赤澤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年2月12日
(令和7年2月12日(水) 9:15~9:28 於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)
1.発言要旨
(冒頭発言なし)2.質疑応答
- (問)2月7日に行われた日米首脳会談の受け止めをお願いします。
- (答)石破総理とトランプ大統領の会談の成果として、広く報じられていますけれども、日米両首脳による共同声明を発出し、自由で開かれたインド太平洋を堅持し、日米関係の新たな黄金時代を追求するという決意が確認されたところであります。経済分野では、経済安全保障を含む2国間の経済協力について確認をし、投資と雇用の大幅な増加、重要技術開発における協力等で一致するとともに、双方に利益のある形でエネルギーの安全保障強化へのコミットが確認されたものと承知しております。石破総理からトランプ大統領に対して、対米投資額を1兆ドルという規模にまで引き上げ、共に取り組んでいきたいという思いを伝えたということも報道されているとおりでございます。
日米の緊密な経済関係を更に拡大・発展させる余地が大きく広がり、特にAIや先端半導体などの技術分野において、日米それぞれの技術力を活用して協力・連携し、世界をリードしていくこと、また、エネルギー分野でも双方に利益のある形で協力することとしていますが、いずれにせよ日本経済への影響について注視をしてまいりたいと思っております。 - (問)今の日米首脳会談について伺います。大臣のご発言の中でもありましたが、経済分野ではアメリカのLNGの日本への輸出を増やすことを確認した他、石破総理は会談後にアメリカへの投資額を1兆ドルまで引き上げたいという考えを示されました。この首脳会談が日本の国民生活に与える影響や効果について、現時点ではどのようにお考えでしょうか。
- (答)まだ時期尚早といいますか、いろいろな会談でもトランプ大統領から言及のあった相互関税とか、それからまた、USスチールの関係もそうですし、石破総理とトランプ大統領の初会談、私は100点満点だったと思っていますけれども、そこからいろいろ今後どのように展開していくのかをよく見ていく必要があるだろうと思っています。
いずれにしても世界のGDPの4分の1を占める米国であり、我が国の輸出の2割を占めるという大変影響の大きい国であります。石破総理とトランプ大統領のケミストリーがあったということでありますので、そのような個人的な首脳同士の信頼関係も礎にしながら、今後、日米経済の関係をいい形で発展をさせたいという思いと、そのことがもちろん、LNGについて石破総理も言及しておられましたけれども、合理的な価格でエネルギーを確保する、その選択肢が広がるということについては、経済安全保障の観点からも間違いなく日本経済に与えるいい影響がある。そのことは間違いないと思うので、少しでも国民のためになる、日本経済のためになる、そのような展開を図っていきたいと思っております。 - (問)高額療養費制度の見直しについてお伺いします。がん患者団体が見直しや凍結を求めていらっしゃると思います。また、野党、立憲民主党も凍結を求める考えを示していたりと、現行の見直し案に対して反対が出ています。一方で、現役世代からは保険料負担が重すぎるという不満の声も挙がっていると思います。大臣は全世代型社会保障を所管されているお立場として、この高額療養費の見直しについてどのようにお考えでしょうか。
- (答)まず、国会の質疑でもありましたし、全国がん患者団体連合会の皆様が挙げられている声は大変重く受け止めています。非常に切実な訴えをいただいていると思っておりまして、改めて申し上げるまでもなく、石破総理も大変それを重く受け止めて、何ができるだろうかということを一生懸命考えておられると思います。
その上で、高額療養費制度の見直しについては、2023年12月22日に閣議決定をしました改革工程に掲げられた取組の一つであります。厚生労働省において見直しの検討がされてきたものであると承知をしております。社会保障制度は給付と負担のバランスを確保しながら、国民全体で支え合うものです。高額療養費制度を見直すことで、例えば支え手である若い方たちの負担を減らせないかとか、あるいは例えば給付が増やせないかとか、いろいろなことを考えながら全体としてバランスを取ってやっていこうという類いのものですので、そこは本当に厚生労働省がそのような観点から見直しの検討をしてきたということなのです。
ただ、その上で、制度を利用されている当事者から大きな不安の声があがっている中で、石破総理の指示もいただいて、本日の午後にも厚生労働大臣と患者団体の皆様が面会する予定であると承知しております。繰り返しになりますが、社会保障制度は給付と負担のバランスを確保しながら、国民全体で支え合うものであり、当事者の皆様のご意見を踏まえながら厚生労働省において適切な対応がなされることを期待しております。
患者団体との対話の内容や現在の検討状況など、詳細については厚生労働省にお尋ねをいただければと思います。 - (問)トランプ大統領の話に戻ってしまうのですけれども、2月10日にトランプ大統領が鉄鋼、アルミ製品への25%の追加関税を課す大統領令に署名をしました。先ほど、相互関税のお話もありましたけれども、こうした関税政策が世界経済の混乱につながるとの指摘もあります。日本への影響についてどのように考えていらっしゃるか、改めて伺えますでしょうか。
- (答)まず、私の記憶が間違いでなければ、第1次トランプ政権で米中がお互いに関税を撃ち合うような状況になった時に、日本経済が影響を受けることがありました。一番典型的には、イメージを持っていただく上で言えば、部品を我が国から中国に輸出をし、受け取った中国がそちらを組み立てて、携帯の製品の形で米国に輸出したらかなり大きな影響を受けたものだったと記憶しています。同じような形で、今、その後の日米中の貿易の構造が多少なりとも変わっているとは思いますけれども、イメージで言えばそのような形で影響が出得る世界だということではあります。
その上で、実際、今後起きたことを時系列できちっと追いながら精査していかなければいけないということだと思うのですが、アメリカは2月4日から、中国からの輸入品全品目に対する10%の追加関税を課しております。これに対し、中国もいろいろな評価もありますけれども、撃ち返しているということで、2月4日に、まずそのアメリカの追加関税措置をWTOに提訴したということがあります。また、2月10日から、アメリカから輸入されている石炭、天然ガス、大型自動車等の関税率を引き上げたということです。
また、2月10日、これも米国時間ですけれども、トランプ大統領は鉄鋼・アルミニウムの輸入に対する追加関税の一律25%の引き上げ、3月12日に発行ということですけれども、この大統領令に署名をしたと承知しています。加えて、先ほど申し上げた、貿易相手国がアメリカからの輸入品に課している関税と同様の関税をアメリカへの輸入品にも課すという相互関税の導入は発表待ちですよね。2月11日または2月12日、いずれも米国時間に詳細を発表ということなので、2月11日はなかったということなのかと思いますけれども、まだ待ちの状態であります。
いずれにしても、まず今後明らかとなる措置の具体的な内容及び我が国への影響を十分に精査した上で、適切に対応していきたいと思っております。 - (問)日米首脳会談で確認をさせてください。石破総理のほうで、為替についてはスコット・ベッセント財務長官と加藤財務大臣で協議するという説明がありました。これの解説をお願いしたいのですけれども、貿易不均衡是正で為替について何も無茶なお話がありませんでしたということなのか、それとも、日本側としても物価高抑制・円安是正でいろいろと日銀を含め動いているので、説明したらトランプ大統領は非常に喜ばれて、何もけんかにならなかったということなのか。その解説をできる範囲でお願いします。
- (答)私自身が承知している範囲で言えることはそれほど多くはないのですけれども、ただ、2月7日に石破総理とトランプ大統領との首脳会談において、経済等の諸課題を含め非常に有意義な議論が行われたことは私も承知しております。会談における議論について具体的なコメントはできませんし、為替に影響を与えるとまずいということでありますけれども、首脳会談後に、トランプ大統領との共同記者会見において石破総理から、「第1次トランプ政権時と同様に、専門家である日米の財務大臣の間で緊密な議論を継続させていただくこととする」という発言をされていること、更に、共同記者会見の後に行われたベッセント財務長官の総理表敬の際に石破総理から、「加藤財務大臣とベッセント財務長官との間で緊密な連携を継続いただきたい」と申し上げたこと以上に私自身が承知していることがないので、石破総理の指示を受けて、為替については引き続き加藤財務大臣とベッセント財務長官の間で緊密に議論をしていくということだと理解をしております。
(以上)