城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年10月17日

(令和7年10月17日(金) 10:58~11:08  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)高市総裁も度々発言している「科学技術立国」、これを実現するためにどういったことを優先的に進めるべきか、大臣のお考えを教えてください。
(答)我が国が「科学技術立国」として世界を先導していくことは極めて重要だと思っております。現在、第7期科学技術・イノベーション基本計画の策定に向けた検討を進めているところであります。その検討においては、様々な論点や取組が挙がっておりますけれども、やはり今、特に強調したいことは、新たな「知」を生み出すための基礎研究力、これを抜本的に強化し、この記者会見の場でも繰り返し述べておりますけれども、国家として「科学の再興」を目指すということが、本当に今、待ったなしの状況ではないかと思います。この点を強調したいと思います。
 本年、大変喜ばしいことに、大阪大学の坂口志文先生と京都大学の北川進先生、お二人がノーベル賞を自然科学の分野で受賞されましたが、このお二人の授賞理由となった研究成果は1990年代に発表されたものであり、一方で、近年、我が国の研究力が低下していることに、我々、大いなる危機感を感じております。
 坂口先生や北川先生からも直接お話をお伺いしましたけれども、基礎研究に対しましては、途中で中断してしまうとそこで終わってしまいますから、シームレスに切れ目なく継続的に支援していくことが極めて重要だということ、そして、優れた研究環境を整備することなどもやはり重要だと考えております。第7期基本計画における研究開発投資の在り方の検討と併せ、やはり何といっても必要となる予算の確保にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 また、併せて、予算の確保に向けては、常に研究現場の声に耳を傾けながら、基礎研究の重要性、そして繰り返しになりますけれども、切れ目ない継続的な予算支援の必要性、こういったことをやはり広く国民の皆様に発信して御理解をいただくことが重要だと思います。政府関係者にも同じく御理解をいただいて、幅広い支援をいただく、そのための活動もしなければならないと思っております。事務方にも、迅速にこの点について取組を進めるよう、先週、私から具体的な指示を出したところであります。
 いずれにしましても、「科学の再興」のために、そしてまた、「科学技術立国」として世界をリードするためにも、残された期間は恐らく僅かですが、尽力してまいる考えであります。
(問)大学・研究機関の技術職員に関連して伺います。今、大学や研究機関の技術職員が割とずっと減っている傾向にあって、現場では問題になっていますし、政府でもいろいろとどうしようかという議論がされていると思うのですけれども、日本の研究力や研究基盤において、技術職員が果たしている役割についての見解を伺いたいということと、なり手を確保していく上でどういう方策が必要であるかという点について教えてください。
(答)御指摘の、技術職員は、研究設備・機器の維持管理に関して、高度で専門的な知識・技術を有し、研究者とともに課題解決をしてくださる非常に貴重なパートナーとして、極めて重要な人材であると私たちは認識しております。特に、大学・研究機関がその研究力を最大限に発揮するためには、本当になくてはならない不可欠な存在であります。
 一方で、技術職員は減少傾向にあり、また、適切な評価と処遇、キャリアパス確立の困難さ、人材育成の困難さ等、しっかり取り組んでいかなければならない課題があると承知しております。私自身、これまでの1年間、様々な研究機関に足を運んで視察してまいりましたが、そうした課題については、現場の関係者からも伺っているところであります。
 こうした課題を踏まえ、現在、文部科学省では、技術職員の評価、処遇、雇用等に関して、優良事例を盛り込んだ人事制度のガイドラインの策定を進めていると伺っております。これは大変結構なことではないかと思います。
 また、令和8年度概算要求においては、研究設備・機器の充実に向けた施策を積極的に盛り込んでいるところでありますので、その中でも、技術職員の充実などを戦略的に図っていく予定であります。
 もちろん、内閣府としては、第7期科学技術・イノベーション基本計画において、「技術職員の育成・確保」が重要であることを計画中に位置付けたいと考えています。引き続き、関係省庁とも連携しながら、まずは政策、制度、予算をしっかりと連動させながら、取り組んでまいる考えであります。しっかり後任の方にもこの点は引き継いでいきたいと思います。
(問)来週21日、ISS(国際宇宙ステーション)への無人補給機「こうのとり」の後継機となるHTV-Xが打ち上げられる予定です。2020年に「こうのとり」が退役しまして、5年ぶりにようやく補給に日本が参画する、復活することになりますが、このことについての所感と、今後、HTV-Xが、日本の宇宙開発が世界にどう貢献していくか、その辺りの期待についてお聞かせください。
(答)新型宇宙ステーション補給機HTV-Xを搭載したH3ロケット7号機が、来週10月21日、打ち上げられる予定であります。
 HTV-Xは、御案内のとおり、宇宙ステーション補給機「こうのとり」の後継機として、輸送能力が約1.5倍に増強され、国際宇宙ステーションの運用の根幹を支える物品等の輸送を担う重要な我が国における補給機であります。
 また、このHTV-Xでは、カーゴへの電源供給機能が新たに整備されたことから、冷凍庫や、電源が必要な実験装置の輸送、すなわち低温を維持したままの輸送などが可能となり、これによってより高度な科学実験の実施が期待されるところであります。さらに今後は、国際協力による月周回有人拠点「ゲートウェイ」への物資補給に用いることも期待されております。
 今回、5年ぶりに、ISSに向けて我が国が補給機を打ち上げる役割を担うことになりますが、我が国のこの分野での技術力の高さをしっかりと示すことができるよう、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)におきましては、H3ロケット7号機によるHTV-Xの確実な打上げに向けて、しっかりと世界にアピールできるように、最後まで着実な準備を進めていただきたいと考えております。

(以上)