城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年8月8日
(令和7年8月8日(金) 11:14~11:30 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
冒頭2点、御報告させていただきます。
1点目は、宇宙政策担当大臣及び科学技術政策担当大臣としての報告であります。
今週、令和8年度概算要求に向けて、宇宙分野及びAI分野において、それぞれ関係省庁の皆様にお集まりいただき、関連施策のヒアリングを行いました。
まず、宇宙分野でありますが、8月5日に「宇宙関係予算についての関係府省連絡会」を開催し、これは毎年この時期に実施しているものであるのですが、各省庁の副大臣・政務官から、概算要求の準備状況、そして意気込みについて、お伺いをいたしました。
私からは、まず1つ目は、宇宙戦略基金等を通じて、民間企業や大学等への支援を拡充すること、2つ目は、我が国の宇宙分野の中核機関であるJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)の基盤を強化すること、3つ目は、通信、測位、リモートセンシング等の衛星の利用を様々な政策分野で拡大していくこと、この3点を中心に、各省庁にてしっかり予算を確保するようお伝えさせていただきました。
次に、AI分野についてですが、これは、昨日7日ですが、「令和7年度AI関連重要施策ヒアリング」を開催し、これは、科学技術政策担当大臣が実施する取組としては初めての試みとなりますが、同じく関係省庁の皆様にお集まりいただき、概算要求に向けたAI関連施策の検討状況をお伺いいたしました。
私からは、世界でのAI開発競争が大変激化する中で、AI分野では、今後1~2年の取組が極めて重要、この1~2年が勝負ということでありますので、各省庁に対して、危機意識を持って予算を確保するよう指示を行ったところであります。またその際、特に、1つ目は、AIの利活用の強力な推進、2つ目は、新たなAI領域での日本の強みの創出、3つ目は、AI利用・開発基盤の整備と信頼できるAIの開発・利用、この3つの取組を積極的に展開するように、と申し上げました。
今般のヒアリング結果を、各省庁における令和8年度概算要求にしっかりとつなげるとともに、宇宙関係予算、並びにAI関連予算の確保に向けて、政府の先頭に立って、引き続き取り組んでまいります。
2点目でございますが、これは科学技術政策担当大臣としての報告です。
一昨日、宮城県仙台市にあります国立大学法人東北大学を視察いたしました。視察においては、東北メディカル・メガバンク機構、そして、国際集積エレクトロニクス研究開発センター、さらに、3GeV高輝度放射光施設「ナノテラス」、そして、東北大学発のスタートアップ等が集う「青葉山ユニバース」といった施設を訪問するとともに、冨永総長、青木理事をはじめ、東北大学の執行部の皆様との意見交換を通じて、国際卓越研究大学第1号として認定された、東北大学における非常に優れた研究環境やチャレンジングな取組をしっかり把握することができました。
さらに、先日の理化学研究所に引き続き、「J-RISE Initiative」のプロモーション活動も兼ねて、東北大学で活躍されている国内外の研究者やURA(ユニバーシティ・リサーチ・アドミニストレーター)の皆様との意見交換も行い、率直な御意見をお伺いすることができました。
引き続き、国際卓越研究大学制度をはじめとする、大学の研究力強化に向けた取組を、今回の視察の成果も活かしながら、しっかり関係省庁と連携して取り組んでまいる所存であります。
2.質疑応答
- (問)8月15日に80回目の終戦の日を迎えますけれども、大臣として、靖国神社への参拝等を予定されていますでしょうか。また、真榊奉納等も予定されていましたら、それも教えてください。
- (答)本件につきましては、プライベートな事柄でありますので、閣僚記者会見の場で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
なお、事実関係で言いますと、8月15日は終戦記念日ですので、春と秋の例大祭ではありませんので、私の承知している限り、真榊の奉納というのはないのではないかなと、これは確認していただければと思いますが、事実関係としては、そういうことではないかなと思います。 - (問)宇宙、AI分野での予算の獲得、国際卓越研究大学の視察、まさに時宜を得たと思いますが、世界的には、アメリカで予算削減でハーバードやNASAから大量の人が出ていくと。人材をどこが取るかは、既にヨーロッパ、欧州などは動いているわけですけれども、たしか東北大学では、卓越大学だからその受け皿になろうという動きもあるように思うのですが、この人材確保で、日本は遅れるというか、既に遅れているのですが、そういうことを含めまして、予算確保の中で、トップ人材が日本に来てくれるような環境というのをつくることについて、何か予算措置を含めまして、AIも宇宙もそうだと思うのですが、大臣の御所見を伺いたい。
- (答)非常に大事な御指摘、ありがとうございます。
御案内のとおり、アメリカのトランプ政権による予算削減などの措置を受けて、一部の米国の科学者、研究者が出国を検討しているという報告や、宇宙分野で言えば、NASA(アメリカ航空宇宙局)の職員が約4,000人、退職届を出したと報じられており、私もそういう状況を承知しているところでありますが、本年6月に発表させていただきましたように、米国を含めた現下の国際情勢を踏まえて、我が国が、研究者にとって世界で最も魅力的な国となることを目指した「J-RISE Initiative」に、私自身、スタッフの皆さんと一緒に取り組んでいるところでございます。
特に、やはり研究者の処遇面等については、残念ながら米国のトップ大学やトップ研究機関と比較して、必ずしも十分な状況ではないと認識しておりますが、今般のイニシアティブの取組なども通じて、国内外の研究者を一人でも多く惹きつけていく考えであります。
そうした中、一昨日、冒頭御報告申し上げましたように、東北大学におきましては、処遇面において、国際卓越研究大学として、海外の研究者にとって十分に魅力ある研究環境が整備されようとしている状況をお聞かせいただきましたし、こうした取組が他の研究機関でも進んでいくこと、これを大いに期待しているところであります。
政府としては、我が国の大学等研究機関における研究環境の抜本的改善、そして、国際頭脳循環の取組強化に向けて、引き続き、特にやはり予算面において、しっかりと取り組んでいくことが重要だと認識しております。御指摘ありがとうございます。 - (問)米国との関税をめぐる交渉についてお伺いします。今朝方、赤澤大臣がまさに交渉してきたところではございますが、いわゆる負担軽減措置の適用をめぐって、日米の認識にずれがあるのではないかという指摘もあります。経済安全保障上の観点から、現状をどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。また、合意文書を取りまとめないことになっておりますけれども、この点についても、経済安全保障上、問題はないとお考えでしょうか。お願いします。
- (答)米国の関税措置に係る日米協議は、私の担当でございませんので、この場で、その協議の内容の認識や合意文書の扱いについて述べることは、差し控えさせていただきたいと思います。
なお、今般の合意では、米国への投資を通じて、経済安全保障上、重要な分野について、日米が利益を得られる強靱なサプライチェーンを米国内に構築していくため、日米が連携していくこととなっております。
このような合意内容も踏まえ、引き続き、我が国の自律性の向上、優位性、不可欠性の確保等に向け、施策をしっかりと講じてまいる考えであります。 - (問)所管外でありますけれども、やはり人勧で、初任給30万円と。これは、大臣はまさにこの役所の社長なわけですけれども、やはり役所の給料を少し上げるというのは、もうほとんどの国民がそう思っているわけです。ようやく世の中の動きに合ってきたと思うのですが、率直に、やはり霞が関にいい人材を集める、それは別に科学分野だけだとは思わないのですけれども、これは個人的にどう思われるのか、是非伺いたいです。
- (答)本件につきましては、御案内のとおり、私の所管ではありませんが、個人的にあえて申し上げますと、公務員のみならず、民間の賃金、所得が向上することは非常に重要でありますし、特に近年、優秀な公務員の方が退職されて、民間企業、あるいは外国系企業などに転職する例が非常に多く見られておりますので、やはり優秀な公務員の方々には適正な給与を与えることが重要であって、給与面で、特に勤務環境も大変厳しい、いまだに残業も多くあったりするので、そういった観点から、やはり優秀な人材をしっかり確保、そして保持するためにも、公務員の給与を上げることについては、私はそれは非常に、個人的に、極めて適切だと認識しております。ただ、やはりそれなりの給与をもらう以上はしっかり、国家、国民のために、国益のために働いていただきたいというのは、これは私の個人的な考えであります。
- (問)靖国の話に戻るんですけれども、では、例年どおりになさるということなのでしょうか、15日は。
- (答)こういう記者会見の場でのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。これはあくまでも個人的なことでありますので、ここでお答えすることは、申し訳ありませんが、差し控えたいと思います。
ただ、例年について、あえて申し上げますと、地元の、例えば浜松市の終戦記念行事に出席したこともありますし、事実として、靖国神社に参拝したこともあります。いずれにしましても、今年どうするかについては、この場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
(以上)