小野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年5月26日

(令和8年5月26日(火) 9:05~9:15  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 経済安全保障、科学技術政策及び宇宙政策担当の大臣として御報告をいたします。
 先週5月22日に、フィンランドのサカリ・プイスト経済大臣との会談を行いました。私からは、フィンランドとの間で、サプライチェーン強靱化などの経済安全保障分野、また、科学技術分野、宇宙分野での連携を一層深めていきたい旨をお伝えいたしました。
 プイスト大臣からは、今般の経済安全保障推進法改正案でも、我が国が参考としている、フィンランドの経済安全保障における官民協力について、そして量子技術などの取組についての御説明があり、意見交換した諸分野において、更に協力を強化していきたい旨の御発言をいただきました。
 引き続き、両国間の協力関係をますます強化すべく取り組んでまいります。
 次に、知的財産戦略担当大臣として御報告をいたします。
 昨日25日に、知的財産戦略本部に置かれている第4回構想委員会に出席をいたしました。
 本会合では、「知的財産推進計画2026」の策定に向け、企業の競争力の源泉、我が国の経済成長の牽引力として、成長戦略の鍵となる知財・無形資産をいかに戦略的に創造、保護、活用していくのか、有識者の間で議論が行われました。
 特に、知財・無形資産を中核に据えた企業経営や知財を戦略的に活用した成長戦略の推進、生成AI等の新たな時代に即した知的財産保護の在り方、成長戦略17分野の一つであるコンテンツ分野の成長投資の推進など、多岐にわたる論点について有識者から忌憚のないご意見をいただきました。
 本会合での議論を踏まえ、今後、知的財産戦略本部本体において、「知的財産推進計画2026」を取りまとめ、関係省庁とも連携しながら施策の具体化に向けて取り組んでまいります。

2.質疑応答

(問)先日、京都工芸繊維大学の研究グループが、常温でスピノール凝縮を実現しました。これまで低温でしか起こらなかった量子現象を常温で実現したことで、光量子デバイスの実用化が大きく前進することになりましたけども、大臣としての受け止めをお願いします。
(答)本件は、これまで低温でしか観測されなかった量子現象を常温環境下で実現したものであり、量子技術の実用化に向けた前進としても大変興味深い、素晴らしい成果であると感じております。
 我が国の将来の産業競争力を支える重要な基盤技術である量子技術の社会実装に向けては、このような基礎研究が不可欠です。
 現在、日本成長戦略会議の量子ワーキンググループにおいても、官民投資を促進するためのロードマップの策定を進めているところであり、先端的な研究成果が我が国の産業・社会の発展につながるように、これからも必要な支援を行ってまいりたいと考えます。
(問) クールジャパン戦略担当としてということになると思うんですが、先日、カンヌ映画祭で岡本多緒さんが日本人としては初めて最優秀女優賞を獲得されたことについて。あと、最優秀賞のパルムドールにノミネートされていた、岡山県奈義町を舞台にした『ナギダイアリー』が、受賞を逃しましたが、それについて。あと、このところ日本映画の勢いがあると言われていますけれども、それを国際展開してどう、それこそクールジャパンの戦略の一つとして生かしていくかと。そのお考えがあればお願いいたします。
(答)ご指摘のとおり、「第79回カンヌ国際映画祭」において、濱口竜介監督の「急に具合が悪くなる」に出演した岡本多緒さんが、ビルジニー・エフィラさんとともに、女優賞を受賞されたと聞いております。
 同映画祭における女優賞の受賞は日本人として初めてのことであるとのことで、大変喜ばしいと思うとともに、岡本さんをはじめ、関係者の皆様に心からお祝いを申し上げたいと思います。
 また、深田晃司監督の「ナギダイアリー」を含む、日本人監督の作品が最優秀作品に贈られるパルムドールを受賞できなかったということですが、数ある映画作品の中から日本人監督の作品が3つも候補作品として選定されたということについては、大変誇らしく思いますし、こちらについても関係者の皆様に敬意を表したいと思います。
 今回、カンヌ映画祭に併せて開催される世界最大の国際映画見本市であります「マルシェ・デュ・フィルム」で、初めて日本は特別枠の「カントリーオブオナー」に選ばれており、ビジネスマッチングなども非常に盛況であったと聞いております。全体として、日本映画のプレゼンスが世界で高まっている表れなのだろうと感じております。
 コンテンツは政府の戦略17分野の1つとなっており、現在、主要な製品・技術等の官民投資ロードマップの策定も進めているところです。実写映画等についても、製作や人材育成、そして海外展開等への支援を通じて、日本映画を海外に届けるための後押しを行ってまいりたいと考えます。
(問)生成AIと声の権利をめぐる問題についてお伺いします。人気声優の津田健次郎氏が、生成AIで自身の声を無断で模倣した動画が公開されているとして、不正競争防止法やパブリシティ権に基づき、動画共有アプリTikTokの運営会社に対し、動画の削除を求める訴訟を起こしたことが分かりました。現在、法務省が声などの法的保護を考える有識者検討会を開き、これらの問題について議論しておりますが、AI戦略を担当する大臣として、現状をどのようにお考えでしょうか。また、生成AIの技術進展が著しく、国としての対応が後手に回っているという指摘もございます。こうした指摘に対する受け止めと、今後の対応の方向性についてお聞かせください。
(答)御指摘の報道については承知しておりますが、訴訟中の案件についてコメントは差し控えさせていただきます。
 その上で、声優の方々から、生成AIの普及等により、声が無断で利用、生成されていることに対する懸念の声が上がっていることは重々承知をしております。
 こういった事案については、どういった場合に民事責任が生じ得るのか不明確になっているといった指摘があるということも承知しており、今やっていただいている法務省における検討会において、パブリシティ権等の侵害の外延が明確化されるよう、充実した議論を期待したいと思っています。
 また、内閣府としても、仮にパブリシティ権の侵害を助長するようなアプリ等がございましたら、AI法に基づいた指導なども含め、適切に対応してまいりたいと考えています。
 後段でのご指摘については、AIの技術進展に伴い、アニメ等の既存コンテンツに類似した生成物の出力や性的なディープフェイクの出力等が発生しているところですが、政府としてはこれまで、逐次関係事業者に是正を要請し、不適切な生成リクエストの一部拒否等の一定の改善に繋げるなど、迅速に対応を行ってきているところです。足りないと言われれば、多分そう思われる方もいらっしゃると思いますが、できる限りの対応を今のところ取っているところでございます。
 他方でAIの技術進展が非常に急速であることはご指摘のとおりであり、引き続き、AIの技術進歩とともに変動するリスクを適時適切に把握し、必要な取組を進めてまいりたいと考えます。
(問)外国人総合対策は現時点で問題になっている案件を審査していますが、AIが日本社会に浸透するスピードは劇的な変化をもたらし、銀行の管理職も将来の不安から現場でも働けるような技能・資格を学ぶ姿が報道されています。ホワイトカラーと言われた職種から、近い将来、大量の職種移動が考えられますが、外国人技能労働者と日本人職種移動技能者との間に仕事の奪い合いも想定できます。それを踏まえて、政府がこれから発表する外国人対策の中で後手にならないように、AIの劇的な普及によって溢れ出る日本人失業者対策をどのように考えているのか、厚生労働省と連携が必要になることは承知していますが、外国人政策担当大臣の見解をお聞かせください。
(答)おっしゃっていただいたとおり、日本人の失業者対策そのものについては厚労省にお尋ねをいただきたいと思いますが、その上で、まずAI戦略担当大臣として申し上げると、昨年末に取りまとめたAI基本計画においては、政府としてAIの進展が雇用に与える影響について、丁寧に分析を行うこととしており、厚生労働省をはじめとした関係省庁と連携しながら取り組んでまいりたいと考えています。
 また、本年1月に取りまとめた「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」においては、外国人の受入れが我が国社会・経済に及ぼす影響の調査等を行いつつ、これは当然、AI等の技術活用を含む生産性向上がどのぐらいあるのかという視点も含めつつ、総合的に検討を進めていくこととしております。
 外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣として、関係省庁と緊密に連携しつつ、着実に検討を進めてまいりたいと考えています。

(以上)