第8回 公益通報者保護専門調査会 議事録

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日時

2011年1月25日(火)10:00~10:43

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【専門委員】
 島田座長、橋本座長代理、大村委員、土田委員、仲田委員、松村委員、三木信夫委員、
 山本委員、吉村委員、渡邊委員
【担当委員】
 中村消費者委員会委員長代理、日和佐消費者委員会委員
【説明者】
 消費者庁 成田企画課長
【消費者委員会事務局】
 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.報告書とりまとめについて
3.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:8KB)
【資料1】 「公益通報者保護専門調査会報告~公益通報者保護法の施行状況についての検討結果(仮題)~」(案)(PDF形式:192KB)
【資料1・別添資料1】専門調査会で出された意見等(PDF形式:225KB)
【資料1・別添資料2~8】設置・運営規程等関係資料(PDF形式:154KB)
【参考資料1】 「消費生活協同組合法違反事案及びこれに係る公益通報に関する対応」(厚生労働省提出資料)(PDF形式:64KB)
【参考資料2】 「「民間事業者における通報処理制度の実態調査」及び「公益通報者保護制度に関する労働者向けインターネット調査」について(概要)」(消費者庁提出資料)(PDF形式:194KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 おはようございます。時間になりましたので、始めさせていただきたいと思います。皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
 ただいまから第8回「公益通報者保護専門調査会」を開催いたします。
 なお、本日は所用により、大杉委員、田井委員、三木由希子委員、野澤委員が御欠席となっておられます。
 それでは、まず配付資料の確認をさせていただきたいと思います。本日、お配りしております資料は、議事次第の次のページに一覧を付けておりますが、資料1といたしまして、「公益通報者保護専門調査会の報告~公益通報者保護法の施行状況についての検討結果(仮題)~」ということで案を御提示しております。
 参考資料1といたしまして、厚生労働省から御提出いただきました、消費生活協同組合法違反事案及びこれに係る公益通報に関する対応をお付けしております。参考資料ですので、分厚い資料1の次にお付けしておりますけれども、こちらの資料につきましては、前回の論議において、専門調査会として厚生労働省に対して報告を求めることとさせていただいておりましたので、事務局から要請を行い、厚生労働省に提出をいただいたものです。この消費生活協同組合法違反事案についての経過と概要、職員処分、再発防止策について御回答いただいております。詳細については触れませんが、後ほどご覧いただけたら幸いと思います。
 本日、中村担当委員の提出ということで、席上配付をさせていただいておりますけれども、この件についてのこういった事案であったということの紹介と中村委員のコメントを付けたものを席上配付させていただいておりますので、参考ということで御紹介させていただきます。
 次に参考資料2といたしまして、昨年12月24日付けで消費者庁が公表いたしました「民間事業者における通報処理制度の実態調査」及び「公益通報者保護制度に関する労働者向けインターネット調査」について、概要版をお付けしております。詳しい資料につきましては封筒に消費者庁で御準備いただいたものを詰めさせていただいておりますので、また後ほどご覧をいただけたらと思います。
 不足の資料がございましたら、また審議の途中でも事務局へお申出いただけたらと思います。
 それでは、島田座長、議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

≪2.報告書とりまとめについて≫

○島田座長 おはようございます。朝早くからありがとうございます。それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は、当専門調査会の報告書のとりまとめについて議論したいと存じます。前回の専門調査会では、報告案の骨子について、座長試案という形で私なりの整理を御説明いたしまして、皆様に御議論をちょうだいしました。
 本日は、資料1のとおり、タイトルを公益通報者保護専門調査会報告、サブタイトルを公益通報者保護法の施行状況についての検討結果(仮題)といたしまして、前回の御議論を踏まえまして、私なりにまとめたものを事務局の方で報告書の体裁にしてもらった案をお示ししております。
 本日は、この資料1の内容について御議論いただきたいと存じますが、私の指示に基づいて作業をお願いしました事務局の方から、変更箇所を中心に御説明をいただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○原事務局長 それでは、事務局から御説明させていただきます。資料1「公益通報者保護専門調査会報告~公益通報者保護法の施行状況についての検討結果(仮題)~」につきまして、前回の議論を踏まえ、島田座長にお手を入れていただきました点を中心に御報告をしたいと思います。
 まず、1ページに目次を付けてわかりやすいようにしております。前回の専門調査会で座長から御提示いただきました骨子の流れに沿いまして、「1.公益通報者保護専門調査会の審議経過」、「2.公益通報者保護法施行後の状況」、「3.公益通報者保護法の具体的な課題」、「4.政府に求められる事項」という順で報告書の本体が構成されております。その後に事務局で付けさせていただいた資料でございますが、「5.参考資料」として「(1)消費者委員会 公益通報者保護専門調査会委員名簿」、「(2)公益通報者保護専門調査会における調査審議経過」、更に「6.別添資料」として「1.専門調査会で出された意見等」とほかの資料をお付けするイメージで報告書の体裁とさせていただきました。
 それでは、内容ですが、2ページ目をご覧いただきたいと思います。「1.公益通報者保護専門調査会の審議経過」でございますが、骨子でお示しいただいたアウトラインに立法時の概要と今回の見直しの根拠となる「法附則第2条」の規定の引用、同じ段落の3行目になりますが、「消費者基本計画」における見直しの検討に関する記述、更には専門調査会における論議に至る経過等について肉付けをいただいております。
 次に3ページ目、ここから「2.公益通報者保護法施行後の状況」でございます。骨子において3つの実態調査の結果を基に、労働者の意識や事業者、行政機関等の取組み状況を御紹介いただいておりましたが、配付資料の確認をさせていただきました際に御説明いたしましたとおり、昨年12月24日付けで消費者庁から最新の実態調査の結果が公表されたのを踏まえ、数値を最新のものに置き換えて記述をいただくとともに、労働者の意識面等も若干の肉付けをいただいております。
 また、事業者の取組み状況等に関しましては、渡邊委員から御報告をいただきました、東京商工会議所のアンケート調査の結果を3ページの欄外の注書きの部分に記述をさせていただいております。
 次に、行政機関の取組み状況等に関しましては、4ページに入りますけれども、前回の専門調査会で御指摘いただきましたことを踏まえ、上から2~3行目にかけて、外部の労働者からの公益通報の受理件数として記述を補足いただいております。
 なお、「2.公益通報者保護法施行後の状況」という見出しにつきまして、骨子では記載されている内容が周知の状況だけでないかと御指摘があったことから、末尾に破線囲いで「国等の施策の状況について」と題して、簡単に内閣府旧国民生活局、消費者庁で取り組んだ施策のサマリーを記載いただいております。
 5ページ、ここから「3.公益通報者保護法の具体的課題」というところで検討をした部分になりますけれども、5ページの下段、注書きの3として、公益通報者保護法の4つの具体的課題の根拠となる附帯決議の内容を引用いただくとともに、骨子の内容をそのまま記述いただいております。
 6ページ目以降に、具体的課題の4項目についてそれぞれ記述をいただいておりますが、書きぶりといたしましては、まず「ア.現状」といたしまして、法や制度の概要を消費者庁から専門調査会の論議の中で御提示いただいた資料に基づき、簡単に記述を加筆いただくとともに、「イ.専門調査会における論議」として、骨子に掲載された具体的な意見等の内容を記述いただいております。
 7ページの「(2)通報対象事実の範囲」に関してですが、前回の議論を踏まえまして、「イ.専門調査会における論議」の3つ目の○に、限定列挙に関する論議を切り出し、項目を新たに立てて記述いただくとともに、8ページ目のところの○ですが、法令違反のおそれの部分に関しましては、骨子案において括弧書きで記述いただいておりました「通報者は慎重に考えて確かな信念を持って通報すべきであり」の部分を削除いただいております。
 9ページは「(3)外部通報の要件」の部分になりますけれども、「イ.専門調査会における論議」の2つ目の○の部分、前回の専門調査会で指摘がございましたことを踏まえて、「組織内部への通報と違い、外部通報の場合には、後に事実ではないことが判明した場合、その間に回復不可能かつ甚大な風評被害が生じてしまう。したがって、ある程度のハードルが必要ではないか」との意見を追加いただいております。
 10ページ「(4)外部通報先の範囲」に関しましても論議がございましたので、言葉としての第三者機関に関して欄外の注書きで、「事業者内部への通報先として第三者が関与することが現行法においてもあり得る」点について例を挙げて記述いただくとともに、本文中の表現をわかりやすい表現に改めていただいております。
 また、この項目での第三者機関については、外部通報先としての第三者機関のみに限定して記述いただいておりまして、実は相談に関することもこのくだりではいろいろと議論されたところなのですが、相談に関する記述は11ページの「(5)その他の事項についての専門調査会における論議」の下から2番目の○でございますが、ここに「安心して相談できる体制づくりが必要」、あるいは「ワンストップサービス的に相談を含めすべて受け付け、整理して次の段階に進めるという機能」といった記述に整理いただいております。
 既に11ページの(5)の御説明に入っておりますけれども、前回までの専門調査会で複数の委員から御指摘をいただいておりました、「法の条文が複雑で理解しにくい」との意見ですけれども、これをまず、最初に記述いただいておりまして、位置を変更しております。
 また、最後の○でございますが、「消費者庁の権限」に関する御記述を加筆いただいております。
 12ページ「4.政府に求められる事項」というところで、ここがこの専門調査会としての検討の結果ということになりますけれども、2つ目の○のところに、前回の論議を踏まえまして、「既存の制度が十分機能しているかについて検証した上、ガイドラインの改訂等による運用の充実も速やかかつ具体的に図っていく必要がある」と言葉を補っていただいております。
 また、3つ目の○についても、「労働関係法令以外の通報がなぜ少ないのか。中小規模の事業者や行政機関で普及が進まない理由について調査の深掘が必要」との御意見や「法改正を必要とする課題の有無等の把握がそれぞれ必要」との御意見があったことを踏まえ、記述内容を充実いただいております。
 最後の○でございますけれども、公益通報に該当しない通報について、「行政機関において適切な対処がなされること」と「関係省庁間で運用につき協議すること」と、前回の骨子では同じ文章の中に入れておりましたけれども、別の話ではないかという御指摘がありましたので、ここは「各行政機関は現行法の公益通報に該当しない通報についても適切に対処すべきである」という言い切りの形に改めて記述いただいております。
 これが本文ということになりまして、13ページ目以降は事務局にて付けさせていただきました内容ですが、参考資料として13ページに委員名簿、14ページに審議経過をお付けし、15ページ目以降は「6.別添資料」といたしました。その別添資料として付けさせていただいているものについて目次立てをしております。
 16ページから専門調査会で出された意見と、37ページから各種規程、法律、附帯決議の順で添付させていただいております。
 なお、別添資料1「専門調査会で出された意見等」につきましては、前回の御議論を踏まえ、事務局において再度加筆させていただいたものをお付けしておりますけれども、前回の御発言がうまく反映されていない等の御指摘がございましたら、適宜この後の質疑の中で補足していただくか、また改めて事務局にお申し出いただけたらと思います。
 島田座長から御提示いただきました報告書のとりまとめ案、特に前回御議論いただきました骨子案からの変更点を中心に概要の御説明ということで、事務局から御報告を申し上げました。
 事務局からは以上でございます。

○島田座長 どうもありがとうございました。それでは、事務局からの報告をいただきました報告書のとりまとめ案でございますが、変更点を中心に御報告をいただきました。委員の皆様から記載内容について御意見をちょうだいできればと思います。
 順番に見ていただいて御了解をちょうだいしていきたいと思いますし、また、最後にございましたが、「専門調査会で出された意見等」について御自身の御意見が十分反映されているかという点のチェックをさせていただければと思います。
 前回も申し上げましたが、本専門調査会では、この公益通報者保護法自体の評価あるいは今後の法改正を要するかどうかという基本的な点で全体の一致というのは見られていないというのが現状だと思います。しかし、それぞれのお立場から大変貴重な御提案をいただいておりますので、私といたしましてはここで議論された様々な御意見を、言わば並列的に取り入れて親委員会の方に御報告をするのが8回の専門調査会の成果としては適切なのではないかという判断の下にこの報告書をまとめたということを冒頭でお話をしておきたいと思います。
 それでは、よろしければ見ていきたいと思いますが、審議経過というものについて何か御意見はございますか。これは事実経過ですので特段間違っていなければということだと思います。
よろしいようでしたら、次が「2.公益通報者保護法施行後の状況」ということでございます。3ページ、4ページでございますが、この点はいかがですか。
 どうぞ。

○山本委員 山本です。今回、最新の統計に置き換えられたということなのですけれども、一応こちらで検討したときの前提となる調査としては、前回の調査結果を主にここで議論をしていたので、この書き方だと何を対象にしていたかということでは調査の内容が違うので、その辺はどういう区別でしょうか。

○島田座長 前回議論した中でも、報告書にまとめる段階では今まとめられている最新のものに置き換える。それで傾向が大幅に変わっているということではないと思いますので、具体的に出された最新のデータを御提供する方が適切だろうという考えで御了解いただいていたと思いましたが、新しいのでかなり違ってくる点は何かございますか。

○山本委員 確認だけで、中身は大して変わらないので、それで結構です。

○島田座長 よろしいですか。その経緯は、議論の経過においてはこうだけれどもというようなことを付け加えましょう。ありがとうございました。
 それでは、よろしければ、「3.公益通報者保護法の具体的課題」ということでございます。ここは先ほど申し上げましたが、この専門調査会では相当委員間での御意見が違いますので、こういう両論併記という形でまとめさせていただいております。
 「(1)通報者の範囲」から順に見ていただいて、何かございましたら御意見をちょうだいできればと思います。5~11ページにかけてということになろうかと思います。ここは多分一番この報告書のポイントになる部分かと思いますが、よろしゅうございますか。
 よろしければ、最後が「4.政府に求められる事項」として、5点にわたってまとめたものでございます。この点はいかがでございますか。
 どうぞ。

○松村委員 弁護士の松村です。戻るといいますか、10ページに書かれています「(4)外部通報先の範囲」の中の第三者機関の部分についても関わるかとは思うのですが、前回の委員会で第三者機関という言葉はそれまでにたびたび議論には上っていたのですが、各委員の考えているどういうものを第三者機関とイメージしているかについて余り詰めた議論がされておりませんので、皆さんイメージで議論されているという部分があったのではないかと思いまして、そのことについて注で書いていただきたいという、何か説明をしていただきたいということで10ページの11番の注が書かれたのではないかと思います。
 これは皆さんでの議論というのがないので私の個人的な考えになってしまうのですけれども、私自身は第三者機関として考えて議論していたときには、事業者が指定をした第三者の通報先というものよりは、もう少し中立的な機関が通報を受けて調査も行うといったような、それが可能であるかどうかは別として、そういったイメージで考えていたものですから、注の11のような、例えば労務提供先が法律事務所等に委託するといったようなことをほかの委員の皆さんが第三者機関の内容として考えていらしたのかどうかというのは今日確認していただければと思います。
 それと11ページの(5)の○の下から2番目なのですけれども、こちらについては相談体制について言及されている部分だと思うのですが、こちらも今までの何回かの委員会の議論を通して思ったことなのですけれども、通報ということと相談ということと、多分通報しようと思う労働者の方が話をされるという意味では、行う行為自体としては似たようなことをやると思いますので、それで通報と相談というのが余り厳密に外部の方へ話す場合ということなのですが、区別をされないで議論がされていたようなこともあるかとは思いまして、今回の下から2番目の○は、相談と通報ということを分けて書いていただいているとは思うのですが、最後の部分のカギ括弧の2番目の方なのですが、外部通報のレベルにおいてもつくられるとよいのではないかという記述が相談と通報を明確に区別していない書き方のように思われたものですから、この辺りもほかの委員の先生方はどう考えられるか議論していただければと思います。

○島田座長 ありがとうございます。今の御意見につきましては、私のイメージでは10ページのイの○の最初の方で、何か国の制度で第三者機関とか、法に基づく認証を受けた機関の中に松村先生がおっしゃったようなイメージを取り込んだつもりではいたのですが、この記述で不充分であれば何か修正案をと思います。
 11ページの下から2番目の○でございますが、ここは三木由希子委員等の御発言に基づいてまとめさせていただいたのと、私もワンストップサービス的というのは、要するに通報者が安心してということが前提だと思いますので、そのときの相談ということについてしかるべきところでちゃんと守秘義務を課されて、これはまだ相談の段階だけれどもというのが明らかになるような意味でワンストップということを私は念頭に置いていたので、その意味では松村委員の御意見とそんなにすれ違っていないのかなとは思っていたのですが、もし表現等で御指摘いただければと思います。どうもありがとうございます。
 よろしいですか。それでは、4番目の最後の5つということでございますが、何か御意見はございますか。
 どうぞ。

○山本委員 山本です。前回から変わった点で、○の3つ目のところです。前回の説明を私は聞き漏らしたのかもしれませんが、2行目で労働関係法令以外の法令に違反する事実を内容とする公益通報が少ないという評価をしているのですが、これは行政機関、厚労省のヒアリング結果というのを念頭に置かれて書かれたということなのですか。

○島田座長 そうではなくて、全体の公益通報の行政に対する表をお出ししたことがあるかと思うのですが、文中にもたしか書いておいたと思うのですが、状況のところです。4ページの上から「また」というところです。一応外部労働者からの受理件数ということで、行政機関全体で4,669件という幾つか数字があって、このうち労働関係法令が4,346件ということで、4,669件のうちのほとんどということなので、それを踏まえたことです。

○山本委員 恐らくそれが正しいのだとは思うのですが、どうしても私のイメージだと公益通報といえば行政機関の通報も一部だけにすぎなくて、やはり事業者内部への通報もあるだろうし、マスコミ等の外部に通報があって、それらについての調査はできていなくて、労働関係違反が多いというのがこういう表現をここでとりまとめてしまえるのかということが1つ疑問に思いまして、少なくとも「行政機関への通報においては」というぐらいの縛りをかけておいた方がいい、誤解なくいいと思っております。

○島田座長 わかりました。民間の内部通報とか、行政機関への第三者についての統計はとりようがないと思いますので、おっしゃるようにここを行政機関に対するということになっていただければと思います。ありがとうございます。それでは、よろしゅうございますか。
 どうぞ。

○松村委員 「4.政府に求められる事項」の中で議論になりました3番目の○の部分なのですが、1行目にきめ細やかな調査という文言が加えられておりますので、これでいろいろな点の調査ということにはなるかと思うのですが、下に挙げられています普及が進まない具体的原因、法改正を必要とする課題の有無等のほかに、もう少し一歩踏み込んで、通報があった場合の内容ですとか、その処理の結果とか、そういったことについての調査も必要であるということを書き添えていただければと思います。

○島田座長 ありがとうございます。そうすると、制度の運用というようなことでよろしいですか。公益通報者保護制度の運用という。

○松村委員 はい。

○島田座長 ありがとうございます。では、それを付け加えてください。
 どうぞ。

○三木信夫委員 大阪市の三木です。12ページの5つ目の○のところの確認なのですけれども、「各行政機関は現行法の公益通報に該当しない通報についても、適切に対処すべきである。」とありますが、この「適切に対処すべきである」という意味合いなのですけれども、法律の中に、例えば「行政機関は公益通報者保護法第2条に規定する公益通報に該当しない場合でも適切に対処するものとする。」といった努力規定とかを置くのではなくて、ガイドラインとかで運用上そういうのをやってくださいという趣旨なのかどうかという点が一つです。
 次に、適切に対処する具体的な中身としましては、例えば審査基準ですとか、標準的な処理期間を設けるように努めるとか、そういったことをイメージされているのか、その2点をどなたにお聞きしたらいいのかあれですけれども、確認をお願いします。

○島田座長 私がここにとりまとめたのは、この専門調査会の御議論の中で、いろいろ議論がありますけれども、要するに公益通報の法に定める範囲が狭い。しかし、それに必ずしも該当しない場合でも重要な問題があるのではないか。そういうのは行政機関で適切に対処すべきではないかという御意見が相当出されたと私は理解しましたので、具体的にどう対処するのかということまではこの専門調査会で具体的に絞ってということではなくて、行政機関の基本的な責務として喚起をするという意味で、これは言わば親委員会なり各行政機関の方に専門調査会として投げかけるという趣旨でございます。

○三木信夫委員 わかりました。

○島田座長 どうぞ。

○松村委員 あと「4.政府に求められる事項」の内容についてなのですが、先ほども話に出ました相談体制のことについてなのですが、前回の座長試案の段階ではありますけれども、東京の公益通報の相談を受けている弁護士でやっております協議会の方で専門調査会での検討を資料として拝見しまして、ここに相談体制の強化についても触れていただきたいという意見がありました。
 その意見の背景といいますか、今日配っていただきました資料の45ページ、これは法律制定当時の公益通報者保護法案に対する附帯決議なのですけれども、その8項に民間における相談窓口の充実を図るべきだということで、日本弁護士連合会等に協力を要請することということが決議されておりまして、これに基づいて要請も行われて、それを受けて弁護士会の方でも相談窓口を設置しているのですけれども、以前の委員会の方で御報告したような状況で、それほど相談件数ですとか活発とは言えない状況であると弁護士会としては認識しております。
 この委員会でも法律の周知徹底ということがいまひとつ図られていないという委員の皆さんの認識だったと思いますので、やはり相談体制というのはより一層充実すべきではないかと考えておりまして、そうであれば、今回この意見の報告のとりまとめに対して、再度相談体制の充実ということと、あと弁護士会に協力を要請すべきであるということをうたっていただきたいと意見が出されましたので、そのようにお願いしたいと思います。

○島田座長 既に附帯決議の方で日弁連というようなお名前も挙がっていますので、私はここで具体的にそこでも日弁連等となっていまして、果たして弁護士会だけが適切なのかということについてはもう少し検討を要するのではないかと思いますので、今の御意見を踏まえて、調査の部分で先ほど運用ということがありましたが、外部における相談窓口の実態等とか、それも調査の中に入れて、今、御発言ございましたように、必ずしも利用が広がっていないという状況というのはどういうことなのかというようなことを少し調査して、その上で適切なという方がいいのかなと思いますので、それを付け加えていただけますか。

○原事務局長 はい。

○島田座長 ということでやりたいのですが、よろしゅうございますか。

○松村委員 はい。

○島田座長 それでは、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 およそ各委員からの御意見はちょうだいできたと思います。いろいろ御修正点をちょうだいしましたが、報告とりまとめ案の方向性につきましては、大筋について御理解はちょうだいできたと思いました。今、私も幾つか事務局の方にテイクノートをお願いした部分につきまして修正を加えますが、その点につきましては御一任をいただければと存じますが、いかがでございますか。よろしゅうございますか。

○島田座長 どうもありがとうございます。それでは、本日いただきました御意見等を踏まえて報告書を修正して、各委員にまた御連絡をした上で消費者委員会の方に報告をさせていただきたいと思います。
 最後でございますが、昨年の専門調査会発足以降、当初予定した回数を大幅に上回る審議回数を期間は変えずに行ったということで、大変皆様には御苦労を強いたのではないか思います。本日ももともとは御予定があったのを調整していただいて御出席いただいた委員もいらっしゃると伺っております。本当にありがとうございました。
 公益通報者保護法につきましては、まだまだこの専門調査会にも見られますように、さまざまな点で意見が多様でございまして、何か1つの方向でという改正ということに私の判断では熟していないなと思いました。その点につきましては、いろいろな御意見もあろうかと思いますが、何分こういう座長というのは余り経験がなくて不慣れだったかと思いますが、皆様の御協力を得まして、一応ここにまとめることができたことを改めて御礼申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

≪3.閉会≫

○島田座長 それでは、最後に、事務局から事務連絡等があるということでございますので、よろしくお願いいたします。

○原事務局長 事務局からも、本当に昨年6月、この専門調査会を立ち上げて短期間でとりまとめというところまで御苦労をお願いいたしまして、お忙しいところを本当にありがとうございました。消費者庁にも資料の準備や調整などでいろいろと大変お手数をおかけいたしまして、こちらもありがとうございました。
 本日の御意見を踏まえて、最終的な報告に向けての文言等の修正の取扱いにつきましては、島田座長に御一任いただきましたので、座長にはお手数をおかけいたしますけれども、引き続き最終報告に向けての作業の御協力をお願いいたしまして、またその結果については改めて委員の皆様にも御報告を申し上げて最終確認とさせていただきたいと思います。その結果を踏まえまして、消費者委員会の報告につきましては、島田座長から2月18日金曜日の午後3時からの予定をしております第47回の消費者委員会で報告書に基づき御報告をいただくことを予定しております。
 その後に消費者委員会としての論議を行い、年度内を目途に消費者委員会としての意見を政府に対して述べることを予定しております。
 委員の皆様にはお忙しいところを最後まで調査審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。どうぞ最終とりまとめまで御協力をよろしくお願いいたしたいと思います。
 事務局からは以上です。

○島田座長 それでは、どうも御協力ありがとうございました。あとは最後、またもう一度メールでのやりとりになるかと思いますが、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、本専門調査会はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

(以上)