赤澤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年11月12日
(令和6年11月12日(火) 10:18~10:36 於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)
1.発言要旨
おはようございます。第2次石破内閣で引き続き経済再生担当大臣を拝命いたしました。よろしくお願いいたします。2.質疑応答
- (問)昨日、第2次石破内閣が発足いたしました。改めて大臣としての意気込みと、再任に当たって総理からどのような指示があったか教えていただけますでしょうか。
- (答)石破内閣では、経済あっての財政との考え方に立ち、デフレ脱却最優先の経済財政運営を行い、成長分野への官民挙げての思い切った投資によりまして「賃上げと投資がけん引する成長型経済」の実現を図ることが鍵でありまして、私としては引き続きあらゆる政策手段を総動員して、その実現に注力してまいりたいと思っております。
当面の課題は経済対策の策定でありまして、現在、石破総理から示された対策策定の趣旨や三つの柱に沿って具体的施策を検討しているところでございます。関係省庁の協力も得て、優れた方策や効果的な施策を積み上げながら意義ある経済対策となるように検討を進めてまいりたいと考えております。
また、私は賃金向上担当大臣でもあります。適切な価格転嫁と生産性向上支援などにより、最低賃金の着実な引き上げを可能とし、物価上昇を上回る賃金の増加を定着させることに全力を尽くしてまいりたいと思っております。そのため、今月にも次回の春季労使交渉及び最低賃金の今後の中期的引上げ方針について政労使の意見交換を開催したいと思っています。また、今後の経済財政諮問会議において、賃金の在り方に関して見識のある有識者にも参加いただく特別セッションを開催し、マクロ経済の観点から賃金向上の意義、必要性、求められる政策対応について議論し、次回の春季労使交渉や最低賃金改定の検討に資するよう議論を深めてまいりたいと考えております。
ご参考までですが、石破総理からご指示をいただいた担当は、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)が一つであります。また、経済再生担当大臣。これは私は名刺に刷っておりますので、一番メインのほうの担務かと思います。それから、新しい資本主義担当大臣。そして、先ほど申し上げました賃金向上担当大臣。それから、スタートアップ担当大臣。全世代型社会保障改革担当大臣。感染症危機管理担当大臣。そして、防災は私のライフワークですが、防災庁設置準備担当大臣ということになっております。
石破総理から全閣僚にありましたご指示として、これは総裁選の時から私どもはそれを掲げて戦ってまいりましたけれども、「五つの守る」です。一つは「党のルールを守る」であったので、政策という意味ではそこを外せば、皆様も恐らくご記憶と思いますが、「日本を守る」「国民を守る」「地方を守る」「若者・女性の機会を守る」。それをしっかり実現できるように全閣僚が力を合わせてやっていこう、内閣の総力を挙げて今申し上げた四つの守るの政策を推し進めていきたいという強い思いを石破総理からのご指示で我々は共有したところでございます。 - (問)関連して防災庁について伺います。今月11月1日には準備室も立ち上がりましたが、担当大臣再任に当たりまして、改めて今後の防災庁設置に向けた準備や議論の進め方、また、スケジュール感についてお考えをお願いします。
- (答)私自身は何度も申し上げていますが、防災をライフワークとして取り組んでいる政治家でございます。今、内閣府防災がかなり一生懸命に進めてくれて、予算化をしてくれているものは、基本的には私が3度目の内閣府副大臣(防災担当)だった時、2021年にまとめた五つの提言があります。もしご関心があれば、私のSNS、Xの冒頭に何年たとうが固定をしてありまして、日本の内閣府防災、防災行政はこの2021年に出した五つの提言をきちっと織り込んで動いているということです。私にとっては大変思いがあって変えておりません。もしご関心があればそこを見ていただければ、全てを見ていただけるようになっております。
防災をライフワークとして取り組んできており、今回も改めて第2次石破内閣において防災庁設置準備担当を拝命いたしました。国民の生命・身体・財産を災害から守り抜くためには、防災業務の企画立案機能を抜本的に強化をし、石破総理がおっしゃっている「本気の事前防災」に取り組む防災庁の組織づくりを進め、人命最優先の防災立国を早急に構築することは必要不可欠です。念のため申し上げておけば、そこに至るまでにも内閣府防災の体制を防災庁ができる前にも抜本的に強化をすることで、事態対処のほうの能力も高めていきたいと、そのような思いで取り組んでおります。
防災庁の組織づくりに当たっては、避難所環境や備蓄体制の抜本的改善など、被災者が安心して過ごせる避難生活環境の整備、これは能登半島地震の現場に足を運ばれて、石破総理自身が改めてその感をものすごく強くされたものであります。
2021年の五つの提言の中の二つがボランティアと防災教育ですけれども、ボランティアなどの育成・強化、防災教育の充実など、官民連携による災害対応力の強化、あるいはボランティアを各地で育てデータベース化しておくというような取組は460万人が避難する南海トラフ巨大地震には絶対に必要なことでありまして、これはいわゆる地域防災力の強化にも当たると思います。そのようなものにも防災庁は全力で当たっていきます。
また2021年の五つの提言で、デジタル関係で二つ提言がありましたけれども、そのうちの一つ、新総合防災情報システムを活用した情報連携・共有強化などの防災DXの推進。これは、令和4年度の補正予算で20億円を取って、既に運用開始になっているものです。以上のような3本の柱を中心に、内閣府防災と連携し、目指すべき方向性とそのために必要な体制の在り方について企画立案を進めていきたいと思っています。
総理のご指名で私の盟友である坂井学大臣が内閣府防災を担当していただいていますので、あうんの呼吸、目を見れば分かるの関係でしっかり一糸乱れぬ感じでつないでいきたいと思っています。
今後、防災庁設置準備室において、令和8年度中の防災庁の設置に向けて具体的な議論を進めてまいりたいと考えております。 - (問)今、大臣がおっしゃった経済対策に関連して、一部報道で、AI・半導体分野での10兆円以上の支援とか、住民税非課税世帯への給付金の支給などが経済対策の原案として挙がっているということなのですが、AI・半導体分野への支援は昨日11月11日に石破総理も会見でおっしゃっていました。こちらへのお考えを改めてお伺いしてもよろしいでしょうか。
- (答)今お尋ねになったのは、石破総理が経済対策についてご発言になった内容ですね。
- (問)AI・半導体分野に関しては、石破総理が10兆円規模という話をされていたと思うのですが、一部報道に書いてありました。あとは、住民税の非課税世帯への給付金です。
- (答)ありとあらゆることを我々は検討しておりますし、物価高の克服、日本経済・地方経済の成長、国民の安心・安全の確保の3本柱でいろいろ政策を検討しています。ご案内のとおり、選挙の結果も受けて、野党が党としておっしゃっているようなものもしっかりと優れた政策を取り込んで、選挙の結果を受け、ある意味で自民党にお灸を据えて、「他党の意見も聞け」「国民目線に戻れ」「きちっと信頼回復に努め、やるべきことはやれ」という国民の皆様の判断も生かしながら、しっかり良いものをつくっていきたいということで、私自身は担当閣僚ですが、内容的に何か固まったものがあるというふうには思っておりません。
石破総理がおっしゃっていることはもちろん方向としては十分検討されなければならないことだと思っています。半導体について言えば、AIもそうですけれども、我が国の国際競争力を将来的に左右する部分であることは間違いなく、国際間競争もものすごく激しい分野であります。しっかりとその分野でも我が国がきちっと将来を切り拓いていけるような、そのような基盤をつくれる経済対策につなげていきたいと思っています。
もちろん経済対策は当初予算でもありませんし、基金でもありませんので、中長期的なインパクトはいろいろと限られるところもありますけれども、そのようなものにつながるものとしてしっかりベストと思われるものをつくり上げていきたいと思っているところでございます。関係省庁の協力も得て、石破総理のお言葉で言えば「優れた方策や効果的な施策を積み上げながら意義ある経済対策となるよう検討を進めてまいりたい」ということでございます。 - (問)関連して経済対策について伺います。石破総理は防災庁設置準備室の発足式で、経済対策の取りまとめも見据えつつ、先進的な取組を支援する新たな枠組みの創設であったり、災害時に利用するキッチンカーなどのデータベース整備などを行う考えを表明しましたが、このような内容について実際に対策に盛り込むかどうかも含めて、経済対策の検討状況をお願いします。
- (答)先ほど、防災庁の質問のところで申し上げたとおり、石破総理が非常に気にされているのは、体育館で被災者の方たちが、いわゆる雑魚寝をしておられるような状態。それから、温かい食事が欧米先進諸国では2日以内とか、何時間以内に届くものが、なぜ我が国はそのようになっていないのかということです。関東大震災当時と何も変わらないと言われ、我々はお叱りを受ける向きもあるわけです。そこは本当に石破総理が気にされているところでありますので、少しでも早く手を打ちたい。能登半島の被災者の皆様に少しでも早くサポートの手をお届けするのとあわせて、今後同じような災害が起きた時に、そのようなご批判を受けないように、「なぜ体育館で雑魚寝なのだ」「なぜ温かい食べ物やお風呂がすぐに届かないのだ」「国は何をやっているのだ」というお叱りに対して少しでも応えていきたいということで、経済対策の取りまとめを見据えながら、快適なトイレ、温かい食事や多様なメニュー、プライバシーを守るパーティション、簡易ベッドといった、石破総理が、トイレ・キッチン・ベッドが48時間以内に届くことをもって「TKB48」と言うとおっしゃっていたように思いますが、避難所の生活環境を改善する自治体の先進的な取組について、地方創生関係交付金を活用して支援する枠組みの検討が進められていると承知しております。
いろいろなパターンが地方創生交付金の中にはあります。その中に、防災を念頭に置いて石破総理の問題意識をきちっと形にして、少しでも被災者の皆様に対してやるべきことをやって差し上げる。それから、今後の災害についても、住んでいる市町村によって防災の時に受けるサービスが違うようなことがないように、最低水準は全国の市町村1741の全てで満たすということをしていきたいということであります。
また、災害時に活用可能なキッチンカーやトレーラーハウス、トイレトレーラーなど、平時から登録、データベース化しておく。これは大事な官民連携によって発災時にニーズに応じて迅速に提供する仕組みについても具体的な検討が進められていると承知をしております。
私は経済対策の取りまとめの担当ですので、引き続き関係部局等と調整を進めてまいりたいと思います。このような避難所環境の改善を図る取組をはじめ、防災体制を強化するべく、防災庁設置の準備も着実に進めてまいりたいと思います。 - (問)経済対策に関して少し漠然とした質問で恐縮なのですけれども、先ほどから、優れた野党の政策はそういったものも取り込めるように検討していくということですけれども、優れたものというのは具体的にどういったことを基準に「優れた」と判断しているのでしょうか。例えば103万円の壁の話とか、そういったこともそのように判断されるのでしょうか。
- (答)これは私の個人的な見解からすれば、我々は選挙の結果を受けてかなり反省をしています。我々がこの政策でベストだ、国民の皆様に寄り添っているつもりだったが、それは独り善がりではないかと。選挙の結果を受けると我々も胸に手を当てて深く反省しなければいけないわけです。
優れた政策ということは、この時点で何か具体的に言っているというよりは、我々は少数与党ですので、野党の皆様を合わせれば国民の皆様は天の声としてそちらのほうを支持している状態なので、野党の皆様がおっしゃっている政策が、我々が提示しているものより独り善がりでなく、国民目線であり、野党の政策のほうが我々に寄り添ってくれていると国民の皆様が感じるものが確実にあるから、我々は一言で言えばこのような痛い目に遭っているわけです。そこを徹底的に、石破総理のご指示で各野党の政策を今まで以上にしっかりと勉強をして、どこを国民の皆様が評価しているのか、そのようなことも考えながら恐らく各党と調整しているものと私は理解しております。
政党間の協力に当たっての個別の政策の取り扱いは各政党間で議論されるべきで、今のご質問に私からお答えすることは、特に閣僚としての会見の場ですので控えたいと思いますが、定性的に申し上げればそのようなことです。要するに、我々の政策は独り善がりであり、一番優れていると思ってやっていましたけれども、自信満々でやっていたところをお灸を据えられている状態ですので、目を見開いて、今まで以上に野党の政策の中に国民の皆様に訴える、「これをやれ」と国民がおっしゃるような、そのような優れた政策がないかということを今、本当に全力傾注で探しているところで、野党の皆様のおっしゃることもよく聞きながら取り組んでいきたいということであります。
(以上)