小野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年4月28日
(令和8年4月28日(火) 9:10~9:25 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
クールジャパン戦略担当及び科学技術政策担当大臣として御報告いたします。一昨日、26日に幕張メッセで開催されたZEN大学のアカデミックセミナーに登壇し、内閣府クールジャパン官民連携プラットフォームで共同会長も務めていただいている、株式会社カドカワの夏野社長、そしてZEN大学の細井教授と意見交換をさせていただきました。我が国コンテンツ産業の支援強化に向けて、民間企業、そして教育現場、それぞれのお立場から有意義な話を伺うことができました。
また、会場では、産業技術総合研究所の最先端の研究内容や、スーパーコンピューター富岳と量子技術との連携の在り方を紹介するブースなどを訪問し、担当者と意見交換を行いました。こうした現場の声を踏まえ、「官民投資ロードマップ」の策定をはじめ、クールジャパン政策や科学技術政策の充実に引き続き取り組んでまいります。
次に、経済安全保障担当大臣として報告いたします。
本日、オーストラリアのペニー・ウォン外務大臣と会談を行う予定です。私からは、オーストラリアとの間で、重要鉱物を含むサプライチェーンの強靱化や、現在国会に改正法案提出中の経済安保推進法に基づくシンクタンクとの連携構築等、両国間における経済安全保障分野での協力を一層深めていきたい旨をお伝えするつもりです。詳細については、事務方にお尋ねください。
次に、人工知能戦略担当大臣、健康・医療戦略担当大臣、経済安全保障担当大臣及び科学技術政策担当大臣として御報告をいたします。
諸般の事情が許せばですが、5月3日から6日までインドを訪問いたします。人工知能戦略担当大臣として、信頼できるAIエコシステムの構築に向けた連携強化や、我が国でのAIサミットの早期開催に向けた協力等について、AI政策を担当する大臣との意見交換を行う予定です。
また、健康・医療戦略担当大臣として、「日印ヘルスケア合同委員会」に共同議長として出席するとともに、保健・家庭福祉政策を担当する大臣との意見交換を行う予定です。
その他、経済安全保障担当大臣として、サプライチェーン強靱化等に関し、重要鉱物政策を所管する大臣と、科学技術政策担当大臣として量子分野における協力等に関し、科学技術政策を担当する大臣と意見交換を行う予定です。
この機会を最大限に活かして、これらの分野における国際協力を戦略的に推進していく所存です。出張報告は、帰国後の閣議後記者会見で実施させていただく予定です。
2.質疑応答
- (問)先日、長崎大学の研究グループが、カニの横歩きが約2億年前の進化で始まったとする研究成果を発表しました。今回のこの成果について、大臣の受け止めと、あとこうした自由な発想の基礎研究ができる基盤づくりについて、大臣のお考えを教えてください。
- (答)ご指摘の長崎大学の研究成果について、公表資料を興味深く拝見させていただきました。
カニの横歩きという研究テーマについては、これに取り組んだ研究者の自由な発想と純粋な知的好奇心に基づく基礎研究であると考えますが、内閣府としては、第7期「科学技術・イノベーション基本計画」に掲げる「科学の再興」に向け、このような研究も含め、じっくりと腰を据えて打ち込むことができる環境の構築に向けて、しっかり取り組んでまいりたいと思います。 - (問)宇宙開発と森林火災の関連でお尋ねします。JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)が先日、H3の6号機を6月10日に打ち上げるとの日程を発表しました。昨年12月の失敗以降、半年という日本の基幹ロケットとしては異例の速さの再開に至ることについての所感をお願いします。また、森林火災対策について伺います。昨年の岩手県大船渡市の林野火災に続き、22日に覚知された岩手県大槌町の火災は平成以降国内2番目の規模となりました。林野火災は早期発見と消火が重要とされます。海外では、衛星の赤外線センサによる地表温度監視の民間事業が始まっているほか、日本でも防災や防衛分野での活用が期待される赤外センサ研究開発の取組があるようです。こうした対策が期待される新技術の開発に向けて、国としてどう推進していくか、科学技術政策担当大臣としての御見解があればお願いしたいと思います。
- (答)まず、ロケットの件について、JAXAより6月10日にH3ロケット6号機を打ち上げる旨、発表があったと承知をしております。
H3ロケットについて、2023年3月の初号機の失敗から2024年2月の2号機の打上げ再開までの期間が約1年間であったと承知をしております。一方、本年6月の6号機の打上げについては、昨年12月の8号機の打上げ失敗から約半年間という速さでございます。原因もいろいろございますので、一概に比較できるものではございませんが、早期の打上げ再開に向けて、JAXAや関係機関において、原因究明と対策検討に尽力された結果であると思っております。すべての関係者の皆様に深く敬意を表したいと思います。
JAXAや関係機関におかれては、H3ロケットの打上げに向けて着実に準備を進めていただくとともに、国内外の信頼を得るべく、引き続き、尽力をしていただきたいと思います。
火災の件について、御指摘のとおり、海外には、衛星による地表温度の監視、そして山火事への対応を目指すスタートアップ企業があることは承知をしております。
我が国でも、例えば、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期において、衛星データを基にしたリアルタイム火災延焼シミュレーションプログラムの開発がなされており、令和6年の能登半島地震等で実証が行われて、社会実装に向けた一定の知見を得たところであります。
森林火災などの災害対応においては、様々な手段で被害の全体像を速やかに把握する必要があり、人工衛星などの新技術は、有用な技術だと期待されています。
政府としては、令和6年度からの3年間を「民間衛星の活用拡大期間」としまして、率先して災害対応などの社会課題解決に資する官民衛星データの利用拡大に取り組むこととしています。
さらに、現在、日本成長戦略会議における官民投資ロードマップ、この議論の中でも、防災、インフラ点検等への衛星データ利活用強化について検討をしています。
こうした利活用の拡大の取組と、技術開発支援の取組を、車の両輪として進めることにより、社会課題の解決に貢献してまいりたいと考えます。
- (問)AIをめぐる各種ガイドラインについて伺います。内閣府のホームページによると、現在までにAIに関する各府省庁等のガイドラインは、総務省や経済産業省など各省庁が所管するだけで17ございます。内容重複や縦割りを防ぐためにも、こうしたガイドラインに横串を指す、または内容を精査した上で、集約化を図るなどの御対応はお考えでしょうか。今後の方針をお聞かせください。
- (答)各省庁が所管する各種ガイドラインは、分野ごとの実情等を踏まえて、参照しやすい形で整備されているものと承知しており、現時点でそれらの集約を図るといった考えはございません。
なお、昨年末にAI戦略本部決定した、AIの「適正性に関する指針」においては、国などが特に取り組むべき事項として、指針及び各種ガイドライン等も、AIの技術進歩による社会の変化をとらえ、アジャイルかつ継続的に見直すこと、その際、各種ガイドライン等は、事業者、国民等にとって分かりやすいものとすることとされており、引き続き、関係省庁とともに、これらの普及・啓発に努めるとともに、適時適切な改善にも取り組むことが重要であるというふうに認識しています。 - (問)AI政策で伺います。自民党が政府へ提出を予定しています提言案、「AIホワイトペーパー2.0」がまとまり、ウェブサイト上で公開されています。提言案の中では、AI法につきまして、罰則の新設も含めて、悪質な事業者への対処能力を強化するよう求めています。また、まだ政府提出前ではありますけれども、今後、この自民党の罰則を検討してほしいという提言案について、政府としてどのように受け止めて、今後検討していくのでしょうか。今夏、改定するAI基本計画にも、同様の文言や問題意識を盛り込むかどうかも含めて教えてください。
- (答)自民党の提言案が公表され、ご指摘の内容が含まれていることは承知しておりますが、自民党において成案を得るべく検討中であると承知しており、政府としてコメントすることは差し控えさせていただきます。
これまでも政府としては、既存の著作物に類似した画像等が生成されるAIを提供している事業者に対して、逐次是正を要請し、その結果として、不適切な生成リクエストの一部拒否等の一定の改善は認められた例もあるところです。
しかしながら、未だ不適切な出力が可能な状態になっているというのも見受けられており、引き続き更なる改善を求めているところです。
是正要請に応じない、あるいは改善の兆しを見せないような悪質なケース等に対しては、まずは、AI法に基づく指導、助言の措置により対応していくことが重要と考えておりますが、いずれにせよ、引き続き、関係省庁と連携してしっかりと取組を進めるとともに、AIをめぐる状況変化に対応したAI基本計画の改定の検討も進めてまいりたいと考えています。
- (問)片山大臣がMythosの関係で、サイバーアタック、金融関係の緊急会議が開かれました。大臣は、AIの総括大臣なわけですけど、エネルギー関係であれば原子力インフラとか電力インフラとか、あるいは交通インフラであれば空港もありますでしょうし、通信インフラもあるわけですけど、この取組というのは、やっぱり全政府的に何か大事なリーダーシップを捉えてやるようなものなのか、それとも各省に任せてやるものなのか、全政府的な課題ではないかと私などには見えるんですけど、その辺はどうお考えなのか、お伺いしたいです。
- (答)片山金融担当大臣が、金融関係者を集めて、「AI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティー対策強化に関する官民連絡会議」を開催したことは承知しています。
AI技術の急速な進展により、サイバー攻撃に高度なAIが悪用されることによって、サイバーセキュリティーの新たな脅威となっている、これも当然認識しています。
金融以外の重要インフラも含めて、こうした脅威に対応し、サイバーセキュリティーを確保することはもちろん喫緊の課題と考えております。サイバーセキュリティーの担当はデジタル大臣ですが、内閣府としては、AISI(AIセーフティ・インスティテュート)とも協働し、高度なAIの技術動向等について情報収集や分析を行い、その結果を関係者と共有するなど、関係省庁と連携して適切に対応してまいりたいと考えています。 - (問)外国人との多文化共生について質問させていただきます。この造語は、1993年1月12日、毎日新聞東京本社版夕刊の記事が初出となっており、毎日新聞に昨日なんですけど、記者個人の造語か、政治部か社会部で考えた造語なのか、回答を指定した時間までに答えていただけませんでした。現在、全国的に外国人と日本の伝統文化に係る軋轢が報道されていますが、実際、「多文化共生」が国民に「多文化」を強いる「強制」になっていますが、例えばイスラム社会では『おしん』が絶大な人気を博したことは周知の事実です。であれば、公衆道徳の行き違いが起きないのではないかと思い、コーランの和文訳を少し調べたら、大臣にも参考になる項目がありました。第2章256節「この宗教に強制はありません」第4章59節「あなた方の権能を持つ人たちに従いなさい」第109条6節「あなた方にはあなた方の宗教があり、わたしにはわたしの宗教があるのです」要するに解釈しますと、多文化の宗教、法律を尊重しなさいと解釈できます。一方的に国民に我慢を強いることにならないように「土葬の墓は原則禁止」等、法律を整備し、在留外国人にも教育する必要があると思われるが、外国人対策担当大臣の見解をお聞かせください。
- (答)総合的対応策においては、外国人にも日本社会の一員として責任ある行動をとっていただくことを基本的な考え方としておりますし、以前も申し上げたとおり、日本における共生社会の軸は、間違いなく日本文化ということは、絶対に譲ってはいけない一線だというのは常々申し上げているとおりです。
ただ、墓地、埋葬等に関する法律に関しては、厚生労働省が所管しておりますので、そちらにお尋ね願います。 - (問)大阪メトロが安全性不十分だとして路線バスへの転用を断念して、国土交通省が補助金返還も請求した今話題の「万博EVバス」、これ北九州のEV Motors Japanが作ったものなのですが、これについて自民党の選挙対策委員長の西村康稔・元経済産業大臣が、大臣当時、「大阪のバス会社が中国産のバスを導入しようということに危機感を持ち、国産バスを推奨した」というふうに発信して、実際そのとおりになっていたと。大阪シティバス、大阪メトロの子会社は、最初は中国産のBYDを購入しようとして親会社に提案したんだけれども、それが最終的に変わったと。要は、何が言いたいかというと、中国産より国産という経済安全保障の錦の御旗の下に税金の無駄、補助金の無駄につながったのではないかというふうに見えるんですけども、大臣の受け止めと、あと似たような案件がないのか、第三者検証委員会みたいなものをつくって、チェックするお考えはないでしょうか。
- (答)個別の案件について、私から特にコメントすることはございませんが、我が国の経済安全保障の取組というのは特定の国を念頭に置いたものではないということは従前から申し上げているとおりです。
- (問)西村大臣の発信は、問題だと思われないんでしょうか。
- (答)他の議員に対して、何かコメントすることはございません。
- (問)同じ自民党の仲間、選挙対策委員長で高市自民党を支える一翼を担っていますよね。
- (答)毎度申し上げておりますが、他の方の発言について、私から何もコメントすることはございません。
(以上)