野口英世アフリカ賞ニュースレター 第20号2024年1月発行

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第4回野口英世アフリカ賞受賞者が訪日しました

2023年3月13日~17日、第4回野口英世アフリカ賞受賞者の訪日招聘プログラムが実施されました。
3月に訪日したのは、HIV/エイズの研究・予防・治療や新型コロナウィルス感染症対策でアフリカのみならず全世界に多大な貢献を行った理由で医学研究分野の共同受賞となった南アフリカ共和国のサリム・S・アブドゥル・カリム博士とカライシャ・アブドゥル・カリム博士夫妻、及びアフリカ関係者のパートナーシップでギニア虫症のほぼ完全な撲滅達成が評価され、医療活動分野での団体受賞となった「ギニア虫症撲滅プログラム」を代表して受賞した米国カーターセンターの関係者2名(アダム・ウェイス同プログラム担当ディレクター及びメーガン・マーツ上級副部長)です。

  • 内閣府主催歓迎セレモニー
  • アフリカ協会主催講演会・懇談会

今回の招聘プログラムは、受賞者の方々の功績を日本国内であらためて紹介し、また一行の滞在中、国民各層と広く交流を深めてもらうことが目的でした。国民にも幅広く受賞者の功績を知っていただくとともに、野口英世アフリカ賞そのものに対する理解を深めていただくよい機会となりました。具体的には、内閣府主催の歓迎セレモニーを開催した他、天皇皇后両陛下へのご接見、上記のとおり岸田総理への表敬、アフリカや開発関係の機関、大学主催による講演会・シンポジウム等を実施しました。また、野口英世博士にゆかりの深い福島県、横浜市も訪問し、現地でも盛大な歓迎行事が行われました。

  • JICA/UNDP/
    内閣府主催シンポジウム

  • 日本医科大学主催
    記念講演会

  • 横浜市立大学にて
    意見交換会

  • 長浜ホール(旧細菌検査室)

  • 福島県表敬および国際交流
    特別親善大使認証授与式

  • 野口英世記念館視察

紺綬褒章伝達式の実施

野口英世アフリカ賞基金への寄付を通じた功績により、公益社団法人日本医師会および豊田通商株式会社に紺綬褒章が授与されました。これを受け内閣府は、2023年7月13日、事務次官室において紺綬褒章伝達式を執り行いました。
 伝達式において、田和宏事務次官は、角田徹・日本医師会副会長および貸谷伊知郎・豊田通商取締役社長に対し、それぞれ褒状を伝達しました。田和次官は、紺綬褒章受章に対する祝意と野口英世アフリカ賞基金への貢献に関する謝意を述べるとともに、野口英世アフリカ賞はTICADプロセスの重要な構成要素として、アフリカにおける疾病対策・公衆衛生推進のために重要な役割を担っているとした上で、今般の紺綬褒章受章は、我が国の対アフリカ開発支援に対する力強いご支援を称えるものであると述べました。

  • (左から田和事務次官、角田副会長、大塚府審議官)
  • (左から田和事務次官、貸谷社長、大塚府審議官)

感謝状授与式

野口英世アフリカ賞基金に対して貢献のあった方々に対する感謝状の贈呈が新設され、授与式が行われました。

感謝状贈呈制度の概要

令和5年2月、日本政府は、野口英世アフリカ賞基金に多額の寄附を通じて、同基金の発展に多大な貢献をした個人又は団体に対し、感謝の意を表するため、内閣総理大臣、内閣官房長官または内閣府大臣官房長からの感謝状の贈呈を行う制度を新設しました(令和5年2月24日付内閣総理大臣決定「野口英世アフリカ賞基金に対して貢献のあった者に対する内閣総理大臣等感謝状贈呈要綱」)。

新しい感謝状贈呈制度の下で、受彰者が決定され、第4回野口英世アフリカ賞受賞者および受賞機関代表者の日本招聘の機会に開催された内閣府主催歓迎セレモニーにおいて受彰者への感謝状授与式が行われました。

 

【受彰者一覧(50音順)】


一般社団法人野口医学研究所

一般社団法人不動産協会

株式会社アインホールディングス

公益社団法人日本歯科医師会

公益社団法人日本獣医師会

公益社団法人日本薬剤師会

住友化学株式会社

日本医科大学同窓会

ニプロ株式会社

フマキラー株式会社

他1社

野口英世96回忌に有志らが献花

ニューヨークのウッドローン墓地で5月21日墓参会と奨学金授与式を開催

日本が生んだ世界的細菌学者、野口英世博士の偉業を讃え、遺徳を後世に伝え、米国で医学の道を志す若き日本人研究者を応援することを目的に、墓守りの活動を続ける「ニューヨーク野口英世記念会」(HNMS)(代表:本間俊一氏)は、5月21日、ニューヨーク、ブロンクスのウッドローン墓地で「96回忌野口英世墓参会」及び「第6回ニューヨーク野口英世記念奨学金授与式」を開催した。新型コロナ感染拡大の影響が薄らぎ人や街の動きに本格的な活気が戻ったニューヨークブロンクス。今年の命日は6年ぶりの日曜日とあって墓碑の傍では、偉大な先人野口博士の功績を偲びその精神と遺徳を後世に伝えたいという現地の日本人やボランティアなど参列者の数が昨年の1.5倍を超える約50名にのぼり近年にない盛況となった。

「96回忌野口英世墓参会」(写真提供:ニューヨーク野口英世記念会)

当日の式典は、夜来の雨が晴れ、美しい新緑と季節の花に囲まれたウッドローン墓地で午前11時から、加納良雄HNMS副代表の司会で始まり、主賓として本間俊一代表、ジェノポウロス、ウッドローン墓地会長の挨拶の後、在ニューヨーク総領事の森美樹夫大使が挨拶を述べ、2008年、日本政府の「野口英世アフリカ賞」創設に先立ち、外務省アフリカ第二課長として、自ら、その設立に深く関わったエピソードなど自身との深い所縁に触れ、「ニューヨーク野口英世記念会」、「ロックフェラー大学」、「ウッドローン墓地」、「ニューヨーク日本人医師会」(JMSA)の他、野口英世の墓守りと奨学金制度等を支援するNY福島県人会、NY日系ライオンズクラブなどにも感謝の言葉を述べた。またNY福島県人会、竹田小夜子会長から挨拶が述べられた。式典のハイライトとして、野口英世生誕の地、福島県猪苗代の野口英世記念会倉根一郎理事長からの温かいメッセージが寄せられ、米国日本人医師会(JMSA)柳澤前会長がこれを披露し、会場の参列者に深い感動を与えた。この日、在ニューヨークメキシコ総領事館のバネッサ・オルテガ領事が挨拶し、野口英世は1919年メキシコで黄熱病が蔓延した際現地でワクチン開発に成功し多くの命を救った恩人だと述べた。

  • (加納良雄 HNNY副代表)
  • (受賞者の張本哲弘さんと森大使)

この日会場では、「第6回ニューヨーク野口英世記念奨学金授与式」が行われた。今年の受賞者の名前は張本哲弘(はりもと、てつひろ)さん。張本さんは兵庫県生まれの東京育ち。大学進学時に北米に渡り、カナダトロント大学薬医学部を卒業後ニューヨークコロンビア大学院博士課程で医用生体工学の研究を終了し博士号を取得。現在は、ハーバード大学院Wyss Instituteに在籍し、生きたバクテリアを改変した抗がん剤製法の研究と開発に打ち込む若き日本人研究者で、その将来の研究成果には、大きな期待が寄せられている。ニューヨーク野口英世記念奨学金は、2018年に、東邦銀行、日本医師会(東京)、米国日本人医師会、ライオンズクラブ国際協会332-D (福島地区)、東京大森ライオンズクラブ、郡山西ロータリークラブ、ニューヨーク日系ライオンズクラブ、ニューヨーク福島県人会などからの寄付を基金として創設した。HNMS加納良雄副代表は「米国で医学の道を志す若き日本人研究者を応援するため奨学金を将来さらに拡充していきたい」と今後への熱い抱負を述べている。式典終了後、墓地横の美しい芝生で、ささやかなレセプションが行われた。

  • (野口英世博士の墓碑)

2023年5月21日

(寄稿:加納良雄)

(お問い合わせ先)
ニューヨーク野口英世記念会(HNMS)加納良雄
Email: yoshikano@verizon.net

野口英世アフリカ賞基金のためのご寄付のお願い

本賞の賞金原資とするため、本賞の趣旨にご賛同いただける方々からのご寄付を募っています。皆さまからいただいた善意が、アフリカでの医学・医療の向上に尽力されている方々の活動のために使われます。(寄付は控除の対象になります。)これまで寄付をお寄せいただいた方々に厚く御礼申し上げます。

  • 野口英世アフリカ賞基金への寄付実績(2007年~2023年10月時点の累計)
    654,209,235円[個人2,079件、法人555件(計2,634件)]
    うち、2022年4月~2023年10月の実績(2023年10月時点)
    52,827,870円[個人38件、法人88件(計126件)]

寄付方法の御案内

ご寄付は以下のウェブサイトからオンラインでお申込み頂けます。
(クレジット・カード、コンビニ店舗端末、ペイジーでのお支払いが可能です。)

寄付に関するお問合せ

独立行政法人 国際協力機構(JICA)国内事業部 市民参加推進課 寄付金担当
フリーダイヤル:0800‐100‐5931
(受付時間 平日10:00~12:30・13:30~17:00)
FAX番号:03-6689-4760

 

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