小野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年8月25日

(令和8年8月25日(火) 11:00~11:07  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 知的財産戦略担当大臣として、報告をいたします。
 パブリック・コメントや有識者会議での議論を踏まえ、本日、「生成AIの適切な利活用等に向けた知的財産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード」を策定いたしましたので、知財事務局ホームページにおいて公表をする予定です。詳細は本日昼過ぎに、事務方からブリーフィングをさせていただきます。本文書は、生成AI事業者が行うべき透明性の確保や知的財産権の保護の措置の原則を定めるものです。具体的には、本プリンシプル・コードで定めた原則を、生成AI事業者が実施するか、しない場合はその理由を外部に説明することを求める、スチュワードシップ・コードでも用いられている「コンプライ・オア・エクスプレイン」の手法に基づくものとしております。策定にあたっては、AI法の趣旨を踏まえつつ、生成AI技術の進歩の促進と知的財産権の適切な保護の両立を主眼に置きました。国民が安心・安全に生成AIを利活用できる環境を確保し、利用・活用が進むことで開発そのものも進んでいく、そうした好循環が形成されることを期待しております。政府としては、本文書に基づく事業者からの届け出を追って開始する予定でございまして、運用はもとより、今後、周知もしっかりと進めていきたいと考えております。
 次に、宇宙政策担当大臣として報告をいたします。
 8月11日火曜日、H3ロケット9号機による「みちびき7号機」の打上げが成功いたしました。関係各位のご尽力に心より敬意を表します。「みちびき7号機」は、その後、自ら4回エンジン噴射を行い、無事に所定の軌道に到達し、来年3月頃の運用開始に向けて準備を進めております。今後とも我が国の宇宙開発利用を精力的に進めて参ります。
 次に、科学技術政策担当大臣として報告をいたします。
 6日に日本原子力研究開発機構を訪問し、次世代革新炉の開発に貢献する高速実験炉「常陽」と高温工学試験研究炉「HTTR」に加えて、我が国の再処理技術の確立に貢献してきた東海再処理施設を視察し、核燃料サイクル政策等の重要性を再認識いたしました。引き続き、現場の声をしっかり受け止めつつ、関係省庁の取組を後押ししてまいりたいと思います。
 次に、知的財産戦略担当大臣として、報告をいたします。
 本日、「インターネット上の海賊版に関する工程表」を更新し、知財事務局ホームページで公表を予定しております。今回の更新では、生成AIなどによる被害を含めた多様な海賊版被害の把握の強化、アジア諸国の著作権や警察部局等との協力体制の充実に向けた取組等が追記をされております。また、特に海賊版被害の深刻なベトナムに対する具体的なアクションを昨年に続いて取りまとめており、CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)ベトナムセンターと連携した対策など、取組をさらに強化することとしております。引き続き、我が国のコンテンツ産業を海賊版被害から守るべく、官民一体となって対策をしっかりと進めてまいります。
 次に、人工知能戦略担当大臣及び科学技術政策担当大臣として報告をいたします。
 諸般の事情が許せば、8月26日から28日までアラブ首長国連邦を、8月31日から9月3日まで米国を、それぞれ訪問いたします。アラブ首長国連邦では、我が国でのAIサミットの早期開催に向けた協力等について、AI政策を担当する大臣と協議を行う予定です。また、米国ではG20イノベーション大臣会合に出席し、イノベーションの促進のための政策等について議論をするとともに、出席する各国の閣僚等とのバイ会談などを通じ、AIをはじめとする重要分野について意見交換を行う予定です。出張報告は、帰国後の閣議後記者会見で実施をさせていただく予定です。

2.質疑応答

(問)分子科学研究所が日本初、世界でも数少ないフルスタック中性原子量子コンピュータ「春海」の稼働を開始しました。受け止めと、今後への期待について教えてください。
(答)中性原子方式は、量子ビットの大規模化や誤り体制の実現に向けて世界的に注目されている有望な方式の一つであり、今回、ソフトウェアから計算装置までを含めたシステムとして実現されたことは、我が国の量子コンピュータ開発における大きな前進であると考えております。今回の成果は、内閣府のムーンショット型研究開発制度や文部科学省のQ-LEAP(光・量子飛躍フラッグシッププログラム)など、我が国が継続的に推進してきた量子研究開発の成果の一つであり、産学官の連携によって実現されたものであると認識をしております。今後、「春海」が誤り訂正技術の実証や新たなアプリケーションの開発などに活用され、我が国の量子コンピューティングの分野の発展、そして新たな産業・イノベーションの創出につながることを期待しております。政府としても、先日公表された日本成長戦略の官民投資ロードマップに基づいて、量子コンピューティングの研究開発、人材育成、そしてユースケースの創出、産業化支援等を着実に進めるとともに、研究開発から社会実装までを支える量子技術のエコシステムの構築に取り組んでまいりたいと考えております。
(問)「生成AIの適切な利活用等に向けた知的財産保護及び透明性に関するプリンシプル・コード」について伺います。生成AIの弊害が指摘される中、コードを策定した意義や所感、それから今後の期待についてお聞かせください。一方で罰則を問わないため、実効性の確保が課題になっております。実効性確保に向けた取組や、従わない事業者への対応方針、コード見直し等の可能性についても御教示ください。
(答)本文書を策定した意義や所感、今後の期待については、先ほど冒頭に発言した通りでございますけれども、生成AI技術の進歩と、知財の適切な保護の両立に向けた環境整備の大きな一歩になることを期待したいと思っています。本文書がソフト・ローに留まることで、実効性に不安があるというご指摘があるのは承知をしておりますが、AIをめぐる技術動向は急速に進展しており、コンテンツ産業への活用も含め、新たなビジネスが目覚ましく創出されている状況でございます。このような環境において、まずコンプライ・オア・エクスプレインの手法により、生成AI事業者にしっかり説明責任を果たしていただくことで権利者、利用者の対話を促していくことが適切であると考えております。今後、本文書の趣旨について丁寧に周知していくとともに、適用開始後の状況をフォローしていくこととしており、その状況次第によっては、更なる措置の導入を検討することも含めて、適切に対応してまいりたいと考えています。

(以上)