赤澤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年2月21日
(令和7年2月21日(金) 9:22~9:31 於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)
1.発言要旨
(冒頭発言なし)2.質疑応答
- (問) 2024年1月の全国CPI(消費者物価指数)が総合で前年同月比4.0%上昇、これは2年ぶりに4%台になりました。生鮮食品を除く総合で3.2%上昇となりました。このことに対する受け止めをお伺いします。
また、2月には電気・ガス代支援が再開して、3月には多くの自治体で給付金の給付が開始し、3月末には政府備蓄米が店頭に並ぶ見込みです。これらの政策の効果をどのようにご覧になっているか、お考えをお伺いします。 - (答)まず、本日公表された全国の2025年1月の消費者物価指数は、総合で前年同月比プラス4.0%、生鮮食品を除く総合で前年同月比プラス3.2%と、ご指摘のようにそれぞれ12月から上昇幅が拡大をしております。主な要因としては、生鮮食品について、昨年夏以降の高温や12月から1月の少雨での生育不良などにより、野菜価格の上昇率が拡大したことや、生鮮食品を除く食料についても上昇幅が拡大したことなどがあると承知をしております。
政府としては、「賃上げこそが成長戦略の要」と石破総理が繰り返し申し上げている認識のもと、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現に向けて、省力化投資の促進や価格転嫁の徹底、経営基盤の強化に資する事業承継、M&Aの支援等を進め、賃上げ環境の整備などに取り組むとともに、そうした経済を実現するまでの間、賃上げの恩恵を受けにくい方々をきめ細かく支援するということで、当面の対応として、低所得者世帯の方々に対する世帯当たり3万円、こども1人当たり2万円を加算する給付金や、地域の実情に応じてエネルギーや食料品価格の高騰に苦しむ方々、学校給食費への支援等を行う重点支援地方交付金など、総合的な対応を講じることとしており、各施策の迅速かつ適切な執行に努めてまいりたいと考えております。
消費者物価上昇率を見ると、食料品など身近な物の価格が上昇しており、国民や事業者の方々が、生活が苦しいという厳しい状況に置かれているものということは認識をしてございます。政府としては、今月の2月4日の閣僚懇談会における石破総理の指示に従って、足元の物価高に対する万全の対応を行うとともに、「賃上げこそが成長戦略の要」との認識のもと、賃上げを起点とする国民所得の向上と経済全体の生産性向上を図り、成長型経済への移行を確実なものにしていきたいと考えております。
そして、電気・ガス料金負担軽減支援事業については、家庭の電力使用量が最も大きい1月から3月の冬季の電気・ガス料金を支援することとしておりまして、結果的に2月から4月の消費者物価(総合)に反映をされてマイナス0.3%ポイント程度押し下げるということを見込んでおります。
それから、政府備蓄米の買い戻し条件付き売り渡しについては、3月半ばに備蓄米の引渡しが開始されるものと承知しております。コメ流通の目詰まりが解消し、上昇した価格が落ち着くことを期待しているということでございます。
更に加えて、先ほどご説明しました世帯当たり3万円、こども1人当たり2万円の給付金や、あるいはエネルギー、食料品価格の高騰に苦しむ方々、価格転嫁が困難な中小企業、学校給食の支援等を行う重点支援地方交付金など、物価高に対応する様々な施策を1日も早く国民の皆様にお届けし、効果を実感していただけるよう、迅速に執行してまいりたいと考えております。 - (問)関税交渉についてお伺いします。武藤経済産業大臣が米国に自動車関税の関係で行かれるという報道がありましたけれども、政府全体として、トランプ大統領が関税に関して矢継ぎ早に方針を表明している中で、どのような体制で交渉に臨んでいかれるというお考えなのでしょうか。政府全体として横断的なものを何かつくってやられるのか、それとも各省ごと、事案ごとに対応していく形になるのでしょうか。政府の体制が見えず、場当たり的にやってらっしゃる感じがしています。あと、前回のトランプ政権の時には、経済再生担当大臣が通商交渉、関税交渉に当たられていました。状況や前提が違うわけですけれども、もし本格化した場合に、大臣ご自身でどのように考えているのか、意欲のようなものはおありなのでしょうか。
- (答)米国政府が発表した関税措置については承知をしております。米国の経済は世界全体のGDPの4分の1を占めて、我が国からの輸出の2割を占めているわけで、その影響の大きさから見て、我々としては状況を注視していくということを絶対にしていかなければいけないということであります。
米国政府には、既にこれらの関税措置についての申入を岩屋外務大臣から通じて行っておりますし、報道によれば、武藤大臣が自動車関係で訪米されるというようなことが報道されていることも承知はしております。我々としては、今申し上げたとおり、影響の大きさから見て、これらの措置の内容や我が国への影響を十分に精査しつつ、引き続き必要な対応を行っていかなければなりません。
ご指摘の諸点も含めて、今後の対応について私の立場から予断をもってコメントすることは差し控えたいと思います。 - (問)税のことに関してお尋ねしたいのですけれども、103万円の壁の引上げについてです。先日、自民党は国民民主党に対して年収200万円以下と200万円から500万円、それ以上の三つの所得段階に応じた壁の引上げ案を提案しました。これに対して国民民主党側は一律の引上げを要求していますけれども、大臣としてはこの三つの所得段階に分ける案をどのようにお考えになっているのか。少し難しい質問だと思うのですけれども、もしお答えいただけるならばお答えいただきたいです。
- (答)難しいです。いわゆる103万円の壁については、昨年12月の自民党・公明党・国民民主党3党の幹事長合意を踏まえ、引き続き政党間で協議が進められているものと承知しております。政府にいる立場としては、コメントは差し控えさせていただきます。引き続き政党間の協議の状況を注視してまいりたいと思います。
- (問)昨日、2月20日に石破総理の所に植田和男日銀総裁が来られましたけれども、このタイミングで会われたその意義について、赤澤大臣からの解説をいただければと思います。
- (答)石破総理と日銀総裁は定期的に意見交換をしているのはご案内のとおりで、昨日の面会もその一環であると承知しております。会談では、経済や金融情勢について一般的な意見交換を行い、引き続き政府と日銀が密接に連携を図り、経済・物価・金融情勢を、諸情勢を確認しつつ、持続的な経済成長の実現に向け政策運営に万全を期していく方針を確認したものと承知しております。
また、これは余談ですけれども、私が承知している限り、報道によれば、植田総裁は、「ちょうど私が来週、G7、G20に恐らく出席できると思うので、その直前というタイミングもあって、懇談の機会を持たせてもらった」とおっしゃっていたようであります。そのようないいタイミングに定期的に行っている意見交換を重ねることができたと私は理解をしております。
(以上)