっております。
 なお、配合剤については、既存のものとの新規性というところも考えて、4年という場合もございます。
 新効能・効果医薬品、新用法・用量医薬品は4年ということになっておりまして、こちらで見ていただきましたらわかるように、再審査といいますのは、基本的にはその1つの効能・効果等について付けられております。ですから、1つの品目についても、複数再審査期間を持っているものもございます。
 次のページは、再審査請求に際し添付すべき資料をお示ししております。
まずは、再審査請求書がございます。それに「1.再審査申請資料概要」として(1)~(8)までの資料を添付してもらうことになります。この中で主要な部分が赤字でお示ししております製造販売後調査等の概要、安全性に関する検討、有効性に関する検討というところで、こちらの資料を基に承認を継続するかどうかというところを確認することになっております。
 「2.再審査申請添付資料」は、先ほどの安全性に関する検討、有効性に関する検討の根拠となった資料を添付してもらうことになっております。
 後ほど説明させていただきますけれども、承認後に実施される使用成績調査や、製造販売後臨床試験、日常的に使用された安全性情報をとりまとめたものが「2.再審査申請添付資料」になっております。
 「3.適合性調査資料」は、製造販売後調査等についてGPSPと言われる基準に基づきまして情報収集が規定されておりまして、当該基準に従わない資料は再審査申請資料としては使えないことになっております。
 次のページは、先ほど出てきました使用成績調査について、簡単に御説明させていただきます。
 まず、使用成績調査といいますのは、そもそも再審査を導入した目的でもございますように、医療現場の使用実態下において、患者の条件を定めることなく、有効性や安全性、品質に関する情報を収集するための調査をいいます。再審査につきましては、新薬について指定されますので、そのほとんどは医療用医薬品です。このため調査に当たっては、医療機関からの情報収集をするため、医療機関との契約によって実施されることになります。
 企業におきましては、調査対象となる医療機関の選定、契約、報告を受けるなどの手続が必要になります。そのための経費等も発生しますので、企業にとっての負担というのは決して小さくはないと思っております。
 どれくらいのデータが必要かということにつきましては、個々の品目によって対象とする疾患の患者数や特に注意するリスクの有無等によっても異なりますので、一概に言うことは難しい状況です。ただ、例えば3,000例とか、多いものでは約1万例とか集められたりすることもあるようです。
 このような例数やどのような計画で実施するかについては、企業とPMDAの方で協議して、設定されることになります。
 特定使用成績調査は、例えば小児のデータや腎機能に障害のある患者データなど、特定された背景にある患者に対してのデータを特に収集するといった使用成績調査も行われることがございます。
 製造販売後臨床試験につきましては、承認に際して必要に応じて求められる場合がございます。例えば承認時には、推定により評価したところについて、承認後に臨床試験を実施して検証するといったことも実施されることがありますので、そのときには製造販売後臨床試験が実施されたりします。
 再審査期間中におきましては、これら使用成績調査等に基づく安全性等につきまして、2年間は半年ごとに、それ以降は1年ごとに報告することになっております。
 次のページは「再審査結果等」ということで、これまで平成20年度末の実績ですけれども、再審査の結果が通知されたものについてお示ししております。
 この中で「有用性が認められるもの」としては、989成分、2,827品目。
「承認事項の一部を変更すれば有用性が認められるもの」としては、50成分、142品目。
「有用性が認められないもの」としては、これまでございません。
 例えば承認事項の一部の変更を求めたものといたしましては、例えば平成20年にうつ病の治療薬である塩酸ミルナシプランについて、初期用量を50mgから25mgとする変更であるとか、「分割経口投与」を「2~3回に分けた投与」とするよう承認事項の用法・用量を変更した事例がございます。
 次のページをごらんください。続きまして、再評価制度について御説明させていただきます。
再評価制度につきましては、再審査が終了した医薬品を含めて、すべての医薬品について医学・薬学等の学問の進歩に対応して、有効性、安全性、品質等を見直すために実施するものでして、再審査が終了した後に製造販売される後発医薬品や一般用医薬品を含むすべての医薬品という意味が込められてございます。
 薬事法におきまして、再評価の指定につきましては、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、医薬品等の範囲を指定して、再評価を受けるべき旨を公示したときは、その指定に係る医薬品について厚生労働大臣の再評価を受けなければならないとされております。
こちらの再評価につきましても、再審査と同様に承認の取り消し、効能効果等の削除または修正、特に措置なしといった評価がされることになります。
 次のページが再評価の種類になってございまして、大きく3つに分けられております。
第一次再評価は、昭和42年9月30日までに承認された有効成分を含む医療用医薬品を対象に実施されております。
 第二次再評価は、昭和42年10月1日以降昭和55年3月31日までに承認を受けた、マル1、新有効成分、マル2、新配合、マル3、新効能、新用量、新剤形、新投与経路といった追加承認を受けたのなどを対象に実施されております。
 現在は新再評価と言われるところでございまして、昭和63年5月末よりすべての医療用医薬品を対象に実施されてございます。
 次のページは、再評価結果を申し上げます。
 第一次再評価につきましては、昭和48年から平成7年にかけて結果が通知されまして、再評価が終了した品目は19,849品目。
 内訳は「有用性が認められるもの」が11,098品目。
「承認事項の一部変更をすれば有用性が認められるもの」が7,330品目。
 「有用性を示す根拠のないもの」が1,116品目。
 「申請後に承認整理したもの」が305品目ございました。
 次のページは第二次再評価になっております。
昭和63年から平成8年にかけて結果が公表されまして、再評価が終了した品目は1,860品目。
 内訳は「有用性が認められるもの」が105品目。
 「承認事項の一部変更をすれば有用性が認められるもの」が1,579品目。
 「有用性を示す根拠のないもの」が42品目。
 「申請後に承認整理したもの」が134品目となっております。
 次のページは、現在実施している新再評価です。
現在までに57まで結果が公表されておりまして、再評価が終了した品目は8,851品目です。
 内訳は「有用性が認められるもの」が4,606品目。
 「承認事項の一部変更をすれば有用性が認められるもの」が3,315品目。
 「有用性を示す根拠のないもの」が66品目。
 「申請後に承認整理したもの」が864品目となっております。
 以上が再評価の現状の実績になっております。
 最後になりますけれども、再審査制度、再評価制度につきまして説明させていただいた次第ですが、製造販売後調査等の再評価に付ける資料につきましては、基本的には信頼性が非常に重要になってまいります。このため、提出される資料については高い信頼性を求めるため、医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令、いわゆるGPSP省令というものを規定しておりまして、製造販売後調査等に係る業務手順書の設置や管理責任者の設置、自己点検とか教育訓練、記録の保存などを求めております。
 この基準が遵守されたか否かにつきましては、再審査申請が行われた後、PMDAによるGPSP適合性の調査により確認されることになっております。
 再審査、再評価ににつきましては、データ取得をするためには労力、費用がかなりかかると聞いております。また、審査におきましても、審査員による資料確認の作業、GPSPの実地調査などのために人員の確保が必要になっているという現状でございます。
 再審査、再評価についての説明は以上になります。ありがとうございました。

○山田座長 ありがとうございました。大変詳しい御報告、再審査あるいは再評価ということについて御説明いただきました。
 続いて、薬事法に基づく医薬品の副作用報告についての御報告を受けまして、その後、質疑に入りたいと思います。
 それでは、よろしくお願いします。

○広瀬課長補佐 それでは、薬事法に基づく医薬品の副作用報告の概要につきまして、説明させていただきます。私は、厚生労働省医薬食品局安全対策課で課長補佐をしております広瀬と申します。よろしくお願いいたします。
 まず1ページ目「医薬品の基礎研究から承認審査、市販後までの主なプロセス」ですが、これは先ほど審査管理課の方からも御説明がありましたので、説明を割愛させていただきます。
 2ページ目は、根拠条文でございます。
 これは薬事法に基づく根拠条文でございますが、副作用等の報告につきましては、第77条の4の2というところに条文がございます。第1項は、医薬品、医薬部外品などをつくられている製造販売業者等からの報告に係る部分でございます。
 同じ条文の第2項には、薬局開設者、病院、診療所もしくは飼育動物診療施設などということで、いわゆる医薬関係者からの報告について定められております。
 3ページ目は、副作用等報告制度でございます。
 市販後の医薬品・医療機器等の副作用、感染症、不具合等に関する情報を収集するということで、1つは先ほどの第1項に基づく企業報告制度です。こちらは企業が収集した情報について報告することを義務づけたということで、まずは昭和42年、行政指導に基づきまして副作用報告をしてくださいという制度が始まっております。
 薬事法改正をして、昭和55年4月1日から副作用報告の義務化。こちらは行政指導ではなく、法律に基づく報告義務がかかったということでございます。
 平成9年から、いわゆる医薬品の副作用報告だけではなくて、感染症報告や外国での医薬品等に対して適用された措置等につきまして報告をいただくことが義務化されております。
 下段は、いわゆる医薬関係者からの報告の部分でございますが、医師、歯科医師、薬剤師等の医薬関係者から報告を収集する制度ということで、昭和42年に医薬品副作用モニター制度ということで、いわゆるモニター機関に対して報告していただくという制度から発足しております。
 最初の昭和42年のときには医療機関が主だったわけですけれども、昭和53年には薬局のモニター制度も開始させていただきました。
なかなか報告数が伸びないということなども背景にあったかと思いますが、平成9年からは医薬品・医療機器等安全性情報報告制度ということで、特にモニター病院とかモニター薬局以外のところからも報告をいただくという形になっております。こちらの方は薬事法に基づきまして義務化されたのが平成15年となっております。
 4ページは、副作用報告の期間等でございます。
 大きく上の段からありますように「使用上の注意から予測できない」「使用上の注意から予測できる」といった内容の違いよって、報告期間等が異なってきております。
「使用上の注意から予測できる」と「使用上の注意から予測できない」は、医薬品に添付されております添付文書にあります警告欄や重要な基本的注意、相互作用、副作用等の欄に書かれているものが基本的には予測できるもの。こういった欄に記載のないものが予測できないものという位置づけになります。
 重篤性と国内、外国の情報ということでそれぞれ分かれておりますけれども、まず使用上の注意から予測できない未知のものについて簡単に御紹介させていただきます。重篤なものということで、死亡については、国内で発生した副作用につきましては、15日以内に報告いただくということと、まずファックス等により第一報について報告をいただくということになっております。
重篤なものは、15日以内。
非重篤なものにつきましては、未知・非重篤副作用定期報告という形で報告いただくことになっております。この未知・非重篤副作用定期報告といいますのは、承認日等を起点といたしておりまして、それから2年間は半年ごと、それ以降は1年ごとにとりまとめるという形で、調査期間終了後大体2か月以内に報告いただくこととなっております。
 次に外国報告の場合ですけれども、死亡の場合は15日、重篤の場合は15日となっております。
 ここで外国報告について補足をさせていただきますが、基本的には医薬品につきましては、国際的に流通している製品ということがございまして、外国で製造され、また日本でも承認されているものにつきましては、当然外国で起きた副作用についても日本に報告いただくということで、外国報告というものが設けられております。当然、外国だけで製造、承認されていて、日本で製造、承認されていないもの、要するに日本に入ってきていないものについては、ここで報告を求めているものではございません。
 次に中段、使用上の注意から予測できるものということでございます。こちらの方につきましては、死亡が国内で15日、重篤なものは既承認医薬品と有効成分が異なる医薬品で承認後2年以内のものについては15日以内。重篤なもので市販直後調査により得られたものについては15日以内。上記以外のものは30日以内となっております。
 また、既知のもので非重篤のものにつきましては横線のバーが入っておりますけれども、報告の対象となっていないということでございます。
 外国の場合もこちらの方は横線が入っておりますので、基本的には対象外ということになります。
 下段に行きまして、発生傾向が使用上の注意等から予測できないもの、これはどういう意味かといいますと、基本的に市販後の副作用報告につきましては、副作用が生じたことについて報告をいただいておりますので、実際にどの患者さんに医薬品が投与されているのかという情報がないということでございます。要するに、投与して副作用が出てきたものだけが報告されているということで、基本的には発生頻度等がわからないという制約がございます。
 実際には、医薬品の承認審査の際とかに、ある程度治験とかで副作用の症例が見られたものにつきましては、何例に投与して、何例に副作用が出ているかということがわかりますので、そういったものにつきましては、発生率何%という発生頻度がわかるようになっております。ですので、そういう頻度のわからないようなものにつきましては、基本的に予測できないものという位置づけになっておりまして、これは死亡を含む重篤ですけれども、15日以内にお送りいただくということと、ファックス報告もいただくということになっております。また、外国の症例につきましても15日以内ということでございます。
 最後、発生傾向の変化が保健衛生上の危害の発生または拡大のおそれを示すものということですけれども、これはもともとその上の段で予測できないもの等については、基本的に報告をいただいているわけですが、予測ができるものについはここで報告をされなくてもよくなってしまいます。ところが発生傾向について、変化がある場合がございますので、ここで危害の発生とか拡大の恐れがあるような場合には報告をしてくださいということになっておりまして、こちらも重篤(死亡を含む)ものについて15日以内とファックス等の報告、外国症例についての15日以内の報告をまとめているということでございます。
 5ページ目は、副作用報告等の処理の流れでございます。
 まず、左側に医薬関係者、基本的には副作用等がありました場合には、医療機関で受診等をされますので、そういったところから企業の方に、当該企業の製造されている医薬品によると思われる副作用が起きていますよといった報告等がありまして、企業は副作用情報の収集と確認、分析等を行いまして、中央の欄にあります医薬品医療機器総合機構(PMDA)の方に報告をすることになっております。これはまた後ほど御説明させていただきます。
 また、企業を通さずに医薬関係者から直接報告をする制度も、先ほど医薬関係者からの報告ということで説明させていただきましたけれども、こちらの方は右側の一番上、医薬関係者からの報告ですが、これは厚生労働省の方に直接送られてくる形になっております。
 いずれにしましても、この情報も含めて総合機構と情報共有をして、その後の安全対策の措置の流れになっていきます。
 具体的な手順につきましては、後ほどの資料の中で説明するところがありますので、ここでは割愛をさせていただきます。
 6ページ目は、医薬品副作用/感染症症例報告数の経年変化でございます。
 平成16年度にPMDAが設立されまして以降、このような形で報告がなされており、大体国内報告2万4,000~5,000件から3万件くらいに増えてきているという状態でございます。
 企業報告の外国分でございますが、16年度ごろは5万4,000件であったものが、21年度には14万1,000件という形で、かなりの勢いで増えているということでございます。
 一方、3つ並んでいる棒グラフの一番右側のちょっと小さいところですが、これは医薬関係者から直接報告の部分でして、16年度には4,681件あったものが、現在では3,721件ということで、少し減る傾向に見えますけれども、大体4,000件弱という形で報告が来ております。
 7ページ目でございます。
 このように報告がなされております報告の受付等でございますけれども、現在、医薬品の副作用等情報の90%以上につきましては、SGMLという様式で記載された電子的な電送方法によりまして報告をされ、直接データベースに投入される形になっております。
 また、副作用等の用語についてですけれども、まちまちで使っていくとなかなかきちんと同じ副作用についての情報が集めにくいということもございまして、ICH国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J)に基づく用語を使って報告をいただいております。
 この後、副作用報告の具体的な様式の例をお示ししておりますが、副作用の発現状況とか症状、処置等の経過の欄とか、担当医師の意見、報告企業の意見など、テキスト入力が可能な部分がございますが、電送という手段を用いていることによりまして、基本的にコードや数値といったものが入力される形で入っています。
 8ページからが実際の様式の例でございます。
 これは報告されたものを人の目で見やすいように様式の形で打ち出したものでございます。左上から説明しますが、例えば識別番号ですとか、報告回数ということ。情報の入手日がいつであるかとか、患者さんの略名はイニシャルで入って来たりしますが、性別とか年齢などの情報。実際にその方がかかっている病歴とか、報告の中身が重篤なもので、それが死に至るものなのか、生命を脅かすものなのか、入院の期間延長が必要なものなのか等がございます。
 中段に真っ黒で読めないところがあるかと思いますけれども、基本的には医薬品の情報ということで、販売されている医薬品名と医薬品の一般名。薬の場合には1つの薬だけではなくて、複数の薬が一緒に処方されて投薬されている場合がありますので、そのうちの疑わしいと思われる薬にはSというのを付けるとか、経口投与なのかとか、注射なのかとか、剤形がどうであるかとか、どういう投与量で何日から何日まで投与されたのかということが書かれており、その下の「副作用/有害事象名」という欄については、重要性のところで重篤ということがあるかと思いますが、副作用の事象名として「横紋筋融解症」や「高血糖」ということがいつ起きているのかということが書かれています。
 9ページは、先ほどテキスト入力でと申しました具体的な経過欄でございます。
 どういう疾病に対してどういう医薬品をどのくらいから投与開始して、そのときの臨床検査の値がどうであったとか、その後ふくらはぎで筋肉痛が起きたとか、その後の症状の経過などを書いていただいて、いつ何時に何が起きたかということをずっと報告いただいています。これが次の10ページまで続いておるわけでございます。
 11ページ目は、上の方の欄に担当医の意見として、副作用との因果関係はどうだということとか、その右側に報告企業の意見というものがございます。副作用として考えているものはどうかとかいうことがここに書かれてくるわけでございます。
 あと、今後の対応、その他のことが報告をされます。
 12ページ目は、例えば検査の結果の値がどういうふうになっているのかということ。検査項目が一番左に書かれておりまして、単位がどのくらいとか、正常範囲が低値、高値、何月何日にどういう値だったかということが時系列的にどんどん右の方に流れていくという形でございます。
 13ページ目は、医療機関からの副作用等の報告様式でございます。
 こちらはかなり簡略なものとなっておりますが、基本的にはこれに記載いただいたものを厚生労働省の方にファックス等でお送りいただくということでございます。患者さんのイニシャルとか性別とか年齢とかどんな副作用が起きているのかとか、あとは所見等を書いていただくようになっております。
 14ページ目は、その続きでございます。
 報告者の意見とか、検査値なども書くということで、欄が大きくなることが必要であれば、どんどん追加して書いていただくということになると思います。
 これらの報告をいただいた後、実際に分析評価をしている体制についてですが、15ページをごらんいただければと思います。
 チーム制による分析・評価体制の構築ということで、平成23年2月現在、今、医薬品の薬効分類とか専門領域を踏まえた分野ごとのチームで、現在8チームで構成をして、評価をしております。これが平成23年度中には12チームになる予定でございます。医学とか薬学とか、生物統計・疫学の専門家とか、こういった人たちでチームとして評価をしていくということでございます。
 16ページ目は、実際に8チームの担当分野と審査チーム名を記載しております。
 このようにいろんな薬の薬効ごとにチームを分けて対応しているということでございます。
 17ページ目は、実際の添付文書改訂業務に係る処理手順でございます。
 先ほど副作用報告がPMDAのデータベースで導入されるという話をしましたけれども、各チームの方で1次スクリーニングということで、チーム内の職員が中身の評価を行います。また、データマイニングという手法がございまして、データベースに投入された医薬品の副作用の頻度の違いなどから、注目すべき副作用を拾い出してくるという電子的な分析等も行っております。
 この各自のチームが行う人的な作業とデータベースの分析によって出てきた情報から2次スクリーニングということで、チーム内で安全対策措置が必要と考えられるか否かの検討をいたします。この段階で必要ということになりましたら、企業に照会するとともに、厚生労働省にもまた情報提供され、情報共有が図られます。
 18ページ目でございます。
企業照会をしましたものにつきましては、企業から、また企業の方でも収集しております情報などから企業内で検討いただいて、1週間程度でどういう措置を取っていくのかという御相談をして、ここから方針を伺うということでございます。
必要なものについては、措置不要であれば、また注目をするべき情報としてフラグを立てて、引き続き経過を見ることになりますが、措置の実施が必要となれば、企業からの改訂相談に行くことになろうと思います。また、実際に措置の内容について協議を行いました後に、添付文書の改訂案とか専門家への協議ということで、必要があればPMDAの方で実際に登録をされております専門家の方に紹照会をして、確認をしていくということで、これで措置が必要となれば、厚生労働省への措置案の通知、添付文書改訂指示などとなっていきます。
19ページ目は、実際の安全対策措置に関連する実施状況でございます。
 一番上の企業ヒアリングの件数は、PMDAにおいて企業等にヒアリングをした回数、面談とか相談をした回数になっております。
 実際に、その次の使用上の注意の改訂というのは、使用上の注意の改訂等の指示をしたりした品目でございます。
 また、そういう情報につきましては、医薬品・医療機器等安全性情報という冊子みたいなものがございまして、こういったものに掲載をして、発行していくということをしております。
 20ページ目は、副作用報告の受付、調査、報告等の業務経費等ということで、主にPMDAの安全対策に係る経費等を書かせていただいております。
 安全対策等事業費総額21億、うち11億円が事業費ということで、いわゆるデータベースの運用等に係る部分となっております。残り半分ぐらいは人件費などが入っているかと思います。
 主な業務内容はここに書かれておりますように、副作用報告の受理の収集業務とか、整理・調査業務、医療関係者・患者への情報提供業務、診療情報データ活用等により調査業務となっております。
 最後21ページ目は、一般の方からの医薬品の副作用報告ということで、現在厚生労働科学研究費補助金で実用化に向けて検討を実施している段階でございます。今、薬事法の制度上は、一般の方から直接国が報告を受ける仕組みというのは設けられておりません。このようなパイロットスタディーを踏まえて、今後PMDAにおいて事業化する方向で検討しているという状況でございます。
 時間を超過して申し訳ございませんが、以上でございます。

○山田座長 大変厳格な、また詳しい御説明をありがとうございました。
 それでは、ただいまのお2人の御説明に対して、御質問等をお願いいたします。
 梅垣委員、どうぞ。

○梅垣委員 最初のところは、医療用医薬品に限られたものと考えてよろしいでしょうか。

○井上審査調整官 再審査制度につきましては、新医薬品に関するものです。ですから、医療用でなくても、ダイレクトOTCのような新しい有効成分を持つような一般用医薬品が出れば、それについても対象になってくると思います。
ただ、現状、新医薬品については医療用がほとんどですので、御説明させていただいた次第です。

○梅垣委員 ありがとうございます。

○山田座長 宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 わかっているようでわかっていなかったことがよくわかりましたけれども、何点か伺わせていただきたいと思います。
 再審査制度の方で、再審査期間が定められている間に、再審査のときに行われる有効性の検討、調査というのは、承認のときに出てくるものとどこがどう違うものなんでしょうか。それが1つ。
 再審査期間は、再評価は対象にならないのかどうか。要するに、再評価をするというのは、再審査期間が終わったもの、希少疾病用医薬品だったら10年以降でしかないのかどうかというのが2つ目。
 それから、再評価制度のところで、再評価を受けるべき旨を薬食審で公示したときというのは、具体的に何をもって公示をする規定になっているのか。PMDAでデータマイニングとしてシグナル検出等の方法もされているとのことですが、データマイニングは最近のことだろうと思いますので、どういうことで規定になっているのかということ。その3点をまず教えていただけますでしょうか。

○井上審査調整官 まず再審査のときの有効性のデータですけれども、使用成績調査でいいますと、主には安全性を見るような調査になります。有効性の部分につきましては、例えば有効性に影響を与える要因を情報収集するために行われる場合があります。ただ、製造販売後臨床試験になりますと、有効性をきっちり見ようということになりますので、実際に承認時に得られている情報の中で有効性と安全性は十分評価はしていますが、不足する情報があるのかどうか、見なければいけない有効性の情報があるかどうかを考え、再審査のときに情報収集すべき内容というのが決められると思っております。
 ですから、厳密に有効性の評価をしようと思うと、やはり臨床試験という形で比較対照をおいて実施する必要があるだろうと思っています。

○宗林委員 済みません、承認のときには、厳密に試験群を決めてやっていらっしゃると思うんですが、再審査の最初の説明のときに、実際に市販されたときにはいろんな人が使われるので、その有効性だという話で、承認の際もそれに近いものですから伺っているんですが、市販されて、皆さんいろんな人が使われたときの有効性というものを何かしら見ていらっしゃるわけですね。その違いをどういう形で見ていらっしゃるのかなというのを伺いたいということです。

○井上審査調整官 有効性については、多分再審査で行われる調査で得られる有効性の評価というのは、やはり限られたものであると思っています。製造販売後調査等のガイドラインも出していますが、その中では、薬事法の規定の中で再審査は有効性及び安全性を調べることになっていますので、例えば使用成績調査の中で有効性を見るというのは、医療機関のドクターが有効であったかどうかということを確認する内容になると思っています。
 実際に有効性を評価するデータを取ってということになりますと、製造販売後臨床試験など実際の臨床試験をした上で評価することになると考えております。

○山田座長 よろしいでしょうか。

○宗林委員 ということは、再審査期間が終わった時点では、一応ドクターに有効だったねということは確認されているという意味ですね。

○井上審査調整官 再審査申請のときに有効性がどうだったかということも、申請時には付けられますので、そのデータと安全性の再審査期間中に得られた所見とを審査した上で、再審査結果が公表されるということになっています。

○宗林委員 ごめんなさい。再審査のときに出される書類の中の有効性の部分は、お医者様、医療機関で有効だよというデータですねということなんです。

○井上審査調整官 そのとおりです。
 それと、2つ目の再審査期間中、再評価が指定されるかどうかということについては、薬事法の制度の中で再評価の指定に関して再審査期間中の場合を除くということにはなっておりませんので、指定されることになることもあり得ると思います。
 ただ、基本的に再審査期間中については、安全性のデータ等を集めている期間中ですので、後発用医薬品というのが出てまいりません。先発品という1種類の1品目について再審査に係る調査が行われている状況ですので、その期間中に再評価がされるかどうかというのは、現実的にあるかどうかというところは、考えるところだろうと思います。ただ、制度上はできないということではございません。
 それから、再評価の起点といいますのは、基本的に官報で公示したときになりますが、そのときにどういう資料をいつまでに提出することという感じで公示されますので、それまでの間に情報を集めて、再評価の申請をしていただくという形になろうかと思います。

○宗林委員 事務的手続きではなく、再評価の対象になる、今は一定の年度以上のものを全部やっているというお話なのかもしれませんが、その安全性とか有効性のデータから再評価に持っていくというきっかけの根拠についてですが、厚生労働大臣が薬食審の意見を聞いて、医薬品の範囲を指定して、再評価を受けるべき旨を公示したと決めるときはどういうもので決められているのかなと思いましてね。

○井上審査調整官 再評価の制度につきましては、基本的にはいろんな医薬品について、例えば先ほどの研究報告であるとか、いろんな論文とかございますので、そういったところの情報でもって今の科学水準と合わせてどうかということが考えられるような場合において、再審査の必要性を考えて、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて決める場合があります。ですから、現状は一律的に順番に決めているという形ではないと思います。

○宗林委員 要するに、簡単に言うと再評価部会に出して、そこで決めるということですかね。

○井上審査調整官 はい。

○宗林委員 出すのは厚労省の事務方からですか。

○井上審査調整官 そうなろうと思います。

○宗林委員 そのときは、メーカーさんからのデータを基に、事務方が再評価部会に出して、そこで審議をいただくという形ですか。

○井上審査調整官 先生がおっしゃるとおり、基本的には提出されたデータを基に再評価の指定をする必要があるかどうかというところを考えて、再評価部会の御意見を聞いて、再評価の指定をするかどうかが決められるという流れになっております。

○宗林委員 ありがとうございました。

○山田座長 1つお尋ねしたいんですけれども、再評価をする基準というか、決められる一定の大まかな1点、2点、3点のうち、そういうことが新たにわかれば始めるという文言みたいなもの、あるいは基準みたいなものは存在するんでしょうか。それも委員の方々が、今までのいろいろな学識経験などを考えながら取り上げていくということと考えてよろしいでしょうか。

○井上審査調整官 基本的に、再評価につきまして、なかなか基準というのは難しいと思うんですが、最終的には承認をそのままにしておくか、承認の一部を修正しなければならないか、承認を取り消す必要があるかというところの3点が問題になるだろうと思っております。だから、そういう可能性のあるものについては再評価の対象になってくると思っております。

○山田座長 そのほかに御質問はございませんか。
 田島委員、どうぞ。

○田島委員 かなりの数をこなしていらっしゃるんですが、厚生労働省の担当者といいますか、担当官というのは何人ぐらいでお仕事しているのでしょうか。

○井上審査調整官 厚生労働省自身がこういう再審査とか、再評価を審査しているわけではございませんで、実際はPMDAの担当の審査部の方で審査されております。
 PMDAには、審査員は多くの人数がおりますので、各チームに分かれて審査をしているような状況でございます。

○田島委員 PMDAについては詳しくないんですけれども、PMDAには具体的に何人ぐらいの方がいらっしゃるんですか。

○広瀬課長補佐 安全対策関係で申し上げますと、厚生労働省の私たちの安全対策課が25人ぐらいの人数、医薬品医療機器総合機構の安全部門に関連するような人々が大体100人ぐらいおります。

○井上審査調整官 審査の人数につきましては、また確認させていただいて、御報告させていただきたいと思います。

○山田座長 ありがとうございます。先生、そのほかはよろしいですか。

○田島委員 はい。

○山田座長 そのほかでございませんか。
 宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 確認ですけれども、それは最初の承認をとるところと全く違う部署のことを指していらっしゃいますね。安全対策をする方は、承認をとるための審査のチームと全く違う部署でいらっしゃいますね。

○広瀬課長補佐 新薬審査第何部とか、そういう形で5部ほど審査部門、生物系のものを審査するのが2部あったかと思いますが、それとは別に安全部が第1部、第2部とありますので、基本的には別の部分になっております。ただ、審査と安全の連携が必要だという御指摘も受けていることがございまして、プロダクトマネージメントといいますか、医薬品の審査の段階にも安全部の人間が関与して、審査の過程において安全対策を考えながら審査をしていくということを協力しながら進めています。

○山田座長 そのほかにございませんか。
 もう一点、私から副作用の件ですけれども、例えば16ページです。大変たくさんの人数、それでも量が多いから大変でしょうが、16ページに評価チームがあって、第2-2チームでございますが、その中に医薬部外品、一般用医薬品等の副作用の報告という医薬部外というのはたくさんの数があると思うんですが、それらをすべからく迅速に点検するというのでしょうか。そういうことというのは、どのような人数、あるいはフレームワーク、第1番目はこう、第2番目はこう、第3番目はこうという仕組みというのは、中できちんと立てられていると思うんですが、どんな形でやられているのでしょうか。

○広瀬課長補佐 大変恐縮ですが、部外品の対応の状況をあまり詳細に存じ上げておりません。基本的にはチームの中でやっておりますので、1チームで対応している人数というのはそんなに多くはないのかなと思っております。
 また、医療用医薬品のように頻繁に情報も来ないかと思われますので、来た情報についてチームで検討して対応していくということになっているのかなと思います。

○山田座長 ありがとうございます。
 そのほかにはございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 梅垣委員、どうぞ。

○梅垣委員 医療用医薬品というのは、基本的に医療関係者が患者さんに渡します。特保の場合は食品ですから、消費者の人が自由に使うわけです。だから、そこのところは同等には扱えないと思います。特保に近いものとして、恐らくOTCがあると思います。そこで、OTCに何か有害な事例が出てきたときに、どれぐらいの期間で消費者の人に周知することができるのでしょうか。例えば予想として。
 なぜこういうことをお聞きしているかというと、エコナの場合にすぐに止められないからというのが問題になっていますから、OTCの場合、もし有害事例が出てきたときに、どれぐらいの期間で対応ができるかという予想でいいので、わかれば教えていただきたいです。

○広瀬課長補佐 一般用医薬品についても、基本的には医薬品の副作用報告制度と同じようにやっておりますので、医療用医薬品の流れと同じようなタイミングで、例えば添付文書が改訂されるということになります。

○梅垣委員 例えば医療用医薬品で有害事例が出てくるとします。そのときに、販売中止などにどれぐらいの期間かかるかというのが大体の予想でもしわかれば教えていただきたいんです。

○広瀬課長補佐 17、18ページ辺りが期間に係る部分なんですけれども、副作用報告が来て、1次スクリーニングをやって、そこから2次スクリーニングに進むまで、その辺りがどのぐらいかというのは若干見えないとろではございますが、その後の企業への照会とかが始まりましたら、1週間ぐらいで行いまして、その後、面会の実施等についても10~40日ぐらいとちょっと幅がございますが、35日ぐらいだとすると5週間ぐらいということでしょうか。早ければ8週ぐらいということになるのかと思います。
 ただ、若干緊急に対応が必要なものについては別ルートで処理をいたしますので、そういうのはもう少し早くなるかと思います。

○山田座長 宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 しつこくて申し訳ないです。
 例えば最近効果がないのではないかといって、たんきりの薬があったと思うんですけれども、そういった場合には、やはり再評価制度にかかってそういうふうになったということですね。違いますでしょうか。どういう流れで実際に承認された後、医療機関で使われていて、効果なしという形で次のステップに行くのか、どこがどういう起点で、どういうデータに基づいてというところをもう少し凡人にわかるように、簡単に教えていただけるとありがたいです。

○井上審査調整官 去たん剤の話につきましては、私も担当をしておりませんので、詳細なところにつきましては確認させていただきたいと思います。
 再評価の指定の起点につきましては、多分再評価をしなければならないような何らかの情報があってからになるだろうと考えております。その情報に基づいて、再評価を指定しなければいけないということになるので、1つの製品というよりは、関係をしている成分群という形で範囲を指定するようになるだろうと理解しております。
 再評価をすべきものがどういった起点で再評価制度に乗せなければいけないのかというのは、いろんなところからの情報は多分あるだろうと思いますが、なかなか一概に、こういう情報でこういうのが出たらというのを申し上げるのは難しいだろうと思います。ただ制度上、再審査の制度というのは、承認から一定期間の間、有効性及び安全性の評価をする期間として指定されていますが、それ以降においても製造販売はずっと続けられますので、その続けられたものについて何らかの問題があったときに、その問題を調査する必要な1つのツールとして、再評価という制度があると考えております。

○山田座長 よろしいですか。

○宗林委員 はい。

○山田座長 ありがとうございました。ほかにはございませんか。
 どうぞ。

○広瀬課長補佐 申し訳ありません。先ほどの化粧品、医薬部外品のところですけれども、根拠条文のところの2ページにありますように、上段の3行目ぐらいは医療用医薬品の部分ですが、医薬品、医薬部外品、化粧品その他のと書いてありますので、基本的には部外品と化粧品についても報告が来ているということでございます。医薬部外品、化粧品については、重篤、非重篤という概念での報告ではなく、有害な作用が発生するおそれがあることを示す研究報告を知ったときは、30日以内にその旨を厚生労働大臣に報告しなければならない、ということになっています。

○山田座長 ありがとうございました。そのほかはよろしいですか。
 それでは、大変詳しく、また厳密な制度を御紹介いただきまして、ありがとうございました。本専門調査会としては、ただいま御説明いただいた医薬品における制度をある程度参考、あるいは食品と医薬品の違う点等を適切にかんがみながら、特保の再審査手続の仕組みを検討してまいりたいと思います。
 厚生労働省におかれましては、本当にお忙しい中、私たちの審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

≪5.閉会≫

○山田座長 それでは、本日の議題は以上になります。
 最後に、次回以降の日程につきまして、事務局の方から説明をお願いいたします。

○原事務局長 本日はどうもありがとうございました。
 次回の専門調査会は、3月30日水曜日の14時からを予定しております。議題は先ほどお示しいたしましたけれども、特保制度における新たな制度設計についての有識者ヒアリングと、論点整理において、消費者庁において早急に対応すべき方策とされた論点への対応についてのヒアリングを予定しております。
 事務局からは以上です。

○山田座長 ありがとうございます。
 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

(以上)