カンボジア国際平和協力業務(1992(平成4)年~1993(平成5)年)

カンボジア

カンボジア王国

【首都】プノンペン

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国連カンボジア暫定機構(UNTAC)は、世界の各地域から派遣された要員で行われた大規模な国連平和維持活動の一つです。我が国は、停戦監視、文民警察、選挙、及び道路・橋の修理などの後方支援の各分野の協力を行いました。

停戦監視要員

積み荷の点検img

積み荷の点検

停戦監視要員としては、第1次(1992(平成4)年9月~1993(平成5)年3月)及び第2次(1993(平成5)年3月~同年9月)それぞれ8名の自衛官計16名が派遣されました。停戦監視要員は、各国要員混成の数名でチームを作り、カンボジア各派の兵士を武装解除する宿営地において集められた武器の保管状況や停戦が守られているかどうかの監視、国境沿いの監視所において停戦が守られているかどうかの監視、外国軍の侵入や武器・弾薬の持ち込みの監視などの業務を行いました。

選挙要員

選挙要員img

選挙要員

1993(平成5)年5月23日から5月28日までの間、カンボジアで行われた憲法制定議会選挙の実施に協力するため、UNTACに国家公務員5名、地方公務員13名、民間人23名、計41名が派遣されました。選挙要員は、投票期間中、学校、寺院などに寝泊まりしながら、憲法制定議会選挙の公正な執行の監視、管理の業務に従事し、また、5月29日から6月1日までは、タケオ及びプノンペンの開票所において交替制勤務の24時間体制で開票の監視などの業務に携わりました。選挙は全体として自由かつ公正に行われ、有権者の約90%に当たる約427万人が投票しました。

文民警察要員

文民警察要員img

文民警察要員

カンボジア現地警察に対する指導、助言、監視の業務を行うために、1992(平成4)年10月から1993(平成5)年7月までの間、我が国から75名の文民警察要員を派遣しました。我が国の要員は、UNTACが州や郡に設置した警察署などに配置され、現地警察の活動が公正中立に行われているかの調査・監視などを行ったり、実際に事件が発生した際に現地警察に対し捜査の方法などの指導・助言を行ったりしました。また、プノンペンのような都市においてラッシュ時の交通整理の指導を実施するなど、広範な業務を行いました。文民警察要員は、同じ警察署などに勤務する我が国要員数名が共同で宿舎を借り上げ、現地で食料などを調達し共同生活を営みました。

施設部隊

施設部隊img

施設部隊

陸上自衛隊の施設部隊は、第1次(1992(平成4)年9月~1993(平成5)年4月)及び第2次(1993(平成5)年3月~同年9月)それぞれ600名の計1,200名が派遣されました。施設部隊の主要業務は、内戦などで荒廃した国道2号線及び3号線の道路や橋の修理などでしたが、その後、UNTACからの要請を受けて、UNTACの構成部門などに対する給水、給油、給食、医療、宿泊施設の提供の業務や物資などの輸送、保管の業務などが追加され、幅広く活動することとなりました。施設部隊は、昼間は40度を超える猛暑といった厳しい環境のもと、さらには作業地域付近には不発弾などがある危険性もある中で、十分注意しながら業務を進めました。

海上自衛隊及び航空自衛隊による支援

カンボジアへの要員・部隊の派遣に際しては、海上自衛隊の輸送艦2隻及び補給艦1隻からなるカンボジア派遣海上輸送補給部隊が、施設部隊の人員、資機材の一部の海上輸送、同部隊に対する宿泊、食事の提供などを実施しました。また、航空自衛隊の6機のC-130H型輸送機が、施設部隊の人員、車両などの空輸を行ったほか、約1年間にわたり週1回程度の頻度で連絡便を運航し、施設部隊の補給品などを空輸しました。

国連カンボジア暫定機構(UNTAC)

我が国停戦監視要員・文民警察要員配置図(最終配置)

我が国停戦監視要員・文民警察要員配置図(最終配置)img

施設部隊配置図

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選挙要員配置図(タケオ州)

選挙要員配置図(タケオ州)img

関連文書