野口英世アフリカ賞ニュースレター 第10号2013年 8月 第2回野口英世アフリカ賞記念特別号

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第2回野口英世アフリカ賞授賞式・記念晩餐会開催


安倍晋三内閣総理大臣より賞を授与された第2回野口英世アフリカ賞受賞者
ピーター・ピオット博士(医学研究部門受賞者・写真左)、
アレックス・G・コウティーノ博士(医療活動部門受賞者・写真右)

2013年6月1日横浜にて、第2回野口英世アフリカ賞授賞式及び
記念晩餐会を開催しました。

6月1日天皇皇后両陛下御臨席の下、安倍晋三内閣総理大臣主催により、第2回野口英世アフリカ賞授賞式及び記念晩餐会を横浜にて開催しました。

式典には、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)に出席するアフリカ諸国首脳、TICAD共催者、保健関係国際機関の長、野口英世アフリカ賞の関係者などが出席し、第2回野口英世アフリカ賞の受賞者であるピーター・ピオット博士(ベルギー・医学研究部門)とアレックス・G・コウティーノ博士(ウガンダ・医療活動部門)を祝福しました。受賞者へは安倍内閣総理大臣より贈賞が行われ、野口英世博士の故郷である福島にちなみ、福島県立安積黎明高校コーラス部による合唱や小松獅子保存会による会津彼岸獅子が演じられました。

第2回野口英世アフリカ賞授賞式・記念晩餐会

会場
天皇皇后両陛下

6月1日、天皇皇后両陛下ご臨席の下、
第2回野口英世アフリカ賞授賞式及び記念晩餐会が行われました。
会場の装飾には、野口英世博士の故郷福島の県花ネモトシャクナゲと
福島の上川崎和紙も使われました。

授賞式

選考結果報告 黒川 清 野口英世アフリカ賞委員会座長

黒川 清 野口英世アフリカ賞委員会座長より、選考結果の報告が行われました。選考の過程の報告と共に、ピオット博士とコウティーノ博士が受賞に至った卓越した業績について説明がありました。

 

祝辞 ジョン・ドラマニ・マハマ ガーナ共和国大統領

アフリカ首脳を代表し、マハマ ガーナ共和国大統領より受賞者への祝意、TICAD Vの成功と野口英世アフリカ賞を設立した日本への賞賛、日本とアフリカの今後の展望も述べられました。

 

内閣総理大臣式辞 安倍晋三 内閣総理大臣

主催者の安倍総理より、受賞者への祝意と、功績への賞賛と共に、日本の国際保健外交戦略上から見た野口英世アフリカ賞の意義について述べました。

また、一昨年の大震災の際にアフリカから受けた支援に対し、アフリカのために命を捧げた野口英世博士にちなんだこの賞を通じ、恩返しをしたいとの決意と、福島の英雄野口英世博士を称えるこの賞が、少しでも福島の励みになればとの言葉がありました。

 

贈賞

賞牌、賞状及び賞金(各1億円の目録)が安倍内閣総理大臣より受賞者へ授与されました。賞金は政府の資金と国内外からの寄付により成り立っています。

贈賞 ピオット博士
贈賞 コウティーノ博士
 

合唱・福島伝統芸能

野口英世博士の故郷の福島にちなみ、福島県立安積黎明高校コーラス部による合唱と小松獅子保存会による福島の伝統芸能である会津彼岸獅子が演じられました。また安積黎明高校コーラス部は、アフリカでも様々な活動を行っている渡辺貞夫氏との共演で「SHARE THE WORLD~こころつないで」を披露しました。授賞式後の晩餐会では安積黎明高校コーラス部より受賞者へ記念品として、安積黎明高校コーラス部の合唱のCDが贈られました。


福島県立安積黎明高校コーラス部


渡辺貞夫氏との共演

小松獅子保存会による会津彼岸獅子

記念晩餐会

 授賞式に引き続き、晩餐会が行われました。

受賞者挨拶(要約)ピーター・ピオット博士

野口英世アフリカ賞を受賞し大変光栄です。日本の国際保健への寛大な支援に感謝します。
5月の初めに私はガーナの野口記念医学研究所を訪れ、野口博士が世界的な科学者の先駆けであったことが分かりました。野口博士が「人間は生きている限り、細菌が引き起こす病気とつき合っていかなければならない」と言っていたように、新しいウィルスが出現しています。科学、リーダーシップ、資金、現場でのプログラムの相乗効果で、エイズとの闘いが前進し、死亡者と感染者は減りつつありますが、昨年は170万人がエイズで死亡しました。私はエイズに関して自己満足に陥ることを憂慮しています。
賞金はアフリカの科学者達がロンドンや長崎で研究する機会の提供のために使用します。国際保健と科学へのアクセスの公平性に対して、これまでと変わらず確固たる献身を続けたいと思います。野口博士の科学的発見と社会的正義の精神が健在でありますように。

受賞者挨拶(要約)アレックス・G・コウティーノ博士

日本の政府、国民の皆さんから、野口博士とその優れた功績にちなんだ賞の受賞者に選んでいただき、光栄です。
この15年間私と同僚たちは、HIVに関する研究を、アフリカの数百万の人々を対象とする大規模な保健医療プログラムに取り入れました。科学を政策へ、また科学を大規模な地球規模の取り組みへとつなげてきました。
野口英世博士を讃えるという先見の明を有する日本の皆様に感謝します。日本はこの賞の設立により、アフリカの開発課題において保健を重要視していることを明らかにしました。
この賞は私だけではなく、アフリカの人々に与えられたものだと思います。私は、先見の明とリーダーシップを兼ね備え、医療技術の根本に思いやりと愛国心を持つリーダーを養成するために賞を役立てます。そのような医療従事者が今後、野口博士の精神を引き継ぎ、母なるアフリカの保健医療の課題を解決する力となることを誓います。

閉会

最後は渡辺貞夫グループによるお別れの演奏と共に、再び安積黎明高校コーラス部の皆さんが登場し、和やかな雰囲気の中閉会しました。

主催者である安倍内閣総理大臣より、素晴らしい演奏、合唱を披露した渡辺貞夫氏と安積黎明高校コーラス部への賞賛と共に、出席者への感謝の言葉が述べられました。

渡辺貞夫グループ
安倍内閣総理大臣
 

第2回野口英世アフリカ賞関連行事

6月1日 横浜市主催歓迎式典・旧細菌検査室訪問

横浜市による受賞者を歓迎する行事が、かつて野口博士が検疫官として勤務した長浜(横浜市・金沢区)で行われました。

野口博士ゆかりの旧細菌検査室は長浜野口記念公園の敷地内に保存されています。受賞者は旧細菌検査室を訪れ、野口博士が勤務していた当時の様子や当時の医療器具、検疫所の歴史についての展示を視察しました。

視察後は同敷地内の長浜ホールにて、横浜市による第2回野口英世アフリカ賞受賞者歓迎式典が行われ、受賞者は自分の名前が彫られたプレートを、ホールに設置された野口英世アフリカ賞記念碑へはめ込みました。また式典では、地元で活躍する神奈川フィルの演奏と、アフリカを学び、アフリカの人々と交流する「一校一国運動」を実施している横浜市の学校の中から、浦島小学校(交流国・ガーナ共和国)、立野小学校(交流国・ガーナ共和国)、文庫小学校(交流国・ウガンダ共和国)の生徒たちが受賞者歓迎の発表や合唱を披露しました。


旧細菌検査室視察


第2回野口英世アフリカ賞受賞者歓迎式典
野口英世アフリカ賞記念碑へプレートをはめ込む

横浜市の小学生から花束を贈呈される受賞者
(写真提供:横浜市役所)
 

6月2日・3日 受賞者福島訪問

受賞者は野口博士の故郷である福島を訪れ、各地で歓迎を受け、様々な行事に参加しました。

福島訪問 1日目・6月2日

受賞者は猪苗代町の野口英世記念館を訪れ、前後 公猪苗代町長や猪苗代町の子どもたちの大歓迎を受けると共に、野口博士の生家や館内を見学しました。その後プラチナ構想ネットワークと会津若松市が共催し、会津工業高校、会津学鳳高校の生徒21名のプロジェクトチームが企画、運営を行った「未来デザイン2050」へ参加し、地元の高校生たちと語り合いました。また夜には佐藤雄平 福島県知事と懇談が行われ、知事より受賞者へ国際交流特別親善大使認証書が授与されました。


猪苗代町主催歓迎イベント・
野口英世記念館視察


未来デザイン2050

佐藤雄平 福島県知事(写真中央)より
国際交流特別親善大使認証書の授与
 

福島訪問 2日目・6月3日

室井照平 会津若松市長の案内で鶴ヶ城(会津若松市)を視察した後、大熊町立大熊中学校にて、生徒たちとの交流会が行われました。その後受賞者は野口英世青春広場(会津若松市)を訪れ、関係者と共に野口博士の銅像に献花を行いました。献花の後は、野口博士にゆかりのある旧会陽医院及び末廣酒造と、2013年5月に会津地域の医療を支える存在として設立された福島県立医科大学 会津医療センターを視察しました。


室井照平 会津若松市長(写真左から3番目)の案内で、鶴ヶ城を視察


大熊町立大熊中学校にて生徒の質問に答える受賞者
(写真提供:大熊中学校)

会津医療センター内を見学する受賞者
 

6月4日 第2回野口英世アフリカ賞受賞記念講演会


パネルディスカッション

6月4日、国際連合大学(東京)において、第2回野口英世アフリカ賞受賞記念講演会を開催し、ピオット博士は「国際保健の新旧の挑戦」(原題“Old and new challenges in global health”)、コウティーノ博士は「研究室から村まで ― HIVの研究を何百万もの人々への医療保健サービスに役立てる」(原題“From the Laboratory to the Village - translating HIV science into services for the millions”)という演題で、HIVをはじめとする感染症やアフリカの保健の実態、各自の体験に基づいた対策や今後の課題、展望について講演を行いました。

講演の後は国連大学のマローン学長を司会に、両受賞者、黒川清 野口英世アフリカ賞委員会座長、春日文子 日本学術会議副会長の5名でパネルディスカッションを行い、客席からも活発に質問が寄せられ、活発な議論が行われました。講演会の動画は、国際連合大学のホームページよりご覧いただけます。

 

野口英世アフリカ賞基金のための御寄付のお願い

本賞の賞金のために、本賞の趣旨にご賛同いただける方々から広く寄付を募っています。皆さまからいただいた善意が、アフリカにおける医学・医療の向上のため活躍されている方々の活動を支えるために使われます。(寄付は控除の対象になります。)

  • 野口英世アフリカ賞基金への寄附実績(2013年6月時点の累計)
    513,548,972 円[個人1,937件,法人325件(計2,262件)]
 

寄付方法のご案内

ご寄付は以下のウエブサイトからオンラインでお申込み頂け、クレジット・カード、コンビニ店舗端末、払込票(郵便局・銀行・コンビニ)、ペイジーでのお支払いが可能です。ご不明の点はフリーダイヤルまでお問合せください。

JICA(独立行政法人 国際協力機構)国内事業部 市民参加推進課 寄付金担当
野口英世アフリカ賞基金ホームページ別ウィンドウで開きます
フリーダイヤル:0800‐100‐5931
FAX番号:03‐5226‐6377

 

野口英世アフリカ賞担当室・事務所移転のお知らせ

2013年7月1日より、野口英世アフリカ賞担当室の事務所は内閣府本府庁舎へ移転いたしました。

  • 新住所・新電話番号
    〒100-8914 千代田区永田町1-6-1
    電話番号 03-5253-2111(大代表)

 

 

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