赤澤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年6月24日
(令和7年6月24日(火) 11:28~11:44 於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)
1.発言要旨
(冒頭発言なし)2.質疑応答
- (問)2点お伺いさせていただきます。
1点目、中東情勢と日米の関税交渉についてお伺いしたいと思います。今朝、トランプ大統領が全面的な停戦に合意したと発表するなど、中東情勢が刻一刻と変化しておりますが、極めて流動的な状況となっていると思います。これまでも大臣は日米の関税交渉への影響について会見等で言及されておりましたけれども、改めて関税交渉のスケジュール感を含めた現状への影響についてのご所感をお聞かせください。
2点目が、6月9日の自民党本部での関税の会合後のぶら下がり取材で、7月9日に期限を迎える相互関税の上乗せ措置の停止期限について、「我々は誠意を持って交渉している。その前提でいろいろなことが進んでいくだろう」とご発言されていたかと思います。この発言の意味するところとして、アメリカ側から期限の延長について、何かしら日本の扱いについて説明・言及がこれまでにあったのかどうか、事実関係をお伺いできますでしょうか。 - (答)中東情勢ですけれども、一般論として申し上げれば、双方の閣僚や首脳が国内外の様々な課題に対応する必要性が生じ、物理的に割くことのできる時間に何らかの影響が生じる可能性があることは否定できないと思っています。その上で、中東情勢が日米協議に与える影響について、予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。
いずれにせよ、米国の関税措置については、G7サミットの途中で帰国されたトランプ大統領が、大変厳しい時間的制約の中で約30分間にわたって応じられた日米首脳会談、石破総理の言葉によれば、「膝詰めで話をした」と昨日の会見でおっしゃっていたと思いますが、両首脳の間で率直な議論が行われ、担当閣僚に対し更に協議を進めるよう指示することで一致したわけです。
引き続き、日米双方にとって利益となる合意が実現できるよう、最優先かつ全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
それから、相互関税についてですけれども、相互関税に関して米側からお尋ねのような説明を受けているか否かを含めて、日米協議の議論の内容については外交上のやり取りであり、お答えすることは差し控えますが、我が国としては、真摯な姿勢で米側の閣僚と6回にわたる協議を積み上げてきたところであり、誠意を持って協議に臨んでいるということであります。
引き続き、何が我が国の国益に資するのか、あらゆる選択肢の中で何が最も効果的なのかを考えながら、日米間で精力的に調整してまいりたいというふうに考えております。
スケジュール感については、7月9日ということについて期限かというようなお尋ねがあるのですけれども、期限を区切って米国との協議を進めるということはいたしません。繰り返し申し上げているとおり、協議といいますか交渉事の常で、期限を切るようなことをすると、切ったほうが大概立場が弱くなりますので、まとめようと思えば降りざるを得なくなるということなので、そういう交渉の仕方はお互い交渉人はやらないです。ゆっくり急ぐことが大切であると考えており、早期に合意することを優先するあまり、我が国の国益を損なうものであってはならないということであります。
なお、念のため申し上げれば、相互関税の上乗せ分の一時停止の期限である7月9日というのは一つの節目であり、協議担当者、交渉人としては念頭に置いて協議に臨んでいる旨を申し上げましたが、これは日米間の合意の期限について述べたものではないという点は明確にしておきたいと思います。 - (問)関連して、関税交渉の今後の進め方について伺います。今後、交渉担当者としてアメリカの中東情勢の対応や、あと来週はアメリカの独立記念日も予定されていますが、アメリカの国内状況・情勢も見極めながら、閣僚協議の日程調整や交渉自体を進めていきたいかの方針をお願いします。
- (答)一般論として申し上げれば、これも先ほど申し上げたことに近いといいますか、繰り返しになりますが、双方の閣僚や首脳が国の内外の様々な課題に対応する必要性が生じて、物理的に割くことのできる時間に何らかの影響が生じる可能性というのがあることは否定できません。ただ、それを申し上げた上で、中東情勢が日米協議に与える影響について、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきます。
いずれにしても、先般の日米首脳会談において、両首脳が率直な議論を行い、担当閣僚に対して更に協議を進めるよう指示することで一致したことを踏まえて、引き続き、日米双方にとって利益となる合意が実現できるよう、日米間で精力的に調整を続けてまいりたいと考えております。 - (問)石破総理は昨日、3回目となるトランプ大統領との対面会談が実現する可能性もあった、NATO(北大西洋条約機構)サミットへの出席を取りやめることを決定されました。
一方で、米側が同盟国に対して防衛費の増額を要求したことに対して、日本はこれに反発し、来月予定されていた日米「2+2」会合は中止されたとの一部報道がありました。
こうした一連の動きについて、まずは事実関係と大臣の受け止め、そして、関税交渉に与える影響についてどう考えていらっしゃるのかをお聞かせください。
また、ただいま大臣は26日にも訪米する方向で調整していると報道がありましたが、事実関係をお願いします。 - (答)石破総理が、NATO首脳会合への出席を取りやめたこと及び日米安全保障協議委員会(「2+2」)に係るご指摘の報道については承知しておりますが、いずれも私の担務外であるため、コメントすることは差し控えます。
また、お尋ねの日米協議への影響についても予断を持ってお答えすることは差し控えますが、いずれにせよ、日米間では、カナダ時間の6月16日に実施された石破総理とトランプ大統領の首脳会談において率直な議論が行われ、担当閣僚に対し更に協議を進めるよう指示することで一致したところでありますので、担当閣僚である私としては、引き続き、我が国の国益に沿った形での合意を探るべく、最優先かつ全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
また、スケジュールについてのご質問がありましたが、次回の閣僚級協議の日程については現在調整中ということが申し上げられる最大限ということでございます。 - (問)大臣は昨日、日本製鉄の橋本会長と会談されて、「交渉担当者として、どうやったら交渉がうまくいったのかというあたりを教えてもらいたい」と発言されたと承知しておりますが、日鉄側からどういったアドバイスを受けたか、大臣として参考になると感じた点があればお聞かせいただけますでしょうか。
- (答)昨日、日本製鉄株式会社の橋本会長、森副会長、今井社長のお三方とお会いし、同社によるUSスチールへの投資計画について、お話を伺ったところであります。
私からは、「本投資案件は、グローバルな投資環境の改善にもつながる象徴的な案件である。投資によって日米相互の経済環境を強化し、日米間のパートナーシップを深化させるものである」ということを申し上げました。
会見でも総理がおっしゃっているように、関税よりも投資ということは、我が国としては米側に対してもお伝えしているような話でありますので、それに乗った大変いい流れであるというふうに思っています。
日本製鉄が大きな困難に直面しながらも、1年半という歳月をかけて、最終的には同社の満足のいく条件で合意されたということです。これについては、断固としてこれを成し遂げるんだという橋本会長以下、幹部の皆様の決意と覚悟、それから、米側の事情や要請を的確に把握しつつ、粘り強く調整を続けられたご努力の賜物であると考えておりまして、橋本会長をはじめとする関係者の皆様に心から敬意を表したところであります。
私自身、率直に申し上げて、よく頑張られたなと。よく成果を出されたなと。大変すばらしい交渉であったなというふうに評価しております。
私としても、この大変好ましい成功の勢いをいただいて、米国の関税措置に関する日米協議において、日米双方にとって利益となる合意が実現できるよう、引き続き、最優先かつ全力で取り組んでまいりたいという思いを新たにしたところでございます。 - (問)米国側の3閣僚のうち、USTR(米通商代表部)のグリア代表が、5月下旬以降の協議に出席されていないようですが、その理由について、米側から何らかの説明を受けていらっしゃいますでしょうか。
また、米側の報道によりますと、交渉人が3人もいますので、時に全く異なる発言がなされ、日本を含む各国の交渉担当者が混乱する事態も起きているとの指摘があったところでございますが、大臣が最近おっしゃっていた五里霧中という状況には、そういった点も影響しているとお考えでしょうか。 - (答)まず、今お話の出たUSTR代表、アンバサダーグリアも含めて、ベッセント財務長官、それからラトニック商務長官を含めた3人が私の交渉の相手方であるという認識は変わっておりません。第1回、第2回にそろって出てこられて、それぞれがきちんと協議に対応されております。
今、3回目以降出てきていないというおっしゃり方だったのですが、どういうチャネルを通じてどういうやり方で3閣僚と協議を積み重ねているかについては、公表したもの以上に申し上げる気はございませんが、いろいろなチャネルを使ってしっかり交渉を続けているということになります。
それから、報道が何かあって、韓国とかとの関係で混乱がみたいなことをおっしゃったかと思いますが、それについて私は報道も含めて承知していないので、この場でコメントすることは控えさせていただきたいと思います。 - (問)防災庁の地方拠点についていくつか伺いたいと思います。今、各地域からの手挙げが相次いでいる状況ですが、現時点でいくつの地域から名乗りが上がっているのか、また、赤澤大臣の中で、地方拠点というのはどのようなものを具体的に想定しているのか、何か所ぐらいの設置を目指すのか、お考えを伺います。
- (答)まず、防災庁の地方拠点については、昨日23日時点までで、19団体から直接ご要望いただいております。報道等では、他にも声を上げている自治体もあると承知しているところです。具体的な団体名については、ぜひ事務方にお尋ねいただきたいと思います。
その上で、防災に関する専任の大臣を置く省庁の創設は、長らく知事会をはじめ、地方自治体の皆様からご要望いただいており、ようやく政府与党がお応えするということに踏み切ったものであります。これまで防災庁に関しては様々な自治体から、ご指摘の拠点誘致を含め、真剣に地域の住民を守ろうと防災に取り組んできた熱い思いと積み上げたノウハウを踏まえたご要望が寄せられており、我々としてはしっかり受け止めていきたいと考えております。
6月6日の防災立国推進閣僚会議において、防災庁の基本的な方向性を示し、総理からも、防災庁の地方拠点についても地域の支援強化であるとか、大規模災害時の業務継続性の観点を踏まえ、検討を加速するよう指示を受けたところでございます。
防災庁の機能の一部について、その拠点をどこに置くべきかについては、災害対策を最も効果的・効率的に実施できる体制はどのようなものかという観点から検討する必要があると考えておりまして、具体的な内容については、総理の指示を踏まえて、様々なご意見・ご提案を賜りながら、今後、検討を加速してまいりたいというふうに考えております。 - (問)関連で伺います。地方拠点の位置づけについて、もう少しどういうものなのか明確にすべきだという自治体の声も出ています。地方拠点の設置の選定に向けた基準というのを今後示す考えがあるのか、予定があるとすればいつまでに示すのか、伺います。
- (答)防災庁の地方拠点については、本当に大変熱意のあるご要望を多数いただいておりますので、我々がどこを選ぶのかについては、最終的になるほどとご納得いただけるような考えをお示しする必要があるとは思っております。
その上で、防災庁の地方拠点について、スケジュールを含む具体的な内容については、総理の指示を踏まえ、様々なご意見・ご提案を賜りながら、今後検討を加速してまいりますということが、現時点で申し上げられる最大のところでございます。
(以上)