第61回基礎問題小委員会 議事録
平成18年9月5日開催
〇委員
それでは、時間になりました。お暑いところをご参集いただきまして、ありがとうございました。今日はちょっと変則的ですが、前半1時間を基礎小だけで、後半を総会と基礎小合同でやることになっています。時間が1時間しかございませんので効率的に進めたい、このように考えています。
実は財務省も総務省も人事異動があったのですが、皆さん二度聞いてもと思いますので、それは後で総会のときに聞きたいと思います。
最初に、論点整理というのを夏休み前にずいぶん精力的にやったのですが、その後、幾つかまたご意見をいただいているので、7月14日までの審議においていただいた議論を整理したものが、最終的に今日お配りされている資料だと思います。
その経緯等につきまして、簡単に事務局からご説明いただけますか。
〇事務局
お手元の「これまでの審議等を踏まえた主な論点」というものでございます。先ほど会長からのご指示のように、若干経緯をご説明させていただきます。
本年は1月27日からご審議をスタートしておりまして、それから海外出張に行っていただきました。2月、3月、4月にかけましては、財政全般の中での税制という形でのご審議をちょうだいしてまいりました。5月半ば以降、5、6月と各税目についてのご説明、ご審議をちょうだいし、7月に入る前後から、主な論点の整理ということでご審議をいただきました。
6月30日、7月4日、7月11日と3回に分けまして、1回目のご審議をいただきまして、その過程で例の「骨太」が出されたということで、骨太についての簡単なご説明もその過程において行いました。その後、今、会長おっしゃったように、1回目で出た意見を踏まえて加筆したもの、これを2回目ということで7月14日に出して、それについてのご意見を幾つか賜ったということでございます。
全部言っていると時間がございません。各先生、いろいろなご意見を言っていただきまして、むしろ追加を幾つもしているということでございます。
簡単でございますが、以上でございます。
〇委員
ありがとうございました。
それでは、今日の本論に入りたいと思います。今日、皆さんにお諮りしたいと思っておりますのは、中期答申をどう取り扱うかということであります。中期答申の内容というよりは、今後、それをどういう形で世に問うかというタイミングの問題等を、皆さんのご意見を踏まえまして決めて、そして次の総会にかけて皆さんの合意が得られたらという形のことを考えております。
今、事務局に説明していただいたように、論点整理というのはここ半年くらいの間にやったわけでありますが、ご承知のように、2003年(平成15年)10月に小泉総理から諮問をもらいました。それを受けて過去3年近く議論をしてきたわけでありますが、毎年12月には、16年度、17年度、18年度の税制改正に関する答申を出してまいりました。
それ以外にも我々として非常にエネルギーを集中したのが、わが国経済社会の「実像」把握のところで、これにかなり時間を費やして、かつ、かなり成果を上げたと思います。それをやった後で、金融所得課税、非営利法人、寄附金税制のこと、そして個人所得課税、ちょうど1年ほど前にやりまして、それなりに小泉さんが我々に諮問した中身に対しては応えたと思っています。これを受けて、年金課税の見直しとか、定率減税の縮減であるとか、国から地方への税源移譲とか、多々やってきたわけであります。それを受けて、この段階でどうしようかという議論に今なっているわけでございます。
例年ですと我々の任期も10月5日に終わるわけですから、「中期答申」という形で3年ごとに出しております、俗に言われます我々の「卒業論文」みたいなものを作成する時期ではありますが、ただ、7月の段階で歳出・歳入一体改革、あるいは「基本方針2006」等が出まして、政府の方針というのが明らかになったわけです。つまり、2010年代初頭のプライマリーバランスの黒字、それから、それ以降の対GDP比における長期債務を減少させよう、本格的な財政再建をやろう等々出まして、歳出削減と一体化した形で増税の幅もある程度決められた、こういう格好になってきたわけであります。
それを受けて大急ぎで大車輪で仕事をして、来るべき税制改革に対してどういう対応をするかというのをやるべき時期ではあったかもしれません。ただ、今書くとなると、論点整理を軸とした形で、もやっとしたような形の、内容を本格的に詰め切れない格好の中期答申にならざるを得ないのではないかと、私自身、かねがね危惧しておりました。
そこで、どうしようかということでありますが、税制改革というのは今後大きな問題になってくると思いますし、バブル崩壊後、日本経済が立ち直って、21世紀これから本格的に高齢化も進み、あるいは財政再建が進む中で、次に来るべき税制改革は本格的に税制再構築をしなければいけない、大きなテーマであると思っています。それに対して我々税調も税体系全体を見直して、しかるべき方向をちゃんと示した税制改革の案づくりを、責任としてやらなければいけないだろうという形で、今、私が内々何人かの人にご相談し、かつ事務局とも相談したことでは、もうちょっとタイミングを図って我々の見解を世に打ち出すべきではないかと。
タイミングと申しますのは、今、ご承知のように政権交代が行われようとしておりますし、新しい政権の軸足がまだ定かでない。その中で我々がそう詳細にコミットしたような書き方の税制改革を、今、世に出すことは非常に難しいだろうと。やはり税制改革は、時の政権がしっかり責任を持って遂行しようという場ができない限りは実際に動かないわけです。これまでの過去の経緯を見ればそれは頷けることだと思っています。
そういう意味で、とりあえず今回はタイミングを少しずらす意味で、中期答申をまとめるという格好で出さないで、それに代わる、しかるべきもうちょっと簡便な方法というか、後でお諮りしたいと思いますが、中期答申を先に延ばすということならば「会長談話」みたいなことは必要かもしれません。なにぶんにも我々の任期がもう終わることになっておりまして、次の税調に対する申し送り事項とかメッセージ、そういう類いの文書はやはりつくって残しておかなければいけないだろう、このように考えているわけであります。
そういう意味で中期答申は、我々の任期が来たからという機械的な理由によって出しているものを、税制改革の本当に役に立つとき、あるいは、世の中から求められている時期を見計らって出す。今後、それについて新しい税調に審議を委ねるという格好の、いうなれば延長ですね。何か新聞では先送りなどと言っているところもありますけれども、中期答申を延長して、本格的な議論をそこに盛り込みたい。歳出・歳入一体改革が出た後の処理の仕方としては、それがベストかなというふうに考えてきたものですから、それについてご意見をお聞きして、まずそこから議論をしていただきたいと思います。もしそのことで合意がいただければ、次の段階として、どういうことをメッセージとしてまとめたらいいかといったような話に行きたいと思いますが、まず前段がはっきりいたしませんと議論がしにくい、このように思っております。
ちょっと私、長々とご説明いたしましたが、そういう問題意識で今日お諮りしているわけでありまして、ぜひ忌憚のないご意見がいただけたらと思います。どなたからでも結構ですから、ご発言いただけますか。
どうぞ。
〇委員
今、会長がおっしゃったように、世の中、流れも変わっていますし、こちら側の任期の都合で押しつけ答申をしてもどうかなというのは、そうではないかなと思います。
ただ、3年間やってきて何もなしというのも寂しいところはありますから、細かいところはあまり入らずとも、必要なところというのは別にそう深く考えなくてもみんな知っている話ではあるので、細かいところは並列、2項目くらいあってもいいとは思いますけれども、本質的に税制によってもうちょっと世の中活性化していかなければならないということと、その裏側で、年度の税収がちょっとばかり増えたからといって喜んでいられる状況ではなくて、500兆円、数えられないくらいたまってしまった分、どういうふうに対応するのかという大きな問題も考えていかなければいけない。でも、そればかり重視していると嫌になってしまうので、その辺はダブルスタンダードで行くしかないとは思うのですが、そういったようなせっかく3年間やったものの大きめなとらえ方、それをしていくのが役目かなという気はします。
ただ、新聞とかに先送りとか既に出ているらしいのですが、私は読んでいませんが、それはそうなのでしょう。だからといって、先送りとか言われたくないから何とかせずというようなちまちました状況ではないですから、あとはどれだけしっかりしたことを会長が言うかということではないかと思います。
〇委員
どうぞ。
〇委員
これを議論するのに2つの立場があって、消極的な理由で、とにかく今出しても袋叩きに遇うと。総選挙の争点に割って入って、そうでない見解の勢力が7割以上あるわけだから、目の前で。それで叩かれてもつまらない、したがって今度はスルリとすり抜けていこうというのが一つですよね。現実論です、これは。
もう一つは、税調というのは納税者の代弁者なので、7割ぐらいの人が理にかなったものだと思ってくれるような答申を出すのが税調の使命だと言われているのです。書生っぽいけれども、使命なんですよ。その使命からすると、最後に会長が、どういう方向づけを税調が出すか、タイミングが重要だと言われたでしょう。タイミングと、受ける政権がその気にならなければ、これは全然動かないわけです。我々の政府税調だけで動くわけではないから。党税調もあるし、全体のあれがあるからね。
そうすると、かねて我々がかなり真面目に議論を積み重ねてきた集積が実は目の前にあるわけです。いつでも表に出せるようなやつは持っているわけです。それを実現するための方策として、今、議論を混迷に導くような政治勢力があるとすれば、それを避ける。どうせこの話は来年秋の話ですから。実はもう遷延と決まっているわけだから。今年の秋でも来年の春でも何でもないから。そのときにきちっとした意向を、税調として純粋に公益のために議論するんだよというのを出したほうが受け皿も当然あり得るわけです。どういう政権になるかわかりませんが、そのときが勝負ですよね。
つまり実現するための方法として、今、消極論で消すのではなくて、積極論でやるためにはどういうタイミング、どういうあれをやるのがいいかという議論でやれば、また税調は逃げたと、会長を含めて。というふうな批判もあると思うけれども、そんなことはあっても一向に構わない。
しかし、我々の真意は積み重ねた議論を実現したいのだと言っているので、積極的な意味でやるんですよということを、繰り返し繰り返し、その意思を「会長談話」なら「会長談話」でメッセージをそこに込めることは、詭弁でも何でもなくて、実体論なんですね。そういうふうに思います。
〇委員
私もそう思います。この後の記者会見等でももっぱらそこが争点になるでしょうから、積極的な意味づけで我々はグッドタイミングを見計らいつつ、延長して本格的議論をするという一点に尽きますよね。
どうぞ、他に。今日は皆さん全員にご発言いただきたいと思っていますので。
では、どうぞ。
〇委員
タイミングということですが、これはやむを得ないと私も思います。ただ、3年間やってきたということもあるし、何らかの会長談話なり会長声明なり、これは出しておいたほうがいいだろうということ。それからその内容について、ある程度の方向性を「会長談話」ということで出していただきたいと思います。
それから、最近、「税の自然増収」という言い方であらわされていますけれども、これがずいぶん上がっているということで、どうも緩みが永田町を中心に出ているように思います。これは歳出・歳入一体改革ですから、歳入の部分、とにかく中長期で一番大事なのは国債残高のGDP比の圧縮、これが最大ですよね。したがって、自然増収が上がった上がらないとか、景気なんていいときも悪いときも、晴れた日も曇った日もあるわけですから、そんなことで一々、中長期のものを左右されていたのではたまらない。したがって、しっかりそこのところは釘をさしていただきたいというふうに思います。
〇委員
「会長談話」の中身までご示唆いただきましたが、よくわかりました。
他にいかがですか。
〇委員
6月までずいぶん検討する機会がありましたので、何か結論を出せるかなとは思いましたが、例えば任期を少しだけ残した首相に答申を出したり、あるいは、首班指名を受けたばかりの、これから諮問しようとしている首相に答申を出すと、やはりタイミングがまずいのは確かでありますので、次の税制調査会に、論点整理と申しますか、こういう論点について議論してきた、あるいは、していただきたい程度のものはあればよろしいかなと思います。
〇委員
他にどうですか。
〇委員
今、他の委員がおっしゃったとおり、私も、このタイミングで中期答申を出すことは微妙なものがあるのだろうなという具合に思っております。
ただ、残念だなという感じも実はありまして、私、税調に長い間コミットしておりますけれども、任期が終わるその段においては中期答申を出すことが定型化されてきたわけであります。この3年間の集大成をまとめていくという絶好の機会を失うことは、いくぶん将来の定型化にもかかわる問題ですから、今回をぜひ例外的なものとして位置づけていただきたいということが1点です。
もう一つ、こういうことが起こった背景には、政府税調の役回りというものをどういう具合に考えるかということも、おそらく我々はこの際十分に考慮しておかなければならないのではないか。党との関係、政府税調のこの2者の関係、政府と党との関係、歳出と歳入の関係、これにおいて、いくぶん我々はその関係を連動させずに独立的な形でやってきたことが、こういう事態になったというおそれもなしとしないということだろうと思います。
できれば私は、歳出・歳入一体改革を進めていく際に税調がある種のメッセージを出していただいて、それを骨太の方針にまとめることができれば理想的であったという具合に思いますが、今回の動きは、実は歳入の部分のところが最終段階で党税調会長が一文を草してまとめ上げた、こういう形になっております。そういう意味で広い意味での意思決定の中における政府税調の役回り、これをしっかりと今後、位置づけ直しをすることをぜひお願いいたしたいと思います。できれば、理論の部分のところについては、あるいは調査の部分のところについては政府税調がきちんとやっていくということをしっかりと世の中にも訴えていく、そして、それを積極的に果たすことが肝要ではないかという具合に思っております。
以上です。
〇委員
ありがとうございました。後段申された点、おそらく次期税調のあたりで本格的に議論してもらうべきテーマかもしれません。税調というのは1962年、昭和37年に初めて法制化されて、40年たっているわけです。その中で今おっしゃったように、初めてと言っていいくらい税調の立場をどうするかというところの微妙な問題が出てきているのかと思っています。今日、ここで立ち入って議論することではないと思います。
それから、中期答申を3年ごとに出すのを今回見送るのは例外的だと考えるか、それとも、3年ごとに何か出さなければいけないのかねというのも、税調の役割分担、あるいは役割との関連において、また議論になることだと思います。そういう意味で今おっしゃっていただいたことは、今後、我々としては、税調でしっかり議論してくれというメッセージを送る必要があるかもしれません。ありがとうございました。
他にいかがですか。どうぞ。
〇委員
今回の件は、小泉首相という総理大臣がいたということで、5年半も続いたわけですね。消費税を絶対上げないと言っていたわけですから、その首相が5年半いたということがやはり今までのあり方と違うということ。それから、それによって影響を受けて次の総理大臣がたぶん誕生するわけですが、そういう意味で自民党の総裁のリーダーシップというか、政権のリーダーのあり方が変わったということが前提で、大きな枠で考えると税調も影響を受けざるを得ないのは当然だと思うのです。
そういう意味では「わが国経済社会の構造変化の『実像』について」というのを勉強しましたけれども、「わが国政権党の実像把握について」というのが必要なわけで、それは冗談ですが、では中期答申というものについてのみこだわるかというと、必ずしもそうではなくて、「わが国経済社会の構造変化の『実像』について」というものを含めて、この間の税調の情報発信量はすごく多かったと思います。定期的な情報発信量が多ければ、もちろん答申という結論とはまた別ですけれども、この「実像」把握によって、新聞がそれこそわが国経済社会の実像についての報道を深めたと思うのです。それは国民の認識に変わっていくわけですから、国民の認識が深く変わることによって、じゃ消費税はどうなるの? あれはどうなるの? というふうな議論になってくるわけです。
そういう意味で情報発信量が多かったということを踏まえた上で、さらに今後の税調のあり方がもしあるとしたら、「実像」把握のようなものを含めた、もっともっと国民に分かりやすい様々な問題提起をしていく。直接、税の何%とかいう数字と違った意味での情報発信が必要ではないかというふうに思います。
〇委員
他にどうでしょうか。
何かご感想があれば。
〇委員
結論的には、私は全く会長の先ほどのおまとめでいいと思います。やや研究者的な発想をすれば、税調というのは常に年度答申というものを生み出すことを念頭に置きながら議論をしてくるという従来のタイプではあったと思いますけれども、必ずしもそうではなくて、この間の「実像」把握にしても、金融所得一体課税の話にしても、あるいは、かなり議論を呼んだ個人所得税に関しても、論点整理にしても、そういうやや地道な、税制の構造とか、特に公平性とか中立性、簡素といったことについての基本的な考え方を整理して、それを公にしていくということでも税調としての役割はそれなりに十分果たしていると思っておりますので、何か決め球を常に投球しないと存在価値がないということでは私はないと思っています。
この点は先ほど他の委員がちょっと触れたことですが、私は非常に気になっているというか、今後どうすべきかという点は、行政改革が2000年度に行われていろいろな意思決定のプロセスがかなり変わってきた。特に内閣総理大臣のリーダーシップが非常に重要視されると。そちらの感触からしますと、税調は首相の諮問機関なのに財政制度等審議会は財務大臣の諮問機関という、財政、税制と一体といいながら、実は意思決定プロセスが一体化していないというのは非常におかしな話だと思っておりますし、どうも意思決定プロセスが我々から見ると何か一貫していないところもある。
そういう中で税調というのは、独立性の高い、あるいは専門性の高い機関として何らかの情報を常に発信しなければならないということはわかるのですけれども、今のようにこういう政治状況の中では、本来こういう構造的な話は政治状況とはあまり関係ないので、量とか、税率をどうするとか、タイミングをどうするという話はそうかもしれないけれども、例えば税制はこうあるべきだとか、そういうことについては、中期答申のような形あるいは答申の形ではなくても、それは出してもいいというのは基本的にはそう思っています。
ただ現状としては、それは税率ですとか、タイミングですとか、税収をどう見込むかとか、逆に言うと歳出削減との関連をどう考えるかというところで、具体的に意見を求められるとすれば、今の段階はきわめてまずいタイミングだろうということは私もそう思っておりますので、その点では会長の提案には特に異論はございません。
〇委員
何かありますか。
〇委員
いろいろ意見を出されたのですけれども、私もたまたま「昭和財政史」というのを20年分くらい書いたこともあって、そのときに指針になっていたのが中期答申です。そういうイメージがあったもので、自分がこの税調に参加するようになって、税制というといろいろな利益団体の人がそれぞれの立場から発言する中で、あるいは世の中そういう中で、税調というのはそれぞれの時代の中で指針を示すものだと。そういう意味では中期答申というのは税調の一つの大切な機能だと思っています。そうは思いますけれども、現実この9月の段階でも、消費税を上げる上げない、それ自身のところで政治的なことが動いていて、そこでどういう答申を出すのかというのは難しいということもわかる。そういう意味で会長の提案も結果的にはやむを得ないのかなと思います。
ただ、最初の話に戻りますけれども、この税調にたまたま参加させていただいて、かなり仕事はしてきたと思います。ここに書いてあるように、金融所得課税、「実像」把握、個人所得税。基本的には所得税で仕事をしてきて、それが結果的には年金課税の改正、そして、一時は信じられなかったことでも、定率減税、恒久的減税を取り戻したということで、私はこの段階でぜひ、まあ、次の議論にかかわりますけれども、消費税何%上げる上げないで沸騰する前に、個人所得税をどう是正するかということをきちんと書き込んでもらいたいと思います。あえて政治的な火中の栗を拾う必要はないとしても、我々は、繰り返しますけれども、金融所得課税、個人所得税の見直しというのはやはりきちんとしたことをやったわけで、消費税で頭がいっぱいになる前にきちんとするべきことは何かということを強く訴えてもらいたいと思います。
〇委員
他にいかがですか。
〇委員
率直に言って残念ではありますけれども、しようがないということなのだろうと思います。骨太の方針であれが出てきたときに、消費税の問題もそれに照らして言うと2%上げたらおしまいという話になってしまうので、そういう短期的な話をやるよりは、もうちょっと長い目で見た議論をしていくべきだということを確か申し上げたと思います。つまり、今、皆さんがおっしゃっているようなことを踏まえて言ったつもりです。そういう意味では残念ではありますけれども、私の意図とすればというか、私のつもりとすれば、やや息の長い、そしてもっと本質的な問題を掘り下げるというのが政府税調のきわめて重要な役目だと思いますので、残念ではありますけれども、会長の方針に賛成いたします。
ただ、参加していて、若干危惧というか、懸念というか、残念というか、そういうのがあるのは、アクセルが踏まれたりブレーキが踏まれたりということで相当乱暴な運転がなされたのではないかということを感じておりまして、操縦は少し丁寧にしたほうがいいかなという感想を持ちました。
よけいなことを申しましたが、以上です。
〇委員
私はその操縦士の一人だと思いますが、おっしゃるとおり、悩んだ末、ペダルを両方踏んだ、あるいは片方だけ急に踏んだということがあったかもしれませんが、最後はこういうことになったということでお認めいただけたと思います。
ただ、今、残念だとか等々のご発言が相次ぎましたけれども、中期答申をこれでやめてしまったわけではないのです。時期を少し延長するという形で、本格的な税制再構築に対して税体系全体の中で書けるのは税調しかないだろうと思いますから、それをこの際少し先に送ったとしても、半年先か一年先かわかりませんけれども、税調としてはしっかりしたものを書くことがやはり使命だろうと思いますし、それをちゃんと次期に申し送っておくことが大きな責任ではないかと思っています。
〇委員
今の時期に何かをあれすると、いわゆる政局に巻き込まれてしまうからだめだと言われれば、ああ、そうだなとは思いますけれども、やはり税調の存在理由というのは、さっきから皆さんおっしゃっているように、中立的で専門的な調査とか、大所高所から長い目でものを見るということだとすれば、やはりちょっと「何なんだろう」という感じがします。
もう一つは、もう任期のなくなる総理大臣に出してもという話がありますけれども、政府というのがあって、総理大臣から諮問を受けているんですよね。それで政府というのは存続していますよね。次の政府にはつながらないものなのですか。靖国参拝みたいな話になってしまいますけれども、個人から諮問されたわけではないとすれば、機関としての政府からされたとすれば、次にちゃんと送ってくれるのがお役ではないですか。
〇委員
そうだと思いますよ。
〇委員
でも、そこでこちらがちゃんとそれを読んであげて、もうあなたにあげても無駄だからあげませんわというのも、何かちょっと変。というか、こういうときにでも答申を出せるような存在になるべきなのではないかというふうに思います。そうではなくて、骨太が出るまで待っていましょうという話だったら、存在理由というのがはっきりしないのではないかというふうに思います。
〇委員
それも一つの反省事項というか、今後、考えるときの指針にしなければいけませんね。
他にいかがでしょうか。
〇委員
結論的に言うと、会長のお考えのようなことがいいのではないかというふうに思います。私は、税調が何かの考えを示すというのは、その時々の税制について政策決定が行われる、それに適切なるインパクトを与えることを考えてやる、あるいはやるべきと言いますか、やるものなのではないかというふうに思うわけでございます。
そういう意味で言えば、この時点でなくても、どこかで税調が次の政権のしかるべきタイミングでものを言うところがあって、そのほうがよりインパクトがあるのではないのかなというふうな感じがしております。政策決定プロセスがだいぶ変わってきたがゆえに、我々が当面するような問題に逢着しているのだという気もするわけでございますけれども、やめる間際に常に一つの結論を出すのだと、それにこだわる必要は私はないというふうに思います。
〇委員
どうぞ。
〇委員
結局、皆さんの意見が、消極論も積極論も全部含めて会長の考え方を基本的に支持することになるとすれば、次は、会長がどういう文章をつくるのか、何を盛り込むのか。今まで我々は3年間でこういうふうな答申をして、それが実現したことが幾つもあって、当たり前のことなんだけれども、実績についてきちんと言及すると同時に、将来に向かってメッセージを、かなり抽象度が高いものにならざるを得ないと思うけれども、うまくあんばいよくやってもらって、読む人が素直に読めば真意は全部わかる、長々としたこんな中間報告の説教なんか読まなくても、税調の考えていることはわかるよというふうになればいいんですよ。行間を読む人というのはたくさんいるわけだから。読めない人もいるけれども。そういうふうな文章をどう練るかというのがこれからの具体的なテーマだと思います。
〇委員
まだご発言いただいていない方もいらっしゃいますが、あと20分くらいしか時間が残っていなくて、今、委員からのご発言にありますように、仮に「会長談話」というので今回我々の意見をまとめるということになると、その中身についてのご意見を伺っておきませんと、まだ文章化しておりませんで、粗々の文章しかないものですから、ぜひ残った時間を使いたいと思います。
「中期答申」を先に延ばして、「会長談話」で今回の我々の意思を世に発表するという格好でよろしゅうございますか。
ご反対もないので、そういう形でいいのかなと思っておりますが、今、事務局から配ってもらっておりますけれども、仮に「会長談話」という形ならば、どういうものを内容に盛り込むかということをメモ書にしたものをお配りさせていただきました。こちらの審議に入ってよろしゅうございますね。
では、そういう形で「会長談話」の中身に入るということは、即、「会長談話」を出して、今回、「中期答申」の代わりにするというふうに皆さんの同意を得たと考えさせていただきます。
この「メモ」は、マルが4つついております。最初のマルが第1パーツ、3つ目のマルが第2パーツ、最後のところが第3パーツというわけで、私の頭の中では、3つパーツを分けてせいぜいA4版で3枚から4枚程度の分量で、コンパクトに我々が当面している問題をまとめられたらというふうに考えております。
そこでパーツ1は、冒頭申し上げた、税調のこれまでの取組みとか、成果とか、あるいは7月に出た「基本方針2006」との関係で我々の置かれている立場を整理する。そして、先ほど来皆さんのご意見をいただいておりますように、今後、これまでの議論の集積を踏まえて議論をもっと深めて、しかるべきベストタイミングに次の大きな税制改革に寄与したい。土俵づくりなり基盤づくりなりで税調の役割を果たすということを、最初に書くべきではないかと思っています。
それから、2番目のパーツの「税制改革の基本的な視点」、ここに小さなポツが3つあります。「将来世代に対する責任ある対応」、2番目「安心できる社会の実現」、3番目「経済社会の持続的な活性化」。この3つを軸にした形で、我々税調が将来何をどう考えるかということをコンパクトに整理した文句ではないかと考えております。つまり、税制改革の大きな視点として「公平、簡素、中立」という形でこれまでずっとやってきたわけです。これはあくまで、クオリティとして税をいかにいいほうに持っていくかという形の、そもそもの租税原則論に基づいた視点であったわけであります。
ただ、政策的な対応、これから少子高齢化、あるいは財政再建、経済成長と言われているようなものに対して、やはりしかるべき視点から、「公平、簡素、中立」みたいなピシャッと割り切れるフレーズが必要ではないか、こう考えましてこの3つを考えたわけです。
「将来世代に対する責任ある対応」というのは、文字どおり、将来世代に負担を先送りしない、財政再建の指針として、我々の現世代がしかるべき責任をとる、負担を転嫁させないといった意味合いのことをここで書いて、誰が政権を取っても、財政再建待ったなしと言われているものに対して、財政再建という言葉は使っても使わなくてもいいのですけれども、将来世代に対する責任をちゃんと持ちましょうというメッセージを送りたい。
2つ目の「安心できる社会の実現」というのは、今、年金、医療、介護を含めた社会保障制度の将来に対して、非常に不安、先行きの問題を多くの人が抱えている。高齢者も抱えているし若者も抱えている。そういう意味で皆で負担し合って、いうなれば社会のセーフティネットに当たるものをしかと構築する必要があるだろうと。それが将来の社会をより安心・安全にするもとになるのではないかという意味において、「安心できる社会の実現」という形で、社会保障を中心とした公共サービス、政府のやるべき仕事に対しての費用分担のあり方等が実は重要だという点をここで強調したい。これは財政再建というものよりは、もっと我々として、求めるべきものに対して応分の、あるいは能力に応じた負担のあり方をここで書く。
3つ目は、これは逆方向にとられるとまずいのですが、持続的な活性化を図らなければいけないだろうと。つまり、子育ての問題もそうでしょう。それから、この1と2にも関係しますけれども、借金漬けでどうしようもない社会ではおそらく活性化もしないでしょう。そういう意味で持続的な活性化ということをやるためには、民間経済に対してしかるべき視点からディストーションのないような社会をつくっておかなければいけない。社会全体の自立、あるいはニュートラルで活躍できる基盤をつくる。おそらく、地方分権あるいは地域社会の活性化というのもこの中に入ってこようかと思いますけれども、個人や企業が最大限活躍できる、歪みのない税制にしておかなければいけないだろうと。
ただ、持続的な活性化と書くと、あるいは単に活性化と書くと、すぐ政策減税であるとか、租税特別措置の拡大だというふうにとられがちでありますが、私の頭の中はその逆のことでありまして、民間が税の穴を狙ってばかりいてはニュートラルな意味での活動はできない。極力、民間の基盤、自立した活動を促すようなベースをつくっておかなければいけないだろう。こういう意味で書き込みました。
もちろん、これ以外にもいろいろあるのかもしれません。例えば、国際的な責務を果たせとか等々あるかもしれませんが、あまりいっぱい柱を立てても仕方がないだろうしと思いまして、この3つぐらいにしたということです。
これが中核でありまして、第3パーツで、これまで整理した、特に論点整理等を使いまして、今後、何を重点的に、あるいは何をしなければいけないかという検討項目を、各税目ごと、個別のパーツごとに1行ぐらいずつ書いていきたい、このように考えております。つまりこれは次の税調に渡すメッセージでありますから、コンパクトにやりたいことが伝わったほうがいいと思います。あまりごてごて書いても内容を縛ることにもなりますので、方向性をしっかり示すような検討項目の整理をしたい、このように考えております。これで大体3枚から4枚でうまくまとめられるのではないかというふうに考えております。
今申し上げた項目に、つけ加える、あるいは要らないのではないかというようなご意見があれば、ぜひ賜りたいと思います。いかがでしょうか。
どうぞ。
〇委員
所得格差の問題というのは、別な項目を立てる必要はないですけれども、どこかでやはり触れておいたほうがいいと思います。
〇委員
おそらくこれは「安心できる社会の実現」という中で、持てる者、持たざる者の格差が固定するのはいかんというようなところで述べたいと思っています。格差ですね。おっしゃるとおりだと思います。
ほかに何かございますか。
〇委員
この基本的な視点の3つについては、今まで議論してきた構造変化の実像のところから得られるエッセンスのような感じがいたしますので、私はこれは非常にぴったりくるものがあると思います。今まで「実像」でのやってきた議論とか、わが国の直面している大きな構造変化とか、そういったこととうまくリンクさせるような形でご説明いただいて、わかりやすいメッセージにしていただきたいというふうに思います。
〇委員
限られたスペースでどれだけわかりやすくやるか、これが腕の見せどころでありますので、とにかく文章にしたところでもう一回ご検討いただきたいと思います。
どうぞ。
〇委員
道路特定財源の一般財源化と消費税の目的税化の話で、前にありましたけれども、目的税化と一般財源化のところはどういうふうにしますか。
〇委員
第3パーツの検討項目の中に、道路特定財源の一般財源化とか、消費税の使途の問題とかいう項目を一応書こうかと思っています。つまり、そこで反対だとか賛成だとか、例えば福祉目的税化には断固反対的なことを、今、書くかどうか。これは次期の税調が責任を持って回答を出してもらわなければいけませんから、そこはぎりぎりの内容を示す項目ぐらいは書きたいなと思っていますが、何かそれについて。もうちょっと書いたほうがいいですか。
〇委員
目的税はよくない。
〇委員
よくないと。そういうふうにこの税調でも分かれているわけだから、今、議論を詰めて、いいとか悪いとか書けませんから、検討項目という形で扱いたいと思います。
他に、どうぞ。
〇委員
もう一つ配られている「主な論点」というのがありますが、この2ページ目の下から2番目、「国民に信頼される簡素で分かりやすい税制の構築」と。税の執行の仕方とか何か、それはこの3つの視点でカバーされるのでしょうか。
〇委員
いえ、そういう細かいことになりますとカバーし切れません。したがって、検討項目の中で、今言った納番も含めて納税環境整備、信頼される税制手法というあたりのことは書くつもりですが、そういう議論になると、この3つではカバーできないでしょうね。
〇委員
「国民にわかりやすい」とか何か、そういうのはあったほうがいいのかなという気がします。
〇委員
わかりました。ちょっと考えてみます。
はい、どうぞ。
〇委員
つまらないことですけれども、「経済社会の持続的な活性化」というこの言葉はちょっと落ち着きが悪くないですかね。「持続的な活性化」というのは何かちょっと考えたほうがいいと思います。
〇委員
単発的にどこかの産業なり、どこかの特定の者を、税制の減税とか特別な措置によってドカッと恩恵を与えるというよりは、持続ある活性化ということは、少子化問題に対応するような税であるとか、安心と安全を得るために社会保障とか財政の基盤をどう支えるかという意味で負担をどうしようかとか、もっと広い意味でとらえているのですけれども。
〇委員
持続的というのはずっと続いているという意味で、活性化ということはそれを動かすということですね。その言葉が……。
〇委員
相矛盾しているわけですね。
〇委員
ええ。ちょっと並びが悪いなというだけのことです。
〇委員
わかりました。
他にいかがでしょうか。どうぞ。
〇委員
基本的な視点この3点、異論はないわけですが、その前の「基本方針2006において新たに示された政府の方針」と。こことのかかわり方はいくぶん整理する必要性があるのかなと。基本方針2006では「新たな挑戦の10年」ということを記述した上で、競争力、経済力の強化、財政の持続可能性の問題、健全化の問題、そして安全・安心な社会の確立、この3つを挑戦の中身として挙げているわけです。いくぶん関連したキーワードになっておりますから、それがダブリ感で、これがいいのだ、その方向性でやるんだということを確認したという具合に書き込むのか、それとも、新たなオリジナルな我々の考え方を出すのか。そこはちょっと工夫が要るのではないかというのが、私が向こうにかかわった者としての感じです。
〇委員
基本方針が出て、それを受けて今後、本格的な税制改革の議論をしなければいけないというのをベースに置いているんですね。ですから、オリジナルなアイデアでこれから勝負しようというよりは、基本方針2006の税制改革の受け皿的なところをさらに追求したいという意図があるのです。またそれでないと、先送りというか、中期答申を今出さないで少し先に本格的に議論するよというところのつなぎ目が悪いでしょう。基本方針2006が出たがゆえに我々の新しい問題の発想の方向が出てきたわけで、まさに似たような言葉で書いてあるわけだから、ある意味では影響を受けて書かれてきた言葉かもしれませんが、そこのつなぎ目は、私は、基本方針との一体化でいいのではないかと思いますけどね。
〇委員
工夫して書いていただいたのですが、ダブリ感がなく、税との関係において基本的な視点をきちんと書いていただければ。
〇委員
そういうことですね。はい、わかりました。
他にいかがでしょうか。
〇委員
「会長談話」というのがちょっとひっかかっているのですが、「会長総括」というのはどうですか。
〇委員
談話としてしゃべるわけでして、紙を出したいと思っているわけですね。談話というのは新聞で言うと、しゃべったものをまとめるという意味ですか。でも、談話というので文章になることもあるでしょう?
〇委員
それはいいのですが、談話というと何となく……。
〇委員
軽いですか。
〇委員
軽いのか重いのか分かりませんけれども。
〇委員
ただ、総括というと、総括するほどの内容を3枚ぐらいに書けるかどうかですね。ちょっと考えてみます。談話か総括か、またこれもお知恵を借りたいと思います。ほかにもっと別な言葉はありますか。
どうぞ。
〇委員
先ほど委員がおっしゃった「経済社会の持続的な活性化」ですけれども、上に「安心できる」とありますから、「元気ある経済社会の持続」というのはいかがですか。元気のよい。
〇委員
活性化とか活力という言葉は通常使っていますよね。元気あるという意味において。
〇委員
もっと活性化しなければならないという意味もありますからね。今、元気があるのかどうか。
〇委員
今、非常に元気が出てきたところですから、これを持続しようというわけでしょう?
〇委員
元気ある経済社会の……。
〇委員
「(元気ある経済社会の)持続」で、おしまい。つまり、何だかよくわからないところが……。いえ、全然何もこだわりませんけれども、思いつきです。
〇委員
作家だから、問題がいろいろ頭をよぎるでしょう。
どうぞ。
〇委員
これでいいように思いますけれども、ただ、地方税の関係というのは、この最後の部分に入ってくるというぐらいでいいのですか。
〇委員
実はこの4つ目のポツに、地方分権とか国と地方の税源の問題を書くことも必要かなとは思ったのですが、ただ、責任とか、安心とか、活力というものと、地方分権というこの政策面はちょっとおさまりが悪いので、「税制改革の基本的な視点」の中に、地方分権的な発想が必要だぐらい断って、3つ並べますが、具体的には検討項目の中で、地方税の中身については幾つか項目を書いておかなければいけないかなと思っています。そこは列記しようかと思っています。
〇委員
地方の代表の方がおられると、出るのではないかと。
〇委員
出るでしょうね。
どうぞ。
〇委員
先ほどの委員の意見にも関係しますけれども、2つ目のポツの、骨太の方針とこちらの「税制改革の基本的な視点」との関係の1つのポイントですが、タイムスパンですけれども、基本方針のほうは2010年代半ばまでというところしか視野に入っていないわけですね。ですけれども、税制改革の我々の議論というのはもう少し長い議論をしてきたように思うので、そこをどういうふうに書き分けるかという。
〇委員
2015年、団塊の世代が高齢者になった先、ますます大変だよというニュアンスのことを書きたいと思っています。そうなると本格的な財政再建が必要になると。単に2011年までだと経済成長で何とかなるではないかというような、そういう形でやってしまったら、税制改革、全く中身を伴いませんから、そこはおっしゃるとおりやっていきたいと思います。
あと、時間はほとんどないのですが、よろしゅうございますか。
まとめておきますと、中期答申を今月いっぱいで出すということは今回しないで、しかるべき将来のいいタイミングでちゃんとした税制改革の案をつくる。
2つ目は、とはいってもこれまでやってきた3年間の成果を踏まえて世に対してアピールすることが必要であるという意味で、「会長談話」、それについて内容をまとめたいということであります。
よろしゅうございますか。
〇委員
すごく細かいことですけれども、3年ごとに中期答申の話がありまして、それは平成何年という言い方をしています。この際、雰囲気を変えてしまうということで、今も2010年代半ばとかいう言い方がありまして、ここにも2006年の基本方針とありますけれども、ちょっと西暦っぽい雰囲気を入れたほうがいいかもしれませんよね。そこで雰囲気を変えたほうがいいと思います。
〇委員
私も記者会見等は西暦派なんですよ。
〇委員
大体、平成50年とか言われると、そんな生きているわけないものを前提にやるのはおかしいのでね。もちろん元号を使うのはいいのですが、ここでちょっと雰囲気を変えることで、できるだけそれを入れたほうがいいと思います。
〇委員
どうぞ。
〇委員
先ほどのお話の談話に関係するのですが、これは会長個人の立場として出されるものですか。それとも税調全体の……。談話というと、個人に帰属するようなイメージがいくぶん残るのではないかなという感じがするのですが。
〇委員
おっしゃるとおりです。それで実は考えていたのですけれども、「会長談話」を個人でやるなら、別に今日お諮りしなくても、これやりますよと文章を書いてボーンとやってご承認をいただくか、あるいは勝手にやらせてもらうというふうになりますが、ただ、3年間、税調でいろいろ議論を重ねてきた、それをベースにして「会長談話」というのはできるべきだと思っているのです。そういう意味で最終的に私が一言一句に責任を持つ必要があるかと思いますが、全体の流れなり全体のトーンは、やはり税調の意見を集約して言いたいことをまとめるという方向でやっていきたいと思います。その後、皆さんのほうに責任が分担されるかもしれないけれども、それが税調という組織、集団の中の「会長談話」ではないかと思います。よろしゅうございますか。
〇委員
これはいつ頃出されるのですか。
〇委員
今、お諮りしようと思ったのですけれども、12日を次に考えております。来週の火曜日です。そこで、文章にしたものを持ってきますから、こういう案で行くよということのご承認をいただいて、即、その文章を発表したいと考えております。ですから1週間後です。それが今期の税調の最後の日になると思いますので、あわせて、いろいろな税調の使命なり役割の変化等、今ご議論いただいたようなことについてもご議論いただくと、次の税調の役に立つのではないかと思いますので、フリーディスカッションの時間を設けたいと考えております。そういう意味で、12日・14時からぜひご出席いただきたいと思います。
〇委員
今、談話という話がありましたが、たしかに個人的な見解の色彩が強いので、勝手なことですけれども、これまでの審議等を踏まえた会長総括とか……。
〇委員
見解。
〇委員
見解とか。
〇委員
ネーミングも次回お諮りしたいと思います。わかりました。
それでは、引き続いて総会をやりたいと思いますので、お残りいただきたいと思います。数分、席の入れかえ等々ございます。
〔閉会〕
(注)
本議事録は毎回の審議後、速やかな公表に努め、限られた時間内にとりまとめるため速記録から、財務省主税局及び総務省自治税務局の文責において作成した資料です。
内容には正確を期していますが、税制調査会議事規則に基づき、事後の修正の可能性があることをご承知置きください。