黄川田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年6月9日
(令和8年6月9日(火) 9:35~9:51 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)
1.発言要旨
こども政策担当大臣として御報告します。今朝、開催された「こども政策推進会議」において、「こどもまんなか実行計画2026」が決定されました。この実行計画は、2026年度に政府が重点的に取り組むこども政策をまとめたものです。今回は、今を生きるこどもたちの幸せな状態の実現や、命と安全・安心を徹底的に守ることなどを基本的な方向性として、五つの柱の下、様々な施策を盛り込んでいます。一つ目は、「健やかで質の高い成育環境の提供」
二つ目は、「困難な状況にあるこどもたちのニーズの発見と地域一体の支援」
三つ目は、「若者が希望を持ち選択できる環境の整備」
四つ目は、「産・官・学の総力を挙げた「こどもまんなか社会」の実現」
五つ目は、「「こどもまんなか」を支える基盤の確保」
という柱立てとしております。
中でも、私自身が強い危機感を有しているのが、こどもの自殺対策です。こどもの自殺対策のギアをもう一段引き上げ、こども・若者の自殺を減らすために、現在、「こどもの命と安全を徹底的に守る」大臣プロジェクト2026の第1弾として、「こども・若者自殺防止総力戦略」に取り組んでいるところです。このプロジェクトは、私自らが先頭に立ち、強力に進めてまいります。
こどもと若者の命を守ることは、高市内閣の最も重要な使命の一つであり、政治の責任です。先ほどの「こども政策推進会議」において、高市総理からは、こども・若者の自殺は深刻な課題であり、「総力戦略」をはじめとする取組をスピードを上げて強化すること、「こどもの自殺対策強化プラン」の改定を見据え、各府省庁のこれまでの取組の洗い直しを行い、SOSを発しているこどもたちが現場で確実に支援につながる体制を整えること、とのご指示がありました。
また、こども・若者の命と安全・安心を守るための取組の一環として、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等も急務であります。総理からは、こども家庭庁、総務省、経済産業省等の関係省庁が連携して検討を加速すること、とのご指示がありました。これを踏まえ、青少年インターネット環境整備法のあり方をはじめとする中長期的な論点について、関係省庁とも連携し、令和8年中を目途に具体的な取組の内容を取りまとめてまいります。
このほか、総理からは、関係省庁の連携による体制構築等を通じ、「こどもとともに成長する企業構想」を強力に推進することなどのご指示を受けました。これらの趣旨も踏まえ、実行計画に盛り込んだ施策の着実な推進を図ってまいります。詳細は、こども家庭庁総合政策担当にお尋ねください。
次に、北方対策担当大臣として2点報告いたします。
まず1点目は、「北方領土洋上慰霊」および「(北方領土)上空慰霊」の実施についてです。ロシアによるウクライナ侵略により日露関係が厳しい中、現在、北方墓参をはじめとする北方四島交流等の事業を実施できていない状況にあります。私自身、令和元年に四島交流事業に参加し、北方領土の地を踏んだ者として、令和2年度から事業が実施できていない状況が続いていることについて胸を締め付けられる思いをしております。このような状況の中、御高齢となられた元島民の方々のふるさとに対する切実なお気持ちにお応えすべく、今般、関係団体により、別途の事業として、「北方領土洋上慰霊」および「北方領土上空慰霊」が実施されることになりました。このうち「北方領土上空慰霊」については、先月、官邸に知事や関係団体の皆様に御越しをいただいた際、「身体的負担が少ない航空機による上空からの慰霊も実施してほしい」という元島民の方々のお声があると御要請をいただいたものであります。「上空慰霊」は、今回6年ぶりの実施となります。これまで、「洋上慰霊」および「上空慰霊」において、政府として船舶「えとぴりか」の利用や必要経費の支出等により支援を行ってきたところであります。今回の慰霊の実施にあたっても、関係の御意見をよく伺いながら、必要な支援を実施してまいります。
2点目は、「青少年「えとぴりか」宿泊研修」についてであります。来る7月4日、5日において、富山県において、「青少年「えとぴりか」宿泊研修」を開催いたします。私は、かねてより、北方領土問題は、北海道内だけでなく国民全体の問題として、より多くの方々に意識していただくための取組が必要であると考えてまいりました。そうした問題意識の下、検討を行い、今回、北海道に次いで元島民の方が多く住む富山県で、中学生を中心とした青少年を対象に、船舶「えとぴりか」での合宿研修を実施することといたしました。「えとぴりか」を活用した啓発事業はこれまでも実施してまいりましたが、「えとぴりか」での青少年の合宿研修は初めての試みとなります。今回の研修が参加する青少年の皆様にとって、北方領土問題についての理解が深まり、記憶に残る機会となるよう、船上で納沙布岬から北方領土までの距離である3.7キロを体感するクルーズ体験や、元島民後継者語り部による講話、車座対話、「えとぴりか」での船内泊等のプログラムを用意する予定であります。また、私自身、諸般の事情が許す限り、こどもたちと一緒に船内に泊まって、「ビザなし交流」(北方四島交流事業)で択捉島を訪れたときの体験などをこどもたちに話したいと考えております。詳細については北方対策本部までお尋ねください。
最後に、公益信託制度を担当する大臣として、本年4月から施行されました新しい公益信託制度の第1号案件として2件の公益信託を認可することとなりましたので、お知らせいたします。
1件目は、特定非営利活動法人が受託者となって子ども食堂への助成金支給などを行う「地域まるごと『こども応援』信託」であります。信託銀行以外も担い手となることができるようになった新制度において実現した新たな公益信託のモデルになります。特定非営利活動法人など幅広い主体が子ども・若者の居場所づくりなど幅広い社会課題の解決に取り組んでいく上で、公益信託の仕組みも活用できるようになったという点で、大変意義深いものとなったと考えております。
2件目は、三井住友信託銀行を代表とする信託銀行4社が共同で受託者を務め、アジア諸国の青少年育成等に対して助成を行う「アジア コミュニティ トラスト」であります。こちらは、旧制度の下で半世紀にわたりアジア15か国、地域で約10億円を助成してきた歴史ある公益信託が新制度の下で引き続き活動していくものであります。公益認定等委員会からの答申に基づき、これら2件について本日付けで認可し、この会見終了後、大臣室で認可書の手交式を行います。新しい公益信託制度が民間公益活動のためのツールとして幅広く活用されていくよう、引き続き、事例の創出や情報発信に取り組んでまいります。詳細は公益法人行政担当室にお尋ねください。以上でございます。
2.質疑応答
- (問)先ほどの「こども政策推進会議」で高市総理が、青少年が安心してインターネットを利用できる環境整備の急務で検討を加速してほしいとおっしゃいました。これを受けて、先ほども冒頭もお話がありましたが、こども家庭庁として今後具体的にどのような取組を検討されるか伺います。こどもの安全・安心なSNS利用環境について、会議内で大臣から何かご発言されていましたら、そちらもご紹介いただければと思います。よろしくお願いします。
- (答)本日の「こども政策推進会議」において、総理からは、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等も急務であり、こども家庭庁、総務省、経済産業省等の関係省庁が連携して検討を加速すること、との御指示がありました。総理からの御指示も踏まえ、青少年インターネット環境整備法のあり方をはじめとする中長期的な論点について、関係省庁とも連携し、令和8年中を目途に具体的な取組の内容を取りまとめてまいります。
また、会議において、私からもこども・若者の命と安心を守るための取組の一環として、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等も急務であること、インターネット関係の施策の推進にあたって、総務大臣、経済産業大臣など関係閣僚の皆様にご協力をお願いいたしました。以上でございます。 - (問)北方領土周辺の「上空慰霊」について、政府として、今回の取組をどのように評価していますか。また、具体的にはどのような支援を検討されていますか。ロシアによるウクライナ侵攻以降、「ビザなし渡航」が中断されていますが、元島民の墓参再開の見通しについて、現時点の認識を教えてください。
- (答)元島民の皆様の平均年齢は今や90.4歳となりました。先日(5月)19日、官邸で「北方領土上空慰霊」の御要請を伺った際にも、切に実感したところでありますが、御高齢となられた皆様において、「故郷でお墓参りをしたい」という思いが募る一方、年々移動に伴う御負担が増していくという、大変辛いことであると感じました。北方墓参が実施できていない中で、元島民の皆様の移動を伴う身体的な御負担を思えば、「上空慰霊」も実施できることとなりまして、私としても安堵しているところであります。関係の御意見をよく伺いながら、政府として、参加者の方々の旅費等を賄わせていただくなど、必要な支援を実施してまいりたいと考えております。
そして、北方墓参再開の見通しについてのお尋ねでありますが、北方墓参をはじめとする北方四島交流等の事業の再開については、日露関係における最優先事項の一つであります。日露関係において、これらを改善していかなければならないと考えております。私自身、令和元年に四島交流事業に参加し、北方領土の地を踏んだ者として、令和2年度から事業が実施していない状況が続いていることについて、先ほども申し上げましたが、大変心苦しく私も辛く感じております。特に、御高齢となられた元島民の方々の切実なお気持ちを考えれば、北方墓参の再開はすぐれて人道的な問題でありまして、政府として、ロシア側に対し、今は特に北方墓参に重点を置きまして、事業の再開を引き続き強く求めていく考えでございます。元島民の方々の切実なお気持ちに応えるべく、事業が再開可能となった状況となった際には、速やかに事業が実施できるよう、しっかりと準備を整えてまいりたいと考えております。以上です。 - (問)今大臣のお話の中で、旅費の関係支援の検討というところあったと思うのですけれども、もう少し具体的に金額をお教えいただければ。
- (答)今まだ「上空慰霊」をすると、ついこの前、先日決まったばかりでございますので、具体的な行程、また、その行程に伴う費用というのはこれから検討していくことになりますので、ちょっと今この場でお答えすることはできません。
(以上)