城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年8月5日
(令和7年8月5日(火) 9:29~9:38 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
1点、宇宙政策担当大臣として御報告申し上げます。
油井亀美也宇宙飛行士が搭乗する、米国クルードラゴン宇宙船運用11号機が、日本時間の8月2日(土)0時43分に打ち上げられ、同日15時27分に国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングを完了し、その後、ISSに入室されました。油井飛行士をはじめ、4人の搭乗員たちが、無事、ISSに到着し、活動を開始されたことに安堵しております。
油井飛行士の到着により、既にISSに滞在中の大西飛行士も含め、現在、2名の日本人宇宙飛行士が、同時にISSに滞在されていることは、極めて画期的なことであります。
油井飛行士におかれては、大西飛行士からバトンを受け継ぎ、今回の長期滞在での御活躍を通じて、宇宙開発利用の進展のみならず、地上に住む国民の皆様の生活が豊かになるような成果が上げられること、そしてまた、特に若い世代の方々に、宇宙や科学技術に対する関心を喚起し、夢と希望をもたらしてくださること、こうしたことを強く期待しております。
約半年後にミッションを終えて、他の搭乗員の皆様と共に、無事に帰還されることを心から祈っております。
2.質疑応答
- (問)先日、岡山大学と日本電子が、研究機器レンタルのSXプラットフォームというのを立ち上げました。大臣としては、こうした取組についてどのように評価されているでしょうか。
- (答)岡山大学と日本電子株式会社が、「研究機器レンタルプラットフォーム」を新たに立ち上げたことは、8月1日付けの科学新聞の一面を拝見させていただきましたので、承知しております。
我が国として、先端的な研究設備・機器を戦略的に整備し、効果的に活用していくことは、科学技術・イノベーション活動にとって重要なことであります。そのための取組として、1つは基盤的経費の確保、2つ目は技術職員の確保、そして、3つ目は研究設備・機器の共用化促進などが必要になると考えております。
御指摘の研究機器レンタルプラットフォームは、産学が連携し、研究設備・機器を「買う」だけではなくて、「借りる」という、研究現場に新たな選択肢を提供し、研究設備・機器の共用化を促進するものと考えており、有意義な取組だと思います。
現在議論を進めております、第7期科学技術・イノベーション基本計画の方向性に関する論点の中でも、研究力向上を支える研究設備の共用・集約化等を掲げているところであり、引き続き、関係省庁や民間事業者と連携し、優れた研究環境の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいる考えであります。 - (問)7月24日に開かれた生命倫理専門調査会で、iPS細胞とES細胞から作った受精卵を作成することが、限定的ですが、認められました。今後、関係省庁との指針の改定ですとか、そういった予定もあるかと思うんですけれども、その辺りのスケジュールについて伺いたいのと、あと、もちろん倫理的な側面がありますので、国民の理解、関心を得ることが重要ではないかなと思うんですけど、その辺りについての所感をお願いいたします。
- (答)7月24日に開催されましたCSTI生命倫理専門調査会において、適切なルールの下で、ヒトのiPS細胞等から生殖細胞を作成し、受精させてヒト胚を作成する基礎研究について、容認する旨の報告書が審議され、おおむね了承されたと承知しております。
現在、調査会当日の議論を踏まえた最終調整を行っており、今月中には報告書が正式に決定される見込みであります。その後、この報告書を踏まえて、文部科学省、厚生労働省及びこども家庭庁において、関係指針の改定が検討されることになります。
なお、指針の改定スケジュールにつきましては、各省庁において、適切に検討されることとなるかと思います。
また、今回の報告書で容認される予定の基礎研究を含め、「生命の萌芽」として特に尊重されるべき「ヒト胚」に関する研究は、倫理的な側面があることを踏まえ、御指摘のとおり、国民の皆様の関心を喚起した上で、国民の皆様のしっかりとした理解に基づき進めていくことが極めて重要だと考えております。
このため、例えば、内閣府においては、調査会を公開で開催するとともに、議事録や報告書はホームページで公表しているところであります。また、関係省庁におきましても、「ヒト胚」に関する研究の概要等を公表するなど、適切な情報公開を進めているものと承知しております。
引き続き、適切なルールの下で、また、国民の皆様の関心、そして理解を得た上で、この分野における先端的な基礎研究が行われ、生殖補助医療の進展や、遺伝性・先天性疾患の解明などにつながっていくことを期待しております。 - (問)昨日の予算委員会で、公明党の政調会長の岡本先生が、マインドセットを変えるんだと。その上で、いろいろ議論はあったんですけれども、出色の総理とのお話合いのような感じがしました。何より夢は科学技術で、それについては、科学技術についてのプログラムを作って、倍増ですか、それぐらいのこともしなければいけないと。お金がなかったら、それはソブリン・ウェルスで稼ぐべきだと。確かに、連立与党の政調会長がそのように言って、総理もそれについて非常に前向きに回答されていたんですけれども、城内大臣としましては、その辺も含めてどうお考えなのか、伺いたいです。
- (答)昨日の衆議院予算委員会において、公明党の岡本政調会長から、科学技術予算の倍増に向けて、今、御指摘されましたとおり、様々なアイデアをいただきました。
科学技術・イノベーションは、まさに国力の源泉であり、今、御指摘ありましたように、国民の夢を将来かなえることにつながるものでありますし、また、経済成長を加速させ、社会課題を解決する原動力であることから、しっかりと科学技術予算を確保していくことが重要だと、私も同じ認識であります。
そのため、今回いただきました各種提案を、しっかり分析しつつ、関係省庁とも連携して、科学技術予算の確保に努めてまいる考えであります。
なお、今後の政府全体の科学技術予算の水準や財源の在り方については、今年度中に策定予定の次期科学技術・イノベーション基本計画において、しっかりと議論してまいりたいと思います。
いずれにしましても、御指摘のとおり、非常に画期的な御提案だと私も受け止めております。
(以上)