赤澤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年2月14日
(令和7年2月14日(金) 8:41~8:51 於:衆議院本会議場議員食堂側)
1.発言要旨
本日、「株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。地域経済活性化支援機構、通称REVICでありますけれども、熊本地震や、あるいは西日本豪雨などに際して復興ファンドを運営し、被災地域のなりわい再建を支援してきております。現在は「能登半島地震復興支援ファンド」に参画をしているところです。本法律案はREVICの目的・支援基準に被災地域の経済再建、それから被災事業者支援を明確に位置付け、業務の期限を延長するものでございます。これらの措置により、REVICの知見・経験を活かした被災事業者支援に万全を期してまいります。
2.質疑応答
- (問)トランプ氏が相互関税の導入を指示する文書に署名をしました。日本も検証対象になる可能性がありますが、日本への影響についてどのように考えているのか教えてください。
- (答)まず、トランプ大統領の関係で言うと、前回お話しした時と比べると、米国時間2月10日にトランプ大統領は鉄鋼・アルミニウムの輸入に対する追加関税の一律25%への引き上げ、3月12日発効ということを実施する大統領令に署名をされました。これに対して、米国時間の2月11日に日本政府から米国政府に対し、措置対象から我が国を除外するように申し入れを行ったと承知しております。加えて、米国時間2月13日、トランプ大統領は全ての貿易相手国を対象に米国からの輸入品に課している関税等と同様の関税を米国への輸入品にも課すという相互関税の導入計画の策定に向けて、関連する調査及び対応策の検討を関係閣僚に指示する大統領令に署名したと承知をしております。
もちろん我が国も関税というのをいくつか持っているので、こうした米国の関税措置について我が国としては、まずはこれらの措置の具体的内容、それから、我が国への影響を十分に精査した上で、適切に対応してまいりたいと考えてございます。 - (問)2問伺います。1問目ですけれども、REVIC法案に関連しまして、今回の改正に至った問題意識と改正による意義・効果について伺います。あともう1点が賃上げですけれども、1月に赤澤大臣と石破総理は中小企業の経営者と賃上げの車座を行いまして、本日も建設業界と車座を行われますが、この車座を行われる狙いと、今後の賃上げにどのように具体的につなげていくかの二つをお願いします。
- (答)最初のREVIC法ですけれども、世界有数の災害発生国である我が国において、防災の取組は当然待ったなし、国の中でも大変優先度の高い課題であると考えております。能登半島地震など、過去の災害の教訓や災害対応の知識や経験をまずしっかりと分析をし、活かしながら、今後の大規模災害に備えていくことが極めて重要な課題であるという認識がございます。
その上で、冒頭に申し上げたとおり、REVICは既に熊本地震などに際して復興ファンドを運営し、現在は能登半島地震の被災地域において、なりわい再建支援の取組を進めていただいておりますので、今回の法律案についての問題意識を申し上げれば、ないに越したことはないですけれども、次なる大規模災害も見据えて、このREVICの知見・経験を活かした被災事業者支援に万全を期していきたいということが狙いとなっております。
それから、車座についてですけれども、本日夕刻、石破総理と建設業団体との間で賃上げ等に関する車座を開催予定でございます。今回の車座においては、賃上げや生産性向上など、持続的な建設業の実現に向けた取組について、石破総理及び中野国土交通大臣と共に各団体の代表者の皆様と意見交換を行うこととしております。本日の議論が官民挙げた賃上げと生産性向上の更なる取組につながることを期待しているところでございます。 - (問)防災庁有識者会議について伺います。昨日、第2回の有識者会議が来週月曜の2月17日に開催されるという発表がございました。災害対応と官民連携というテーマということなのですけれども、現状、大臣がお考えになっている災害対応時における官民連携の課題と、どういった議論を有識者の方に期待しているかをお聞かせください。
- (答)来週2月17日に開催する防災庁設置準備アドバイザー会議の第2回会合において、ご指摘のとおり「官民連携」をテーマとした議論を予定しております。今回は、災害時のNPOやボランティアの実務に詳しいJVOAD(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク)の栗田暢之委員や、明城徹也委員、それ以外にも高橋良太委員、更に、災害時の自治体実務や企業等との連携に詳しい阪本真由美委員、菅野拓委員、こういった合計5名のアドバイザーから発表いただく予定としております。
アドバイザーの専門分野の知見やそれぞれの災害現場での経験などを踏まえて、災害対応における行政と民間企業やボランティア団体等との連携の在り方やその実現のために、防災庁に求められる機能などについて議論が深まることを期待しています。
ここは本当に大事なところで、2021年に私が五つの提言を出した中で、官民連携というのはかなり触れています。例えば避難所がどうやって介護のサービスをきちっと受けられるかなど、そのような類いのことはものすごく重要なので、しっかりと官民連携について議論をし、引き続き様々なご意見を賜りながらスピード感を持って防災庁設置に向けて具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。 - (問)一昨日、内閣府で日本経済レポート2025を出されて、その中で消費性向が低迷している理由の一つとして円安・物価高をかなり取り上げていらっしゃいましたけれども、大臣として、消費喚起のためには多少円高誘導などが必要というふうにお感じなのか、その辺りについてご意見があればお願いいたします。
- (答)株価や為替について私がコメントすることはできないので、その点をあらかじめ申し上げた上で、2月12日に公表した日本経済レポート、いわゆるレッドブックと言われるものでは、平均消費性向の低下について多様な分析を行っておりまして、一つには、食料品など身近な品目の価格上昇により消費者マインドが下落ちされていることに加えて、平均消費性向の低い共働き世帯の増加など、世帯構成が変化していること、それから、賃金・所得増の多くが恒常所得増ではなくて、一時的な所得増と認識されている可能性、それから、いわゆる長生きリスクなど、老後不安の高まりによって現役時の貯蓄志向が高まっている可能性といった様々な背景を挙げているところでございます。
その上で、最近の食料品価格の上昇については、円安を通じた輸入物価の上昇の影響のほか、それだけでなくて、昨年夏以降の天候不順による野菜の生育不良や需給の逼迫、生産コスト増加等による米価格の上昇、更には物流費や人件費の転嫁といった様々な要因が影響しているものと考えております。
為替相場の動向については、冒頭に申し上げたとおり、私の立場からコメントできませんけれども、円安は実体経済に対して様々な影響を与え得るものであり、為替の動向やその影響については引き続き十分注視してまいりたいと考えております。
(以上)