城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年9月2日

(令和7年9月2日(火) 11:34~11:45  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 
 1点、御報告申し上げます。
 昨日、9月1日ですが、「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」、いわゆるAI法が全面施行となりました。その結果、内閣総理大臣を本部長、そして、内閣官房長官と人工知能戦略担当大臣、いわゆるAI戦略担当大臣を副本部長、そのほか全ての国務大臣を本部員とする人工知能戦略本部、いわゆるAI戦略本部が設置されました。
 また、今、申し上げた人工知能戦略担当大臣として、昨日、9月1日付けで、私、城内が任命されました。
 今後、できる限り早期に第1回AI戦略本部を開催し、AI基本計画や指針の策定等を進めてまいる考えであります。
 このような取組を通じて、政府一丸となってAIの開発・活用を推進し、我が国が「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」となるよう、引き続きしっかり努めてまいります。

2.質疑応答

(問)AI戦略本部について、3つほど教えてください。
 まず一つは、初代担当大臣になられたということで、改めて抱負をお伺いしたいということ。もう一つは、今後のスケジュールで、本部会合だとか基本計画など、どういうふうになっていくのか。最後に、AIと現代社会との関係について、特に大臣が課題として認識されている点についてお伺いできればと思います。
(答)まず、1つ目の抱負ですが、今般、AI戦略担当大臣という、これも重責でありますので、これを拝命したことはまさに身が引き締まる思いであります。
 これまで、科学技術政策担当大臣として、いわゆるAI法案の国会審議に自分なりに丁寧に対応するなど、AIに関連する政策に自分なりに全力で打ち込んできたと思っております。そうしたこれまでの経緯や、引き続きAI戦略と科学技術政策を一体的に推進する必要があることなどから、恐らく私が任命されたのではないかと推察いたしますが、約1年間の経験をしっかり活かして、AI戦略の推進に全力で取り組んでまいる考えであります。
 2点目の今後のスケジュールにつきましては、まず何よりも、第1回AI戦略本部を早期に開催すべく、可及的速やかに調整を進めてまいりたいと思います。また、本年冬までにはAI基本計画、そして指針、これを策定できるよう、AI戦略本部での議論を着実に進めてまいりたいと思います。
 最後に、3点目の課題認識についてですが、AIは、経済発展や国民生活の利便性、あるいは企業の国際競争力に直結する極めて重要な分野であります。特に昨今、世界でAIの開発・活用の競争が大変激化しております。したがいまして、今後、1~2年の取組が極めて重要になると考えています。
 このため、基本計画の指針の策定はもちろんのこと、しっかりと関連予算を確保していくことが重要と考えており、その際、具体的には、1つ目はAIの利活用の強力な推進、2つ目は日本の強みの創出、3つ目はAIの基盤整備と信頼できるAIの開発、こうした取組を特に充実していく考えであります。
 また、同時に、リスクへの対応も重要であり、例えば、国会審議でも多くの議員の方々から御指摘いただきましたが、人事採用におけるAI活用、あるいは性的なディープフェイクを生成するAIといった、この大きな論点については、AI戦略本部の設置を待つことなく、試行的な調査を既に進めているところでありますが、今後は、AI法に基づく新たな枠組みの下で、こうしたAIのリスクに関係省庁とともにしっかりと対応してまいる考えであります。
 いずれにしましても、繰り返しになりますが、我が国が「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」となるように、関係省庁がこれまで以上に緊密に連携し、政府一丸となってAI戦略を全力で推進してまいる考えであります。
(問)AIに関して、やはり米中に比べて日本は非常に遅れているというか、私が見る限り、日本の企業でもソフトバンクぐらいですね、その良し悪しは別ですけれども、先の先を行っている企業もあるわけですけれどもね。これによって、何かAIの活用というか、日本が中国やアメリカにタッチアップするようなスタートラインにつけるということなのか、その辺り、率直にどうお考えになるのか、思いをお伺いしたいです。
(答)先ほど申しましたように、ここ1~2年が本当に勝負だと思っております。ここで足踏みすることは決してあってはならないということであります。競争が大変激化していますので、その中で、勝ち筋をどこに設定していくかということが大事だと思います。
 米中と競争して伍していくためには、今、申しましたように、勝ち筋をしっかり設定すること、どのような政策を具体的に展開していくかということが重要であり、この記者会見の場で何度もお答えしていますが、日本の強みである医療、インフラ、防災といった、我が国が良質なデータを持つ分野において、外国製ではなくて日本製のAIアプリケーションをしっかり開発して、それをまた国内のみならず海外にも展開していくということが、今後の我が国の一つの勝ち筋になるのではないかなと思います。
 また、「フィジカルAI」や「AI for Science」といった新たなAI領域でも、我が国の強みである技術やデータをしっかり活かして、更なる勝ち筋を見出していくことが必要だと思います。
 いずれにしましても、今後、先ほど申しました、AI戦略本部がもう既に設置されましたので、その下で、専門調査会での御意見も踏まえながらAI基本計画を策定し、この基本計画を基に、政府一丸となってAI戦略をしっかり進めてまいる考えであります。
(問)AIについては規制と推進があると思うんですが、AI推進法と書いたら間違いですか、我々が。それはどういうふうにお考えになるのか。やはり推進法でないと、これは勝ち筋が見えないんだと、もちろん規制も必要ですけれども。その辺りのことはどうお考えになっているのか、率直に伺いたいんですけれども。
(答)やはり両方大事でして、推進も大事でありますし、同時に、実際、性的なディープフェイクの問題についても、今、様々な形で問題になっていますので、推進をしながらリスク対応もしっかりやるということが大事です。また、「広島AIプロセス」というのもありますので、国際的な場においても、しっかりルールメイキングについて、日本が主体性を持って取り組むということが重要だと考えております。
(問)所管ではないことで恐縮なんですけれども、自民党なんですが、今日、両院議員総会が開かれ、総裁選の是非について賛否を問うというプロセスにこれからなっていくかと思うんですが、大臣としてというか、自民党所属の国会議員としてどういう対応をなさるのか、教えていただければと思います。
(答)お尋ねの件につきましては、自民党における政治活動に関する事柄であるため、この場でコメントすることは差し控えさせていただければと思います。
(問)もうちょっと何かありませんか。
(答)これは大臣としての行政の場の記者会見ですので、こういった自民党における活動に関する事柄について、この場でコメントすることは、大変申し訳ありませんが、差し控えさせていただければと思います。

(以上)