黄川田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年11月4日

(令和7年11月4日(火) 10:48~10:55  於:中央合同庁舎8号館1階S103 会見室)

1.発言要旨

 
 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)先週金曜日(10月31日)の閣議で、婚姻中の父母に認められている共同親権を離婚後も可能にする改正民法を来年4月1日から施行することが決まりました。
 離婚時に協議して、単独か又は共同とするか等を決められるということですが、DVや虐待を念頭に反対意見も多くあります。施行により、こどもを取り巻く環境が大きく変わることも考えられますが、こども家庭庁としてサポート体制を取ることなどは検討されていますでしょうか、お考えをお伺いします。
(答)令和6年民法等改正法におきまして、家庭裁判所が親権者を定めるに当たっては、子に対する虐待のおそれがあると認められるときや、DVを受けるおそれ等の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるときは、共同親権を定めることはできないものとされていると承知しています。
 改正法では、父母の離婚後の親権制度、養育費の確保や親子交流の方法等に関し、子の利益の観点から大変重要な改正内容が盛り込まれています。
 この改正法の施行に当たっては、こども家庭庁が所管する、こども政策分野における対応も重要となると認識しています。
 こども家庭庁としては、改正法の周知広報として、昨年12月に各自治体のひとり親支援部署等に対して事務連絡を発出し、法務省が作成した改正法の概要パンフレット等を活用し、周知広報に努めるよう依頼しております。
 また、改正法施行後におけるこども家庭庁の各種支援施策の取扱いについては、令和6年度補正予算で財源措置された「ひとり親家庭等への支援のための周知・広報」の取組の中で、リーフレットや動画、特設サイトの作成等を行い、受け手の状況に合わせた周知・広報を行うこととしています。
 今般の民法改正は「子の最善の利益を確保する」ために行われたものと認識しています。
 こども家庭庁としても、当事者である親やこどもに寄り添い、的確な情報提供や相談支援を行うことが重要と考えています。引き続き離婚前後の親子に対する支援を進めるとともに、法務省をはじめとする関係府省庁としっかりと連携をしまして、施行に向けての環境整備に着実に取り組んでまいる所存であります。
(問)近年増えている「紛失防止タグ」を悪用したストーカー行為についてお伺いします。本来、紛失物の発見を目的として使用する「紛失防止タグ」ですが、持ち物にタグを無断で取り付けるなどのストーカー被害が増えています。現状への受け止めと、このタグを使った位置情報の無断取得を禁止する法改正の必要性をどのように認識しておりますでしょうか。よろしくお願いいたします。
(答)昨今、いわゆる「紛失防止タグ」を悪用したストーカー事案が増加していることは承知しております。また、DV事案におきましても、紛失防止タグを悪用したケースが見られるようになっている状況と認識しています。
 他方で、紛失防止タグを用いてDV被害者等の所在を把握する行為については、現行のDV防止法の規定では、裁判所が加害者に発する接近禁止命令等の禁止行為の対象とはなっていません。
 DV被害者の位置情報が加害者に把握されれば、更なるDV被害や凶悪犯罪へと発展するおそれがあるため、その対応について今臨時国会に法案を提出すべく、現在検討を進めているところでございます。
(問)インターネットにつながった保育園などの防犯カメラの映像が、何者かによって500件以上、外部流出していることを読売新聞が本日の朝刊で報じております。日本版DBSの議論の中で、こども家庭庁は、防犯カメラの有用性を指摘しておりますが、こうした事案が起きていることへの受け止め、それから実態調査など、現場への注意喚起、こういったものを行うかどうかについてお聞かせください。
(答)報道については承知しております。こうした事案が起きたことは、誠に遺憾でございます。
 防犯カメラ等については、こども性暴力防止法の中間取りまとめにおきましても、性暴力等の抑止力となること、異常の早期検知が容易になること等から性暴力等の防止に有効とされております。
 他方、その設置・運用に当たっては、個人のプライバシー、現場の萎縮、目的外利用の防止といった観点にも配慮しながら、関係者間で運用ルールを協議して定めることが重要となっています。
 今回の事案により、こうしたこどもを守るという観点での有効性に影響を与えるものではないというふうに思っておりますが、データの慎重な取扱いを含めた運用上の留意点については、ガイドライン等で改めて周知したいと考えています。以上です。
(問)地方創生に向けて、どのようなことが、郵便局が役に立つとお考えでいらっしゃいますでしょうか。
(答)過疎地を含めた全国に約2万4千局のネットワークを持つ郵便局を有効活用していくことは、地域の持続性を確保する上で大変重要であるというふうに考えています。
 地方創生の取組における郵便局の活用例としては、医療機関のない地区の郵便局のオフィスを活用して、対面診療とオンライン診療を組み合わせた診療を行う事例や、郵便局の既存の物流網を活用して買い物支援サービスを連携させる事例などがあると承知しています。
 今後も総務省など関係省庁と連携しながら、郵便局等を活用した地域のサービスの拠点づくりなど、地方の「暮らし」を守るための取組を進めてまいりたいと考えています。

(以上)