（資料5）近年の主要欧州諸国における税制面からの地球温暖化対策の取組み（未定稿）

（燃料税のエスカレーター）

〇 1993年以降、CO2を削減するため、インフレ率＋α％の率で燃料税を増額する、いわゆる燃料価格エスカレーターが採用されていた。（'93～'94は＋3％、'94～'96は＋5％、'97～'99は＋6％。しかし、2000年度改正でエスカレーターは停止され、税率引上げは個別に判断されることとなった。）

（気候変動税）

〇 2001年から、産業用の化石燃料消費及び電力消費を課税対象とする気候変動税の導入が予定されており、現在、法案が国会審議中。

〇 1998年9月の総選挙で、社会民主党と同盟90・緑の党（「緑の党」）の連立政権が発足し、環境対策がより積極的に進められることとなった。

〇 1999年3月に「環境関連税制の開始に関する法律」が成立し、電気税が新設されるとともに、既存の鉱油税の引上げが行われた。

〇 併せて、新設の電気税及び既存の鉱油税について、2000年以降4年間にわたり、税率が段階的に引上げられることが法定されている。

〇 原子力発電への依存度が高く、CO2排出量は比較的低いレベルにあることから、必ずしもCO2削減に積極的でないとされていたが、既存の汚染活動一般税(廃棄物、大気汚染物質、航空機騒音等について企業に対し課税)を拡張する形で2001年から化石燃料消費に対して炭素含有量に応じた課税を導入することについて検討されている。

〇 燃料に対する従来の石油産品内国消費税の取扱いについては、未定。

〇 1999年、石炭、コークス等を既存の物品税の課税対象に加えるとともに、鉱物油に係る物品税率について、2005年1月まで段階的に引上げる旨(暖房用メタンについてのみ引下げ)が定められた。

（気候変動税）

〇 基本的に、各燃料ごとの炭素含有量の平均値を用いつつ、エネルギー量を課税標準としている。

〇 従来の燃料税の課税対象及び家庭用・発電用・輸送用の燃料・エネルギーは非課税。エネルギー大量消費型産業については政府と省エネルギー目標に関する協定を結んだ場合の80％軽減措置等の減免措置が設けられている。

〇 99年のパッケージにおいては、国内の産炭地への配慮から、CO2排出量の多い石炭が適用対象外となっている。

〇 鉱油税の税率は必ずしも炭素含有量に対応したものではない。

〇 電気税・鉱油税ともに、製造業者等に対しては、一定量以上の消費の場合の税率軽減等の減免措置が設けられている。

〇 税率は、基本的に炭素含有量に比例。

〇 一般家庭のエネルギー消費活動については対象外

〇 エネルギー多消費型産業等については、減免措置を検討中。

〇 税率は、炭素含有量等を考慮して定められている。

〇 発電用の鉱物油等については、減免措置が設けられている。