坂井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年8月8日

(令和7年8月8日(金) 11:46~11:57  於:中央合同庁舎8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨

 
 冒頭、私から3点申し上げます。
 まず1点目、8月6日からの大雨についてであります。本日8時半時点で、人的被害として、重傷2名、軽傷1名、住家被害として、全壊1棟、床上浸水1棟、床下浸水174棟などの報告を受けていましたが、先ほど10時の時点で、重傷2名のうち1名がお亡くなりになったと報告を受けております。お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。
 低気圧と前線の影響で、石川県では昨日7日明け方に、鹿児島県では本日未明から明け方に線状降水帯が発生し、記録的な大雨となっています。土砂災害の危険度が非常に高くなり、本日5時に鹿児島県霧島市に大雨特別警報が発表されています。北日本や東日本は9日(土)、西日本は12日(火)にかけて大雨となります。
 九州南部では土砂災害に最大級に警戒し、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。北日本と東日本では、土砂災害に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水に警戒してください。落雷や竜巻などの激しい突風にも注意をしてください。
 なお、今回の大雨では、石川県が金沢市に対し、鹿児島県が霧島市に対し、災害救助法の適用を決定をいたしました。
 大雨特別警報が発表されている地域の皆様におかれては、命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保してください。夏休み期間でもあることから、国民の皆様には、お住まいの地域に加え、出先のハザードマップなどを改めて確認するとともに、最新の気象情報や地方自治体からの避難情報に注意していただき、早めの安全確保をお願をいたします。
 政府としては、6日に関係省庁災害警戒会議を開催し、十分な態勢確保、地方自治体や関係機関への注意喚起等を行いました。総理からは、国民の皆様への情報発信、各地の状況の把握と災害応急対策、安全・円滑な避難の支援等について御指示がありました。北日本から西日本にかけて広い範囲での大雨が続きますので、引き続き災害対応に万全を期してまいります。
 続いて、2点目でございますが、今般のカムチャツカ半島付近を震源とする地震に伴う津波を受けて、8月1日に、総理から、要支援者も含めて逃げ遅れることなく迅速に避難ができたか、冷房や飲料水の提供など、避難所での熱中症対策は効果的であったか、高台や避難ビルに一時避難した方々の避難所への二次避難は円滑に行われたかなど、状況を確認・検証するよう指示がございました。
 この総理指示を踏まえて、津波警報が発令された13の都道県と、熱中症発症事例が報告された沖縄県に対して、今般の避難行動において浮かび上がった課題等についてヒアリングを実施しました。
 その結果、要支援者も含めた避難については、指定避難所以外、例えば高台や避難ビルへの避難状況を十分に把握することが難しかった。また、個別避難計画を活用できた事例もあったが、要支援者と連絡がつかず、避難したか否かを確認できなかった例もあるなど、連絡・確認手段等に課題も見られたところでございます。
 熱中症対策につきましては、特に移動中や屋外避難場所における熱中症の発症リスクが判明をいたしました。
 そして、屋外避難場所から屋内避難所への移動については、屋内避難所への誘導が行われたケースもありましたが、屋外での避難状況の把握方法や、対応に当たる職員の態勢等について課題もあり、誘導を行うことができなかった自治体も多かったところでございます。
 また、二次避難を行う場合には、津波が来ない移動経路を確保する必要があり、警戒区域を通らざるを得ない場合には、どの時点で移動を行うべきかなどの判断においても難しさがあったわけであります。
 この報告を受けて、石破総理からは、この度の確認結果も教訓として、自治体や関係省庁と緊密に連携しながら、逃げ遅れを防ぐための呼びかけや避難行動支援の方法、夏季に、夏場ですね、に避難が長期化する可能性も踏まえた良好な避難環境の確保、一時避難場所における避難状況の把握方法や、一時避難場所から屋内避難所への安全・円滑な避難誘導の在り方等について更に検討を進め、改善措置を着実に講じていくよう指示がありました。
 今般の対応から、好事例と、それから反省点をできるだけ多く集め、改善策を全国に展開をすることにより、人命・人権最優先、世界一の防災大国の実現に取り組んでまいりたいと思います。
 続いて、3点目でございますが、本日、中央防災会議会長である内閣総理大臣から、関係省庁、都道府県などに通知を発出いたします。この通知は、8月30日から9月5日の防災週間、8月26日の火山防災の日に向けて、防災訓練や各種行事等の実施をお願いするものです。
 災害からの被害を軽減するためには、国民一人一人が自らの命は自らが守るという意識を持ち、いざというときに迅速かつ適切な行動が取れるように、日頃から備えておく必要がございます。これらの機会を通じて、国民が災害についての認識を更に深め、災害への備えが充実・強化されるよう、内閣府としても取組を進めてまいります。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)すみません、2点あります。まず1点目、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が初めて発表されてから、今日で丸1年となりました。これを受けての大臣の所感、また、この臨時情報をめぐる課題や今後の対応について、お考えをお伺いできますでしょうか。
(答)御指摘のように、ちょうど1年前に南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されたわけでありますが、各地で様々な対応、そして、反応があったところでございまして、このときの教訓を踏まえて、昨年12月には改善方策の公表、本年6月には事例集の公表を行い、これらの内容も踏まえ、昨日、臨時情報に関するガイドラインの改訂を行いました。
 具体的には、平時からの周知・広報の強化、そして、臨時情報が発表されたときの呼びかけの充実、各主体における防災対策検討の推進を中心に、ガイドラインの記載の充実を図ったところでございます。
 今後は、関係省庁と連携して、今回の改訂内容の周知・広報に努め、関係自治体や企業等における臨時情報の意味や目的の適切な理解、発表時の対応の事前の検討等を促してまいりたいと思います。
(問)2点目は別件なのですけれども、靖国神社参拝についての質問です。8月15日の終戦記念日に併せて、靖国神社への参拝や玉串料を奉納する予定はありますでしょうか。
(答)お尋ねの件につきましては、個人として適切に判断をしたいと考えております。
(問)細かい点で大変恐縮なのですけれども、冒頭に御説明あった鹿児島県の被災の関係で、まだ死者の情報が報道等で出ていないようなので、亡くなった方の、どこの、どちらの市の方かと、男女の別、年齢等を、もしお手元にあれば教えていただきたいのですけれども。
(答)これは鹿児島ではなくて、8月6日からの大雨の中で、富山県で雨漏りの修理をされていて落下をしてしまった方と聞いております。

(以上)