赤澤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年3月14日

(令和7年3月14日(金) 8:37~8:47  於:衆議院本会議場議員食堂側)

1.発言要旨

 (冒頭発言なし)

2.質疑応答

(問)春闘についてお伺いします。一昨日、3月12日に集中回答日を迎えて、電気や鉄鋼では賃上げ要求に対して満額の回答が相次ぎましたが、この結果に対する受け止めと中小企業の賃上げにどのように波及させていくか伺います。また、石破総理は最低賃金の引上げに向けた具体策を5月頃に取りまとめるよう指示しましたが、どのような具体策が必要になると考えるか、赤澤大臣のお考えをお伺いします。
(答)今年の春季労使交渉では、満額回答や昨年を超える水準の回答が多く、33年ぶりの高水準となった昨年の勢いが継続しているものと考えており、心強く感じております。昨年、2024年11月26日の政労使の意見交換で、石破総理から大幅な賃上げへのご協力をお願いして以来、年末の経済対策や補正予算の成立、そして今年1月の国内投資拡大のための官民連携フォーラムなどを通じて、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」の実現に向けた機運が高まり、官民の連携が一層進んできたことが実を結んだものと考えております。
 この勢いを、雇用の7割を占める中小企業や小規模企業、地方で働く皆様の賃上げにもつなげていくことが重要であり、賃金・所得の増加を全国津々浦々に波及させることは地方創生にもつながると考えています。
 一昨日、3月12日の政労使の意見交換において、石破総理から、賃上げに向け政策を総動員し、適切な価格転嫁や生産性の向上を更に後押しする方針が示されました。特に価格転嫁については、自治体の公共調達について、自治体に対し重点支援地方交付金を活用するなどにより、労務費の転嫁が適切に行われるよう強く働きかけること、それから、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」、これは令和5年11月29日に公表したものですが、これの遵守について、所管業界に周知し、更なる働きかけを行うことについて指示がありました。
 更に最低賃金についても、石破総理から、政労使の意見交換の議論も踏まえ、私を中心に最低賃金引上げのための効果的な施策を具体化し、5月を目途に取りまとめるように指示があったところで、中小、小規模企業の皆様方に賃上げの原資となる稼ぐ力を継続的に高めていただけるよう、適切な価格転嫁の推進や生産性向上に向けて、省力化・デジタル化投資の促進、更には人材・経営基盤を強化する事業承継やM&A等の後押し策などについて、今後具体化をしていきたいと思っております。
(問)石破総理側から初当選の議員に対して10万円相当の商品券が渡されていたという事案について2点お伺いします。まず1点目は、政治とカネに関する国民からの厳しい目が注がれており、こうした国会での政治改革をめぐる協議をしている中でのこうした総理自身の事案について、赤澤大臣はどのようにお考えかということと、2点目は、赤澤大臣自身について、こうしたお土産名目などで商品券を渡したり、受け取ったりといった事案が過去にあったかどうかお伺いします。
(答)ご指摘のことに関しては、昨晩、石破総理が説明されたことは承知しておりますが、それ以上の事実関係の詳細を承知していないので、私からお答えすることは差し控えたいと思います。また、2点目については、私個人のことをこの場で申し上げるのは差し控えたいと思っております。
(問)「個人の」というのは、大臣として答えられないということですか。一議員として答えられないということですか。
(答)石破総理が説明されている趣旨でいろいろな政治活動以外の話については、これは個人としての行為ですので、それについて特にお答えをする必要を感じないということを申し上げました。
(問)米国のスコット・ベッセント財務長官がバイデン政権時代に財政出動による人為的な景気をやめて、これから自律的な経済に戻すため、デトックス期間だといったような発言をされて、これを受けて株式市場はびっくりして暴落が続いているのですけれども、その日本経済への影響やデフレ脱却、賃上げその他への影響をどのようにご覧になっているかご所見をお願いします。
(答)米国時間3月7日のインタビューで、米国のベッセント財務長官が、「米国経済が公的支出から民間支出へと移行するにつれ、自然な調整が行われるだろう」と発言したことは承知しております。我が国として米国の閣僚の発言の逐一についてコメントすることは差し控えたいと考えております。
 その上で、一般論としては、これまで申し上げているとおり、米国は世界のGDPの約4分の1、日本からの輸出シェアの約2割を占めており、我が国を含む世界経済への直接的・間接的な影響も大きいことから、今後も米国の政策動向及び経済の先行きについて、我が国としても高い重心をもって引き続き注視していきたいと考えております。
(問)先ほどの商品券の問題で一つ確認させてください。石破総理から閣僚のメンバーに対してこの件について何か説明はなかったのでしょうか。
(答)はい。特にそれはありません。
(問)国民経済計算についてお伺いします。先般、国連の統計委員会でSNA(国民経済計算体系)の基準の改定が採択されたと伺っております。この事実関係と、デジタル経済の反映ということで、各国の名目GDPを1~2%上げるという試算もあります。これについての受け止めをお伺いしたいのと、あと、日本の対応時期ですが、前回の2008SNAの時は日本の批准が遅れたという指摘もありました。各国は2029年から2030年での対応を目指しておりますけれども、日本としてはどのように対応していくかのお考えを教えてください。
(答)先週3月7日、国連の統計委員会において、国民経済計算の新たな国際基準として、2025SNAが採択されたと聞いております。2025SNAは、企業等のデータの作成費用、これを投資としてGDPに計上するなどのデジタル化の分野をはじめとして、近年の経済構造の変化等を取り入れる形で作成されたものと承知しております。
 今後、各国での2025SNAの導入に向け、具体的な推計方法等について国際的な検討が行われ、その上で各国における2025SNAの導入の時期については、2029年から2030年の実施が目指されているのはご指摘のとおりだと承知をしております。我が国においても引き続き国際的議論に積極的に貢献するとともに、2025SNAを着実に実装できるよう、準備・検討を進めてまいりたいと考えております。詳細は経済社会総合研究所にお尋ねいただければと思います。
(問)話題は変わりまして、資産運用立国について伺います。赤澤大臣は国会の演説でも資産運用立国に向けた取組を推進するとされていますが、改めて何故資産運用立国の実現が重要なのか、また、現在の課題や必要な取組についてどう考えるか伺えますか。あわせて、石破総理大臣が表明した資産運用立国の会議体について、開催時期やそのメンバー、それに議論するべき内容など、検討状況をお願いします。
(答)資産運用立国の実現には、家計の資金が投資に向かい、経済成長の果実が賃金の形だけでなく資産所得の形で家計に還元され、更なる投資や消費につながるものであります。政府において目指している「賃金と投資が牽引する成長型経済」を実現する上で、欠くことのできない要素と考えております。
 一昨年、2023年12月に策定された「資産運用立国実現プラン」に掲げられた施策の多くは、各省庁において既に着手されており、実現に向けて鋭意取り組まれているものと承知をしております。その上で、この資産運用立国の取組を更に加速させるべく、施策の進捗状況や効果を専門的見地から評価した上で、更なる課題がないか、そのために必要な施策は何かについて検討を行うため、内閣官房の下に近々、政府横断的な会議体を設置する方向で検討を行っているところでございます。
 お尋ねの具体的な開催時期、メンバー、議論すべきテーマについては、改めて公表させていただきたいと思っております。新たに設置される会議体の下で行われる議論も踏まえつつ、引き続き資産運用立国の実現に向けて必要な取組を推進してまいりたいと考えております。
(問)関連で、その会議体については赤澤大臣がトップを務められるのでしょうか。
(答)(答)そのあたりも含めてまだ決まっておりませんので、改めて公表させていただきたいと思います。

(以上)