ルワンダ難民救援国際平和協力業務(1994(平成6)年)

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ルワンダ共和国

【首都】キガリ

ルワンダ共和国基礎データ(外務省ホームページへ)別ウインドウで開きます

コンゴ民主共和国(旧ザイール共和国)

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ルワンダ共和国における内戦を契機に周辺国に流出した大量の難民は、コレラ、赤痢などの蔓延により多数の死者が出るなど、極めて悲惨な状況にありました。我が国は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の要請を受け、国際平和協力法に基づく初めての「人道的な国際救援活動」への協力として、医療、防疫、給水、空輸などの分野で救援活動を行うため、1994(平成6)年9月から12月までの間、ザイール共和国(現コンゴ民主共和国)のゴマなどに、自衛隊の部隊などを派遣しました。

陸上自衛隊の部隊が行った業務

手術により多くの人命を救助img

手術により多くの人命を救助

(1) 医療活動

 自衛隊医官(内科、外科医など)がゴマ市内のゴマ病院において、主に難民キャンプから運ばれてきた患者の診療を行いました。医官らは日本国内では診療経験に乏しい病気に直面するなど、困難な状況の中で、細心の注意を払いながら積極的に治療を行い、緊急の夜間診療を含め、10月10日から12月17日まで1日平均約30名以上、延べ約2,100名の外来患者の診療を行うとともに約70件の手術を行いました。また、ゴマ市内の衛生試験場では、10月15日から12月18日までの間、コレラ菌に関する検査方法についての共同研究やマラリア原虫、便の検査などを行いました。

(2) 防疫活動

 10月13日から12月11日まで、キブンバ難民キャンプでのトイレなどの消毒を始め、シラミ駆除のための薬剤の難民キャンプへの輸送、現地スタッフに対するマラリア予防やシラミ駆除の普及教育、水はけを良くするための排水設備の造成などを行いました。

(3) 給水活動

 スウェーデンの給水チームから機材の引き継ぎを受け、10月20日より、難民に対する給水活動を開始し、12月17日までに1日平均1,200トン、計約70,000トンの給水を行いました。

以上の3つの活動に加え、難民キャンプなどで道路整備などを行ったほか、現地の援助団体からの求めに応じ、輸送を始め随時必要な協力も行いました。派遣された部隊にとって、与えられた業務そのものは、その能力をもってすれば十分対応可能でしたが、難民キャンプの劣悪な衛生状態やアフリカの風土病などにも配慮しながらの業務であり、日本国内での作業に比べ困難の多いものでした。

航空自衛隊の部隊が行った業務

民間救助関係者などの足としても大いに活躍したimg

民間救助関係者などの
"足"としても大いに活躍した

 空輸派遣隊は、ナイロビとゴマの間でC-130H型輸送機によりルワンダ難民救援隊の隊員や補給物資などの輸送を行うとともに、能力上の余裕を活用し、UNHCRや救援活動を行っているNGOなどの要員、物資も輸送しました。10月2日から12月20日までの間、片道約1,000キロの距離をほぼ毎日、計98便運航し、延べ約3,400名(うちNGOの要員約900名)の人員、約510トン(うちUNHCRの要請に基づくもの約210トン)の貨物を輸送しました。空輸派遣隊の活動は、ゴマ空港の滑走路の状態が悪く、地上管制も必ずしも十分とはいえない中で、終始安全に行われました。

連絡調整要員

 部隊が円滑かつ効果的に活動を行えるよう、現地などにおいて部隊と関係機関との連絡、調整などを行うため、関係省庁(総理府(現内閣府)、防衛庁(現防衛省)、外務省)からナイロビとゴマに常時10名程度、延べ22名の連絡調整要員が派遣されました。

ルワンダ周辺国図

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ゴマ周辺図

ゴマ周辺図img

ルワンダ難民の流出数

ルワンダ難民の流出数img

宿営地周辺図

宿営地周辺図img

関連文書