城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年7月10日
(令和8年7月10日(金) 9:01~9:15 於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)
1.発言要旨
(冒頭発言なし)2.質疑応答
- (問)2点お伺いしますが、まず1点目からお願いします。市場との対話についてお伺いします。骨太の方針の原案では、コミュニケーションの強化を通じ、市場の信認を確保していくため、国民や国内外の市場関係者に財政運営について透明性高く、一貫した説明を行うとありますが、国内外の市場に対して何を重視してどのように説明をしていきたいか、また、海外向けの発信を強化するなどのお考えはありますでしょうか。
- (答)高市内閣では、「責任ある積極財政」の考え方の下、予算全体のメリハリ付け等を通じて、財政の持続可能性にも十分配慮した経済財政運営を行ってきたところであり、その旨を一貫して、こういった記者会見の場などを通じて発信しているところでございます。引き続き、「責任ある積極財政」の考え方の下、国内投資の促進に徹底的にてこ入れをし、我が国の供給構造を強化しながら潜在成長率を引き上げてまいります。その上で、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を確実に抑え、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げてまいります。こうした経済財政運営の考え方を広く国内外に積極的に発信してまいる考えです。私自身も、これまで国内のみならず国外に対しても、SNSによる外国語での発信や海外要人との面談などの機会を活用し情報発信をそれなりにしてきたのですが、更に積極的に取り組んでまいる考えです。
また、財政の持続可能性に関する分析については、国際的にスタンダードな手法を活用しつつ、経済成長、金利、部門別収支等の経済動向と、債務残高対GDP比、プライマリーバランス、財政収支、利払い費、公債依存度、国債発行額、税収等の財政指標を多角的に分析・検証し、マーケットからの信認を確保してまいります。人間で言えば健康診断も、例えば肝臓の数値(γ-GTP)など、いろいろな指標がございますので、何か一つだけというのではなくていろいろな指標を多角的に分析・検証していくということです。 - (問)2点目、為替と物価の関係についてお伺いします。5月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いた指数が去年の同じ月より1.4%上昇していますが、足元の為替の動向がそのまま物価高につながっているとの見方もありますけれども、現状をどう分析されているのか教えてください。
- (答)物価については、既往の原油価格上昇の影響が輸入物価、企業物価の順に、石油製品などを中心に現れ始めていると言えるのではないかと思います。ただし、モデル等を用いた過去の分析では、円安が国内物価に与える影響は、波及に一定の時間を要する、タイムラグがあるということですが、それとともに必ずしも大きいものではございません。さらに、足元の国内物価について、企業物価は、既往の原油等の価格上昇の影響によってこのところ上昇しておりますが、川下の消費者物価は物価対策の政策効果もあり、緩やかな上昇に抑制されており、生鮮食品を除いた総合指数の5月値は、前年同月比でプラス1.4%となっております。さらに、今年の夏の電気・ガス補助により、今後の押下げの効果も見込まれるところでございます。いずれにしろ、物価の動向を引き続き注視し、経済財政運営に万全を期してまいる考えです。
- (問)今のやり取りの関連で教えてください。モデル的に言うと輸入物価の上昇の原油高による転嫁は必ずしも大きいものではない、転嫁というか波及は大きいものではないとおっしゃられたと思うのですが、それは過去のデータを基に分析した場合、過去十分に価格転嫁が行われていなかった時代のデータであると思いますが、現状、政府は価格転嫁をしろと、不十分なことを問題視していると思うのですが、その分析とその価格転嫁を押し進めることの関係はいかがでしょうか。
- (答)まさにそのとおりでございます。過去のモデルはご指摘のとおり、価格転嫁が十分でない、今申しましたモデルは例えば為替が10%程度円安になった場合、当年の消費者物価等との影響は幅があるものの、0.1%から0.5%程度とされておりますが、ご指摘のとおり、現在では価格転嫁が進んでおりますので、それよりは高くなるという指摘があることはまさにそのとおりです。
- (問)それと前回、火曜日の記者会見で骨太の表現についてマーケットは誤解であるとご説明されたと思うのですが、その後も長期金利上昇が続いておりまして、もちろん世界的なインフレ懸念とか、そういう影響もあるかと思うのですが、やはり財政をめぐる懸念も背景にあるという指摘は市場関係者から多いのですけれども、誤解が解けていない現状について、解けているのか、解けていないのか、解けていないとすればどうされるのか教えてください。
- (答)ご指摘のとおり、様々な報道あるいは見方があることについては十分承知しております。ただ、改めて申し上げますけれども、日本銀行法第3条に記載されているとおり、日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は尊重されなければならない。これに基づき、金融政策の具体的手法については日本銀行に委ねられるべきという政府の立場には変わりなく、こうした記者会見の場でこれまでも申し上げたとおりです。そして、例えば政府が利上げや利下げの時期や幅について、その方向性を日本銀行にあらかじめ示すことはございません。また、ご質問の骨太方針の原案については、現在、与党からいただいたご意見を踏まえ、文案修正を調整しているところでございますが、金融政策の記載については、元々こうした考え方のもとに作成されております。また、政府と日本銀行は、それぞれが政策を実施していくにあたり、経済、物価、金融情勢に関する認識を共有することが大切であり、そうした観点からこれまでも十分な意思疎通を事務方も含めて図ってきたところでございます。いずれにせよ、ご質問にある為替レートについては、内外の金利・インフレ率の差、経常収支の動向等の様々な要因により決まると言われており、また、長期金利については期待成長率や期待インフレ率、リスクプレミアムなど様々な要因で決まると言われており、それらは記者会見の場でこれまで申し上げているとおりです。
なお、現状、景気が緩やかな回復局面にある中で、こうした要因も踏まえた需給双方の動きによって市場価格は決まるものと承知しており、いずれにしても日々の動向について私の立場からコメントすることについては、大変恐縮ですが差し控えたいと思います。 - (問)確認ですが、大臣から積極的に日銀法第3条という言葉が出たのが感慨深いですけれども、今おっしゃられたようなことを骨太の成案の段階までには表現に盛り込むという理解でよろしいのでしょうか。
- (答)いずれにしましても、文案は現在も調整中であり、今、政調会長一任となっておりますので、与党からいただいたご意見も踏まえて修正を行い、成案を得ていくということです。今は骨太方針に向けての文案の調整のプロセスが進行しているところですので、しかるべきタイミングで成案を得たいと考えています。
- (問)今の質問で確認なのですけれども、火曜日の会見では骨太原案4章絡みの質問が相次いで、金融政策絡みの文言について修正の可能性はないのですかという質問に対して、大臣は確か今のところありませんとおっしゃいました。骨太の文案は現在も調整中とおっしゃったのは、第4章金融政策絡みのところを今、調整中というスペシフィックな意味なのか、そうではなくて全体なのでしょうか。
- (答)全体です。いろいろな意見もありますし、第1章、第2章、第3章、第4章とそれぞれに関連する記載があって、平仄を合わせるということもあります。2か所に書かれていることの表現が違った場合は当然両方の平仄を合わせるということです。今申しましたとおり、与党からいただいたご意見も踏まえて現在、文案を調整しているところですので、具体的なその内容についてお答えすることは、大変恐縮ですが差し控えたいと思います。いずれにしましても、経済財政諮問会議で高市総理からいただいたご指示を踏まえて、現在調整中の骨太方針が、皆様に対して高市内閣の経済財政運営の方向性を明確かつ分かりやすくお示しするものとなるよう、引き続き、与党とも調整しつつ、閣議決定に向けた最終調整を行ってまいる考えです。
- (問)確認なのですけれども、この間の平場では、神田潤一先生ですかね。財政健全化の文言がないだけでこれだけ荒れるのだからリスクマネージメントとして入れたらどうですかという意見と、日本銀行法第3条みたいなのをやはり入れてくださいという結構強い意見が出たと思いますが、そこについて今調整中ということでよろしいですか。
- (答)先ほど申しましたように、いろいろな方からいろいろなご意見もございます。いずれにしても与党、自民党、日本維新の会から、ご指摘の箇所以外にもいろいろなご意見もいただいておりますので、そうしたご意見を踏まえ文案を調整している段階であり、具体的な内容についてこの場でお答えすることは、プロセスが進行中ですので、差し控えたいと思います。
(以上)