城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年3月24日

(令和8年3月24日(火) 11:21~11:34  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日、冒頭2点ご報告いたします。
 1点目は、人的資本可視化指針(改訂版)の公表についてであります。昨日、人的資本可視化指針の改訂版を公表いたしました。人的資本への投資の拡大は、企業価値の向上を後押しし、高市内閣が目指す強い経済の実現に向けて不可欠な要素であります。
 この改訂版の指針は、経営戦略と連動した人材戦略の策定・実践と、その開示が重要であることを示すとともに、こうした取組に向けたガイダンスを提供するものであります。
 今後、関係省庁と連携して本指針の周知・普及に努め、企業の成長につながる人的投資の拡大を促してまいりたいと考えております。
 詳細につきましては、事務方にお尋ねいただければと思います。
 次に、政労使の意見交換についてであります。昨日、2026年春季労使交渉に関して政労使の意見交換を実施いたしました。
 芳野連合会長から、今年の春季労使交渉について、第1回回答集計において、一昨年、昨年と同水準となる5.26%となったとのご報告をいただきました。
 また、筒井経団連会長からも、賃上げの力強いモメンタムの更なる定着に向けて社会的責務として取り組んでいただいた結果、多くの企業で今年も高い水準の回答が見られたといったご報告をいただきました。
 昨年11月に開催した政労使の意見交換で、「政府は賃上げを事業者の皆様に丸投げせず、継続的に賃上げできる環境を整備する」という高市内閣の方針にご理解いただき、経済対策や補正予算によって事業者の皆様を後押ししてきたことが実を結んだと考えております。
 今後、こうした賃上げの勢いを、大企業に加えまして地方の中小企業や小規模事業者にも広く波及させていくことが重要だと考えております。
 また、中小企業関係団体からは、厳しい環境の中で防衛的賃上げを強いられている現状や、官公需を含む価格転嫁や生産性向上への支援の更なる強化の必要性、そしてまた、中東情勢が日本経済に及ぼす影響の懸念についてご発言をいただきました。
 今般の春季労使交渉における心強い賃上げの流れを、中小企業・小規模事業者の皆様の賃上げにもつなげていくため、本年1月に施行されました取引適正化法の厳正な執行をはじめとして、価格転嫁・取引適正化を更に徹底してまいります。
 加えまして、中小企業・小規模事業者の稼ぐ力を抜本的に強化する、具体的には、いつも申し上げている価格転嫁・取引適正化の徹底に加えまして、プッシュ型の伴走支援、あるいは生産性向上・省力化支援、更には事業承継・M&A環境整備に取り組んでまいります。
 併せて、高市内閣は「責任ある積極財政」の下、事業者の予見可能性を確保し、企業の研究開発や設備投資を促すとともに、複数年度予算や長期にわたる基金による政策支援を可能といたします。
 更に、毎年補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別し、必要な予算は可能な限り当初予算で措置するということであります。こうした予算編成方針の見直しにより予見可能性を高め、中小企業・小規模事業者の皆様が安心して成長投資に前向きに取り組んでいただく環境を整備します。この点につきましては、昨日の意見交換の場で、高市総理から締めくくりの挨拶でご発言があったところです。
 さらに、賃上げ環境整備のために、政策の充実・強化につきまして検討し、夏に日本成長戦略を策定いたします。
 なお、中東情勢の影響へのご懸念についてですが、万が一にもガソリンなどの石油製品の供給に支障が生じないよう、石油製品の日本全体として必要となる量を確保するため、3月16日より石油備蓄の放出を開始しました。そして、19日からはガソリンに加えまして、軽油、重油、灯油などの石油製品の価格を抑制する補助を開始したところであります。加えて、ナフサやヘリウムといった石油関連製品につきましても、中東以外からの代替調達の確保に取り組んでいることなどから、直ちに供給に問題が生じることはないと認識しております。
 このように、政府としても賃上げ環境整備について、万全を期すとしており、物価上昇を上回る継続的な賃上げの実現のため、労使のご協力をお願いしたいと考えております。
 以上2点、冒頭からのご報告であります。

2.質疑応答

(問)社会保障国民会議における実務者会議と有識者会議のすみ分けについてお伺いします。有識者会議のメンバーの永濱氏が昨日テレビ番組で、「消費減税はあまり議論しないらしい」と発言しました。この2つの会議のすみ分けと、今後のスケジュールについてお聞かせください。
 2点目は、イラン情勢悪化に伴う経済対策についての質問です。ロシアによるウクライナ侵攻に伴う物価高対策として、22年4月に国費6兆円規模の緊急経済対策を実施しました。今回、予算成立後、早期に原油価格高騰に伴う補正予算を組む可能性はあるのか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)1点目の社会保障国民会議ですが、ご指摘の永濱氏のご発言について、その詳細について承知していないということもあるので、この場でコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で、給付付き税額控除については、有識者会議で専門的・技術的観点から論点を順次整理し、その報告を実務者会議で受けながら議論を進めるという建て付けとなっております。
 また、食料品の消費税ゼロについては、まずは実務者会議で関係団体、そして専門家からヒアリングを行い、諸課題を整理した上で検討を進めることについて確認されているというところであります。
 したがいまして、有識者会議についてはこうした方針を踏まえつつ、実務者会議における議論の状況も見ながら、小野寺議長、有識者会議の清家座長とよくご相談して、スピード感を持って、かつ丁寧に進めていくものと承知しております。
 2点目の経済対策と補正予算の件ですが、現在、中東情勢による日本経済への影響については、現時点では予断を持ってお答えすることは困難であります。
 このため、まずは地域の実情に応じた支援が可能な重点支援地方交付金を含む物価高対策等を盛り込んだ経済対策、そして令和7年度補正予算、これを着実かつ迅速に執行することが大事でありまして、そしてもう一点は、令和8年度予算及びその関連法案の早期成立を図っていくことが必要であるということは、この記者会見の場でもこれまで申し上げたとおりであります。
 その上で、足元で原油価格が高騰する中、先ほども少し申し上げましたけれども、国民の皆様の生活と経済活動を守るために、3月19日から緊急的激変緩和措置として、燃料油価格激変緩和基金の残高を活用し、ガソリンについては小売価格を全国平均で170円程度となるよう補助を行うとともに、軽油、重油、灯油などについても、同様の措置を講じております。
 さらに、本日の閣議におきまして、令和7年度予備費の残額のうち約8,000億円を燃料油価格激変緩和基金へ繰り入れることを決定したところであります。
 引き続き、中東情勢が日本経済に与える影響をしっかり注視しまして、持続的に国民の皆様の安心安全な生活をお支えできるよう、高市総理のご指示の下で関係閣僚の皆様とも連携して、経済財政運営に万全を期してまいる考えであります。
(問)今朝、開催されました社会保障国民会議の有識者会議の初会合についてお伺いします。給付付き税額控除の議論が本格的に始まりました。大臣も冒頭出席されたかと思いますが、今日の議論をまずどう受け止めているかお伺いします。
 それから、今後、給付付き税額控除の導入に向けて論点整理が行われることになりますが、その議論で期待することについて教えてください。
(答)有識者会議は国民の受益と負担に深く関わる給付付き税額控除や食料品の消費税ゼロを含めた社会保障と税の一体改革につきまして、専門的・技術的な論点を集中的に議論するために設置されたものであります。
 各有識者の税制や社会保障制度、社会経済等、それぞれの専門・経験に基づく高いご見識をいただきながら、政策目的に関する受益と負担の全体像の分析を踏まえて、給付付き税額控除等で対応すべき政策課題をまずは明らかにすると。そして、明らかにした上で、充実した議論が行われること、そして、政策目的の達成に向けて進展すること、これを強く期待しております。
 なお、前回の記者会見で有識者会議が公開なのか非公開なのかというご指摘がございましたので、これについて申し上げますと、有識者会議の議事の取扱いにつきましては、事務局である内閣官房が会議終了後にブリーフィングを行うこと、そして、議事要旨を作成し、事務局である内閣官房のホームページに公開すること。率直な議論に配慮しつつ、今申しましたブリーフィングと議事要旨の作成・公開ということで、こういう方針が本日の会議において確認されたと聞いておりますので、回答させていただきました。

(以上)