城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年7月15日

(令和7年7月15日(火) 11:00~11:10  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 
 科学技術政策担当大臣して御報告申し上げます。
 一昨日、13日でありますが、大阪・関西万博に参画しているイーター機構のスペシャルデーとして、「Fusion Day」が開催され、日本政府代表として私が出席いたしました。
 当日は、バラバスキ機構長及び鎌田副機構長、そして、大前イーター機構2025万博コミッショナーなどの皆さんを迎賓館においてお迎えするとともに、式典では、日本政府代表として挨拶を行い、今般改定した「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」におけるイーター計画の重要性などについて発信をさせていただきました。
 また、挨拶の中では、イーター建設に多くの日本人職員が活躍していることや、大企業に限らず中小企業も含めた日本のものづくりの力が存分に発揮されていることなども発言させていただきました。
 その後、バラバスキ機構長ら賓客の皆さんとともに、パビリオンの訪問、具体的には、イーター機構の展示や日本館及び電力館の視察も行いました。
 引き続き、フュージョンエネルギーの早期実現、そして産業化に向けて、今般改定した国家戦略に基づき、内閣府が司令塔となって、関係省庁や産業界としっかりと連携し、イーター計画への貢献を含めた取組を加速してまいる考えであります。
 そして、2点目ですが、これも科学技術政策担当大臣としての報告です。「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想」について、「先行的活動」のキックオフとして、活動実施の支援に重要な役割を果たす外部機関の公募を、本日15日付けで開始いたします。
 いわゆるGSC構想は、「世界最高水準のイノベーション・エコシステムのハブを構築する」という、過去に前例のない挑戦的な取組であります。昨年8月に策定した「基本方針」では、世界から優れた人材・投資を集める呼び水として「先行的活動」を行うこととしており、先月、その実施方針を決定したところであります。
 今回の公募では、「先行的活動」の3つの柱であります、「研究者・投資家等の集積に向けた国際研究」、また、「事業化支援」、さらには「人材育成」の、各プログラムの実施に協力いただく、ディープテック分野の研究及び事業化支援に実績を有する外部機関について、国内外から広く募集を行います。
 そしてまた、「人材育成」のプログラムにつきましては、外部機関の公募と併せて、海外からの人材受け入れに協力いただける受入機関の公募も本日付けで開始いたします。
 また、この公募開始に先んじて、今月9日付けで、内閣府に、「先行的活動」のプログラム全体の運営等について御助言をいただくための「ステアリング・コミッティ」を設置しており、書面開催を通じて、今回の公募要領等については事前に御意見・御確認をいただいたところであります。
 「先行的活動」の実施は、この秋からの事業開始を目指しております。今回の公募を通じて、世界各地の皆様に、日本のGSC構想を知っていただくとともに、過去に前例のない挑戦的な取組であるGSC構想の実現に向けて、共に挑戦いただける、頼もしい機関からの多くの応募があることを期待しております。

2.質疑応答

(問)冒頭発言にもあったGSCの先行的活動についてですけれども、2つほど教えてください。
 一つは、今回、重要な意思決定、助言を行うステアリング・コミッティなんですけれども、この人選、こういうメンバーにした狙いについて教えてください。もう一つは、支援機関の公募が中心ですけれども、受入機関の公募については大学等が対象になると思います。挑戦する大学等への期待をお教えください。
(答)まず、1点目の「ステアリング・コミッティ」の人選の狙いでありますが、先ほど申しましたとおり、「ステアリング・コミッティ」は、GSC構想の具体化に向けた、先行的活動のプログラム全体の運営等についての御助言をいただくために設置したものでありますので、その構成員につきましては、研究のグローバル市場での事業化の実績や、スタートアップの創業や経営の実績、スタートアップ支援や起業家育成支援の実績、さらには、国内外のテクノロジー等の動向に関する知見、こういった観点から人選を行ったものであります。各構成員には、そうした実績や御知見を最大限発揮していただきながら、このGSC構想の推進に大いに貢献いただきたいと考えております。
 2つ目のインバウンド受入機関公募での大学等への期待につきましては、まず、海外からの人材を受け入れる「インバウンド受入機関」に応募予定の国内大学等には、GSC構想を共に進めるパートナーとして、例えば、起業家精神の高い研究者の育成、あるいは、海外からの研究者の受け入れに係る英語での研究・生活環境の整備、さらには、スタートアップ創出に向けた支援などの活動を進めていただくことを念頭に置いております。
 今回の公募には、国際頭脳循環の取組強化を目指す大学等を含めた多くの機関から、優れた提案が次から次へと出てくることを強く期待しております。
(問)日本時間の8月1日に、油井亀美也宇宙飛行士が、2回目のISS(国際宇宙ステーション)への長期滞在で打ち上げられることになりました。2回目の滞在なんですけれども改めて期待することと、あと、今回の打上げに臨んでの所感をお願いいたします。
(答)先日、米国NASA(アメリカ航空宇宙局)から、国際宇宙ステーションへの長期滞在を予定している油井亀美也宇宙飛行士の打上げ日時が、日本時間ですが、8月1日午前1時9分であること、これはちなみに米国東部夏時間7月31日の12時9分です。そして、現在ISSに滞在中の大西宇宙飛行士のISSからの離脱予定日が8月5日以降となることが公表されたと伺っております。
 まずは、油井飛行士の打上げ及び大西飛行士の帰還が無事成功することを願っております。
 また、油井亀美也飛行士がISS滞在中に行う「きぼう」利用ミッション、例えば、二酸化炭素の除去に関する軌道上技術実証、あるいは、微小重力環境下での精密なロボット動作の実証、さらには、宇宙環境における作物生産システムの開発に向けた実験、こうしたことなどがあると伺っており、その成果が宇宙利用の大いなる前進につながることを期待しております。
 また、大西飛行士、油井飛行士と、2期続けて日本人宇宙飛行士がISSに長期滞在することは、これまでの日本人飛行士の活動を通じて、我が国の有人宇宙活動が国際社会から信頼されてきた証左であると受け止めております。
 両飛行士を含めた日本人宇宙飛行士の活躍は我が国の誇りであり、特に若い世代の方々の宇宙や科学技術に対する関心を喚起する上で大切な役割を果たしていると考えております。
 地上へと帰還する大西宇宙飛行士とISSに旅立つ油井飛行士、それぞれが、これからのミッションで御活躍されることを心から願っております。

(以上)