小野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年9月4日

(令和8年9月4日(金) 11:30~11:49  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 人工知能戦略担当大臣及び科学技術政策担当大臣として報告をいたします。
 8月26日から28日までアラブ首長国連邦を、8月31日から9月3日まで米国を、それぞれ訪問しましたので、御報告をいたします。
 8月27日に、アラブ首長国連邦において、AI政策を担当する国務大臣と会談し、日本でのAIサミットの早期開催に向けた調整などAI分野における協力の可能性について議論をいたしました。また、同国を代表するAI企業であるG42社や、政府機関である先端技術研究評議会、ムハンマド・ビン・ザイード人工知能大学を訪問し、それぞれの機関の幹部と日UAEの協力の可能性に関して意見交換を行いました。
 続いて8月31日に、米国において、クラツィオス米国大統領府科学技術政策局長と会談し、AIを始めとする重要技術分野に関する日米間の協力について意見交換を行いました。
 また、9月1日には、G20イノベーション大臣会合に出席し、新興技術分野におけるイノベーションを促進するための政策的枠組み等について議論をいたしました。会合の間には、英国、欧州連合、フランスの閣僚等と会談し、科学技術分野における各国・地域との協力の強化について意見交換を行いました。本出張の成果を最大限にいかして、AIを始めとする科学技術分野における国際協力を戦略的に推進していく所存です。
 次に、外国人との秩序ある共生社会推進担当及び宇宙政策担当大臣として報告をいたします。
 8月25日に名古屋出入国在留管理局及び三菱重工業株式会社飛島工場を視察いたしました。名古屋出入国在留管理局においては、平口法務大臣と合同で、施設内各所や入国警備官による訓練を視察するとともに、現場で働く職員からの貴重な声を伺い、出入国在留管理の現場の実情を改めて把握いたしました。引き続き、平口法務大臣等の関係大臣と連携し、出入国在留管理の適正化をはじめとする「総合的対応策」に盛り込まれた施策を、着実に進めてまいります。三菱重工業飛島工場では、我が国の基幹ロケットであるH3ロケットの製造現場を視察いたしました。視察を通じて、ロケット製造の高い技術力や現場力を実感するとともに、高頻度打上げや低コスト化に向けた様々な取組をお聞きすることができました。宇宙政策担当大臣として、先々月公表された「日本成長戦略」を踏まえて、官民の戦略的な投資を促し、宇宙政策を推進してまいります。今回の視察の成果を最大限に生かし、担当する諸分野における各施策を推進してまいります。
 次に、科学技術政策担当大臣として報告をいたします。
 国立研究開発法人産業技術総合研究所、いわゆる産総研が、ベンチャーキャピタル等に出資することをできるようにするため、「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律施行令」の一部改正を行い、8月28日に公布・施行となりました。今般の改正により、今後、産総研において、民間企業等とも連携した新たなファンド組成に向けた検討が行われると承知しております。このファンドを通じた出資により、産総研発の技術を活用したスタートアップへの支援を強化し、国立研究開発法人発の技術の社会実装がさらに加速されると期待されます。内閣府としては、引き続き、関連省庁と連携し、スタートアップの支援の強化など、イノベーション加速に向けた取組を推進してまいります。
 次に、科学技術政策担当大臣と報告します。
 本日、「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想(GSC)フラッグシップ拠点整備に関する基本計画」を決定いたしました。本日中に、科学技術・イノベーション推進事務局のホームページにおいて公表する予定です。詳細は本日午後に、事務方からブリーフィングをさせていただきます。本計画は、GSC構想の中核を担うフラッグシップ拠点の整備に向け、施設整備等の基本的な事項を定めるものです。策定に当たっては、建築や金融、不動産の専門家に加え、ディープテック分野の研究者や創業者などで構成される「フラッグシップ拠点整備に関する有識者会議」において、精力的にご議論をいただきました。本基本計画では、①全体的な拠点の構想を計画した上で、必要な活動を早期に行う観点から必要となる規模から整備を開始し、活動ニーズ等を踏まえ拡張すること、②ディープテック分野のあらゆるニーズに対応できる利便性・快適性を備えるとともに、様々な人々との出会いや交流を促進し、創造性を誘発するなどの特徴を有する施設とすること、③ウェットラボやコアファシリティを含む研究機能、オフィス機能、コミュニケーション機能等を備えること、④設計段階から、研究・インキュベーション施設の運営に知見や実績等を有する運営事業者の視点を取り入れることなどを盛り込んだところです。今後、基本計画に基づき、速やかに設計等に関する事業者の公募・選定を行い、基本設計に着手してまいります。
 次に、同じく科学技術政策担当の大臣として報告をします。
 お手元にも資料を配布しておりますが、政府全体の令和9年度概算要求における科学技術関係予算を集計したところ、事項要求等を除き、『「強く豊かな日本」投資枠』を含めて、令和8年度当初予算から73.7パーセント増となる10兆9983億円となりました。本年3月に策定された第7期「科学技術・イノベーション基本計画」では、研究開発投資について、政府目標を60兆円、官民目標を180兆円と定め、イノベーションを生み出すための社会システムの再構築を目指しております。高市政権が掲げる「責任ある積極財政」の考えの下、基礎研究を含めた科学技術研究の基盤を強化し、イノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保を達成する「新技術立国」を実現できるよう、関係府省庁連携のもと、必要となる予算をしっかりと確保してまいりたいと考えております。
 次に、宇宙政策担当大臣、科学技術政策担当大臣、外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣、クールジャパン戦略担当大臣、知的財産戦略担当大臣及び経済安全保障担当大臣として報告をいたします。
 諸般の事情が許せばですが、9月8日から15日まで、フランス、オランダ及びオーストリアを訪問します。まず、1か国目となるフランスでは、フランス国際宇宙サミットに日本政府代表として出席し、宇宙分野の重要性や日本の取組をしっかりとアピールしたいと考えております。また、本サミットの機会を活用し、各国閣僚との会談等も実施する予定です。また、ベガール仏国文化大臣や現地企業などとの間でクールジャパン・知的財産戦略に関する意見交換を、ヴェドレンヌ仏国公民権担当大臣との間で外国人政策に関する意見交換を、それぞれ行う予定としています。さらに、フュージョンエネルギーの研究開発の最前線であるITER(国際熱核融合実験炉)を視察し、今後の取組等に向けた意見交換を行う予定です。
 次に、2か国目のオランダでは、ヘレーン・ヘルベルト経済・気候政策大臣との間で、MOC(日蘭量子技術協力)への署名を行うとともに、科学技術・イノベーション協力、経済安全保障に関する意見交換を行う予定です。また、リアンネ・レッチェルト教育・文化・科学大臣との意見交換やデルフト工科大学の視察等を通じ、人材育成、研究協力、研究セキュリティ等に関する知見を深める予定です。
 さらに、3か国目となるオーストリアでは、IAEA(国際原子力機関)総会に出席し、核不拡散及び原子力の平和利用の重要性をあらためて訴えるとともに、ALPS処理水を含む福島関連の取組等をしっかりアピールしてまいります。また、本総会の機会を活用し、IAEA関係者や各国出席閣僚との会談等も実施する予定です。この機会を最大限に活かし、これら分野における国際連携を戦略的に推進していく所存です。

2.質疑応答

(問)今回、概算要求、各省からのですが、先ほども科学技術予算のほうがこれだけ増えている中で、内閣府も大幅な増額要求をして、大臣の担当している政策でもそれぞれ予算拡充させるような要求があったんですけれども、それらのトピックスや狙いについて教えてください。
(答)令和9年度の予算概算要求に関し、私の担当分野の政策について、『「強く豊かな日本」投資枠』も含め、それぞれ施策の推進に必要となる予算を精査のうえでしっかりと要求させていただいたところです。そうした中で幾つかの分野を紹介させていただきますと、科学技術・イノベーション分野は、我が国の成長力と国力の源泉であり、科学技術・イノベーション政策の司令塔として、政府全体の科学技術関係予算をしっかり確保できるよう関係各省とも連携していくとともに、内閣府としても、AX実現に向けたバーティカルAIの導入・開発利用の促進、南鳥島レアアース泥開発の推進、経済安全保障上の重要技術の育成強化、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想に係る取組などに必要な予算をしっかり確保してまいりたいと考えています。
 また、宇宙分野においては、既に日常生活、経済活動、安全保障で不可欠となっている、次世代の国家インフラであり、宇宙関係予算を全体として拡充するとともに、内閣府としても、準天頂衛星システムや宇宙戦略基金、そして各省にまたがる政府衛星等の打上げ役務の一元的な調達等に必要となる予算をしっかり確保してまいりたいと考えています。もちろん、その他の分野もいずれも重要な政策の領域であり、今後、年末の予算案の決定に向けて、担当する内閣府・内閣官房の予算、さらには内閣府・内閣官房が司令塔機能を担う分野における政府全体の予算もしっかり確保できるよう、関係各省と連携しながら、最大限努力してまいりたいと考えております。
(問)今年の国際科学オリンピック、日本代表31名、このうち8個の金メダルを含む29個のメダルを獲得ということになりました。御所感をお願いいたします。
(答)今年度の国際科学オリンピック7科目において、日本代表選手29名がメダルを獲得したということを承知しております。日本代表選手の皆様の素晴らしい活躍に敬意を表するとともに、心からお祝いを申し上げます。国際科学オリンピックのような国際科学技術コンテストは、優れた才能を有する子供たちが、その能力を存分に発揮し、学びの成果を示すことができる大変意義深い機会であると考えます。こうした挑戦の場を社会全体で支えて、子供たちが自らの才能を伸ばしていける環境を実現していくことが大変重要であると考えています。内閣府としては、第7期「科学技術・イノベーション基本計画」に基づいて、次世代の科学技術人材の継続的な育成・輩出に向けて、関係省庁と連携し、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えます。
(問)生成AIの学習問題について伺います。ChatGPT開発などに際し、学習過程で記事を無断利用したとして、米新聞大手ニューヨークタイムズがOpenAIを相手取って起こした著作権侵害の訴訟を巡り、米国のトランプ政権は、AI学習に記事を使うのは合法だとして、OpenAI側を擁護する意見書をニューヨーク州の連邦地方裁判所に提出しました。日本メディアも別企業を被告として同種訴訟を提起しておりますが、こうした米国政権の姿勢についてどのように受け止めますでしょうか。また、国内では、著作権法でAIによる機械学習を広く認めておりますが、記事と機械学習の関係性や今後の対応方針についてお考えをお聞かせください。
(答)ご指摘の報道について承知しておりますが、個別の訴訟事案について、コメントすることは差し控えたいと思います。その上で、我が国におけるAI学習のために行われる著作物の複製等については、著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない場合には著作権者の許諾なく行うことが可能とされている一方、享受の目的が併存する場合や、著作権者の利益を不当に害することになる場合は、著作権者の許諾が必要となるものと承知をしております。
 AI及び知的財産を所管する立場である私としては、AI技術の進歩と知的財産権の適切な保護の両立は重要と考えており、利用者が安全・安心にAIを活用できる環境を確保すべく、関係省庁と連携しながら施策を推進してまいりたいと思います。
 先日策定した「プリンシプル・コード」もこうした環境を整備するための重要な一歩であると考えています。著作権制度自体に関しては、同制度を所管する文化庁にお尋ねをお願いします。
(問)先月、尿素サイクル異常症の治療に使われてきた低分子薬「フェニル酪酸ナトリウム製剤」の効能・効果が追加され、これまでは対症療法や肝移植が中心だった指定難病「進行性家族性肝内胆汁うっ滞症」の治療薬として使えるようになりました。東京大学などのチームが科研費やAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)などの支援を活用しながら進めてきた基礎研究の成果とのことですが、この成果の受け止めと、来年度概算要求が今年度予算を大幅に上回るものとなっている中で、医科学や薬学分野の基礎研究の予算の確保をどのように進めていきたいか、御見解をお願いします。
(答)お尋ねの医薬品の効能・効果の追加については、AMEDなどから支援を受けた、東京大学等による研究成果を基盤として行われたものと承知しており、国の支援が難病の治療法の改善に寄与できたことは大変喜ばしいことであると感じております。
 一般的に、難病など患者数が少ない疾患については、患者数が限定されることから、治験の実施や研究開発費の回収が難しいため、創薬が進みにくいという課題があるということは重々認識しております。こうした希少な疾患についても、治療法の研究開発を支援し、患者さんに提供することは極めて重要であり、当該疾患に限らず、難病・希少疾患領域に関する研究開発を国として引き続きしっかりと支援してまいりたいと思います。
 また、このような健康・医療分野の研究開発が中長期的に成果を創出し続けていくためには、あらゆる研究開発の源泉となる裾野の広い基礎研究を広く推進していくことも重要であると考えています。今後とも、国民の健康に資する成果を継続的に創出し、確実に社会実装につなげていくため、関係省庁とも連携しながら、必要な基礎研究関連予算の確保についてしっかりと取り組んでまいりたいと考えます。
(問)今月中に内閣改造が実施されるとのことですが、経済安全保障、外国人政策、知的財産、科学技術、人工知能、クールジャパンと多岐にわたったジャンルを担当され、これから同志国との密接な連携を深めるため、ジャンルを横断した対策の必要性を感じたことがございましたらお聞かせください。
(答)私の担務について申し上げると、相互に関連する部分も多く、今回の米国出張もそうだったのですが、各国の閣僚や大使とは、もはや1つの分野に特化して議論することのほうが少ないなと感じています。例えば、先ほども議論がありました、AIと知的財産、先端技術開発と経済安全保障など、各分野での課題は密接に関連しているほか、外国人政策も、様々な行政分野にまたがる部分があると考えています。複数の担当部局や省庁と調整を行いながら施策を進める必要があり、一筋縄ではいかない課題も多いのですが、分野横断的な対策は重要であると認識しております。
(問)大臣が不都合が感じた中に、スパイ防止法が日本にないことで、密接な関係を深められないんじゃないかなという、そういうものが少しでも感じたことがございましたでしょうか。
(答)スパイ防止法に関しては、所管外でございますので、それについて予断を持ってのお答えは差し控えます。
(問)先日、ノーベル賞を受賞した白川英樹先生がお亡くなりになられました。大臣としての受け止めをお願いします。
(答)高分子化学の分野において多大な功績を残された白川英樹博士が先月24日にお亡くなりになられたということで、心よりお悔やみを申し上げたいと思います。白川博士は、導電性高分子の発見と発展に大きく貢献されたことから、2000年にノーベル化学賞を受賞されております。現在の通信機器などの基盤を支える大きな功績に対して改めて敬意を表したいと思います。また、受賞後は、2001年に発足した政府の総合科学技術会議の議員を務められ、同会議の今後の審議方針について議論いただくなど、我が国の科学技術の発展に大きな貢献をされたと考えております。我が国から、白川博士に続くような卓越した研究者が続々と育つように、第7期「科学技術・イノベーション基本計画」の下、基礎研究力の強化、研究環境の整備、そして人材育成などの取組を強力に推進してまいりたいと思います。
(問)一応確認なんですけれども、「週刊文春」さんのほうで、前回選挙で闇事務所をつくっていたとか裏金があるんじゃないかという報道がございますが、見解をお願いいたします。
(答)この場は内閣府の見解を話すところではありますが、報道で指摘があった瀬戸内市の事務所については、政治活動の拠点として選挙より前から借り上げていたものです。選挙活動は、届け出の岡山市の選挙事務所で行っておりまして、瀬戸内市の事務所について選挙活動には利用していません。ですので、週刊誌の指摘は当たらないと考えております。その上で、瀬戸内市の事務所の家賃が全て政治団体の家賃として収支報告すべきであったところ、一部が選挙活動費用収支報告書に記載されていたことが判明したので、これに関しては選挙管理委員会などとの相談の上で記載の修正を行う等、適切に対応してまいりたいと思います。後段のお金のところに関しても、収入に書かれた800万の中でしっかりやっているので、週刊誌の報道は当たりません。

(以上)