第43回基礎問題小委員会 議事録

平成17年6月17日開催

委員

さあ第2ラウンド始めましょうか。席にお戻りください。

今日は、読み上げというよりは、その読み上げの前の段階で再度、修文等々の前回やりましたことの確認を行いたいと思っております。お手元に「個人所得課税に関する論点整理(案)」というのが出ていると思いますので、皆さんからいろんなご意見をいただきまして直したところ等々の説明をまず税制第一課長からしていただきまして、さらにまたお気づきの点がありましたら、ご意見をお出しいただきたいと思います。

それでは、税制第一課長、お願いします。

事務局

お手元の見え消し版というのをご覧いただきたいと思います。

ページめくっていただきまして1ページでございます。1.「個人所得課税の抜本的見直し」ということで、今回のこのご報告のある種全体的な哲学が書いてあるわけでございます。16行目ぐらい、「様々なひずみ、不公平を是正し、公平・中立・簡素な税制を構築していかねばならない」。ちょっと飛びまして、19行目で、「こうした取組みは、結果として、個人所得課税の本来果たすべき財源調達機能の回復にもつながることとなろう」ということでございます。

直しましたのは25行目でございます。「今秋以降」と書いてございましたが、「今後本格化する18年度以降の税制改正の検討を控えて」。今回のこの報告に書いてございます各項目、取組みは18年度に終わらないということと平仄をとる表現とすべきというご指摘でございました。

ページをめくっていただきまして、中身に入るわけでございますが、(1)「所得区分」の「給与所得」は、この2ページの一番下、この辺がポイントになろうかと思いますが、「被用者特有の事情を画一的にとらえて一律の控除を行うという現行の仕組みを見直し、」ということで、その次に挿入してございます。「後述の事業所得にかかる経費控除の見直しとあわせて、給与所得者の控除」、これは給与所得控除になるわけですが、さらに「申告のあり方――これは年末調整、確定申告ということでございますが――についても、経費が適切に反映されるような柔軟な仕組みを構築していくべきである」。これは給与所得者の理解を得るために、もう少し書き足すべきではないかというご指摘を受けた修文でございます。

さらに5行目、「特定支出控除の対象範囲について見直す」となっておりましたが、「拡大」というふうに明確に書いてございます。

次の「退職所得」、ポイントになりますのは24行目、「全体として多様な就労選択に対し中立的な制度となるよう課税のあり方を見直すべきである」。「中立性」という言葉が入っております。修文はございません。

次の「事業所得」、4ページでございます。事業所得につきましては、12行目、修正がございまして、修正文を読み上げます。「一般の給与所得者にとって、日常生活において目にする事業所得者の行動に納得し難い思いを抱くこともあり、税負担の不公平感が醸成されている」。

さらに18行目でございますが、「事業所得に関しては、実額での『必要経費』は正しい記帳に基づく場合のみ認めることとし、そうでない場合には一定の『概算控除』のみを認めるとの仕組みを導入することも考えられよう」。正確であればそれでいいのかと。ここは「正しい」ということで、広い意味で言葉を選んだつもりでございます。

次の「譲渡所得」。ポイント的には次の5ページの6行目になりますが、「土地、株式にかかる譲渡所得については既に分離課税とされている。その他の資産の譲渡益についても、同様の取扱い――すなわち、分離課税――とすることを検討する必要があろう」。

「不動産所得」についても、修文はございませんが、23行目、「独立の所得区分としての不動産所得を廃止することを検討すべきである」。これは何回もご説明いたしましたが、合算課税制度というのがなくなったと。そのツールとして導入されていた不動産所得、この所得区分を廃止することを検討ということでございます。

「一時所得」、一番最後から2行目のところ、「対価性の有無をもって雑所得とは別の所得区分を設けていることについては合理性がない」ということで、次のページになりますが、「雑所得に統合することを検討すべきである」。

[7]の「雑所得」。この辺も修文はございません。中身的には、ロ)の公的年金等でございますが、14行目、「雑所得の中に留めておくことは適切ではなく、独立の所得区分を設けることを検討すべきである」。

ハ)の資産運用関連、この雑所得もあるわけですが、これは22行目、結論的には、「分離課税に一本化する方向で検討」すべきであると。

これに関しまして、「金融所得課税の一体化」、これは昨年の金融小での報告を踏まえてということでございまして、7ページ、頭のところでございます。「今後とも、金融所得間での課税方式の均衡化、損益通算の範囲拡大を柱とする金融所得課税の一体化の検討を進め、金融所得課税に係る現行の分離課税制度をより簡素で中立的な仕組みにしていく必要がある」と書いてございます。

中ごろ、3.「世帯構成と税負担のあり方」でございます。この辺につきましても、具体的な修文はございませんが、復習のためにざっと見ていただきますと、8ページでございます。「配偶者との関係」ということで、中ごろ、11行目あたりから、「現行の配偶者控除制度については、次のような問題点がある」ということで、ポイント的には14行目になりますが、「配偶者の存在が納税者本人の担税力を減殺させているとの考え方については、夫婦のあり方や配偶者の家事労働の経済的価値もあること等から、改めて検討する必要がある」。

2つ目の問題点として、17行目からのパラグラフ、ここは「配偶者の就労に対する中立性」という問題。

3つ目の問題として、22行目から始まる3行のパラグラフですが、「夫婦で二重に控除を享受するという問題が生じている」。

結論的には、25行目、「配偶者に関する現行の人的控除のあり方については、根本的な見直しが必要であろう」と、このようになっております。

27行目、ロ)で、2分2乗についてのご議論をいただいた上で、9ページでございます。「子育て支援との関係」ということで、現行制度、これは「子供の扶養を担税力の減殺要因ととらえて所得控除によって対処してきた」。9行目でございます。「政策的に子育てを支援するとの見地からは、税制において、財政的支援という意味合いが強い税額控除という形態を採ることも考えられる」。

結論的には、「今後」という11行目でございます。「少子化対策全体の議論の中で、他の政策手段との関係」、例えば児童手当等もあろうかと思います。「諸外国の事例も踏まえ、引き続き検討を深めていく必要がある」と、こうなっております。

ロ)で、いわゆる対象、年齢制限の議論を書いていて、ハ)で、N分N乗、次のページ、ニ)では、いわゆる特定扶養控除についてのご議論をしていただいております。

10ページ、4.「課税ベースと税率構造のあり方」でございます。「課税ベース」という言葉についてのご指摘が前回ございました。確かに、例えば課税ベースとしての所得でありますとか、課税ベースとしての消費、こういう、いわゆる課税客体という意味で「課税ベース」という言葉が使われることもございます。ご指摘はそういうことだったと思います。片や、例えば課税対象というような意味で課税ベースを議論することもございます。所得税におきまして、例えば課税ベース、いろんな非課税措置や諸控除を引いた後の課税所得という意味で使う場合もあるということで、いろいろ前例を探してみました。中期答申、それから基本方針においても、その意味で「課税ベース」というのを使っておりましたので、原文どおりとさせていただいております。

このページ、(1)で実効税率、いわゆるグロスの収入分の税額という、そういう意味ではトータルな意味での負担水準、これの問題が大切だということを書いていただいた上で、ただいま申し述べました「課税ベース」の議論が10ページのおしりから始まっております。

具体的な直しとしては、11ページでございます。中ごろ、14行目でございます。「諸外国と比べて極めて低い水準に位置しており」、ここはファクトチェックをちゃんとせいというご指摘でございます。確かに、所得がかなり低いところでごく一部、最低とは言えないようなところもございます。ということで、「最低」とはいわず、「極めて低い」と修文させていただいております。

結論部分的になりますが、16行目から、「課税ベースとは、収入その他の経済的利益から、政策的配慮に基づく非課税措置、所得計算上の控除、基礎的な人的控除、その他勤労学生控除といった特別な人的控除、更に生損保控除、社会保険料控除といったその他の控除を除いたものである。広く公平に負担を分かち合うとの観点から、課税ベース縮小の原因となる非課税所得、各種控除のあり方を議論することが重要である」、こう結論づけていただいております。

次の12ページ、「税率構造」でございます。ここは、ご議論ございまして修文をしております。挿入というか、修文後ご覧いただきますと、「平成18年度においては、三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を行う必要がある」。ここはやはり18年度にやるのだということをはっきり書けというご指摘を踏まえました。「この税源移譲は、所得税及び個人住民税の税率構造の抜本的見直しを伴うものとなる」。この税率構造のパラグラフ、そもそも所得税の話なのか、それとも住民税を含めた話なのか、税源移譲との関係が不分明であるというご指摘がございました。

この最初の2つのパラグラフ、行数でいいますと4行目から10行目、ここは税源移譲の話でありますので、所得税及び個人住民税の議論でございます。税源移譲におきまして、かなりの税率構造の抜本的な見直しが行われると。地方の個人住民税はフラット化というかなりの改正を行われます。それに応じまして、所得税の方でも、いわゆる最低税率より、「あえて」という言葉、これは嫌々ではないかというご議論がございまして、「あえて」を落としておりますが、「10%よりも低い税率区分を設ける必要がある」と。これが税源移譲における税率構造の問題です。

その11行目からでございますが、「実効税率との関係で改めて議論を行う必要がある」。これは税源移譲とは若干次元を異にする議論が書いてございます。

結論的には、19行目あたりでございますが、「実効税率の水準を引き上げるためには、現在の最低税率のブラケットの幅を狭めていくことが必要となろう」といったことが書いてございます。

「個人住民税」は特に修文等はございません。

飛びまして14ページでございます。納番、ここも特段の修文はございませんが、復習のため、19行目、イ)のところでは、これまでの論点を整理している、特に金融との関係というものを整理しております。

ちなみに、19から21行目の3行は、前々回のご指摘を踏まえまして、「従来以上に積極的な議論を行う必要がある。そのためにも、これまで以上に掘り下げた論点整理をしておきたい」。納番についての、どっちを向いているのかわかりにくいというご指摘を踏まえた修文を前回入れております。

次のページ、納番について、5行目、ロ)でございます。これが今回の報告書では新しいところでございます。「事業所得に関しても納税者番号制度を活用することができないかという議論がある」ということで、従前は、今まで、このイ)で申し上げたように、金融の話が中心でございました。「諸外国の経験を超えて、事業所得に関しても」というのがこのパラグラフでございます。

結論と申しますか、サビ的には、10行目、事業者間取引にこれを当てはめるということは想定し得ようがということで、11行目、「一般の消費者を顧客としている小売業やサービス業にかかる売上げを把握するため、消費者が番号付きの資料情報を税務当局に提出することは実際問題としては不可能である」。

さらに14行目のおしり、「また」ということで、「上述の金融所得課税における必要性とは離れて、金融資産に係る情報――いわゆる口座情報でございますが――について税務当局が把握できる制度とすれば、所得の間接的な把握には役立つこととなろう」と、このように書いていただいております。

納番に関します問題提起として、24行目でございます。「そもそも税務行政にのみ活用される番号制度として考えるのか、税務も含め、広く行政全般に利用される番号制度として考えるのか」ということで、次のページ、2行目、「政府全体として幅広い検討を行った上で、最終的には国民全体として判断すべき性格のものであろう」としております。

あと(2)の「記録及び記帳に基づく申告制度」、さらには「立証責任」、この辺は修文ございません。

17ページに飛びますが、「源泉徴収・年末調整」に関しましてご指摘ございまして、下のところ、27行目でございます。「年末調整のあり方についても、諸控除の適用のために必要となる個人情報の取扱いとの関係にも留意しつつ、引き続き議論を行っていく必要がある」。いわゆる年末調整をしてもらうために、各社員は、例えばこういう扶養親族がいます、こういう配偶者がいますといったことを会社に申告をするわけです。その会社がそれによって得た個人情報をどうするかと。個人情報保護法のカバーはあるわけでございますが、それ以上のものはないと。これをどう考えるかということでございます。

実はこれは税金の問題だけではございませんで、例えば扶養手当をもらうためにも、実は会社に申告していると。また同じように、健康保険の適用に当たっても同様のことをやっております。実は会社と社員の関係というのは税金の問題だけでもないということもございます。もちろん、個人情報の取扱い、これは大切なわけでございますので、このように書いたわけでございます。

次のページ、「公示制度」。これも廃止を検討すべきであるという結論になっております。「罰則」については、「罰則の強化についても検討すべきである」。

最後の7.「結びにかえて」ということで、19ページに修正がございます。「もとよりこのような改革は、18年度改正のみで拙速に行うべきものではない」となっておりました。そもそも拙速ということはいかがなものかということで、「18年度改正のみで終わるものではなく、今後、他税目の見直しとも適切に連携しつつ、また経済情勢も見極めながら、段階的かつ着実に実施していくべきである」。ずうっとたくさんのアジェンダを挙げていただきましたが、18年度改正のみではないと、「段階的かつ着実に」と、このように締めていただいておるわけでございます。

以上でございます。

委員

ありがとうございました。

前回、それから前々回も含め数々ご意見をいただきまして極力文章に落としたつもりでありますが、税制第一課長から説明があり、どこが入れ、どこが入れなかったとかいう理由もついて、復習も兼ねてやりましたから、十分ご理解いただいたと思いますが、どうもおれのが入ってないという立腹される方もいるかもしれませんが、こういう形でまとめてきました。

そこで、あともうちょっと時間がございますので、いろいろさらに修正なりさらにご意見なりいただきまして、今日はなるべく最終案に持っていきたいと考えております。

どうぞ、どなたでも結構ですから。

委員

3ページの一番上ですけれども、経費控除という使い方してましたかね。経費を引くのであって、何か特別に認められている控除ではなくて、所得計算上、帳簿といいますか、会計の話ですね。

委員

これは従来、使い方どうですかね、税制第一課長。

事務局

経費算入ということでもいいかと思いますが、ここはその後に控除という言葉、給与所得についての控除と。これは特定支出控除……

委員

いや、違う違う。だからだめ、だからいけないと言っているのですよ。同じようなものだもの。

事務局

別に経費控除制度があるわけではないです。

委員

ちょっと考えましょう。経費算入とか。経費控除という言い方はちょっとなじまないかもしれませんね。ありがとうございます。

ほかによろしゅうございますか。

委員

12ページですが、税率構造のところで、前段は税源移譲の話ですよね。後段は、おそらくこれは実効税率の水準を上げようという話ですから増税になると思うのですけれども、これも18年度に一遍にやるということは可能性があるということですか。

委員

さあてどうですかね。ただ、これはやらなければいけないのでしょう。18年度、三位一体でやらなければいけないと書いてありますからね。税源移譲をね。

委員

いや、それは前段の話ですよね。

委員

ええ。ですから、税源移譲をやるということはいろいろ、実効税率まで含めてという意味ですね。法定上の税率は変えるにしても。

委員

だから、税源移譲の話はわりと簡単ですよね。要するに、個人個人があまり損得ないように考えなければいけないけれども、実効税率を上げてしまおうという話……

委員

いや、それはどこにも書いてませんよ。来年やれとか、すぐやれとか。問題点を整理したということですから。

委員

可能性はあるということですか。

委員

いや、可能性ができたらやりたいでしょうし、多分、難しければ……。何かそこら辺、修文のことで。

委員

もし18年度でそういうこともやるのだと書くのであれば、一番最後のところに、歳出カットですね。財政カットというのを徹底的にやってもらわなければいけないというメッセージを入れておいてもらわないと、とても国民は納得できませんよ、それは。

委員

この間ある委員からもそういうご意見が出て、そのとき私は、これは税のほうに限って論点整理したので、実行面でどうするかというところまでカバーしてないのだという形でご説明したのですけれども、今、再度おっしゃる点から言いますと、かなりフィージビリティまで考えてこれから実行するのだから条件書いておけということですが、ただ、ここだけ歳出カットなり行革なり何かかんか書けますかねえ。

委員

一番最後のところですよ。

委員

そうですよ。一番最後って何ですか。結びのほうですか。

委員

「結びにかえて」のところ。

委員

19のところね。これはこの間、ある委員からもご意見あったのですよ。

委員

そうでないと、どさくさにまぎれて増税をしたという話に必ずなりますよ。

委員

なりますね。いや、やればね。ただ、どうしますかねえ、これは。ちょっと皆さんのご意見伺いたいのですけれども。要するに、ここで実際にやる手順としてね。いや、わかるのですよ、おっしゃる意味は。書いておいたほうがいいと考えるか、それとも、ここはもう個人所得税の論点整理だから、秋以降の話でこれは処理したほうがいいではないかと考えるか、両方あると思いますよね。どうでしょう。まさに何か書き加えるかどうかの話でしょうね。

委員

先ほど税制第一課長の話を聞きながら、私も12ページの19行目のところの、今の委員の議論の続きですけれども、「実効税率の水準を引き上げるためには」というのがその方向をやはり示しているように見えるような気がしましてね。突然ここで増税的な要素が見えたのかなあというふうに、それはちょっと気にはなったのですがね。だから、今の委員のように考えるとすればというか、逆にそういうあれをなくするためには、この部分をむしろなくしてしまうと。これは将来こういうことを考えるときの議論として考えておけばいいので、わざわざ言及しなくてもいいのかなという気もちょっとするのですけどね。

委員

ただ、税調としては、最低税率のブラケットが過大に大きいから、いずれ見直したいと。それがたまたま実効税率の水準引上げという目的を書いちゃっているからね。そこをどうするかの問題でしょうね。やにわに増税というイメージが出ると。わかりますね、ここでね。この辺少し再度ご提案させていただく。この辺非常に重要ですから、何かありますか。

委員

この点しゃべるのは3回目ですけれども、論点としては、前のほうは、11ページのほうで実効税率の話をしているわけですよね。それで、今日少し改めていただきましたけれども、実効税率が諸外国と比べて極めて低いと。で、課税最低限の話があって、これは今まで非常に高い高いと言っていたけれども、為替の問題もあって、それほどではないというか、今までほどではないと。

という2つを読み比べていくと、それでは、実効税率を正していくためには、今二人の委員がおっしゃった12ページの18行目のところに来ると。それはだから、事実と、僕の読みとしては、だから、前段の2つの実効税率の話と課税ベースの話を組み合わせて、じゃどう正すかというときの事実的な要素として、読み込むのか、これが強い政治的な方針としてのステートメントなのかというのは読み方だけれども、前のほうとつなげる意味では、これは今後の改革を考える上でも、私自身は、必要で、非常に重要なところだと思います。

委員

ぎらつくというよりは、書いたほうがいいということね。

委員

書く。つまり、実効税率のことを議論して……

委員

いやいや、それは書くのです。歳出カットとか何かを入れなくていいかという議論なのです、今。

委員

歳出カットは……

委員

やるために、増税が強く出過ぎるから、当然のこと、国民の方々に納得いただくために、前提条件を満たすようなことを書いておかなくていいのかという。

委員

これはでも、税調のレポートだから。

委員

でも、書いてあるわけ。前に。ただ、これはまだ論点整理ですからね。

委員

今の委員のお話だけど、この1ページの21行目からの文章を読んでみると、要するに税源移譲に関連して税率構造と、こう言っているわけですよ。そうではないですか。21行目から24行目まで。だから、要するに、税源移譲に便乗して税率構造を中心とした抜本的な改正をしちゃおうと、見直しをしちゃおうというようには読めないのですかね。そんなことはないですか。

委員

それは事実上難しいと思いますよ。税源移譲に伴って税率を直すということと、将来的に増税を含んだ実効税率を上げるというのはね。同時には。どさくさにまぎれてでも難しいと思うから、それは論点整理して順次やるしかないだろうと思いますけれども、あなただって、実効税率を上げざるを得ないとは腹くくっているわけですよね。

委員

それはいいのですよ。だから、僕は前提としては、財政支出を徹底的に切った上でないと国民は納得しないと思うのですよね。

委員

いや、そうなのですよ。それはほかの答申や何かで随分書いてます。

委員

そのメッセージはうちから出しておいてもいいのではないかと。

委員

この段階でね。

委員

私も出したほうがいいと思います。

委員

じゃお二人、順次いきましょう。どうぞ。

委員

今の議論は前に議論したことだと思うのですよね。これは要するに、所得税の歪みを是正するために書いてあると解釈しているわけですよね。その場合に、税率構造の議論をする場合、三位一体後の調整、当然ありますけれども、それ以外に所得税の抱えている問題というのはあるわけですよね。それは、この実効税率の水準は当然書いておかないと、じゃ何もないのかという話になるから、その歳出の話をそこへ持ち出すというのはちょっとおかしい。それは税調の答申のときに前文できちっと書けばいいわけでね。税独自の議論としては、それはそれで書いておかないと。

委員

だから、この文書の性格いかんなのですよ。皆さんのご判断はね。つまり、答申とか、もっと本格的なものではなくて、単なる整理ではないかと書けば、そこまでやらなくていいだろうというご意見と、いや、その段階で書けと、こういうことだよね。

今の関連ですか。どうぞ。

委員

この1ページのところは平成18年度のことで、税源移譲との関係で税率構造の見直しがということですね。12ページのほうは、おそらくもうちょっと長期的なことを考えてということですよね。ですから、これはどっちに力点を置くかよくわかりませんけれども、長期的なことを考える際にはやはり支出のことも、どこまで書けるかという問題あるとしても、多少の……

委員

1行書けばいいのですよ。ほんのちょっと書けば。

委員

ほんのちょっとは入れておいたほうが気持ちは、当たり前のことですから。

委員

確かに、そう読んでいたのですけれども、この1ページの、要するに「税率構造の抜本的な見直し」と書いてありますから、調整的な見直しではないのですよね。「抜本的な見直し」と言うと、それは何だというと、後ろのほうへいくと、税源移譲とそうでないものとは分けて考えますよという。12ページでね。そう読まれてしまうのではないかと。

委員

なるほどね。

どうぞ。

委員

やはり入れたほうがいいでしょうね。間違いなく。

委員

どこに入れますか。

委員

それは適宜に考えてちょうだい。

もう一つ、一番最後に、ある委員が言われたので直したのだけれども、18年度改正で拙速云々ということがあるでしょう。この修文を見ると、「18年度改正のみで終わるものではなく」ということは、この文章は相当、8割ぐらいやるよと。それで終わらないと、この話は。あとだらだらと2~3年かけてやるよというふうに読めるのですよ、日本語だったら。だって、終わるものではないということは、相当やるのだなと。事実、相当程度やるわけだ、実は。三位一体論から何からね。少子化問題から。そんなに大幅なやつをこの段階で来年度で、金額的にもですよ、できると思わないのだ。だから、この表現はあまりよくない。

委員

よくないね。そう読まれてしまうと、私はそれまで考えなかったのですけど、おっしゃるとおり。

委員

18年度に着手するけれども、いろいろなことを考えてやるよというふうに書いておいてちょうどいいのですよ。「終わるものではない」と言ったら、そんなこと、8割方やるのかと、おまえのところはと。決意も何もない。

委員

これはあなたが出した問題だよね。言葉がよくないのだよ。

委員

後ろのほうが僕は……

委員

いや、前と後ろが合ってないというのだ。

まあいいや。次の意見を聞きましょう。

委員

今の話のあれで、10ページの、やはりこもってしまっているというか、要するに実効税率「3%程度にすぎない」という言い方も、3%も払っていればいいじゃないか、何考えているんだというほうから見ればね。「程度にすぎない」というのは、それは事実として3%だというのを言ったほうが、どうせそうなのだからというのとか、あと、そこにある「個人所得課税の本来機能の回復の観点からは」引き上げなければいけないと、外国と比べて低いのだから引き上げなければいけないというのは、その過程ですよね。考えてみれば。だから、ここら辺の理由づけがもう一つ、税金足りないのだからしようがねえだろうというのにしたほうがわかりやすいような気はするのですけどね。

委員

でも、税収回復をしなければいけない、機能回復と前から言ってますからね。ただ、もう一回断る手はありますよね。おっしゃるとおり。

委員

同じなのですが、言い方としてね。という気がしますし、あと、今の委員が言ったこと、確かに、毎年、年度改正、どうせこれで終わりというわけないですから、最後の「終わるものではない」というのはかなり迫力あり過ぎると。

委員

私たちの仲間とかそういうのでは、これは論点整理であってと言っても、メディアは全然そうはとらないし、税調はもう増税方針みたいな話ががんがん、もうすでに出ていて、そこで一つも歳出削減のことは書いてないといったら、鬼の首をとったように多分たたかれるのではないかと私は思いますので、どうしても入れてください。

委員

僕は逆だと思うのですよね。むしろこれは論点整理だと。とにかくそこのところをきっちりやらないと。逆に、つまり歳出の問題を出してくると、これはスケジュール完全に乗ったのだと、そういうふうにとるわけでしょう。だから、僕は逆効果だと思うなあ。だからこのままで、入れないほうがいいと思います。

委員

まあいろいろあるですなあ、見方は。

じゃどうぞ。

委員

あまりそういう高度な判断は……。逆にいうと、この1ページの、今皆さんご指摘になった19行目の表現が、そうすると、これも少し考え直さないといけないと思いますね。要するに、いろんな歪みやひずみを直す中で、結果として、まあ財源調達機能確保につながることになろうというのがいわば大きなメッセージ、最初にやっているわけですよね。ところが、確かにある程度実効税率を引き上げる必要があるというのは目的が出てきてしまうので、さて、そうすると、私は、むしろこの最初の表現を重点的に考えれば、後のほう、あまりどうかなという、むしろ整理として考えておいたほうがいいだろうという気持ちがありましたので。

それで、これは前回質問があって、一応直ってというか、読んでいて必ずしもはっきりしないのは、12ページの11行目ですか。ここの所得税はもちろん国税の所得税ですね。言っている意味は。

委員

はい。

委員

その後の12行目、一番最後の「わが国の個人所得課税」というのは国・地方合わせた意味ですか。そして、その下の、要するに税率の刻み数をどうこうという議論のところが、個人所得課税、それから所得税、所得税及び住民税という言葉が幾つか使われているので、少しわかりにくいので、ここはちょっと整理してほしいと思います。

それから、すみません、ついでにもう一つ、17ページですが、これももちろん、単に説明をもう少ししたほうがいいというのは、サラリーマンの源泉徴収と年末調整の話です。この16行目のところで、年末調整で、「税額が精算されるので、一般のサラリーマンは確定申告を要しないこととなる」と書いてあるけれども、要するにこれはほかに申告すべき所得がないとか、それから医療費控除とか何か特別控除しないとか、そういうのが一般のサラリーマンだというふうに見ていいのかどうか。

委員

それで、ご意見は何?

委員

ですから、他に申告すべきがない、あるいは特別の控除を行う必要、申告する必要がない限りにおいてということではないかと私は理解しているのですが。

委員

それでいいのでしょう。不正確だというのね、ここは。

委員

ええ。やや不正確で、何か、年末調整済んでしまうともうサラリーマンは確定申告要しないぞという……

委員

事実、一般のサラリーマンは必要としないのじゃない?

委員

もちろん必要としませんが、ただ、ほかに例えば雑所得があったり、申告しなければいけない所得があったり……。

委員

ここは事実を書いているのだよね。

委員

ええ。ですから、結局、確定申告するわけですよね。だから、年末調整だけで……

委員

還付申告する人はいるけれども、今どうなのだろう。文字どおり、一般のサラリーマンってそんなにしてないのではないですか。何割ぐらい? わかる? 要するに、自分の給料と、あと利子とか配当だけだったら源泉分離でやっているから、ほとんど行かないよねえ。医療費控除とか寄附金控除とか何かある人は別として。いや、それでいいのです。書き方ですけれども、「一般のサラリーマンは」と書くところが、「要しない」というあたりがちょっと気になるということね。

委員

ええ。

委員

ちょっと考えてみます。

どうぞ。

委員

ちょっとこれは質問ですけれども、2ページの所得区分からずうっと各種所得が並びまして、ものによっては廃止すべきであると。その後に、これはまた後に動かしていただいたものですが、金融所得の一体化ということで、6ページの(2)という、この区別をした上で、金融所得課税の一体化となっているのですが、中には「金融所得として一体化し」という書き出しがありまして、いろいろ論点、特に損益通算のことが書いてあるのですけれども、さて、この中で、金融所得という一つの類型を考えるという可能性がこの文章に含まれているかどうかということなのですが。

委員

それはあり得ないのじゃない?

委員

ないでしょうか。よくわからないのですが。

事務局

まさにご指摘があったので、ほかの所得区分の並びではなくて、(2)で整理したものでございます。実は金融小委の報告の中でも、あえてこの所得区分を変えることなくできると、こういう記述も例の金融小委の報告で書いてございまして、あえて金融所得という区分を設けるという趣旨では決してございません。

委員

いやいや、その趣旨はいいのだけれども、何か文句で、文章で書いてある? 今の危惧を払拭するような明確な文章あるかな。

事務局

あえていえば、6ページ、26行目でございますが、「法定の所得区分」。「様々な……属する……については、金融所得として」ということですけれども、これは概念、グループとしてと、こういう意味でございまして、あくまで様々な区分には属していると、こういう趣旨でございます。

委員

どうぞ。

委員

先ほどの実効税率引上げをどうするかという議論ですけれども、やはり政策的に引き上げるのだということを言うとすれば、必ずしも財政支出の話だけではなくて、国家財政の話だとか、あるいはいろんな所得税、あるいは法人税、その他の税金の間でどのような分担関係になるとか、やはりかなり踏み込んだ議論をやった上でないとそういう議論って僕はできにくいのではないかという気がしまして、ここはやはり、今まで我々、時代の変化にあわせて税率構造に歪みができているのを議論しようと、それから今度税源移譲や何かをやることに際して考えるべきことを議論するという話で来ていると思うものですから、あまり政策的な引上げ論だという感じにはならないほうがいいように思います。

委員

いや、後段でやりたいという気は十分に出しているのだ、これは。

委員

だから、12ページの議論でいいますと、「実効税率の水準を引き上げるためには」という、ここら辺の字句の調整、この一文、どのように書くか、いろいろ工夫はできるのではないかと思います。

委員

わかりました。今、税源移譲と定率減税の廃止だけで所得税改革しようというのはいかにも短期的に何やら手詰まりですから、やはり先を見て、ひずみ、歪みを直すときには、当然のこと、実効税率、控除、所得区分等々を直さなければいけないというのは当然含みであるわけですよ。だから、そこを前後関係がはっきりするとか、手順をはっきりするとか、何かメッセージがないと、今の委員のおっしゃったとおり、ちょっと心配ですよね。将来的には実効税率上げるということはやむを得ないならば、前提条件を、先ほどの委員が言うように、書けということですよね。

どうぞ。

委員

テクニカルなこと、先ほどの委員がおっしゃった12ページの、国と地方合わせるかというところですけれども、ここは今日合意していたほうがいいような気がするのですけれども、12ページの11行目からですよね。この11行目の「わが国の個人所得課税」と書いたところがわかりにくい。だから、これどうするかというと、上のほうで、地方のほうはフラット、住民税、フラット化して、国のほうは所得再分配機能を発揮できるように、5%まで必要だと。その次は、だから議論としては、そこを受けて、国の所得税に関する改革を議論するのだと割り切るならば、11行目の「わが国の個人所得課税」と言ったから悪いので、「わが国の所得税の実効税率は」とすれば、全部これは国になりますよね。そのほうがすっきりすると思うのですけれども。

委員

そのまた下に「50%」と書いているのですよ。

委員

そこはあえて「所得税・住民税あわせて50%」と書いたわけだから。

委員

そういう理解をすれば。今の個人所得課税も所得税のつもりでここで書いたのではなかったかなあ。ちょっとはっきりします。おっしゃるとおり、はっきりします。

委員

3ページの退職所得のところですけれども、これは私、ずうっと気になりながら今まで言ってなかったのですけれども、要するに、退職所得の課税上の取扱いによって支給形態に歪みが生じてはいけないということがまず根本的な問題ですよね。そのときに、17行目に、「あるいは短期間の勤務に対して不相応に高額の退職金を払う」というのがあるのですね。これが税制の問題なのか。これは短期でも軽減されているのでというところにつながっているのかもしれないですが、ちょっとここと、上の2行はよくわかるのですね。つまり、給与で払うのか、あるいは退職金で払うのかというので、税制上歪みを生じさせる可能性があると。ところが、「短期間の勤務に対して不相応に高額の退職金を払う」というのは、これは税制の問題なのかというのがちょっと、これは短期間でも軽減されているから、高額の退職金を払っているというぐあいに考えるのでしょうか。

委員

両方あるのではないですか。多分ね。僕は、外資系でこういう事実があると聞いたわけですよ。レギュラリーに払わないで、退職金が2分の1課税だから、寄せてしまうという話ね。それが1つと、それから税と関係なく、外国から来たのだから少し高額払うかというような話もあるだろうから。それで、あなたのご意見は、税にひっかけて書いたほうがいいというのですか。

委員

ということは、もしこれが税制が中立的になれば別の形態で払うようになるというだけの話ですかね。それとも、不相応に高額というのが問題なのか、ちょっとそこらが、不相応にというのが……

委員

ちょっとどぎつ過ぎるということだな。

委員

何か偏りを生むような原因があるような場合はこれは直しましょうというのがこの基本的なスタンスなので、ちょっと。

委員

税制第一課長、何かこの表現上の裏の……

事務局

「不相応に」と表現していうのはちょっとこう。言いたかったことは、月々の給料をあえて抑えて退職金に片寄せするという、そういう話なのですね。別に、普通の給料もらっている人に、いい社員だということでどーんと退職金を渡すというのまでどうこう言っているわけではございません。ちょっとここは考えます。

委員

どうぞ。

委員

もう一回ちょっと、このブラケットの幅を狭めるというのは税率構造の変化になるのではないわけでしょう。

委員

インカムブラケットを変えるわけでしょう。

委員

これを読むとね。それも入るのですか。

委員

入りますよ。

委員

1ページ、新聞記者が読めば、「税率構造を中心に抜本的な見直しが必要になる」と言って、この三位一体とごちゃごちゃにする。で、50%というふうにやると、要するに最高税率は40%になるねと読みますよね、普通。だから、そうではないわけでしょう。そうなの? 知らないけど。

委員

12ページの15行目以降の話?

委員

1ページと12ページ。

委員

さっきの関連ですね。

委員

ええ。

委員

それで、どういうふうに読まれてしまうという心配があるのですか。

委員

最高税率は50%でいいというのだから、今37%だから、40%というのをつくりますよという話を言っているわけですか。

委員

はい。

委員

あれは40%やるのだっけ?

委員

そうだよ。13%を10%に下げる。3%分、国に回して、とにかく50%は動かさないと。動かせという人がいるわけですよ。

委員

40%にするの? それじゃそれでいいのですけど。

委員

いやいや、わからない。これからの議論ですよ。40%にするなんて書いてないですよ。フラット化しましょうと言っていることは、5%が10%になり、13%が10%になるということでしょう。インプリケーションはね。

委員

それならいいのです。

委員

ただ、3%を何で37%に足すのだというご批判がまたあるでしょう。

委員

それならいいけれども、税率構造を抜本的に直すというと、随分いっぱい直すような印象はありますけどね。

委員

でも、10%にしてしまうというのは抜本ですよ、かなりこれは。大変な問題だと思いますよ、僕は。

委員

5%なんかつくるのも、それはすごいなあとかそういう話で、上へいくか下へいくか。

委員

と思うけどなあ。

委員

それならいいですが。

委員

そう思ってくださいよ。

委員

あとちょっと違うことですが、これはどっちかわからないのですが、18ページの公示の問題ですが、僕は反対なのですよ。トップ100人ぐらいはプライバシーを配慮してもらえていない人だと思うのですが、ただ、ここで理由として、まあいろいろ問題あるから「廃止を検討すべき」でもいいですが、だけど、理由として、「個人のプライバシーの配慮の観点からは」というのを入れると、代議士の資産公開もされるでしょう。これと関係ないけどね。そうすると、個人のプライバシーの配慮の観点からはあんなひどいのはないわけですよ。だから、あまりいろいろうるさいからというだけで、この「プライバシーへの配慮の観点」というのは理由として示さないほうがいいのではないかと思うのですが。

委員

ただ政治家は別ではないですか。

委員

だから、別でいいのですけど、そんなこと言えば、大金持ち、別じゃないですかとなるわけですよね。芸能人、別じゃないですか。作家だって、構ってもらいたい人がいるのだから、別じゃないですかと。

委員

ただ、しょっちゅう、廃止の理由として個人のプライバシーが出てきますので、仮に廃止ということを書いたら、理由を書かなくていいですか。

委員

「問題が多い同制度」でいいではないですか。

委員

ちょっと検討してみましょう。なるほどね。残したいという側から言うとそうなるけれども、ただ、いろいろ聞いてみると、結局これはオール・オア・ナッシングなのですね。残すか全廃かということしかなさそうな制度なので、片方、長年の税調の意向を踏まえてこうしたのですけどね。ご疑問はわかります。

委員

でも、やめるときっと、どこか抜いたとかやられるよ。

委員

その関連で、ここに「個人のプライバシーへの配慮の」云々と書いてありますけれども、上のところには、「所期の目的外での利用」云々かんぬんと、やはりここに理由が書いてありますよね。「犯罪や嫌がらせの誘発の原因となっていることについて種々の指摘がなされている」と。したがって、下のほうの「プライバシーへの配慮の観点」がなくてもいいような気もします。私も、今の委員と同様、廃止反対の少数意見のほうですが、念のために言っておきます。

委員

わかりました。じゃ、どうぞ。

委員

ちょっとよくわからないので教えていただきたいのですけれども、事業所得に関する概算控除制度というのは、正しい記帳に基づく場合は必要経費として認めるけれども、そうでない場合に一定の概算控除を認めるという、その後者のほうを概算控除制度というという理解でいいのですか。

委員

ちょっと説明してもらいましょうか。どうぞ、税制第一課長。

事務局

基本的には、ちゃんと証拠がないと経費を算入できませんと、認めませんということですが、実は本当にゼロ、損益算入ゼロにできるかというと、これはやはり何らかの必要経費もかかっているであろうということでございます。ゼロにするために、当方が、課税庁側が、あなた、ゼロよというふうに立証できるかという問題もございます。そういったことを考えて、むしろ、ある種、やや低めの経費率、これは認めると。むしろそうでないよということを今度は納税者側が立証して、積み上げをして、例えば粗利の何%以上、実は経費かかってますということを納税者側が立証してくださいと。こういう制度ができれば、いわゆる税務の現場もスムーズにいくのかなという、あくまで一つの工夫、アイデアとしての記述とご理解いただけたらと思います。

委員

要するに、これは記帳しないと不利になりますよというメッセージだよね。記帳しないと、丸めて、より低めでしか認めませんよという話にしていこうという意味の概算。だから、この間、標準率というのは昔やめているのにまたこんなのと、他の委員から出ましたけれども、それとまた話違うのですね。

どうぞ。

委員

極めてつまらない話なのでやめようかと思ったのですけれども、文章直してほしいとかいう話ではなくて、「雑所得」という言葉、拡大するわけですよね。一時所得を包含したりなんかして。この前、委員が、雑所得で食べている身としてはという話をしていたのですが、これはいいアイデアがないのですが、何かいい言葉に……

委員

これは今さら直せないよね。法律用語でしょう、「雑所得」というのは。

委員

だけど、もし直るとすれば、ここで改革、論点整理をやるわけでしょう。だから、無理にとは言いませんけれども、もし工夫ができるのなら、この「雑所得」という言葉はあまり……

委員

あらゆる分類していって、最後に残ったやつでしょう。何かありますか、言葉。ほかに。

委員

だから、ないので。

委員

ないと思いますよ。

委員

じゃ私も一言。私は雑所得ではなくて給与所得なのですけれども、原稿書いて暮らしているという点では同じようなものですけれども、たまに外部のメディアに書いて、そこから原稿料をもらえば、これは雑所得になりますわね。私のケースなんかでは、それは雑所得と言ってもある程度納得はできるのですけれども、一方で、文字どおり原稿料で暮らしている人いますよね。その場合は事業所得ですか。

委員

あれはいろいろ入っているのだよ。

委員

なるほど。いずれにせよ、原稿料だけで暮らしているような人だったら、そういうのを雑所得だなんて言われると、ちょっと違和感感じるのではないかなという気はしますよね。

委員

同情ですね。ただ、これはいいアイデアないですなあ。

委員

でも、なかなか、雑のない、乙な感じしてきたよ。

委員

雑文書いているのだものね、しょせんは。私も雑所得ありますからね。雑文ですよ、しょせんは。

さて、ぼつぼつ時間になりましたけれども、いいですか。最後までいろんなところで細かく目配り、気配りしていただきまして、これは修文したものを火曜日にお出ししたいと思いますけれども、それほど決定的に違うということはないので、修文等々、もう時間もございませんから、ご一任いただけますか。よろしいですか。そうむちゃなことはしませんから、皆さんの意向を最大限配慮いたしまして修文に努めたいと思っています。

それでは、火曜日に、先ほど申し上げましたように、3時にお集まりいただきまして、1時間ほど、最後読み上げ、かつ、修文をどうしたかというご説明をしていただきまして、そして公表したいと思いますが、当日はやはり2人大臣が来ていろいろ、まあお礼を言ってくれるのだと思いますけれども、だれもいないと困るから、みんな来てください。少ないといけませんので、ということであります。そういう意味で、基礎小は中止しましたので、総会だけという形で、3時からということで、よろしゅうございますか。

どうも今日は活発な議論をありがとうございました。今後も大いに頑張りましょう。

〔閉会〕

(注)

本議事録は毎回の審議後、速やかな公表に努め、限られた時間内にとりまとめるため速記録から、財務省主税局及び総務省自治税務局の文責において作成した資料です。

内容には正確を期していますが、税制調査会議事規則に基づき、事後の修正の可能性があることをご承知置きください。