坂井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年11月15日
(令和6年11月15日(金) 10:46~10:57 於:中央合同庁舎8号館5階共用会議室B)
1.発言要旨
本日は冒頭発言におきまして、能登半島の避難所に関するスフィア基準の対応状況について御説明をしたいと思います。
今週11月11日(月)の総理の記者会見におきまして、総理より、避難所の満たすべき基準を定めた「スフィア基準」を、能登の全ての避難所に適用するよう指示しているとの言及がございました。
この「スフィア基準」は、災害や紛争の影響を受けた人々への人道支援の基準を表しているものと承知しており、これまで内閣府では、スフィア基準を我が国の「避難所の質の向上」を考える際に参考とすべき国際基準として示してきたところでございます。
そして今回、現在の各避難所の状況を確認させていただきました。この具体的な基準とは、配付資料に、それぞれトイレ、ベッド(生活空間)、食事、バス(風呂)ということで記載をしておりますが、例えばトイレであれば、20人に1基の便器があること、食事であれば、1日1人当たり2,100キロカロリーを摂取すること、生活空間であれば、1人当たり最低3.5平方メートルの居住スペースがあること、風呂に関するもの、入浴施設に関するもので言えば、50人に1か所の入浴施設があることなどという基準が決められております。
これまでに、避難所における良好な生活環境を確保するため、プライバシーを守るためのパーティションや段ボールベッド、トイレカー等を提供するなど、被災者支援の取組を進めてきたところでありまして、加えて、企業・業界団体の御協力の下、温かい食事を提供できるキッチンカーを避難所に派遣しているところでもございます。
現在、能登半島地震と大雨による避難者は19か所の避難所におられますが、それぞれについて確認をいたしましたところ、実質基準を満たしており、全ての避難所において避難生活の質が確保されていることが確認できました。
来るべき災害への備えも重要であり、48時間以内にこのスフィア基準が満たされるように、今般策定することとしている経済対策において、避難所の生活環境を改善する自治体の先進的な防災の取組について、地方創生関係交付金を活用して支援する新たな枠組みを創設するなど、避難所の環境改善のための取組を着実に進めてまいりたいと思っております。
これ以上の詳細につきましては、事務方にお問い合わせいただければと思います。
私からは以上でございます。
2.質疑応答
- (問)今の「スフィア基準」の対応状況についてお尋ねします。
今回の調査では「概ね質を満たしている」ということでしたが、現時点で19か所と箇所数が少なかったから基準を満たすことができたのか、あるいは、能登半島地震を受けて、いろんな企業さんの支援とか自治体のノウハウというのが蓄積したことで、今回その基準を満たせたのか、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。 - (答)多くの方に御尽力もいただき、御協力もいただき、クリアできる今の状況があると思っておりますが、やっぱり大事なのは、48時間でこういった状況を確保していくという目標が大事でありまして、時間がある程度あれば、多くの方にいろんな形で御支援をお願いができて、今回も政府も全力を挙げて質の改善に取り組んでまいりましたので、こういう状況になりますが、今後は、あとは時間をより早く今の避難所の環境をつくる、確保するということに、各自治体や多くの方々の御協力もいただく中で、それを目指していきたいと思っております。
- (問)今、大臣から御発言あった「スフィア基準」について、御説明があったように参考にすべき国際基準ということで、現状そういう扱いになっていますけども、今後この「スフィア基準」は、引き続き参考扱いにするのか、それともガイドライン等で「スフィア基準」というのをもっと入れ込んでいくのか、そのあたりのお考えがあれば教えてください。
- (答)今のところ、この「スフィア基準」を基本に、これは引き続き、国際基準として参考にしていきたいと思っております。
- (問)同じく、今回、避難所19か所については「スフィア基準」を満たしているというところで、今後課題となってくるのは、いかに迅速にこういった体制を取るのかというところだと思うんですけれども、実際、自治体の方々も被災されていて、なかなか避難所の開設準備だったりとか運営に人が足りないという現状もあるかと思うんですが、今後の避難所運営における課題感、大臣のお考えをお聞かせください。
- (答)まさしく御指摘のとおり、今、避難所を開設し、そして、このスフィア基準が一つの参考ですが、避難所の生活環境を整えていくために、人も、そして今のところ物資も足りない状況があったということは、課題として感じております。
ですので、今、御指摘をいただいたように、地元の自治体の方のみが対応するという限界なども当然認識をしておりますので、それをより拡充させて、いろんな方が御協力をいただける、災害が発生をして、発災後すぐ御対応いただける、しかし、これはある意味、事前に、災害が起きる前にいろいろな話し合いができていたり、ある種の契約ができていたりということが必要である、ある種の事前の備え、平時の備えということになりますので、そこも認識をして、平時の備えというものをしっかり拡充していくということを考えていきたいと思っております。 - (問)今回、能登半島避難所が「スフィア基準」を概ね満たしているという発表もありましたが、一部報道では、能登半島地震を踏まえて、避難所運営に関する自治体向け指針を本年度内に改定する方針を固めたといった報道もありますが、この点はまだ検討段階でしょうか。
- (答)どうなっていますか。申し訳ありません、ちょっと(事務方より)よろしいですか。
能登半島地震を受けまして、ワーキンググループ、検討会が進められてございます。この中でも、そういった指針だったりガイドラインの改定というのは御意見も出ております。
ですので、そういったものの取りまとめの状況を見ながら、その中に入ってくるのであれば、その後に改定をしていくということは十分にあり得るかなとは思っております。
まだ詳細については検討中でございますので、現時点ではこれで終わります。 - (問)今回調べられた全19か所というのが、恐らく最近の時点での調査かと思うんですけれども。一方で、各社からも質問があったように、どれだけ早く体制を取れるのかというところが大事になってくると思います。
なので、例えばですけれども、能登半島地震発災直後などにさかのぼって、当時、「スフィア基準」と照らし合わせてどうだったのかとか、そういった調査を今後されていく予定というのはあるのでしょうか。 - (答)確定をされている信頼ができる数字があれば、それを追っていくということも可能でありますが、今、私が聞いているところでは、過去にさかのぼって、混乱をしている避難所の状況の中で、いつ、何がどう入って、どうなってきたかという細かな情報、数字というものが、今、残っていないということでございますので、今回のさかのぼってというのは、私個人としては、数字がない以上、難しいのではないかと思っております。
ただ、今後そういった状況が万が一にも起きた時には、そこにも意識を持って、どんな状況で、48時間後どういう状況だったかということを含めて、しっかり意識をそこに集めていきたいと思っています。
(以上)