第12回 地方消費者行政専門調査会 議事録

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日時

2011年2月24日(木)14:00~16:30

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【専門委員】
 稲継座長、沼尾座長代理、国府委員、斎藤委員、菅委員、
 田中委員、野口委員、馬場委員、矢野委員、山下委員
【担当委員】
 池田委員、佐野委員、下谷内委員、山口委員
【オブザーバー】
 池本弁護士
【説明者】
 消費者庁 林地方協力課長
【消費者委員会事務局】
 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.報告書の改訂案について
3.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:51KB)
【資料1】地方消費者行政専門調査会報告書(改訂案)
【資料2】 地方消費者行政専門調査会報告書案(骨子)に関する御意見の概要(PDF形式:270KB)
【資料3】 今後のスケジュール(案)について(PDF形式:73KB)
【資料4】 国府委員提出資料(PDF形式:144KB)
【参考資料1】 地方消費者行政専門調査会報告書案(骨子)に関する御意見(PDF形式:677KB)
【参考資料2】 公正取引委員会事務総局提出資料(PDF形式:78KB)
【参考資料3】 消費生活相談員に対するいわゆる「雇止め」について(お願い)(消費者庁提出資料)(PDF形式:146KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、ちょっと遅れておられる委員もいらっしゃいますけれども、時間になりましたので始めさせていただきたいと思います。本日は、皆様お忙しいところお集まりいただき、どうもありがとうございます。
 ただいまから「消費者委員会 地方消費者行政専門調査会」の第12回会合を開催いたします。
 なお、本日は所用により、専門委員の奥山委員、担当委員の日和佐委員が御欠席ということです。
 まず、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。「議事次第」と書かれたものの次のページに配付資料の一覧を掲げております。
 資料1として「地方消費者行政専門調査会報告書(改訂案)」。
 資料2として、専門調査会報告書(骨子)に関するパブリック・コメントを求めておりましたが、2月15日締切りでいただいた「地方消費者行政専門調査会報告書(骨子)に関する御意見の概要」。
 資料3として「今後のスケジュール(案)について」。
 資料4として「国府委員提出資料」。
 参考資料1として「地方消費者行政専門調査会報告書案(骨子)に関する御意見」。
 参考資料2として「公正取引委員会事務総局提出資料」。
 参考資料3として「消費生活相談員に対するいわゆる『雇止め』について(お願い)(消費者庁提出資料)」。
 資料としては以上となりますけれども、審議の途中で不足のものがございましたら、事務局までお申し出いただけたらと思います。
 それでは、稲継座長、議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

≪2.報告書の改訂案について≫

○稲継座長 それでは、議題に入りたいと思います。
 本日は、報告書の改訂案について議論いたします。まず事務局から、前回の素案に関する議論を踏まえ、報告書の改訂案を作成いただきましたので、内容を御説明いただきます。また、広く国民の皆様からパブリック・コメントをお寄せいただきましたので、パブリック・コメントの概要の報告もいただきたいと思います。その後、一括して御質問、御意見をお願いしたいと思います。
 それでは、事務局から御説明をいただきます。

○齋藤審議官 事務局の齋藤でございます。まず、資料1でございますが「地方消費者行政専門調査会報告書(改訂案)」という資料でございます。
 ただいま座長からも御紹介がありましたように、前回は素案という形で報告書の案を御議論いただいたわけですけれども、その際の御議論を踏まえまして、座長の御指示もいただきながら、改訂案ということでまとめたものであります。前回は、御発言だけではなくて、紙の形で御意見を出されたものもございましたので、そういうものもできる限り反映したものとなっております。ただし、パブコメの内容については、まだ反映していないという状況のものでございます。
 それでは、中身の方をご覧いただきたいと思います。
 まず、目次のところでございますが、参考資料6と参考資料7ということで、これまで消費者委員会事務局がこの専門調査会のテーマに関連して行いました実態調査につきまして、資料として付けることにしております。資料としての添付は省略しておりますが、最終報告書の段階では添付したいと考えております。
 1ページ「はじめに」という部分でございます。
 赤字で書いておりますが、経緯のところで、消費者庁、消費者委員会が設置に至る経緯ということで、1つは相談件数がこの10年余りの間に倍増したということと、冷凍ギョウザ事件、こんにゃく入りゼリーという特徴的といいますか、象徴的な事件があって、国民の関心が非常に高まったということを経緯の中に書き込んでおります。
 2ページでございます。国としても果たすべき役割があるということで、この部分で国としての役割について触れております。「国としても消費者庁が消費者行政の司令塔として、他の省庁と積極的に連携し、地方消費者行政の定着に向けた支援体制をさらに強化する必要がある」と書き込んでおります。
 3、4ページの第1章の部分は、前回御議論がございましたけれども、両論があった関係上、どのように直すかというところがまだ判然といたしませんでしたので、とりあえずこのままという形にしております。
 5ページ、第2章に入ります。この部分で赤字で直しておりますところは、文章整理の適正化を図っているということでございます。
 6ページは、グラフのところで前回紙でいただいた御意見の中に、パーセンデージだけではなくて、具体的な数も書き込んでほしいという御意見がございましたので、数も書き込んだ形でグラフをつくり直しております。その作業をしていく過程の中で、パーセンデージの計算の丸目のところの処理を適正なものとしたという関係で、若干パーセンデージの数字が動いておりますけれども、1%程度の変化があっただけでございます。
 下の注のところで「1674」から「1700」と数も変わっておりますけれども、これは全体の数字を見直していく中で修正を要するということで直した分でございます。
 右上の図の窓口等の設置予定のところで、緑の「設置予定なし」という部分について理由はわかるのかという御質問が前回ございましたけれども、この点はアンケート調査の中ではお尋ねしていなかったということでございまして、理由についてはわからないということでございます。
 7ページは、用語の適正化を図ったということでございます。
 8、9ページは、特にございません。
 10ページは、引用条文のところでミスがありましたので、訂正をしております。
 11ページは、上の方で「現実には、各市町村個別の対応では、人員・予算等の面で困難な場合が多く」と書いておりましたが「多いことから」と変えまして、その後「複数の市町村が広域的に連携して、効果的・効率的な対応を図ることが」というのを「ことも期待される」ということで、広域的な連携というものを余り押し付けているという感じにはならないようなニュアンスを出しております。
 その下の方で経由相談について触れた部分を赤字で足しております。「これは現場の相談員にとって心強い後ろ盾となっている」という評価を書いてほしいという御意見が前回ございましたので、それに対応したものでございます。
 またその下で、ADRのことも触れるべきではないかという御意見が前回ございましたので、その点も踏まえて書き込んでおります。
 12ページは、「大幅に」というのを消しておりますのは、用語の適正化を図ったということでございます。
 「広域連携を」を「窓口整備を」に直しております。これは前回そういう御意見がありましたので、対応したものでございます。
 13、14ページは、特にございません。
 15ページは、「苦痛」という言葉は、むしろ「負担」という言葉に置き換えた方が適正ではないかということで直しております。
 また「能力」に加えて「実績」ということも必要だろうということで、書き足しております。
 16ページは「問題点」のところに「等」という言葉を足しております。
 17ページは、最後のところに「また、中・長期的な課題として、任期の定めのない短時間勤務職員制度についても検討すべきである」ということで、これも前回の専門調査会で紙の形で出された御意見の中にあったものでございまして、この課題については、消費者庁のワーキンググループの報告書の中にも書いてあるということで、そういった消費者庁における検討についても後押しをするという意味で書き込むべきであるという御意見があったものに対応したものでございます。
 18ページは、細々とした修正でございます。
 19ページは、特にございません。
 20ページは、中ほどに「保健」という文字を消して「食品関係」と変えております。これも前回紙でいただいた御意見の中にあったものでございまして、消費者行政担当部署に他の部署から情報が集約される仕組みといったときの例示といたしまして、食品表示関係の情報というものが地方では別の部署にある。そういったものもちゃんと消費者行政担当者の方に回るようにということがよりわかりやすく読めるようにということで、直したところでございます。
 その下は、事業者向けへの情報提供というところのいろいろな目的というところに、事故の予防、安全な製品づくりに加えて「表示の改善」というものを足し込んでございます。
 21ページは、PIO-NETを「利用」しているというところを「設置」しているという文字に変えております。これも前回御意見をいただいたところでございます。
 22ページは、特に大きな変更ではございません。
 23ページは、下の方でございますが「さらに、引き続き、技術的な相談への対応を行っていく必要がある」ということで、これもこのような御意見を前回いただいておりますので、対応したものでございます。
 25、26ページは、特に大きな変更はございません。
 27、28ページも、文章整理でございます。
 29ページから、法執行のところに入ります。上の方でございますが「広域的に」というところに「複数の都道府県をまたいで」ということで、広域的の中身がより明確にわかるようにということで、ここも前回御意見があったところを直してございます。
 その下で「したがって、関係省庁の連携強化も含め」というところも、前回委員から御意見があったところで、国も縦割りになって、横の連携が十分とれていないということがありがちですので、事案によっては関係省庁の横の連携というものも求められますので、その点がわかるように直したということでございます。
 その下で「地方から国への出向の受け入れや法執行担当職員の研修を行ったり」ということで追加しております。これも前回の専門調査会で出された御意見に対応したものでございます。
 30ページは「各地方の経済産業局が積極的に調査・処分を行うだけでなく」ということで、経産局もしっかり処分をするという姿勢を示す必要があるという御意見に対応した部分でございます。
 その下に景表法について書いた記述がございまして、具体的には最後の文章でございます。特に赤字にはしておりませんが、参考資料2の公正取引委員会事務総局提出資料というものがございまして、そこに意見として出されております。
 要は何かと申しますと、ここで申しておりますのは、公正取引委員会の地方事務所で措置命令の権限を担えるようにし、国としての執行体制を強化するということで、地方事務所で権限を担えるようにするという部分につきまして、公正取引委員会の場合は経産省とは違いまして、地方事務所が権限を担うことができない組織形態になっているということで、もし公正取引委員会の地方事務所で処分権限の一端を担うということになるとすれば、公正取引委員会の地方事務所に権限を委任するのではなくて、公正取引委員会本体に事務を委任しなくてはいけないということが必要になってくると。そうした場合に、この景表法の処分について、消費者庁でも処分しますし、委任すれば公正取引委員会でも処分が出せるようになるということに関しまして、両者で処分ができるということになるので、この景表法の処分について行政の一元化を図るということの趣旨との関係で、そこをどのように考えたらいいのかというところで、頭の整理あるいは仕事の仕方の整理というものが必要になるのではないかという御意見がございました。
 そこにつきましては、例えば消費者庁が処分するのは全国的な案件で、公正取引委員会の地方事務所に担ってもらうのは地方に関する事案と、ある程度の役割分担をするという対応の仕方もあるのではないかと思われるところでございますが、この辺について委員の方々からももし何か御意見がありましたら、出していただければと思います。
 31ページは、文章整理ということで、特に大きな変更点はございません。
 32ページは、上の方で文章整理ということで、言葉を追加しております。
 それから「協働」という言葉は「同じ」というよりは「働く」という言葉の方がよろしいかということで修正を施しております。
 「様々な接点を通じて必要な知識や情報提供を行っていく」というところは、前回このような趣旨の御意見があったものに対応したところでございます。
 その下も文章整理ということで「消費者行政においては」という言葉を追加しております。
 その下で「地方公共団体としては、こうした多様な主体との継続的な協力関係の構築に努めることが必要である」という文章を追加しております。これは前回の消費者団体等の関係強化あるいは支援ということを考える必要があるという御意見に対応したところでございます。
 33ページは、行政職員に対する研修のところにつきまして、相談員の方あるいは消費者行政を担う正規職員の方に限らず、福祉部門等の職員も含めて研修を行う必要があるのではないかということで、ここは情報の集約のところで、他部門に入った情報も消費者行政担当課に集約する。そのためには、他部門の職員もこのような消費者行政についての研修を受ける必要があるのではないかという問題意識で修正を加えたところでございます。
 「研修機能」というところも、もう少し内容がわかるように「内容・期間」ということで、言葉を足しております。
 34ページ、第8章でございます。
 上から3つ目の○のところで「平成24年度中には、全市町村で設置する必要がある」と言い切っていたところを、もう少し押し付け的にならないような言い方がよろしいのではないかということで「設置することができるよう国としても支援を行っていく必要がある」という形に直しております。
 報告書の改訂案につきましては、以上申し上げたところが修正点でございます。
 続きまして、資料2でございます。報告書案の骨子に関しいただきました御意見の概要の御紹介に移りたいと思います。上の方に書いてございますが、1月26日~2月15日まで意見募集をいたしました。御意見をお寄せいただきました皆様方には、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 その下の方に、お寄せいただいた御意見の数ということで書いてございますけれども、総数が187件、内訳が、個人の方から153件、民間団体から26件、地方公共団体から8件となっております。個人の内訳は示しておりませんけれども、一番多いのは相談員の方、その次に多いのは弁護士の方ということで、この2つのカテゴリーで個人の方の大体7割程度になるところでございます。その他の方につきましても、何らかの形で地方の消費者行政に関与している方がほとんどということでございました。
 提出された主な御意見をこれから御紹介したいと思いますけれども、全体につきましては、参考資料1という横長の資料を付けておりますので、これをご覧いただければ、全体はわかるようになっております。ここでは時間の関係もありますので、その一部について御紹介をするということで、お許しをいただきたいと思います。どういうものを拾い上げるかということにつきましては、数多く出された御意見、特徴的な御意見、あるいは両論あるような場合には、なるべく両論の意見というものを拾い上げるように努めたところでございます。
 本日、こうしたパブリック・コメントで出された御意見を踏まえて、それをどのように報告書の中に反映していくべきかということについて、この後、御意見をいただければと思います。
 それでは、中身でございます。まず、2ページでございます。
 骨子全般につきましては、最初の○にありますけれども、消費者行政の位置づけや意識には自治体によってばらつきがあると。地域主権を強調する余り自治体の政策判断に委ねると、自治体が抱える多くの課題の中で埋もれてしまいかねません。消費者問題は自治体が推進すべき福祉や防犯、まちづくりの課題の大きな要素になっている。市民の暮らしを守るベースとして消費者行政をしっかりと位置づけることが必要です。
 2つ目でございますが、消費者被害に伴う経済的損失額は3兆4千億円とも推計されている。このような推計値を公表して、世論喚起を図るべきだという御意見です。
 3つ目でございますが、報告書案は、国による具体的な財政支援の在り方が不明確であるなど、全般に抽象的で、今のままでは不十分。国民生活センターについても触れる必要があるという御意見です。
 4つ目でございますが、確かに地方消費者行政は独自に取り組んできた面もある。地方は国の定めた指針を見ながら、消費者行政体制の整備を進めてきたのもまた歴史的事実であるという御指摘であります。
 5つ目でございますが、消費者委員会は国の機関であり、「国」の「平成24年度以降の政策企画・立案に役立てる」ための報告であるべきである。報告書(案)には国の役割についての本質的記載は余り見当たらず、一方で、地方消費者行政に対する要望は散見される。
 次は「はじめに」という部分についての御意見でございます。
 1つ目は、国による地方消費者行政支援の必要性や、地方消費者行政専門調査会が設置されるに至った経緯をより丁寧に記述してくださいという御意見です。
 2つ目は、国のパラダイムシフト完了のような前提で話が進んでいるようですが、少し違和感を覚えますという御意見がありました。
 次は、第1章に関わるところでございます。
 最初の御意見は、県内の市町村において、基金を活用して、消費生活センターや窓口整備を進めていますが、平成25年度以降に国の支援がなければ、消費生活相談員の人件費を確保することができず、窓口を運営することはできません。基金事業が終了する平成25年度以降についても、国による使途の特定された確実な財政的支援を要望します。
 次は、相談ネットワークの構築や情報収集体制の整備等について、国が責任を持って推進する必要があるとする点は賛成ですが、「一定程度の負担や技術的支援等を検討する必要」という指摘では不十分ですという御意見です。
 次は中ほどですが、住民の意識も低く、啓発を行っても他人事。自ら消費者トラブル等に巻き込まれて初めて意識する等、また、自治体の消費者行政に対する位置づけも低い現状では、国が最低限の枠決めを示す必要があるという御意見があります。
 次は、消費者行政に関する事務が自治事務であることは否定しないが、「各自治体の創意工夫等」によることをことさらに強調し、国は「支援」に回るスタンスには、甚だ抵抗感があるという御意見。
 次は、基本は自治事務であることに異論はないという御意見もあります。
 次は、恒常的な国の財政負担がPIO-NETの入力事務経費だけというのでは不十分。都道府県に対しては、法執行のための財政負担も必要だという御意見がありました。
 次は、国は、消費者行政を国の事務として取り組むべきという御意見があります。
 次は、一括交付金での財政支援では、他の部門へ優先的に活用する自治体が多く、消費者行政にほとんど利用されていません。単発の交付金では相談体制強化、相談員人件費、等への実際の活用は困難です。単に財政支援を一括交付金だけとせず、少なくとも地方消費者行政活性化基金のように、消費者行政の強化に数年間活用できる支援を行う旨も記載すべきですという御意見があります。
 次は、消費者庁設置法附則第4項の「支援のあり方」で最も重要なものが財政的措置である。例えば、地方財政法第10条に「消費者被害の予防及び被害回復支援に要する経費」を追加することなどを提案すべきであるという御意見がありました。
 次は、第2章に関わるところです。
 最初の御意見は、市町村と県との関係についてです。中ほどですが、消費者安全法等において県と市町村の役割分担が決められている中で、本来市町村が行うべき事務を県が肩代わりするような広域連携を推進すれば、人員、予算等の面で市町村と同じ事情を持つ県としては、本来の県の役割である専門的・広域的な相談対応等の事務が実施できない状態に陥ることになる。
 5ページでございます。
 住民に身近で専門的な相談窓口を整備するために、都道府県の役割を明示したり、市町村と県の広域連携のひな形を示すことには賛成です。ただし、国が広域連携の推進だけに財政支援することでは不十分であり、市町村が単独で消費生活センターを設置する場合についても、国の財政支援を継続することを求めます。
 次は、消費者行政の中核は都道府県・政令指定都市等大規模自治体とし、他の市町村はバックアップ体制の強化を図るという御意見がございます。
 次は、人口や財政規模の小さい市町村においては、独自に常設の窓口を設置することは現実的ではない。骨子の別紙1の2ページに示されたような広域連携が有効と考えられる。ただ、その場合にも、財政規模の小さい市町村では、負担金の捻出が困難と見込まれるため、国の支援、肩代わり、を検討していただきたい。
 次は、消費生活センター業務は都道府県、市町村が行うべきで、民間委託は馴染みません。相談をきっかけに高齢者福祉や生活支援等の他の行政部門との連携が必要となるということを理由として挙げておられます。
 次は、一定規模以上の市町村にあっては、センターの設置を法的に義務づけした方がよいという御意見もあります。
 次は、国が広域連携の推進を期待し、誘導するのであれば、国の財政的支援及び技術的支援の必要性について明記するべきであるという御意見があります。
 次は、県で相談を受けていると身近な地域に専門的知識を持った相談窓口があればと思うことが多々あります。県の役割をはっきりさせた上で、県と市町村の広域連携のひな形を示すことはよいと思います。ただそれに限らず、県内の市町では単独で窓口をと今、努力しているところがあります。その努力が失せてしまうことのないよう、今後も国は恒久的に財政支援することが必要という御意見であります。
 次は、高齢者に対する悪質な消費者被害に関しては、福祉・保健所関連等の他部門の連携は今や実効性のあるものになりつつある。他方で、金融機関との実効性のあるネットワーク、あるいは警察との連携強化というものを望みますという御意見です。
 次は、自らが窓口に行けない住民、例えば認知症の方、についても、その体制の整備をすべきである。例えば民生委員や介護ヘルパーとの連携などが考えられるということであります。
 次は、市町村が一次的な相談窓口として機能するための都道府県の支援や、広域連携への都道府県の参加が望まれることを、明確に打ち出すべきではないか。
 次は、広域連携についての率直な意見ということで、広域連携では都道府県内の一部地域による連携が最適ではないかと考えますということで、その下のマル1~マル4にあるように、かなり具体的に御提案を書いていらっしゃいます。
 「第3章 消費生活相談員の処遇のあり方について」に移ります。
 最初の御意見は、消費生活相談員を国家資格とし、最低限でも1人の社会人として生活できるだけの報酬を支払うこと。(理由)というところで、相談資格を国家資格化し、社会生活が営める報酬を支払うことで、結果として法科大学院出身者が相談員として、業務に就くこととなる。他方で高齢者の相談は見守りが必要で、日常生活あるいは福祉現場でも消費者行政の理解がある人員の配置が必要で、そのような場に、国家資格ではないが相談業務を知っている人員を配置すればよいと思うという御意見です。
 7ページです。相談員の方からですけれども、相談者から「次に相談する時にもいてくれないと困る。お医者さんと一緒でしょ。この制度はなんとかならないのか」と言われました。非常勤とは異なった雇用制度を国がつくってほしいという御意見です。
 次は、相談員の専門性の向上や、それに見合った処遇改善の必要性や、雇止めが適当でないことについて、国が具体的な支援を示すことには賛成ですが、指針を示すだけではなくて、積極的な働きかけと財政支援を求めますという御意見です。
 次は、「任期の定めのない短時間勤務職員制度」や正規職員化を図ることによって雇止めの防止をも検討すべきである旨言及すべきである。また、効果的な財政的支援の方法について提案すべきであるという御意見です。
 次は、相談員の研修については国民生活センターで行われる研修を同時中継やビデオ録画したものを県で見られるようにしていただければいいのではないかという御意見です。
 次は、相談員に必要な資格を国家資格にするなどし、その資格に必要な知識や能力を法令上で明確にして初めて全国的な処遇改善に結びつくという御意見です。
 次は、地方での消費生活相談については、相談員自体が消費者の相談に応じ切れておりません。法律解釈ができておりません。このような状況で、解雇もなくなればますます消費生活相談員としての質の問題が問われることになりますという御意見もございました。
 次は、国家資格というより、社会福祉主事任用のような任用資格が望ましい。あらゆる行政職員もチャレンジするような任用資格の性質が必要である。具体的には、国民生活大学校などを創設、ということで提案があります。
 8ページでございます。
 次は中ほどでございますが、相談員の処遇に引上げ方策は必要であるが、各自治体におけるその確保の手法については、多様性を認めることとし、直接雇用を強く推進する記述は望ましくない。むしろ、消費生活相談員を適切な処遇で確保し、自治体から業務を受けることができるような団体の育成を施策として準備すべきである。
 2つ目は、NPO方式、事務委託などの方式は、処遇を悪化させている一因であることについて調査し、言及すべきである。
 次は、消費者大学校を設立し、相談員に必要とされる最低限のスキルを国が担保する必要があるという御意見もありました。
 次は、相談員の専門性に見合った報酬・処遇とすることが必要です。定期的な研修とともに相談員の能力や成果を正しく評価し、それに見合う報酬や処遇等をする必要があります。
 「第4章 情報収集・分析及び情報提供のあり方について」に移ります。
 入力事務の一定負担については、相談員の人件費の少なくとも3分の1に相当する額を国は負担するよう明記すべきだという御意見です。
 次は、入力業務について国が一定の財政負担をすることが適切です。その財政負担が相談員の処遇改善に結びつくように利用することを具体的に示すことを求めます。
 3つ目は、地域で集めた情報が集まる国において、しっかりした情報分析や公表を実施していただきたい。
 次は、情報収集事務、入力研修事業に国が一定の負担をすべきとしている調査会の意見に賛成するという意見です。
 次は、入力事務に関わる費用の一部を国が負担していただけることになれば、その費用を相談員の処遇改善に向けることができますので大変助かりますという御意見もあります。
 次は、情報の一元化という観点から、経済産業省、農林水産省、金融庁の窓口の情報も一元化すべきである。情報を一元化してこそ情報は生きてくるという御意見です。
 次は、PIO-NET端末を配備する省庁には、入力も義務づけるべきである。
 次は、国からの情報提供も明記し、地方でもっと活用しやすいよう国の支援を明確にするよう記載すべきです。
 次は、被害情報の発信を強化するということで、国が発信する方が効果は高いので、テレビ報道等さらなる強化が必要であるという御意見です。
 「第5章 地方消費者行政における商品テストの位置づけ、人材の確保について」に移ります。
 複雑な商品テスト機器を各都道府県で整備することは困難です。国民生活センターが地方の商品テストの依頼を確実に実施できるように、国民生活センターの商品テスト機能と体制の強化を求めます。
 次は、消費者行政特有のノウハウや技術を持った人材を育成するには、国の関係機関での実務研修の推進が有効である。消費者行政に特有のノウハウと知識・技術の両方を持った職員は国民生活センターにしかいない。
 次は、各地方公共団体とも人員削減が進められている。そういう中で商品テスト等は既存の機関等を活用した上で、法執行等に携わる人員等の確保に力点を置く方が現実的ではないかという御意見があります。
 10ページです。各自治体自ら商品テストを行うことには賛成です。農業試験場や保健所といった身近な地方機関と連携して自治体でできることは自治体でやるべきだという御意見があります。
 次は、消費者目線で行われる消費生活センターが行う商品テストは必要であるという御意見です。
 次は、国民生活センターの商品テスト部門を中核として、国関連施設に消費者被害救済のための調査実施の役割を明確に与えた上で、事故原因究明のための連携システムを構築すべきであるという御意見があります。
 次は、全国的に技術系職員の減少傾向が見られますが、商品の技術面での苦情相談はむしろ増加傾向にあるように思います。簡単なテストは市町村が技術系職員を確保して行うべきという提言をしていただきたい。
 「第6章 地方自治体における法執行の位置づけについて」に移ります。
 最初の意見は、特商法による業務停止命令をした際、別会社を立ち上げて営業を継続する事業者が後を絶たない。このため、特商法の業務停止命令については、事業を継承した事業者に対してもその効果が及ぶよう、法改正を要望しますという御意見であります。
 次は、都道府県による事業者規制の体制を強化するよう、国から都道府県に対して働きかけを強めるべきです。
 次は、法執行は全国に影響を及ぼす事項なので、担当職員の配置・増員について国が財政負担をすべきことを盛り込むべきです。
 次は、県においては、職員の人事異動等により組織的に法執行のノウハウの蓄積が進まない。国が実施する立入検査に県職員が参加したり、逆に県が実施する立入検査に国の職員の応援を得たりしながら、OJT的にノウハウの蓄積を図っていくことが必要。
 次は、国においても地方支分局を含めて執行担当者の増員を図るべきことにも言及すべきである。
 次は「都道府県等の執行権限強化」について賛成します。
 次は、景表法関係の事務については、公正取引委員会及びその地方部局では、消費者庁に権限が移ったのだから県の消費生活センターが所管すべきだとして、結果的に、従来国が行っていた業務を押しつけられる格好になっているという御意見があります。
 次は、国が自らの執行件数も飛躍的に増大すべきですという御意見です。
 次は、不十分な点は法執行と密接に関係している被害救済が明記されていないことですという御意見がありました。
 「第7章 地方消費者行政の基盤・環境の整備について」に移ります。
 地域における消費者教育・啓発の推進につきましては、単に期待を示すだけではなくて、国民生活センターによる啓発資料の提供や職員研修の充実などの支援を求めます。
 12ページです。消費者教育の充実を図っていくため、とりわけ学校段階での取組が大切であると。文科省の一層の積極的な関与を求める。
 次は、今後の啓発については、啓発事業者の専門性を認めた位置づけを確立すべき。
 次は、職員の消費者行政への関わり方が希薄。意識の低さが伺われますという意見もありました。
 次は、ネットワーク形成ということに関連いたしまして、面的なネットワーク構築のための国・地方自治体の役割に焦点を当て、情報ネットワークや課題検討のための「円卓会議」づくりなど、具体的に明記すべきです。
 次は、行政と消費者団体等との連携と同時に、財政措置を含む実効的な消費者団体支援のあり方についても検討すべきですという御意見がありました。
 次は、適格消費者団体との連携に関して、執行等の場面において、適格団体の情報提供等に行政部門が的確に対応できるような体制を構築する必要があるという御意見です。
 次は、各種団体が行う消費者教育をとりまとめる仕組みを検討し、教育機関ごとの実施の偏りをなくすよう検討すべきであるという御意見もあります。
 次は、他部門の職員に消費者相談の理解がないと、消費者問題以外の相談までつながれることが懸念され、肝心の消費者相談の妨げになる可能性もある。
 次は、知識でない暗黙知の伝授できる研修制度が必要です。国民生活センターの、特に職員研修の充実は、その点への配慮した支援に期待します。
 「第8章 今後の地方消費者行政の充実・強化の進め方について」に移ります。
 国の財政負担は「数年程度」の措置では交付金の場合と同様で実際には使われないと思う。10年くらいの思い切った支援が必要だという御意見です。
 次は、消費者庁の制度WGによる報告書は、国の施策については事例の紹介と一括交付金の活用を示すにとどまります。消費者行政にきちんと「金」を出さなければ、実効性が上がりませんという御意見です。
 次は、平成24年度以降の「集中育成・強化期間後の国による支援の在り方」の検討に当たっては、地方自治体の消費者行政に対する国による長期的な財政支援を実施すること。
 次は、国の施策や財政負担について「様々な施策を組み合わせて対応する必要がある」とされている点は具体性がなく不十分です。まずは大前提として、これまでの集中・育成期間における支援の成果と課題を、個別の自治体の立場に立って検証し、今後の対応を考える必要があるという御意見です。
 次は、3年間の活性化基金では、わずかしか効果が見られなかった。活性化基金に短期間で効果的に使用して直ちに成果を見出すことまでつなげることは非常に難しかったのではないか。相当年数継続しつつ、同時に、継続的に、多くの自治体参加のもと意見交換やプロジェクト計画を模索するなど実施しながら、有効活用のための技術支援をより多く行うとともに、より有効な財政支援の枠組みなどを模索すべきであるという御意見。
 最後ですけれども、消費者行政の充実・強化策の実施は、可能な限り速やかに対応されるべきであるといった御意見でございます。
 以上がいただいた御意見の概要でございます。
 私の方からは、以上でございます。

○稲継座長 ありがとうございました。それでは、今の御説明に対しまして、御質問や御意見のある方は、御発言をお願いいたしたいと思います。どなたからでもどうぞお願いします。
 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 説明をありがとうございます。パブコメを反映していないので、今日の調査会でも意見を出していただいて、事務局の方で改めてパブコメを反映した案を事務局案として出される予定があるのかどうかお聞きしたいと思います。
 それから、概要の説明はいただいたのですが、傾向をつかむのがなかなか難しいので、ある意味傾向的に数が多いものとか、数が多い特徴的両論を取り上げてはいるけれども、それがもう少し明確にわかるような取り上げ方、例えばこの項目に対して賛成はどのぐらいあったとか、そういったわかりやすいまとめをしていただけると大変ありがたいと思います。
 以上です。

○稲継座長 では、事務局お願いします。

○齋藤審議官 まず、パブコメを反映した案をつくることはできないかという御質問でございますけれども、これは先ほども申し上げましたが、やはり専門調査会としてパブコメで出た意見をどのように受け止めるかということを先にやるべきだと思いますので、専門調査会としてこう受け止めるべきだという御意向がまとまれば、それをどのように反映するかということで、事務局としても作業することができるわけでございまして、そういう意味では、是非この場で御議論をいただいて、それを次の段階で反映するようにしたいと思っております。
 まとめ方のところでございますけれども、確かに今、申し上げましたように、一応章ごとに御意見をいただいておりますので、章ごとにいただいた御意見を並べていると。それも一応順番を付けてといいますか、通し番号を付けておりますので、その通し番号に沿って並べているというやり方をしておりまして、これは勿論編集しようとすれば編集することもできないわけではありませんが、やはり編集をいたしますと、何らかのこちら側の意図というのも入ってまいりますので、なるべくそういう意図が入らないような形でお示しをする方が適切かなと思いまして、こういう形でお示しをしたところでございます。

○稲継座長 斎藤委員、お願いします。

○斎藤委員 法律学の立場から、形式面だけ一言確認ですが、パブリック・コメント手続というのは、こちらでつくった案に対していろいろな意見を出していただいて、そこには我々の思いもかけなかったような意見もあるかもしれませんし、そういうことで補足をするという意味があります。なおかつ、審議会や委員会でつくる案について、パブリック・コメントを通じて説明責任を果たすという意味はあります。
 ただ、注意しなければならないのは、例えば多数のパブリック・コメントが出たから、必ずそれに従わなければならないというものではないので、そこは参考にすべきものは参考にして、主体的に専門調査会として判断するという位置づけに行政手続法のパブリック・コメントやそれに連動した、こういった案のパブリック・コメントの理解はそういうことだと、行政法研究者として私は理解していますが、あるいは野口委員の方で、それでよろしいかどうか確認していただければと思います。

○稲継座長 野口委員どうですか。

○野口委員 斎藤先生のおっしゃるとおりだと思います。委員会として、会議としてどうするかということを議論して、決定をしていけばよろしいのではないかと思います。

○稲継座長 行政学の立場からも一言言わせてもらったら、パブリック・コメントの扱いはそのようなものであると。今回出た意見は、多数のものもありますけれども、例えば162番以降、4、5ページ以降、めくったら全部同じ分量で、どの項目も全く同じ文章が出てくるのです。別々の個人が同じ文章を書くとは思えませんので、明らかに動員がかかっています。ですから、それを数でカウントするというのは正しくないと思います。
 国府委員、先ほど手が挙がっていましたね。

○国府委員 パブコメの扱いに関してなのですが、今後のスケジュールを見ていると、次回の3月17日の第13回でとりまとめということになると、このパブコメに関して我々が議論するというのは、実は今日しかないのです。だから、私もこれはできるだけ読みたいと思って読んでみたのですが、まだ半分にちょっと満たないところまでしか目が通せていないのです。
 確かにこれは我々考えなければいけないなという意見も数多く寄せられているのも事実でして、例えば表現などの簡単な問題で言いますと「安心・安全」という言葉が出てくるけれども、これはやはり「安全・安心」という言葉が一般的ではないかとか、また安全の方が大事なのだから「安全・安心」の方が正しい。こんな意見も含めて、非常に貴重な意見が出ているものですから、もう一遍このパブコメを読む時間をもう少しいただいて、それを何か反映できるような、もしくはパブコメの意見の中で、ここの意見は重要だからというのをペーパーで出すとか、何か工夫をしないと、今日全部は議論し切れないというのが非常に残念です。その辺は、また今後の進行を考える中で御検討いただけたらなと思っています。

○稲継座長 日程的なこともありますが、事務局はこの辺どうですか。

○齋藤審議官 パブリック・コメントでいただいたもので大きなところは、私としてはこの概要でカバーしたと認識しております。
 あと、今おっしゃいましたように、安心・安全という用語の使い方とか、そういうところは拾ってきてはおりませんが、勿論そういう部分をもしお気づきであれば御指摘いただければよろしいかと思いますが、今の安心・安全もどちらが先に来るかというのも、実のところ余り決定的な議論というのはないところでありまして、安全の方が先だという御議論も当然ありますし、安心があって、安全があるという、例えば消費者安全法などは、安心して安全できるということで書いてありますので、その辺はなかなか決着がつかないような問題もございます。
 したがって、できれば本日の専門調査会の場で大きなところについても御示唆をいただいて、それを踏まえて次にとりまとめの報告書を出すという形にしたいと思っておりますが、特に何か気になるという点があれば、後でということもあり得ると思いますが、ただその場合でも、今、安心・安全の問題でも言いましたように、なかなかどちらとも言い難い問題というのもありますので、その辺は、例えば次の専門調査会でこういうところについて御指摘がありましたがどうしましょうかという問いかけをするということはあってもいいのかなとは思います。
 ただ、大きなものについては、なるべく今日この場で御議論して、取り上げ方なり、方向性を出していただければと思います。大きなところについては、今回の御意見の概要というところで拾ったつもりでございます。

○稲継座長 では、まず馬場委員お願いします。

○馬場委員 質問ですが、パブコメの9ページのところで、PIO-NETで意見が入っていたのですが、経産省とか農水省の相談窓口にPIO-NETが入っているのであれば、それの入力は可能なのでしょうかという質問です。
 それから、その場合に、例えば今回の地方消費者行政の報告書の中では、地方でPIO-NET入力についての費用負担というのが入っているのですが、こういう省庁にもやはり費用負担というのは発生するのでしょうか。その2点をお教えください。

○林地方協力課長 それでは、今の点については私の方から補足をさせていただきます。
 中央省庁については、関係府省庁にPIO-NETの端末が配備されております。しかし、これは閲覧専用の端末になっておりまして、入力できない仕組みになっております。
 もう一つ、現在、配備の拡大を進めておりまして、特に経産省さんと公正取引委員会の出先機関、経済産業局と公取の地方事務所については、改めて端末の配備をするということにしております。ただ、これについても、配備をする端末の型式については、やはり入力を前提にした端末ではありません。
 もう一つ申し上げますと、実は、今、消費生活センターに配備されている端末は、入力をするための専用端末を置いています。しかし、各省庁は、私ども消費者庁も同じなのですけれども、霞が関WANというWANでつながっておりますので、この中で閉じたシステムを組むことができるものですから、専用端末ではなくて、IDパスを発行して、いわゆるウェブベースでご覧いただけるようなものとして、簡易なものを配備しています。今後どこまで範囲を広げるかというのは、これからの議論になるところです。
 それともう一つ、費用負担の件についてですが、消費生活センターに配備している専用端末につきましては、入力をいただくということを前提に、設置費用、毎月発生する通信費用についても、国がすべて負担をしております。これに対して、各省庁に配備している端末といいますか、PIO-NETを見られるような仕組みについては、やはり同様に維持費は発生しますが、それは各府省庁に負担をいただいています。

○稲継座長 よろしいですか。

○馬場委員 はい。

○稲継座長 では、山口委員どうぞ。

○山口委員 パブコメは、消費者委員会としては初めて実施したものです。先ほど、斎藤先生あるいは稲継先生、野口先生の御意向もあったのですが、消費者委員会としてこういうパブコメを初めてしました。確かに同じような傾向の意見もたくさんあることはあるのですが、やはり顕著な傾向としてざっと見ていきますと、財政支援をもうちょっとしっかりしてほしいという意見は顕著だと思うのです。パブコメをして、そういう意見が顕著に出ていることを全く無視して意見書をまとめるということになると、今後消費者委員会としてパブコメをしても、どうせ無視されるのだから、こんなパブコメなんかには応じる必要はないとならないかと心配もするわけです。
 したがって、例えば意見書の中に反映するのが難しければ、こういうパブコメは大体こういう傾向があったとか、そういうことをどこかに明記する工夫もあってもいいかもしれないし、少なくとも、単に地方の自治事務だから地方にお任せというのではなくて、ようやく基金によって活性化しつつあるものについて、もう少し財政的なサポートを含めてちゃんとやってほしいという意見が強いことも明らかなので、そこら辺をもう少し明快にしたような報告書にまとめていくと。それはちゃんとパブコメを反映したものなのだよということを、パブコメを寄せていただいた方々へのお礼の気持ちといいますか、それを反映したものだということは、どこかに出していただきたいなと思うのですが、それはできないでしょうか。必ずしもこの報告書の方向に矛盾したものではないと思うので、それに少し強弱をつける程度のことはできなくはないと思うのですが、どうなのでしょうか。

○稲継座長 骨子の段階に対するパブコメということで、手続の日程的には無理があったとは思うのですが、骨子以降、素案と今回の改訂案の2回にわたって徐々に改訂されてきているのです。一部意見を取り入れて、財政の部分も表現を変えていますし、例えばパブコメの概要の7ページにあるような任期の定めのない短時間勤務の職員制度のこととか、もう既にこの2回の委員会の中で入ってきている部分もたくさんあります。ですから、全然無視しているというわけではないと思うのです。
 それと、財政の問題については、散々この専門調査会で議論が戦わされてきて、今、一定の方向にまとまりかけているところです。ですから、専門調査会としては、多分動員票だと思いますが、パブリック・コメントの数がこれだけあったからといって、今までの議論を全く無視して、パブコメのそちらの方向に動くということは、専門調査会としてはできません。ですから、調査会の報告として上に上げた。今度は、消費者委員会の方で、それについてどう取り扱うかということを是非御議論いただきたいと思います。専門調査会から出たものをそのままパスするのではなく、パブリック・コメントでもこういうことが出たからということで、消費者委員会の方で是非改めて議論していただきたいと思います。
 専門調査会の方では、今まで散々学者の先生方を含めて、財政の問題は議論してきましたので、パブリック・コメントで何十通これがあったから変えるということにはならないと思います。
 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員 基本的に座長のおっしゃることに賛成ですけれども、1つは事務局にお尋ねしたいです。私もパブリック・コメントを何も無視せよと言っているわけではなくて、通常、行政手続法のパブリック・コメントの場合には、出してくださった意見に対して、これはこう扱いましたということを返すわけですが、それはこのパブリック・コメントについてはお考えなのですか。個別の意見全部に答えるというのは行政手続法の方でもやっていなくて、ある程度集約して、ここは誤解に基づくものだから元のままとするとか、ここはこういう文言がこれに対応しているからこれで対応させていただいているということが、政省令の場合のパブリック・コメントにはあるのですが、ここでのパブリック・コメントについては、そういう点についてどう扱われているのですか。

○稲継座長 審議官お願いします。

○齋藤審議官 今回、専門調査会の報告書に対するパブリック・コメントということで、政省令に対するパブリック・コメントとは、またおのずと扱いは違ってくるだろうと思うのです。これは言わば任意でやっているといいますか、何らかの法律等に基づいて義務的に行われているものではなくて、やることが適当だと思われたのでやっているという種類のものだろうと思います。それが1つ。
 それから、出された意見に対して何らかのお答えを書くというのは、政省令の場合は、その政省令を企画・立案したところが、企画・立案の立場でお答えすることができると思うのですけれども、この専門調査会報告書のパブリック・コメントについて、事務局がこうですとお答えすることは、必ずしも適切ではないのではないかと思います。専門調査会としてお答えするということはあり得ると思うのですけれども、その専門調査会の意を忖度して、事務局がこうですと答えることは多分できないのではないかなと思います。

○稲継座長 続きで、斎藤委員どうぞ。

○斎藤委員 そうすると、ここでの議論を通じて、パブリック・コメント、今日出された概要版等について議論して、それがまさにパブリック・コメントについて私の最初の発言で言えば、専門調査会として説明責任を果たすことになろうかと思います。

○稲継座長 国府委員、どうぞ。

○国府委員 今のパブリック・コメントの扱いに関連してなのですが、例えば報告書の書き方の問題としましょう。財政の問題について、こういう大きな意見はあった。多い少ないは関係なく、こういう意見はあったんだけれども、我々はこういう考え方でこういう結論に至ったのだとか、何かそれがないと、どういう問題があってその意見がとられなかったのかというのが、何か立体的に議論が見えてこないという形になると思うのです。
 ですから、報告書は事務局が起案していただいているわけなのだけれども、今回の改訂案を見ても、前回もう少しみんなでいろいろ熱く議論したような感じがするのだが、報告書を見ると微修正だけで終わってしまっていて、そこの熱い議論の過程も浮かび上がってこないし、一言挿入されている文言の持つ意味合いというものが見えてこない。
 資料ということで、私の発言ペーパーも出させていただいていますけれども、どうも国民がこの専門調査会に期待したものに対して、我々は十分答え切れていない。このパブコメを見るとそういうものを感じるのです。だから、そこを工夫しなければいけないということと、スケジュールの問題があるのですが、今回もこの改訂案をいただいたのですが、今、言いましたように、本当に前回の議論が十分反映されているのかなという感じがあるのですが、次回もまた同じような形で直前にいただいて、それで次回で報告書とりまとめというのでは、何となく時間切れみたいな感じになってしまうのです。
 ですから、例えば先ほど審議官が言われたのだけれども、財政的支援の問題について、前回は賛成、反対2つの議論があって、どちらに決まったかわからないので、そこのページは修正しなかったと。それならそれで議論を整理していただいて、ここはこういう議論だったからこういう修正をしたんだということをもう少しわかるように整備していただいた方がありがたいかなと思います。

○稲継座長 今の御意見は、事務局としては多分難しい部分もあるのでしょうね。
 一方で、親委員会の方からは両論併記ではなくと言われている部分もあって、両論併記は立場上できないのです。ダブルで盛り込むということになると両論併記っぽくとなってしまうのです。その辺の書き方は非常に難しいと思うのです。どうでしょうか。これはほかの委員はどうお考えでしょうか。
 山下委員、どうぞ。

○山下委員 基本的には座長のおっしゃるとおりで、我々の立場を変える必要はないと思うのですけれども、やはりパブリック・コメントの強い意見に対して、これはどうしてできないのかということをもう少し明確に説明するということはできるのではないでしょうか。ですので、パブリック・コメントで財政支援ということを言っているけれども、国と地方の在り方全体を考えたときに、そこまでの提言はできないのだということをむしろ明確にするということで、説明責任という問題がより果たされるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○稲継座長 いかがでしょうか。
 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 質問です。圓山委員が辞められるときの調査会で、沼尾委員からも少し発言があったのですが、委員の意見を排除するということではなくて、少数意見であるにしても、何らかの形で取り込むことはできないだろうかと。一緒に報告書に盛り込むことはできないだろうかみたいなニュアンスだったと思うのですけれども、その結論はこの調査会ではしたのでしたか。その辺が私もあいまいなのです。

○稲継座長 結論は出していないですが、最後どうしても委員の意見が割れた場合には、少数意見として別添で後ろに付けるということはいいのではないかというコンセンサスがあのとき得られたように私なりに理解していますが、皆さんそれでいいのですか。だから、そういうのはあり得る話です。
 事務局お願いします。

○齋藤審議官 この間、沼尾座長代理から、圓山委員が是非お伝えしたいということで出された御意見の御紹介があったところで、それを踏まえて、沼尾座長代理としての御意見を述べられたと理解しておりまして、沼尾座長代理としての御意見については、今の段階でかなり反映しているところがあるとは思っております。
 別紙で付けるかどうかというのは、またこの段階になって、別紙を付けるようなものがあるのかどうかというのは、私にはちょっと理解できなかったところでございまして、圓山委員の御意見というものは、沼尾座長代理から御紹介され、沼尾座長代理としての御意見としてこの場に提示されて、それを踏まえた修正が今回出ておりますので、それでも不十分だということであれば、またここで御議論していただいて、どのように直していくべきかということを御議論いただくのがいいのではないかと思います。

○国府委員 それはどの部分ですか。

○齋藤審議官 例えば国がもっと積極的にやるべきこと、縦割りではなく、横の連携をとりながらしっかりやるべきであるという御意見があったかと思いますが、それは例えば2ページの上の「国としても」というところの一文でございます。「他の省庁と積極的に連携し」というところで書いておりますし、法執行の課題の29ページでございますが「関係省庁の連携強化も含め」というところで、これも縦割りというところにとらわれずに、国としても横の連携をとりながらしっかり対応すべきであるという趣旨のことだったかと思います。

○稲継座長 先ほど山下委員の方から、パブコメの扱いについてこういう意見もあったけれども、我々としてはこのように考えるという書き方に修正というか、書き加える部分があってもいいのではないかという御意見だったのですが、これについてほかの委員の御意見はいかがでしょうか。
 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員 その点について手短に申しますが、もし報告書のレベルで、そうやって何か変えなければならないとか、もしそういうのがあればそうだと思いますが、現時点でそこまでのものはないのではないかと思います。だから、例えばここでの議論というのは議事録に載りますから、出されたパブリック・コメントに対して、これはこういうことではないかというのを議論し、意見が公開されれば、それでよろしいレベルのものも多いのではないかと考えます。

○稲継座長 事務局お願いします。

○齋藤審議官 同じです。

○稲継座長 国府委員、お願いします。

○国府委員 私は基本的に山下先生と同じ意見で、それがやはり国民に対する説明責任と言うのでしょうか。だから、重要な問題は触れておく必要があると思っています。議事録を読むのは限られた方だけだと思いますので。
 ただ、私も今日ペーパーを用意していますので、特に重要な点は財政の問題だと、先ほどの山口委員の意見と同じだと思っております。私は、資料4ということで用意させていただきました。
 先ほどの齋藤審議官のお話では、報告書素案の3、4ページ辺りに関して、国と地方の在り方の問題について、前回議論がどちらかはっきりしなかったままで終わっているので、手が入れられていないという御説明だったわけですが、私はやはり国民がこの専門調査会に期待したのは、地方の消費者行政が大変疲弊していると。相談が10年前より倍増し、他方、行政予算は半減する。職員の数も半減するという中で、とりあえず国は3年間の活性化基金をつくって用意してくれたわけですね。ところが3年目以降、国からどういう支援があるのかが見えないという状態の中で、我々は4年目以降、つまり集中育成・強化期間以降の国の取組をどうするのかを我々は検討することがミッションとして与えられたわけなのです。
 ですから、そういう意味からすると、やはり3年間の活性化基金でどういった効果があったのか。どこに問題があったのかといったことも、やはり検証評価されなければならないし、この間、光交付金という、これは一括交付金の1つの試験版とでも言っていいのでしょうか。余り制約を与えない中で交付金を与えてやるという、これが我々としては1つの実験であったと思うのですが、そういったものの成果、反省も踏まえた上で、これから4年目以降の財政的な支援の在り方をどうするのかというところを、やはりもう少し丁寧に国民に対して報告書の中で説明すべきだろうと思っております。
 具体的に言いますと、報告書の中の4ページ、12ページにも同じ文言があるのですが、4ページの最後の4行です。これについては、前回も私はこの4行について発言させていただきました。これだと活性化基金や光をそそぐ交付金のように、創意工夫に基づく裁量を発揮できるような財政措置を活用するということで、あたかもこの2つの交付金がよかった。だから、これと同じようにと読めてしまうわけで、これは地方の皆さんがこの2つの交付金に対して持っている印象と大分かけ離れたものになるのではないかと思っています。
 1つは、補助金のように手足を縛られて人件費には使えないみたいなことが言われてしまって、ところが消費者行政というのは、ほとんど人件費に要するわけで、ハコモノはないわけです。それで活性化基金が使いにくいという話になった。途中で人件費にも使えるように修正がされた。だけれども、たった3年間という期間の中で、それでは結局のところは人件費には使えなかったという反省がありますね。
 そういう意味で、やはり使いやすさとともに、期間が余りにも短いと、人件費には使えないんだという問題も浮き彫りになったように思います。そうすると、パブコメの中にもあるように、私はちょっと引用しますが、団体の98というところはこのように書かれていますね。私の資料4ペーパーにも(2)のところで引用しておりますが「そもそも消費者行政に係る経費の大半が人件費であることに鑑みれば、単発の交付金では相談体制強化(相談員人件費)等への実際の活用は困難です」といった意見がありまして、これは大変に的を射ていると思います。
 そういう意味で、せめて数年間活用できるようなものでないといけないということも、我々は報告書の中で触れるべきなのではないだろうかと。このパブコメの中には、やはり人件費に活用して、それで消費者行政を一定地方に定着させようと思えば、やはり10年程度必要なのではないかといった意見もありました。3年やってだめだった、またあと2年追加した。それでもだめだからまた2年追加というのでは、ちょい足しで合計で結果的に10年になったとしても、これはやはり人件費に使われないと思うのです。やはり最初から10年の期間はそういう形でやっていくのだと。それから、PIO-NETの入力作業については、恒久的なものとしてやっていくのだということが、地方にメッセージとして届けられないことには、やはり人件費としては使っていかれないということを思っております。
 そういうふうにすれば、自治体としても、この交付金を使ってこんなふうにやっていこう、あんなふうにやっていこうということのいろいろなよその経験などを基にしながら、自分のところにも取り入れていこうという形に取り組んでいけるのでないかと思っております。

○稲継座長 馬場委員、どうぞ。

○馬場委員 住民生活に光をそそぐ交付金の場合、新聞によりますと、消費者行政は2.5%しか使えずということも書かれていますので、4ページの文言を、今、国府委員がおっしゃったようなことを入れまして「住民生活に光をそそぐ交付金の使用実績を検証し」ということで、文言訂正をしていただいて、地方公共団体の創意工夫に基づく裁量を発揮できるような財源措置を長期的な視野を持って具体的な在り方について検討する必要があるという、修正案を提案したいと思います。

○稲継座長 今、修文案の提案がありましたが、事務局どうぞ。

○齋藤審議官 およそ国の施策というものは、やってみて、所期の効果が上がっているかどうかということを検証評価して、その評価に基づいてまた見直していくということは当然必要になる事柄だろうと思います。
 基金にしても、光交付金にしても、今の段階でまだ評価する、これはだめだったという判断をするのはまだ早いのではないかと思います。基金がまだ平成24年度までありますし、光交付金についても、まだ実績が出たという段階では多分ないだろうと思っておりますので、今だめだと決めつける必要は多分ないだろうと思います。
 また、当然所期の目的が達成されているかどうかという観点からの評価と検証というものは必要だろうと思いますので、そういうことは書くとすれば、34ページの第8章「今後の地方消費者行政の充実・強化の進め方について」の中で、恐らく一通り進め方について述べた最後のところに、以上のさまざまな施策について実績をしっかり評価して、評価に立ってしかるべき見直しを行っていく必要があるということを書けば、今おっしゃった趣旨はかなり反映されるのではないかと思います。

○稲継座長 馬場委員、いかがですか。

○馬場委員 やはりパブコメに対する私たちの意見ということで、この場でそういう意見が出たということであれば、私は記載される場所にはこだわらないです。

○稲継座長 国府委員、どうぞ。

○国府委員 私は、馬場さんが今、4ページのところで言われたと思うのですが、やはり4ページのところにも、少なくとも最低その程度の言葉は書き入れていただく必要があると思います。これは今、我々が検証・評価して、大枠をつくるべきだと思っておりますが、たとえ我々ができなかったとしても、この消費者委員会ができなかったとしても、少なくともここは具体的な在り方について検討する必要があるということを言っている場面ですから、そうすると財政の在り方について、やはりこの2つの交付金について検証・評価した上でやりなさいということを書くのは、何ら問題はないのではないかと思います。
 もう一つ、ここについでに書き込んでいただきたいのは、地方公共団体の創意工夫に基づく裁量を発揮するということに加えて、「確かに消費者行政に使われることのできるような財政措置を活用する方向」というのを、やはり我々の専門調査会としては言うべきではないかと思っています。これが今の政権の意向を配慮したりして、地方分権の中で書けないということではいけないのではないかなということです。今日机上配付を願ったのは、学童保育に関する新聞記事です。これは同じ内閣府にある子ども・子育て新システム検討会議の作業部会というところで、児童福祉法の改正案の提出に向けての作業をやられているということのようですが、ここでも整備計画を立てて、学童保育の人員の配置や開所時間については国が一律の基準を示して、それに見合う補助を出すこととすると。
 我々はこの「補助」という言い方は使わなくて、交付金ということでいいと思うのですが、やはり前回、私は消防力の整備指針というのが骨子にあったのが素案の中で抜けてしまっているのはどうしてなのかということを申し上げたのですが、今回の改訂案でも、消防指針という言葉は復活しておりませんでした。恐らく委員の皆さん、消防指針とか、事務標準を示すという表現をされていた方もあったと思いますが、そういうひな形というのか、何らかの目安を示して、そしてそこに消費者行政に確実に使われるような交付金を設けるというところまでは、やはり我々は合意できるのではないかなと思うのです。前回の議論の蒸し返しかもしれませんが、そこはお願いしたいと思います。

○稲継座長 馬場委員、どうぞ。

○馬場委員 すみません、先ほどの返事のところですけれども、今回のこの提言をやはり平成24年度以降で生かしていくために、先ほど齋藤審議官から回答いただいたときに、この交付金関係についての評価がまだできませんということでした。それであれば、そういう文言を入れていただくことを残して、時間的なタイムスケジュールを優先してこちらの討議に入っていただきたいという趣旨です。後ろに書くことで了解をいたしました。

○稲継座長 ありがとうございました。
 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員 今の4ページの点に絞ってですが、地域主権、地方分権というのは、別に時の政権に左右されているわけではなくて、第1次分権改革以来、大きな社会の方向として、地方にできることは地方に委ねて、国は余り口出しをしない。やたらに北風を吹かせない方が、より消費者行政も含めてうまくいくのだということでやってきていますので、その大きな方向性というものはお考えいただきたいと思います。
 学童保育の基準の記事を先ほど国府委員は示されましたが、これも新聞記事レベルですので、詳細はここからは伺えませんが、少なくとも市町村の計画について新たに義務付けるというのは、かなりの部分は、これまでに積み上げた分権改革でできなくなっているわけです。ですから、計画の義務付けを正面からうたうようなものであれば、これは従来の方向性というものから大きく齟齬しますから、そこは内閣府なり、政権の方でお考えになることだと思います。つまり、計画をつくるということへの義務付けというのは基本的にやめましょうというのがあって、それに加えて自治体がつくる施設についての義務付けというのも、第三次勧告で制限するということをやっていますから、そういうことではないかと思います。
 ですから、交付金についても、勿論何でも得手勝手に使えばいいというものではないでしょうから、私としては、例えば4ページの下から3行目の「裁量」という言葉は、行政法では「裁量」というのは確かにかっちりした言葉として使われていますが、国民の方々にとって「裁量」というと、何か恣意的なものとか、ネガティブなイメージをとってとらえられますから、例えば「裁量」は削って、地方公共団体がその創意工夫を生かせるような財政措置といったような形で、「裁量」という言葉を一般のアクセプタンス、それがとらえられるネガティブな意味を含んでいるという意味で「裁量」というのを削るということはできるのではないかと思いますが、消費者行政に限って使えという趣旨の修文を行うことには反対いたします。
 それから、もう一点関連しますので、パブリック・コメントにお答えするという意味でもありますが、パブリック・コメントの中に、地方公共団体の中から、国が支援に回るのはいかがなものかとか、センター設置の義務付けを行うべきという自治体の意見が記載されていますが、私のコメントとしては非常に嘆かわしいわけで、我々は何のために一生懸命分権化を進めて、地方がとらわれないで自分の創意工夫でできるのかという方向性を理解していただいていない。あるいは啓蒙活動が戦略会議なり、地方行財政検討会議で足りないということは反省しなければならないとは思います。
 しかし、こういった意見に乗っかりますと、消費者行政だけではなくて、ありとあらゆる省庁のやっていることについてこういうことになり、時計の針が50年、100年戻ってしまう。全体として国に縛られて、ここは委員の方々にもお考えいただきたいと思いますが、こういう意見に乗っかってしまうと、また消費者行政は片隅に追いやられてしまうことになるのかと思います。
 以上です。

○稲継座長 まず、国府委員どうぞ。

○国府委員 私の意見に対して誤解があったようなので、まず訂正させていただいてよろしいですか。
 私は地方分権に反対という趣旨で言ったのではないです。私は、今日の資料4の1ページの下から7行を読んでいただいたらわかるように、地方分権に対して何か反対で義務付けをしろと言っているのではなくて、地方消費者行政が本当に疲弊しているという中で、消費者庁ができたときに、地方消費者行政の問題については、国会では十分フォローできなかったから、だからそれをこれから消費者委員会で検討してくださいと、国会から我々は宿題を与えられたわけです。
 この1枚目の下から7行に書いているのは、まず消費者行政強化のために国が財源を確保すると。そして、担当職員や相談員を増やして、充実強化に取り組みたいという自治体に対しては支援する。だから、実態が、自分のところはもっとほかの行政にやるのだから、消費者行政には余り力を入れないというのは、それは1つの判断でしょう。だから、やる気がある、だけれども財源的にしんどいという自治体に対しては、やはり支援できるような、そういった消費者行政予算というものをやるべきだと思っています。
 それから、その組んだ交付金というのは、ああだ、こうだと細かく規制してしまうと、やはり補助金のようになって使い勝手が悪いわけですから、やはり地方分権の精神に乗っかって、ここは裁量をもって使えていけるようにしようということで、先ほどの修文についても「裁量」という言葉を削れというふうには申していません。
 ただやはり、確かに消費者行政に使われるようなやり方の財源の組み方を工夫してください、検討してくださいという一文はあっても、地方分権の趣旨には反しないのだということで申し上げているので、地方分権に反対ということで言っているのではないということを斎藤先生には御理解いただきたいと思います。

○稲継座長 では専門委員の方から、沼尾座長代理お願いします。

○沼尾座長代理 今の国府委員の御発言ですけれども、消費者行政に確実に使われる交付金という表現と、例えば消費者の安心・安全というのが確保されるような行政サービスに使われる財源というのでは、若干意味が違って受け止められるのではないかという印象を私は持っています。
 後ろの方にもよろず相談窓口ということが出てきますけれども、つまり消費者行政という範疇でくくられているサービスをどのように提供していくのかというのは、それぞれの自治体ごとに独自であり、それを福祉部門がやる場合もあれば、例えば産業政策を担う部門がやる場合もある。それは地域によってさまざまあってよく、実態として最終的に消費者の安全・安心の確保につながっていることが非常に重要だと思います。そこが自治体の独自性というか、創意工夫なのだろうと。
 ところが、消費者行政に確実に使われる交付金といった場合に、特定の消費者行政に窓口を置いて、一定の枠組みの中で、そういった制度を画一的につくりなさいというメッセージ性をはらんでしまうかもしれないと。そこのところを私は非常に懸念しますので、そういった意味では、今の表現よりはもう少しマイルドなというか、その趣旨が伝わるような表現に変えていく方が望ましいのではないかと思います。

○稲継座長 お待たせしました。山口委員、どうぞ。

○山口委員 斎藤先生の御意見はこの間ずっと聞いているわけですが、逆に斎藤先生に申し上げたいのは、長期間にわたる専門調査会の中で何が一番強調されて、事実として明らかになったかと言えば、要するに地方消費者行政は実際上かなり崩壊の危機に瀕していたと。それがこの間の基金によって、多少息を吹き返した。あるいは財政支援によって、各地に消費生活センターはできて、そこにおいて、これまで消費者行政サービスの外に置かれていた相談が、かなり相談が出てきたという事実は、まさか否定されないと思うのです。
 そういう中で、もしここで財政的な支援を、先ほど斎藤先生がおっしゃったような一括交付金のような形でやった場合に、現場が果たしてどうなるのかということについて、非常に強い不安がパブコメの中で出てきているというのは顕著な事実なわけですよ。それを斎藤先生は、地方主権を理解しないのは何かとんでもない無知であって、使途明示の財政支援をまたやったら、50年、100年遅れるというのは、とんでもない意見でして、実態を踏まえない意見だと思うのですよ。やっとここで地方消費者行政の財政支援が出てきて、息を吹き返しつつある。これは2ページでも書いてあるではないですか。更に数年間を要すると。この集中育成・強化期間終了後、更に数年を要すると書いてある。これは少なくとも斎藤先生も認めているわけではないですか。そうしたら、これから更に集中育成をするためにどうしたらいいのかという点について、なぜ具体的に書き込むことについて消極的にならなければならないのか。
 だから、私はちょっと別なことを申し上げますが、例えば34ページに若干今後のスケジュールが書いてありますが、下から2番目の○で「平成25年度以降も国として、様々な施策を組み合わせて対応する必要がある」という記述があります。これは非常に抽象的ですね。だから、例えばここに、それは多数意見にならないならば、少数意見として、ここにある「平成25年度以降も国として、様々な施策を組み合わせ対応する必要がある」というのは、明らかに財政支援を含んでいるのだぞということを盛り込んだらどうなのでしょうか。

○稲継座長 両論併記をやめてくれとおっしゃったのは、親委員会の方です。

○山口委員 ですから、ここにそういうことは書けないのですか。つまり「平成25年度以降も国として、様々な施策を組み合わせ対応する必要がある」と書いてあるのだけれども、非常に抽象的で何のことかわからないではないですか。パブコメを見る限り、ここには財政支援を何とかしいほしいという意見はありますね。数年間やるということについては、必ずしも斎藤先生やその他の方々の意見と矛盾しないと思うのですが、それは盛り込めないのですか。

○稲継座長 山下委員、どうぞ。

○山下委員 私は山口委員の意見には反対でございまして、やはり専門調査会としては、親委員会に対して意見を諮問されたものを答えるということですから、専門家としての意見として、どこは動かせて、どこは動かせないかということを明確にするということが一番の目的ではないかと思います。ですので、斎藤委員がおっしゃるように、地方の自治制を最大に尊重して、地方公共団体の創意工夫を阻害しないという一番根本の部分について、あたかも義務付けをするような方向性の修文をするということには、いかなる形でも私は反対でございます。
 私が先ほど申し上げたのは、あくまでも地方自体を最大に尊重するということが一番重要なので、幾らパブコメでさまざまな意見があっても、それには答えられないのだということをはっきり親委員会の方に、我々はそう考えるのだという意見を示すべきではないかという意見でございまして、斎藤委員がおっしゃるように、議事録に残るのでいいのではないかというのであれば、それはそれで私は1つの御見識だと思いますので、それでも構わないと思いますが、親委員会に諮問されたものに答えるという意味では、こういう可能性はそもそもないのだということをむしろ行政法の専門の先生方の御意見として明らかにしていった方がいいのではないかというのが、むしろ私の意見でございます。
 ちょっと長くなりました。失礼しました。

○稲継座長 ありがとうございました。
 先ほどの4ページのところで、馬場委員が、書く場所は34ページの方でも構わないという御意見がありまして、例えば34ページに○が5つありますけれども、6つ目に活性化基金とか光交付金などのこれまで講じた施策が地方消費者行政の活性化に向けてどのような効果を発揮したのかについて検証を行う必要がある趣旨の文言をここに入れさせてもらうということで、そこの部分は一応整理させていただくと。
 それから、国府委員の意見とほかの委員の意見と一致しない部分を何とか解決するために、先ほど斎藤委員から提起のあった、4ページに戻りますが、4ページの下から4行目辺りのところで、地方公共団体が創意工夫を生かせるような財政措置を活用する方向でという修文をするという辺りで何とか収まりませんでしょうか。

○国府委員 私は「裁量を発揮する」という言葉の削除は求めていないつもりです。これはこれでいいと思っているのだけれども、両方が必要なのですよ。だから、活性化基金のようにというと、何か悪者みたいな言い方をしてしまって失礼なのですが、やはり自治体の予算を半分つけて、2分の1以上は自治体の予算をつけなさいとか、いろいろ制約を付けられると使いにくいという声があったりするので、それをもう少し使いやすくするためには、自治体の裁量もまた必要だろうと。だけれども、光をそそぐ交付金みたいにぽんと一括でいってしまうと、それが消費者行政にはたった2%しか使われないという、もう少し何か大枠の縛りは必要なのではないかと思って、ですから大枠の縛りとしては、交付金としては、むしろ地方消費者行政の活性化基金みたいなものでいいと思っているのです。前回たしか沼尾先生に申し上げたのでしたかね。今やっている活性化基金も交付金としてだめなのですかと申し上げたのに対して、先生は政策的にやはりそれが必要だろうということであれば許される場合もあるのではないかと言われたので、私は大体私の意見と沼尾先生の意見は一致したのかなと思って、むしろ今回は改訂案で修文されるのではないかなといったところがあったぐらいです。

○稲継座長 では、どうまとめますかね。とりあえず34ページの後ろの方には、先ほどの馬場委員の修文案を入れさせていただく。
 4ページについては、一定の縛りの方向については、沼尾座長代理から反対があったと。他方で国府委員の、そう縛りではなくて活用してもらえるような形に書いてもらいたいという意見もあるので、今、とっさに思いつかないのですけれども、この辺は事務局で文言の工夫できますか。

○国府委員 光をそそぐ交付金については、まだ評価も出ていないということであれば、取り上げずに、活性化基金だけをここで引用しまして、また財政負担についても、地方消費者行政活性化基金のように、確かに消費者行政に使われることのできるような工夫をし、それでかつ地方公共団体の創意工夫に基づく裁量を発揮できるような財政措置とでも入れられないでしょうか。

○稲継座長 これはどうですか。

○沼尾座長代理 これはいろいろ議論があるところなのですけれども、この光交付金が消費者行政に充てられていないというのが、実際にやはり使い勝手の問題なのか、あるいはそれとも自治体の現場からすると、それよりも優先順位の高い行政課題があって、そちらに財源を投下せざるを得ないということなのか、その辺りのところについてさまざまな意見があるのではないかと思います。
 なので、地方消費者行政について軽視されるべきだと思いませんが、そこを考えると、やはりこの光交付金の話を落としてしまうというのがいいのかどうかというのは、若干懸念があるところでして。

○林地方協力課長 重要なことなので、事実関係、ファクトだけ御説明させていただきたいと思います。
 光交付金は、本年度補正で1,000億措置されました。そのうち約10億円が年度内に執行される見込みとなっております。また、約15億円については、基金として活用される見込みであり、平成23年度、平成24年度の2か年間かけて取組が行われることとなっています。この総額をとらえて、1,000億に対して2.5%という、この率で今、議論されていると思うのですが、基本に立ち返って、今の消費者行政予算というのが、全国でボリューム感としてどの程度あるかということをお話しさせていただきたいと思います。
 まず、平成21年度の全国の地方公共団体の独自予算は約107億円でした。これに対して、平成22年度はほぼ同額が措置されております。私どもの消費者行政活性化基金は、この平成22年度は約70億円強が執行される見込みとなっております。ですので、この時点でおよそ180億円というのが大体のボリューム感でございます。
 今回の光交付金は、更にそれに加えて約10億円という額が執行される見込みとなっています。私どもの評価は、ちょっと皆さん方の評価と違うかもしれませんが、そもそも年間トータルで200億円に満たない予算でございます。実はその実態から言うと、人件費という問題がさきほど相当話題に出ましたけれども、人件費が大体地方公共団体が用意しています独自予算の4~5割弱、つまり40~50億のオーダーです。ですので、正直申し上げて、この消費者行政の分野で緊急に、今回のように年末に急遽予算措置がなされて、では新しい事業に使ってくださいと言われても、もともと100億、200億というオーダーでは出るはずがない行政分野なのです。
 その中で、ここから先はいろいろ評価が分かれるところですが、年度内に10億円程度執行される事業が出てきたというのは、これは地方公共団体の皆さんの非常な努力と工夫だと私どもは思っていまして、その意味で今回の光交付金の評価は、先ほど審議官がおっしゃられたように、まだこれから先に事業が、平成23年度、平成24年度に出てくることを考えますと、これが消費者行政はやはり使えないと評価すべきなのかどうかというのは、もう少し議論が要るところではないかなと思います。

○稲継座長 ありがとうございました。
 沼尾委員、どうぞ。

○沼尾座長代理 私の発言に誤解があったようなのですけれども、使えないということではなくて、例えば実際に同じ光交付金の使途を見ても、DV対策、児童虐待などの方が、実際同じような構造ですけれども、その2倍の支出というのが行われていると。そこのところは、むしろ自治体の方で当面の課題で対応できるところにすぐ使えるという意味で、ある意味使い勝手がいいといいますか、そういうところに使っているのではないかと。もちろん補正予算という点での使い勝手の悪さという問題はあるのですが。
 ただ、そういったことを考えましても、今おっしゃられたように、まだこの評価がなかなか固まらないということはあると思うのですが、ただ、他方で一定の成果が上がっている部分もあるのでしたら、なおさらこれに関する記述を排除すべきではないと思います。

○稲継座長 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員 2つありまして、1つは4ページの国府委員のおっしゃる、文言がそのままでなくて申し訳ありませんが、地方行政に確実に使われるということは、一体それに対応した手段として国は何を持つのかということですね。国が何を支援すべきかということについては、ここで一生懸命議論して、広域連携や窓口整備へのひな形を示して、そこでは財政的な支援も考えましょう、検討しましょうということで入れている。そこに更に確実に使われるというのを入れると、やはり何らか国の方でそれに対応した手段というのをまた考えなければならない。それが果たしていいことなのかどうかという問題意識から発言しているのです。
 それから、山口委員、先ほど私の見解についてとんでもない意見だとおっしゃいましたが、私は自治体から出てきたパブリック・コメントに対して、報告書を修文する必要はないということが申し上げたかっただけです。ですから、財政支援のスキームについても、ここでは幾つかの項目にわたって議論して書いているのですから、この自治体の意見に対して何か修文をする必要がないということを申し上げただけです。
 もう一点だけ補足させていただきますと、例えば広域連携の中で出された意見の中で、県が積極支援をしていくべきだというのもあり、逆に県が肩代わりするのはおかしいというのはありますが、これは例えば単独で市町村がやろうとする場合に、県が垂直的に補完をする。だから、水平の広域連携はできないけれども、県がサポートする。これは一般制度としてもずっと課題になっていて、これは積極評価すべき面は持っていると思いますので、例えば12ページのいろいろな連携の中で、市町村単独プラス都道府県というような例示はないので、ここは少し考えてもいいのかなということです。
 それから、メモ代わりに使ってしまって申し訳ありませんが、業務停止命令について会社の名前が変わった場合に対応しなければならない。これは消費者法一般としてはもっともな議論なのですが、これは地方の問題だけではなくて、国が処分した場合も名前を変えられてしまうとどうするのか、あるいは自治体が独自にやっている場合も名前を公表して、すぐ名前を変えられてしまうとどうするか。これは一般的な問題としてあるので、これはここの調査会では到底、今回、次回で議論を詰め切れる問題ではないと考えるので、そういう検討課題が消費者法自体についてあるということは指摘をしておくべきではないかと思います。
 すみません、長くなりました。

○稲継座長 ありがとうございます。いろいろ意見が出ましたが、4ページの方はこのままで行かせていただいて、第8章の後ろの方に、先ほど馬場さんがおっしゃられた意見と国府委員の意見の一部を取り入れさせていただくような表現にさせていただければと思います。
 国府委員、どうぞ。

○国府委員 そういうとりまとめであれば、私はやはり議論を国民に立体的にわかっていただくために、少数意見という形で私の意見を書面で開陳させていただきたいと思います。

○稲継座長 野口委員、どうぞ。

○野口委員 すみません、国府先生の思いを受けているかどうかわからないのですけれども、冒頭の山口委員からの、今回消費者委員会として初めてパブコメをしたことを重く受け止めなければならないという御発言と、斎藤先生からの、パブコメの意見について真剣に議論することでそれを会議の報告書に反映させなければいけないという御発言にも関連して、事務局にリクエストなのですけれども、3日でも5日でも1週間でも、期間を区切って、我々の中からパブコメを読んでの意見というのを一度集約していただいて、その中でこの意見はもっともだから報告書に反映させたかったとか、これはやはり報告書の齟齬するので取り入れられなかったとか、といったような、我々の会議としてパブコメに対してこういう意見が出ましたというものを書面でまとめていただくことで、パブコメを真剣に受け止めるというメッセージを発信することができるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 国府先生がおっしゃられたように、あと2回しかないタイミングの中でそういうことが可能かどうかはよくわかりませんので、手続的にもし可能なことであれば少し検討していただきたいということです。
 このようなご提案を申し上げますのは、報告書は親委員会からの指示に従って両論併記はよくないという方針でこれまで来ているので、そこに少数意見を付けるということには私も賛成していないのですけれども、パブコメに対する各委員からのリプライという形で、そのような少数意見のようなものも取り込むことができれば、パブコメに対する国民に対する返答にもなりますし、またそれにいろいろな議論があって、真剣に熱く討議しましたということにもなりますので、パブコメを経てのいろいろな議論があったということを書面できちんと示すことができないか、というものです。

○齋藤審議官 確認ですが、今の御提案は、パブコメが187の方から出ておりますけれども、それについて、どれを取り上げるかはまたそれぞれの委員の御判断で、委員が取り上げたものについて、委員としてはこの御意見についてはこう考えるというものを出していただいて、それを束ねるということになるのでしょうか。お考えというのは、各委員のお考えということになるので、専門調査会として考えてということにはなっていないということになるのですけれども、それはそれぞれの委員の考えを示したということにはなるかと思うのですが、果たしてそれ以上のものかというところが、私もいま一つよく理解できないところがあります。

○野口委員 いろいろやり方はあると思うのですけれども、これまで個人の委員が個々に出されていたようなペーパーを提出する機会を、次が最終ですが、そのときにパブコメに対して私はこう思うという意見のような形で提出してもよろしいと言っていただくというのもあるかもしれません。

○稲継座長 それはありでしょう。

○野口委員 趣旨としては、両論併記で少数意見だというのを報告書に付けるというよりは、パブコメが出てきての改めて考えたものとか、パブコメ自体に対する返答という形にすると、最初の山口委員の御発言に対しても、それを国民に対してきちんと我々は受け止めて、見ていますよということを国民に返すということは重要だと思います。

○齋藤審議官 単に確認ですけれども、今の御提案は、それぞれの委員がパブコメを見て、お考えになったことを何らか紙の形にして、それぞれの委員の名前で残して、報告書に添付するようなことをイメージしていらっしゃるということですか。

○稲継座長 報告書の添付でなくてもいいんでしょう。提出資料ということで、会議資料に出すということですね。それは別に何の問題もないと思います。
 山口委員、どうぞ。

○山口委員 消費者委員会の親委員会で1つの意見にまとめていただきたいという話が強く出たのは、実は消費生活センター設置の義務付けをするべきだとか、あるいは一定のガイドラインをつくって、センター設置の基準をつくったらどうだという意見と、そうではないんだと、やはり地方主権の時代なのだから、それは明らかに間違いなのだという、がちんこ対決がありまして、このがちんこ対決がそのまま報告書に両論併記みたいな形で出たら、少なくとも専門調査会の肝である、中心的な課題であるところで、義務付けなのか、そうではないのかというところが収れんされないままの最終報告になったら、これはやはり委員会としても、あるいはどこで読んでも、それは戸惑うだろうから、これについては1つの方向でまとめていただけませんかということで強くあったと思うのです。それは一定の方向が示されていると思うのですよ。
 最後の最後に、今、まさにニュアンスの違い程度なのかもしれませんが、この4ページの表現でいいんだという御意見と、それが主流かもしれませんが、やはり今はまだ弱い消費者行政について、財政的な支援をわかるような形で、当面は続けるべきではないかという意見と、これはいわゆるがちんこ対決でない、ニュアンスの違い程度だとは思うのですが、ございます。明らかにありますね。これは何らかの形で報告書に残すことは意味がないわけではないと思うのです。
 例えば今後この専門調査会の報告書は、消費者委員会に取り上げられた上で、国会に討議に付されると思います。そのときに、これ1本なのか、それともやはり一定程度の、いわゆる使途を特定した形での、もう少し数年間消費者行政に特定した形での、先ほど国府委員が行ったような在り方も意見としてありましたということを国会議員が読まれたときに、その論議を踏まえて多数の意見はひも付きはよくないという御意見だけれども、そこら辺を踏まえて、国会でどうしようかという議論の活性化にある意味ではなるかもしれない。これは根本的なところで意見の対立があれば別ですけれどもと、私はそのように思います。

○稲継座長 池田委員、お願いします。

○池田委員 私は消費者委員会の委員として担当はしていますけれども、専門調査会では余り積極的な発言はすべきでないという立場の人間でありまして、山口委員とは少し立場を別にするものです。この専門調査会の報告書でございますから、専門調査会の意見としてどういう形で出されるということが大事な役目ではないかと思います。その後の親委員会の委員としての意見はいろいろあるならば、それは少なくとも消費者委員会で議論すべきことであろうと思いますので、その議論に役立つような報告書であるべきだと私自身は思います。意見でございます。

○稲継座長 ありがとうございます。私も全くそのとおりだと思いますので、素直に受け止めたいと思います。
 国府委員、どうぞ。

○国府委員 先ほど私は少数意見と言いましたが、これは両論併記ではないと思っておるのです。私は先ほど申し上げたように、地方分権の趣旨の反するものではないという趣旨の私の説明をもう少し文書化して、わかりやすく理解してもらえるようにして書きたいと。そのために私は4ページの文章をこのように改訂すべきであったと。そこをやはり私の意見という形で明らかにする場を与えていただきたいと思う。これは決して、そういう少数意見が付いたからといって、この専門調査会が両論併記になっているという評価にはならないだろうと思います。これは国府の意見だと。専門調査会というのはこういう報告書をまとめられたんだということで、私は少数意見と申し上げました。
 だから、厳密に言うと、最高裁判決で言うと、少数意見というよりは、補足意見的なものかもしれないですね。

○稲継座長 前々回、圓山委員から辞任のお申し出があったときに、後で沼尾座長代理とも一緒に3人でお会いしたときには、そういう御提案も実は申し上げまして、補足意見として書くこともあり得るのでということを、実は圓山委員にも御提案申し上げたのですけれども、それは残念ながら受けていただけませんでした。
 座長としましては、報告書としては1つに是非まとめたい。ただし、委員の中にはやはりどうしても私はここの部分だけはどうしても譲れない。みんな本当に歩み寄ったんだけれども、ここの部分はどうしても自分としては補足したいということがあれば、非常にコンパクトに、長々と何ページも書かれると困りますが、半ページ程度でまとめていただくような補足意見は、報告書に付けてもいいのではないかなとそのとき思った次第であります。
 もしほかの委員の反対がなければ、そういうことにさせてもらいたいと思うのです。これは両論併記ではありません。専門調査会の報告書としては1本にまとめたものであります。それに対して委員の中で補足意見があるということで付けさせていただくという形にしたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
 沼尾さん、どうぞ。

○沼尾座長代理 最終的にはこういう形にならざるを得ないのかもしれないのですけれども、今の時点では、まだ次回もあるので、できるだけどこまで歩み寄れるかということもやれるだけやって、最後どうにもならなかったらということでれば、それは仕方がないのかなと思います。
 その上でなのですけれども、例えば先ほど第8章のところで、国府委員のお考えですと、光交付金の効果がどの程度だったのかということに関する検証という話がありましたが、それと同じ文言をこの4ページのところに付記するというだけでは、やはりだめなのでしょうか。

○国府委員 それは修文されたものを見てからでないと何とも言えないですね。
 ただ、私が先ほど申し上げたのは、前回のペーパーにこういう表現にした方がいいのではないかということを書いたように思うのですが、やはりポイントは、活性化基金というのは、今、現にできているわけですから、これは地方消費者行政を充実強化するための基金ということで、交付金ということで、各地方に交付されたわけですね。だから、それがたった3年ということだったのに人件費に使えなかった。だからもう少し長いスパンでこういったものをやれば、もう少し使い勝手がよくなって変わるのではないかという意味で、活性化基金の修正バージョンと言うのですか。活性化基金もまだ初めてのことだったから、最初は人件費はだめだと言っていたのが、途中で人件費にも使えるように変わったり、いろいろ修正が加えられた部分もあるわけです。あれは3年で使えなかったのを4年申請すればもう一年延長できるというのもあったりしているのですが、それを私はもう少し長いスパンでやることになれば、使い勝手がよくて、もう少し変わるのではないかという思いで申し上げているので、その辺は補足意見という形で付け加えさせていただきたいなと思います。

○稲継座長 では、また表現を見てから考えていただくということですね。
 審議官、どうぞ。

○齋藤審議官 先ほど斎藤委員の方から御提案があった件についての皆様方の御意見を、つまり市町村が単独で窓口を設置する場合でも、県と連携してやるようなものについては、それも1つの広域連携という枠の中で考えて取り上げてはどうかという御提案があったと思うのですが、それについての皆様方のお考えといいますか、それでよろしいのか、それとももっと何かという御意見なのか、その辺を確認させていただきたいと思います。
 それから、私の説明の中で、公正取引委員会からの御意見を紹介したのですが、それについて何か皆様方の中で特にこうだという強い御意見があればお聞かせいただければと思います。

○稲継座長 2点ですね。では、どなたかいらっしゃいますか。
 国府委員、どうぞ。

○国府委員 今の単独の場合も広域の形として形態として認めるというのは、それはそれでいいと思うのですが、12ページがそこに関係するところだと思うのです。前回「広域連携を」というのを「窓口整備を」に訂正していただいた箇所は、広域連携だけ財政支援をするのではなくて、単独設置のところも含めてという趣旨で変えていただいたのですが、ただ、そこは変わっているのですが、(4)の表題がまだ「上記広域連携推進のための方策」とか、第3段落辺りも「広域連携の望ましい形や広域連携に伴って」云々というのがあるのですが、ここはやはり(3)のところで広域連携のいろんなパターンを紹介したわけですから、ここの(4)というのは、全部「窓口整備」と統一すればすっきりするのではないかと思っております。
 具体的には、(4)の表題を「窓口整備推進のための方策」、第3段落のところで2か所「広域連携」という言葉が出るのは「窓口整備」と訂正できるのではないかと思います。
 それから、12ページの下から2行目は広域連携のことを書かれているので、ここはそのまま「広域連携」という言葉を残されてもいいのではないかと思いました。

○稲継座長 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員 私の提案の趣旨は、あくまでも広域連携の中でA市ならA市をB県がサポートする。これも広域連携の1つですから、ひな形なり支援の中に入れるという方向性があるのではないかと。これはパブリック・コメントの概要でいうと、個人の157番です。後で見ていただければいいと思いますが、その意見については聞くべきものがあるのではないかと考えたからです。
 他方では、県は出ていくべきではないという意見はありましたが、それはそうではないだろうと、先ほど申した理由で言っております。
 ただ、今の国府委員の御意見は、それだけではなくて、(4)の広域連携という枠組みを考え直して、単独、つまり県がサポートするかどうかに関わりなく、市あるいは町がやる場合の支援スキームをここで考えるべきだと。中規模とか大規模の改訂を併せてという御意見だと思いますが、そこはここまで議論したように、広域連携の場合の支援、財政支援の在り方として、ここのセクションを何とかまとめてきた、合意を形成してきたところではないかと思いまして、単独の窓口についての支援を入れると、またもう一度議論を蒸し返すことになりますので、そこは区別してお考えいただきたいと考えます。
 2点目の公正取引委員会の御意見についてですが、これは確かに地方事務所にそのような権限が現行の独禁法においてはないということになると、公正取引委員会自体にその権限をあげるという方策になろうかと思います。ただ、その場合、消費者庁の権限と区分をしないと二重行政になってしまいますから、そこは例えば地域で地方事務所が扱うような事案については、これは公正取引委員会の権限で、そうではない全国的なものについては消費者庁の権限と切り分ける必要があろうかとは思います。
 以上です。

○稲継座長 ありがとうございます。

○国府委員 今のところはやはり難しいんですか。12ページのところの「窓口整備」というのは、この1か所は直されたけれども、1か所直すというのは、ほかのところも直すということとイコールではないかと思って見ているのですがね。

○稲継座長 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 5ページの第2章の囲みの中の3つ目の○ですね。財政上の負担の在り方を検討するというのは「また併せて」のところは、広域連携についてのくくりであるのかと読み取れるのですが、これについては前回も前々回も、私もほかの方からもありましたけれども、やはり広域連携だけに財政上の負担が検討されるのではなくて、窓口整備に関してという意見を述べて、先ほど斎藤委員は決着がついているのではないかということでしたけれども、私はそのままになっているように思えます。ですから、改めて広域連携については財政上の負担の在り方を検討するということで、この調査会はくくるのか、もう一回はっきりさせておきたいと思います。
 それに併せて、12ページの「(4)上記広域連携推進のための方策」ですが、大きな2段目のところの「また、」のところに関しては、むしろ広域連携だけにかかることではなくて、広く窓口整備に関して、「ひな形に沿って窓口整備を」ということが書いてありますけれども、ここを例えばという形で書いてありますから、窓口整備という大きいくくりで考えられなくもない説明ではないかなと思っていますので、ここを先ほどの四角の囲みの広域連携にのみ財政上の負担がありなのか、それとも広く窓口整備に関しても財政上の負担も考えられるのか、そこを明確にした上で、12ページの(4)も再整理する必要があるかなと思います。

○稲継座長 決着はまだついていなかったですかね。どうでしたかね。
 沼尾座長代理、どうぞ。

○沼尾座長代理 私の理解では、前回そこはかなり議論になったところだと思うのですけれども、最終的には広域連携の部分については一定の財政支援が必要だという書きぶりにしていくということで決着がついたと理解しておりました。

○国府委員 そうですか。私は矢野さんが言われたように、広域連携だけに誘導していくのはおかしいではないかと。だから、それはいろんなパターンがあるということで、そこは自治体の自主的判断に委ねればいいので、そういうことできちんと窓口を整備していくところに支援しようという、もっとふわっとした表現にすべきだということで、ここを変えてもらったと思っているのです。だから、そこは広域連携だけに財政支援するということで合意できたとは思っていないです。むしろ逆で合意できたと私は理解しています。

○稲継座長 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員 これは意見ではなくて、客観的な経過について確認しますと、消防力の基準の参照について議論して落としましたね。それを落とした経緯としては、消防力の基準というのは、連携するかどうかに関わりなく、一定の消防力の基準のガイドラインを示して、そこに向けて国がサポートしていくという仕組みですから、それはここの広域連携のひな形としては、必ずしも参照するのに適切でないのではないかということで落としたという経緯はあろうかと思います。
 私の個別意見としては、ここで今から参照しろと言っているわけではないのですが、もし参照できるとすれば、むしろ広域消防の基準の方だったのではないですかと申し上げて、特にその点についての議論はなかったと記憶しています。

○国府委員 消防指針を削ることが議論で決まったのですか。私はそうではなくて、骨子案にあったのが素案でなくなっていたから、どうしてなくなったのかということを前回問題提起したつもりなのです。

○斎藤委員 ですから、経過としてはそうかもしれないですけれども、そしてこの調査会としてどういう結論になったかというと、落としたことについて、復活させろという議論はあり、復活はしなかったわけですね。
 ここからは意見ですが、それは私としては、復活させないというのでいいのではないかと。むしろ誤解を招く。それは私だけではなくて、奥山委員もそうおっしゃったと思います。

○稲継座長 野口委員、どうぞ。

○野口委員 もともと消防力の整備指針という言葉が案の中に入っていたときに、オリジナルの消防力の整備指針というのは業務水準的な内容になっているものであって、ここで言うようなひな形の話ではないという議論があって、圓山先生が出したペーパーと私からの発言があった後、今の斎藤先生のお話につながっていて、そのような議論の運びになったという経緯だったと記憶しています。

○稲継座長 先ほどの野口委員からの提案のあったパブリック・コメントについての各委員のレスポンスの扱いというのは、どうしますか。この報告書の中に入れるというのは、分量的にも無理だと思うのですが、各委員がそれぞれ次回の委員会の前までに、何番のこれについては私はこういうことで反対であるとか、賛成であるとか、そういうのは毎回出していただいている資料と同じような形で出していただくのは全く差し支えないと思いますので、それは義務的ではありませんが、私は是非明らかにしておきたいということがありましたら、是非それは出していただきたいなと思います。それは会議資料ですから、インターネットにも載りますし、国民はだれでも見られる状態になるということです。
 それとPIO-NETのところで、国府委員、どうぞ。

○国府委員 21ページですが、ここでの議論では、PIO-NETについては恒常的な形での財政負担という議論だったように理解していまして、そういうことをもう少しはっきりさせるために、21ページの下から2行目です。「その費用の一部について国が負担することや」のところを「その費用の一部について国が負担する仕組みとすることや」と「仕組み」という文言を入れると、その辺がもう少し明確になるのではないかと思って、これは修文として提案したいと思います。

○稲継座長 PIO-NETのところは、費用負担について皆さんの意見の合意ができていると思いますので、今の「その費用の一部について国が負担する仕組みとすること」と修文するということで、ここの部分はよろしいですかね。

(「はい」と声あり)

○稲継座長 これは合意がとれたということにしたいと思います。
 ほかの章で何かございますか。国府委員、どうぞ。

○国府委員 1つは、これも字句訂正のような話ではあるのですが、34ページの4つ目の○です。この下から2行目「平成25年度以降」という記載が出てくるのですが、これは集中育成・強化期間終了して以降という趣旨で書かれているのですが、集中育成・強化期間というのは、原則としては平成21~23年までの3年間なのですね。3年間で基金が使いこなせなかったところについては、申請によりもう一年延長というのがあるのですが、頑張ってきちんとやっているところは3年で終わるわけですから、そうするとここはむしろ平成24年度以降というのが正確かなと思います。
 それから、これは確認したい事項があるのですが、29ページの(2)のマル1。ここは赤字で修正された後なのですが、国から地方に対するいろいろな支援の方法ということで、こういう文言がありますね。「国から地方に職員を派遣して、執行事務の応援・指導を行うことで」云々と。私は法執行の分野についても、国から支援が必要だということを前回申し上げたのですが、その関係でここを確認しておきたいのは、職員を派遣するということは、職員の人件費は国が持って、その職員を地方に派遣する。それによって地方を応援するという理解でいいのかどうか。この文章については確認をさせていただきたいと思います。

○稲継座長 2点目ですけれども、最初に事務局と私ですり合わせをするときに「出向」という言葉になっていて、出向なら今の府県に出向している官僚の人件費は府県で持っていますので、それは地元持ちになってしまうよということで、私が「派遣」に直してもらったのです。ですから、これは間違いなく国の方で給与を持って派遣されるという意味であります。
 34ページの方ですけれども、平成24年度以降も国としてという修文なのですが、平成25年度以降のところもあるのですね。では、ここは取ってしまったらどうですか。「定着に向けて、国として」とすれば、平成24年度以降も平成25年度以降もということになると思いますので、それでよろしいですか。削らせていただくという修文をさせていただければと思います。
 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員 時間を超過しているところで申し訳ありませんが、これも確認をお願いしたいのは、素案の32ページの2の(1)です。これは前回も私の方で問題提起をいたしました。そこの真ん中よりちょっと上です。「消費者教育に関連する事務について法的な位置づけを明確化したり」というところです。これは前回議論がありましたように、既に現在消費者基本法第17条と消費者安全法第4条で、消費者教育についての努力義務というのは入っているのです。そこでこの報告書でこういう文言になりますと、確かに消費者教育が重要なのはわかりますから、努力義務に基づいて何か技術的な助言をする、あるいはガイドラインを国で考えるという趣旨であれば賛成いたします。しかし、明確化するということが、今既に努力義務があるわけですから、これを明確化すると書くと、ともすれば、現在消費者安全法第8条の消費者相談を行うことという義務付けのように新たな義務付けを含んでいるのであれば、それは非常に問題であるということは、前回の議論と変わらないと思いますから、ここは努力義務のレベルの話であるということで確認いただければありがたいと思います。

○稲継座長 そのようなことで専門調査会としては理解するということでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○稲継座長 ありがとうございます。
 馬場委員、どうぞ。

○馬場委員 時間がないときに申し訳ございません。前回発言した中で、具体的な文言ができていないということでしたので、今日それを述べさせていただきたいと思います。
 まず、32ページです。「事業者団体による」というところの下です。それに付け加えていただきたいのは「消費者志向を推進している社団法人、消費者関連専門家会議のような事業者団体の協力を得て、消費者基本法第5条、事業者の責務についての普及に努める」「国民生活センターの事業者向け研修などは、実施地域を拡大するなどの手段が考えられる」という文言です。
 それと33ページの最後で「消費者の自立を支援するために、消費生活の知識や情報提供をする接点を増やし、消費生活に関する意識の向上を図る」という文言を入れていただきたいと思います。

○稲継座長 齋藤審議官、どうぞ。

○齋藤審議官 今、口頭でおっしゃられたものですから、十分メモがとれないので、また後ほどいただければと思うのですが、具体的にACAPの名前を出すということについては、やや具体的過ぎるかなという気がしておりますので、またいただいたものをまとめさせていただいて、うまく収まるような形を考えさせていただければと思います。

○馬場委員 事業者団体というと、いろんな団体がありますので、こういう消費者志向経営を進めていく団体という位置づけをうまく表現したいと思ったのですが、また提出させていただきます。

○稲継座長 32ページで今、気づいたのですが、段落が分かれているところで「地域のさまざまな主体」というところがあるのですが、ここだけ平仮名になっていますので、漢字に直しておいてください。つまらない指摘ですみません。
 ほかにございますか。矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 時間が押しているのにすみません。
 1ページの「はじめに」の、今回新たに加えられた文章なのですが、ちょっと短絡的な書き方ではないかなと思います。いわゆるパラダイム転換についてもう少し説明を入れた方がいいですよという要望があったと思いますし、パブコメでもその辺は書かれているわけですが、冷凍ギョウザ事件、こんにゃく入りゼリーによる窒息事故など国民の関心を集める大きな事件・事故が発生したという書きぶりよりも、これがなぜそういうパラダイム転換に結びついているのかというところは、もうちょっと内容を丁寧に、もしくは膨らませて書いた方がいいのではないかと思います。

○田中委員 私もその点についてちょっと肝心なところが抜けているなと思いましたのは、こういう事故があって、結局安全・安心への対応の行政側の不備があったということがあって、事故情報の一元化とか、そういう方向に行ったと思いますので、国民の関心を集める大きな事件・事故というのは、それも関心は集めましたけれども、行政側の対応の問題というところで新しく転換していったということではないかと私は感じております。

○稲継座長 では、そのようなことを作文していただくということでよろしいですかね。
 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 ちょっと続きをすみません。
 14ページの第3章の囲みなのですが、最後の○のところに「制度的な選択肢を充実する必要がある」ということで、囲みの中には簡潔にやることを明示するというところだと思うのですが、「充実する必要がある」というよりも、具体的には17ページに、結局制度を検討しましょうということが書いてありますから、ここでは「関係する制度を選択肢を充実するために検討する必要がある」と書いた方がいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○稲継座長 この○のところを「また、相談員の多様な働き方に応じて、非常勤職員以外の」の後はどういう文言になるのですか。

○矢野委員 ちょっと言葉がうまくつながりませんが、最後を「検討する必要がある」にしていただきたい。それは17ページのところに具体的にそのことが書かれているわけですね。なるべく具体的にこうするのだということが明示されるのが囲みの中ではないかと思うので、ただ「充実する必要がある」ということにとどめないで、その辺をちょっと工夫していただければと思います。

○稲継座長 では、後ろの方の一部を前に持ってくるような形にしましょうか。馬場委員、どうぞ。

○馬場委員 今の御意見ですが、ここの囲みの中ですから、私は「充実する必要がある」で言い切った方がいいと思っています。検討は別のところでするのですが、やはり充実はしてもらわないといけないので、検討はしましたけれど、やりませんでしたということにならないように。

○矢野委員 「充実するために検討が必要である」とする。

○馬場委員 だから、言い切ってしまった方がいいかなと思います。

○稲継座長 ちょっと意見が分かれていますけれども、これはどうしますかね。
 では、私に引き取らせてください。また1つ宿題が増えました。よろしいですか。
 私の不手際で非常に時間がオーバーしてしまって、申し訳ございませんでした。今日もいろいろ貴重な御意見も出されましたし、修文案も出されましたので、事務局においては、本日の議論を整理の上、私とも御相談いただきつつ、報告書の最終案の作成をお願いいたします。
 明日、消費者委員会が開かれるのですけれども、そこで本専門調査会の検討状況を報告する予定となっておりまして、私が出席しまして、本日の議論も含めて報告したいと考えております。
 それから、野口委員から御提案がありましたように、パブリック・コメントに対して皆さんそれぞれ委員の意見ですね。専門調査会としての意見ではありませんが、委員としてパブリック・コメントのこれについてはこうだというものがありましたら、次回までにペーパーでお出しいただければと思います。

○齋藤審議官 できれば事務的な都合もございますので、また後ほどいつまでにというのは出させていただきます。

○稲継座長 では、事務局お願いします。

≪3.閉会≫

○原事務局長 どうもありがとうございました。
 最後に、資料3に今後のスケジュールを付けております。明日、座長から消費者委員会へこれまでの審議経過ということで御報告をいただいて、第13回、最後の回は3月17日木曜日の14~16時ということで予定をしております。ここで最終の報告書のとりまとめをお願いいたしまして、消費者委員会へ報告ということで進めさせていただけたらと思っております。
 事務局からは以上です。

○稲継座長 それでは、本日はこれにて閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

(以上)