小野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年6月30日
(令和8年6月30日(火) 9:51~10:00 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
人工知能戦略担当大臣として報告をいたします。先週26日に、「人工知能戦略本部」の下に設置された「人工知能戦略専門調査会」の第6回会合を開催いたしました。先日実施したパブリックコメントを踏まえた「AI基本計画」の改定案と、官民投資ロードマップともつながる「バーティカルAI領域別戦略」の素案を提示し、委員の皆様より様々な観点から、大変示唆に富んだ御意見を頂きました。「AI基本計画」の改定案につきましては、委員の皆さまからの御指摘や国民の皆さまからの御意見を踏まえ、更に精査したうえで、来月の上旬目途で策定してまいります。また、「バーティカルAI戦略」についても、速やかな策定に向けて取り組んでまいります。次に、健康・医療戦略担当の大臣として報告をいたします。第57回健康・医療戦略推進本部を、先週6月26日に書面で開催し、本部長である総理のもと、「令和9年度医療分野の研究開発関連予算等の資源配分方針」及び「令和8年度第2回医療分野の研究開発関連の調整費の実行計画」を決定いたしました。「医療分野の研究開発関連予算等の資源配分方針」は、私が共同座長を務める「創薬・先端医療ワーキンググループ」の議論や、研究開発の進捗状況等を踏まえて策定したものであり、今後、本方針に基づき、関係省庁と協働し、医療分野の研究開発関連予算の概算要求を行ってまいります。また、「医療分野の研究開発関連の調整費の実行計画」に基づき、研究開発の前倒しや内容の充実等を進めます。医療分野の研究開発を推進し、その成果を一刻も早く国民の皆様に届けるため、引き続き関係省庁とともに積極的に取り組んでまいります。
次に、科学技術政策担当大臣として報告をいたします。6月23日に、原子力委員会において「令和7年度版原子力白書」を取りまとめ、内閣府のホームページで公表いたしました。今回の白書においては、「次世代に向けた核燃料サイクルの展望」を特集のテーマとして、核燃料サイクルについて、その意義や国内外の動向について分かりやすく紹介をしております。核燃料サイクルは長期にわたる継続的な取組が必要となるため、その意義について、国民の皆様に対して分かりやすい説明を尽くしていくことが重要であると考えております。内閣府としても、白書の内容をシンポジウムや大学の講義などの場で積極的に紹介するなど、原子力に関する理解を深めていただく取組を進めてまいります。
2.質疑応答
- (問)AIについて二つ教えてください。現在、検討中のバーティカルAI領域別戦略ですけれども、まずどの分野から進めていきたいかというのがあれば教えていただきたいのと、もう一つ、内閣府は「AI基本計画」の旗振り役でもありますけども、AXを進めるため、どういった取組を進めていくのか教えてください。
- (答)バーティカルAI領域別戦略は、官民の限られたリソースの選択と集中を図り、投資拡大を最大化するため、市場性、公共性、戦略性の3つの観点から定めた各領域における個別施策の解像度や予見性を高めることを目的としております。
各領域の特徴やAIの利活用状況、我が国の強みである現場の力をAIの実装能力へとしていく観点を踏まえつつ、各省庁との密な連携の下で必要な取組を着実に進めてまいりたいと思いますが、どこの分野からということは、まだ本戦略を発表していないので、この市場性、公共性、戦略性の3つの観点を考えた上で、それぞれ何ができるかということをしっかり定めていきたいと思います。
また、国民生活の課題を解決し、国力を強化するためには、AIを前提として、意思決定や業務の進め方を根底から見直す「AX」が重要であるとも考えております。
AXを社会全体で進めていくため、AI基本計画の改定及び領域別戦略の策定を進めるとともに、関係省庁とも連携し、行政及び産業の現場にバーティカルAI及びフィジカルAIを積極的に導入するとともに、規制及び制度の見直しも進めてまいりたいという風に考えています。 - (問)基本計画について続きで伺います。新しい案では、AI主権という概念を強調されていますけれども、日本が確立すべきAI主権とは何かというのを、小野田大臣のお考えを改めて聞かせてください。Claude Mythos(クロード・ミュトス)をはじめとする高性能AIについては、米国政府との協議を要する事態になっていますけれども、日本は今、AI主権を確立できているのでしょうか。そのお考えを教えてください。また、その新案の中では、国産AIという言葉を一度も使われておりません。日本が主体的にコントロールできるAIを求める声というのは、国会でも質問でも上がっていますけれども、基本計画では国産のAIという言葉をあえて使っていないのでしょうか。理由等があれば教えてください。
- (答)現在策定を進めているAI基本計画の改定案にあるように、日本としては、AIエコシステム全体の中で、戦略的自律性及び戦略的不可欠性を確保して、開かれた「AI主権」を確立すべきと考えております。
具体的には、AIエコシステムの各層において、戦略的自律性として、特定の国や企業への過度な依存を避け、複数モデルを統御しながら利用するなど、継続的な運用を可能とするとともに、我が国の強みを活かしながら、AIを我が国独自に研究開発し、日本のみならず世界の課題も解決するものとして我が国の戦略的不可欠性の強化につなげることとしております。
また、我が国がAIを日本国内においてAIエコシステム全体を強化し、「信頼できるAI」の実現に向けたデータの整備、基盤モデル及び評価基盤の開発も推進することとしております。
いずれにいたしましても、こうしたAI主権の考えの下、ご指摘の「高性能AI」の対応であるとか、国内のAI開発能力の強化も含め、AI基本計画を改定したうえで、同計画に基づき必要な施策について政府一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
日本は今、AI主権を確立できているのかについでですが、現在でも、開かれた「AI主権」の考え方に基づく対応は一定程度取られているものと認識している一方で、急速なAI技術の進展を踏まえ、AI基本計画を改定したうえで、同計画に基づいて必要な施策を政府一丸となって取り組んでまいりたいと考えています。
そして、国産AIについてですが、国産AIという言葉を定義しようとするのではなくて、我が国としては、AIエコシステムの各層において、戦略的自律性として、継続的に運用可能とする、開かれた「AI主権」を確立すべきという観点で計画をしているところです。 - (問)ブタの腎臓を重い腎不全の人に移植する異種移植の治験を明治大学発の企業、ポル・メド・テックが28年にも実施すると発表しました。AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)では、異種移植に関する基盤整備などを支援してきましたが、治験実施に向けた期待や注目、注視している点をお願いします。
- (答)明治大学発のベンチャー企業である株式会社ポル・メド・テックが、遺伝子改変ブタを用いる異種腎臓移植の企業治験実施を準備することについて、北海道大学及び一般社団法人の徳洲会と基本合意に至った旨を公表したということは承知をしております。
異種移植は、臓器移植が必要な患者さん達に新たな選択肢を提供できる可能性があるものと認識しております。
このため、AMEDでは、医療用ブタを扱う基盤整備の支援を行ってきたほか、アカデミアに対する基礎から応用段階の研究支援、そして倫理的・社会的課題等の解決支援などを実施してきたところです。
米国は既に実施例があるものの、国内の異種移植の臨床試験は前例がないものと承知しており、安全性や有効性などの技術的なハードルをクリアすることはもちろん、社会からの関心、そして理解、これを高めていくことも重要であると考えています。
異種移植については、先般日本成長戦略会議で示した「創薬・先端医療」の分野の官民投資ロードマップにおいても、「日本が有する高度な技術を、異種移植のような新領域にも応用できる国産技術の確立や製造体制を整備し、早期実用化を図る。」と盛り込んでいるところでございまして、内閣府としては、今回の臨床試験に向けた取組の進捗について注目しつつ、異種移植も含む再生医療について、AMEDの下で基礎研究から実用化まで一貫した研究開発の推進に取り組んでまいりたいと考えています。
(以上)