坂井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年4月22日
(令和7年4月22日(火) 8:54~9:03 於:中央合同庁舎8号館5階共用会議室B)
1.発言要旨
まず、私から冒頭2点申し上げます。
1点目、本日の閣議におきまして、災害弔慰金法施行令及び激甚災害の政令の改正が閣議決定されました。
まず、災害弔慰金法施行令の改正について申し上げます。東日本大震災時に貸し付けられた災害援護資金については、被災された方々の状況に応じ、市町村において償還金の支払猶予がなされております。市町村は災害援護資金の原資を負担している国や都県に対し期限までに必要額を償還いただく必要がありますが、被災自治体からは市町村が償還金の支払いを猶予した場合には国や都県に対する償還についても同様に猶予をいただきたいとの御要望を頂戴してきたところです。今回の政令改正は、こうした御要望を実現すべく実施するものでございます。
続いて、激甚災害の政令改正について申し上げます。令和6年9月20日からの大雨による災害について、被災した石川県輪島市の中小企業者等の資金需要が今後も見込まれることから、災害関係保証の特例期間の期限を1年間延長して、令和8年4月28日までとするものです。引き続き被災した方々の支援に努めてまいります。
2つの政令改正、いずれも詳細につきましては事務方にお尋ねをいただきたいと思います。
続きまして2点目でございますが、本日、閣議後に開催された犯罪対策閣僚会議において、「国民を詐欺から守るための総合対策」が改定され、これまでの対策を抜本的に強化することとされました。石破総理から、関係省庁に加え、通信・金融等の関係事業者といった、社会全体で抜本的な対策を講じるため、スピード感を持って取組を進めるよう指示があったところでございます。
SNS型投資・ロマンス詐欺、特殊詐欺、フィッシングといった犯罪には、治安上の課題である匿名・流動型犯罪グループが深く関与しており、実行犯の募集にはSNS、犯行の指示には秘匿性の高い通信アプリ、被害金のマネーロンダリングにはインターネットバンキングや暗号資産というように、新たな技術やサービスが悪用されている実態が見られるところでございます。
警察としては、取締りによるグループの実態解明を進め、首謀者や指示役の検挙を推進する必要があると考えており、既に一部の都道府県警察において仮装身分捜査が開始されていると報告を受けております。あわせて、架空名義口座捜査の導入に向けた検討や、シグナル等の秘匿性の高い通信アプリを悪用した犯罪グループに対抗するため、新たな法制度導入の可能性を含めた検討といった、新たな捜査手法に関する取組も推進してまいります。
さらに、これまで行ってきた対策に加え、新たな技術やサービス等の悪用に対抗するため、SNS上等における犯罪実行者情報の実効的な削除の更なる推進や、通信事業者に対する通信履歴保存の義務づけといった通信関係の取組、インターネットバンキングや暗号資産に送る送金モニタリング強化、金融機関相互での不正取引情報を共有する仕組み創設といった金融関係の取組等を、幅広い省庁や業界と協力しながら、政府一丸となって進めていく所存でございます。詐欺の被害を食い止め、全ての方々が安心して暮らせる「世界一安全な日本」を実現するため、本対策に基づく施策を強力に推進してまいります。
最後に、国民の皆様に対して、詐欺の被害に遭わないよう、改めて3点申し上げたいと思います。
第1に、詐欺電話を受けることがないようにするため、海外から国際電話を受けることがない方は、固定電話については国際電話の取扱い休止に申し込むとともに、携帯電話についても迷惑電話のブロッキングアプリ等の国際電話の着信規制が可能なアプリを利用していただきたいということです。
第2でございますが、警察官がメッセージアプリで警察手帳や逮捕状の画像を送ることは決してありません。ですから、警察官をかたる者から電話があり、そのような話があった場合には、それは詐欺でありますので、絶対に金銭等の要求に応じないでいただきたいということです。
第3に、SNSやマッチングアプリを通じて連絡を取り合うようになり、直接面識のない人から投資を勧められ、インターネットバンキングなどで送金するように言われた場合には、詐欺を疑い、すぐに家族や警察に相談をしていただきたい。これら3点申し上げたいと思います。
私からは以上でございます。
2.質疑応答
- (問)災害援護資金について伺います。政府としての延長の狙いと、延長した期間のうちに、被災者、自治体それぞれのレベルに望むこと。あと、阪神・淡路の例では延長してもなかなか返済が進まなかったという経緯がありますが、制度の改善、見直しについてのお考えがあれば教えてください。
- (答)東日本大震災時に貸し付けられた災害援護資金について、様々な、その後の御事情により、当初に予定したとおりの返済が困難となっている被災者の方がいらっしゃると認識しております。
災害援護資金制度は、一定の場合には支払猶予や償還免除が可能とされており、今回の政令改正も相まって、返済困難な方に対しては、こうした既存の制度を細かく活用いただくことが重要であろうかと思っております。
引き続き関係機関と連携の上、丁寧に対応してまいりますが、阪神・淡路大震災の際には、当初5年延長を行い、その後、3年延長を3回繰り返したという経緯がございます。今回もこの支払猶予期間を検討する際には、まずは被災自治体に意向を確認した上で、こうした過去の例も参考としつつ、関係機関とも協議の上、検討して決めたわけでありますが、この制度そのものの検討を含めて、今後の状況等を見ながら考えてまいりたいと思います。
(以上)