城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年3月10日

(令和8年3月10日(火) 18:35~18:51  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 冒頭1点ご報告申し上げます。
 本日、第3回日本成長戦略会議を開催し、戦略17分野の「主要な製品・技術等」と、成長戦略が経済財政に与える効果試算について議論いたしました。
 会議の中では、各戦略分野で官民投資を優先的に支援することが必要と考えられる61の製品・技術等、その中でも先行して検討を進めている27の製品・技術等の官民投資ロードマップについてお示しいたしました。
 次に、成長戦略が経済財政に与える効果試算について、基本的考え方をお示しいたしました。有識者の方々からは、様々なお立場から貴重なご意見をいただいたところであります。
 本日の議論を踏まえまして、総理からは「主要な製品・技術等」の内容を更に精査するとともに、先行する製品・技術等以外の製品・技術等についてもスピード感を持って官民ロードマップの策定を進めるよう、各戦略分野の担当大臣に指示がございました。
 具体的には、各製品・技術等につきまして、日本が取り得る「勝ち筋」、これを見出して、供給及び需要の両面にアプローチする多角的な観点からの総合支援策を明らかにするとともに、これによって引き出される国内投資の内容、規模、時期などを明らかにするよう指示がございました。
 特に、イランやウクライナなどにおいて、新たな技術を用いた新しい戦い方に注目が集まる中、防衛産業ワーキンググループでは、新たな技術シーズをこれまでにない規模で防衛調達につなげる新しい道について、赤澤経済産業大臣、小泉防衛大臣が連携して検討を進め、具体的な結論を得るようご指示がありました。
 また、分野横断的な課題の担当大臣に対しましては、官民投資ロードマップ策定過程で明らかになる国内投資促進のため、解消する必要がある課題を洗い出し、その解決策を取りまとめることで、17の戦略分野で先陣が切られる民間企業の国内投資を日本全国に広げていく環境を整備し、日本経済の更なる成長につなげるようご指示がございました。
 更に、こうした成長戦略によって実現を目指す「強い経済」がどのような姿となるか定量的に示し、日本成長戦略会議と経済財政諮問会議が密接に連携しつつ、夏の骨太方針など、今後の経済財政運営にも反映していくことが重要であるとのお話がありました。
 その上で、両会議を担当する私に対しまして、官民投資ロードマップにおいて17の戦略分野の投資額や日本経済への定量的インパクトの算出を着実に実施すること、そしてまた、日本成長戦略本部事務局と内閣府が共同して、夏の骨太方針の策定前に今後の予算編成に資するよう、日本成長戦略の下での国内投資の伸び全体を定量的に明らかにするとともに、GDPの伸びや税収増への寄与、債務残高対GDP比の見通しなどを示す試算を内閣府の経済財政モデルを用いて行い、「中長期の経済財政に関する試算」に反映することにつき、ご指示がございました。
 加えて、高市総理より片山財務大臣に対しましては、「中長期の経済財政に関する試算」で示されたシナリオを踏まえて、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていく中でも可能となる財政規模を精査した上で、危機管理投資、成長投資などに活用するため、別枠管理する方策について検討するようご指示がありました。
 夏の日本成長戦略の取りまとめに向け、省庁の垣根を越え、有識者や民間のご知見もお借りし検討を進めてまいります。
 私からは以上ですが、詳細については後ほど事務方からご説明させていただきますので、そちらでよろしくお願いいたします。

2.質疑応答

(問)本日朝、公表されました2025年10-12月期GDP改定値に関しまして、実質成長率としては、設備投資ですとか個人消費の上振れが寄与した形で、年率1.3%増という形で上方修正になりました。この結果の受け止めについて、大臣のご所感をお願いいたします。
(答)本日公表されました2025年10-12月期のGDP2次速報値におきましては、実質成長率は前期比プラス0.3%、年率プラス1.3%と、1次速報値から上方改定されました。名目成長率は前期比プラス0.9%、年率プラス3.5%です。個人消費につきましては上方改定されまして、プラス0.3%、これは7四半期連続のプラスとなったわけであります。
 なお、昨日公表の毎月勤労統計調査におきましては、2026年1月の実質賃金はプラスとなり、所得環境の改善が今後の消費を下支えすると見られております。
 また、輸出はマイナス0.3%と、1次速報に引き続き2四半期連続のマイナスでありますが、マイナス幅は前期7-9月期から縮小していることに加えまして、対米自動車輸出の減少は下げ止まっておりますので、今後の持ち直しの動きが期待されております。
 また、設備投資につきましても、法人企業統計等の結果が反映された結果、プラス1.3%と1次QE時点から上方改定されたということであります。
 ただし、中東情勢、金融資本市場の変動等の影響には十分注意する必要があるというふうに認識しております。
(問)今、言及がありました中東情勢についてお伺いします。原油価格が非常にこの数日、乱高下しておりまして、ガソリン価格の上昇が懸念されております。まず、この受け止めと、それから政府として何か対策が必要と考えていらっしゃるかどうかお聞かせください。
(答)今般の中東情勢を受けまして、原油価格はご指摘のとおり上昇傾向にありまして、本日10日午前にはWTI先物価格で1バレル当たり85ドルを超えていると承知しております。
 ただ、原油の需給や価格は中東情勢に限らず、世界経済あるいはエネルギー需給動向といった様々な要因により市場で決まるものであると承知しておりまして、日本経済あるいは物価に与える具体的な影響については、予断を持ってこの場でコメントすることは差し控えます。
 いずれにしましても、引き続き各種市場の動向等が我が国経済や物価に与える影響については、きめ細かく分析してまいる考えであります。
 まずは物価高対策やエネルギー・資源安全保障の強化を盛り込みました総合経済対策や、令和7年度補正予算を着実かつ迅速に執行するとともに、令和8年度予算及び関連法案の早期成立を図っていくことが必要だと考えております。その上で、高市総理大臣が昨日の衆議院予算委員会で述べられたとおり、必要な対応についてはスピード感を持って手を打っていくというふうに考えております。
(問)本日の会議について、改めて61の製品・技術の選定をこのタイミングで完了したことへの受け止めと、最終的にこれは民間の投資をどう呼び込んでいくかというのが大きなテーマになってくると思うのですけれども、そこに期待する部分、先ほどご説明も一部ありましたけれども、残るロードマップをまだ示していない部分について、どのようなタイミングで明らかにしたいのかどうかについてお願いします。
(答)本日の会議で、17の戦略分野につきましては、国内の様々なリスク低減の必要性、2つ目は海外市場の獲得可能性、3つ目は関係技術の革新性などの観点から、官民投資を優先的に支援することが必要と考えられる61、これが更にちょっと増える可能性も全くないわけではありませんが、61の「主要な製品・技術等」をお示ししたところでございます。
 後で事務方からご説明しますが、「先行して検討を進めている主要な製品・技術等の官民投資ロードマップ素案」という130ページ以上の資料があり、これをお示ししました。
 今後の議論・検討を踏まえまして、先ほど申しましたように、追加されることもあり得ますけれども、各担当大臣や戦略分野分科会の会長を務めてくださっている尾﨑官房副長官におきまして、この戦略分野分科会においてスピード感を持って検討を進めていただいた結果であると考えております。
 また、この27の先行する製品・技術等につきましては、本日、官民投資ロードマップもお示しいたしました。今後、今日の有識者の皆様も含めて、あるいはワーキンググループの有識者の方もいらっしゃいますので、こういった方々のご意見を踏まえまして、引き続き内容を更に精査するとともに、残り34の製品・技術等についても、今年の夏の日本成長戦略の取りまとめに向けて、官民投資ロードマップの策定を引き続き進めてまいります。
 更に、17の戦略分野に関連する民間企業の皆様には、本日お示しした官民投資ロードマップも踏まえつつ、将来の民間投資について具体的な投資案件の検討に着手するなど、国内投資の具体化をお進めいただくことを強く期待しております。
 いずれにしましても、繰り返しになりますが、今年夏の日本成長戦略の取りまとめ、策定に向けて、引き続きスピード感を持って取り組んでまいります。
(問)先ほど総理指示でも17分野の投資額等について着実に進めるようにとあったと思いますが、今後、投資額を具体化するに当たって、61の製品・技術について個別のロードマップが出ると思うのですけれども、それを足し上げたものが例えば政府の官民投資の官の部分の投資になると考えるべきなのでしょうか。それとも、どこかでやはり政府の予算制約というものがあって、その下での優先順位づけとか額の調整みたいな議論というのは行われるのでしょうか。
 もう一点、ロードマップの決定に当たって、成果管理的な要素、これも首相が国会でも言及されていたと思いますが、例えばいつまでにこういうものが達成できなければそれは方針を見直すとか、そういうような成果管理の仕組みみたいなものを盛り込むお考えがあるのかについてお聞かせください。
(答)まず1点目ですが、本日の会議におきまして、高市総理から、官民投資ロードマップについては日本が取り得る「勝ち筋」を見出して、供給及び需要の両面にアプローチする多角的な観点からの総合支援策を明らかにするとともに、これによって引き出される官民の国内投資の内容、規模、時期などを明らかにするよう指示があったと先ほど私からも申し上げたとおりですが、今後は各担当大臣の下に設置されたワーキンググループや、先ほど申しました尾﨑副長官の下の戦略分野分科会において、こうした点について更に検討を深めた上で、官民投資の規模と時期等を明らかにしていく考えであります。
 いずれにしましても、今年の夏の日本成長戦略取りまとめに向けて、先ほどご指摘になったことも踏まえまして、引き続きスピード感を持って検討を進めてまいる考えであります。
 また、成果管理のご質問についてですが、この夏の日本成長戦略策定後も当然、官民投資ロードマップの実施状況等を適切に把握するとともに、PDCAによって政策の実効性を確保しながら、必要があれば見直しを行っていくということだと思います。

(以上)