官報の電子化について

2023年12月14日

令和5年(2023年)の第212回臨時国会で、官報の電子化に関する法律が成立しました。

「官報」は、国の法令や公示事項を掲載し国民に周知するための「国の公報」であり、明治16年の創刊以来、紙の印刷物として発行されてきましたが、今後はインターネットを利用して電子的に発行することとなります。

今回成立した法律について、以下のとおり概要とポイントを紹介します。

  1. 官報の発行に関する法律
    ①概要
     明治16年の官報創刊以来、官報の発行に関する法律はありませんでした。また、法令の公布を官報をもって行うことについても、昭和22年の日本国憲法の施行の際に「勅令」が廃止されて以降、このことを明文で定めたものはなく、慣行として行われてきました。
     こうした中、我が国のデジタル化の象徴として、官報を電子化するため、ウェブサイトによる官報の発行方法等を定める法律が成立しました 。
     これにより、これまで掲示場や官報販売所等を通じて閲覧・販売されていた官報が、今後はウェブサイトで「いつでも・どこでも・無料で」閲覧することが可能となります。
     また、インターネットを利用することができない方への配慮のほか、通信障害や災害などの事情によりウェブサイトで官報を発行できない場合の代替措置等についても、本法律で定めています。
    ②ポイント
    ・官報の発行に関する新法として、官報の発行主体(内閣総理大臣)、官報に掲載すべき事項、官報の発行方法等を規定
    ・法令の公布等は、官報をもって行うことを規定
    ・官報の発行は、ウェブサイトにより行うことを規定
    ・ウェブサイトでの公開は、内閣府令で定める「閲覧期間」 継続して行う。ただし、法令や政府調達公告等の情報は永続的に公開
    ・インターネットを利用することができない方への配慮のため、官報の情報を記載した書面を販売するなどの措置を規定
    ・災害等の事情が生じた場合には、書面の掲示により官報(「書面官報」)を発行
    ・施行日:公布の日から1年6月以内(一部の規定を除く。)
    (注) この法律を立案するに当たっては、有識者からなる会議で検討がなされています(参照:官報電子化検討会議)。
     
  2. 官報の発行に関する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律
    ①概要
     官報の電子化に伴い、官報が紙の印刷物であることを前提とした規定の改正を行うなど、関係法律(計7法律)について所要の整備を行うものです。
    ②ポイント
    ・独立行政法人国立印刷局の目的及び業務の範囲を変更(独立行政法人国立印刷局法)
    ・その他関係法律における官報が紙の印刷物であることを前提とした規定を改正(鉄道抵当法等) 等

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