南スーダン国際平和協力業務(2011(平成23)年~)
- 南スーダン共和国
【首都】ジュバ
南スーダン共和国基礎データ(外務省ホームページへ)
スーダンでは、1983年以降、北部を拠点にアラブ民族主義に基づく国家建設を目指すスーダン政府と、南部を基盤としたキリスト教徒主体の反政府勢 力との間で、20年以上にわたり武力紛争が続いていましたが、東部アフリカ諸国とアメリカ合衆国等の仲介により、2005年1月、「南北包括和平合意」が 署名され、内戦が終結しました。
これを受けて、国際連合安全保障理事会は、同年3月に安保理決議を採択し、和平合意の履行の支援、難民及び国内避難民の帰還の促進・調整等を任務とする国際連合スーダン・ミッション(UNMIS)を設立しました。我が国は、国際平和協力法に基づいて、スーダンの安定化に向け、人的な協力を積極的に行うため、2008年10月から2011年9月までの間、UNMISに2名の司令部要員を派遣しました。
2011年1月、南部スーダンの独立の是非を問う住民投票が実施され、約99%が南部スーダンのスーダンからの分離を支持するという結果が出たことを受け、同年2月、スーダン政府は、この結果を受け入れる旨の大統領令を出しました。
同年7月8日、安保理は、平和と安全の定着及び南スーダンの発展のための環境の構築の支援等を任務とする国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)の設立を決定する決議第1996号を採択しました。翌9日、南部スーダンが「南スーダン共和国」として独立するとともに、UNMISSが設立されました。これに伴い、UNMISはその活動を終了しました。その後、我が国は世界で一番新しい国、南スーダンに新たに設立されたUNMISSへの司令部要員及び施設部隊等の派遣を開始しました。
施設部隊
2011年12月20日の閣議において、陸上自衛隊の施設部隊等の派遣が決定され、2012年に、南スーダンの首都であるジュバ及びその周辺において道路等のインフラ整備などの活動を開始しました。
2013年12月の南スーダン政府と反政府勢力との衝突を受け、2014年5月27日の安保理決議第2155号により、文民の保護がUNMISSの優先任務とされました。このため、施設部隊の活動もそれに資する施設活動が優先され、要員の安全を確保しつつ、首都ジュバ及びその近郊において、主要幹線道路の補修や国内避難民サイトの整備等を実施しました。2016年7月に再び現地治安情勢が悪化しましたが、それ以後も要員の安全を確保しつつ、活動を継続しました。
また、2012年8月からは、オーストラリア軍から派遣されている2名のUNMISS要員との間で、国連を含む関係機関との連絡調整等に関する協力を行いました。
2017年3月、国連の地域保護部隊の展開が開始されつつあること、キール大統領より民族融和を進めるため国民対話の開始が発表されたこと、国連施設の整備が同年4月末に、道路整備も同年5月末までに完了する見込みであることから、施設部隊の活動は同年5月末をもって終了することが決定されました。
2017年5月25日、施設部隊は南スーダンから撤収しました。
司令部要員
UNMISS司令部
国連から日本のUNMISSに対する協力への期待が表明されたことを受けて、日本は、2011年11月15日の閣議において、UNMISS司令部要員の兵站幕僚及び情報幕僚として、自衛官2名を南スーダンに派遣することを決定しました。その後、同年12月20日の閣議において、施設幕僚として1名を追加派遣、2014年10月21日の閣議において、航空運用幕僚として1名を追加派遣、2024年4月19日の閣議において、人事・評価・訓練担当の副参謀長及びその補佐官としてそれぞれ1名を追加派遣することを決定しました。
- (1)副参謀長(人事・評価・訓練担当)(人事及び教育訓練に関する企画・調整)
- (2)同補佐官((1)の補佐)
- (3)兵站幕僚(軍事部門の兵站全般の需要に関する調整)
- (4)情報幕僚(データベースの管理)
- (5)施設幕僚(施設業務に関する企画・調整)
- (6)航空運用幕僚(航空機の運航支援に関する企画・調整)
- 国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)への派遣に関する動画はこちら
※30周年記念シンポジウムで上映されたもの
連絡調整要員
UNMISSに派遣された司令部要員や自衛隊の部隊等が円滑かつ効果的に活動を行えるよう、現地において関係機関との連絡・調整などを行うため、ジュバに連絡調整要員を派遣しています。