小野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年7月31日

(令和8年7月31日(金) 11:35~11:52  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 まず、28日に発生した令和8年熊本地震について申し上げます。お亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともに、ご遺族の皆様に謹んでお悔やみを申し上げます。また、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。今この瞬間も救助を待たれている方々、そして現場で救助にあたってくれている方々がいらっしゃいます。政府として、引き続き災害応急対応に全力で取り組んでまいりますが、余震や暑い日も続いております。危険な場所に近づかない、または熱中症対策をはじめ、皆様におかれましては、正しい情報の取得を心掛け、身を守る行動を取っていただきたいと思います。
 では、科学技術政策担当大臣、外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣及び経済安全保障担当大臣として報告をいたします。7月26日から29日まで、豪州を訪問いたしました。27日は、シッスルスウェイト移民補佐大臣兼外務・貿易補佐大臣との間で意見交換を行い、外国人政策については、豪州における外国人の受入れの在り方等について説明を受けたほか、引き続き緊密に情報共有を行っていくことを確認いたしました。また、経済安全保障政策について、重要鉱物やエネルギーのサプライチェーン強靭化等における日豪間の連携や協力を深めていくことを改めて確認をいたしました。
更に、同日、エアーズ科学大臣とともに「量子科学技術及びイノベーションに関する協力覚書」に署名を行い、日豪間で量子分野での協力を推進していくことを確認いたしました。その後、量子分野に加え、AI等の重要・新興技術、経済安全保障、労働力・人材確保等、日豪共通の課題について幅広く意見交換を行いました。
 加えて、同日、ASPI(豪州戦略政策研究所)のバッシ所長との意見交換を行いました。今年5月の日豪首脳会談で署名された「経済安全保障協力に関する日豪共同宣言」には両国のシンクタンクの協力強化が記載されており、今回、経済安全保障推進法の改正を受けて今後、設立される総合的なシンクタンクとASPIとの間で連携強化を確認することができました。
また、ニュー・サウス・ウェールズ大学のクリーンエネルギー、量子技術等の研究施設や、ディープテックに重点をおくスタートアップ・インキュベーション施設であるシカーダ・イノベーションズも視察し、それぞれの施設の関係者と意見交換を行いました。
28日は、ヴィラウッド収容所を訪問し、豪州における収容外国人の実態を視察するとともに、日豪の入国管理制度や収容業務の運用についての意見交換を行いました。
また、シドニー大学において開催された「日豪量子ワークショップ」に出席し、前日に署名をした覚書に基づく、両国の大学、研究機関及び企業による研究協力、産業化に向けた具体的な取組や一層の協力の可能性について理解を深めました。
更に、同日、オーストラリア原子力科学技術機構を訪問し、レアアース精製実証施設や、医療用放射性同位元素の製造などに使われる多目的研究炉を視察し、経済安全保障、科学技術分野における両国間の協力の重要性を再認識いたしました。
なお、訪問中には、クッタバル豪海軍基地において、1942年の旧日本海軍特殊潜航艇の攻撃により亡くなった豪州軍人等を慰霊するクッタバル慰霊碑と、亡くなった旧日本軍軍人を慰霊する碑がある海軍歴史遺産センター内の「松尾艇」のそれぞれ2カ所において献花し、黙とうを捧げました。
限られた時間の中で、幅広い分野の関係者と、日豪間の共通の課題について意見交換を行い、今後の協力を確認することができた、大変有意義な出張であったと考えております。今後、本出張の成果を最大限に生かして、私が担当する諸分野における各種施策や国際協力を戦略的に推進してまいる所存です。
 次に、外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣として報告をいたします。7月30日に、インドネシア共和国のアブドゥル・ムハイミン・イスカンダル調整大臣との会談を行いました。同大臣は、インドネシア人材の育成と移動に関して、両国間の協力関係を強化したいとして来日をされたものです。
今回の会談では、両国間の今後の人材移動の動向や、秩序ある共生のため我が国に在留するインドネシア人が日本語や日本文化を十分に理解することの重要性や、帰国後のキャリアの継続性等にかかる意見交換を行いました。引き続き、両国間の協力の関係の発展に取り組んでまいります。
 次に、科学技術政策担当大臣として報告をいたします。EUの研究支援枠組みである「ホライズン・ヨーロッパ」への日本の準参加について、昨日、日本と欧州委員会との間で、協定への署名がなされました。日本の準参加については、昨年12月に実質合意がなされ、その後、外務省において正式な署名に必要な手続きについてEUとの調整を進め、今般署名に至ったものです。
ホライズン・ヨーロッパへの準参加は、EU加盟国等との科学技術・イノベーション協力を活発化するものであり、今後、具体的な研究協力が進んでいくことを期待しております。大学や企業等の研究者の皆様におかれましては、是非、ホライズン・ヨーロッパへの積極的な御応募をお願いいたします。
 次に、科学技術政策担当大臣としてご報告をいたします。本日、第86回総合科学技術・イノベーション会議を持ち回りにて開催いたしました。文部科学大臣より、京都大学の国際卓越研究大学としての認定及びその体制強化計画の認可に当たり、意見を求められていたところ、「意見はない」と答申したものです。これを踏まえ、文部科学大臣において認可の判断がなされると承知をしております。内閣府としては、今後も引き続き、文部科学省と連携しながら、研究環境の整備や国際競争力の強化等の取組を推進し、各大学の挑戦を後押ししてまいります。
 最後に、宇宙政策担当大臣として報告をいたします。宇宙政策委員について、前委員の任期が7月30日で満了し、7月31日付けで新たに2年間の任期で宇宙政策委員が任命されました。委員は、お手元の名簿にございます9名にお務めをいただきます。新任委員として石井委員、栗原委員、吉田委員、他の6名は再任となっております。なお、委員長は、委員の皆様の互選により、NTT株式会社取締役会長、澤田純委員が務められます。委員の皆様は、宇宙工学、宇宙科学、安全保障、法律など、幅広いご知見を持っておられる、専門家の方々です。これから2年間、共に宇宙基本計画改定の検討も含めた宇宙政策の推進に取り組めることを、大変心強く感じております。宇宙政策委員会でのご議論を踏まえつつ、引き続き関係各省及び関係機関と連携し、宇宙政策を強化してまいります。

2.質疑応答

(問)ホライズン・ヨーロッパの準参加について、正式署名が昨日されましたけれども、現在のホライズン・ヨーロッパはフレームワークがないので、2027年までとなっています。28年から準参加する場合には、新たに協定を結ばなければいけない。大臣としては、次期プログラムへの参加についてどのようにお考えなのか。もし参加するのであれば、今は三つの柱のうちの産業イノベーションの部分に準参加しているかと思うんですけども、次のフレームワークの四つの柱のうち、どこで参加したいのか、そこら辺について教えてください。
(答)次期プログラムについては、現在、柱の構成も含めてEU内で詳細について検討中と承知をしているところですが、EU加盟国等との研究協力を進める上で重要な取組になり得るものと考えております。次期プログラムへの参加の検討にあたっては、密に情報収集を行いつつ、我が国の大学や企業等が参加しやすい仕組みとなるように必要に応じてEUに対して働きかけを行うなど、十分に連携を取りながら今後の検討を進めてまいりたいと考えます。
(問)AIをめぐる米中対立と日本のAI政策について伺います。中国は今月、世界人工知能大会や世界AI協力機構の設立に向けた調印式を開催するなど、米国主導のAI開発の動きに対抗する姿勢を鮮明にしております。中国が新興途上国の囲い込みを加速する中、米国との協調をはじめとする日本のAI政策の方向性について御教示ください。また、AI分野における中国との向き合い方についてどのようにお考えでしょうか。
(答)米国や中国を始めとして世界各国でAIの開発競争が加速する中で、AIは今後の経済・社会の発展を支える基盤技術でありまして、国家主権や安全保障の観点からも、我が国として自律性・不可欠性を確保すべくしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。具体的には、日本の強みである現場データを活用し、バーティカルAIとフィジカルAIで日本の課題のみならず、世界の課題を解決するものとして我が国の戦略的不可欠性の強化につなげます。そして、こうした取組と合わせて、今世界が求めている、安全・安心で「信頼できるAI」を世界とともに構築していく。この点は、今般の豪州出張においても先方の大臣とも考えを共有したところであり、他の同志国とも同様に連携を進めたいと考えております。加えて、AIサミットを早期に日本で開催するなど、マルチの場におけるAIガバナンスでの議論にも積極的に参加をして関与し、多国間協力を推進して、ルール形成や国際標準化を主導していきたいと考えております。具体的にどの国とありましたが、まず、どの国に対してどう向き合うかということよりも、我が国がしっかりと自律性と不可欠性を確保していくという視点で、AI戦略を作っていきたいと思っています。
(問)iPSについてお伺いします。2006年8月に、京都大学の山中教授らが科学誌にiPS細胞作製を発表してから間もなく20年の節目を迎えます。政府は、これまで研究開発を手厚く支援してきましたが、iPS細胞を用いた医療の普及や関連技術の産業化に関して、進捗状況をどう見ていますか。また、どのような課題があるとお考えでしょうか。
(答)iPS細胞は、我が国発の画期的な成果であり、その実用化に向けて、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)を中心に基礎・基盤研究や臨床の応用を支援してきたところです。本年3月には、iPS細胞を用いた再生医療等製品の2件が、条件・期限付きながら世界で初めて薬事承認されるなど、我が国が世界の最先端を走っていると認識しています。一方で、国際競争も激化しており、引き続き我が国が世界をリードしていくために、承認された2製品の有効性等の確認や、再生医療等製品をより効率的・安定的に製造するための基盤技術の開発も重要であると考えます。そのため、先般閣議決定された日本成長戦略の「創薬・先端医療」及び「合成生物学・バイオ」の戦略分野において、再生医療等製品を「主要な製品・技術等」に位置付けているところです。我が国発の成果であるiPS細胞を用いた製品が、一つでも多く国民の皆様に届くよう、引き続き関係省庁やAMEDと連携し、基礎から実用化までの一貫した研究開発に取り組んでまいりたいと考えております。
(問)昨日、こども霞が関見学デーにおいて、「小野田大臣室へようこそ」というコーナーがあったかと思うんですけれども、どのようなことをなさったのか、御感想というか、どんな感じだったか教えてください。
(答)7月29日及び30日、内閣府をはじめ、各省庁においてこども霞が関見学デーが開催されたところであり、昨日、私の大臣室にも参加者のこどもたちに訪問をしていただきました。こどもたちに何でも聞いてというような座談会をさせていただきましたが、こどもたちからは本当に多岐にわたる質問をいただきまして、政治家としての思いや、宇宙、AI、クールジャパン、外国人政策という担当分野に関して幅広い質問が寄せられました。私から、可能な限り分かりやすく、心にちゃんと入っていくようなお答えができればと思い、お答えをさせていただいたところです。
 今回のイベントの参加が、国の仕事に理解を深めてもらうとともに、こどもたちの関心を広げ、将来の夢につながるきっかけの一助となったら嬉しいなと思います。
(問)政治家としての思いというのはどういう会話をされたんでしょうか。
(答)あるべき日本の姿はどう思いますかなど、哲学的なことを聞かれる子もいらしたのですが、何かを、これが正解だというような押しつけるお答えはなるべくしないようにというふうに思いました。こういう質問を持ってくれた子たちに対して、皆はどう思うのか、それを実現するためにはどうしたらいいのかというような、なるべくこれがあるべき日本ですとか、これが政治家としてあるべき姿ですというような言い方はなるべくしないようなお答えの仕方をしたところです。
(問)基金の3年ルール、見直されましたけど、昨日、科学技術・イノベーション政策に与える影響についてどうお考えか教えてください。
(答)昨日開催された「第4回行政改革推進会議」において、基金については、「新たな予算措置は3年程度として、成果目標の達成状況を見て、次の措置を検討する」としていた、いわゆる「3年ルール」は適用しないことが示されたことは承知しております。先端的な研究開発を進めるに当たっては、計画通りに進捗しないことも多く、柔軟な資金管理や予見性を高める複数年度にわたる予算措置が極めて有効であると私も考えております。この観点から、今回の見直しは、科学技術・イノベーション政策の可能性を広げるものであると捉えております。今回の見直しの趣旨を踏まえて、必要な予算要求をしっかりと行うとともに、適切な予算の確保、執行に努めてまいりたいと考えています。
(問)度々すみません。宇宙政策委員会の構成員の変更の話なんですけれども、澤田さんを委員長にという、この辺の狙いというか、御期待なさるところがあればお願いします。
(答)これについては、委員の皆様の互選で決められましたので、こちらからこういう意図を持って、この方というよりは、委員の皆様に選んでいただいたという形です。

(以上)