総会(第24回)・基礎問題小委員会(第28回)合同会議後の石会長記者会見の模様

日時:平成17年1月25日(火)16:04~16:33

石会長

それでは、今年最初の合同会議、つまり総会と基礎問題小委員会をあわせて行いました会議を踏まえて、今後どういう形で税調を運営していくかということにつきまして、思っていることを少し述べさせていただきます。

予想どおり、皆さんいろんなご意見をいただきまして、これをベースにして今後、年末にかけての大体の主要な論点と、それからスケジュール感が出てきたかなというのが率直な印象であります。やはり大きなテーマとしては、2010年代初頭のプライマリーバランスの回復をするというところで今日はさまざまなご議論がありました。それは、実務的な話から理念的な話まで、それから基本的な構想の話、いろいろありますので、それを受け止めて実のある議論にしていきたいと思いますが、やはり主計局の説明に対する反論として、歳出カットがもうちょっとやらなきゃいかんと。とりわけ人件費の問題が色々上がりましたけれど、あれはおそらく基本的に、今後、議論としては中心になってくるのではないかと、このように思っております。増税ということが次第に表にたってきたときに、歳出カットの具体的なことで、シンボリックにという形で、ある委員が人件費を挙げられておりましたが、おそらくその辺の話がひとつ大きな論点になろうと思われます。と同時に、最後のほうで議論になりました、増税の、言うなれば背後にあるさまざまなロジックですね、言うなれば、なぜそれをせにゃいかんかというときに、やはり世代間の不公平、あるいは保険でやるのと税でやるのと、負担を上げるときの意味の違いですね。そのこともしかとした議論を踏まえませんと、財政再建の意味がわからなくなるというのは、まさにそのとおりだと思っています。まずそういう大きな視点から議論しなきゃいけないという領域があると、このように考えています。一言で言えば、歳出歳入の一体化というなかで、歳出面に対しても我々はそれなりの意見を言わなきゃいけないと思いますし、歳入のほうで、やっぱりこれから本格的に増税をめぐる議論にならざるを得ないというのはわかっておりますが、それに行き着くまでのさまざまな、言うなればハードルがいっぱいあるなという感じがいたしました。それが総括的な意味の第1点になります。

それから第2点は、ほとんど予想いたしました形で個別の税の検討事項が挙がったかなと思っています。所得税、住民税の税源移譲の問題につきましても、あまり技術的な細かい話はでてきませんでしたが、まあそこに隠されていた地方交付税、つまり税源移譲の中身として地方交付税の対象の税目をどうするのかというような意見も新たにでました。具体的には、控除見直し等々をどうするのかという大きな問題も抱えておりますので、それはまず第一義的に最初にやっていかなきゃいけないと、このように考えています。

それから環境税の問題、これも委員のなかで意見の分かれるところでございますが、今日、我々の意見としては、やはり既存の税制等の見直しで、言うなれば振り替え、既に化石性燃料にかなりの税負担がいっておりますから、それを改めて振り替えるといったようなあたりに大分支持が集まったかなという感じがしておりますし、まあ一般財源化の議論を踏まえて環境税というのは議論しなきゃいけないし、最終的にまさに税の話でありますから、他省庁の議論というよりは、税調を主体とした税務官庁の責任にくるのは目に見えておりますから、その基礎的な議論をしっかり踏まえたいと、このように考えています。

それからNPO法人を含めての公益法人のなかでの課税問題、とりわけ寄附金税制について、たまたま災害が続いております。例の大津波の寄附の話もございましたが、あの辺の問題意識はこれからますます重要になろうと思いますし、それから官と民だけがすべからく経済の主体ではなくて、第三セクター的な意味合いの真ん中にありますNPO法人的なところの活躍は、今後日本にとっても非常に重要でありますから、その問題につきまして、寄附金税制という切り口から幾つか問題点がでてくると、このように考えております。

まあどこまで抜本的に議論ができるかというのも、最後に議論として登場いたしましたけれども、とりあえず来年にかけて、できるだけ幅広に、かつ深めた議論をしていきたいと思っていますが、最後に申し忘れましたが、消費税の財源問題、今日これ、議論された方がおりますし、それからまあ何となく、税率アップに関しては国民の支持も集まりつつあるようだということに対しましては、非常に疑問を投げかけた方もいらっしゃいますし、この問題はおそらく一筋縄にいかないと私も重々わかっております。そういう意味で政治的な世界になりますと、消費税との係わりで社会保障の財源はあっちいけこっちいけという形で、我々が年来主張しております一般財源という方向は次第に薄れてくる可能性も十分あります。ただ理論として、理屈としてですね、我々、しっかりしたものをたてない限り、消費税の値上げに対しての国民の支持は集まらないだろうと思いますし、まあ、まさに財源を特定化するところも踏まえまして、この議論も幅広にやっていきたいと、このように考えております。

そういう意味で、2月、3月の社会保障の勉強会を経た後の税源移譲の問題、環境税、それから公益法人の問題、それから消費税、まあ酒の問題は具体的な姿形をどうするかということで議論もでましたけれども、当然酒の問題。まあ今日は納番がでませんでしたけど、それもいずれ視野に入ってくるだろうと、このように考えておりまして、大体年末にかけての取り扱うべき主要な税制改革の今後につきましては、ひと当たり皆さんのご関心も聞いたので、従いましてこれから議論を深めていきたいと、このように考えています。

そういう意味で私座長といたしまして、大体スケジュール感というか、主要な問題の領域が固まったかなあというのが、今日のウォーミングアップの最初の会合としての収穫であったと考えております。

感想は大体以上であります。

記者

まず最初に、大きな視点からの議論ということでプライマリーバランスの改善等のお話がございましたが、まず年末にまとまりました予算案についての会長の総括と、昨年以来、税調と財審の連携ということが課題に挙げられておりましたが、新年度以降、この連携はどういうふうに今後深めていかれるのか、何かイメージがあったら教えて下さい。

石会長

予算案に対するコメントというのは、まあさまざまな形から可能でありますし、表面的にみれば、確かにプライマリーバランスも減りましたし、まあそこそこ削減の跡がみえようかと思います。今日ある委員がおっしゃっていたように、これは巷のほうからみると必ずしも十分でないと。まあ2兆円規模の税収があったということが大きな理由で一般歳出も減ったかもしれない、プライマリーバランスも回復したかもしれない。なにやかにや言っても、制度的に国から地方へいく補助金の流れのなかで国保の補助金が一部向こうへいったというようなことを踏まえて、歳出の整理・合理化が進んだというような言い方も、ちょっとこれはおかしいだろうと思います。まあ一歩を財政再建のほうに踏み出したとはいえ、方向性は非常にいいと思いますが、今後ますますこの方向を進めておかなきゃいけないなという形で、今後の成り行きに期待していると。今日の話にでてきておりませんけれども、まあ大型公共事業のプロジェクトみたいな議論は多分残るんでしょう。そういう意味で、次は人件費、それから定員削減、これが非常に小さな嵐になっているという点で不満もありましたけどね、まあその点は私もそのように思います。

それから、歳入歳出の一体化の議論というのは今、経済財政諮問会議で始めました。これはある意味で一国の経済、あるいはマクロベースでやるということでありますが、おそらく財政審と税調が一体化するとなると、やっぱり国のプライマリーバランスということが主流になるのかもしれない。ただ、まあ総務省が入ってきますと地方も入りますけどね。

なかなか…、審議会は縦割りになっておりまして、具体的にどういう形で連携するかと。今日も主計局の調査課長に来てもらいましたし、私が向こうへ行ったりという意味で単独で交流はしております。有機的にグループというか、組織としてどうやるかということは、ちょっと今はまだ具体的にはありませんが、西室さんあたりと少し議論しつつ、主税、主計の事務方ともよく相談して、もっと具体的にできるようなことがあればというふうに今考えています。

記者

最後に消費税についてのお話がありましたけど、2月、3月、社会保障の財源の勉強会というお話ですけども、この勉強会というのは具体的にどういったことを議論して…。

石会長

今日、田中さんからも議論がありましたように、やっぱり税負担を引き上げると言いつつも、ほかのタイプとしては保険料があるんですよね。その辺の具体的な議論というのを税調は今までやったことない。とりわけ基礎年金、3分の1を2分の1にする、その先、100%税でやっちゃうような議論も随分横行してますよね。そういうことについての議論もしてない。それから、とかく年金だけに財源問題というのは引っかかってますけど、実は医療も介護も、これからやっぱり財源問題は非常に大きいんですね。まあそういう意味で社会保障全般について、税でやるのか、保険料でやるのか、はたまた受益者負担みたいな形でいくのかという大きな視点からの議論は今までなかったので、これからそういう議論が必要で、そういう意味で全体を見通せるような研究者からの話も聞いて、我々、参考にしながら吟味をしたいと、このように考えています。

そういう意味で、消費税が即でてくるという話では多分ないとは思いますけども、ただ、税負担の議論等々がでてくれば、そういうことで言及することもあり得るかもしれない。それは4月以降の、あるいは夏以降の大きなテーマであると思ってますので、2月、3月はその辺がダイレクトにでてくるということは多分ないでしょう。

記者

今の社会保障ですけれども、なんか中間的に取りまとめとか、そういうイメージはあるんでしょうか。

石会長

ここ2年、6月に中間報告的なものを税調はだしてまいりました。昨年が経済社会の構造変化についての勉強会の成果、その前が、たしか少子・高齢社会における税制のあり方をやりましたよね。そういう点で6月…まあ今回は7月になりますかね、その間のなんかある種の成果が、中間報告の段階まで実ってくればぜひやりたいんです。そういう主要なテーマは、おそらくそれまでの議論経過からいいますと、社会保障の問題もしかり、税源移譲の具体的な国税として、地方税としての税制の成り立ち、あるいは環境税とか公益法人のグループも入ってくるかもしれません。そこをまとめておきますと、夏から秋にかけての税制の論議に土俵がある程度設定できますので、できれば、と思ってますが、それまでの議論の整理であります。だから、今のところは半々かなあ、感じとして。個人的には是非やりたいと思ってます。そのときのテーマは、それまでの議論の進捗によると思います。

記者

社会保障財源の議論のなかで、どうしても自ずと消費税の話ってでてくると思うんですけど、例えば年内にある程度の税率のターゲットを絞るとかですね、なんか具体的に…。

石会長

秋に、具体的にいつで、どのぐらいかなんていう、粗々の議論というのは多分でてくるんでしょうけど、税調としては2桁ということを既に言っております。まあ政治家が大体2007年度以降じゃないかという、そういう落ちつき先もまあだんだん示唆するようになってきているし、それから昨日の国会答弁で小泉さんもやや一歩踏み込んだ形で消費税というようなことを言っておりますから、我々が言わんでも、自ずから秋以降には、それとなく何となくわかってくるような話になるのかもしれない。そこに我々がどれだけ正確にコミットするか。ただ、我々はあくまで企画、プランの作成係でありますから、政治の決着というのはどれだけできるのかわかりませんが、そのときの議論の方向で具体的に物を申すことがあり得るかもしれません。

記者

プライマリーバランスの黒字化なりの財政の健全化に向けて、まあ消費税増税というのも考えられていると思うんですけども、先ほどでた歳出削減とどういうふうに分担していくのかみたいな、そこら辺というのは前、一時ちょこっとでかかったことがあると思うんですけども、今の段階では会長はどんなふうにお考えですか。

石会長

難しいですね。つまり、歳出削減がある程度達成されないと、増税には絶対こたえないというのが普通の言い方でしょうし、ただ抽象的な漠とした希望的観測で歳出カットと言ってもあんまり進まないんだよね、これはね。だから、今日はたまたま人件費の問題がでましたけれども、ああいう具体的な形でなんか切り込んだ話がどこまでできるか、で、それを誰が責任をもってどうするかという工程表みたいのができませんとね。まあそういう意味では私は、諮問会議で歳入歳出一体化のなかで今のところマクロベースの議論をしておりますが、昔、橋本さんが財政構造改革法をつくって、各個別に何%を削減するというターゲットを決めたような、まああの種の手法が今後とれるかどうか。ああいうものがないと多分動かないでしょうね。と同時に、歳出カットがある程度効果がでるまで、一切合切増税はできないか、しないというのも筋かもしれないけど、そんな時間的余裕があるのかなというのがかなり心配なんですよ。歳出カットというのはかなり時間がかかるでしょう。効果があらわれるまでかかるでしょう。それまで一切税負担に手をつけられないかというのも、これまた難しい話なので、どういうふうに歳出削減を担保して、特に政治的に担保して、それで国民に考えてもらうかと。つまり、年金とか医療とか介護を維持するためにコスト負担は必要なんですよね。それをいつなる段階で、どのぐらい応じられるかというような議論をこれからやらなきゃいけないなと思ってます。やはり同時的に話を進めていかないと、もう時間的にどんどんどんどん赤字が膨らんでいくというような方向、まあちょっと歯止めはかかってきましたので、いい方向かなと思ってますけど、一歩二歩前進じゃなくて、もうちょっと大きく踏み出さないとだめだね、半歩ずつ小刻みにいってたんじゃあ…そんな感じします。

記者

最初にちょっとお触れになった環境税のところで、既存の化石燃料にかかっている税との振り替えるようなことについて支持があったような感じだとおっしゃったんですが、環境税を例えば導入する、しないという議論をするときに、既存の他のエネルギー関係の税からそのままかえる形でやるのか、あるいは環境省が言っているような新しいもの、仕組みで何かやろうというのか、今の会長のお話だと、振り替えるほうに支持があったようなという、たしかそういう…。

石会長

小泉さんの話ですか、今おっしゃってるのは。2つあるんですよ。まったく新しい新税でやるのか、それとも既存税制を振り替えるのか、この2つはおそらくまだ決着もついてないし、これから大議論だと思いますよ。おそらく新税創設派は、今まである税負担の上にのっけない限り抑制効果は少ないよという言い方をすると思いますね。ただ、既存税制の活用というのはご存じのように5兆5,000億円ぐらいある、暫定税率分も含めて5兆5,000億円ぐらいある、揮発油税等の税負担というものの一部を環境税という名のもとに新しい税としてたてさせて、まあアナウンスメント効果等々を含めてやっていくという考え方も大いにあり得るだろうし、それはある意味でガソリン税の一般財源化ですよ。これは、私の前会長の加藤先生以来、税調としては一般財源化やるって、もうはっきり書いておりますので、一般財源化という意味はですね、道路特会では使わないということで、まさにその言葉の背後には環境ということで集めるというような配慮がきいてきてもいいと思うし、税調としては振り替えるほうが強いですね。今日も大分議論がでましたように、まあ暫定税率がなくなる時期あたりがひとつポイントかなとは思いますけどね。まあ議論をそこに向けていけたらとは思ってますけど。

記者

今日、さっきの総会のなかでも少子化の部分も考えたほうがいいんじゃないかという意見もありましたが、今年は少子化対策に向けて税調で何らかの話をしていくつもりはあるのか、もしあるとすれば、どういうイメージを。

石会長

今日、少子化の問題提起についてフォローがなかったんですが、実は年末からの議論でも、やっぱり少子化対策というのがひとつ大きな目標になって、そこにあるドカッと議論を集中させ、あるいはカネを投下する価値があるんじゃないかという議論がございました。まあ問題は、税でやるとなると限度がありますよね。納税者でないと少子化対策で所得控除をつくっても、効果ないということはありますけど、ただそうは言ってもですね、今ある扶養控除といったようなことでいいのかどうか。これ、既に所得控除から税額控除へという問題提起をしています。おそらく所得控除というのはこれからどんどん見直し、見直しという意味は縮減、廃止されていく過程のなかで、どうしても基礎的な控除はある程度引き上げろということになれば基礎控除、扶養控除でしょうから、まあそういう意味で少子化というものについて税制の対応というのは随分問題意識を持っています。特に高齢化対策のほうにとかく目がいきがちであったと、これを少子化のほうにもっていこうというのは、税調のなかでも大きな流れでありますので、これを具体的な施策としてどうですかという問題をこれから議論したいと思ってます。

記者

その控除なんですが、所得税の給与所得控除、それから配偶者控除の縮減のような話は、18年度改正のテーマにはならないんですか。

石会長

あるべき税制という視点から幾つか具体的に、この控除、この控除は問題であるじゃないかというなかに、今の給与所得控除とか配偶者控除が入ってます。で、おそらく清々粛々とやるなら、そういうのが次の議題になると思いますが、ただ、ご存じのように税源移譲の問題がでてきましたね。国税から地方税へと。その流れから言うと、所得税というのは3兆円規模で削減しなきゃいけない。それはある意味で結果的には減税なんですね。控除見直しというのは増税になるんですよ、控除の縮減、合理化というのは。まあそういう意味でちょっと方向が逆なんでね、若干時間的に少し差を設けてやらないと、あるべき税制という姿からの課税ベースを広げて所得控除削減というのが一挙に、同時にはなかなか難しいでしょうね。ただ、問題意識は十分もっていますので、そっちの方向で議論はしていきたいと思ってます。税源移譲ということをやりつつ、定率減税というのが廃止という形で、少なくとも所得税は増税になりますよね、あれが廃止になるんだから。まあそういうなかでどのような収斂をしていくかということなんでしょうね。そういう意味でちょっと性格の違うものがあるので、我々としてはちょっと苦労しているというのは事実であります。が、長い目でみたらそこをやらなきゃいけないと思ってます。そのときには、給与所得控除、配偶者控除、それからまあ退職金かな、その辺が1つの争点にはなると思います。

記者

個別の話で恐縮ですが、お酒の税なんですけれども、また年末、年明けに向けてメーカーがいろいろな新しい製品の投入があったりして、まあ税調の方向性には反発も強まっている部分もあるんですけれども、お酒の税の見直しに関してどういうスタンスで臨まれるかということと、これからメーカーとの話などもどういう段取りで進めていかれるかということをお願いします。

石会長

きわめて単刀直入なご質問ですがね、我々みんな関心がある問題だと思いますが、税調も関心があるんですね。そこで、四社そろいぶみで第三ビール的なものを出すというふうに決まってきました。まあそういう意味で一社だけに話をするのと様子は違ってきたと思います。ただ、酒税というものはきわめて家計の消費パターンにも影響があるので、そう軽々にですね、第三ビールができたからといって、やにわにその品目だけ狙い撃ち的な議論というのはしにくいし、するべきでないと思ってます。そこで、夏以降、秋になるかなあ、やっぱり酒税をどういう格好でやるかと。まあ大体、あらあらはもう新聞で報道されてますように、10個ある種類は多すぎるから3つ4つにくくって、同種同等の負担というのを一つの旗頭で、一つのターゲットでしょうけど。ただ、できたらですね、各国各様にさまざま、お酒の税金は苦労してるんですよ。まあそういう意味で今年夏以降ですね、酒ということに問題を絞って、ちょっと海外の状態も調べてですね、慎重にその辺の議論も踏まえ議論したいと思いますが、ビールだけの話なのか、その他の例えば清酒とかワインとかウィスキーとか焼酎のところまで含めた意味での大きな問題になるのか。それはちょっと今のところわかりませんが、ただ、私はこの際、大きな意味で、まあ俗に言われる酒税の抜本改革をやるべきだと思ってますので、本格的な議論を夏以降、海外の状態も踏まえつつ議論を展開したい。そのときに、今申し上げた種類の簡素化と、そのなかでの同一の負担という議論に多分なっていくだろうと思いまして、まあ上げるものあり、下げるものありという形で、だんだんある均一の水準にもっていくというような議論が主流を占めるかなと。ただ、まあ一挙にできませんから、おそらく軽減緩和なのか、あるいは差を縮める程度で、とりあえず均一化ってことで時間をかけるということで、方向性は出したいと思ってます。

記者

社会保障の話に戻るんですけど、給付と負担の、その負担のうちの税以外に給付のほう、歳出カットで先ほど人件費の例がでましたけれども、給付のほうも議論するお考えはあるのかという点と、会長、あり方懇もやられて、まあ昨年末は意見を羅列しただけの中間整理がでましたけれども、社会保障ってどうしてもそういうことになりかねないような懸念があると思うんですが、どのように議論を集約していくおつもりですか。

記者

社会保障給付にまで税調が口をだすというのは僕は難しいと思ってます、役割上ね。ただ、私もあり方懇にでておりましてですね、そのルートを通じて社会保障給付の見直し、見直しというのは縮減のほうですね、それについて幾つかの論点がありますので、それを紹介しつつ、税調で議論があればまた戻って、あり方懇でも説明したいと思います。とりあえずコスト面だけではなくて給付面のさまざまな、まあやっぱり見れば、過大になっている点、無駄になっている点、もうちょっと縮減してもいいような点が多々あるんだと思いますね。まあ最近は介護が一番問題になってますけどね。そういう意味で全体像について発言を税調として言うことは難しいかと思いますが、部分的に非常に問題になるような点、あるいはコストと受益との関係においていかなるものかというような点があれば、それはこれから積極的に発言していくぐらいのことはしてもよかろうと考えてますので、まあそれぐらいの問題意識はもっています。

記者

今の話ですけれども、2月、3月で社会保障、勉強会という言い方でおっしゃっていましたが、どういうことを勉強するということと、あと例えばですね、それを受けて何か議論するとする場合にどんな話がテーマとしてでてくるんだろうということをですね。

石会長

ちょっとまだ具体的にお答えできないというのは、どういう方を呼んで、どういう議論をしようかというところのまだ具体的な人選なりは進んでないんです。そこで2月、3月、勉強会と言ったのは、やっぱり国会最中で事務方は多分国会のほうの対応に随分使われていると同時に、現に税制改正法案がかけられておりますから、あんまり生々しい話はできなかろうということも、まあ一理ないことはないなと思ってるんですよ。そういう意味で事務方の負担が少ないという意味において、社会保障の財源問題に詳しい方を、まあ1回2人ぐらい呼んで、そこで、まあ端的に言って税がいいのか保険料がいいかというような議論を投げかけたり、あるいは今後おそらく年金、介護、医療のなかの全体の一体化見直しのなかで、給付のほうをどう調整するかということもさることながら、やっぱり負担というのをどうするのかという議論が多分でてくるんだと思いますね。そういう意味で、今人選を進めているところで、まだ具体的に相手の、まあ2月、3月って特に大学の研究者を頼むならえらい忙しい時期にありますので、きてないんですが、例えば問題提起をしてもらって、それをベースにして議論を繰り返していこうと。ある意味では昨年の今頃から始めました経済社会の構造変化のときのベースをつくった社会保障のパーツですね、あれをもう一回、財源問題という点で絞って繰り返すということになるかもしれません。そんなイメージで考えております。

(以上)