城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年7月29日
(令和7年7月29日(火) 10:29~10:37 於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)
1.発言要旨
科学技術政策担当大臣としての報告であります。
先週7月23日ですが、埼玉県和光市にある国立研究開発法人理化学研究所を視察してまいりました。
視察においては、量子コンピュータを用いた研究開発現場での研究セキュリティ確保の取組や、仁科加速器科学研究センターを拝見し、また、五神真(ごのかみ まこと)理事長との意見交換を通じて、理化学研究所の非常に優れた研究環境や取組をしっかり把握することができました。
また、理研で活躍されております、国内外の研究者の皆様とも意見交換を行い、外国人研究者に対する理研の研究サポート体制や、日本で研究することの魅力などについて、率直な御意見を幅広くお伺いすることができました。
なお、政府では、先月より、国際頭脳循環の取組強化のための「J-RISE Initiative」を進めているところでありますが、理研での研究者の皆様との意見交換内容については、この「J-RISE Initiative」のプロモーション活動の一環として、後日、ウェブサイトで公開する考えであります。
我が国が科学技術・イノベーションにおいて世界をリードしていくためには、理化学研究所をはじめとする国立研究開発法人を後押ししていくことが重要であり、関係省庁とも連携しながら、人材や予算の確保等に向けて、引き続き尽力してまいる考えであります。
引き続き、科学技術政策担当大臣としての報告です。
本日の閣議において、本年5月に成立したAI法に関係する2つの政令が閣議決定されました。これをもってAI戦略本部を設置できることとなり、具体的には、各種準備期間を踏まえて、本年9月1日に設置されることとなりました。また、AI戦略本部の下に専門調査会を設置できるようにもなりました。
今般決定された政令に基づき、必要となる体制整備等を進め、我が国が「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」となるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
2.質疑応答
- (問)先週の基本計画専門調査会で、日本学術会議から、研究力強化のために、労働契約法の柔軟な運用や改正も含めて提言がありました。委員からも賛同の声が挙がったんですけれども、大臣としては、労働契約法の見直しなどについてはどのようにお考えでしょうか。
- (答)先日25日ですが、第8回の基本計画専門調査会が開催され、日本学術会議関係者からのプレゼンの中で、「持続的な研究者雇用システムの構築」に向けた取組の一つとして、「研究者に適した労働契約法のあり方の検討」に関する提案があったと伺っております。
まずもって、我が国の研究力を高めていくためには、研究者の皆様の「安定的な研究環境の確保」と「人材の流動性の確保」の2つの両立を図ることが重要であると考えております。
その上で、御案内のとおり、大学等の研究機関の研究者等については、労働契約法の特例が設けられており、令和5年4月からは、特例対象者に無期転換申込権が発生しているところであります。
現在、内閣府では、文部科学省など関係省庁と連携して、その実態把握を行っているところであり、昨年度の調査結果によりますと、雇用後10年を迎える特例対象者1万2,397人、この8割が無期労働契約を締結又は締結する権利を得ているものと承知しております。
先日の専門調査会においては、この労働契約法の見直しに関して、様々な意見が出ていたとも聞いており、まずは引き続き、関係省庁と連携した調査を継続しながら、現場の状況を注視していく考えであります。
また、研究機関において、無期転換ルールの適用を逃れる意図をもって「雇い止め」を行うことは、労働契約法の趣旨に照らして望ましくないものでありますので、その旨、政府からも各機関に対して、引き続きしっかりと周知してまいる考えであります。 - (問)アメリカのNASA(アメリカ航空宇宙局)が、職員4,000人ほどが退職をするという届出を出したと発表していまして、全体の20%超に当たるということで、これだけの人数がいなくなることで、日本が関わるプロジェクトにどういう影響があるのかというのを、どのように精査していくお考えでしょうか。
- (答)御指摘のとおり、NASAで全職員の約2割に当たる約4,000人が退職届を出したという報道は私も承知しております。現時点で詳細は承知しておりませんが、我が国としては、本年2月に発出されました日米首脳共同声明の内容も踏まえて、月面探査や地球低軌道利用といった宇宙科学・探査などの米国との宇宙協力に、着実に取り組むことが重要と考えております。
今回のNASAの動向が、アルテミス計画をはじめ、我が国が参画する様々な取組にどのような影響を与えるかということについては、現段階で予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思いますが、引き続き、文部科学省やJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)と連携し、NASAを含めた米国側とのコミュニケーション、意思疎通を緊密に図りながら、情報をしっかり収集・把握した上で、我が国への影響をしっかりと見極めていく考えであります。 - (問)参議院選挙での敗北を受けて昨日開かれた両院懇談会で、石破総理が続投に理解を求めた一方で、出席者からは、辞任だったり総裁選の前倒しを求める意見が相次いでいるかと思います。こうした党内状況を大臣はどのように見ていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。
- (答)お尋ねの件につきましては、これはあくまでも自民党内部の会議でありますので、ここは政府の記者会見の場でありますので、お答えすることは差し控えたいと思っております。
他方で、今回の選挙の結果については、やはり謙虚かつ厳粛に受け止めていくことが大事だと受け止めております。
(以上)